説明

多連独楽

【課題】従来の独楽は一方向の回転動作だけであるので、玩具としてのおもしろさに欠けるきらいがあったが、独楽本体を羽根車形状等にし、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることにより、見た目に美麗で、意外性があって遊ぶ者を楽しませることができる多連独楽を提供する。
【解決手段】複数個の回転独楽を積層し、球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の中心軸を独楽の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸を一方の側には貫通する軸芯を設け、他方の側には軸穴を設け、最下部独楽の下側の軸芯は独楽支持台の孔中にゆるく差し込まれ、上部独楽は、下部独楽の軸穴に同軸上に着脱可能に配置し、下部独楽あるいは上部独楽の一つを強く手弾くことにより回転力を印加し、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることを特徴とする多連独楽を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コマ玩具に関する。特に上部と最下部で互いに回転方向の異なる多連独楽に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、子供たちが遊びに用いる独楽玩具の全体斜視を図12に示す。略円錐状の胴体11と前記略円錐状の胴体11の中心から上方及び下方に独楽軸芯15を設け、独楽軸芯15を親指と人差指で回すことにより、独楽本体を回転させて遊ぶ。従って、従来の独楽は一方向の回転動作のみであった。
【0003】
また、独楽が回転する際に接する面側の軸芯15は円錐状の胴体11とは別の材料で製造され、円錐状の胴体の中心部に穴をあけ嵌めこまれ、先端部は尖った円錐形状としたものや、軸芯15が円錐状の胴体と一体に切削等で製作されたものもある。
前記の軸芯形状および軸芯を独楽の中心軸になるように製作する理由は、極力独楽の回転時の歳差運動を少なくするためである。
【0004】
また、特許文献1には、頭部先端までの形状を半球形もしくは楕円体又は先端を有するかぶら形状とし、独楽が歳差運動により傾倒状態を維持するように、下部形状を球形体にし、重心を軸方向ほぼ中心に位置して、大きな独楽が回っているように見え、さらに独楽が静止状態のとき、回転体上の模様が静止時と同じように見える、歳差運動を利用した独楽もある。
【特許文献1】特開2005−34603公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の独楽は一方向の回転動作だけであるので、玩具としてのおもしろさに欠けるきらいがあった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するため、複数個の回転独楽を積層し、球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部である球面体13の中心軸を独楽の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸を一方の側には貫通する軸芯を設け、他方の側には軸穴を設け、最下部独楽の下側の軸芯は独楽支持台の孔中にゆるく差し込まれ、上部独楽は、下部独楽の軸穴または軸芯に、前記上部独楽の中心軸を一致させるように設けた軸芯または軸穴を下部独楽の軸芯の同軸上に着脱可能に配置し、下部独楽あるいは上部独楽の一つを強く手弾くことにより回転力を印加し、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることを特徴とする多連独楽を提供することを最も主要な特徴とする。
独楽支持台の孔および隣接する軸穴16に軸芯15はゆるく差し込まれ、球面体13が穴の周囲を接触しながら歳差運動をすることを積極的に利用しているので、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向が逆となる。
【発明の効果】
【0007】
上述したように本発明では、隣接する独楽同士は互いに回転方向が逆になるので、多連独楽に羽根や装飾品を取り付けたり、色彩や模様を工夫することにより従来技術からは得られなかった新規な効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、機能あるいは構造が類似の構成要素には極力同じ名称と符号を付し、初出のものに必要な説明を行い、再出の場合には変更点や特徴点がある場合に限って説明する。
【0009】
本発明の多連独楽の一例として3連独楽を図1に示す。図1に示すように、本発明の多連独楽は、最下部の単体独楽1、単体独楽2、上部単体独楽3、支持台から成る。
【0010】
図2は図1における多連独楽を構成する単体独楽ユニット10の一例を示す縦断面図である。球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部である球面体13の中心軸を独楽本体11の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸に一方の側には貫通する軸芯15を設け、他方の側には軸穴16を設ける。また、円筒軸柱14は軸穴16を作るための部材である。
【0011】
また、独楽本体11には独楽に回転力を印加するための手弾き用凸部12を設ける。この手弾き用凸部12は多連独楽を構成する単体独楽の少なくとも1個以上に設ければよい。また、単体独楽に設ける手弾き用凸部12は回転バランスが損なわれない配置に設けなければならない。従って2個以上となる。
また、回転バランスが損なわれない配置にするためには正多角形の頂点に設ければよい。
【0012】
最下部独楽1の下側の軸芯15は支持台20の支持台穴21の孔中にゆるく差し込まれ、上部独楽は、下部独楽の軸穴16に前記上部独楽の中心軸を一致させるように設けた軸芯15を同軸上に着脱可能に配置し、多連独楽を構成する一つの独楽を強く手弾くことにより回転力を印加する。
【0013】
前記支持台20は多連独楽全体を支えるために、多連独楽の個数、重量に適した大きさと重量が必要であり、支持台穴21は本例では支持台20の上下面を突き抜けているが、必ずしも突き抜けなくても良い。
【0014】
支持台穴21が上下に貫通せず、途中で下部が閉鎖されている場合には、最下部の独楽の球面体13が支持台穴21の周囲の支持台20の壁面に接触しながら歳差運動をするために、前記支持台穴の深さは最下部の独楽の球面体13より出ている軸芯15の長さより深くなければならない。
【0015】
次に本発明の多連独楽の動作原理について説明する。
図9は本発明の動作原理を説明するための図である。円柱状の回転体52がCW方向に自転するとする。この時、円柱状の回転体52は図示のごとく円筒内壁51に接して、自転することを考える。この場合、円柱状の回転体52は円筒内壁51との接触摩擦により、円筒内壁51を転がりながら移動し、前記円柱状の回転体52の中心点の軌跡はCCW方向の円運動となる。
【0016】
図3は本発明の動作原理を示す縦断面図である。
図3において、独楽ユニット10−1は最下部単体独楽1であり、独楽本体11の手弾き用凸部12をCW方向に手弾くと、独楽ユニット10−1は図示のごとく傾いてCW方向の自転をする。すなわち、歳差運動をしながら自転していることになる。
従って、独楽ユニット10−1の下側に設けられた球面体13−1は、支持台20の上面の壁面を転がりながら回転する。即ち、前記図9で説明した原理により、円筒軸柱14−1の先端部中心すなわち軸穴16−1の中心の軌跡はCCW方向の円運動となる。
【0017】
図1に示すように、図3の最下部独楽ユニット10−1の軸穴16−1に単体独楽2の軸芯15−2をゆるく差し込めば、単体独楽2の球面体13−2は単体独楽1の円筒軸柱14−1の上面を転がりながらCCW方向に回転し、単体独楽2の軸穴16−2の中心の軌跡はCW方向の円運動となる。
【0018】
同様に、図1に示すように単体独楽2の軸穴16−2に単体独楽3の軸芯15−3をゆるく差し込めば、単体独楽3の球面体13−3は単体独楽2の円筒軸柱14−2の上面を転がりながらCW方向に回転し、単体独楽3の軸穴16−3の中心の軌跡はCCW方向の円運動となる。従って、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることとなる。ただし、独楽の回転速度が速い場合には、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をするが、停止する前の低速回転では、軸芯15と軸穴16との摩擦抵抗が歳差運動より強くなるため、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向が同方向に回転することもある。
【0019】
前述のごとく、最下部の独楽と支持台20、および隣接する下部独楽と上部独楽は互いに傾いて球面体13が接触する壁面を転がりながら回転する、すなわち歳差運動と自転が発生するようにするためには、支持台20の支持台穴21と最下部の独楽の軸芯15、および下部独楽の軸穴16と上部独楽の軸芯15がゆるく挿入できる様な寸度関係が必要不可欠となる。具体的には軸芯15の外径を100とすれば支持台穴21および軸穴16の内径は110〜130で最適値は120である。
【0020】
また、独楽本体11は円板形状だけでなく図10(a),(b),(c)に示すような複数の羽根車(プロペラ)形状でもよく、当然円板形状を含めての組合せ構成でも良い。
また、独楽本体11として羽根車形状を使用する場合は、回転体としての動バランスをとるために、複数の羽根車の各中心線は正多角形の中心と各頂点を結ぶ線と一致させる。
【0021】
図1に示す多連独楽を構成する各部の素材は、基本的に制約はない。しかし、主に手弾き・手廻し用の下部回転独楽1は、上部回転独楽2よりも重さのある素材とすることがのぞましい。支持台も同様である。
【実施例】
【0022】
図1に本発明にかかわる多連独楽構成の一例として3連独楽を示したが、具体的な実施例を説明する。
最下部の単体独楽1の独楽本体11−1は、回転時の慣性を大きくするために、金属板を打ち抜いたものであり、独楽本体の手弾き用凸部12−1は回転時の動バランスが取れるように正4角形の頂点となる90度の位置に4個設けた。
【0023】
単体独楽2の独楽本体11−2は、プラスチック製である。上部単体独楽3の独楽本体11−3もプラスチック製である。単体独楽2の独楽本体11−2は、上部単体独楽3の独楽本体11−3より外径、厚みを大きくして、上部単体独楽3より回転時の慣性を大きくしている。
【0024】
また、3連独楽のそれぞれ3個の単体独楽が、よく見えるように上部独楽の外径が順次下部独楽の外径より小さくする。概略最下部独楽1の本体11−1の外径を100とすれば、単体独楽2、上部単体独楽3の本体外径を60、35程度に設定すると見た目のバランスが良い。
【0025】
また、支持台20は3連独楽全体を支えるために、適宜の重量が必要であり、本実施例では材質は黄銅である。
また、前記動作原理で説明したごとく球面体13は、支持台20の上面の壁面を転がりながら回転するので、図3に示すように壁面の転がりが良くなるように支持台20の支持台穴21のとの接触部に支持台穴面取り部22を設けてある。
【0026】
また、前記動作原理で説明したごとく、支持台20の支持台穴21、最下部の単体独楽1の軸穴16−1、単体独楽2の軸穴16−2は外径φ1.2mmであり、最下部の単体独楽1の軸芯15−1、単体独楽2の軸芯15−2、単体独楽3の軸芯15−3の外径はφ1.0mmである。
【0027】
図4は、本発明の2連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。下部独楽1の独楽本体11−1と球面体13−1の中心軸が一致するように一体化し、球面体13−1の上下に貫通して、先端部を球面の一部とした軸芯15−1を設け、上部独楽2の独楽本体11−2には軸穴16−2を有する円筒軸柱14−2を取り付ける。
【0028】
また、下部独楽1の軸芯15−1の上部に独楽2の軸穴16−2をゆるく差し込み、下部独楽1の軸芯15−1の下部は支持台20の支持台穴21にゆるく差し込まれている。
本実施例においても、前述したごとく軸芯15−1の外径を100とすれば支持台穴21および軸穴16−2の内径は110〜130で最適値は120である。
また、上部独楽2は極端には、頭に被る帽子の様に、下部独楽1に対して少し傾きセットされるようにする。
【0029】
図4において、下部独楽1の独楽本体の手弾き用凸部12−1をCW方向に手弾きすれば、下部独楽1は傾いてCW方向の自転をする。すなわち、歳差運動をしながら自転していることになる。従って、独楽1の軸芯15−1はCCW方向の軌跡を描きながら歳差運動をする。その結果、独楽2もCCW方向に回転することになる。
従って、図4に示した実施例においても下部独楽1と上部独楽2は互いに逆回転動作の2連回転独楽が実現されることになる。
尚、図4に示す2連回転独楽においては、上部独楽2の方に、手弾きによる回転駆動入力を行っても、上下独楽1,2が互いに反対方向に回転し、2連回転独楽が実現される。
【0031】
図5は本発明の別の2連独楽の実施例を示す縦断面図である。
下部独楽1は、図4の構成と変わるものではないが、下部単体独楽1の軸芯15−1が、上部単体独楽2の軸穴16−2をつき抜ける構成とするものである。
従って、この場合は上下独楽1,2間に適度の間隔が保てるように下部独楽1に接する側に軸穴16−2を貫通させた円筒軸柱14−2を設け、下部独楽1に接する部分に球面体13−2を設ける。
本構成においても、下部独楽1の独楽本体の手弾き用凸部12−1を手弾きし、回転駆動力を与えれば、上下独楽1,2が互いに反対方向に回転し、2連回転独楽が実現される。
本実施例においても、上部独楽2の方に、手弾きによる回転駆動入力を行っても、上下独楽1,2が互いに反対方向に回転し、2連回転独楽が実現される。
【0032】
図6は本発明の別構成の2連独楽の実施例を示す縦断面図である。
図6では、底部を有する円筒状の下部回転体1を手廻しで、CW回転させると、その中に挿入された上部回転体2は、図示のように回転体1の内部縁を転がり、回転してCCW回転する。従って、上下回転体1,2が互いに反対方向に回転し、2連回転体が実現される。
また、円筒状の下部回転体1は小型の電動機で回転させてもよい。
【0033】
図7は本発明の別構成の多連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。
図7において、下部回転体1は底部を有する円筒状の回転体であり、前記下部回転体1の内部に底部を有する円筒状の回転体2を移動可能な状態で挿入する。さらに、円筒状の回転体2の内部に底部を有する円筒状の回転体3を移動可能な状態で挿入する。同様に、円筒状の回転体3の内部に底部を有する円筒状の回転体4を移動可能な状態で挿入する。
動作について説明すると、前記下部回転体1をCW方向に手廻し回転させると、前記円筒状の回転体2は回転体1の内面を転がりCCW方向に回転する。さらに、円筒状の回転体2の内部に挿入された円筒状の回転体3はCW方向に回転し、同様に、円筒状の回転体3の内部に挿入された円筒状の回転体4はCCW方向に回転し、全体として隣接する上下回転体が互いに逆方向に回転する多連回転体となる。また、上記同様に、円筒状の下部回転体1は小型の電動機で回転させてもよい。
最上部の回転体は円筒状の回転体だけではなく、円柱状の回転体でも良い。図7に示す本実施例では回転体4は円柱状の回転体の例を示す。
【0034】
図8は本発明の別構成の多連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。
図8において、下部回転体1は底部を有する4個の円筒と軸芯15を一体化した回転体本体11−1である。4個の円筒内部には、底部を有する円筒状の回転体2が4個の円筒それぞれの内部で移動自在に設置されている。同様に、円筒状の回転体2の円筒内部には、円柱状の回転体3が移動自在に設置されている。
前記構成において、下部回転体1をCW方向に手廻し回転させると、下部回転体1の4個のそれぞれの円筒内部の円筒状の回転体2は回転体1の内面を転がりCCW方向に回転する。さらに、円筒状の回転体2の円柱状の回転体3はCW方向に回転し、全体として隣接する上下回転体が互いに逆方向に回転する多連回転体となる。また、上記同様に、円筒状の下部回転体1は小型の電動機で回転させてもよい。
最上部の回転体は円柱状の回転体だけではなく、円筒状の回転体でも良い。
【0035】
図11は図1の多連回転独楽の別の実施例であり、図10に示す独楽本体が羽根車形状とすることにより、多連回転独楽が回転することによって、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をし、さらに、独楽2と独楽3の動きは異なり、独楽3の方が、より早い回転となり、見た目に美麗で、意外性があって遊ぶ者を楽しませることができる。
本実施例の場合、最下部の独楽本体11に手弾き用凸部を設けることなく、独楽2と独楽3の羽根車を手弾きすることにより回転力を印加し、隣接する下部独楽と上部独楽が互いに回転方向の異なる回転動作が可能となる。
【0036】
図13は別の実施例の一例とその動作である。
図13は独楽構成で、図3の構成の下部独楽1のみの構成とし、図3の独楽構成の支持台20は取り去り、平面または皿状の面上を自由に運動することを許容する構成である。
即ち、軸芯15を指でつまみCW方向に回転駆動すると、図13のように傾いた自転回転運動となる。
従って、球面体部は平面上を転がり運動することになり、独楽の運動軌跡は図13に示すようにCCW方向に回転して平面上を移動する。
これらの動作から、本実施例においても、上部独楽と下部(平面または皿状の面上)とでは回転運動方向が相対的に異なる2連回転独楽と考えることができる。
【0037】
図14も上部と下部の回転運動方向が異なる2連回転独楽の別の実施例となる。
本構成は、図3の下部独楽1のみの構成とする。
動作方法を説明すると、図14に示すように軸芯15の先端部を指でCW方向の回転駆動をさせると軸芯15先端部は歳差運動をすることとなり、下部独楽1はCCW方向の回転となる。まさに、この構成も上部と下部での回転方向が異なる2連回転独楽の別の実施例となる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の3連独楽の原理的構成を示す縦断面図である。
【図2】図1における多連独楽を構成する単体独楽ユニット10の一例を示す縦断面図である。
【図3】本発明の動作原理を示す縦断面図である。
【図4】本発明の2連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。
【図5】本発明の別の2連独楽の実施例を示す縦断面図である。
【図6】本発明の別構成の2連独楽の実施例を示す縦断面図である。
【図7】本発明の別構成の多連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。
【図8】本発明の別構成の多連独楽の実施例を示す上面図および縦断面図である。
【図9】本発明の動作原理を説明するための図である。
【図10】本発明の独楽本体が羽根車形状の例を示した図である。
【図11】図1における単体独楽2,3の独楽本体が羽根車形状である実施例の上面図および正面図である。
【図12】従来の独楽玩具全体の斜視図である。
【図13】平面上を自由に運動することを許容する応用例を示す図である。
【図14】本発明の軸芯の頭を指でおさえ、回転駆動力を与えて動作させる独楽の応用例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1,2,3 単体独楽
10 独楽ユニット
11 独楽または回転体本体
12 独楽本体の手弾き用凸部
13 球面体
14 円筒軸柱
15 軸芯
16 軸穴
20 支持台
21 支持台本体
22 支持台穴
23 支持台穴面取り部
30 羽根
35 回転体
51 円筒の内壁
52 円柱状の回転体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の上下に着脱可能に配置した回転独楽と最下部の独楽を支持する支持台を有する多連独楽において、各個別の独楽は下部独楽または支持台との接触部に球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部を有し、個別の独楽の中心軸と前記球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の中心軸を一致させるように一体化したことを特徴とする多連独楽。
【請求項2】
複数個の回転独楽により構成された多連独楽において、各個別の独楽は独楽の下側に独楽本体と球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の中心軸を独楽の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸を一方の側には貫通する軸芯を設け、他方の側には軸穴を設け、最下部独楽の下側には軸芯を設け、前記最下部独楽の軸芯は、上下に貫通する支持台穴を設けた支持台の支持台穴の中にゆるく差し込まれ、前記上部独楽の軸芯を下部独楽の軸穴に同軸上に着脱可能に配置し、最下部独楽あるいは複数の上部独楽の一つを強く手弾くことにより回転力を印加し、隣接する下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることを特徴とする請求項1に記載の多連独楽。
【請求項3】
2個の回転独楽において、下部独楽の下側に独楽本体と球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の中心軸を独楽の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸を球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の上下に貫通した軸芯を設け、上部独楽の独楽本体には軸穴を有する円筒軸柱を取り付け、前記軸穴は円筒軸柱を貫通せず、下部が開口、上部は閉鎖され、下部独楽の上部軸芯は上部独楽の軸穴に着脱可能に配置してゆるく差し込み、前記下部独楽の軸芯の下部は、上下に貫通する支持台穴を設けた支持台の支持台穴にゆるく差し込まれ、下部独楽あるいは上部独楽を強く手弾くことにより回転力を印加し、下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることを特徴とする請求項1に記載の2連独楽。
【請求項4】
2個の回転独楽において、下部独楽の下側に独楽本体と球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の中心軸を独楽の中心軸と一致させるように一体化し、前記一体化した中心軸を球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部の上下に貫通した軸芯を設け、上部独楽の独楽本体には軸穴を有する円筒軸柱を取り付け、前記円筒軸柱の下部独楽に接する部分に球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部を設け、前記軸穴は球または楕円球の一部よりなる球面形状の接触部を含む円筒軸柱を貫通し、下部独楽の軸芯が、上部独楽の軸穴を突き抜け、下部独楽あるいは上部独楽を強く手弾くことにより回転力を印加し、下部独楽と上部独楽は互いに回転方向の異なる回転動作をすることを特徴とする請求項1に記載の2連独楽。
【請求項5】
多連独楽を構成する個別の独楽の軸穴および支持台の支持台穴の内径が多連独楽を構成する個別の独楽の軸芯の外径の1.1から1.3倍となることを特徴とする請求項2,3,4に記載の多連独楽。
【請求項6】
複数個の上下に着脱可能に配置した回転独楽と最下部の独楽を支持する支持台を有する多連独楽において、支持台穴が上下に貫通せず、途中で下部が閉鎖されており、前記支持台穴の深さが最下部の独楽の球面形状の接触部より出ている軸芯の長さより深いことを特徴とする請求項2,3,4に記載の多連独楽。
【請求項7】
多連独楽を構成する個別の独楽の少なくても1個以上の独楽本体の形状が羽根車形状であることを特徴とする請求項2,3,4に記載の多連独楽。
【請求項8】
複数の羽根車の各中心線は正多角形の中心と各頂点を結ぶ線と一致させることを特徴とする請求項7に記載の多連独楽。
【請求項9】
多連独楽を構成する個別の独楽の1個以上の個別の独楽の独楽本体に独楽に回転力を印加するための手弾き用凸部を設けたことを特徴とする請求項2,3,4,7に記載の多連独楽。
【請求項10】
前記手弾き用凸部を正多角形の頂点に設けたことを特徴とする請求項9に記載の多連独楽。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−247882(P2009−247882A)
【公開日】平成21年10月29日(2009.10.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−133638(P2008−133638)
【出願日】平成20年4月7日(2008.4.7)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 平成20年1月20日 日本工業出版株式会社発行の「超音波 TECHNO 第20巻第1号(通巻190号)」に発表
【出願人】(591171057)
【出願人】(595094839)
【Fターム(参考)】