説明

天井タイルの修繕方法

天井タイル及び格子システムを修復する方法は、古い天井タイルを格子から持ち上げるステップと、新しいタイルを古いタイルが配置されていた位置に置くステップと、古い天井タイルを新しい天井タイルの上に置くステップとを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的には建築構造の分野に関し、より具体的には、天井タイルの修繕方法に関する。
【背景技術】
【0002】
吊天井は、当該技術でよく知られている。典型的には、天井格子又は格子造りの骨組は、建物の天井骨組又は機械部品に固定されたワイヤーによって吊るされる。次いで装飾用天井タイルを、格子の中に挿入する。吊天井は、乾式壁の天井に比して多数の利点を有する。これらの利点は、低コスト及び取り付け中の取り散らかし発生の少なさを含むが、これらに限定されない。加えて、水漏れ又は他の損傷の場合、個々の損傷したタイルは、乾式壁の天井では必要であるかもしれない天井全体を修理する及び/又は塗り直す必要なく、簡単に置き換えられるかもしれない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
時間がたてば、天井タイルは、汚く、使い古しになるかもしれない。支持骨組の上の照明器具、スピーカー、又は機械部品に近づくために、タイルが頻繁に持ち上げられるならば、或るタイルを損傷させるかもしれない。さらに、装飾の好みは時間がたてば変わり、個人は、単に天井タイルの外観を変えたいかもしれない。
【0004】
本発明は、天井タイルを修繕するための、及び「新しい」吊天井を提供するための、迅速な、便利な、及び安価な方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前述の目的、及び他の目的を達成するために、ここに記載のごとく本発明の目的に従って、天井タイル及び格子システムを修繕するための改良方法を提供する。その方法は、古い天井タイルを格子から持ち上げるステップと、新しいタイルを、古い天井タイルが位置していた格子に置くステップと、古い天井タイルを新しい天井タイルの上に置くステップとを含む。
【0006】
必要な場合、方法は、新しいタイルを格子に置くのに先立って新しい天井タイルを形削りするステップをさらに含む。形削りするステップは、新しい天井タイルを格子に合うのに適切な大きさにカットするステップをさらに含む。形削りは、また、照明器具、スピーカ、煙検知器、パイプ、スプリンクラーのヘッド等のような障害物を収容するために、新しい天井タイルに開口をカットするステップをさらに含む。さらに、方法は、新しい天井タイルを格子に置くのに先立って、新しい天井タイルに粘着テープを貼り付ける、選択的なステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
下記の説明では、本発明の好ましい実施形態を、発明を実施するために最も適したモードの一つの単なる例として示し、且つ説明する。当然のことながら、発明は、他の異なる実施形態も可能であり、その幾つかの細部は、発明から逸脱することなしに、種々の自明な側面すべてで修正可能である。従って、図面及び明細書は、実際は例示とみなされ、限定とみなされない。
【0008】
明細書の一部をなし、組み込まれる添付図面は、本発明の或る側面を例示すると共に、説明と一緒に、発明の或る本質を説明するために役立つ。
【0009】
今、発明の好ましい本実施形態を詳細に言及し、その一例を添付図面に示す。
【0010】
今、天井タイルを修繕する本方法及び格子システムに利用されるような天井タイル10を示す図1に言及する。天井タイル10は、その寿命中、曲がったり撓んだりしない固い構造である。天井タイル10は、一つのガラスベール又は層の組み合わせによって作られるのがよい。
【0011】
一つのガラスベールの場合、天井タイル10は、ガラスファイバー、及び片側コーティング又は全含浸によって加えられた追加の化学物質を含む。オウェンスコーニングにより製造され、販売されているADVANTEXガラスファイバーを、この目的のために利用するのがよい。ファイバーの厚さは、約6ミクロンから約21ミクロンの間で変更してもよい。ガラスファイバーの長さは、約4mmと約38mmとの間で変更してもよい。加えて、合成ポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、アラミド、ナイロン、レイヨン)のような他の繊維、又は天然繊維(例えば、綿、麻、ケナフ、ジュート)を使用してもよい。
【0012】
天井タイルを被覆し又は天井タイルに含浸するために使用される典型的な化学物質は、ポリビニルアルコール、ポリアクリレート、ポリアセテート、ビニルポリマーのような合成ポリマーバインダー、三水和アルミナ、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、合成微粒子、ガラス粒子、及び難燃性窒素、及びリン含有化合物を含む。Gleesonその他による米国特許第4,559,377に開示されたような天井ボードのエッジコーティングを利用してもよい。
【0013】
層の組み合わせが使用される場合、天井タイル10は、典型的には美的特性のために、上述のごとき組成の一つ又は二以上の追加のガラスベール、強化スクリム、合成ポリマー材料の薄板、金属、厚紙、紙、ミネラルウール、グラスウール、木材パルプ、石膏又は強化層を形成する他の硬質な無機物と組み合わせて含む。層は、接着、熱溶着、又は他の手段により組み合わされ、又は積層されるのがよい。
【0014】
本発明の修繕方法を、今、図2a乃至2dを参照して詳細に説明する。既存の吊天井システムSが図2aに示される。吊天井システムSは、当該技術で知られた方法で建物の天井の骨組みFからワイヤーWで吊られた格子Gを含む。既存の天井タイルT(図には一つだけ示す)は、見て美しい天井面を提供するために、隣接する格子部材間の開口を塞ぐ。吊天井システムSの既存の天井タイルTを、初めに格子G(図2bを参照)から古い天井タイルTを持ち上げることによって迅速且つ容易に取り替える。次に、新しい天井タイル10を、古い天井タイルTが前に位置していた格子Gに位置決めする(図2Cを参照)。次いでこのステップに、古い天井タイルTを新しい天井タイル10の上に置くステップが続く。この位置では、古い天井タイルTは、新しい天井タイル10を格子Gに効果的に保持する。新しい天井タイル10が縁を含む場合、天井タイルが格子に正しく置かれたとき、これらの縁は、格子Gの上に載って、これを係合する。
【0015】
方法は、また、形削りが必要であるとき、格子Gに新しい天井タイルを置く前に、新しい天井タイルの形削りを含む。かくして、形削りは、新しい天井タイルを、格子に嵌まる正しい大きさにカットすることを含む。これは、標準の格子の大きさが利用可能なスペースに合わない壁に隣接してしばしば必要である。さらに、形削りは、照明器具、スピーカ、煙検知器、スプリンクラーのヘッド、パイプ等のような障害物を収容するために、新しい天井タイルに開口をカットするステップを含む。
【0016】
方法は、新しいタイルを格子Gに置くのに先立って、新しい天井タイル10に粘着テープを貼り付ける、任意的なステップを含む。天井タイル10が、図示したように縁12を含む場合には、両面粘着テープを、縁に位置決めする。次いで、天井タイル10を、格子Gに位置決めし、粘着テープが天井タイル10を格子Gに接着するように押し下げる。新しい天井タイル10の上に載った古いタイルTの重量は、連続の完全を確保にするのを助ける。
【0017】
要約すれば、多数の利益が本発明のコンセプトを採用することから生ずる。本方法は、吊天井システムを修繕するための、より具体的には、天井タイルを取り替えるための簡単で便利な取り組みを提供する。古い天井タイルは、新しい天井タイル10の上の空間に維持されるから、修繕中に生じる取り散らかしがなく、且つ古い天井タイルを取り除いてそれらを廃棄するのに要する時間と努力が除去される。従って、取付コストを大幅に減ずる。さらに、新しい天井タイル10により、天井の種類及びデザインに関係なく、既存の吊天井の美観を向上させる。古い天井タイルTが新しい天井タイル10の後ろで格子Gの上のしかるべき所にとどまるから、例えば火災等級、及び音響特性に関する独自の技術的特性は、新しい天井タイル10によって改善されないとしても、少なくとも維持される。さらに、天井タイルTは、実質的な取り散らかしを引き起こすことなく、且つそれらの除去を必要とすることなく取り替えられるから、修繕及び取り替えを、仕事場に対する混乱を最小にし、通常の仕事環境で行うことができる。
【0018】
発明の好ましい実施形態の前述の説明は、例示及び説明の目的で提供される。実施形態は、網羅的でなく、また発明を開示した厳密な形態に限定するものではない。上述の教示の観点から、明らかな修正又は変更が可能である。例えば、天井タイル10は、格子に係合して、パネルの面を格子にわたって広げるようにする厚さの薄い縁を含んでもよい。さらに、両面粘着テープを使用する代わりに、適切な接着剤を天井タイルに直接塗り、次いで天井タイルを格子の中に置いてもよい。さらなる変形例として、天井タイル自体を、格子に係合する縁に沿って自己接着性にしてもよい。
【0019】
実施形態は、発明の原理及びその具体的な用途の最良の実例を提供するために選ばれ、且つ説明され、それによって、当該技術の通常の技術を有する者が発明を、様々な実施形態で及び具体的な使用意図に適した様々な修正で使用することを可能にする。そのような修正及び変化の全ては、適正に、合法的に、且つ公平に権利が与えられた広さに従って解釈されたときに、添付の特許請求の範囲によって決定されたごときの発明の思想の範囲内にある。図面及び好ましい実施形態は、あらゆる方法で、請求の範囲の本来の意味、及びこれらの公平で広い解釈を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の修復方法で利用されるタイプの天井タイルの底面斜視図である。
【図2】図2aから2dは、図2bで格子から古いタイルを持ち上げ、図2cで格子に新しいタイルを配置し、図2dで古い天井タイルを新しい天井タイルの上に載せる、本発明の修復方法を図式化した側面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井タイル及び格子システムを修繕する方法であって、
古い天井タイルを前記格子から持ち上げるステップと、
新しい天井タイルを、前記古い天井タイルが位置していた前記格子に置くステップと、
前記古い天井タイルを前記新しい天井タイルの上に置くステップとを含む、
方法。
【請求項2】
前記新しい天井タイルを格子に置くのに先立って、前記新しい天井タイルを形削りするステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記形削りは、前記新しい天井タイルを前記格子に合う適切な大きさにカットするステップを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記形削りは、障害物を収容するために、新しい天井タイルに開口をカットするステップを含む、
請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記新しい天井タイルを前記格子に置くのに先立って、前記新しい天井タイルに粘着テープを貼り付けるステップを含む、
請求項1乃至請求項4の何れかの項に記載の方法。
【請求項6】
前記新しい天井タイルを前記格子に置くのに先立って、前記新しい天井タイルに接着剤を塗るステップを含む、
請求項1乃至請求項4の何れかの項に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【公表番号】特表2009−503303(P2009−503303A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−524454(P2008−524454)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008025
【国際公開番号】WO2007/014786
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(507220187)オウェンス コーニング インテレクチュアル キャピタル リミテッド ライアビリティ カンパニー (14)