説明

天板の縁部材取付構造及びその製造方法

【課題】コーナー部を含む端面に縁部材をしっかり取付けて一様な外観とすることが可能な天板の縁部材取付構造及びその製造方法の提供。
【解決手段】天板1の外周3に断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材2が天板上部端面31と上側端部18とが合致するように巻き付けられて取付けられるときに、外周3に形成され縁部材内周面21と当接する内側当接面11と、縁部材2の縁部材上面22と当接する上側当接面12と、天板1のコーナー部4付近の上側当接面12に平面視弧状の凹状に設けられ、コーナー部4において湾曲した縁部材2の上側端部18と天板上部端面31との合致にともない縁部材上面22に生じる膨出部25を受容可能な凹状部15とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天板の端面を保護する縁部材が取り付けられる天板の縁部材取付構造及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、テーブル等の天板の縁に弾性を有するエッジ部材を取り付けて天板の縁を保護する技術が知られている。プラスチック等を素材として一様な断面形状に押出成形した長尺状のエッジ部材を天板の端部に沿わせて連続的に装着することで、直線部からコーナー部まで天板を全周にわたって保護することができる。しかし、天板のコーナー部ではエッジ部材が弾性変形し直線部とは断面形状が異なるものとなるため、エッジ部材の表面の形状が変化し天板との境界が歪になりやすかった。
【0003】
これに対し、特許文献1に開示された天板のエッジ取付構造では、コーナー部においてエッジ部材の断面形状が変化しても滑らかな表面形状が保たれる。すなわち、特許文献1の技術によれば、エッジ取付構造を示す断面図である図7(a)に示すように、天板101の端面110に形成したエッジ取付部111に弾性変形し得る長尺状のエッジ部材102が装着されている。エッジ部材102には、エッジ取付部111の上下端に連続し得るエッジ形成面121が設けられており、エッジ形成面121においてエッジ取付部111の上端部114及び下端部115を弾性付勢した状態で接する押圧連続端である上押圧端124並びに下押圧端125を備えている。そして、エッジ部材102の上面には上下側凹部126が形成されており、エッジ取付部111の水平面106とエッジ部材102との間に変形許容空間たる上下側空間S101が設けられている。これにより、天板のコーナー部104において、直線部105とは断面形状が変化しても、図7(b)に示すように、上下側空間S101によってエッジ部材102の変形が許容され、上端部114及び下端部115とエッジ形成面121とが滑らかに連続する外観を呈する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1のエッジ取付構造では、エッジ部材102が押出成形等によって一様な断面形状に形成されており、天板101の直線部105に装着される部分までエッジ部材102の全体にわたって変形許容空間の隙間が設けられていた。上端部114で天板101に接し、天板101とエッジ部材102との間に上下側空間S101が設けられたエッジ部材102は肉厚が薄く、長期間にわたる使用によりエッジ部材102が素材の経年劣化を起こして変形しやすいので、天板101とエッジ部材102との外観的な滑らかな連続性が損なわれる虞があった。また、天板101とエッジ部材102との間に上下側空間S101を有するため、エッジ部材102は押圧されたときに変形しやすく、天板101の縁に触った人にはエッジ部材102が柔らかくて腰のない感触で不快感を与える虞があった。
【0005】
また、例えば天板が平面視台形を呈する場合など、コーナーによって曲率が異なる場合には、曲率の大きなコーナーほどエッジ部材102の変形量が大きいため、最も曲率の大きなコーナーにあわせてエッジ部材102を形成しなくてはならず、直線部105や曲率の小さなコーナーにおいては変形許容空間が必要以上に大きくなり、上述のような問題がさらに発生しやすくなる虞があった。
【0006】
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、天板のコーナー部における縁部材の外観的な歪みの発生を防止することが可能であり、且つ縁部材を押圧したときにしっかりとした手応えのあるものとすることが可能な天板の縁部材取付構造及びその製造方法の提供を課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の天板の縁部材取付構造は、「断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造であって、前記縁部材取付部は、前記コーナー部における前記上側当接面に形成された凹状部を具備する」ことを特徴とするものである。
【0008】
ここで、「天板」とは、テーブルや棚などの上面を構成する板材を示し、「縁部材」とは、天板の外周に取付けられて天板を保護する部材を示す。また、「コーナー部」は、天板の平面視形状において湾曲した部分を示すものであり、その曲率に関しては特に限定されるものではない。また、「端面」は天板の外周にあって側方を向いた面を示す。
【0009】
長尺弾性体である縁部材を天板の外周に取付けると、コーナー部においては縁部材の側面は縁部材取付部の内側当接面に対して当接し、縁部材の外周側では引張りが生じ縁部材の内周側では圧縮が生じる。このとき、縁部材が変形することにより縁部材の上面と上側当接面とがきれいに当接しなくなり縁部材と天板との間に隙間を生じさせたり、縁部材の外周面の上側端部と天板の端面とがずれて合致しなくなったりして天板及び縁部材の美観を損なう虞がある。
【0010】
これに対し、本発明によれば、上側当接面には凹状部が形成されており、縁部材の外周面の上側端部と天板の端面とを合致させて縁部材を取付けたときに天板のコーナー部における縁部材の上面に膨出する膨出部を受容する。これにより、縁部材の外周面の上側端部と天板の端面とを合致させるとともに天板と縁部材との間に隙間を生じさせることなくしっかりと取付けることが可能である。また、縁部材の外観的な歪みのために天板及び縁部材の美観が損なわれる虞を防ぐことができる。
【0011】
また、本発明によれば、コーナー部を含めて天板と縁部材との間にほとんど隙間を生じないようにし、縁部材が上面及び側面で天板に当接してしっかりとした弾力を発揮するように取付けることが可能である。天板の縁に身体が触れて縁部材を押圧したときに縁部材が腰のある弾力感をもたらすので好印象を与えることができる。
【0012】
また、本発明によれば、縁部材と縁部材取付部との間に空間を設ける必要がなく、縁部材を縁部材取付部にしっかりと取付けることが可能であるので、縁部材を肉厚で比較的シンプルな断面形状に形成することも可能である。これにより、縁部材の素材が経年変化して寸法に多少の狂いが生じた場合にも大きな変形や破損の発生を防ぎ美観を保つことができる。また、縁部材と縁部材取付部との隙間が小さくてしっかりと当接させることができるので、接着剤を用いて縁部材を縁部材取付部に接着する場合に好適である。
【0013】
また、本発明の天板の縁部材取付構造は、「前記縁部材取付部は前記天板の全周にわたって連続して形成されている」構成とすることもできる。
【0014】
本構成によれば、天板のコーナー部においては、曲率に応じて膨出部の形状が異なるが、膨出部を受容するような形状に凹状部が形成されているので、曲率が異なるコーナー部や直線部においても縁部材の外観を一様に保ち、外周に沿って天板の全周に一様な形状で縁部材を取付けることができる。これにより、外観の乱れを天板の全周にわたって防いで縁部材全体を一様な外観に仕上げることが可能である。
【0015】
また、本発明の天板の縁部材取付構造は、「断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造の製造方法であって、前記縁部材の上面に塗料を付着させ、前記縁部材を前記縁部材取付部に仮取付けする仮組工程と、仮取付けされた前記縁部材を少なくとも前記コーナー部を含む範囲において内周側に向けて押圧し前記縁部材の外周面の上側端部と前記天板の端面とを合致させ、前記縁部材の前記上側当接面に押圧された部分の形状を前記塗料によって前記上側当接面に転写して墨付けを形成する墨付け工程と、前記縁部材を取り外し、前記縁部材の上面に膨出する膨出部を受容するための凹状部を前記墨付けに基づいて形成する切削工程とを順に行う」構成の製造方法によって製造することが可能である。
【0016】
ここで、「仮取付け」とは、着脱可能な状態で部材を取付けることを示す。すなわち、縁部材を縁部材取付部に取付けるときに、本来は接着剤等を用いて接着して脱落を予防するが、仮取付けにおいては後で取り外すことが可能なように取付ける。例えば縁部材取付部に縁部材を取付け、粘着テープで貼り付けて固定するような方法を示すことができる。縁部材を固定する方法は特に限定されるものではなく、墨付け工程及び切削工程の障害とならなければよい。
【0017】
本構成によれば、まず、天板の外周には長尺弾性部材である縁部材を取付け可能な溝状の縁部材取付部が形成されている。そして、仮組工程によって上面に塗料を付着させた縁部材を縁部材取付部に仮取付けする。その後に、墨付け工程によって縁部材の外周面の上側端部と天板の端面とが合致するように内周側に向けて縁部材を押圧し、縁部材の上面に付着している塗料を上側当接面に転写し、縁部材が当接する部分が示される墨付けを形成する。そして、切削工程によって墨付けに基いて形成すべき凹状部の形状を決定し切削等によって形成する。
【0018】
墨付け工程では、コーナー部の周辺で縁部材を内周側に向けて押圧することで、縁部材の内部圧力が上昇し、縁部材の上面が上方に向けて膨出しようとして上側当接面を押圧する。このとき、上側当接面を押圧する強さに応じて、上側当接面における塗料の付着状態に違いが生じ、縁部材の上面が押圧する部分の形状を示す墨付けを形成することができる。これにより、仮取付けした縁部材の外周面を天板の端面に合致させるだけで簡単に墨付けを形成することができる。本発明によれば、墨付け工程によって縁部材の膨出部の形状に対応した墨付けが形成されるので、精密な計測や設計を必要とせず、凹状部を容易に形成することが可能となる。コーナー部の曲率等形状が異なる場合でも同様の作業でよく、形状が異なるコーナー部を有する種々の製品について同様に墨付けを行うことができる。この際、特別な設備や工具、作業者の熟練を必要としないので、製造コストを低減させることができる。
【0019】
凹状部の形成にあたって、コンピュータ・シミュレーションなどによって算出すれば縁部材の膨出部の正確な形状を導出することは可能であるが、シミュレーションのためのプログラムや作業が必要となる。これに対し、本構成によれば、墨付け工程によって凹状部の適切な形状を容易に決定することができる。また、特別な測定器具やシステムを必要としないので、製造コストを低減させることができる。
【0020】
凹状部の形成方法としては、例えば、やすり、刃物等の一般的な切削工具を使用して形成する方法を示すことができる。縁部材取付部は窪んだ形状であるので、電動ルータ等の小型の電動ハンドツールを利用して切削する方法が適している。
【0021】
なお、「塗料」は、湿式の場合は仮組工程及び墨付け工程が終了する前に乾燥してしまったり、縁部材及び縁部材取付部に付着した際に化学的に表面を損傷させないものが望ましいが、特に種類を限定されるものではなく、墨汁、絵具、水性塗料、油性塗料等、種々のものを使用することが可能である。また、湿式に限定せず乾式であってもよく、粉末状の顔料等であってもよい。なお、塗料の付着した部分と付着しなかった部分とが明確な墨付けを作成するために、少なくとも天板のコーナー部に対応する箇所では塗料が均一に広がった状態で付着させられている必要がある。
【0022】
さらに、本発明の天板の縁部材取付構造の製造方法は、「断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造の製造方法であって、塗料面を有するシートを前記縁部材の上面に貼着し、前記縁部材を前記縁部材取付部に仮取付けする仮組工程と、仮取付けされた前記縁部材を少なくとも前記コーナー部を含む範囲において内周側に向けて押圧し前記縁部材の外周面の上側端部と前記天板の端面とを合致させ、前記縁部材の前記上側当接面に押圧された部分の形状を前記塗料面の塗料によって前記上側当接面に転写して墨付けを形成する墨付け工程と、前記縁部材を取り外し、前記縁部材の上面に膨出する膨出部を受容するための凹状部を前記墨付けに基づいて形成する切削工程とを順に行う」構成とすることもできる。
【0023】
ここで、「シート」とは、薄紙状のものであって縁部材の上面に貼着することができるものであればよく、特に素材を限定するものではない。例えば、塩化ビニル等のプラスチック製であってもよいし、紙製であってもよいが、吸湿性を有するものであれば、塗料を含浸させ、表面に付着させるよりも多量の塗料を墨付けに使用することができる。また、繊維質の素材で作られたものなど、表面に塗料を保持するような細かな起伏のあるテクスチャをもつものであってもよく、使用する塗料となじみやすいものがより望ましい。また、「塗料面」は、塗料を有する表面を示す。シートを貼着する前に塗料を予め付着させて塗料面を設けておいてもよいし、シートを貼着した後に表面に塗料を付着させてもよい。
【0024】
本構成によれば、塗料を縁部材の上面に直接付着させるのではなく、塗料を付着させたシートを縁部材の上面に貼着するため、縁部材の上面に塗料が直接付着することを防ぐことができる。墨付け工程で縁部材の上面に塗料が付着しなければ縁部材の清掃を行う必要を省くことができる。また、シートを剥がすことで塗料を除去することができるので製造工程の省力化を果たすことができる。さらに、縁部材の上面が滑らかに仕上げられている場合には、縁部材の上面に直接塗料を付着させたときに水滴状になったりして一様に広がらず墨付けが明瞭にならない虞があるのに対し、使用する塗料となじみやすいシートを用いることで塗料を一様に付着させることができる。
【0025】
吸湿性のある素材で出来たシートを用いると、塗料を潤沢に含ませることができるので、墨付け工程で縁部材を押圧したときに上側当接面に対する塗料の付着状態に濃淡を生じさせやすく、切削工程において凹状部の形状を決定しやすくすることができる。
【発明の効果】
【0026】
このように、本発明によれば、天板のコーナー部における縁部材の外観的な歪みの発生を防止することが可能であり、且つ縁部材を押圧したときにしっかりとした手応えのあるものとすることが可能な天板の縁部材取付構造及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明の一実施形態である天板の縁部材取付構造を備えたテーブルの構成を示す斜視図である。
【図2】天板の縁部材取付構造を示す断面図である。
【図3】天板の縁部材取付構造を示す斜視図及び底面図である。
【図4】天板の墨付け工程を説明する説明図である。
【図5】天板の墨付け工程及び切削工程を説明する説明図である。
【図6】シートを用いた墨付け工程を説明する説明図である。
【図7】従来の天板のエッジ取付構造を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の一実施形態である天板1の縁部材取付構造8の構成について、図1乃至図3に基き説明する。図1は、本発明の一実施形態である天板の縁部材取付構造を備えたテーブルを示す斜視図であり、図2(a)は、直線部における天板の縁部材取付構造を示す断面図であり、図2(b)は、コーナー部における天板の縁部材取付構造を示す断面図であり、図3(a)は、天板の縁部材取付構造を示す斜視図であり、図3(b)は、天板の縁部材取付構造を示す底面図である。
【0029】
以下、図1乃至図3に基き天板1の構成について詳細に説明する。図1に示すように、天板1は、コーナー部4を丸めた略長方形の平面形を呈し、テーブルTの水平なテーブル面Sを構成する板材である。天板1の下面には、天板1を支持する脚部Lが装着されている。天板1の外周3には、天板1のコーナー部4及び直線部5も含め全周にわたって縁部材2が取付けられている。
【0030】
図1乃至図3に示すように、天板1の外周3には溝状の縁部材取付部10が全周にわたって連続的に設けられている。縁部材2は、縁部材外周面24、縁部材内周面21、縁部材上面22、及び縁部材底面26を有し、押し出し成形されたプラスチック製の断面略同一形状を呈する長尺弾性体である。縁部材内周面21と縁部材上面22とは稜線23を挟んで略直角をなしている。縁部材2が天板1に取付けられたときの位置関係で言うと、縁部材内周面21は立面であり、縁部材上面22は平面である。縁部材外周面24は略円弧面であり、縁部材外周面24の下端部は、縁部材底面26よりも下方に下部内周面27が延長されており、縁部材2の下端部の断面形状は下方に突出した楔形を呈している。縁部材2が天板1に取付けられると、縁部材取付部10の側方を塞ぎ、縁部材外周面24が天板上部端面31及び天板下部端面32と連続して全周にわたって一様に外周3の下側の角を丸く面取りしたような滑らかな形状を呈する。縁部材2は弾性変形可能であり、上述のように天板1のコーナー部4のように湾曲した部分に対しても巻きつけて取付けることが可能である。縁部材2を湾曲させると、湾曲した部分の内周側は圧縮され、外周側は伸長される。そして、圧縮される内周側においては膨らみが生じる。ここで、縁部材内周面21が、本発明の縁部材の側面に相当し、縁部材上面22が、本発明の縁部材の上面に相当し、縁部材外周面24が、本発明の縁部材の外周面に相当する。
【0031】
外周3に設けられた縁部材取付部10は、天板1の外周3の下部を「コの字」状の断面略同一な溝状に切り欠いた形状を呈しており、図2(a)に示すように、天板1の直線部5においては、立面をなす内側当接面11、上側の水平面をなす上側当接面12、下側の水平面をなす底部当接面16、及び底部当接面16の端から下方に伸びる立面をなす下側面17によって構成されている。また、図2(b)に示すように、天板1のコーナー部4においては、内側当接面11、上側当接面12、底部当接面16、及び下側面17に加えて、上側当接面12に凹状に設けられた凹状部15が設けられて構成されている。内側当接面11は、外周3に沿って直線部5からコーナー部4まで全体が連続しており無端の帯状を呈する。
【0032】
図3(a),(b)に示すように、凹状部15は、コーナー部4の形状に応じた曲率の平面視弧状または「くの字」状であって両端の方から中央部にかけて次第に太くなる形状を呈して縁部材取付部10の上側当接面12に設けられた窪みである。上側当接面12は下方に面しており、凹状部15は上方に向けて窪んだ断面山形の溝状であり、平面視形状の両端の方から中央部にかけて次第に窪みが深くなる。凹状部15は、コーナー部4において縁部材2の縁部材上面22が上方、すなわち上側当接面12の方に膨出した膨出部25と合致する形状で形成されている。
【0033】
このように、縁部材取付部10に、内側当接面11、上側当接面12、底部当接面16、下側面17、及びコーナー部4に設けられた凹状部15を備えることで、天板の縁部材取付構造8が構成されている。
【0034】
図2(a),(b)に示すように、縁部材2は、縁部材外周面24が天板上部端面31及び天板下部端面32に合致した状態で天板1の縁部材取付部10に対して接着される。縁部材内周面21は、縁部材2が天板1の外周に沿って巻き付けられるにともなって内側の内側当接面11に圧接され密着する。図2(a)に示すように、直線部5においては、上方を向いた縁部材上面22は、水平下方を向いた平滑な上側当接面12に当接している。縁部材2の縁部材外周面24は、天板上部端面31から滑らかにつながっている。図2(b)、図3(a),(b)に示すように、コーナー部4においても、縁部材外周面24の上側端部18が天板1の天板上部端面31に合致する。縁部材2の内周側が圧縮されて縁部材上面22に生じた膨出部25が、上側当接面12に形成された凹状部15に受容され、コーナー部4においても直線部5と同様に縁部材取付部10と縁部材2とが密着する。また、縁部材外周面24の下側端部19は天板1の外周3の下部に位置する天板下部端面32に合致している。こうして天板1の全周にわたって縁部材2と縁部材取付部10とが密に接した状態で接着され、縁部材外周面24は天板1の外面と滑らかに連続する。ここで、天板上部端面31が、本発明の端面に相当する。
【0035】
以下、図4乃び図5に基づき、本発明の一実施形態である天板の縁部材取付構造の製造方法について詳細に説明する。図4(a),(b),(c)は、凹状部15の形状を決めるための墨付け工程を示す説明図であり、図5(d)は、墨付けに基づいて切削して凹状部15を形成する切削工程を示す説明図であり、図5(e)は、墨付けを施した天板1の図5(a)に示したA−A線に相当する水平位置における断面を示して説明する説明図である。
【0036】
本実施形態では、まず、工程の図示は省略するが、溝部形成工程において天板1の外周3が切削され、天板1の全周にわたって連続して溝部10aが形成される。溝部10aは、図2(a)に示すように、側方が開放され、内側当接面11、上側当接面12、底部当接面16、及び下側面17を有する溝状に形成されている。直線部5及びコーナー部4にかけて上側当接面12は一様に平坦な面として形成されている。ここで、溝部10aが、本発明の縁部材取付部に相当する。
【0037】
続いて、図4(a)に示すように、塗料52を縁部材上面22に均一に付着させて、縁部材2を溝部10aに仮取付けする(仮組工程)。仮取付けとは、着脱可能な状態で部材を取付けることであり、縁部材2を接着剤等で溝部10aに対して強固に接着するのではなく、粘着テープ等で仮留めするものである。このとき、まず天板1のいずれかのコーナー部4に対して縁部材2の仮取付けを開始する。凹状部15が形成されるのはコーナー部4周辺であり、コーナー部4において明瞭な墨付け51が必要であるため、直線部5よりもコーナー部4における作業を優先する。溝部10aからの縁部材2の脱落を防ぐために粘着テープ(図示しない)で随時固定しながら作業を進め、縁部材2が不用意に動いて上側当接面12に擦れて墨付け51が不鮮明にならないようにする。
【0038】
そして、墨付け工程では、図4(b)のようにコーナー部4において湾曲にともなって上側端部18が天板上部端面31よりも突出して仮取付けされている縁部材2を、図4(c)に示すようにローラーRで側方から押圧し、膨出部25が縁部材上面22に盛り上がるように導出し、上側当接面12に転写し、墨付け51を形成する。全てのコーナー部4において墨付け51を形成することができたら、図5(d)に示すように、粘着テープを剥して天板1から慎重に縁部材2を取り外す。
【0039】
さらに詳細に説明すると、ローラーRで押圧されて縁部材外周面24の上側端部18が天板上部端面31に合致させられると、縁部材2のコーナー部4に取付けられ湾曲した部分は圧縮されて縁部材上面22が上方に膨出した形状に変形し、断面山形の膨出部25が生じる。膨出部25の形状及び大きさはコーナー部4の曲率と中心角に従って決まる。コーナー部4の曲率が大きいほど縁部材2は強く湾曲させられる。膨出部25の平面形状も曲率が大きくなるとともに曲率の高い形状となる。また、縁部材2の内周側の圧縮率が高くなるので押圧されたときに生じる膨出部25の膨らみが大きくなる。こうして出来上がった墨付け51は、図5(e)に示すように、塗料52が両端の方から中央部にかけて次第に太くなる弧状または「くの字」状に付着した形状となる。
【0040】
そして、切削工程では、墨付け51に基づいて上側当接面12の奥側の部分12a(図2(b)参照)に切削加工を施し凹状部15を形成する。凹状部15の形成方法としては、電動ルーター、やすり、その他刃物等の一般的な切削工具を使用して切削する。墨付け51の墨が付着した部分については縁部材上面22が上側当接面12に当接したことを示しているので、弧状またはくの字状に形成された墨付け51の端部から電動ルーターで切削し、膨出部25に対応する谷状に凹状部15を形成する。凹状部15の深さについては、予め縁部材2の湾曲時の高さ寸法をノギス等で計測しておくことによって決定することができる。仮組工程の当初に縁部材2を取付けた部分の墨付け51の形状は不正確である虞があるので、他の部分の形状との整合を図って最後に加工する。これにより、膨出部25を受容可能な形状に凹状部15が形成され、縁部材取付部10が完成し、天板1の外周3に縁部材取付構造8を設けることができる。
【0041】
先述のように膨出部25の形状はコーナー部4の曲率と中心角とによって決定されるため、墨付け51を形成することなく凹状部15を最適な形状で形成することは困難である。特にコーナー部4が、曲線定規のように滑らかに曲率の変化する形状に形成されている場合には膨出部25の形状は複雑化する。そのような場合にも、本実施形態の墨付け工程によれば、膨出部25の形状が上側当接面12に写し取られ墨付け51が作成されるので、膨出部25に対応した形状の凹状部15を形成することができる。
【0042】
このように、本発明の一実施形態である天板1の縁部材取付構造8によれば、上側当接面12に形成された凹状部15が、コーナー部4において湾曲した縁部材2の押圧にともなって縁部材上面22から膨出した膨出部25に合致して膨出部25を受容するため、天板1と縁部材2との間に隙間を生じさせることなくしっかりと取付けることが可能である。また、凹状部15が膨出部25を受容するのでコーナー部4における縁部材2の変形を防ぎ、縁部材2が歪んだ外観を呈して天板1及び縁部材2の美観が損なわれる虞を防ぐことができる。
【0043】
また、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、コーナー部4を含めてほとんど隙間を生じさせないで天板1に対して縁部材2が取付けられるようにし、縁部材2がしっかりとした弾力を発揮するようにすることが可能である。天板1の縁に身体が触れて縁部材2を押圧したときに縁部材2が腰のある弾力感をもたらすので好印象を与えることができる。
【0044】
さらに、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、縁部材2が縁部材取付部10に対してしっかり取付けられることが可能であり、縁部材2の素材が経年変化して寸法に多少の狂いが生じた場合にも大きな変形や破損の発生を防ぎ美観を保つことができる。
【0045】
また、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、膨出部25と凹状部15とがしっかり当接するため、接着剤で天板1と縁部材2とが接着される際には、接着面が立体的な形状となって縁部材上面22と上側当接面12とがしっかりと接着され、優れた接着強度を得ることができる。
【0046】
さらに、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、縁部材2の形状及び材質が共通していればコーナー部4の曲率と中心角とに応じて膨出部25及び凹状部15の形状が決定される。換言すれば、凹状部15の形状を、コーナー部4の曲率と中心角とに応じて決めればよいため、縁部材2を多種の製品間において共通した部材とすることが可能である。また、コーナー部4の曲率と中心角とが同様であれば、凹状部15の形状もまた同様であり容易に形状を決定することができる。これにより、設計・製造のコストを減少させることが可能である。
【0047】
さらに、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、外周3に沿って天板1の全周にわたって一様な形状で縁部材2を取付けることができ、一様に整った外観を呈するようにすることができる。天板1のコーナー部4においては、縁部材2の縁部材上面22に生じた膨出部25の形状に応じて上側当接面12に凹状部15が形成されており、膨出部25を受容することで縁部材2の外観に形状の乱れが表れることを防ぎ、コーナー部4において縁部材2が直線部5や曲率の異なる他のコーナー部4と同様の外観を呈する。これにより、縁部材2を全体的に一様な外観に仕上げることが可能となる。
【0048】
また、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8によれば、縁部材2を溝部10aに仮取付けして、上側端部18と天板上部端面31とが合致するように側方から押圧する墨付け工程によって、上側当接面12に形成すべき凹状部15の形状を示す墨付け51を施し、切削工程において墨付け51に基いて凹状部15を形成するので、墨付け工程においては精密な計測や工作を必要とせず、仮組み付けされた縁部材2を押圧することで簡単に墨付け51を形成することができる。
【0049】
また、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8の製造方法によれば、墨付け工程によって凹状部15の適切な形状を容易に決定することができる。例えば、コンピュータ・シミュレーションなどによって算出すれば縁部材2の膨出部25の正確な形状を導出することは可能であるが、シミュレーションのためのプログラムや作業が必要となる。これに対し、本実施形態においてはより簡潔な方法で短時間のうちに凹状部15の形状を決定することができる。また、本実施形態の天板の縁部材取付構造8の製造方法によれば、特別な測定器具やシステムを必要としないので、製造コストを低減させることができる。
【0050】
また、本実施形態の天板1の縁部材取付構造8の製造方法によれば、凹状部15は上側当接面12に形成されているので、墨付け工程で内周側に向けて縁部材2を押圧した際に塗料52を余計な所に付着させず墨付け51を明確に形成することができる。仮に内側当接面11に凹状部15を形成するとしたら、溝部10aに対して縁部材2を挿入したときに内側当接面11に対して縁部材内周面21を全体的に押し当てるようになってしまうので、塗料52が不要な部分にまで付着してしまい墨付け51が不明確になる虞があるが、本実施形態においては上側当接面12に凹状部15を設けるため、縁部材上面22に塗料52を付着させて仮組工程及び墨付け工程を行えばよく、縁部材2を溝部10aに挿入する際に塗料52が不要な部分にまで広く付着してしまう不具合を防ぐことができる。
【0051】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0052】
すなわち、上記の実施形態においては、仮組工程、墨付け工程、切削工程を夫々1回行うことで凹状部15を形成する製造方法を示したが、これに限定されるものではなく、凹状部15の窪みの深さを確認するため、再度仮取付けして墨付けを行い、凹状部15の形状を修正加工してもよい。また、複数回にわたって仮組工程から切削工程までを繰り返して加工精度を次第に高めるようにしてもよい。
【0053】
また、凹状部15の窪みの深さは、膨出部25の高さよりも若干大きく形成されていてもよい。凹状部15の窪みの深さが膨出部25の高さよりも大きくなっていると、接着剤を用いて接着する際により多くの接着剤を凹状部15に付着させ、乾燥後により強固に接着されるようにすることができる。
【0054】
また、上記の実施形態においては、縁部材2の断面形状は、長方形の一角を丸めた形状であったが、これに限定されるものではなく、断面が他の形状のものであってもよく、内側当接面11及び上側当接面12の断面形状が異なるものであってもよい。例えば、縁部材内周面21から内周側に向けて突条状の突出部が設けられており、該突出部と合致する溝を構成する窪みを有する断面形状を内側当接面11が呈するものを示すことができる。
【0055】
また、上記の実施形態においては、溝部形成工程として溝部10aを切削によって形成するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば、天板1を複数の板材の積層によって製造し、天板1をなす板材の形状の違いによって段丘状に外周3に溝部10aが構成されるようにしてもよい。また、天板1を金属やプラスチックで形成した場合には、プレス加工等の他の加工方法で溝部10aを形成してもよい。
【0056】
また、上記の実施形態においては、墨付け51の塗料52として墨汁を使用するものを示したが、これに限定されるものではなく、種々の塗料を使用することができる。縁部材2の素材がプラスチックまたはゴムである場合には、縁部材2の表面を荒れさせる有機溶剤系塗料よりも、水彩絵の具等の水溶性の塗料を使用することが望ましい。墨汁も含めて水溶性の塗料は、墨付け工程が終わった後に水洗いや水拭きで容易に除去することができるので省力化を図ることができる。また、湿式に限定する必要はなく、チョークやカーボン等の乾式の粉末状の顔料等であってもよい。湿式の塗料を用いる場合は、仮組工程及び墨付け工程が終了する前に乾燥してしまうと作業性が低下するため、未乾燥のままで作業時間を十分にとることが可能な塗料が望ましい。
【0057】
また、墨付け工程は、図6に示すように、表面に塗料が付着した塗料面を有するシート53を用いるものとしてもよい。シート53は、吸湿性を有する紙または繊維質の薄紙状のものが好ましいが、プラスチック等でコートされた光沢面を備えた紙や、プラスチック素材であってもよい。弾性変形可能な素材であるプラスチックやゴムで縁部材2が形成されると、縁部材2に直接塗料を付着させても塗料が均一に広がらず水滴状になってしまったりしてムラが生じやすいのに対し、シート53を縁部材2の縁部材上面22に貼着することで塗料を均一に伸ばしやすくし、墨付け51の形状をより明確にすることができる。また、吸湿性のある素材で出来たシート53を利用すると、シート53に塗料52を浸潤させて使用することで、シート53に加わる圧力に応じて塗料が放出され、濃淡の明瞭な墨付けを形成することができる。墨付け工程が終了した後にシート53は縁部材2とともに取り外され、縁部材2から除去される。なお、シート53を貼着する前に塗料を予め付着させて塗料面を設けておいてもよいし、シート53を貼着した後に表面に塗料を付着させてもよい。予め塗料を付着させたシート53を使用する場合は、例えばカーボン転写紙等の既成品を加工してシート53として利用することもできる。
【0058】
また、繊維質など吸湿性のある素材で出来たシート53を用いると、塗料52を潤沢に含ませることができるので、墨付け工程で縁部材2を押圧したときに上側当接面12に対する塗料52の付着状態に濃淡を生じさせやすく、切削工程において凹状部15の形状を決定しやすくすることができる。吸湿性の低い素材であっても表面に細かな起伏のあるテクスチャを有するものならば、塗料が表面張力によって水滴状になってしまう虞を抑制しつつより多くの塗料を付着させることができる。
【0059】
上記の実施形態では、墨付けに基いて切削工程で凹状部15を形成するにあたって、あらかじめ膨出部25の高さ寸法を求める方法を示したが、これに限定されるものではない。1回で完成せず、墨付け工程から切削工程にかけての作業を複数回にわたり繰り返し行うようにしてもよい。
【0060】
また、上記の実施形態では、ローラーRを用いて縁部材2を押圧するものを示したが、これに限定されるものではなく、例えば版画で用いられるバレン状の道具で押圧してもよいし、その他の道具や装置を用いて押圧するものであってもよい。また、仮組工程と墨付け工程とは明確に分離していなくてもよく、例えば仮組工程において縁部材2を取付けする間に墨付け工程が進行してもよい。
【0061】
本実施形態の縁部材取付構造8を備えた天板を大量生産する場合には、上記の製造方法によって形成された凹状部15を立体物スキャン装置等によって採寸・測定して形状のデータを収集し、該データに基づいてNC加工機を用いて加工することも可能である。
【0062】
なお、天板の縁部材取付構造8の量産のために本実施形態の製造方法によって試作を行う場合には、曲率および角度が同一である複数のコーナー部4については、そのうちの1箇所で墨付け工程及び切削工程を行うだけで凹状部15の寸法及び形状を決めることができ、他のコーナー部4については省略することができる。
【符号の説明】
【0063】
1 天板
2 縁部材
3 外周
4 コーナー部
8 縁部材取付構造
10 縁部材取付部
10a 溝部(縁部材取付部)
11 内側当接面
12 上側当接面
15 凹状部
18 上側端部
21 縁部材内周面(側面)
22 縁部材上面(上面)
24 縁部材外周面(外周面)
25 膨出部
31 天板上部端面(端面)
51 墨付け
52 塗料
53 シート(塗料面)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0064】
【特許文献1】特開2008−206897

【特許請求の範囲】
【請求項1】
断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造であって、
前記縁部材取付部は、前記コーナー部における前記上側当接面に形成された凹状部を具備することを特徴とする天板の縁部材取付構造。
【請求項2】
前記縁部材取付部は前記天板の全周にわたって連続して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の天板の縁部材取付構造。
【請求項3】
断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造の製造方法であって、
前記縁部材の上面に塗料を付着させ、前記縁部材を前記縁部材取付部に仮取付けする仮組工程と、
仮取付けされた前記縁部材を少なくとも前記コーナー部を含む範囲において内周側に向けて押圧し前記縁部材の外周面の上側端部と前記天板の端面とを合致させ、前記縁部材の前記上側当接面に押圧された部分の形状を前記塗料によって前記上側当接面に転写して墨付けを形成する墨付け工程と、
前記縁部材を取り外し、前記縁部材の上面に膨出する膨出部を受容するための凹状部を前記墨付けに基づいて形成する切削工程と
を順に行うことを特徴とする天板の縁部材取付構造の製造方法。
【請求項4】
断面略同一形状の長尺弾性体である縁部材が取付けられるコーナー部を有する天板の外周に、少なくとも側方が開放され、前記縁部材の上面が当接する上側当接面及び前記縁部材の側面が当接する内側当接面を有する溝状に形成された縁部材取付部に前記縁部材を取付ける天板の縁部材取付構造の製造方法であって、
塗料面を有するシートを前記縁部材の上面に貼着し、前記縁部材を前記縁部材取付部に仮取付けする仮組工程と、
仮取付けされた前記縁部材を少なくとも前記コーナー部を含む範囲において内周側に向けて押圧し前記縁部材の外周面の上側端部と前記天板の端面とを合致させ、前記縁部材の前記上側当接面に押圧された部分の形状を前記塗料面の塗料によって前記上側当接面に転写して墨付けを形成する墨付け工程と、
前記縁部材を取り外し、前記縁部材の上面に膨出する膨出部を受容するための凹状部を前記墨付けに基づいて形成する切削工程と
を順に行うことを特徴とする天板の縁部材取付構造の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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