説明

天秤

【課題】操作中の秤量室内の空気の安定した層形成が、可能な限り最も簡潔な手段で達成できるコンパクトな天秤を提供する。
【解決手段】本発明は、天秤ハウジング(200)、天秤皿(300)、前記天秤皿(300)を含む秤量室(310)、非可動の背面壁(210)を有し前記秤量室(310)を囲む気流シールド(400)、天秤電子回路のシステム(500)、前記秤量皿(300)の下に配置される秤量セル(600)、および、前記秤量セル(600)を収容する秤量セル室(270)を有する天秤(100)であって、前記秤量セル室(270)は、中空空間(240)を通して前記秤量室(310)の上方3分の1に大気連結し、前記天秤電子回路(500)は、前記秤量室(310)の外側で前記背面壁(210)に配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、天秤ハウジングと、天秤皿と、天秤皿の周囲の秤量室と、秤量室を囲む気流シールドと、電子回路システム(以下、天秤電子回路という)と、秤量皿の下に配置される秤量セルと、秤量セルを収容する秤量セル室とを有する天秤に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の天秤は、主に小さな質量を秤量するために使用される。それらは研究室内で使用されることが好ましく、厳格な要求が測定分解能に課せられる。秤量される質量は小さいため、軽微な外部要因であっても、不正確さをもたらす場合がある。秤量できる最大荷重は、通常、3から50グラムの範囲であり、目盛分割は多くの場合、最大荷重×10−7未満である。
【0003】
これらの天秤の測定結果は、例えば、周囲空気の圧力変動のような僅かな外部要因によってでも影響される場合がある。これらの気圧変動は、秤量室および秤量セル室内の気圧レベルが相互に異なるという結果になる場合がある。秤量室内に配置される秤量皿と秤量セル室内に配置される秤量セルとの間を連結する流路を通して流れる空気の流れによって、圧力の均一化が起きる。この空気流は、秤量結果の不正確さをもたらす上方または下方への牽引力を秤量皿に及ぼす場合がある。これらの誤差を防止する手段として、最新式の天秤には、秤量皿上に上昇気流または下降気流を生じさせることなく、秤量室と秤量セル室との間で気圧が均一化できるようにするために、秤量セル室と秤量室との間に付加的な開口を有するものがある。
【0004】
操作中の天秤内の温度分布も、同様に秤量精度に影響を及ぼす場合がある。特に、天秤電子回路から放散される排熱は温度分布に影響を及ぼす。多くの天秤では、秤量セルおよび天秤電子回路は、秤量室の下に配置される秤量セル室、すなわち、下方ハウジング部内に収容される。天秤電子回路が秤量室の下に配置される結果として、天秤電子回路によって放散される熱が秤量セル室を温める場合があるという問題が生じる。これは、例えば、秤量室の下方部における空気が秤量セル室と秤量室との間にある壁を介して温められるというようにして起こる。対流のために、秤量室の下方部からより温かい空気が上方へ流れて、それが秤量室内に空気運動をもたらす。目的は、これらの空気運動が秤量結果の不正確さの原因となるので、それらを防止することである。
【0005】
これらの空気流が防止できる可能な解決法は、天秤電子回路を下方ハウジング部の外側に配置することである。
【0006】
いくつかの市販の天秤では、このような配置は、電子回路システムが天秤ハウジングの外側の独立ハウジングに再配置される設計によって実現される。独立ハウジング内に電子回路を設置することによって、熱分離が確立されて、天秤電子回路によって放散される排熱は、秤量室をもはや温めることはできない。しかし、独立ハウジングはより広い空間を必要とし、これは、特に使用可能な空間が制限されている研究室では不都合である。他の天秤では、天秤電子回路が天秤の側部ハウジング部内に配置され、それによって、秤量セル室の温まり方が弱められる。
【0007】
米国特許第6,713,690B2号で開示される天秤では、独立ハウジング部内に表示ユニットと天秤電子回路とを組み合わせることによって、天秤電子回路の下方ハウジング部からの再配置が実現される。この独立ハウジング部と天秤ハウジングとの間の垂直板の配置は、天秤電子回路の放射熱が、秤量室に影響を及ぼすのを可能な限り防止することを確実にする。独立ハウジング部と天秤ハウジングとの間の接続ケーブルのために、熱伝導率の低い材料が選ばれ、それによって独立ハウジング部と天秤ハウジングとの間の熱伝達が一層少なくなる。この構成の欠点は、その複雑さ、および、例えば、垂直板のような付加的構成要素の必要性である。
【0008】
秤量室の容器内に存在する安定した空気層形成によって、秤量室の上方部における空気温度が下方部より高い場合、測定結果に対してマイナスの効果を持つ空気運動の可能性が減少し、好都合であることが判明している。
【0009】
ドイツ特許第100 31 415A1号では、秤量室内の空気のこの安定した層形成を確保する異なる設計構成が示される。1つの設計概念では、加熱器が、空気を温めるために秤量室の上方部に設置される。さらなる実施形態では、秤量室の下方部および上方部は、垂直の管で連結される。小さい断面輪郭を有する上向きの温められた空気流を発生するための方法が、この管に付加される。これらの設計概念は、付加的構成要素を使用するという不都合さを有する。さらに、細い輪郭を有する空気流は、秤量室内の強力な空気の局所的乱れの原因となり、測定結果の誤差をもたらすおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】米国特許第6,713,690B2号
【特許文献2】ドイツ特許第100 31 415A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、操作中の秤量室内の空気の安定した層形成が、可能な限り最も簡潔な手段で達成できるコンパクトな天秤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
この課題は、独立請求項に示される特徴によって解決される。さらなる有利な実施形態は従属請求項に示される。
【0013】
本発明による天秤は、天秤ハウジングと、天秤皿と、天秤皿の周囲の秤量室と、秤量室を囲む気流シールドと、天秤の部分である電子回路システム(以下、天秤電子回路という)と、秤量皿の下に配置される秤量セルと、秤量セルを収容する秤量セル室とを有する。秤量セル室は、中空空間を通して秤量室の上方3分の1に大気連結し、天秤電子回路は秤量室の外側で背面壁に配置される。
【0014】
この配置によって、圧力は、中空空間を通して秤量室と秤量セル室との間で均一化できる。中空空間を秤量室の上方3分の1に連結することによって、秤量セル室内のより温かいであろう空気は、秤量室の上方3分の1内に直接流れ込む。結果として、秤量室内の空気運動の範囲は削減される。加えて、天秤電子回路を秤量セル室からハウジングの側部内または側部上に再配置することは、秤量セル室内の温度上昇の減少をもたらす。この配置で、排熱の大部分を発生する構成要素は、秤量セル室内ではなくハウジングの側部内に設置される。したがって、秤量セル室はさほど温まらず、秤量室から秤量セル室を分離する壁を介して秤量室の下方部内の空気が温まる範囲が減少する。いくつかの電子回路構成要素は秤量セルに直接接続される必要があるので、すべての電子回路構成要素を秤量室から取り外すことは不可能である。これは、例えば、電磁式秤量用コイル、A/Dコンバータおよび位置センサを含む。
【0015】
この配置は、天秤皿の周囲の空気の流れを防止する一方、他方では、秤量室の上方部における温度をより高くする点で、特に有利である。結果的に、安定した温度分布が確立され、空気運動は小さく維持され、それによって、誤差の原因としての秤量皿の周囲の上昇気流および下降気流は防止される。
【0016】
1つの有利な実施形態において、気流シールドの一部は、非可動の背面壁によって形成され、中空空間は非可動の背面壁に配置される。これによって、中空空間が天秤内に組み込まれた、簡潔でコンパクトな設計となる。主に秤量室の下方部における温度上昇を減少させる手段として、秤量セル室から側部ハウジング部を熱的境界で分離することは有利である。理想的には、この熱的境界を形成するために、中空空間は、中空空間に存在する空気が天秤電子回路の排熱によって温められ、この温められた空気が秤量室内に届くように、天秤電子回路と秤量室との間に配置される。したがって、秤量室は背面壁を介して温められる。秤量室内の温められた空気は、熱対流によって、秤量室の上方部へ温められた背面壁に沿って上昇させられる。結果として、秤量室の下方部に比べて秤量室の上方部内により高い温度が確立し、そこでは、この対流過程における流速は小さく、無視できる影響だけを秤量皿に及ぼす。この効果は、強力な熱放射を発生する天秤電子回路の要素が、天秤電子回路の上方部に配置される場合、一層強化される。さらに、秤量室の上方部内に加熱器を加えることもできる。
【0017】
中空空間が背面壁に実質的に平行に延びる壁を有し、天秤電子回路が平行な壁に配置される場合は特に有利である。理想的には、中空空間は、背面壁の水平幅の少なくとも半分と、背面壁の垂直高さの少なくとも3分の2にわたって延在する。このようにして、熱伝達のために広い接触領域が可能となる。中空空間が背面壁の垂直高さ全体にわたって延在する場合、特に広い接触領域が提供される。
【0018】
好ましい実施形態において、中空空間は、実質的に秤量セル室および秤量室に対してのみ開いている。したがって、中空空間と天秤の残部との間、および、中空空間と周囲雰囲気との間で空気は基本的に交換されない。このようにして、安定した熱分布が中空空間内に確立できる。中空空間と秤量室の上方部との間で空気の交換が起こり得ることを確実にするために、中空空間は、その上方3分の1の中に秤量室への少なくとも1つの開口を有する。
【0019】
代替的実施形態において、天秤は上方ハウジング部を有し、秤量室は、この上方ハウジング部を通して中空空間に連結される。この実施形態において、温められた空気は、秤量室内へ上方から運ばれ、それによって、秤量室内に安定した空気層形成が得られる。
【0020】
天秤電子回路は、また、天秤ハウジングの外側に配置できる。理想的には、天秤電子回路は、天秤ハウジング上に配置される。この配置により、天秤電子回路の秤量室からの熱分離が達成される。
【0021】
秤量室からの天秤電子回路の熱分離も、天秤電子回路と側部ハウジング部との間に空間保持具(スペーサともいう)を配置することによって達成できる。理想的には、スペーサは、例えば、ポリマーなど熱伝導率の低い材料から少なくとも部分的に作製される。
【0022】
さらに、秤量セル室と秤量室との間の中空空間が、秤量室からの秤量セル室の熱分離のために役立つ。この中空空間は密閉空間でよく、または、この中空空間は秤量室および/または秤量セル室への開口を有することもできる。
【0023】
さらに、天秤電子回路と中空空間との間の周囲空気の流れが、秤量室からの天秤電子回路の熱分離の目的に役立つ。
【0024】
特に有利な実施形態において、天秤電子回路は、少なくとも1つの接続端子に接続されて、接続端子は背面壁の垂直面に対して15°から75°の角度αで配置される。接続端子は、例えば、接続ソケット、接続ストリップ、または接続クランプであってよい。
【0025】
コネクタ端子は、電源への接続、秤量信号の伝達、および/または、例えばプリンタのような周辺機器への接続の役をすることができる。この配置で、コネクタ端子は、使用者にとって容易に手が届き、ピンコネクタをコネクタ端子に抜き差しすることを容易にする。コネクタの角度のついた位置のさらなる利点として、天秤は、壁により近接して置くことができ、研究室内の場所が制限されている場合に特に有用である。
【0026】
本発明による天秤は、図中に概略的に示される実施形態を通して以下に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】本発明による天秤の第1の実施形態の断面図である。
【図2】本発明による天秤の第2の実施形態の断面図である。
【図3】本発明による天秤の第2の実施形態のさらなる断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、天秤ハウジング200と、天秤皿300と、天秤皿300を取り囲む秤量室310と、秤量室310を囲む気流シールド400と、天秤皿300の下に配置される秤量セル600と、秤量セル600を囲む秤量セル室270とを有する本発明による天秤100の第1の実施形態を示す。
【0029】
天秤ハウジング200は、秤量室310の下に配置される下方ハウジング部220、秤量室310の上に配置される上方ハウジング部250、秤量室310の側部に配置される側部ハウジング部260から成る。秤量セル室270は下方ハウジング部270の部分である。
【0030】
天秤100は、天秤100のオペレータによる制御に役立ち、測定結果を表示する役をする表示および操作ユニット700を有する。表示および操作ユニット700は、下方ハウジング部220に、またはその中に配置できる。理想的には、表示および操作ユニット700は、独立インジケータハウジング280に、またはその中に配置される。このインジケータハウジング280は下方ハウジング部220の一部分である。しかし、表示および操作ユニット700を天秤ハウジング200の他の部分に、またはその中に配置するか、またはそれを天秤ハウジング200から分離して配置することも可能である。
【0031】
天秤100は、天秤100の秤量セル600の秤量信号を処理する役をする天秤電子回路のシステム500を含む。この天秤電子回路のシステム500は、第1のデータ線570を通して秤量セル600に、第2のデータ線580を通して表示および操作ユニット700に接続される。1つの可能な実施形態において、第2のデータ線580の一部分は下方ハウジング部220の下に配置される。しかし、データ線570、580をハウジングの内側および外側に、所望されるいかなるようにも、配置することが可能である。
【0032】
秤量室310は気流シールド400によって囲まれる。気流シールド400の一部分は横方向に位置する背面壁210によって構成される。天秤電子回路500は、この背面壁210に配置される。中間壁230は、中空空間240が背面壁210と中間壁230との間に形成されるように、背面壁210と天秤電子回路500との間に配置される。中間壁230は背面壁210に実質的に平行に配置され、中間壁230は、理想的には背面壁210の水平幅の少なくとも半分にわたって延在する。熱分離のために、熱伝導率の低い材料から作ったスペーサ510が中間壁230と天秤電子回路500との間に配置できる。
【0033】
秤量セル室270は、秤量室310の上方域に中空空間240を通して連結される。この連結の一部分として、秤量セル室270と中空空間240との間の空気の流路を与える少なくとも1つの開口530がある。さらに、中空空間240と秤量室310との間の空気の流路を与える開口もある。秤量セル室270と中空空間240との間の開口530、および、中空空間240と秤量室310との間の開口540が十分に広いことは重要である。これらの開口530、540を通る圧力損失が、天秤皿300と秤量セル600との間の連結部を通るものより、十分に小さい場合、開口530、540は十分に広いと考えられる。これは、空気が開口530、540を通る好ましい流路へ流れることを確実にする。秤量皿300の周囲の空気流の動きはそれによって防止され、結果的に天秤皿300上の上昇気流および下降気流は小さく維持される。したがって、秤量セル室270と秤量室310との間を直接流れる空気の流れ560は、秤量セル室270から中空空間240を通って秤量室310に流れ込む空気の流れ550より小さい。
【0034】
さらに、この配置の結果として、秤量セル600に連結された電子回路構成要素によって温められた空気は、秤量セル室270から中空空間240を通って秤量室310の上方部に流れ込む。空気は、中空空間240に配置された天秤電子回路500から追加の熱を拾う。これによって、秤量室310の上方部の温度は、秤量室310の下方部の温度より高くなる。この温度層形成は特に安定しており、測定結果の精度にプラスの効果をもたらす。秤量室310の上方部に加熱器800を付加することによって、この効果は一層強化できる。
【0035】
秤量室310の上方部に言及するときには、秤量室310の上端3分の1を意味し、一方、下端3分の1は、秤量室310の下方部と呼ぶ。
【0036】
開口530、540は様々な異なる形状を有することができる。可能な形状には、例えば、円形または楕円孔、スロットまたはパーフォレーションがある。開口540が、秤量室310と中空空間240との間の背面壁210に配置される場合、開口540は、例えば、広告媒体として使用され得る切り出し文字の形態で実現されてよい。
【0037】
上方ハウジング部250は、秤量室の上に配置される。気流シールド400の一部は上方ハウジング部250によって形成される。
【0038】
関連技術の当業者には明らかとなるように、本発明の範囲内で、秤量セル室270を秤量室310の上方3分の1に連結するために、中空空間240に異なる形状を備えさせることも可能である。
【0039】
図2および図3は、本発明による天秤の第2の実施形態を示す。同一の構成要素は同じ符号を施されている。第2の実施形態は、秤量セル室270が秤量室310に中空空間240を通して連結される手段で、第1の実施形態から区別される。この第2の実施形態は、上方ハウジング部250を有する。中空空間240は、上方ハウジング部250に通じる開口240を有し、上方ハウジング部250は秤量室310の上方部に通じる開口545を有する。
【0040】
本発明のさらなる特徴として、天秤電子回路500は側部ハウジング部260の外側に配置される。天秤電子回路500を秤量室310から熱的に分離するために、天秤電子回路500と側部ハウジング部260との間に配置されるスペーサ510がある。理想的には、スペーサ510は熱伝導率の低い材料から作製される。天秤電子回路500と側部ハウジング部260との間を流れる周囲空気の流れ555は、天秤電子回路500の秤量室310からの熱分離に役立つ。
【0041】
秤量セル室270と秤量室310との間の中空空間290は、秤量セル室270の秤量室310からの熱分離に役立つ。この中空空間290は密閉できる。しかし、中空空間290に秤量室310および/または秤量セル室270への開口を備えることも可能である。
【0042】
コネクタ端子920は電源への接続、秤量信号の伝達、および/または、例えばプリンタのような周辺機器への接続の役をする。
【0043】
図3から明らかであるように、天秤電子回路500はコネクタ端子920に接続されて、コネクタ端子920は背面壁210に対して15°から75°の角度で配置される。
【0044】
本発明は、実施形態の特定の例を示すことによって説明されたが、例えば、個々の実施形態の特徴を相互に組み合わせること、および/または、実施例に示された実施形態の個々の機能的ユニットを交換することによって、数多くのさらなる変更実施形態が本発明の知識から創案できることは明らかであると考えられる。
【符号の説明】
【0045】
100 天秤
200 天秤ハウジング
210 背面壁
220 下方ハウジング部
230 中間壁
240 秤量室と側部ハウジング部との間の中空空間
250 上方ハウジング部
260 側部ハウジング部
270 秤量セル室
280 インジケータハウジング
290 秤量セル室と秤量室との間の中空空間
300 天秤皿
310 秤量室
400 気流シールド
500 天秤電子回路
510 スペーサ、空間保持具
530 秤量セル室と中空空間との間の開口
540 秤量室と中空空間との間の開口
545 秤量室と上方ハウジング部との間の開口
550 第1の空気の流れ
555 天秤電子回路と側部ハウジング部との間を流れる周囲空気の流れ
560 第2の空気の流れ
570 第1のデータ線
580 第2のデータ線
600 秤量セル
700 表示および操作ユニット
800 加熱器
900 差込コネクタ
910 ケーブル
920 コネクタ端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天秤ハウジング(200)と、天秤皿(300)と、前記天秤皿(300)を含む秤量室(310)と、非可動の背面壁(210)を有し前記秤量室(310)を囲む気流シールド(400)と、天秤電子回路のシステム(500)と、前記秤量皿(300)の下に配置される秤量セル(600)と、前記秤量セル(600)を収容する秤量セル室(270)とを備える天秤(100)であって、前記秤量セル室(270)は、中空空間(240)を通して前記秤量室(310)の上方3分の1に大気連結し、前記天秤電子回路(500)は、前記秤量室(310)の外側で前記背面壁(210)に配置されることを特徴とする天秤。
【請求項2】
前記背面壁(210)は、前記中空空間(240)の壁によって構成されることを特徴とする、請求項1に記載の天秤(100)。
【請求項3】
熱分離を達成するための手段として、前記中空空間(240)は、前記秤量室(310)と前記天秤電子回路(500)との間に配置されることを特徴とする、請求項1または2に記載の天秤(100)。
【請求項4】
前記中空空間(240)は、前記中空空間(240)に存在する空気が前記天秤電子回路(500)の排熱によって温められるように、前記天秤電子回路(500)と前記秤量室(310)との間に配置されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項5】
強力な熱放射を発生する前記天秤電子回路(500)の要素が、前記天秤電子回路(500)の上方部に配置されることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項6】
前記中空空間(240)は、前記背面壁(210)に実質的に平行に延在する壁(230)を有し、前記天秤電子回路(500)は前記壁(230)上に配置されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項7】
前記中空空間(240)は、前記背面壁(210)の水平幅の少なくとも半分にわたって延在することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項8】
前記中空空間(240)は、前記背面壁(210)の垂直高さの少なくとも半分にわたって延在することを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項9】
前記中空空間(240)は、前記背面壁(210)の垂直高さの全体にわたって延在することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項10】
前記天秤(100)は、上方ハウジング部(250)を有し、前記中空空間(240)は、前記上方ハウジング部(250)を通して前記秤量室(310)に連結されることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項11】
スペーサ(510)が、前記天秤電子回路(500)と前記背面壁(210)との間に配置されることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項12】
周囲空気の流れ(555)は、前記天秤電子回路(500)と前記側部ハウジング部(260)との間を流れることができることを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項13】
前記天秤電子回路(500)は、コネクタ端子(920)に接続され、前記コネクタ端子(920)は、前記背面壁(210)に対して15°から75°の角度αで配置されることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一項に記載の天秤(100)。
【請求項14】
前記天秤電子回路(500)は、前記中空空間(240)の外側に配置されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の天秤(100)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−217176(P2010−217176A)
【公開日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−52663(P2010−52663)
【出願日】平成22年3月10日(2010.3.10)
【出願人】(599082218)メトラー−トレド アクチェンゲゼルシャフト (130)
【住所又は居所原語表記】Im Langacher, 8606 Greifensee, Switzerland