説明

女性生殖器の教育用模型

【課題】 安価に製造することができるだけでなく、女性生殖器の各器官や避妊用具の挿入装着状態などの避妊にまつわることを清潔感をもって解りやすく説明することが可能な女性生殖器の教育用模型を提供すること。
【解決手段】 左右対象形状に形成された2枚の透明なプラスチック製構成部材1,1を合掌状に重ね合わせることにより膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現するように形成した教育用模型であって、両透明構成部材を分離自在に重ね合わせると共に、両透明構成部材の周縁にわたって挟持用フレーム3を分離自在に設け、且つ両透明構成部材で形成された子宮部位に相当する空間部に、別形成された子宮模型4を取出し自在に収納設置してなる。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、家族計画及び母子保健を含む、生涯を通じた性と生殖に関する健康(これを「リプロダクティブ・ヘルス」と称する。)の啓蒙教育、とりわけ避妊にまつわる啓蒙教育などに使用するのに適した女性生殖器の教育用模型に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から提供されているこの種の教育用模型では、多くの場合リアルに形成されていることが多く、そのために製造コストがかさみ高価になってしまうと共に、避妊用具の使用方法や挿入装着状態などを説明する避妊にまつわる啓蒙教育などには違和感があり使用しにくい不具合があった。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
本考案はこのような従来の不具合に鑑みてなされたものであり、安価に製造することができるだけでなく、女性生殖器の各器官や避妊用具の挿入装着状態などの避妊にまつわることを清潔感をもって解りやすく説明することが可能な女性生殖器の教育用模型を提供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本考案の女性生殖器の教育用模型は、左右対象形状に形成された2枚の透明なプラスチック製構成部材を合掌状に重ね合わせることにより膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現するように形成した教育用模型であって、前記2枚の透明構成部材を分離自在に重ね合わせると共に、両透明構成部材の周縁にわたって挟持用フレームを分離自在に設け、且つ前記両透明構成部材で形成された子宮部位に相当する空間部に、別形成された子宮の模型を取出し自在に収納設置してなる事を特徴としたものである(請求項1)。
この際、前記子宮模型の内部を空洞に形成し、所要位置に上記空洞部に通じる子宮口を形成すると共に、正面位置に上記空洞の内部を観察しえる観察用窓を形成することが好ましい。(請求項2)。
【0005】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の具体的な好適実施例を図面を参照しながら詳細に説明するが、本考案は図示実施例のものに限定されるものではない。
【0006】
本考案に係る女性生殖器の教育用模型は、2枚の透明なプラスチック製構成部材1,1と、これら2枚の構成部材1の合掌重ね合わせ状態を保持するための挟持用フレーム3と、1個の子宮模型4と、本教育用模型をテーブル上等に起立状に支持させるための設置台5とで基本的に形成される。
【0007】
構成部材1は、透明なプラスチック材を用いて射出成形や真空成形等により、当該両構成部材1,1を互いに合掌状に重ね合わせたときに膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現しえるように、各器官を現す部分が外側方向に隆丘状に突出した左右対象形状に形成され、各器官を現す部分a〜fと後述する凹凸部g以外の部分は平板状に形成してなり、これら両構成部材1,1を互いに分離自在に合掌状に重ね合わせることにより膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現するものである。
【0008】
ちなみに、図中の符号aで示した隆丘部は膣口部分を、bは膣部分を、cは子宮部分を、dは恥骨部分を、eは膀胱部分を、fは肛門から直腸部分をそれぞれ現し、これら各器官を表した部分の外周部には2枚の構成部材1,1を合掌状に重ね合わせやすくすると同時に横ずれしないように保持するための互いに比較的密に係合する凹凸部gが形成されている。尚、この凹凸部gは、必ずしもなくとも良い。
【0009】
互いに合掌状に重ね合わせられた2枚の透明構成部材1,1は、上記凹凸部gによる係合と、両透明構成部材1の周縁にわたり外周縁に沿って設けられた挟持用フレーム3および設置台5とでもって、分離したり横ずれしないように保持され、子宮部位cに相当する空間部内に、別形成された子宮の模型4を取出し自在に収納設置してなる。
【0010】
挟持用フレーム3は、プラスチック材や軽量な金属材或いは紙材等を用いて、合掌状に重ね合わせられた2枚の透明構成部材1,1の周縁にわたって分離自在に差し込み係合しえるように断面略コの字形状に形成すると共に、2枚の透明構成部材1,1の外周縁に沿った形状に形成してなる。この際挟持用フレーム3は、1つで2枚の透明構成部材1,1の外周縁に沿った形状に形成しても良いし、2つ以上に分割して形成するようにしても良い。ちなみに、図示実施例では、両透明構成部材1,1の前部から上部を挟持するための上部挟持用フレーム3aと後部を挟持するための後部挟持用フレーム3bの2つに分割された挟持用フレームを用いている。
【0011】
設置台5は、プラスチック材や金属材等を用いて、合掌状に重ね合わせられた両透明構成部材1の下部に形成された支承部1’,1’を抜き差し自在に差し込んで本教育用模型をテーブル上等に起立状に支持しえるように、両透明構成部材1の支承部1’,1’を抜き差し自在に差し込む装着部51と水平台座52とで形成される。
【0012】
子宮模型4は、柔軟弾性を有するゴム材やプラスチック材等を用いて、子宮部分41から卵巣部分42にわたる部分を概略的に模した外形形状に形成すると共に、その内部を空洞43に形成してなる。そして、子宮模型4の所要位置に、上記空洞部43に通じるように子宮口44を開口形成すると共に、正面位置には上記空洞43の内部を観察しえるように観察用窓45を形成してなる。
尚、観察用窓45には、図示実施例のごとく透明な覆い46を設けても良い。
【0013】
更に、子宮模型4の空洞部43内には、IUD(子宮内避妊器具)の挿入装着状態を観察しえるように、透明なプラスチック材等を用いて子宮内膜を概略的に現した子宮内膜模型47を観察用窓45の正面位置に固定状に配設する。
【0014】
【考案の効果】
本考案に係る女性生殖器の教育用模型は斯様に、左右対象形状に形成された2枚の透明なプラスチック製構成部材を合掌状に重ね合わせることにより膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現するように形成した教育用模型であって、2枚の透明構成部材を分離自在に重ね合わせると共に、両透明構成部材の周縁にわたって挟持用フレームを分離自在に設け、且つ両透明構成部材で形成された子宮部位に相当する空間部に、別形成された子宮の模型を取出し自在に収納設置してなるので、軽量コンパクトで且つ安価に製造し提供することができるだけでなく、女性生殖器の各器官を違和感なく清潔感をもって解りやすく説明することができる。
しかも、女性用コンドームやペッサリー等の避妊用具の挿入装着状態などを実物を使って見せ観察することが可能となり、避妊にまつわることを違和感なく解りやすく説明することができる。
【0015】
また、特に請求項2に記載の教育用模型によれば、子宮模型の内部を空洞に形成し、所要位置に上記空洞部に通じる子宮口を形成すると共に、正面位置に上記空洞の内部を観察しえる観察用窓を形成してなるので、当該子宮模型を2枚の透明構成部材の間から取り出して子宮、卵管、卵巣等の各器官を解りやすく説明することが可能であると共に、子宮口から空洞部(子宮内相当部分)の内部に実物のIUD(子宮内避妊器具)を挿入することが可能となり、よって、観察用窓をとおしてIUDの挿入装着状態を実際に観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本考案実施の一例を示す斜視図。
【図2】 同分解斜視図。
【図3】 同縦断正面図。
【図4】 同子宮模型の一部切欠正面図。
【符号の説明】
1:構成部材 1’:支承部
3(3a,3b):挟持用フレーム
4:子宮模型 5:設置台
41:子宮部分 42:卵巣部分
43:空洞部 44:子宮口
45:観察用窓 46:覆い
47:子宮内膜模型 51:装着部
52:水平台座

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 左右対象形状に形成された2枚の透明なプラスチック製構成部材を合掌状に重ね合わせることにより膣口から子宮にわたる女性生殖器部分を概略的に模した形状を表現するように形成した教育用模型であって、前記2枚の透明構成部材を分離自在に重ね合わせると共に、両透明構成部材の周縁にわたって挟持用フレームを分離自在に設け、且つ前記両透明構成部材で形成された子宮部位に相当する空間部に、別形成された子宮の模型を取出し自在に収納設置してなる事を特徴とする女性生殖器の教育用模型。
【請求項2】 前記子宮模型の内部を空洞に形成し、所要位置に上記空洞部に通じる子宮口を形成すると共に、正面位置に上記空洞の内部を観察しえる観察用窓を形成してなる事を特徴とする請求項1記載の女性生殖器の教育用模型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【登録番号】実用新案登録第3092146号(U3092146)
【登録日】平成14年12月4日(2002.12.4)
【発行日】平成15年2月28日(2003.2.28)
【考案の名称】女性生殖器の教育用模型
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願2002−5148(U2002−5148)
【出願日】平成14年8月16日(2002.8.16)
【出願人】(390015163)社団法人日本家族計画協会 (1)