説明

女性用坊刃アンダーウェア

【課題】本発明は暴漢にナイフ等の鋭利な刃物で切りつけられた時に身を守るために女性が下着の上から手軽に着られるアンダーウェアで前身頃と後身頃部分に鋭利な刃物で切りつけても容易には切れない耐摩耗性の繊維を使用した護身のための坊刃用アンダーウェアを提供するものである。
【解決手段】本発明は刃物による攻撃に対してある程度の身を守る安全性を保ちながら安価で、しかも夏場でも女性がスリップを着るような手軽な感覚で着用できるアンダーウェアとして上部は装着したブラジャーの上から重ねて包み込むような形状で、その下の前身頃と後身頃には鋭利な刃物でも容易に切れない耐摩耗性繊維を縫いつけ、その裏面には天然素材を組み合わせ、前身頃と後身頃の両脇部分に伸縮性の優れたメッシュ素材で縫い合わせた

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は暴漢にナイフ等の鋭利な刃物で切りつけられた時に身を守るために女性が下着の上から手軽に着られるアンダーウェアで前身頃と後身頃部分に鋭利な刃物で切りつけても容易には切れない耐摩耗性の繊維を使用した護身のための坊刃用アンダーウェアに関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明は女性が夜道やエレベーターの中、または深夜営業の店員さんが強盗や通り魔、暴漢から刃物による攻撃で身を守るためのアンダーウェアであり、従来技術では衣類の上から着るタイプやアンダーウェアタイプのものもあるが、どれも護身性能を追求するあまり、防弾チョッキのように大がかりになり、鋭利な刃物でも切れない防切繊維(例としてアラミド繊維があるが、このアラミド繊維は高機能繊維の一種で「スーパー繊維」「ハイテク繊維」とも呼ばれて高強度で優れた耐摩耗性から宇宙や航空機関係、防弾チョッキなどにも幅広く使用されているハイテク素材である。以下、このような特殊繊維を防切繊維と呼ぶ)を何層にも積層してあるので全体の厚みが増して重量的に普段着として手軽に着用するには抵抗があり、特に夏場では薄い夏服の下に着ることは暑くて、実用性に乏しかった。さらに、この防切繊維は高額のために材料を多く使用するとコスト高となり商品化された時の価格が高額となり、一般の人が手軽に買うことは困難であった。
【0003】
【特許文献1】特開2006−52512号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特開2006−52512号の公報に示すような従来技術はチョッキタイプで防切効果を高めるための安全対策として防刃繊維を使用したカップを8層にも重ねて使用するので確かに安全性は向上するが全体の厚みが増すために夏場は暑く、その上から衣類を着ることは装着感も悪く、ガードマンの防弾チョッキのようなイメージでファッション性を重視する女性が使用するアンダーウェアとしては実用性に乏しく、価格も高くなるので手軽に購入できず普段着として誰でも気軽に使用できるものではなかった。
そこで一人でも多くの女性に使用してもらうために最低限の防切効果と実用性のバランスを保つためのアンダーウェアを研究する必要があった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明の課題は以上のような不便、問題を解決し、刃物による攻撃に対してある程度の身を守る安全性を保ちながら安価で、しかも夏場でも女性がスリップを着るような手軽な感覚で着用できるアンダーウェアとして請求項1に示すように上部は装着したブラジャーの上から重ねて包み込むような形状で、その下の前身頃と後身頃には鋭利な刃物でも容易に切れない耐摩耗性繊維を縫いつけ、その裏面には天然素材を組み合わせ、前身頃と後身頃の両脇部分に伸縮性の優れたメッシュ素材で縫い合わせたことを特徴とする女性用坊刃用アンダーウェアを提供するものである。
【0006】
本発明の防切用アンダーウェアは使用者がブラジャーとショーツを着用した上からスリップのように重ねて着るもので、前身頃と後身頃部分に使用されている素材はナイフやハサミのような鋭利な刃物でも容易に切れない防切繊維を使用し、前身頃はブラジャーの胸元部分から臍が隠れる程度の長さを有し、後身頃は背中から腰あたりまでの長さを有する。
【0007】
前身頃と後身頃を両脇の下の部分でつなぐために伸縮性と通気性を有するメッシュ素材を使用することにより、着脱が容易にでき、しかも体型に合わせて体にフィットするのでシルエットも保たれ、さらに夏でも涼しく快適に着られる。
【0008】
本体の胸部、肩部、背部からなる上部の素材は比較的薄手でストレッチ性を有する素材を使用することと胸部にマチを設けることでブラジャーをつけた上から包み込むので胸のシルエットをきれいに保つ効果がある。
【0009】
前身頃と後身頃に使用する防切繊維の裏面全体は素肌に直に接する面なので綿等の天然繊維素材を合わせることで快適な肌触りと夏場などの発汗などによる吸湿性の効果を生む。
【0010】
前身頃と後身頃をつなぐために両脇部分に設けられた伸縮性のメッシュは下方部が全体の2/3程度、メッシュがない状態のため着用時や脱ぐ時に前身頃と後身頃の下の開口部分が十分広がるために楽に着脱できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明を実施するための最良の形態は次の実施例の通りである。
【0012】
図1は本発明品本体の斜視図である。
図2は本発明品を使用している状態を前面から見た図である。
図3は本発明品を使用している状態を後面から見た図である。
図4は防切繊維を鋭利な刃物で切りつけている状態の図である。
図5は紳士用アンダーウェアの斜視図である。
【0013】
図1は本発明品の全体を示す斜視図で本体1の上部2は比較的薄くて伸縮性のある素材を使用し、胸部にはマチ3が設けられているので着用しているブラジャー9のふくらみをきれいな形で包み込むので、胸部のシルエットをきれいに保ち、防切繊維の前身頃5は接続部4で縫製等にて接合、図3に示すように後身頃7の防切繊維は接続部12で同じく縫製等で接合し、前身頃5と後身頃7を両脇部分の伸縮性メッシュ8によってつなぐことで構成されたことを特徴とする。
【0014】
本発明品1は比較的薄くて軽く仕上げられているのでスリップのような感覚で下着の上から手軽に身に付けことのできるアンダーウェアで帰宅が夜遅くになる予定の日はもちろん、日頃から外出時に着用することで通り魔や暴漢から刃物で切りつけられた際に最も被害の受けやすい腹周りと背中周りに防切繊維を使用した前身頃5と後身頃7がプロテクターの役目となり被害を最小限度に防ぐことが可能になった。
【0015】
防切繊維を使用した前身頃5と後身頃7の裏面6全体には綿等の天然繊維を張り合わせ又は縫製してあるので肌が直接触れても心地良く、夏の暑い時に汗をかいても吸湿性があるので歩行中や通勤電車の中でも快適である。
【0016】
前身頃5と後身頃7を伸縮性メッシュ8でつないだ両脇部分の下方部はある程度の開口部分を設けてあるので本発明品を着用、又は脱ぐ際に十分伸びて広がるので頭から被るようにするだけで手軽に着られ、紐やボタン、ホック、ファスナー、面ファスナー等の部材も不要なので製造コストも安価にできる。
さらに全体的に凹凸部分がないのでニットや薄手の洋服を着てもシルエットが乱れることもなくきれいなので安心しておしゃれができる。
【0017】
図5は本発明品の応用例で紳士用向けにランニングシャツのような仕様にしたもので、ランニングシャツの上部14の下に防切繊維を前身頃5と後身頃7を縫いつけ両脇部分に伸縮性メッシュ8を設けることで男性用の防切アンダーウェアになるのでコンビニエンスストアー等の深夜営業をする人や金融関係やパチンコの換金に携わる仕事をする人達のセキュリティ下着として身の安全を守る事ができる。
【実施例】
【0018】
以下、実際に本発明品を使用する場合の実施例を説明する。
昨今、無差別殺人事件や夜道での一人歩きの女性やお年寄りを狙った強盗や通り魔、マンションのエレベーターの中での傷害事件が多発しているがそれらの安全対策として最終的には自己防衛策をとることが大切である。
特に職業柄、集金をしてから深夜に帰宅する女性にとって夜道やマンションのエレベーターの中は毎日恐怖感を感じている。
【0019】
本発明品の実施例として図2に示すように外出をする際にブラジャー9とショーツ10を着た上からスリップを着るような要領で本発明品の前身頃5と後身頃7の間から頭を入れて被るように着る。
両側の伸縮性メッシュ8が適度に伸びるのでボタンやホック、面ファスナー等を使用しなくても楽に着ることが可能である。
【0020】
本体上部2は薄手で伸縮性のある素材を使用し、さらに胸部のまち3が設けてあるためにブラジャー9の胸のふくらみをきれいな形で包み込んでくれるのでシルエットも気にならず、上からお気に入りの洋服を着ても外観的に違和感もないので勤務先での仕事や日常生活が通常どおりできる。
【0021】
万が一、暴漢に襲われた場合、鋭利な刃物で切りつけられても本発明品を身に付けていれば図4に示すように防切繊維の前身頃5と後身頃7が防御してくれるので刃物13が直接身体まで届くことはなく、大事には至らず致命傷になることはない。
【産業上の利用可能性】
【0022】
本発明品の実用化によって従来技術の欠点である利便性やコストが著しく改善されるので個人ユースはもちろん、業務用としても深夜営業等の社員向けにユニフォームとして使用させることも可能となり、社会問題となっている多くの傷害被害を最小限度にすることができるので社会性や産業上の貢献度が高い発明品といえる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】は本発明品本体の斜視図
【図2】は本発明品を使用している状態の前面から見た図
【図3】は本発明品を使用している状態の後面から見た図
【図4】は防切繊維を鋭利な刃物で切りつけている状態の図
【図5】は紳士用の図
【符号の説明】
【0024】
1 本発明品の本体
2 本体の上部
3 胸部のマチ
4 前身頃の接続部
5 前身頃
6 裏地
7 後身頃
8 伸縮性メッシュ
9 ブラジャー
10 ショーツ
11 背部
12 後身頃の接続部
13 刃物
14 ランニングシャツの上部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部は装着したブラジャーの上から重ねて包み込むような形状で、その下に設けた前身頃と後身頃には鋭利な刃物でも容易に切れない耐摩耗性繊維を縫いつけ、その裏面には天然素材を組み合わせ、前身頃と後身頃の両脇部分に伸縮性の優れたメッシュ素材で縫い合わせたことを特徴とする女性用坊刃アンダーウェア

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−77580(P2010−77580A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−272492(P2008−272492)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(508316450)
【Fターム(参考)】