説明

女性用自己導尿補助器

【課題】神経因性膀胱が原因で尿が膀胱に残り自力で排尿出来なくなった女性が、カガミ・ペンライト・クリップを一体化し、見え難い尿道口をカガミで写し、簡単に導尿カテーテルを挿入する事が出来る様にする用具を提供することである。
【解決手段】女性用『自己導尿補助器』を使えば、洋式トイレの便座枠にクリップ3を挟み付けるだけで、角度が自在に換えられるカガミ2とペンライト4で、見え難い尿道口をカガミに映すことが出来て、導尿カテーテルの挿入が簡単に出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、神経性因膀胱等が原因で尿が膀胱内に残り自力で排尿出来ない女性が自ら細い導尿カテーテルを尿道口から挿入して排尿する事を自己導尿と言う、しかし女性の陰部、特に尿道口は本人自身が直接見るには大変見にくい位置にあるため、尿道カテーテルを尿道口に挿入するのに大変苦労している女性が多い、この苦労している状態を助けるために、カガミ・ペンライト・クリップを一体化し、洋式トイレの便座枠にクリップで挟み付け、カガミで見えにくい尿道口を見易く写し、導尿カテーテルを容易に挿入が出来る様に補助するための器具の発明である。
【背景技術】
【0002】
自己導尿を行う最初の準備だけでも、導尿カテーテル・消毒液・潤滑剤・清浄綿・立てカガミ・ペンライ・、排尿した尿を受ける容器・計量カップ等の面倒な準備作業があり、それから洋式トイレ・椅子・折り畳んだ座布団に浅く腰掛け足を大きく広げて自己導尿を行うのですが、これらの準備等を含めると、毎回20〜30分の時間と労力を使い、この処置を一日4〜5回は行う必要が有ります。本発明はこれらの作業簡素化する事を目的にするものである。
【0003】
なお、女子が自己導尿する時の手順は、以下の通りである。
(イ)導尿カテーテル、消毒液、潤滑剤、清浄綿、立てカガミ、ペンライト、計量カップ、尿を受ける為の容器(洗面器)等を準備する。
(ロ)手指を洗浄または清浄綿でよく拭く。
(ハ)洋式トイレまたはイス、座布団などに浅く腰掛け、脚を大きく開き、尿道口が見えるように立てカガミの位置を合わせる,(照明が暗い時はペンライト等で照らす)
(ニ)片手で小陰唇を広げ、もう一方の手で尿道口から下向きに(前から後ろに)清浄綿で尿道口をシッカリと拭く、感染症を防ぐため絶対必要な行為である。
(ホ)導尿カテーテルをケース(カテーテルケースにはグリセリンとイソジンを混合した消毒液が入いっている)から抜き挿入の準備をする(必要な場合はカテーテルの先端部分に潤滑剤をつけ。
(ヘ)片手で陰唇を広げ、もう一方の片手(利き手がよい)で鉛筆をもつようにカテーテルを持ち静かに尿道口に挿入するのですが、間違って膣に挿入する事があります。
(ト)カテーテルを尿道口から4〜5cm入ると尿が出てくる、そこから更に1〜2cmカテーテルを進め、排尿する。
(チ)排尿後、静かにカテーテルを抜去して、洗浄して前述したケースに挿す。
以上これらの作業の問題点を解決しようとしょうとするための発明である。
【先行技術文献】
【0004】
【特許文献1】 特開平7−289516号公報
クリップ2と鏡4を連結部材5を介して一体化し、口腔内を照射ためのペンライト2の軸部をクリップ2で挟み込んで支持する。鏡4は連結部材5に設けて自在継手7によりその向きを調整することができる。また、このペンライト保持器1はクリップ2の2つの脚部2aの下端とペンライト3の軸部後端の3点で机上などに自立させることができる。従って,例えば、一方の手に歯鏡9を持ち、ペンライト保持器4に移しだされた、口腔内を覗きながら、もう一方の手で歯ブラシ10を使用することがかのうである。(特許文献1)
【0005】
【特許文献2】 特開2005−97812号公報
対向した2つの狭持片の中央内側にバネを介して先端を開閉自在とするクリップにおいて、つまみ部の後端にボールジョイントの冠着部を設け、ボールジョイントの支軸を、回動自在とし、支軸に設けた支持板の一面に凸面鏡を設け、つまみ部の先端を帽子の鍔に挟んで、凸面鏡をバックミラーとして使用する、以上を特徴とする帽子の鍔用バックミラーが知られている。(特許文献2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
排尿ができなくなる原因にはさまざまな理由が考えられる。尿道狭窄により尿の流れが妨げられることや、骨盤内臓器の手術により膀胱神経が傷ついてしまうこと、脳梗塞、腰椎ヘルニアや脊髄損傷により脳からの指令や膀胱からの情報が伝達できなくなってしまう神経因性膀胱等、原因はさまざまである、膀胱にたまった尿をだすことは、腎臓のはたらきを守るために大変必要なことである。腎臓からはたえず尿が作り出されていて、尿管を通って膀胱へ溜められます。膀胱内の尿が体外に排出できなければどうなるでしょう?膀胱内の圧力が上昇し、腎臓から尿を送りこむことができなくなってしまいます。すると腎臓は大きく腫上がり、ついには尿を作り出すことができなくなってしまいます。また、常に尿が膀胱内にたまっていると、細菌が繁殖してしまいます。腎臓のはたらきを守るためには、一定の時間ごとに尿を体外に排出することが必要です。排尿が困難な場合には、カテーテルを膀胱内に留置し、採尿袋を装着して生活することもありますが。しかし、カテーテルを長時間留置すると、萎縮膀胱や尿路感染の心配をしなければなりません。
自己導尿をすることができれば、定期的な蓄尿(尿をためておくこと)と排尿のくりかえしにより膀胱の伸縮ができ通常の排尿機能に近い状態で生活ができます。また、採尿袋を装着する必要がないので、行動や生活の制限が少なくなります。
【課題を解決するための手段】
【0007】
女性が日々の自己導尿が簡単に出来るようにする事が健康な生活を続ける事になり,前述の準備作業・自己導尿の作業を少しでも簡素化するため、細長い金属板に、角度変更が自在に出来るボールジョイントで設けたカガミ部とペンライト部を設け、洋式トイレの便座枠に簡単に挟み付ける事が出来るクリップを設けることで、見え難い尿道口が容易に見える形態の女性用自己導尿補助器具を発明する。
【発明の効果】
【0008】
使用する時は、洋式トイレで排尿する時と同じで衣服を最大限下に下げ、脚を広げて便座に座り便座枠に「自己導尿補助器」をクリップで挟み付けて、カガミ・ペンライトで尿道口が見易い位置に調整することで導尿カテーテルが容易に挿入することが出来、排尿は直接便器に流すことが出来て今まで座椅子・座布団を利用した時の様に排尿を容器の受ける必要もなくなる、又自己導尿作業の煩雑さから外出を躊躇しがちの人でも携帯するのに軽量コンパクトな形態の物を製作した、この「自己導尿補助器」を使用する事によって、外出先の多目的トイレ等でも使用出来る事で、安心して外出する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態を示す斜視図である。
【図2】本発明の平面図である
【図3】本発明の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
この発明の実施形態を、図1に示す。
基板A(1)の端部にカガミ(2)を設け,他端部にクリップ部(4)を設け、基板A(1)のほぼ中央部には、基板B(6)にペンライト(4)とカテーテルケース挿し穴(5)を開けた部品をボルトで十時に取付けて一体化した実施形態となる。
カガミ(2)は軽量で破損に強いアクリル樹脂製を使用し,カガミ(2)の背面下部と基板A(1)は角度・方向が自在に変えられるボールジョイント(2a)で取付け。
クリップ部(3)は挟む部分が幅広のクリップを使い挟む部分の内側にはゴム製のクッション材(3a)を貼り便座をシッカリと挟み付けるためと、便座にキズが付かない様にする役割を持つ、基板A(1)との取付方法は片方のつまみ部分にリベット(7)2個所で固定する。
ペンライト(4)はLED球を使う、ガラス球より明るくピンポイントで尿道口を照らせるので、角度・方向が自在に変えられる、保持杆(4b)が付いたボールジョイント(4a)で基板B(6)の一端に設け、もう一端にカテーテルケース挿し穴(5)を開け、基板A(1)の中央部にボルトで十字に取付けことで、ペンライトがカガミ(2)の外側に位置する事によりカガミにペンライトが写る事なく尿道口を照らす事が出来るようになる、基板B(6)は使用者の利き腕によってペンライト(4)の位置を左右に変更出来る。
【0011】
この実施形態によって、自己導尿の準備が楽になる事と、両手が存分に使える様になり、片手で陰唇を拡げ尿道口を見え易くし、利き手でカテーテルの挿入することが出来る様になる、又排尿も直接便器に流すことが出来るので、居室・寝室等で自己導尿行っていた方は尿の臭気が室内に残る心配からも開放される。
自己導尿の処置の煩雑さから外出を躊躇しがちの人でもこの実態形態の発明によって、携帯するのに軽量コンパクトで堅牢な形態の物を提供する事で、多目的トイレ等でも使用出来るので、安心して外出の機会も増えると考えられる。
【符号の説明】
【0012】
1基板A
2カガミ 2aボールジョイント
3クリップ部 3aゴム製クッション
4ペンライト 4aボールジョイント 4b保持杆
5カテーテルケース挿し
6基板B 6a基板B取付ボルト
7リベット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板A(1)の端部に角度方向調整可能なカガミ部(2)を設け,他端部にクリップ部(3)を設け、基板部(1)のほぼ中央に別の基板B(6)をボルトで取付け。両端部に角度方向調整可能なペンライト(4)とカテーテルケース挿し穴(5)を設けた形態となる『女性用自己導尿補助器』。
【請求項2】
請求項1記載の女性用自己導尿補助器は、カガミ・ペンライト・クリップを一体化した形態で、クリップで洋式トイレの便座枠に簡単に挟み付け、角度方向調整可能なカガミ(2)・ペンライト(4)を尿道口が見易い角度に調整し尿道口を映すことで導尿カテーテルを尿道口に容易に挿入する事が出来るようになる事。また、使用者の利き腕によって基板B(6)を逆に付け替えることでペンライト(4)とカテーテルケース挿し(5)の位置が変更出来る事。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−115517(P2011−115517A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−289762(P2009−289762)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【出願人】(509351395)
【Fターム(参考)】