説明

媒体論理チャネル上でデータが送信されていないときに節電を可能にする方法

【課題】媒体論理チャネル上でデータが送信されていないときに節電を可能にする方法
【解決手段】ネットワークを介して通信するよう構成された通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法及びシステムが提供される。この方法は、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析することと、解析に基づきデバイススリープ期間を判定することとを含む。解析は、オーバーヘッド情報シンボルチャネルの中で特定のMediaFLO論理チャネルデータ(MLC)があるか否かを判定することを含む。MLCデータが存在しない場合、デバイスは所定の時間にわたってスリープする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国特許法第119条のもと、本願の譲受人に譲渡された2005年3月10日に出願された仮出願番号第60/660,897号の優先権を主張するものであり、本明細書に参照として明示的に組み込まれる。
【0002】
本発明は一般的に、通信ネットワークにおける節電に関する。本発明はより具体的に、無線通信ネットワークにおける節電を促進するためデータ送信の中断期間を判定することに関する。
【背景技術】
【0003】
FLOは主に、何百万もの無線加入者へ同時に同じマルチメディアコンテンツを効率的且つ経済的に配布するための技術である。FLO技術の目標は、かかるコンテンツの配信にともなうコストを抑え、従来のセルラー音声及びデータサービスに一般的に使われている携帯電話機で、ユーザがコンテンツのチャネルをサーフィンすることを可能にすることである。このマルチメディアコンテンツはまた、サービスとして知られている。サービスは、1つ以上の独立データコンポーネントの集まりである。サービスの各独立データコンポーネントはフローと呼ばれる。
【0004】
サービスはそれらのカバレッジに基づき2種類に、すなわちワイドエリアサービスとローカルエリアサービスとに、分類される。ローカルエリアサービスは、一大都市地域の中で受信されるマルチキャストである。対照的に、ワイドエリアサービスは1つ以上の大都市地域の中でのマルチキャストである。
【0005】
FLOサービスは、MediaFLO(登録商標)論理チャネル又はMLCとして知られる1つ以上の論理チャネル上で搬送される。MLCは、最高3つの論理サブチャネルに分けることができる。これらの論理サブチャネルはストリームと呼ばれる。各々のフローは単一のストリームの中で搬送される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
FLOネットワークは一般的に、サービスのコンテンツ又はMLCをスーパーフレーム毎に送信する。MLC上では、ある程度の期間にわたりネットワークによってデータが送信されない断続的期間が生じることがある。デバイスがこれらの断続的期間中にMLCを探索することを強いられる場合、デバイスは、この不必要な探索を遂行することによって電力を消費することを余儀なくされる。この不必要な電力消費は、最終的にはバッテリー寿命を縮める。
【0007】
したがって、これらの断続的期間に関する情報をデバイスに提供するシステムと方法とが必要である。この情報を認識したデバイスは、データが入手不能となる期間中に、受信器ハードウェアをスリープモードに設定する等、何らかの節電操作を遂行できる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本明細書で具体化され大まかに説明される本発明の原理に沿って、本発明は、ネットワークを介して通信するよう構成された通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法を含む。同方法は、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析することと、前記解析に基づきデバイススリープ期間を判定することとを含む。
【0009】
別の態様において、装置は通信デバイスの中でスリープ期間を判定する。同装置は、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析する手段と、解析に基づきデバイススリープ期間を判定する手段とを含む。
【0010】
さらに別の態様において、トランシーバはネットワークを介した通信に関連するスリープ期間を判定する。同トランシーバは、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析するよう構成されたプロセッサと、解析に基づきデバイススリープ期間を判定するタイマーとを含む。
【0011】
別の態様において、コンピュータ読取可能媒体は、通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法を遂行するため1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上の命令からなる1つ以上のシーケンスを所持する。同命令は、1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析するステップと、解析に基づきデバイススリープ期間を判定するステップとを、1つ以上のプロセッサに遂行させる。
【0012】
ネットワークは、現在送信されているMLCのためデータをスーパーフレーム毎に送信できる。ただしネットワークは、ある程度の期間にわたりそのMLC上で送信を一時的に停止させることを禁じられない。この場合、この特定のMLCを監視しているデバイスは、MLCデータが入手不能である期間中に受信器スリープモード等の節電機能を実施できる。
【0013】
オーバーヘッド情報シンボル(OIS)システムパラメータメッセージとMLCデータの一部として搬送されるOISカプセルヘッダは、ネットワークが特定のMLC上でデータ送信をいつ再開する見込みかについて情報を所持する。この情報は、スーパーフレーム数のオフセットとして指定される。このオフセットは、所定オフセットの前にネットワークが特定のMLC上でデータを送信しないことを保証する。デバイスはこのオフセットによって指示される期間を用いて、任意の節電機能を遂行できる。
【0014】
OISと埋め込みOIS(後ほどより詳しく論述する)は、特定のMLCに関連したデータが入手不能となる期間(スーパーフレームのオフセット)に関する情報を所持する。換言すると、このフィールドは、少なくとも所定の期間中はそのMLCのためネットワークによってデータが送信されないことを保証する。これはデバイスがその期間中にスリープすることを可能にし、電力消費量の低減をもたらし、結果的にバッテリー寿命の増加をもたらす。
【0015】
これより本発明のさらなる特徴及び利点を、ならびに本発明の様々な実施形態の構造及び動作を、添付の図面を参照しながら詳しく説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本明細書に組み込まれ明細書の一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を図解し、さらに上述した概説と後述する実施形態の詳説とともに、本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0017】
以降の本発明の詳細な説明では、本発明に一致する例示的な実施形態を図解する添付の図面を参照する。別の実施形態は可能であり、本発明の精神と範囲の中でこれらの実施形態に修正を施すことができる。したがって、以降の詳細な説明は本発明を制限することを意図しない。むしろ本発明の範囲は添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0018】
本明細書では、本発明の特徴が盛り込まれた1つ以上の実施形態を開示する。開示される実施形態は本発明を例証するものに過ぎない。本発明の範囲は開示される実施形態に限定されない。本発明は、本明細書に添付された特許請求の範囲によって規定される。
【0019】
説明される実施形態と、明細書における「一実施形態(one embodiment)」、「実施形態(an embodiment)」、「実施形態例(an example embodiment)」、その他への言及は、説明される実施形態が、ある特定の特徴、構造、又は特性を含み得ること、ただし必ずしも全ての実施形態が特定の特徴、構造、又は特性を含むとは限らないことを意味する。しかも、かかる文言は必ずしも同じ実施形態に言及するとは限らない。さらに、ある特定の特徴、構造、又は特性が実施形態との関係で説明される場合、明示的に説明されようがされまいが、別の実施形態との関係でかかる特徴、構造、又は特性を達成することは当業者の知識の範囲内にあると理解される。
【0020】
これより説明する本発明を、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及び/又は図面で図解されるエンティティの数多くの異なる実施形態で実施できることは、当業者にとって明白であろう。本発明を実施するための実際のソフトウェアコードと特化された制御下ハードウェアは本発明を制限するものではない。よって、本明細書に提示される詳細の度合いに応じて実施形態の修正及び変化は可能であるとの了解のもと、本発明の動作と挙動を説明する。
【0021】
図1は、マルチメディアコンテンツフローを作成しデータネットワーク全域にこれをトランスポートするよう作動するトランスポートシステムを備える、通信ネットワーク100を示している。例えば、トランスポートシステムは上で指摘したFLOシステムの原理に一致し、ブロードキャスト配布のためコンテンツプロバイダネットワークから無線アクセスネットワークへのコンテンツクリップトランスポートでの使用に適する。
【0022】
ネットワーク100は、コンテンツプロバイダ(CP)102と、コンテンツプロバイダネットワーク104と、最適化ブロードキャストネットワーク106と、無線アクセスネットワーク108とを備える。ネットワーク100はまた、携帯電話112と、個人用デジタル補助装置(PDA)114と、ノートブックコンピュータ116とを備える、デバイス110を含む。デバイス110は、トランスポートシステムとの使用に適するデバイスのほんの一部を図解している。図1には3つのデバイスが示されているが、当業者にとって明白であるように、事実上いくつもの類似デバイスであれ、又はいかなるタイプのデバイスであれ、トランスポートシステムでの使用に適することに注意されたい。
【0023】
コンテンツプロバイダ102は、ネットワーク100にてユーザへの配布のためコンテンツを提供するように作動する。コンテンツは、映像、音声、マルチメディアコンテンツ、クリップ、リアルタイム及び非リアルタイムコンテンツ、スクリプト、プログラム、データ、又は他の何らかのタイプの相応しいコンテンツを備える。コンテンツプロバイダ102は、配布のためコンテンツプロバイダネットワーク104へコンテンツを提供する。例えば、コンテンツプロバイダ102は通信リンク118を介しコンテンツプロバイダネットワーク104と通信し、同通信リンクは、何らかの相応しいタイプの有線及び/又は無線通信リンクを備える。
【0024】
コンテンツプロバイダネットワーク104は、ユーザへの配信のためコンテンツを配布するよう作動する有線及び無線ネットワークの任意の組み合わせを備える。コンテンツプロバイダネットワーク104は、リンク120を介して最適化ブロードキャストネットワーク106と通信する。リンク120は、何らかの相応しいタイプの有線及び/又は無線通信リンクを備える。最適化ブロードキャストネットワーク106は、高品質コンテンツをブロードキャストするよう設計された、有線及び無線ネットワークの任意の組み合わせを備える。例えば、最適化ブロードキャストネットワーク106は、複数の最適化通信チャネル上で選択されたデバイスへ高品質コンテンツを配信するよう最適化された専用独自ネットワークであってよい。
【0025】
トランスポートシステムは、配布のためコンテンツプロバイダ102からコンテンツプロバイダネットワーク104にあるコンテンツサーバ(CS)122へ、コンテンツを配信するよう作動し、同コンテンツサーバは、無線アクセスネットワークにあるブロードキャスト基地局(BBS)124と通信するよう作動する。CS122とBBS124とはトランスポートインタフェース126の1つ以上の実施形態を用いて通信し、同トランスポートインタフェース126は、コンテンツプロバイダネットワーク104が、デバイス110へのブロードキャスト/マルチキャストのため無線アクセスネットワーク108へコンテンツをコンテンツフローの形で配信することを可能にする。トランスポートインタフェース126は、制御インタフェース128とベアラチャネル130とを備える。制御インタフェース128は、コンテンツプロバイダネットワーク104から無線アクセスネットワーク108へ流れるコンテンツフローを、CS122が追加する、変更する、取り消す、又は修正することを可能にするよう作動する。ベアラチャネル130は、コンテンツプロバイダネットワーク104から無線アクセスネットワーク108へコンテンツフローをトランスポートするよう作動する。
【0026】
CS122は、無線アクセスネットワーク108上でのブロードキャスト/マルチキャストのためBBS124へ送信されるコンテンツフローのスケジュールを組むためトランスポートインタフェース126を使用する。例えばコンテンツフローは、配布のためコンテンツプロバイダネットワーク104を用いてコンテンツプロバイダ102によって提供された非リアルタイムコンテンツクリップを備えてよい。CS122は、コンテンツクリップに関連する1つ以上のパラメータを判定するためBBS124と交渉するよう作動する。コンテンツクリップを受け取ったBBS124は、デバイス110の内1つ以上による受信のため、コンテンツクリップを無線アクセスネットワーク108上でブロードキャスト/マルチキャストする。デバイス110はいずれも、コンテンツクリップを受信することを、そしてデバイスユーザによる後刻の閲覧のためこれをキャッシュすることを、許可される。
【0027】
前述の例で、デバイス110はクライアントプログラム132を備え、同クライアントプログラムは、無線アクセスネットワーク108上でのブロードキャストに向けてスケジュールが組まれたコンテンツの一覧を表示する番組ガイドを提供するように作動する。このときデバイスユーザは、リアルタイム提供のため、又は後刻の閲覧のためキャッシュ134に格納される、特定のコンテンツの受信を選択できる。例えば、夕方のブロードキャストに向けてコンテンツクリップのスケジュールを組むことができ、デバイス112は、そのブロードキャストを受信しキャッシュ134にコンテンツクリップをキャッシュするよう作動し、このようにしてデバイスユーザは翌日にクリップを閲覧できる。典型的に、コンテンツは契約サービスの一部としてブロードキャストされ、受信デバイスはブロードキャストの受信にあたってキーを提供するか、又は自身を認証する必要がある場合がある。
【0028】
トランスポートシステムは、番組ガイドレコードと、番組コンテンツと、その他関連情報とを、CS122がコンテンツプロバイダ102から受信することを可能にする。CS122は、デバイス110への配信のためコンテンツを更新する、及び/又は作成する。
【0029】
図2はコンテンツ配信システムでの使用に適するコンテンツプロバイダサーバ200を示している。例えば、サーバ200は図1のサーバ102として使用できる。サーバ200は、いずれも内部データバス212へ結合された処理ロジック202と、リソース及びインタフェース204と、トランシーバロジック210とを備える。サーバ200はまた、同じくデータバス212へ結合された起動ロジック214と、PG206と、PGレコードロジック208とを備える。
【0030】
処理ロジック202は、中央演算処理装置(CPU)、プロセッサ、ゲートアレイ、ハードウェアロジック、記憶素子、仮想マシン、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせを備える。よって処理ロジック202は一般的に、機械読取可能命令を実行するため、そして内部データバス212を介してサーバ200の1つ以上のその他機能素子を制御するためのロジックを備える。
【0031】
リソース及びインタフェース204は、サーバ200と内部及び外部システムとの通信を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを備える。例えば内部システムは、大容量記憶システム、メモリ、ディスプレイドライバ、モデム、又はその他内部デバイスリソースを含んでよい。外部システムは、ユーザインターフェースデバイス、プリンタ、ディスクドライブ、又はその他ローカルデバイス又はシステムを含んでよい。
【0032】
トランシーバロジック210は、サーバ200が、通信チャネル216を用いてリモートデバイス又はシステムとともにデータ及び/又はその他情報を送受信することを可能にするよう作動する、ハードウェアロジック及び/又はソフトウェアを備える。例えば通信チャネル216は、サーバ200とデータネットワークとの通信を可能にするため、何らかの相応しいタイプの通信リンクを備える。
【0033】
起動ロジック214は、CPU、プロセッサ、ゲートアレイ、ハードウェアロジック、記憶素子、仮想マシン、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせを備える。起動ロジック214は、CS及び/又はデバイスがPG206に記載されたコンテンツ及び/又はサービスを選択し受信することを可能にするため、CS及び/又はデバイスを起動するよう作動する。起動ロジック214は起動プロセス中に、CS及び/又はデバイスへクライアントプログラム220を送信する。クライアントプログラム220は、PG206を受信し、利用可能なコンテンツ又はサービスに関する情報をデバイスユーザに向けて表示するため、CS及び/又はデバイス上で実行する。よって起動ロジック214は、CS及び/又はデバイスを認証し、クライアント220をダウンロードし、クライアント220によるデバイス上での提供のためPG206をダウンロードするよう作動する。
【0034】
PG206は、デバイスが受信できるコンテンツ及び/又はサービスを説明する情報を何らかの相応しい形式で備える。例えば、PG206はサーバ200のローカルメモリに格納でき、コンテンツ又はサービス識別子、スケジュール情報、料金、及び/又は他の何らかのタイプの関連情報等、情報を備えてよい。PG206は、利用可能なコンテンツ又はサービスへ変更が施されるときに処理ロジック202によって更新される1つ以上の識別可能なセクションを備える。
【0035】
PGレコード208は、通知メッセージを生成するよう作動するハードウェア及び/又はソフトウェアを備え、同通知メッセージはPG206への変更を識別する、及び/又は説明する。例えば、処理ロジック202がPG206を更新する場合、PGレコードロジック208は変更の通知を受ける。そしてPGレコードロジック208は1つ以上の通知メッセージを生成し、同通知メッセージはサーバ200とともに起動された可能性があるCSへ送信され、このようにしてCSはPG206への変更の通知を速やかに受ける。
【0036】
コンテンツ配信通知メッセージの一部として、メッセージの中で識別されるPGのセクションがいつブロードキャストされるかを指示するブロードキャスト標識が提供される。例えばブロードキャスト標識は、セクションがブロードキャストされることを伝える1ビットと、ブロードキャストがいつ行われるかを伝えるタイム標識とを備えてよい。よって、PGレコードのローカルコピーを更新することを望むCS及び/又はデバイスは、PGレコードの更新済みセクションを受信するため指定された時間にブロードキャストをリスンできる。
【0037】
一実施形態において、コンテンツ配信通知システムはコンピュータ読取可能媒体に格納されたプログラム命令を備え、同プログラム命令は、プロセッサによって、例えば処理ロジック202によって実行されるときに、ここで説明するサーバ200の機能を提供する。例えばプログラム命令は、フロッピー(登録商標)ディスク、CDROM、メモリカード、フラッシュメモリデバイス、RAM、ROM、又は他の何らかのタイプのメモリデバイス等のコンピュータ読取可能媒体、又はリソース204を通じてサーバ200へつながるコンピュータ読取可能媒体から、サーバ200の中へロードされてよい。別の実施形態において命令は、トランシーバロジック210を通じてサーバ200へつながる外部デバイス又はネットワークリソースから、サーバ200の中へダウンロードされてよい。プログラム命令は、処理ロジック202によって実行されるときに、本明細書で説明するガイド状態通知システムを提供する。
【0038】
図3は、コンテンツ配信システムでの使用に適するコンテンツサーバ(CS)又はデバイス300を示している。例えばCS300は、図1に示されたCS122又はデバイス110であってよい。CS300は、いずれもデータバス308へ結合された処理ロジック302と、リソース及びインタフェース304と、トランシーバロジック306とを備える。CS300はまた、同じくデータバス308へ結合されたクライアント310と、プログラムロジック314と、PGロジック312とを備える。
【0039】
処理ロジック302は、CPU、プロセッサ、ゲートアレイ、ハードウェアロジック、記憶素子、仮想マシン、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの任意の組み合わせを備える。よって処理ロジック302は一般的に、機械読取可能命令を実行するため、そして内部データバス308を介してCS300の1つ以上のその他の機能素子を制御するためのロジックを備える。
【0040】
リソース及びインタフェース304は、CS300と内部及び外部システムとの通信を可能にするハードウェア及び/又はソフトウェアを備える。例えば内部システムは、大容量記憶システム、メモリ、ディスプレイドライバ、モデム、又はその他の内部デバイスリソースを含んでよい。外部システムは、ユーザインターフェースデバイス、プリンタ、ディスクドライブ、又はその他ローカルデバイス又はシステムを含んでよい。
【0041】
トランシーバロジック306は、CS300が、通信チャネル314を通じて外部デバイス又はシステムとともにデータ及び/又はその他情報を送受信することを可能にするよう作動する、ハードウェア及び/又はソフトウェアを備える。例えば通信チャネル314は、ネットワーク通信リンク、無線通信リンク、又は他の何らかのタイプの通信リンクを備えてよい。
【0042】
作動中にCS300は起動し、このようにしてこれはデータネットワーク上で利用可能なコンテンツ又はサービスを受信できる。例えばCS300は、起動プロセス中にコンテンツプロバイダサーバに対し自身を識別する。CS300は起動プロセスの一部として、PGロジック312によってPGレコードを受信し格納する。PG312は、CS300が受信できるコンテンツ又はサービスを識別する情報を収容する。クライアント310は、リソース及びインタフェース304を用いて、CS及び/又はデバイス300上でPGロジック312の中にある情報を提供するよう作動する。例えばクライアント310は、PGロジック312の中にある情報をデバイスの一部をなす表示画面上で提供する。クライアント310はまた、リソース及びインタフェースを通じてユーザ入力を受信し、このようにしてデバイスユーザはコンテンツ又はサービスを選択できる。
【0043】
CS300は、トランシーバロジック306を通じて通知メッセージを受信する。例えばメッセージは、CS300へブロードキャストされるか、又はユニキャストされてよく、トランシーバロジック306によって受信されてよい。PG通知メッセージは、PGロジック312にてPGレコードに対する更新を識別する。一実施形態においてクライアント310は、PGロジック312にあるローカルコピーを更新する必要があるか否かを判定するためPG通知メッセージを処理する。例えば一実施形態において、通知メッセージは、セクション識別子と、開始時間と、終了時間と、バージョン番号とを含む。
【0044】
CS300は、PG通知メッセージの中にある情報を、既存のPGロジック312にて局所的に格納されている情報に比較するよう作動する。CS300はPG通知メッセージから、PGロジック312にあるローカルコピーの1つ以上のセクションを更新する必要があると判定する場合に、数通りの方法の内1つでPGの更新済みセクションを受信するよう作動する。例えば、PG通知メッセージの中で指示された時間にPGの更新済みセクションがブロードキャストされてよく、このようにしてトランシーバロジック306はブロードキャストを受信し、更新済みセクションをCS300に渡すことができ、これを受けてCS300はPGロジック312にてローカルコピーを更新する。
【0045】
CS300は、更新の必要があるPGのセクションがどれなのかを受信したPG更新通知メッセージに基づき判定し、所望のPG更新済みセクションを入手するためCPサーバへ要求を送信する。例えば要求は、何らかの相応しい形式を用いてフォーマットされてよく、要求CS識別子、セクション識別子、バージョン番号、及び/又は他の何らかの相応しい情報等の、情報を備えてよい。
【0046】
CS300は、PG通知システムの1つ以上の実施形態において以下の機能の内1つ以上を遂行する。本発明の範囲内で以下の機能を変更、再配置、修正、追加、削除、又は調整できることに注意されたい。
【0047】
1. CSは、コンテンツプロバイダシステムとともに作動しコンテンツ又はサービスを受信するため、起動される。起動プロセスの一部として、クライアントとPGがCSへ送信される。
【0048】
2. 1つ以上のPG通知メッセージがCSによって受信され、局所的に格納されたPGの1つ以上のセクションを更新する必要があるか否かを判定するため使用される。
【0049】
3. 一実施形態においてCSは、局所的に格納された1つ以上のPGセクションを更新する必要があると判定する場合に、これがそのローカルコピーを更新するにあたって必要とするPG更新済みセクションを入手するため、配布システムからのブロードキャストをリスンする。
【0050】
4. 別の実施形態においてCSは、これが必要とするPG更新済みセクションを入手するためCPへ1つ以上の要求メッセージを送信する。
【0051】
5. CPは要求に応じてPG更新済みセクションをCSへ送信する。
【0052】
6. CSは、受信したPG更新済みセクションを用いてこれのPGローカルコピーを更新する。
【0053】
コンテンツ配信システムは、コンピュータ読取可能媒体に格納できるプログラム命令を備え、同プログラム命令は、例えば処理ロジック302等のプロセッサによって実行されるときに、ここで説明するコンテンツ配信通知システムの機能を提供する。例えば命令は、フロッピーディスク、CDROM、メモリカード、フラッシュメモリデバイス、RAM、ROM、又は他の何らかのタイプのメモリデバイス等のコンピュータ読取可能媒体、又はリソース及びインタフェース304を通じてCS300へつながるコンピュータ読取可能媒体から、CS300の中へロードされてよい。別の実施形態において命令は、トランシーバロジック306を通じてCS300へつながるネットワークリソースから、CS300の中へダウンロードされてよい。プログラム命令は、処理ロジック302によって実行されるときに、本明細書で説明するコンテンツ配信システムを提供する。
【0054】
CS300がただひとつの実施を代表すること、そして本発明の範囲内で他の実施が可能であることに注意されたい。
【0055】
図4は、ネットワーク100の中で送信される信号のセグメント400の図である。例証の目的で、信号送信はネットワーク100の全体を通じて、直交周波数分割多重化(OFDM)原理を含むことができる。ネットワーク100で送信される信号は、ネットワーク100の物理層におけるデータ送信単位であるスーパーフレームに編成される。当業者によって十分に理解されているとおり、ネットワーク物理層はネットワークの順方向リンクのためチャネル構造、周波数、電力出力、変調、及び符号化仕様を提供する。
【0056】
図4において、セグメント400は代表的なスーパーフレーム402及び404を含む。スーパーフレーム402及び404の各々は約1秒の持続期間を有し、OFDMシンボルに関係する内容を含む。図4の例で、スーパーフレーム402及び404の各々は約1200個のOFDMシンボルを含み、ただしこの数(1200)は本発明の実施形態の実施にとって透明である。
【0057】
スーパーフレーム402及び404の各々の中で、例えば1200個のシンボルのいくつかはオーバーヘッド情報に相当し、シンボルのいくつかは実際のデータに相当する。かかるデータは、例えばフローマルチキャストに関係する映像データと音声データとを含むことができる。
【0058】
上述したとおり、FLOに基づくネットワーク100は、数個のサービスを1つ以上の独立データコンポーネントの集まりとしてマルチキャストする。各々の独立データコンポーネントはフローと呼ばれ、映像コンポーネント、音声コンポーネント、テキスト、又はサービスのシグナリングコンポーネントを含むことができる。FLOサービスは1つ以上の論理チャネルMLC上で搬送される。
【0059】
図4の例示的な図解において、代表的スーパーフレーム402はオーバーヘッド部406とデータ部407とを含む。データ部407は、データフレームF1−F4を含むようさらに細分される。ネットワーク100の物理層において、MLCはデータ部407の中でトランスポートされる。実際のところ、トランスポートされるMLCはデータフレームF1−F4にわたって分割されるであろう。図4の例示的なデータ部407では、データフレームF1−F4にわたって3つのMLC(10、20、及び30)が分割されている。つまり、MLC10、20、及び30の各々の内容の4分の1はそれぞれフレームF1−F4の各々の中で搬送される。
【0060】
例えば、識別情報(ID)10を有するMLCは、フレームF1−F4の内1つに各々対応する部分408a−408dに分割される。よってフレームF1は、MLC10に対応する部分408aばかりでなく、MLC20及び30にそれぞれ対応するMLC部分410及び412をも含む。
【0061】
別の視点から、MLCは、独自のデータを搬送するよう構成される物理層における論理的分類である。アプリケーション層で、フローとも呼ばれるデータはストリームと呼ばれるエンティティの中で搬送される。アプリケーション層は、アプリケーションがネットワークの中で他のアプリケーションプログラムとの効果的通信を保証するためのサービスを提供する。ストリームもやはり、MLCの中で搬送される。例えば、1つのMLCで最高3つのストリーム(すなわち、異なるアプリケーションレベルデータの最高3つの異なるフロー)を搬送できる。図5は、本発明の原理によるフローとストリームとMLCとの関係の図解である。
【0062】
図5で、例示的なフロー500は、例えばケーブルニュースネットワーク(CNN)によって提供される映像モバイルサービスからデバイス112へダウンロードされる情報を含んでよい。このCNNからのブロードキャストは、アプリケーションレベルデータを、映像ストリーム502、音声ストリーム504、及びテキストストリーム506の形で含むことができる。固有のデータを搬送するストリーム502、504、及び506の各々は、ネットワーク100の物理層にて一意に識別可能なMLC10の中で送信される。
【0063】
再び図4を参照し、ストリーム502、504、及び506を搬送するMLC10の4分の1は、スーパーフレーム402のフレームF1−F4の各々の中でそれぞれ部分408a−408dの形で搬送される。
【0064】
ネットワーク110の中で、スーパーフレームはネットワークパイプに見立てることもできる。異なるフローに対応する異なるMLCは、スーパーフレーム402等、このネットワークパイプの中で搬送される。例えば、CNNフロー500に加えてESPNフローとMSNBCフローもまた、スーパーフレーム402で搬送できるであろう。図4に示すとおり、ESPNフローはMLC20の中で搬送でき、MSNBCフローはMLC30の中で搬送できるであろう。データタイプがそれぞれ異なる多数の異なるフローを1つのスーパーフレームで搬送できる。例証の目的で、ネットワーク100の中でスーパーフレーム402等のスーパーフレームは毎秒約1の割合でデバイス110の内1つ以上へ送信される。
【0065】
ユーザが最初に、例えばデバイス112上での利用のため、CNN等のサービスを選択する場合、そのサービスは個別のフローにマップされる。サービスが個別のフローにマップされた後、各フローはネットワーク100の中での物理送信のため特定のMLCにマップされる。このときデバイス112は、ネットワーク100によって実際に送信される関連MLC IDを拾得する。
【0066】
CNNフロー500の音声ストリーム502と映像ストリーム504とがMLC10で搬送される、図4及び5の例について考える。ここでデバイス112は、スーパーフレーム402の中でMLC ID構造の判定を、そして少なくとも1つの後続スーパーフレームの中でMLC10の形状と位置との判定を、試みる。よってデバイスは1秒ごとに、スーパーフレームの中でMLC10を探す。
【0067】
大量のデータの、特に帯域幅集中型映像データの送信に特有の変動性のため、MLC10(すなわちCNN)はいくつかのスーパーフレームの中で実際のデータを含み、ただしMLC10は他のスーパーフレームの中でデータをまったく有さないことがある。この一部のMLCにおけるデータの間欠的な存在と他のMLCにおけるデータの不在は、貴重なネットワーク電力を無駄に消費する。デバイス112は、実際にMLCが送信されようがされまいが、受信する全スーパーフレームの中で目的のMLC(例えばMLC10)の存在と形状と位置とを探しながらエネルギーを浪費するため、このネットワーク電力は無駄に消費される。
【0068】
図4の図解で、デバイス112はまずスーパーフレーム402の中でMLCの形状と位置とを判定しなければならず、その後デバイス112は、MLC10の中で送信されるフローデータを正しく復号化できる。これは2通りの方法で達成できる。
【0069】
第1に、スーパーフレーム402のオーバーヘッド部406はOISチャネル413を含む。OISチャネル413はとりわけ、スーパーフレーム402の中でのMLC10の位置をデバイス112に知らせる。よってデバイス112は最初にサービスを要求するときに、正確な位置とMLC10に関係する他の特性をつかむため、まずはスーパーフレーム402の中でOISチャネル413を復号化しなければならなず、その後MLC10の中のデータはアンパックでき、使用できる。
【0070】
デバイス112はOISチャネル413を復号化した後、MLC10の中でフローデータを探し当て、アンパックできる。具体的に、デバイス112は、まずスーパーフレーム402のフレームF1の中に位置するMLC10の部分408aをアンパックする。予備知識として、MLC10等のMLCの部分はどれも、関連スーパーフレームの各フレームの中で同じ位置に置かれる。したがってデバイス112は、MLC10の後続部分408bがフレームF2の中でフレームF1の部分408aと同じ位置に置かれていることを承知しているため、部分408bを受信する前に期間416の間スリープできる。
【0071】
デバイス112は期間416の終わりに覚醒し、MLC部分408bへ直行する。デバイス112は部分408bをアンパックし、次に期間418の間スリープし、覚醒してフレームF3の中で部分408cをアンパックし、以降同様に続く。これらのスリープ期間は電力消費の低減とバッテリー電力の保全に寄与する。
【0072】
MLCに関係する第2の位置情報源は、埋め込みOIS、又はMACプロトコルカプセルトレーラーとして知られるセグメント414である。ただしプロトコルカプセルトレーラー414は、時間にしてスーパーフレーム402の後に続くスーパーフレームの中でのMLC10の位置だけを、デバイス112に提供する。よってデバイス110の各々は最低でも、後続スーパーフレームの中にMLCが実際にあろうがあるまいが、後続スーパーフレームの中で関連MLCの位置を判定するため、各々の現行スーパーフレームにてOISチャネル413を復号化し読み取らなければならない。スーパーフレームが平均毎秒1回発生する場合、デバイス110は、ある特定のスーパーフレームの中にMLCがあろうがなかろうが、少なくとも毎秒1回は止まってMLCを探索しなければならない。
【0073】
OISチャネル413を読み取り、現行スーパーフレーム402の中でMLC10の位置を判定したデバイス(例えばデバイス112)は次に、後続スーパーフレーム(例えばスーパーフレーム404)におけるMLC10の位置を判定するため、プロトコルカプセルトレーラー414をも読み取らなければならない。
【0074】
図6は、関連する連続スーパーフレームにおけるMLCの有無の図解である。図6には、連続的に送信されるスーパーフレーム402、404、602、604が示されている。デバイス112は、スーパーフレーム402、404、602、及び604が送信されるにつれ、これらのスーパーフレームの各々で目的のMLCを探索しなければならない。
【0075】
デバイス112は、例えばスーパーフレーム402を受信するときに、スーパーフレーム402の中でMLC10の位置を判定するためOISチャネル413を復号化する。デバイス112はその後、次のスーパーフレーム404の中でのMLC10の位置を判定するため、MLC10を受信し、MLC10の部分408aの中でプロトコルカプセルトレーラー414を読み取る。デバイスは、フレームF2−F4からMLC10の残りの部分408b−408dを読み取った後に、スーパーフレーム404を受信する。スーパーフレーム404を受信するデバイス112は次に、スーパーフレーム404の中で関連OISチャネル601を復号化する。OISチャネル601を復号化するデバイス112は、スーパーフレーム404の中にMLC10がないことに気づく。したがってデバイス112は、スーパーフレーム602を受信しこれの関連OISチャネル603を復号化するため先へ進む。同様にデバイス112は、スーパーフレーム602でもMLC10が不在であることに気づく。
【0076】
図6の例の中で、デバイス112は最後にスーパーフレーム604を受信し、これのOISチャネル605を復号化する。OISチャネル605を復号化するデバイス112は、スーパーフレーム402にあったのとは別の位置ではあるが、スーパーフレーム604の中にMLC10があると判定する。ただし問題は、デバイスがスーパーフレーム404及び602を探索しながら時間を浪費し、結局のところスーパーフレーム404及び602の送信時間に相当する期間606中に、MLC10がまったく送信されなかったことに気づく点にある。
【0077】
現実には、多数の連続スーパーフレームがMLC10に関係するデータを含まない可能性がある。ドロップアウトやデータ破損等、様々な理由から、MLC10データはスーパーフレーム404及び602とその他のスーパーフレームで不在の場合がある。
【0078】
図7は、本発明の一実施形態に従い構築された例示的なMLCレコード700の図解である。この例示的なMLCレコード700は、関連するMLCデータが存在しない所定数のスーパーフレームを通じてデバイス110がスリープすることを可能にする。
【0079】
上述したとおり、例示的なスーパーフレーム402の中のOISチャネル(例えばチャネル413)は、スーパーフレームの中での特定のMLCの位置に関する情報を含む。
【0080】
より具体的に、OISチャネルは図7に示すとおり、ネットワーク100が随時送信する全MLCに関係する項目702、704、及び706を含む配列を含む。例えば項目702、704、及び706は、それぞれ図4のMLC10、20、及び30に関係する情報を含んでよい。この配列は、現行スーパーフレームの中でMLCの各々がどこで見つかるかについての情報を含むだけでなく、後続スーパーフレームの中でのMLC位置に関する情報をも含む。
【0081】
図7で、項目702、704、及び706の各々は、それぞれ「MLC存在」フィールド708、710、及び712をも含む。MLC存在フィールド708、710、及び712もまた、特定のMLCが現行及び後続スーパーフレームの中にあるか否かを伝える。フィールド708、710、及び712がMLCの不在を伝える場合、これらのフィールドは、いくつの連続スーパーフレームから特定のMLCが不在になるかをリストする。
【0082】
ネットワーク100は10秒以上(例えばスーパーフレーム)相当のデータを送信前にバッファできるため、MLC在/不在情報はネットワーク100にとって入手可能である。よって、ネットワーク100はバッファされたデータの中でスーパーフレームの文字列に特定のMLCがあるか否かを知り、フィールド708、710、及び712等のMLC存在フィールドを相応に埋めることができる。
【0083】
よって図6の例では、次の2つのスーパーフレーム404及び602がMLC10データを含まないことを伝えるよう、OISチャネル413の中のMLC存在フィールドを設定できる。よって、スーパーフレーム404及び602がMLC10データを含まないことをデバイスが事前に知る場合、デバイス112はスーパーフレーム604を受信するときまでスリープできる。こうしてデバイス112は、スーパーフレーム404及び602を探索しながら、結局のところこれらのスーパーフレームのいずれにもMLC10データがないことに気づき、電力を無駄に消費せずにすむ。MLC10データを含まないスーパーフレーム404及び602を通じてスリープすることはさらに、貴重なバッテリー電力やその他の関係ネットワークリソースの保全を促進する。
【0084】
図8は、本発明の一実施形態を実践する例示的な方法800のフロー図である。方法800でネットワークデバイスは、ステップ802に示すとおり、データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析するであろう。ネットワークデバイスはステップ804で、ステップ802の解析に基づきデバイススリープ期間を判定するであろう。
【0085】
図9は、本発明の一実施形態の例示的なブロック図900である。図9における解析する手段902は、同実施形態においてデータ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析するよう構成されている。次に、判定する手段904が解析する手段904の解析に従いデバイススリープ期間を判定する。
【0086】
OISと埋め込みOISは、ある特定のMLCについてデータが入手不能となる期間(スーパーフレームのオフセット)に関する情報を保持する。換言すると、このフィールドは、少なくとも所定の期間中はそのMLCのためネットワークによってデータが送信されないことを保証する。これはデバイスがその期間中にスリープすることを可能にし、電力消費量の低減又はバッテリー寿命の増加をもたらす。
【0087】
以上、指定機能の性能とその関係を図解する機能構成ブロックを用いて、本発明を説明した。説明の便宜を図るため、これらの機能構成ブロックの境界はここで恣意的に定められている。指定機能とその関係が適切に遂行される限り、代替の境界を定めることができる。
【0088】
よって、かかる代替境界は、特許請求の範囲に記載されている発明の範囲と精神との中にある。当業者は、アナログ及び/又はデジタル回路、個別コンポーネント、特定用途向け集積回路、ファームウェア、しかるべきソフトウェアを実行するプロセッサ等、又はこれらの任意の組み合わせによって、これらの機能構成ブロックを実施できることを認めるであろう。よって本発明の幅と範囲は上述した例示的な実施形態のいずれによっても制限されず、専ら以降の特許請求の範囲とこれの同等物とに従い規定される。
【0089】
前述した具体的な実施形態の説明は、他者が(本明細書で引用された参考文献の内容を含む)当技術の技能の中で知識を応用することにより、かかる具体的な実施形態を、本発明の一般概念から逸脱せず、過度の実験を行わずとも容易に修正するにあたり、及び/又は種々の用途に向けて適合するにあたり、十分に本発明の一般的性質を明らかにするであろう。したがってかかる適合及び修正は、本明細書に提示された教示と指導とに基づく、開示された実施形態の同等物の趣意及び範囲の中に入る。本明細書における表現又は専門用語は制限ではなく説明を目的とし、よって本明細書の表現又は専門用語は当業者によって、当業者の知識と併せて本明細書に提示された教示と指導とに鑑み、解釈されるべきものであることを理解されたい。
【0090】
詳細な説明の節は、主に特許請求の範囲の解釈に役立てるべきものである。要旨及び要約の節は、発明者によって企図された本発明の1つ以上の、ただし全てではない、例示的な実施形態を述べるものであって、よって特許請求の範囲を制限することを意図するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】コンテンツ配信システムの一実施形態を含むネットワークの図解である。
【図2】図1のコンテンツ配信システムでの使用に適するコンテンツプロバイダの一実施形態の図解である。
【図3】コンテンツ配信システムでの使用に適するコンテンツサーバの一実施形態の図解である。
【図4】実施形態による例示的なスーパーフレームの図解である。
【図5】実施形態による例示的なサービスフローのブロック図である。
【図6】関連する連続スーパーフレームにおけるMLCの有無の図解である。
【図7】実施形態に従って構築された例示的なMLCレコードの図解である。
【図8】実施形態を実践する例示的な方法のフロー図である。
【図9】実施形態に従い構築された例示的な装置のブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法であって、
データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析することと、
前記解析に基づきデバイススリープ期間を判定することと、
を備える方法。
【請求項2】
後続データ単位にてデータが入手可能であるか否かを、前記解析に基づき判定することをさらに備える、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スリープ期間は連続するスリープ期間である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記スリープ期間は覚醒期間によって分け隔てられる、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記通信は直交周波数分割多重化の原理に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記解析はネットワークの物理層の中で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ネットワークを介して通信するよう構成された通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法であって、
データ単位の存在に関係するデータフィールドを解析することと、
後続データ単位にてデータが入手可能であるか否かを、前記解析に基づき判定することと、
を備える方法。
【請求項8】
ネットワークを介して通信するよう構成された、通信デバイスの中でスリープ期間を判定する装置であって、
データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析する手段と、
前記解析に基づきデバイススリープ期間を判定する手段と、
を備える装置。
【請求項9】
後続データ単位にてデータが入手可能であるか否かを、前記解析に基づき判定する手段をさらに備える、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記スリープ期間は連続するスリープ期間である、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記スリープ期間は覚醒期間によって分け隔てられる、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記通信は直交周波数分割多重化の原理に基づく、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記解析はネットワークの物理層の中で行われる、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
ネットワークを介した通信に関連するスリープ期間を判定するよう構成されたトランシーバであって、
データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析するよう構成されたプロセッサと、
前記解析に基づきデバイススリープ期間を判定するタイマーと、
を備えるトランシーバ。
【請求項15】
通信デバイスの中でスリープ期間を判定する方法を遂行するため1つ以上のプロセッサによって実行される1つ以上の命令からなる1つ以上のシーケンスを保持する、コンピュータ読取可能媒体であって、同命令は、前記1つ以上のプロセッサによって実行されるときに、前記1つ以上のプロセッサに、
データ単位に関係する2つ以上のデータフィールドの内少なくとも1つを解析することと、
前記解析に基づきデバイススリープ期間を判定することと、
の各ステップを遂行させる、コンピュータ読取可能媒体。
【請求項16】
さらに前記1つ以上のプロセッサに、後続データ単位にてデータが入手可能であるか否かを前記解析に基づき判定させる、前記1つ以上の命令を保持する、請求項15に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項17】
前記スリープ期間は連続するスリープ期間である、請求項15に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項18】
前記スリープ期間は覚醒期間によって分け隔てられる、請求項17に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項19】
前記通信は直交周波数分割多重化原理に基づく、請求項18に記載のコンピュータ読取可能媒体。
【請求項20】
前記解析はネットワークの物理層の中で行われる、請求項15に記載のコンピュータ読取可能媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−533594(P2008−533594A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−500970(P2008−500970)
【出願日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/008613
【国際公開番号】WO2006/099149
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(595020643)クゥアルコム・インコーポレイテッド (7,166)
【氏名又は名称原語表記】QUALCOMM INCORPORATED
【Fターム(参考)】