説明

子宮からの羊水捕集用器具

本発明は、産婦の子宮からの羊水を捕集するための器具に関し、より詳細には、産婦の子宮頚部の外部入口から流出する羊水を捕集するために子宮頚部の下端に羊水捕集用小袋の上端に折りたたむように形成された密着部を密着させる羊水捕集用器具を使用することで、産婦の早産、羊水炎症及び感染、胎児炎症及び感染、胎児損傷、胎児成熟度、胎児疾患及び奇形児検査、および羊水成分検査などのために産婦の腹部に直接的に注射器を注入して羊水を捕集する場合の危険度を減らすのみならず、産婦の痛症及び心理的不安感などを誘発し得る問題点を防止することができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産婦の子宮頚部から羊水を捕集するための器具であって、産婦の子宮頚部の外部入口から流出する羊水を子宮頚部の下端に羊水捕集用小袋の密着部を羊水捕集用器具を使用して密着させる、子宮頚部からの羊水を捕集するための器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、妊娠中の産婦の子宮中には、大きく分けて胎児と羊水が存在する。そして、妊娠周期によって産婦及び胎児に対する多様な医療検査を行う。
【0003】
特に、産婦の早産、羊水炎症及び感染、胎児炎症及び感染、胎児損傷、胎児成熟度、胎児疾患及び奇形児検査、羊水成分検査などのために産婦の腹部に羊水捕集用注射器を直接的に注入して子宮から羊水を採取するが、このように注射器を使用した手術方法は病名が明確な場合には必然的に行われるが、それ以外にも多様な検査のために行われている。
【0004】
しかし、注射器注入時に産婦の痛症及び心理的不安感などを誘発させることあり、検査による合併症発生及び医療事故の可能性を排除することができないのが実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した問題点を解決するために本発明は、産婦の早産、羊水炎症及び感染、胎児炎症及び感染、胎児損傷、胎児成熟度、胎児疾患及び奇形児検査、および羊水成分検査などのために産婦の腹部に直接的に注射器を注入して羊水を捕集する場合の危険度を減らすことのみならず、産婦の痛症及び心理的不安感などを誘発させ得る問題点を防止することができる、子宮からの羊水捕集用器具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記目的を達成するために案出された本発明の第1実施例は、産婦の子宮頚部の外部入口を通じて流出する羊水を捕集するように、前記子宮頚部の下端に具備される羊水捕集用小袋、および前記羊水捕集用小袋を前記子宮頚部の下端に密着させる羊水捕集用器具からなる子宮からの羊水捕集のための器具である。
【0007】
ここで、前記羊水捕集用小袋は、前記子宮頚部の下端に密着するように上端で一定の長さで折り返されて形成された密着部をさらに含むことを特徴とする。
【0008】
前記羊水捕集用小袋を前記子宮頚部の下端に密着するように折り返された前記密着部を展開させる羊水捕集用器具を特徴とする。
【0009】
前記羊水捕集用小袋の材質は、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質であることを特徴とする。
【0010】
前記羊水捕集用小袋の密着部は、親水性材質であることを特徴とする。
【0011】
前記羊水捕集用器具は、オーリング(O−ring)形状のハンドル部から上側に一体に形成された円柱形状の密着ガイド部を含んで成り立つ。
【0012】
さらに、前記密着ガイド部を一つ以上複数個さらに形成することを特徴とする。
【0013】
一方、本発明の第2実施例は、産婦の子宮頚部の外部入口から流出する羊水を捕集するために、前記子宮頚部の下端に密着するように上端で一定の長さで折り返されて形成された密着部を含む羊水捕集用小袋、および前記羊水捕集用小袋を前記子宮頚部の下端に密着するように折り返された前記密着部を展開させる羊水捕集用器具からなる子宮からの羊水捕集のための器具である。
【0014】
ここで、前記羊水捕集用小袋の材質は、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質であることを特徴とする。
【0015】
前記羊水捕集用小袋の密着部は、親水性材質であることを特徴とする。
【0016】
前記羊水捕集用器具は、貫通形成された円筒形状に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
したがって、本発明は、産婦の子宮頚部から羊水を捕集するための器具として、産婦の子宮頚部の外部入口から流出する羊水を捕集するために、子宮頚部の下端に羊水捕集用小袋の上端に折りたたむように形成された密着部を密着させる羊水捕集用器具を使用することで、産婦の早産、羊水炎症及び感染、胎児炎症及び感染、胎児損傷、胎児成熟度、胎児疾患及び奇形児検査、羊水成分検査などのために産婦の腹部に直接的に注射器を注入して羊水を捕集する場合の危険度を減らすことのみならず、産婦の痛症及び心理的不安感等を誘発させ得る問題点を防止することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】女性の生殖器の断面図である。
【図2】本発明の第1実施例による子宮頚部に羊水捕集用小袋が密着された状態を示す拡大断面図である。
【図3】本発明の第1実施例による羊水捕集用小袋を子宮頚部に密着させる過程を示す拡大断面図である。
【図4】本発明の第1実施例による羊水捕集用小袋を示す断面図及び斜視図である。
【図5】本発明の第1実施例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図である。
【図6】本発明の変形例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図である。
【図7】本発明の変形例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図である。
【図8】本発明の第2実施例による羊水捕集用小袋を子宮頚部に密着させる過程を示す拡大断面図である。
【図9】本発明の第2実施例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付図面に基づいて本発明による好ましい実施例を下記にて詳しく説明する。
【0020】
図1は、女性の生殖器の断面図で、図2は本発明の第1実施例による子宮頚部に羊水捕集用小袋が密着した状態を示す拡大断面図で、図3は本発明の第1実施例による羊水捕集用小袋を子宮頚部に密着させる過程を示す拡大断面図で、図4は本発明の第1実施例による羊水捕集用小袋を示す断面図及び斜視図で、図5、図6及び図7は本発明の第1実施例及び変形例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図で、図8は本発明の第2実施例による羊水捕集用小袋を子宮頚部に密着させる過程を示す拡大断面図で、図9は本発明の第2実施例による羊水捕集用器具を概略的に示す斜視図である。
【0021】
図1に図示したように、一般的に女性の生殖器1は、外生殖器である膣入口49、内生殖器である膣47、子宮10、卵管20及び卵巣30で構成されている。
【0022】
前記卵巣30では、卵子を生産して女性ホルモンを分泌する。
【0023】
女性が思春期に至ると、前記卵巣30で卵子が成熟して離れる排卵が起きる。
【0024】
両側卵巣30で交互に2ヶ月に一つずつ卵子を排卵して、結果的に一月に一回ずつ卵子が排出されるようになる。
【0025】
排卵時に子宮10の内膜が厚くなり、受精卵が着床しなければ厚くなった内膜組織が脱落して月経が現れるようになる。
【0026】
月経は、概して一ヶ月に一回程度あるが、初経後1、2年はもちろん結婚前まで規則的ではない場合もある。
【0027】
前記卵巣30は、子宮10後面上部両方にそれぞれ1個ずつある器官で男性の睾丸のような役割をしている。すなわち、卵子を生成して発育させ排出させて女性ホルモンを分泌する。
【0028】
前記卵巣30の大きさは、年齢によって異なるが成人の場合、杏大程度で閉経期後には著しく小さくなって小さな豆より若干大きい程度になる。
【0029】
前記子宮10は、厚い膜からなる筋肉器官である。妊娠末期まで胎児を収容することができるほどによく膨脹できる筋肉で構成されている。
【0030】
前記子宮10は、西洋梨模様をしていて大きさは多様である。子宮10の重要な機能は、月経をするようにし、受精卵を子宮10内膜に着床させて妊娠を維持させて妊娠から分娩まで胎児が育つようにする。
【0031】
子宮10は、内が空いていて、前方には膀胱があり、後方には直腸がある。
【0032】
膣47は、外陰から子宮10まで通じる一つの筋肉官で膣47の前方には尿道と膀胱が位置し、後方には直腸が位置する。
【0033】
膣47の上端には子宮頚部40、下端は結婚前の場合、膣47の長さは、約7〜10cm程度で、子宮10の分泌物と月経を外に出す排泄管の役割をし、性交器官である。
【0034】
分娩時には、胎児が通過する産道の役割をする。膣腔は常に湿気を帯びていて、それは子宮10の粘膜や前記子宮頚部40の内部入口43及び外部入口45から流れ出る分泌物と膣腔内から出る粘液のためである。
【0035】
膣粘液は、酸性を維持して病菌の侵入を防ぎ、一般細菌の繁殖を抑制する。
【0036】
小陰唇(未図示)は大陰唇(未図示)内側に位置して脂肪組織と粘膜で覆われていて毛嚢がなく、性的興奮時に赤くなる器官である。上端部は陰核包皮で取り囲まれている。
【0037】
発明の形態
本発明の第1実施例では、図2ないし図5に図示したように、産婦の子宮頚部40の外部入口45から流出する羊水を捕集するために、前記子宮頚部40の下端に羊水捕集用小袋50(図4参照)の上端を折りたたむように形成された密着部53を密着させる羊水捕集用器具60(図5参照)を使用することで、前記羊水捕集用小袋50に羊水を好ましく捕集することができる。
【0038】
ここで、前記羊水捕集用器具60は、オーリング(O−ring)形状のハンドル部65から上側に一体に形成された複数個の円柱形状の密着ガイド部63を含んで成り立つ。
【0039】
したがって、上記の羊水捕集過程を詳しく説明すると次のようになる。
【0040】
まず、前記羊水捕集用小袋50の折りたたまれた密着部53の一方及び他方に前記羊水捕集用器具60の密着ガイド部63を固定させる。
【0041】
前記密着ガイド部63を、前記膣47を経て前記子宮頚部40の下端に接触させる。
【0042】
前記子宮頚部40の下端外周面に円周方向に接触した前記羊水捕集用小袋50の密着部53を前記羊水捕集用器具60のハンドル部65を使用して上側にさらに押し入れるようにすると前記密着ガイド部63によって前記密着部53は折りたたまれた状態から均一に展開して前記子宮頚部40下端外周面に好ましく密着される。
【0043】
したがって、前記子宮頚部40の外部入口45から流出する羊水が、前記のように密着された羊水捕集用小袋50内側に好ましく捕集されることにより、産婦の腹部に直接的に注射器を使用して採取する場合と同一な良質の羊水を獲得することができる。
【0044】
ここで、前記羊水捕集用器具60は、本発明の第1実施例では、前記オーリング(O−ring)形状のハンドル部65から上側に一体に形成された円柱形状の密着ガイド部63が二個の場合を示したが、図6及び図7に図示したように、前記密着ガイド部63がそれぞれ三つ、四つ形成された変形例を形成して適用することができ、前記密着ガイド部63の形状は、それ以外の多様な形状で形成して適用することができる。
【0045】
このように獲得及び捕集された羊水を使用して産婦及び胎児の状態に対する多様な検査を実施することができるので、産婦の腹部から直接的に注射器を使用して羊水を採取する場合に比べて、産婦の痛症及び心理的不安感を顕著に減少させることができるだけでなく、注射器挿入時に発生し得る検査による合併症及び医療事故などに対しても非常に安全であり得る。
【0046】
ここで、前記羊水捕集用小袋50の材質は、産婦の子宮頚部40及び膣47内膜に必然的に接触するため、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質で形成することが好ましい。
【0047】
また、前記羊水捕集用小袋50の密着部53が、前記子宮頚部40下端の外周面に好ましく密着できるように親水性材質で形成することが好ましい。
【0048】
一方、本発明の第2実施例では、図8及び図9に図示したように、産婦の子宮頚部40の外部入口45から流出する羊水を捕集するために、前記子宮頚部40の下端に羊水捕集用小袋50の上端に折りたたむように形成された密着部53を上端の密着ガイド部73で好ましく密着させる羊水捕集用器具70(図9参照)を使用することで、前記羊水捕集用小袋50に羊水を好ましく捕集することができる。
【0049】
ここで、前記羊水捕集用器具70は、貫通形成された円筒形状に形成することが好ましい。
【0050】
したがって、上述の羊水捕集過程を詳しく説明すると下記のようになる。
【0051】
まず、前記羊水捕集用小袋50の折りたたんだ密着部53の内側円周方向に前記羊水捕集用器具70の上端にある密着ガイド部73を接触及び固定させる。
【0052】
前記羊水捕集用器具70を膣入口49に挿入して、前記密着ガイド部73が前記膣47を経て前記子宮頚部40の下端に接触するようにする。
【0053】
前記子宮頚部40の下端外周面に円周方向に接触した前記羊水捕集用小袋50の密着部53を前記羊水捕集用器具70の下端を上側にさらに押し入れるようにすると、前記羊水捕集用器具70の密着ガイド部73によって前記密着部53は、折りたたまれた状態から均一に展開して前記子宮頚部40下端外周面に好ましく密着される。
【0054】
したがって、前記子宮頚部40の外部入口45から流出する羊水が、前記のように密着された羊水捕集用小袋50内側で好ましく捕集されて、産婦の腹部に直接的に注射器を使用して採取する場合と同一な良質の羊水を獲得することができる。
【0055】
このように獲得及び捕集された羊水を使用して、産婦及び胎児の状態に対する多様な検査を実施することができるので、産婦の腹部から直接的に注射器を使用して羊水を採取する場合に比べて、産婦の心理的不安感及び痛症を顕著に減少させることができるだけでなく、注射器挿入時に発生し得る検査による合併症及び医療事故などに対しても非常に安全である。
【0056】
ここで、前記羊水捕集用小袋50の材質は、産婦の子宮頚部40及び膣47内膜に必然的に接触されるので、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質で形成することが好ましい。
【0057】
また、前記羊水捕集用小袋50の密着部53が、前記子宮頚部40下端外周面に好ましく密着できるように、親水性材質で形成することが好ましい。
【0058】
以上で、本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲は、このような特定実施例にのみ限定されず、該当分野で通常の知識を有する者なら本発明の特許請求範囲に記載した範疇内で適切な変更が可能だろう。
【符号の説明】
【0059】
1:生殖器
10:子宮
20:卵管
30:卵巣
40:子宮頚部
43:子宮頚部内部入口
45:子宮頚部外部入口
47:膣
49:膣入口
50:羊水捕集用小袋
53:密着部
60:羊水捕集用器具
63:密着ガイド部
65:ハンドル部
70:羊水捕集用器具
73:密着ガイド部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
産婦の子宮頚部40の外部入口45を通じて流出する羊水を捕集するように前記子宮頚部40の下端に具備される羊水捕集用小袋50及び、前記羊水捕集用小袋50を前記子宮頚部40の下端に密着させる羊水捕集用器具60からなる子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項2】
前記羊水捕集用小袋50が、前記子宮頚部40の下端に密着するように上端で一定の長さで折り返されて形成された密着部53をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項3】
前記羊水捕集用小袋50を前記子宮頚部40の下端に密着するように折り返された前記密着部53を展開させる羊水捕集用器具60を特徴とする、請求項1または請求項2に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項4】
前記羊水捕集用小袋50の材質が、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質であることを特徴とする、請求項3に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項5】
前記羊水捕集用小袋50の密着部53が、親水性材質であることを特徴とする、請求項3に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項6】
前記羊水捕集用器具60が、オーリング(O−ring)形状のハンドル部65から上側に一体に形成された円柱形状の密着ガイド部63を含んで成ることを特徴とする、請求項3に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項7】
前記密着ガイド部63を一つ以上複数個さらに形成することを特徴とする、請求項6に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項8】
産婦の子宮頚部40の外部入口45から流出する羊水を捕集するために前記子宮頚部40の下端に密着するように上端で一定の長さで折り返されて形成された密着部53を含む羊水捕集用小袋50及び、前記羊水捕集用小袋50を前記子宮頚部40の下端に密着するように折り返された前記密着部53を展開させる羊水捕集用器具70からなる子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項9】
前記羊水捕集用小袋50の材質が、人体に無害な天然ゴムまたはウレタンなどの材質であることを特徴とする、請求項8に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項10】
前記羊水捕集用小袋50の密着部53が、親水性材質であることを特徴とする、請求項8または請求項9に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。
【請求項11】
前記羊水捕集用器具70が、貫通形成された円筒形状に形成されたことを特徴とする、請求項8に記載の子宮からの羊水捕集のための器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−544402(P2009−544402A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521708(P2009−521708)
【出願日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【国際出願番号】PCT/KR2008/000031
【国際公開番号】WO2008/082255
【国際公開日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【出願人】(508369906)エスエヌユー アール アンド ディービー ファウンデーション (11)