子宮内での接着を生成するための方法および装置
【課題】無月経を生じる子宮内での接着を生成するための、装置および使用または処置の方法を提供すること。
【解決手段】この装置は、異常な子宮内での出血を容易にそして絶えず減少させるかまたは排除する、容易に配置される子宮内移植片に関する。さらに、この装置はまた、子宮内膜組織の厚みおよび可能性のある変化を可視化するための子宮のマーカーデバイスとしても使用される。本発明の方法は、月経過多症を処置するために使用されている従来の子宮摘出術または剥離/切除手順を補うものとして、またはそれらの代替物として、作用する。
【解決手段】この装置は、異常な子宮内での出血を容易にそして絶えず減少させるかまたは排除する、容易に配置される子宮内移植片に関する。さらに、この装置はまた、子宮内膜組織の厚みおよび可能性のある変化を可視化するための子宮のマーカーデバイスとしても使用される。本発明の方法は、月経過多症を処置するために使用されている従来の子宮摘出術または剥離/切除手順を補うものとして、またはそれらの代替物として、作用する。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
(関連出願のついての相互参照)
本出願は、2000年12月18日に出願された、米国特許仮出願第60/256,529号、および2000年4月25日に出願された、米国特許仮出願第60/199,736号の優先権を請求する。それらの内容は、本明細書中で全体的に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
月経による出血は、女性の正常な生活の一部である。初潮と呼ばれる月経の開始は、通常は、12歳または13歳で起こる。女性の月経周期の長さは、最初の1年から2年の間は不規則であり得る。一旦、月経周期が安定化すると、通常の周期は、20日から40日までの範囲であり得、一般的には28日が平均である。年齢、体重、運動活動、およびアルコールの消費量が、月経周期に影響を与えるいくつかの因子である。例えば、若い女性(21歳未満)および年老いた女性(49歳より上)は、より長い周期時間を有する傾向にあり、一般的には、平均して31日以上である。同様に、非常に痩せているかまたは活発な女性もまた、より長い周期を有する。対照的に、習慣的にアルコールを消費する女性は、より短い周期時間を有する傾向がある。
【0003】
ほぼ全ての女性は、生殖期間の間のある時点で、いくつかのタイプの月経異常を経験する。これらの異常は、穏やかなものから重篤であるものまでの範囲にわたり、しばしばおびただしい労働時間の損失、および個人/家族生活の崩壊を毎月生じる。一般的には、身体症状(例えば、鼓脹、胸部の圧痛、重篤な締め付け(月経困難症))、およびわずかの一時的な体重の増加が、ほとんどの月経周期の間に頻繁に生じる。身体症状に加えて、情緒の過敏症もまた非常に一般的である。女性は、広範囲の情緒の症状を報告しており、これには、欝状態、不安、怒り、緊張、および短気が含まれる。これらの症状は、女性の月経期間の1週間ほど前にいっそう悪く、一般的には、その後に解決する。
【0004】
多くの女性はまた、月経過多症と呼ばれる状態(過剰の出血)を罹患している。月経過多症は、極度に多量の出血(flow/bleeding)、および80cc/1ヶ月を超える血液の喪失によって特徴付けられる主要な不快感によって特徴付けられる、臨床的な問題である。35歳から50歳の間の女性の5人に1人、または米国だけで約640万人の女性が、月経過多症に罹患していると推定される。類線維腫、ホルモンの不均衡、および特定の薬物(例えば、抗凝固剤および抗炎症剤)が、多量の出血の一般的な原因である。
【0005】
月経過多症または月経困難症を有すると診断された女性が選択できる処置は限られている。現在は、ホルモン治療,およびごく少数の試験的な疼痛管理技術を除いては、子宮摘出術(子宮の除去)、および子宮内膜の剥離/切除(子宮の内層の破壊)が、月経過多症についての臨床的に受け容れられている処置の様式である。これらの外科手術の両方ともが、妊娠の可能性を失わせる。さらに、子宮摘出術は、卵巣が切除された場合には、6週間までの回復時間および一生涯のホルモン療法を必要とする。子宮内膜の剥離は、無月経(月経による出血の停止)を達成する成功率が低い。結果として、月経過多症に罹患した女性の多くは、ライフスタイルを変更する決断を行うように追い込まれる。
【0006】
600,000件を越える子宮摘出術が、米国で毎年行われている。米国の女性の3人に1人が、65歳より前に子宮摘出術を受けると推定される。月経過多症は、子宮摘出術が行われる最も一般的な理由である。いくつかの研究は、月経過多症が、年間600,000件の子宮摘出術の30%の(いくつかの研究では50%もの)原因であり、1年間に180,000件から300,000件の処置の原因であると推定している。財政的に、これらの数は、1年あたり50億ドルを超える毎年の病院費に換算される。
【0007】
これらの統計に基づくと、子宮摘出術は、非常に一般的な手術である。一般的には、3つのタイプの子宮摘出術が存在する:部分摘出、全摘出、および広汎子宮全摘出。図1に示されるように、子宮の部分摘出術は、子宮12の上部10の切除を含み(図中の点線は切除領域を示す)、子宮12の子宮頚部14および下部(base)16が完全なまま残される。図2は、子宮12および子宮頚部14の全体がそれによって切除される子宮全摘出術を示す。図3に示される広汎子宮全摘出術は、子宮12、両方の卵管18、両方の卵巣20、および膣22の上部の切除を伴う。上記の3つの手順のそれぞれは、腹腔の切開を通じて(腹式子宮摘出術)、または膣の切開を通じて(膣式子宮摘出術)行われ得る。
【0008】
手術後の病院での滞在期間は、子宮摘出術のタイプ、および任意の合併症が存在するかどうかに依存して、一般的には1週間未満である。子宮摘出術が大手術であるので、外科手術の切開による不快感および痛みは、外科手術後の最初の数日間に最も顕著である。これらの症状を最小に抑える医薬品が利用可能である。2日目または3日目までには、ほとんどの患者が起き上がって歩行する。標準的な活動は、通常は4週間から8週間で取り戻すことが可能であり、そして性活動は、通常は6週間から8週間で取り戻すことが可能である。
【0009】
1800年代から、種々の処置を使用する試みが、子宮での出血を制御するために、子宮摘出術以外の手段によって行われている。代替の方法としては、化学薬品、蒸気、電離性放射線、レーザー、電気焼灼法、冷凍外科療法などが挙げられる。このような手順についての長期間の危険性は極めて高く、そして混合性中胚葉腫瘍または子宮ガンのような他のさらに重篤な合併症を引き起こし得る。
【0010】
代表的な治療または処置の選択肢としては、薬物療法が挙げられ、これには子宮内膜掻爬術(D&C)、および最終手段としての子宮摘出術が続く。薬物療法は、一般的には、過度の出血を処置するために使用される最初の処置の選択肢である。避妊用ピル、プロゲスチン、ダナゾール、および性線刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、出血を減少させるために処方されている薬物療法のいくつかの例である。一般的には、避妊用ピルは、合成の形態のエストロゲンおよびプロゲステロンを含み、これは排卵を妨げ、そしてそれによって子宮内膜の形成または厚さを減少させる。結果として、ピルの使用者は、通常は、より軽度であるかまたは最少の月経による出血を有する。プロゲスチン(別の合成の形態のプロゲステロンである)は、体によって通常に産生されたエストロゲンの効果を平衡状態にし、そしてピルと同様に子宮内膜の成長を減少させる。しばしば、ダナゾールおよび他のGnRH剤が、エストロゲンの産生および排卵を抑制するために処方される。結果として、月経による出血を停止させるか、または有意に減少させる。しかし、このような処置の副作用としては、鼓脹、胸部の圧痛、増大した骨粗鬆症の危険性、および高コレステロールが挙げられ得る。
【0011】
D&C(これは、しばしば、過度の出血についての第2の処置の選択肢である)は、非常に一般的な小外科手術である。これは一般的には、病院において外来で行われる。通常は、患者は全身麻酔を施されるが、この手順は時折、局所麻酔のみを使用して行われる。この手順の拡張工程は、子宮の下部である子宮頚部を拡張することまたは広げることを含む。一旦、子宮頚部が適切に拡張されると、次いで掻爬工程が行われ得る。掻爬術の間に、掻爬器(スプーンの形状の機器)が膣を通じて、子宮頚部を通過し、そして子宮内に挿入される。次いで掻爬器は、子宮の内部表面から組織を掻き出し、そして/または回収するために使用される。
【0012】
子宮内膜剥離はより一般的となり、そして月経過多症を罹患している患者について、子宮摘出術に対する別の代替的な処置として提案されている。1993年には49,000件であったものから、1996年には、179,000件の切除手順が行われた。この技術は、子宮内膜の全ての層を永久に除去することを目的とされ、そして腔を繊維状組織によって内層させる。
【0013】
一般的には、子宮内膜剥離はコストが少なく、そして患者に必要な回復時間が短い。しかし、この手順は使用される技術に依存して出血を制御することについて入り混じった結果が得られており、そして出血の完全な停止として定義される場合には、20%に過ぎない限られた成功率を有する。42歳の平均年齢を有する525人の女性の5年間の一研究の間に、子宮内膜剥離は、26%から40%の時間だけ、子宮の出血を完全に停止させた。しかし、約79%から87%の女性は、外科手術に満足した。約16%の女性は、出血を止めるために繰り返しの剥離を必要とし、そして9%の女性が最終的に子宮摘出術を選択した。研究はまた、子宮内膜の剥離の有効性は経時的に減少し得、女性の約3分の1においては月経が再開することを示した。
【0014】
しかし、子宮内膜の剥離の目的は、無月経状態(月経期間の停止)を作ることでは決してないことに注意しなければならない。この手順は、もともとは、月経過多症の女性を正常な月経による出血量に戻すために、子宮摘出術についてのあまり侵襲性ではない代替として開発された。
【0015】
子宮内膜の剥離または切除のいずれにかにおいて、子宮の全体の内層(子宮内膜)を除去するかまたは破壊させるための1つの試みが行われる。子宮内膜の切除(De Cherneyらによって1983年に最初に記載された)は、子宮の内層を除去するための子宮内膜の剥離を行うための、切除用内視鏡−切削ループの使用を含む。対照的に、剥離は一般的には、蒸気療法、凝固、または子宮の内層を破壊するための何らかの他の熱エネルギーの供給源のいずれかを使用する。
【0016】
剥離および切除手順はしばしば、それらが同じであるかのように議論されているが、これらは有意に異なる。例えば、数人の医師は、切除のほうが困難であると論じている。しかし、これが巧みに行われる場合には、切除はローラーボールによる剥離(40%から55%)およびより新しい剥離技術(3%から30%)よりもはるかに良好な結果(患者の88%までにおける出血の制御)を有する。
【0017】
子宮内膜の剥離手順を行うことができる種々の方法が存在する。これらの方法としては、ローラーボール電気焼灼法、凍結焼灼法、マイクロ波、自由に循環する水、蒸気療法、バルーン剥離法、および光線力学的療法が挙げられる。一般的には、これらの手順は、麻酔の必要性に起因して、医院ではなく病院または外科手術センターで行われる。
【0018】
図4を参照すると、従来の子宮内膜の剥離(一般的には、「ローラーボール」剥離と言われる)は、薄い蒸気ローラーのように見えるデバイス24を使用する。このデバイス24が熱を加え、そしてそれによって、これが子宮壁28を回転して通過する際に、子宮内膜組織26を破壊する(破壊された組織は点線で図中に示される)。子宮内膜の剥離は、通常は15分から45分を要し、そして患者は同日家に帰ることができるが、全身麻酔が通常は必要とされる。
【0019】
別のタイプの剥離手順は蒸気療法である。この技術は、細い強力なレーザー光線または高い電圧を使用して、子宮組織を気化させることを含む。子宮腔の可視化は、液体で腔を充填することによって可能にされる。任意の切除または焼灼術が行われる場合には、特別な物質(例えば、グリシン、ソルビトール、またはマンニトール)が、液体が電流を通さないように使用される。これによって、子宮の残りの部分に対する偶発的な熱傷を防ぐ。この手順が、単純で迅速な技術を使用して子宮内膜を除去または破壊することを含むので、これはしばしば、「グローバルな」子宮内膜の剥離と呼ばれる。
【0020】
NovaSure Systemは、子宮内膜の制御された蒸気療法を通じて剥離を行うために使用される、グローバルな子宮内膜の剥離デバイスの1つの例である。患者は、IV鎮静剤を用いる局所麻酔を使用して鎮静させられ、そして子宮頚部が拡張される。金めっきしたメッシュトランアングルが、細長いチューブを通じて送達され、そして患者の子宮内に展開される。メッシュの形状は、子宮腔のプロフィールを一般になぞるように構成される。メッシュに電圧を付加する前に、吸引が実施されて、子宮腔がメッシュと密接に接触するようにする。1分から2分間の間メッシュを通じて子宮内膜の内層に対してエネルギーが送達された後、メッシュが引き込まれ、そしてチューブが患者の体から取り出される。
【0021】
1994年に、Singerらが、子宮内バルーンを組み込んでいる剥離システムを用いた予備実験を報告した。図5に示されるように、バルーン剥離は、カテーテルチューブ34の先端32にあるバルーン30を利用する。これは液体で満たされて、子宮28の壁に沿うまで膨張させられる。バルーン中のプローブ(図示せず)は、液体を加熱して子宮内膜の内層を破壊する。8分後、液体が排出され、そしてバルーン30が取り出される。内層のいくらかが維持されている場合には妊娠が可能であるが、母親および子供に対するリスクは無視できない。
【0022】
光線力学的療法は、別のタイプの剥離方法である。感光性試薬(フォトフリン(photofrin)II)(これは、細胞を死滅させる物質を含む)が静脈内投与され、そして子宮内膜によって吸収される。軽い麻酔が投与され、そして医師は次いで、子宮腔の中に小さいプローブを挿入する。このプローブを通じて、レーザー光線が数分間送られる。光がフォトフリンIIを活性化し、これは子宮内膜の破壊を引き起こす。初期の結果は、有意な副作用を伴わない減少した出血を示す。
【0023】
月経過多症を処置するための他の剥離方法(例えば、マイクロ波および凍結(凍結剥離)技術)が、現在研究されている。しかし、無月経を生じる有効性、および任意の可能性のある副作用を決定するためにこれらの処置を使用する長期間の研究が、なお必要である。
【0024】
剥離および切除手順は子宮摘出術よりも侵襲性が少ないが、起こり得る種々の合併症が存在する。可能性のある合併症の例としては、子宮の穿孔、腸管に対する損傷、出血、または感染が挙げられる。剥離処置に付随する別の懸念としては、ガンの危険性が挙げられる。剥離は子宮を除去しないので、女性はなお、子宮内膜ガンを発症する危険性を有する(しかし、この危険性は減少される;しかし、臨床的な証拠は現在入手できない)。さらに、子宮内膜の剥離は子宮の壁を変化させるので、ガン性の変化の初期の検出は同定されることが困難であり得る。
【0025】
剥離手順の他の可能性のある副作用は、剥離または同様の手順によって引き起こされる感染、および子宮内での接着である。子宮内での接着または癒着は、子宮腔の内部の瘢痕組織として説明される。図6に示されるような、アッシャーマン症候群と呼ばれる子宮内接着36は、子宮12に対する損傷または外傷(例えば、子宮12に対する強力すぎる掻爬術に起因する)の結果として生じるか、または同時に偶然生じ得る、バンド様の構成体である。
【0026】
分娩の掻爬術の後の子宮腔の外傷性の閉塞によって生じる無月経を記載したのは、1894年の、Heinrich Fritschが初めてであった。しかし、子宮の接着についての知見がJoseph G.Asherman(彼の名からこの状態が命名された)によって医学雑誌において最初に広められたのは1948年になってからだった。1957年には、Federation of French Speaking Societies of Gynecology and Obstetricsの第17回会議によって、子宮の癒着の以下のような分類が提案された:
子宮の外科手術または産科学的な排出(evacuation)に関係している外傷性の癒着
結核症に由来する突発的な癒着
筋腫摘出後の癒着
化学的または物理的な試薬の攻撃に対して二次的である癒着、および萎縮性の変化によって生じる同様のもの
一般的には、2つのタイプの外傷性の癒着が現在認識されている。第1のタイプは子宮頚管の狭窄または閉塞である。第2のタイプの外傷性の癒着は、反対側の壁の癒着による子宮腔の部分的または完全な閉塞である。
【0027】
他の用語(例えば、子宮内膜の硬化症、外傷性の子宮の萎縮、子宮動脈(uterine artesia)、子宮の癒着、および接着性子宮内膜症)もまた、アッシャーマン症候群の症状を記載するために使用されている。接着の重篤度は、一般的には、以下の3つのグループまたはクラスの1つに分類される:クラスIは、両方の小孔(すなわち、卵管の入口)が可視の状態で子宮腔の3分の1未満において生じている接着を示す;クラスIIは、1つの小孔が可視の状態で子宮腔の3分の1から2分の1において生じている接着を示す;そしてクラスIIIは、小孔が可視でない状態で子宮腔の2分の1よりも大きな部分で生じている接着を示す。
【0028】
アッシャーマン症候群は広範囲にわたって研究されており、そして多数の記事および論文がこの主題に関して書かれているにも関わらず、優勢な原因因子(単数または複数)および生物学的機構(単数または複数)に関してはなお不確実さが存在する。外傷後の接着の形成のプロセスを説明する概略図が、図7に示される。子宮内膜が重篤に損傷されている場合には、これは肉芽組織によって置きかえられ得ると考えられている。これが生じる場合には、反対側の子宮壁は互いに接着し、そして瘢痕組織を形成する。詳細には、接着が形成され、そして子宮の前方および後方の表面を内腔を通じて架橋する。壁の間で形成される接着または組織は、結合組織を含む。これは代表的には、無血管性である。直後に、組織は子宮筋細胞によって浸潤され、そして後に子宮内膜によって覆われ得る。
【0029】
従来は、子宮内での接着は、所望されない状態として認識されている(例えば、Spinaleらに対して発行された米国特許第6,211,217号、Cohnらに対して発行された米国特許第6,136,333号、およびGoldbertらに対して発行された米国特許第6,090,997号)。実際、月経過多症についてのいくつかの公知の処置方法においては、接着の生成を回避することが推奨されている。医師が接着の形成を用いて実験した状況においてもなお、結果は有望であるとは証明されていない。例えば、Israel Journal of Medicineの1997年3月版において、Induction of Intrauterine Adhesions in Experimental Animals and Womenと題されたJ.G. Schenkerによる記事は、外科手術用のスポンジが患者の皮下の壁中に移植された実験を記載した。スポンジは、繊維芽細胞または結合組織の細胞がスポンジ内に形成されるまで皮下の壁に残された。次に、スポンジが次いで取り出され、そして同じ患者の子宮内に移植された。
【0030】
Schenkerは、一定の期間の後、接着が、移植された繊維芽細胞を保有しているスポンジの位置に隣接している領域内で形成されたことを観察した。接着は、繊維芽細胞を保有しているスポンジと接触していない領域では観察されなかった。これらの実験は、いくつかの動物モデル(例えば、ウサギ、ラット、および霊長類)およびヒトにおいて行われた。Schenkerは、子宮内に接着を人工的に生成することが可能であるが、このような手順は実用的ではないと結論を下した。
【0031】
上記の観点から、異常な子宮内での出血を処置するための、最少に侵襲性であるデバイスおよび方法が必要とされている。詳細には、このデバイスが、月経過多症を処置することにおいて高い成功率を有し、そして副作用または関連する合併症を最少にするかまたは有さないことが、所望される。このようなデバイスはまた、生体適合性かつ非毒性でなければならない。さらに、関連する処置方法は、患者の回復期間を短縮し、そして病院のコストを減少させるべきである。全体的には、処置方法はまた、患者の生活の質をも改善するべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
(発明の簡単な要旨)
一般的には、本発明は、体腔中での過度の出血を処置するための移植可能なデバイスを意図する。このデバイスは、体腔の中に送達することが可能である生体適合性の材料を含む。この生体適合性の材料は、組織の成長を促進する特性を含み、この組織の成長は、体腔内での接着の形成を生じる。生体適合性の材料の特性は、生体適合性の材料の機械的な成分、および生体適合性の材料の培養されていない生物学的な成分の少なくとも1つによって定義される。
【0033】
本発明はまた、体腔中に接着を生成するための方法を意図する。一般的には、この方法は、体腔内に移植可能なデバイスを挿入する工程を包含する。この方法はまた、体腔内の最適な部位に移植可能なデバイスを配置する工程を包含する。ここでは、最適な部位は、出血を制御するために有効な接着の形成を促進する。
【0034】
本発明はさらに、体腔内の組織に対して外傷を作成するための前処置用のデバイスを意図する。前処置用のデバイスは、一般的には、ステム部分と、このステム部分に隣接している外傷を誘導する部分とを含む。別の実施形態においては、前処置用のデバイスは、前処置用の液体と、カテーテル内に収容された、この前処置用の液体で組織を傷害するために使用される可撓性のチューブとを備える。
【0035】
本発明はまた、避妊方法を意図する。一般的には、この方法は、子宮内に移植可能なデバイスを挿入する工程、子宮内の最適な部位にデバイスを配置する工程を包含する。最適な部位は、接着の形成を促進し、そして受胎を妨げる。
【0036】
さらに、本発明はまた、子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールを意図する。一実施形態においては、このツールは、子宮頚部のキャップと、この子宮頚部のキャップの近位端上に配置されたガイドとを含む。代替的な実施形態においては、このツールは、この移植可能なデバイスに取り付けられた1つ以上の拡張エレメントと、1つ以上のマニピュレーターエレメントとを含む。別の実施形態においては、このツールは、移植可能なデバイスを展開するために使用され、そして接着を生成するための移植可能なデバイスの子宮内の配置に向けられるガイドを含む。
【0037】
本発明はまた、少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを含有している、子宮の組織をモニタリングするためのデバイスを意図する。このマーカーは、拡張されていない子宮のサイズよりも小さいサイズと、子宮の壁にマーカーを接着させるための表面とを有する。さらに、マーカーは、子宮内での永久的な移植のために適切である生体適合性の材料から構成される。
【0038】
本発明はまた、子宮の組織をモニタリングする方法を意図する。この方法は、少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを子宮の内部に導入する工程、当該少なくとも1つのマーカーが子宮の内部で形成された組織中に埋め込まれるようにする工程を包含する。この方法はまた、子宮の内部上での組織の特徴を評価するために、参照位置として少なくとも1つのマーカーを使用する工程を含む。さらに、この少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、子宮が月経過多症の症状について処置されている手順の間に内部に導入される。あるいは、この方法はまた、子宮内に導入される少なくとも2つの画像化が可能なマーカーを含み得、これら少なくとも2つの画像化が可能なマーカーは、2次元の参照フレームを提供する。
上記に加えて、本発明は、以下の手段を提供する:
(項目1) 体腔中での過度の出血を処置するための移植可能なデバイスであって、
該体腔の中に送達することが可能である生体適合性の材料を含み、
該生体適合性の材料は、該体腔内での接着の形成を生じる組織の成長を促進する特性を含み、
該特性は、該生体適合性の材料の機械的な成分、および該生体適合性の材料の培養されていない生物学的な成分の少なくとも1つによって定義される、
デバイス。
(項目2) 前記材料は、体腔の内部構造に適合するように形作られる、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目3) 前記体腔は、子宮である、項目2に記載の移植可能なデバイス。
(項目4) 前記材料は、滅菌されておりそして可撓性である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目5) 前記材料は、実質的に硬質である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目6) 前記材料は、メッシュ、縫合糸、ゲル、多孔性のもの、同種異系移植片、タンパク質、ヒドロゲル、液体のシーラント、接着剤、セルロース、コラーゲン、スポンジ、微孔性のもの、組織/コラーゲン、トロンビン、アルギネート、組織、キトサン、粒子、発泡体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目7) 前記メッシュの構造は、織り上げられたもの、織られていないもの、撚り合わされたもの、紡がれたもの、編まれたもの、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目8) 前記材料は、金属である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目9) 前記材料は、ポリマーである、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目10) 前記材料は、生体材料である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目11) 前記材料は、非吸収性、吸収性、および再吸収性からなる群より選択される特徴を有する、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目12) 前記メッシュの織物が、平織、目の粗い、目の詰まった、綾織、ダッチ、逆ダッチ、ツイルダッチ、こはく織り、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目13) 前記材料は、ランダムな繊維束である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目14) 前記材料は、モノフィラメントから製造される、項目13に記載の移植可能なデバイス。
(項目15) 前記材料は、マルチフィラメントから製造される、項目13に記載の移植可能なデバイス。
(項目16) 前記多孔性材料は、セラミック、アルミナ、シリコン、粉末状にされた金属、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、多孔性のポリマー、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目17) 前記材料は、さらにメッシュマトリックス中に取りこまれる、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目18) 前記多孔性材料の孔の大きさが10ミクロン未満である、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目19) 前記多孔性材料の孔の大きさが75ミクロンより大きい、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目20) 前記液体のシーラントまたは接着剤は、トロンビン、コラーゲン−トロンビン、ポリマー、コラーゲン、フィブリンに基づくもの、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるものである、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目21) 前記液体のシーラントは、止血性の固体を形成する、請求項6に記載の移植可能なデバイス。
(項目22) 前記タンパク質は、1つの形式に構成され、該形式は、小さいビーズ、シート、細片、規則的な形状の構造、および不規則な形状の構造からなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目23) 前記材料は、メッシュ粒子を含む、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目24) 前記メッシュ粒子は、霧化されたミクロ粒子、半硬質の泡、懸濁させられた凝集物、粒子、粉末、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される形態に構成される、項目23に記載の移植可能なデバイス。
(項目25) 前記メッシュ粒子は、液体、気体、泡、および流動性の物質からなる群から選択される物質中に懸濁させられる、項目23に記載の移植可能なデバイス。
(項目26) 前記材料は、親水性の膜中にカプセル化される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目27) 前記材料は、自己拡張する、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目28) 1つまたは複数のコーティングをさらに含有し、該コーティングは、画像化技術を使用して画像化される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目29) 前記コーティングは、可溶性である、項目28に記載の移植可能なデバイス。
(項目30) 体腔中に接着を生成するための方法であって、
該体腔内に移植可能なデバイスを挿入する工程、
該体腔内の最適な部位に該デバイスを配置する工程
を包含し、ここで、該最適な部位は、出血を制御するために有効な接着の形成を促進する、方法。
(項目31) 過剰な出血の部位である前記体腔中の最適な部位を決定する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目32) 前記移植可能なデバイスを十分な接着が形成された後に取り出す工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目33) 前記体腔を、該体腔内への前記移植可能なデバイスの挿入の前に前処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目34) 前記前処置する工程は、前記体腔内の組織に対して外傷を作成することを含む、項目33に記載の方法。
(項目35) 前記外傷は、前記組織の壊死を含む、項目34に記載の方法。
(項目36) 前記外傷は、剥離を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目37) 前記外傷は、掻爬を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目38) 前記外傷は、液体での剥離を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目39) 前記前処置する工程は、掻爬器、ローラーボール電気焼灼デバイス、熱エネルギーデバイス、温水充填バルーン、高周波(RF)エネルギーディテクター、マイクロ波、低温デバイス、細胞障害性薬剤、強力なLASER光線、子宮内膜の内層に対して外傷を生じ得るデバイス、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるデバイスを使用して行われる、項目33に記載の方法。
(項目40) 前記前処置する工程は、薬物の使用を含む、項目33に記載の方法。
(項目41) 前記薬物は、ホルモン、ホルモンを変化させる医薬品、および、抗生物質からなる群より選択されるものである、項目40に記載の方法。
(項目42) 前記前処置する工程は、化学薬品の使用を含む、項目33に記載の方法。
(項目43) 前記前処置する工程を患者の正常な月経周期に対してタイミングを合わせる工程をさらに包含する、項目33に記載の方法。
(項目44) 子宮内膜が接着の形成のための最適な状態にある場合に前記体腔を前処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目45) 前記移植可能なデバイスを前記体腔内に挿入して接着を形成した後で、該体腔を後処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目46) 前記後処置する工程は、薬物の使用を含む、項目45に記載の方法。
(項目47) 前記薬物は、ホルモンまたは化学薬品からなる群より選択されるものである、項目46に記載の方法。
(項目48) 体腔内の組織に対して外傷を生成するための前処置用のデバイスであって、
ステム部分と、
該ステム部分に隣接している外傷を誘導する部分と
を備えるデバイス。
(項目49) 前記外傷を誘導する部分が、剛毛から構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目50) 前記外傷を誘導する部分が、スパイク様の突起から構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目51) 前記ステム部分は、硬質ポリマー、ABS、ナイロン、PVC、ステンレス鋼、アルミニウム、金属、およびそれらの任意の組合わせからなる群から選択される材料から作製される、項目48に記載のデバイス。
(項目52) 前記外傷を誘導する部分は、半硬質のポリマー、ナイロン、ポリエチレン、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される材料から作製される、項目48に記載のデバイス。
(項目53) 前記外傷を誘導する部分は、組織をこすり取ることが可能なBrillo(登録商標)パッド様構造として構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目54) 前記Brillo(登録商標)パッド様構造は、硬化剤でコーディングされたコラーゲンから構成される、項目53に記載のデバイス。
(項目55) 前記Brillo(登録商標)パッド様構造は、カテーテルから展開されると自ら膨らみ得る、項目53に記載のデバイス。
(項目56) 前記外傷を誘導する部分は、多分岐のブラシを含む、請求項48に記載のデバイス。
(項目57) 前記外傷を誘導する部分は、鋭利な突起を有するワイヤーを含む、項目48に記載のデバイス。
(項目58) 前記外傷を誘導する部分は、キャップを含む、項目48に記載のデバイス。
(項目59) 前記外傷を誘導する部分は、コラーゲンプラグを含む、請求項48に記載のデバイス。
(項目60) 前記外傷を誘導する部分は、ワイヤーで形成された遠位端を含む、項目48に記載のデバイス。
(項目61) 前記遠位端は、泡だて器様のデザインを形成するように構成された1つまたは複数の繊維から構成される、項目60に記載のデバイス。
(項目62) 前記ワイヤーは、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される材料から製造される、項目60に記載のデバイス。
(項目63) 前記外傷を誘導する部分は、粗い外表面を有するバルーンを含む、項目60に記載のデバイス。
(項目64) 前記表面は、細いワイヤーを含む、項目63に記載のデバイス。
(項目65) 前記表面は、小さい剛毛を含む、項目64に記載のデバイス。
(項目66) 体腔内の組織に対して外傷を生成するための前処置用のデバイスであって、
前処置用の液体と、
カテーテル内に収容された、該前処置用の液体で該組織を傷害するために使用されるチューブと
を備えるデバイス。
(項目67) 前記液体は、水流中に懸濁させられた結晶塩である、請求項66に記載のデバイス。
(項目68) 避妊の方法であって、該方法は、以下:
子宮内に移植可能なデバイスを挿入する工程;および
前記子宮内の最適な部位に前記デバイスを配置する工程、
を包含し、ここで、該最適な部位は、接着の形成を促進し、そして受胎を妨げる、方法。
(項目69) 子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、
子宮頚部のキャップと、
該子宮頚部のキャップの近位端上に配置されたガイドと
を備えるツール。
(項目70) 前記子宮頚部のキャップは、1つまたは複数の切込みを有する逆止め弁を含む、項目69に記載のツール。
(項目71) 前記子宮頚部のキャップは、コップ型のデバイスを形成する、項目69に記載のツール。
(項目72) 前記ガイドは、中空チューブを含む、項目69に記載のツール。
(項目73) 前記ガイドは、カテーテルを含む、項目69に記載のツール。
(項目74) 前記キャップは、液体を分散させ、真空を生成し、ツールを送達し、そして前記移植可能なデバイスを展開させるための1つまたは複数の内腔を含む、項目69に記載のツール。
(項目75) 膣を広げるために使用される鏡をさらに含む、項目69に記載のツール。
(項目76) 子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、
該移植可能なデバイスに取り付けられた1つまたは複数の拡張エレメントと、
1つまたは複数のマニピュレーターエレメントと
を備えるツール。
(項目77) 前記拡張エレメントは、固い内腔、弾性膜、ワイヤー、バルーン、および膨張可能なチューブからなる群より選択されるものである、請求項76に記載のツール。
(項目78) 前記マニピュレーターエレメントは、フック、ワイヤー、ストリング、モノフィラメント、バネ、ヒンジ、および膨張内腔からなる群より選択されるものである、項目76に記載のツール。
(項目79) 前記拡張エレメントは、逆止め弁を通じて前記移植可能なデバイスに取り付けられるワイヤーである、項目76に記載のツール。
(項目80) 移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、以下:
ガイドであって、該ガイドは、接着を生成するために、前記移植可能なデバイスの子宮内の配置に向けられる、ガイド、
を備えるツール。
(項目81) 前記ガイドが、患者の体内に永久に移植される、項目80に記載のツール。
(項目82) 前記ガイドは、患者の子宮頚部への経路を形成する、請求項80に記載のツール。
(項目83) 前記ガイドは、中空チューブを含む、項目80に記載のツール。
(項目84) 子宮の組織をモニタリングするためのデバイスであって、
少なくとも1つの画像化が可能なマーカーであって、
該マーカーは、拡張された子宮の大きさよりも小さい大きさを有し、
該マーカーは、子宮の壁に該マーカーを接着させるための表面を有し、
該マーカーは、該子宮内での永久的な移植のために適切である生体適合性の材料から構成され、
該マーカーは、該子宮への該マーカーの挿入前に送達ツール上に脱離可能に配置される、マーカー、
を備えるデバイス。
(項目85) 前記マーカーは、超音波、磁気共鳴画像化、コンピュータートトモグラフィー、X線、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される画像化技術を使用して画像化され得る、項目84に記載のデバイス。
(項目86) 前記マーカーは、移植デバイス中に取りこまれる、項目84に記載のデバイス。
(項目87) 前記マーカーは、展開ツール中に取りこまれる、項目84に記載のデバイス。
(項目88) 前記マーカーは、前処置デバイス中に取りこまれる、請求項84に記載のデバイス。
(項目89) 前記大きさは、調節可能である、項目84に記載のデバイス。
(項目90) 前記大きさは、子宮の大きさの予め決定された範囲の1つに対応する、項目84に記載のデバイス。
(項目91) さらに形状を含み、該形状は調節可能である、項目84に記載のデバイス。
(項目92) 前記形状は、球形、チューブ型、ドーナッツ型、中空球体、等辺三角形、湾曲した物体、および他の幾何学的な形状からなる群より選択される、項目91に記載のデバイス。
(項目93) 前記マーカーは、周辺組織の密度とは異なる密度を有する、項目84に記載のデバイス。
(項目94) 前記マーカの前記材料は、ポリプロピレン、エチレン、チタン、ウレタン、ナイロン、GORE−TEX(登録商標)、PTFE、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、タンパク質、または任意のタイプの安定したヒト生物製剤からなる群から選択される項目84に記載のデバイス。
(項目95) 前記材料は、材料の組合せである、項目94に記載のデバイス。
(項目96) 前記マーカーは、固体の構成要素として構成される、請求項84に記載のデバイス。
(項目97) 前記マーカーは、中空構成要素として構成される、項目84に記載のデバイス。
(項目98) 前記中空構成要素は、液体で充填される、項目97に記載のデバイス。
(項目99) 前記中空構成要素は、気体で充填される、項目97に記載のデバイス。
(項目100) 前記マーカーの外部にコーティングされる物質をさらに含む、項目84に記載のデバイス。
(項目101) 前記物質は、生物学的な材料である、項目100に記載のデバイス。
(項目102) 前記物質は、組織に対して反応する、項目101に記載のデバイス。
(項目103) 前記物質は、細胞に対して反応する、項目101に記載のデバイス。
(項目104) 前記生物学的材料は、液体/水分の浸潤を妨げる、請求項100に記載のデバイス。
(項目105) 子宮の組織をモニタリングする方法であって、
少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを該子宮の内部に導入する工程、
該少なくとも1つのマーカーが該子宮の内部で形成された組織中に埋め込まれるようにする工程、
該子宮の内部上での組織の特徴を評価するために、参照位置として該少なくとも1つのマーカーを使用する工程
を包含する、方法。
(項目106) 少なくとも2つの画像化が可能なマーカーが前記子宮に導入され、前記少なくとも2つのマーカーは、2次元の参照フレームを提供する、項目105に記載の方法。
(項目107) 上記少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、前記子宮が月経過多症の症状について処置されている手順の間に前記内部に導入される、項目105に記載の方法。
(項目108) 前記少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、前記子宮内に長時間とどまることを許される、項目105に記載の方法。
(項目109) 移植可能なデバイスの配置を決定する工程をさらに包含し、該移植可能なデバイスは該マーカーと組み合せられる、項目105に記載の方法。
(項目110) 一般的な画像化技術を使用して前記マーカーを画像化する工程をさらに包含する、項目105に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の他の特徴および利点は、特定の実施形態の以下の記載が図面と組合せて進行するにつれて理解される。
【図1】図1は、子宮摘出術の一実施形態の断面図である。
【図2】図2は、子宮摘出術の別の実施形態の断面図である。
【図3】図3は、子宮摘出術のなお別の実施形態の断面図である。
【図4】図4は、剥離手順の一実施形態の透視図である。
【図5】図5は、剥離手順の別の実施形態の透視図である。
【図6】図6は、アッシャーマン症候群に関連している子宮内接着を示す透視図である。
【図7】図7は、接着の形成のプロセスを示す全体図である。
【図8】図8は、本発明に従う子宮内移植デバイスの一実施形態の透視図である。
【図9A】図9Aは、膨張されていない状態の子宮腔の正面透視図である。
【図9B】図9Bは、膨張されていない状態の子宮腔の側面透視図である。
【図10】図10は、本発明に従う子宮内移植デバイスの一実施形態の透視図である。
【図11】図11は、本発明に従うランダムな繊維束の一実施形態を示す透視図である。
【図12A】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12B】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12C】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12D】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12E】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12F】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図13A】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図13B】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図13C】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図14A】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図14B】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図14C】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図15】図15は、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の断面図である。
【図16A】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16B】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16C】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16D】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に従う、カテーテルの遠位端の透視図である。
【図18A】図18Aは、本発明に従う展開ツールの一実施形態を示す図である。
【図18B】図18Bは、本発明に従う展開ツールの一実施形態を示す図である。
【図19A】図19Aは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図19B】図19Bは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図20A】図20Aは、本発明に従う展開ツールのなお別の実施形態を示す図である。
【図20B】図20Bは、本発明に従う展開ツールのなお別の実施形態を示す図である。
【図21A】図21Aは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図21B】図21Bは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図22A】図22Aは、本発明に従う自己展開移植構築物の実施形態の透視図である。
【図22B】図22Bは、本発明に従う自己展開移植構築物の実施形態の透視図である。
【図23】図23は、本発明に従う移植片の代替的な実施形態を示す図である。
【図24】図24は、本発明に従う移植片の別の実施形態を示す図である。
【図25】図25は、本発明に従う展開デバイスおよび移植片の一実施形態を示す図である。
【図26】図26は、本発明に従う展開デバイスおよび移植片の別の実施形態を示す図である。
【図27】図27は、本発明に従う移植片の代替的な実施形態を示す図である。
【図28A】図28Aは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図28B】図28Bは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図28C】図28Cは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図29】図29は、本発明に従う移植片の別の実施形態を示す図である。
【図30A】図30Aは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図30B】図30Bは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図30C】図30Cは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図31A】図31Aは、本発明に従って使用されるツールの一実施形態を示す図である。
【図31B】図31Bは、本発明に従って使用されるツールの一実施形態を示す図である。
【図32】図32は、本発明に従うマーカーの一実施形態を示す図である。
【図33】図33は、本発明に従うマーカーの代替的な実施形態を示す図である。
【図34】図34は、本発明の一実施形態に従う移植されたマーカーの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(発明の詳細な説明)
図8を参照すると、本発明に従う子宮内移植デバイス40の一実施形態は、子宮42内に示されるように展開される。子宮42すなわち子宮(womb)は、女性の内部の生殖器の一部である、子宮42は、約4インチの長さおよび3インチの幅の中空の筋肉質の器官であり、一般的には、逆さまの洋ナシに似た形状である。図8に示される子宮42は、子宮腔44を明確に示すために膨張させられた状態であることに注意すべきである。しかし、子宮腔は、通常は、図9Aおよび9Bに示されているようなしぼんだ状態であることが理解されている。
【0041】
子宮42の上部の末端にある2つの開口部46は、卵管に通じ、これは卵巣につながっている(図示せず)。上部の末端の開口部42の反対側は、下部の狭い開口部の末端48である。これは、子宮42の子宮頚部50を形成し、そして膣52に向って伸びる。子宮42の分厚い壁は、組織および筋肉の3つの層から構成される:内部の子宮内膜層、中央の子宮筋層、および外部の子宮外膜層。子宮42から分離し、そして女性の月経期間の間に月経による血流としてその体をゆだねるのは、内部の子宮内膜層または内層である。
【0042】
月経過多症と呼ばれる過剰な月経による血流または出血は、子宮内膜組織の層の異常な脱落の指標である。上記に記載されているような従来の治療(例えば、子宮摘出術または剥離/切除手順)とは異なり、本発明のデバイス40は、無月経(すなわち、出血の停止)を、子宮内での接着の形成を促進する移植片または物質による方法によって達成する。子宮内での接着は、子宮内膜組織の非活性化によって、出血の停止を生じる。子宮内膜組織の非活性化は、おそらく、圧力勾配または神経を調整する作用に起因する。子宮の腔の閉鎖または閉塞が生じ得る。子宮内膜組織が、内層の直接の崩壊以外の手段を通じて非活性化され、そして子宮内膜の非活性化が、少数の接着の存在下でもなお見られていることに注目することが重要である。
【0043】
一般的には、本発明のデバイスは、体腔(例えば、子宮)内に送達することが可能である生体適合性の材料を含む。材料は、組織の増殖を促進する性質を含み、これが、体腔内での接着の形成を生じる。この性質は、以下にさらに記載される、機械的な成分および/または培養されていない生物学的な成分によって定義され得る。本明細書中で開示されるように、本発明は一般的には、子宮について言及するが、他の体腔(例えば、心臓、腹部の内部の腔、または他の同様の腔)もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
図8および図10に示されるように、本発明のデバイス40の一実施形態は、子宮の腔44の内部構造に沿うように一般的に成形されたか、またはそれに沿うための物理的な特性を有している滅菌の材料を含む。一般的には、デバイスの材料は可撓性であり得るか、剛直であり得るか、または半剛直であり得、そして患者の子宮42の内部に合うようにサイズ決めされ得る。このように、デバイス40は、約7インチ(17.78cm)の高さX、および約4インチ(10.16cm)の底辺Yを有している、ほぼ三角形に成形されるはずである。別の実施形態(図示せず)においては、デバイス40は、デバイスの送達後の子宮の解剖学的構造に順応する、流動性の液体または材料を含む。
【0045】
(デバイスの材料)
本発明のデバイス40は、広範囲の種々の材料から作製され得る。これらとして、メッシュ、縫合糸、ゲル、多孔性のもの、同種異系移植片、タンパク質、ヒドロゲル、液体のシーラント、接着剤、セルロース、アルギン酸塩、組織、キトサン、粒子、発泡体、および複数の材料の任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。これらの材料の特性または特徴は、非吸収性、一時的/吸収性であり得る(これによって、材料は、酵素的、加水分解的、機械的などを含む任意の手段を通じて体によって分解されそして排泄される)か、または永久的なもの/再吸収が可能であり得る(これによって、材料は、宿主もしくは他の同様の組織を形成するためのいくつかのプロセスを通じて作り直される)。さらに、デバイスの材料は、生体適合性であり、非毒性であるべきであり、好ましくは、米国食品医薬品局(FDA)によって承認され/審理されたものであるべきであり、接着を生成する目的を有しているヒトにおいて長期間使用されているものであるべきである。さらに、機械的な構造を有しているデバイス40の実施形態については、材料が不規則な容量および/または形状に沿うことが可能であることが所望される。一般的には、デバイス40は、それがカテーテルまたは同様のデバイス送達ツールの中に配置され、その中で保存され、そしてそこから展開され得るように設計されるべきである。
【0046】
一実施形態においては、材料は、織って作られた外科手術用のメッシュである。あるいは、メッシュは、撚り合わされたもの、紡がれたもの、編まれたもの、不織布、そしてそれらの任意の構造の組合せであり得る。代表的な外科手術用のメッシュの例として、以下が挙げられる:GORE−TEX(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている)、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Mersilene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Prolene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている)、Surgisis(登録商標)(SIS Technology Cook Group,Indianaによって製造されている)、Vicryl(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、およびAtrium Surgical Mesh(Atrium,New Hampshireによって製造されている)。これらの材料についての特定の参照は、製図業者の製品カタログ中に見出され得る。本明細書中では詳細には開示されていないさらなる外科手術用のメッシュ材料(例えば、ポリエステル、フェルト、ポリエチレン繊維、非吸収性のメッシュ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、吸収性のメッシュ、および他のメッシュ材料)もまた、子宮内での接着36を生成するため、またはその発生を増強するために使用され得る。
【0047】
一般的には、これらの材料は代表的には、体の他の領域内に接着または組織の修復を生成するために使用される。このような使用の一例は、ヘルニアの修復である。それによって、特殊化されたメッシュまたはスクリーンが、適切な位置にヘルニアを保つために使用される。この適用については、材料はプラグのように作用し、弱くなった領域を強くするように周辺組織によってすぐに取りこまれる。
【0048】
抜粋した文献の参考文献は、接着のバリアであるとしていくつかの材料を記載しているが、これらの材料は、実際には、特異的な状況のもとで接着を生成することにおいて非常に良好である。1つのこのような例は、Surgicel(登録商標)酸化再生セルロース(oxidized regenerated cellulose)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)である。これは接着のバリア物質と考えられ、そして特定の状況のもとでは、接着の生成物質/促進物質である。したがって、接着のバリアおよび接着の促進物質の両方である材料が、本発明のデバイス40について使用され得る。
【0049】
本発明の別の実施形態においては、移植片40は、織り上げられた材料(例えば、特異的な織り方の生地)から作製される。これはまた、生体適合性でもある。この構造においては、デバイスの材料は、格子様構造(隙間または孔を有している)を作製する。これは、繊維状の組織の浸潤を促進し、接着36を生じる。材料は、金属性、ポリマー性、または生体材料(複数の材料の組み合わせを含む)であり得、そして物理的要件および手順の要件に依存して、吸収性または非吸収性であり得る。さらなる材料の規格または変数としては、織り方のタイプ(例えば、平織、目の粗い、目の詰まった、綾織、ダッチ(dutch)、逆ダッチ、ツイルダッチ、または琥珀織り(複数の織り方の組合せを含む))、メッシュの番数、繊維の直径、フィラメントのタイプ(例えば、モノフィラメント繊維またはマルチフィラメント繊維)、あるいは、織りの先端に内部連結が存在するかどうかが挙げられ得る。織り上げられた材料についてのさらなる規格、変数、および一般的な情報を含有している参考文献は、Sefar America,Inc.,Depew,New York(1998年の日付で文献小冊子が販売される)である。これは、本明細書中で参考として援用される。
【0050】
あるいは、本発明のデバイス40はまた、織られていない材料からも作製され得る。1つのタイプの織られていない材料は、ランダムな繊維束54である。繊維束54は、織り上げられたメッシュと同様の薄いマットであり得、不規則な繊維のパターンを有する。不規則な繊維のパターンを有している材料の例として、Scotchbrite(登録商標)またはBrillo(登録商標)パッド材料が挙げられる。さらに、材料は、任意のモノフィラメントまたはマルチフィラメント材料から組立てられ得る。移植片について使用され得るモノフィラメント材料の例は、縫合糸の材料(例えば、Prolene(登録商標)またはVicryl(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)である。織られていない材料の繊維は、ランダムな方向に並べられているが、繊維の構造によって、図11に示されるように付随する有効な孔の大きさ56を生じる。織られていない材料のさらなる例として、上記に列挙された全ての材料が挙げられる。なぜなら、織物に組み立てられた材料はまた、ランダムな繊維束54へと製造され得るからである。
【0051】
多数の製造方法および関連する技術が、本発明のデバイス40において使用される織り上げられた材料および織られていない材料を製造するために使用され得る。例えば、一実施形態においては、0.003から0.007インチ(0.00762cmから0.01778cm)の範囲内の厚みを有しているモノフィラメントは、0.118インチから0.197インチ(0.3cmから0.5cm)のセグメントに切断される。次いで、このセグメントは、球または立方体のような予め決定された構造に成形される。多孔性の個々の形状は、次いで、最終的な材料のデザインに並べられる。得られた材料の空隙率は、繊維の大きさおよび形状、ならびに繊維の圧縮の量(密度)に依存する。本開示の範囲内である他の製造技術の例としては、加熱、超音波による切断、冷間切断、超音波溶接、射出成形、圧縮成形、スタンピング、延伸、成形、および詳細には開示されていないが当該分野で周知である他の技術が挙げられる。
【0052】
別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、多孔性の材料から作製される。このような有効性の材料の例としては、セラミック、アルミナ、シリコン、粉末状にされた金属、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、多孔性のポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタール、ナイロン、ポリエステル)およびこのような材料の任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。これらの材料(および詳細には記載されていないが請求される本発明の範囲に含まれる他の材料)は、本質的には多孔性ではない場合があるが、種々の製造および処理技術が、この材料が選択的な空隙率の特性を生じるように使用され得る。
【0053】
さらに、これらの材料の1つ以上がさらに、メッシュマトリックス(すなわち、メッシュに織り上げられたかまたはランダムな方向で構成された多孔性の繊維)中に取りこまれ得る。あるいは、材料は、マトリックスに構築される等しいまたは異なる大きさまたは形状の多くの粒子として形成され得る。別の実施形態においては、ポリマー性の材料が、目の粗い孔のセルを有するスポンジ様の材料を形成するように製造され得る。このスポンジ様の構造は、接着36を促進するだけではなく、移植片40が子宮腔44の内部の領域に良好に沿うこともまた可能にする。このような材料の特異的な例として、lvalon、ポリビニルスポンジ(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)およびSurgifoam(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)が挙げられる。しかし、本明細書中では詳細には列挙されていない他の材料もまた使用され得ることに留意すべきである。
【0054】
材料の孔の大きさ、ならびに材料の物理的な特徴の両方が、移植片40の有効性に影響を与える。これらの材料の特性は、メッシュ中に展開するかまたはその中に増殖する組織のタイプを決定し、そして最終的には、子宮42の中に形成する接着36のタイプを決定する。月経過多症の処置についてのこれらのパラメーターの間での直接的な相関関係は、内殖組織に基づく既存の材料の分類またはタイプ(例えば、ヘルニアの修復のために使用されるもの)によって決定され得る。例えば、タイプIは、75ミクロンよりも大きい孔の大きさを有する材料を含む。これは、マクロファージ、繊維芽細胞(繊維増殖症)、血管(脈管形成)、およびコラーゲン繊維の孔の中への成長を可能にする。この孔の大きさは、Prolene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、および上記に記載されている他のメッシュにおいて見られる孔の大きさに類似している。このように、タイプIの材料は、適切なデバイスの材料である。
【0055】
タイプIIの材料は、少なくとも3分の1の直径において10ミクロン未満の孔の大きさを有する微孔性のメッシュである。GORE−TEX(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている)、PTFE、および他の外科手術用の膜のような材料が、これらのメッシュの代表例である。したがって、タイプIIの材料もまた、適切なデバイスの材料である。
【0056】
タイプIIIの材料はマルチフィラメントを含み、そして微孔性および/または微孔性の成分を含有する。一般的には、タイプIIIの材料は種々の孔の大きさを有し、タイプIおよびタイプIIの材料の組み合わせである。タイプIIIの材料いくつかの例としては、Dacronメッシュ(例えば、Mersilene(登録商標)(Johnson
& Johnson,New Jerseyによって製造されている))、撚り合わされたポリプロピレンメッシュ(例えば、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている))、および孔をあけられたPTFE(例えば、GORE−TEX(登録商標)MYCROMESH(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている))が挙げられる。これらおよび本明細書中では詳細には列挙されていない他のタイプIIIの材料もまた、本発明のデバイス40について使用され得る。
【0057】
本発明の別の実施形態においては、デバイスまたは移植片40は、液体のシーラントまたは接着剤(例えば、コラーゲン、組織/コラーゲン、トロンビン、ポリマー、フィブリンに基づくシーラント、およびそれらの任意の組合せ)から製造される。一般的には、これらの材料は代表的には、液体の形態で構成される。しかし、コラーゲンは非常に一般的な物質であり、多数の形状(小麦粉、圧縮されたマットパッド、織られていない繊維、または種々の密度および/もしくは空隙度を有している他の成形されたか、押出されたか、もしくは圧縮された形状を含む)の中で見出され得る。本明細書中で意図されるコラーゲンおよび組織/コラーゲン材料の例としては、Avitene(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Helitene(登録商標)(Integra LifeSciences Corporation,New Jerseyによって製造されている)、Dermalogen(登録商標)、Dermaplant(登録商標)(Collagenesis,Inc,Massachusettsによって製造されている)、Apligraf(登録商標)、Engineered Collagen Matrix(登録商標)、およびVitrix(登録商標)(Organogenesis Inc.,Massachusettsによって製造されている)が挙げられる。コラーゲンは合成され得るか、またはウシ、ブタ、もしくはヒトの供給源から誘導され得る。
【0058】
コラーゲン−トロンビンシーラントの一例は、Costasis(登録商標)である。Cohesion Technologies,Californiaによって製造されているCostasis(登録商標)は、患者の体内の種々の部位での出血を停止または制御するための止血剤としての使用のためのコラーゲン−トロンビン複合物である。この材料は、ウシの筋原繊維のコラーゲン、および塩化カルシウム中に懸濁されたウシのトロンビンから構成される。適用時に、フィブリノーゲン(例えば、患者の血漿から採取される)がCostasis(登録商標)と混合され、それによってコラーゲンを増強させられた液体の止血剤を形成するようにトロンビンによって切断されるフィブリノーゲンを提供する。得られた液体の材料は、次いで、出血を制御するために標的部位に対して適用され得る。
【0059】
あるいは、液体のシーラントの物理的な特性が、特異的な形状または柔軟な幾何学的形状の止血薬の固形物を生成するために変更され得る。一実施形態においては、シーラントの材料は特異的な流動要件を有しているキャリアマトリックス中に配置され得、そしてシーラントの物理的な特徴を変更するために熱または湿気によって活性化され得る。適切なキャリアマトリックスの一例は、トロンビンに基づくCoStop(登録商標)である(これもまた、Cohesion Technologies,Californiaによって製造されている)。しかし、Costasis(登録商標)とは異なり、CoStop(登録商標)は、患者に由来する血漿は必要とはしない。患者の血液をトロンビンに基づくCoStop(登録商標)と単純に混合することが、血小板の活性化を引き起こすために十分である。血液とトロンビンとの混合の直後に血小板の活性化が生じ、トロンビンはさらに、フィブリンの凝塊を形成するように混合物を触媒する。このように、血小板の活性化が凝塊の形成を開始する。コラーゲン−フィブリンマトリックスが発達し、標的部位で作成されることになる組織についての基部または支持構造を形成する。したがって、月経過多症を処置するために使用される場合には、CoStop(登録商標)は、患者の子宮42内に配置され、コラーゲン−フィブリンマトリックスを形成する。新しく形成された組織は、子宮42の前方および後方の壁を互いに架橋し、それによって接着36を促進し、そして無月経を促進する。
【0060】
別の方法および成分もまた、液体のシーラントの物理的な特性を改変するために使用され得る。本明細書中では詳細には言及されていないが、これらの方法および成分は適用可能な分野で周知であり、したがって、本発明の開示および請求される本発明の範囲内にある。
【0061】
別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、同種異系移植片(すなわち、レシピエントと同じ種のドナーから採取された組織の移植片)から作成される。これらの材料は、新しい組織の形成のためのマトリックスとして、同種異系移植片組織の構造および特性を使用する。Osteofil(登録商標)(Regeneration Technologies Inc.,Floridaによって製造されている)が1つのこのような材料の一例である。Osteofil(登録商標)は患者の子宮42内に配置され、そして繊維性の組織がマトリックス内に形成される。この新しい組織は、接着36のための基礎を形成する。Regeneration Technologies Inc.による同種異系移植片組織は、最初に、鉱物質を除去された骨として意図される。しかし、動物またはヒトに由来する他の組織もまた使用され得る。Osteofil(登録商標)に加えて、Natural Matrix(異種移植片)(例えば、OsteoGraf(登録商標)N−Block(Cera Med Dental,LLC,Coloradoによって製造されている)、および種々の公認の組織バンクから入手可能である他の組織を含むがこれらに限定されない他の同様の材料もまた、特許請求される本発明の範囲内にある。
【0062】
なお別の実施形態においては、タンパク質材料が本発明のデバイス40を製造するために使用される。種々の会社および機関が、スティック状の表面および取り付け可能な表面の両方を作成するためにタンパク質の使用を研究している。このような会社の1つは、San Diego,CaliforniaにあるProtein Polymer Technologyである。Protein Polymer Technologyは、組換えDNA技術を使用して合成の遺伝子を作成する。詳細には、Protein Polymer Technologyは、低分子タンパク質の基礎単位を高分子量のポリマーに構成することが可能である。
【0063】
特異的なタンパク質の適用を作成するために財産所有権を有する技術を使用する別の会社は、Gel−Del Technologies (St.Paul,Minnesota)である。Gel−Del Technologiesは、Protein Polymer Technologyおよび他の同様の会社と同様に、種々の方法を使用してタンパク質を処理する。タンパク質の物理的な構造および組成は、タンパク質の広範囲の種々の特性を作成するために改変される。例えば、細胞性のレセプターを有するタンパク質が作成されている。このレセプターは、活性な会合または接着36を促進する。タンパク質の物理的な特性(例えば、形状)およびその側鎖エレメントは、繊維性の応答の発生および所望される接着36の形成に影響を与える。詳細には、利用可能な側鎖のエレメントは、タンパク質構造への組織の選択的な浸潤を調節し、それによって組織の標的部位に接着36を生じる。
【0064】
一般的には、タンパク質は広範囲の種々の形式で開発され得る。種々のタンパク質の形式の例としては、小さいビーズ、シート、細片、または他の規則的もしくは不規則な形状の構造が挙げられる。タンパク質の形式によって、タンパク質が、接着の形成に必要な応答を生成するために、例えば、子宮42内に移植されることを可能にする。
【0065】
本発明の別の実施形態においては、デバイスまたは移植片40はヒドロゲル材料から製造される。ヒドロゲルは干渉性の(コヒーレントな)三次元ポリマーネットワークであり、これはポリマーネットワークの解離を伴うことなく大量の水を吸収し得る。それらの調製方法に基づくヒドロゲルの分類には、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、マルチポリマーヒドロゲル、および相互に浸透するヒドロゲルが含まれる。一般的には、ヒドロゲルは、キトサン誘導体またはポリエチレンイミンをポリビニルピロリドン(PVP)とともに取り込んでいる親水性ポリマーである。ヒドロゲルはまた、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)、またはポリエチレングリコール(PEG)を含有し得る。1つの一般的なヒドロゲルの例は、ポリHEMA(ポリ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレート)である。これらの高度に適合性の水可溶性ポリマーシステムは、優れた物理的特性を保有しているゲルを形成するように互いに自然に混合する。これらの特性は、ゲルの化学的性質(すなわち、調剤)、有効成分、および生体分子(これは、生物学的活性を損なうことなく容易に取りこまれ得る)によって変更され得る。溶解され得るか、乳濁化され得るか、または懸濁され得る実質的に任意の材料が、ゲルの形成の前に添加され得、そして最終的には完成したゲル中に分散させられ得る。
【0066】
ヒドロゲルAquatrix(登録商標)II(Hydromer,New Jerseyによって製造されている)は、1つのこのようなヒドロゲル製品の例である。ゲルは、例えば、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Mersilene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている)、Surgisis(登録商標)(SIS Technology Cook Groupによって製造されている)、または粉砕される、挽いて粉にされるなどの任意の他の材料のような任意の上記の材料で充填され得、そしてヒドロゲル材料と混合され得る。この構造においては、ヒドロゲルは、足場または格子材料の分散を可能にするためのキャリア材料として作用する。次いで、この材料は、粒子の懸濁を伴う流動性の液体として送達され得る。さらに、ゲルは、30日から60日以内に体によって吸収されるかまたは再吸収されるように処方され得る。しかし、粒子/メッシュは残ったままであり、標的部位で所望される接着36を形成する。別の実施形態においては、ゲルは非吸収性であるように処方され得る。非吸収性のゲルの場合には、ゲルは、標的部位に配置され得、そして次いで、小さい孔を形成するように気体を吹きかけられる。孔はメッシュの開口部または孔と同様の様式で作用し、組織の内殖を可能にし、そして最終的には接着36を形成する。
【0067】
一般的には、本発明のデバイス40とともに使用される材料は、吸収性および/または非吸収性の材料または成分の組合せから構成され得る。一実施形態においては、吸収性の材料は、放射線不透過性のマーカー、または標的部位が画像化されることを可能にする画像化が可能なマーカーの任意の他のタイプから構成され得る。別の実施形態においては、吸収性の材料は、患者の標的部位で非吸収性の材料を固定するために使用され得る。例えば、吸収性の材料は、子宮頚部のキャップを構成し得る。子宮頚部のキャップがデバイス40の移植の時点で挿入され、そして子宮42内で適所にデバイス40を保つ。約8週間以内に、接着36が形成し、そして患者の体がデバイス40の吸収性の材料を吸収する。
【0068】
(使用方法)
子宮内での接着36を生成するための多くの方法が本明細書中で意図される。それぞれの方法論は、接着36を生成するためのわずかに異なる機構を有する。上記に説明されるように、接着の生成のための実際の機構の限定された理解しか現在既知ではない。しかし、子宮内での接着36は無月経を生じるのと同じ機能を行うようである。
【0069】
一実施形態においては、デバイス40の大きさおよび/または形状が、子宮42内での効率のよい接着の発生を促進するために最適化される。別の実施形態においては、デバイス40は、子宮42内での接着の収量(すなわち、100%までの被覆率)を最大にするために、実質的に子宮内膜の全体の領域と接触するように構成される。あるいは、デバイス40の部位特定の展開および/または配置のための、子宮42内での最適な位置が存在し得る。このように、移植片40は、効率のよい接着の形成(すなわち、子宮内膜の100%未満における接着)のために子宮内膜の特定のまたは離散性の領域と接触することのみを必要とする。例えば、デバイス30は、子宮42ではなく子宮頚管中に配置され得、出血を制御するために十分な接着36を生じる。別の例としては、デバイス40は、子宮42内の特定の部位のみに配置され得る。あるいは、子宮および子宮頚部の位置の組合せが、有用な接着の形成のために使用され得る。
【0070】
本発明の別の実施形態においては、移植片またはデバイス40は、過度の出血の領域である子宮42内の特定の領域を評価し決定するための手段を含み得る。これらの離散性の領域は、次いで、これらの標的部位で接着36を特異的に形成するために処置され得る。このアプローチは、子宮内膜を存続が可能であるままにすることを可能にし、同時に出血を減少および/または制御する。子宮内膜は完全には除去されないので、この方法は、手順の取り消し(すなわち、接着の除去)が可能であり得る。研究は、接着36が除去され得、したがって子宮の生存性が回復させられ得ることを示した。
【0071】
一般的には、本発明の使用方法または処置システムは、事実上避妊具である。デバイスまたは移植片40は、子宮内膜組織を非活性化する子宮内での接着36を生成する。さらに、接着36はまた、卵管および/または卵管への入口をふさぎ得る。これは次いで、妊娠の可能性を排除し(すなわち、受胎を妨げ)、そして出産の可能性を排除する。しかし、子宮42内の限定された領域のみが接着36の形成を必要とする場合には、手順およびそれに付随する効果は、取り消され得る。したがって、接着36が広範囲ではない場合には、子宮が月経機能を回復すること、および妊娠の可能性を回復するが可能である。
【0072】
接着の形成または被覆率は、被覆の位置(これは、デバイスの位置に関係している)だけではなく、被覆の割合においてもまた重要である。本明細書中で記載されるデバイス40および方法は、子宮内膜の全体の領域に広がる接着36の100%の被覆を生成するように指向されるが、100%未満の接着および/または子宮内膜の領域の被覆に関係している代替のデバイスの構造および使用方法もまた、本明細書中で意図されることが理解されるべきである。例えば、一般的には、被覆の割合は75%より大きくなければならず、かつ/または被覆の位置は子宮の下から3分の2および/もしくは子宮頚管全体の中であるべきである。本明細書中では詳細には記載されていないが、他の被覆の選択もまた、特許請求される本発明の範囲内に含まれる。
【0073】
一般的な接着の形成は、炎症の状態および外来の物体(すなわち、子宮内デバイス40)に対する局在化された応答である。掻爬術または他の前処置(以下でさらに議論される)は、子宮内膜に対する外傷を生じ、そして炎症応答を開始する。次いで、体は、外傷を治癒させるための手段として損傷にねらいをつけて線維芽細胞(結合組織)を作製することを開始する。これらの線維芽細胞は、局在化された炎症に対して応答し続け、ますます線維状組織を作製する。線維状組織が作製されると、子宮42の前方および後方の壁が、瘢痕組織によってより近づいて連結される。子宮筋細胞は、最終的に瘢痕組織に浸潤し、そして周辺組織が子宮内膜を再吸収する。子宮内膜組織の長期間の非活性化は、接着36によって生成される子宮内圧の増加に一部起因すると考えられる。本明細書中では詳細には記載されていない他の調節因子もまた存在する。これらは、子宮内膜の非活性化に関係し得る。
【0074】
永久的な子宮内での接着36を生成し、そして月経過多症を処置することに加えて、本発明の子宮内デバイス40は、一時的な基準でまたはライフスタイルの選択肢としてもまた使用され得る。開示される移植デバイス/システム40はまた、期限を有するかどうかの選択肢を女性に与え得る。したがって、デバイス40は、女性が主要な外科手術を受けることを必要とせずに彼女らの月経期間を終わらせるための便利なものとして使用され得る。さらに、デバイス40は、辛い月経周期または月経前症候群を排除するために使用され得る。なお別の選択肢として、デバイス40は、一時的な避妊の手段として使用され得る。女性が子供を有する準備が整った場合には、この手順は取り消され得、それによって接着36が除去され月経が回復する。
【0075】
(前処置)
本発明の一実施形態においては、接着36を生成するために使用される方法論は、子宮42の中でのデバイス40の配置の前に、子宮内膜の前処置を含む。前処置の方法は、直接的または間接的のいずれかであり得る。一般的には、間接的な前処置は、手順の前の一定の期間の間に行われる。対照的に、直接的な前処置は、実際の手順の間に行われる。
【0076】
直接的な前処置(機械的な手段、化学的な手段、またはそれらの組合せを通じる)は、子宮42からの治癒応答を呼び出すために行われる。1つのタイプの直接的な前処置は、デバイス40の展開の前に子宮内膜に対して外傷を生成することを含む。この外傷、またいくつかの場合によっては、組織の壊死を達成するための方法は、掻爬または子宮内膜の剥離の形成を含み得る。これらの方法は、鋭いまたは鈍い掻爬器(真空掻爬器)、ローラーボール電気焼灼デバイス、熱エネルギーデバイス(例えば、再循環温水)、温水充填バルーン、高周波(RF)エネルギーディレクター、マイクロ波、低温デバイス(組織を凍結させるため)、細胞傷害性薬剤、強力なLASER光線、および子宮内膜の内層に対して外傷を生じることが可能な他のデバイス(このようなデバイスの組合せを含む)を用いて行うことができる。
【0077】
本発明に従う前処置デバイス60の一実施形態が、図12Aおよび12Bに示される。前処置デバイス60は、ボトルブラシ形の構成と同様に構成され、また移植片としても機能し得る。この形状においては、前処置デバイス60は、ステム部分62および隣接している外傷を誘導する部分64(剛毛またはスパイク様の突起から構成される)を含む。デバイスのステム62は、硬質ポリマー、ABS、ナイロン、PVC、金属(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム)、およびこのような材料の任意の組合せから作製され得る。剛毛64は、半硬質ポリマー、ナイロン、またはポリエチレンから作製され得る。あるいは、外傷を誘導する部分64は、図12Cに示されるような、組織をこすり取ることが可能なBrillo(登録商標)パッド様構造66として構成され得る。Brillo(登録商標)部分66は、硬化剤でコーティングされたコラーゲンから構成され得、そしてカテーテル68から展開されると自ら膨らみ得る。
【0078】
送達の前には、デバイス60のブラシまたは剛毛部分64は、カテーテルまたは他の同様のタイプの送達ツール68の遠位部分70の中に含まれる。好ましくは、送達ツール68の外表面は、患者への容易な挿入を可能にするために平滑および/または潤滑である。送達および処置手順の間に、送達ツール68は、子宮頚部を通じて患者の内部に挿入され、そして遠位部分70が子宮42内に配置される。前処置デバイス60は、デバイス60の剛毛部分64が標的部位で展開されるように操作される。デバイス60はさらに操作され(例えば、回転させられ、撚られ、押され、そして/または引っ張られ)、その結果、ブラシ形部分64は子宮内膜組織に炎症を起こさせる。ブラシ形部分64は次いで、前処置デバイス60から切り離され、患者の子宮42内に残される。デバイス60の剛毛64は、線維性の組織の内部への増殖が可能であり、そして接着の形成を促進する。移植片40が展開させられた後、カテーテル68が患者から取り出される。
【0079】
図12Dは、ボトルブラシ形前処置デバイス60の代替の実施形態を示す。デバイス60の遠位部分70は、多分岐のブラシ72を含む。この構造によって、組織に対する十分な外傷を生じるために必要な操作の量を減少させ、また子宮内膜のより大きな被覆を可能にする。
【0080】
ボトルブラシ形前処置デバイス60のなお別の実施形態においては、デバイス60の遠位部分70は、図12Eに示されるような、有棘ワイヤーと同様の鋭利な突起74を有するワイヤーを含む。このボトルブラシの形状を用いる場合には、前処置デバイス60の有棘ワイヤーの末端74が子宮内膜の十分な傷害を生じるように組織の表面にわたって、回転させられ、撚られ、押され、そして/または引っ張られる。あるいは、子宮内膜組織をさらに剥離させる別の手段として、ワイヤー74に対して電流が印加され得る。
【0081】
図12Fを参照すると、前処置デバイス60のボトルブラシ形部分はまた、キャップまたはコラーゲンプラグ76の形状に設計され得る。コラーゲンプラグ76は表面が自然に剥離され、そして操作および展開のためにスタイレット78に取り付けられる。スタイレット78は、子宮内膜に対する十分な外傷を生成するために、回転させられ、押され、または引っ張られる。あるいは、結晶性の材料が、より大きな表面の粗雑さを生成するために、プラグ76のコラーゲン中に包埋され得る。前処置手順が完了した後、プラグ76はスタイレット78からネジを回してはずされ、そして接着の形成を促進するために子宮42内に残される。
【0082】
図13Aおよび13Bを参照すると、前処置デバイス60の代替の実施形態は、ワイヤーで形成された遠位端80を含む。デバイス60の遠位部分は、1つ以上のワイヤー82から構成される。これらは、卵泡だて器または泡だて器様のデザインを形成するように構成される。Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、および他の同様の材料(このような材料の組合せを含む)が、デバイス60のワイヤー82を製造するために使用され得る。子宮頚部50を通じて患者の子宮42内への挿入の前に、ワイヤー82は、送達ツールのカニューレ68内に引き込まれる。ワイヤー82は、カニューレ68内に適合するように、傘を閉じると同様に互いに畳まれ得るか、または図13Cに示されるように、デバイス60の中心軸に向って撚られ得る。デバイス60が子宮42内に配置された後、ワイヤーで形成された遠位端80が展開させられ、ワイヤー形状をデバイス60の中心軸から放射状に膨らませる。次いで、デバイス60は、子宮内膜を引っかくまたは傷害させるために、掻爬様の作用で操作される。前処置手順が完了した後、ワイヤーで形成された遠位端80が引き込まれ、そしてデバイス60が患者から取り出される。
【0083】
本発明の別の実施形態においては、粗雑な外表面を有しているバルーン84が、子宮内膜に対する外傷を誘導するために使用される。図14Aおよび14Bに示されるように、バルーン84は収縮され、そして展開の前にはカニューレ68の内腔に収容される。前処置デバイス60の遠位の部分が正確に子宮42内に配置された後、バルーン84が展開されるか、または子宮腔を満たすように放射状に膨張される。図14Cに示されるバルーン84の外表面は、種々の微細なワイヤー、刃、小さい剛毛、または組織を剥離することが可能な他の剥離性の構造を含み得る。次いで、デバイス60は、例えば、回転され、押され、そして/または引っ張られ、あるいは繰り返し膨張されそして収縮されるように操作される。その結果、バルーン84の剥離性の表面が子宮内膜に炎症を起こさせる。前処置手順が完了した後、バルーン84は収縮させられ、そしてカニューレ68中に引き込まれ、デバイス60が患者の子宮42から取り出される。
【0084】
図15を参照すると、本発明のこの実施形態の前処置デバイス60は、子宮内膜に対して外傷を生成するかまたは子宮内膜を傷害させるために、「サンドブラスティング」または液体剥離技術の1つのタイプを利用する。カテーテル68内に収容された曲がった操縦できる先端を有している可撓性のチューブ86が、前処置用の液体88を送達し、それによって組織を傷害させるために使用される。一実施形態においては、液体88は、水蒸気中に懸濁されたかまたはその中に入り込まされた、結晶質の塩を含む。送達の前に、患者の子宮42は、気体(例えば、二酸化炭素(CO2))または機械的なスプレッダーを利用して、子宮内膜の表面の領域全体を完全に暴露するように、膨張され得る。次いで、前処置デバイス60が子宮頚部50を通じて患者の子宮42内に挿入される。デバイス60が子宮42内に適切に配置された後、液体懸濁物88が子宮内膜を侵害しそして組織を吹き飛ばすように、操縦できる先端が子宮42内で操縦される。手順が完了した後、前処置デバイス60が患者から取り出される。カテーテル内に収容された曲がった操縦できる先端を有している可撓性のチューブは一実施形態であるが、他のチューブおよび/またはカテーテルの形状ならびに操縦/誘導手段もまた、本明細書中では詳細には記載されていないが、特許請求される本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
間接的な前処置は、薬剤の使用、または患者自身の生物学的なタイミング周期を含む。一実施形態においては、ホルモン薬物療法が、子宮内膜の厚みを減少させることを助けるため、および手順の前に患者をダウンレギュレートするために使用される。デポルプロン(depolupron)(酢酸ルプロリド(luprolide acetate))のような薬物は、3.75gm/月の投与量で与えられた場合に、このような応答を刺激するために使用され得る。この薬物療法は、デバイス40を受容させる60日前までに開始され得る。さらに、この処置は、標的部位でのデバイス40の完全な受け容れを確実にするために、移植後の期間に継続され得る。あるいは、他のホルモンを変化させる医薬品(例えば、プロゲステロン、エストロゲン)、抗生物質、薬物、または他の間接的な予備処置用の調製物もまた、患者の子宮42内へのデバイス40の移植の前に使用され得る。
【0086】
代替の実施形態においては、間接的な前処置は、患者の正常な月経周期に対してデバイスの移植手順のタイミングを合わせることを含む。例えば、数人の患者については、最適なタイミングは、患者の子宮内膜が特定の状態または症状にある時点として定義される。一般的には、子宮内膜が、月経周期の開始および終了時の、その最も薄い時点である。詳細には、出血の開始後4日目または5日目が、子宮内膜がその最も薄い状態にありそして再形成を開始するときとして公知である(すなわち、増殖段階としてもまた公知である)。このように、子宮内膜は傷害に対して最も敏感であり、そして接着の形成のための最適な状態であるはずである。したがって、これらの期間中に本発明の子宮内デバイス40を使用して手順を行うことが最も有利である。さらに、タイミングを合わせることはまた、子宮内膜の内層をさらに最適化するために薬物療法と組合せても使用され得る。
【0087】
前処置方法の別の実施形態は、薬物、ホルモン、または他の化学薬品を、単独で、または先に開示される機械的な前処置デバイス40と組合せてのいずれかで使用する。例えば、機械的なデバイス40は、乾燥形態で組み立てられた化学薬品でコーティングされ得る。化学薬品は加水分解され、そしてそれによって、それらが患者の体液および/または組織と接触した際に活性化される。あるいは、化学薬品(単数または複数)は、処置部位に液体の形態で分散させられ得、そして特定された期間にわたって組織上で作用させられる。この期間の終わりに、移植片が展開され得るか、または代替として、移植片が展開させられる前に反応が停止される。
【0088】
適切な化学薬品の例として、弱酸、弱塩基、生理食塩水(浸透圧の影響を生成するための高濃度の塩を有する)、硝酸銀、キニン溶液、モルイン酸ナトリウム、四ナトリウム(sodium tetrade)、アルコール、ホルマリンを有するアルコール(すなわち、ホルムアルデヒド)、および子宮内膜に対する傷害を引き起こす他の同様の硬化剤/壊死剤または化学薬品が挙げられる。この前処置手順はまた、手順後の化学薬品の中和、それに続く適切な接着の形成を可能にするための子宮腔の洗浄を必要とし得る。
【0089】
(後処置)
デバイス40が患者の子宮42内の標的部位に移植された後、患者は、子宮42内で起こり得る可能な感染を処置するために抗生物質を与えられ得る。低い程度の感染を排除することは所望され得ないが(なぜなら、これは、子宮内での接着の良好な生成を可能にする因子の1つであり得るからである)、長期間の解消することができない感染は、不所望であり、処置されるべきである。あるいは、さらなるホルモン療法、薬物、または化学薬品もまた、後処置として(患者をダウンレギュレートするために)または手順後の規定された期間にわたって、患者に与えられ得る。
【0090】
(デバイスの展開方法)
本発明のデバイス40の展開のための好ましい方法は、膣を介する、そして子宮頚部を介するものであり、外科手術による介入を必要とせず、したがって、これは無菌で行われ得る。一般的には、カテーテル、カニューレ、または同様のデバイス68が子宮頚部50を通じて、そして患者の子宮42内に挿入される。液体、気体、または機械的な手段が、子宮42を拡大させるために使用され得、それによってデバイス40の送達を容易にする。次いで、デバイスまたは移植片40がカテーテル68を通じて、さらなるツールの使用を伴ってまたはそれを伴わずに、カテーテル68の遠位端の外に、および子宮腔44の中に展開させられる。デバイスの送達後、カテーテル68は患者から取り出され、そして子宮42は続いてその自然な状態に縮小または潰れた状態にされ、それによって子宮壁の全てがデバイス40と接触させられる。ほとんどの場合には、この手順は、子宮鏡または他の画像化デバイスの使用を伴わずに行われる。したがって、この手順は、子宮腔の直接的な可視化を伴わずに行われる。しかし、必要な場合には、超音波および蛍光顕微鏡のような画像化技術が使用され得る。一般的には、本発明の手順は、患者が外来患者という設定で処置されることを可能にし、そして最少限の痛みの管理および時間を要する。
【0091】
代替の実施形態においては、さらなる装置またはツールが、本発明の移植片40とともに使用される。さらなる装置は、子宮頚部50への経路を形成する中空チューブまたはガイドである。ガイドは、患者の内部に永久的または一時的のいずれかで移植される。あるいは、装置はまた、内腔、チャンネル、または他の同様に構成された構成要素であり得る。この装置によって形成される経路は、デバイス40の容易な挿入を可能にするだけではなく、子宮腔44の排液をもまた可能にする。さらに、この経路はまた、子宮腔44の手順後の治療または将来の診断のためにも使用され得る。例えば、必要とされる場合には、子宮組織の生検が、アクセスのための入口(port)としてチャンネルを使用して行われ得る。
【0092】
あるいは、子宮頚部のキャップはまた、展開または送達ツールと組合せて使用され得る。図16Aおよび16Bに示されるように、子宮頚部のキャップ90は、患者の子宮頚部50に展開される逆止め弁デバイス92を含む。逆止め弁92に加えて、キャップ90はまた、キャップの近位端に配置された中空チューブまたはガイド94を含む。図16Aに示される実施形態においては、ガイド94は、カテーテル96のようなツールへのアクセスを可能にする。最初に、キャップ90がカテーテル/送達ツール96に取り付けられる。キャップ90の弁またはダックビルの部分に配置された1つまたは複数のスリット98が開いて、図16Cに示されるように、そこを通じるカテーテル96の通過を可能にする。カテーテル96が子宮頚部50を通じてそして患者の子宮42内に挿入されると、キャップ90が子宮頚部50の上に展開させられる。移植片40が送達され、そしてカテーテル96が子宮42から取り出された後、キャップ90は子宮頚部50に取り付けられたまま残される。
【0093】
別の実施形態においては、子宮頚部のキャップは、中空チューブまたはカテーテル体96に取り付けられた、カップ型デバイス100を形成する。図16Dを参照すると、カップ100は、患者の子宮頚部50に取り付けられ(図示せず)、そして液体を分散させ、真空を生成し、ツール(電流ワイヤーのような)を送達し、移植片を展開させるための1つまたは複数の内腔/入口を含む。さらに、展開ツールはまた、膣を拡大させ、そしてツールのカテーテル部分のそこを通じる自由な移動を可能にするために、開孔器(speculum)102を含むように構成され得る。
【0094】
本発明の別の実施形態においては、デバイスの展開は、膣の開口および子宮頚部50を通じて挿入されたカニューレまたはカテーテル96を通じて行われる。カニューレは、子宮42の内部へのアクセスの手段を提供する。図17に示されるように、カニューレまたはカテーテル96の遠位端104は、非外傷性(atraumatic)な平坦(blunt)な先端106を含む。先端106は、低デュロメータの材料(例えば、シリコーン、低デュロメータのPVC、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)、または50デュロメータ未満のショア硬度を有している他の材料)から作製される。挿入の力に持ちこたえるために、カテーテル96の本体は、高デュロメータの材料(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ウレタン、ポリエチレン、または他の同様の材料)から作製される。このアクセス手段を使用して、次いで、医師は、直接的な機械の動作(スタイレットの移動)または患者の外部でのデバイス(例えば、シリンジまたはスプレー缶型デバイス)中で生成された圧力/力のいずれかを使用して、材料を分散させ得るかまたはデバイス40を展開させ得る。
【0095】
種々のタイプの移植片40を施すための多数の方法が、カニューレまたはカテーテル96と組合せて使用され得る。例えば、一実施形態においては、子宮内デバイス40は、予め決定された大きさに切断されるメッシュシートから構成される。寸法が大きい集団に基づいて、サンプルは、移植片の大きさの寸法を最適化するために使用され得る。あるいは、メッシュシートは、その形状を決定するために、子宮を事前に画像形成することによって、そして次いで、この画像を使用して適切な構造にメッシュを切断することによって、患者の子宮42にあつらえられた大きさにされ得る。メッシュシートは、カニューレ96の内部に配置され、そしてカニューレ96は子宮頚部50を通じて、子宮42内に操作される。スタイレット、ワイヤー、または他のタイプのツールが、カニューレ96の外部におよび子宮腔内に、メッシュを押出すために使用される。メッシュは、医師の操作またはメッシュの材料特性のいずれかに起因して拡張し、そして子宮腔の後面を被覆する。
【0096】
種々の展開ツールのいくつかの実施形態が、以下の図面に示されている。一般的には、展開ツールは、移植片に取り付けられた1つまたは複数の拡張エレメントを含む。拡張エレメントは、吸収性、再吸収性、または非吸収性であり得る。非吸収性の構造においては、拡張エレメントは、展開後に移植片から取り外され、そして患者から取り出される。拡張エレメントは、一般的には、移植片を展開させ、広げ、かつ/または体腔内で拡大させるような方法で、移植片に取り付けられる。さらに、1つまたは複数の操作エレメントがまた、体腔内で移植片を広げ、拡張させる構造になるように、拡張エレメントを動機づけ、促し、または操作するために使用され得る。操作エレメントもまた、吸収性、再吸収性、または非吸収性であり得る。
【0097】
図18Aおよび18Bを参照すると、展開ツールの一実施形態は、ワイヤーフック110、および1つまたは複数のワイヤー108(これは、一方向羽枝109を通じて移植片40に取り付けられる)を含む。デバイス40の展開の間に、有棘ワイヤー108がカテーテル96の遠位端104を通じて、患者の子宮42内に前進させら得る。ワイヤーフック110は次いで、移植片40を子宮腔内に拡張させ、そして伸長させるように引き込ませられる。一般的には、有棘ワイヤー108は、カテーテルの内腔から拡張させられた場合に、ファン型に拡張するように設計および製造される。しかし、メッシュ材料に対する有棘ワイヤー108付着の特定位置によってはまた、垂直および水平の両方向への移植片40のさらなる伸長または拡張が促進される。移植片40が子宮42中に適切に配置された後、ワイヤーフック110が前進させられ、そして移植片40から有棘ワイヤー108を放すために使用され、そしてワイヤー108が患者からの後続の除去のためにカテーテル96の内腔に引き込み戻される。
【0098】
展開ツールの別の実施形態は、図19Aおよび19Bにおいて示される。この実施形態の展開ツールおよび送達方法は、子宮内デバイス(IUD)のものと同様である。展開ツールは、カテーテル96、および3個の固い内腔またはアーム112(これらは、移植片40に取り付けられる)を含む。逆三角形に似ている構造の移植片40については、2つの内腔またはアーム112aが、三角形状の移植片40の底辺114の2分の1に等しく取り付けられ、そして第3の内腔112bが、三角形状の移植片40の高さ116に沿って取り付けられ、そして動かされる。ストリングまたはモノフィラメント118が内腔の内部に収容され、そしてアーム112aのそれぞれの外端120に取り付けられる。ストリング118は、移植片40の高さ116を通って、カテーテル96の内部に通された内腔を通じて、医師による操作のために通される。送達の前には、アーム112aは、第3の内腔112bの近くに引っ込ませられる。ツールが子宮頚部50を通じて、子宮42内に挿入された後、3個の固い内腔112がスタイレットまたは同様のデバイスを使用して子宮腔の内部に配置される。ストリング118は、医師によって近位方向に引っ張られ、それによってアーム112aが移植片40を展開する。デバイス40が子宮42内に移植された後、カテーテル96が患者から取り出される。生体適合性の内腔112およびストリング118は子宮42内に残されたままであり、そして/または組織によって吸収される。
【0099】
代替の実施形態(図示せず)においては、3個の内腔112の結合部に配置された蝶番によって、モノフィラメント118の機能を置きかえる。この構造においては、蝶番は、バネに似た様式で、ツールのアーム112aがカテーテル96から患者の子宮42内に放出されるとすぐに、そのツールのアーム112aを自動的に展開する。この構造および方法もまた、IUDの設計および展開方法と同様である。
【0100】
図20Aおよび20Bを参照すると、展開ツールは、弾性膜122(例えば、メッシュ、メッシュ粒子、または他の接着を生成する物質124でコーティングされたバルーン)を含む。物質124は、膜122の外表面上に脆性コーティングを形成する。展開の間に、カテーテル96は患者の子宮42内に配置され、そしてバルーン122が前進させられ、膨張内腔を通じて膨張する。拡張させられた膜122は、微粒子124をバルーン122の表面から外れさせ、そして子宮内膜をコーティングさせる。バルーン122は、次いで収縮させられ、そして患者の子宮42から取り出される。あるいは、バルーン122は、生体適合性材料から作製することができ、したがって、子宮腔内に残され得る。
【0101】
本発明の展開ツールの別の実施形態が、図21Aおよび21Bに示される。この展開ツールは、カテーテル96、およびデバイスまたは移植片40の外周に取り付けられた膨張可能なチューブ126を備える。膨張可能なチューブ126は、チューブ126に取り付けられそしてカテーテル96の長さに沿って配置された膨張内腔128を含む。デバイス40は、上記の方法に従って子宮腔44中に展開される。次いで、チューブ126が膨張し、これによって、移植片40が子宮の内部形状に適合する。チューブ126は、シールされ得る(膨張内腔128とのその結合部130で)か、またはカテーテル96を撚ることによって膨張内腔128から取り外され得る。したがって、展開ツールのチューブ部分126は、膨張した状態または収縮した状態のいずれかで子宮42内に残される。
【0102】
あるいは、移植片40は、それを展開させる動機を与えるために外周に取り付けられた自己膨張構造を有し得る。この構造は、記憶を有する材料、および/またはバネ様の構造もしくは特性(すなわち、弾性特性)を有する材料から構成され得る。代表的な材料の例として、金属(例えば、Nitinol(登録商標)またはステンレス鋼)およびポリマー(例えば、ナイロン、アセタール、またはプロピレン)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0103】
一実施形態において、図22Aに示されるように、自己展開構造はワイヤー132であり、これは移植片40の外周の一部に取り付けられる。ワイヤー132は、熱によって活性化される材料(例えば、Nitinol(登録商標))から作製され、これは患者の体温に応答して膨張する。あるいは、このデバイスのフレームは、非常に従順なぴったりと巻き付けられたバネ134を含む。図22Bを参照すると、デバイスのワイヤーの直径dは、約0.001インチ(0.025cm)であり、そしてバネの直径Dは約0.010インチ(0.25cm)である。しかし、他のバネ構造もまた、本発明とともに使用され得る。ガーター様バネ134はカテーテル96からの展開の際に自己膨張し、そして子宮腔内でデバイス40を広げる。
【0104】
図23に示される代替の実施形態において、移植片40の基部138の付近に配置されたバネ136は、デバイス40がカテーテル96から展開された後に、デバイス40のワイヤーフレーム140を拡張した構造にする。なお別の実施形態において、デバイス40のワイヤーフレーム142は、その基部付近に軸点(pivot point)144を含む。図24を参照すると、この構造においては、ワイヤーフレーム142は「X」型のデバイス40を形成し、メッシュ146は「X」の上半分に取り付けられ、そしてバネ148が「X」の反対側の下半分に取り付けられる。先の実施形態の場合には、デバイス40がカテーテル96から展開された後、バネ148がフレーム142の下半分を拡張させ、結果として上半分もまた拡張される。これにより、次いで、デバイス40のメッシュ部分146が、子宮腔内で均一に広がる。
【0105】
別の実施形態においては、デバイス40は、小さく薄い長方形、卵型、または他の種々の形状に切断されたメッシュ細片150から成る。メッシュ細片150は、カニューレ96内に充填され、そして上記の様式と同様の様式で医師によって展開される。展開方法を伴うデバイス40の構造により、図25に示されるように、子宮腔44内でのデバイス40の正確な配置が可能となる。特に、メッシュ細片150は、互いに隣接して配置され得、それによって均質な被覆を作製する。この方法は、医師が子宮内の特定の領域または部位にデバイス40を展開することを可能にする(部屋にカーペットを敷く方法、またはケーキ上に砂糖の衣をパイピングする方法と同様である)。
【0106】
図26に示されるなお別の実施形態においては、ピンセット様デバイス152が、子宮腔内にメッシュ150の細片を配置するために使用される。医師は、メッシュ細片150の一端の上をつかむようにピンセット152を操作する。カテーテル96が頚部を通じて患者の子宮内に適切に配置されると、ピンセット152は、メッシュ細片150とともにカテーテル96に挿入される。医師は、ピンセット152を子宮内膜上に細片150を正確に配置するように操作する。細片150は次いで、ピンセット152から放され、そして子宮腔がメッシュ細片150で被覆されるまでこのプロセスが繰り返される。上記に記載されるように、この方法は、カーペット敷込みタイプのアプローチと同様である。
【0107】
あるいは、カーペット敷込み技術のメッシュ細片150は、連続的に展開可能な細片(図示せず)として構成され得る。特に、細片は、それぞれの細片が展開されると、次の細片が展開のために自動的に曝されるかまたは配置されるように、展開ツールのカニューレ96中に充填される。この技術は、Kleenex(登録商標)がティッシュディスペンサーから自動的に分配される方法と同様である。メッシュ細片に加えて、移植片40は、接着形成物質156で充填された糸/モノフィラメント154として構成され得る。物質156は、図27に示されるように、コーティング、ビーズ、または糸に接着された他の成分であり得る。
【0108】
なお別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、メッシュ粒子を含む。メッシュ粒子は、予め決定された大きさにメッシュ材料を切り刻むかまたは挽いて粉にすることによって作製され得る。次いで、メッシュ粒子はカニューレ96中に充填され、そして上記のように展開される。この展開方法は、絶縁体が上鼓室または他の開いている空間に吹き込まれる様式と同様である。代替的な実施形態においては、メッシュ粒子は、微粒子化されたミクロ粒子、半硬質の泡、懸濁凝集物、粒子、粉末、または他の同様の形態(それらの混合物を含む)として構成され得る。
【0109】
あるいは、メッシュ粒子は、液体、気体、泡、またはカニューレもしくはカテーテル96によって子宮42に注入される場合に、メッシュ粒子を均質に分散する他の流動可能な物質中に懸濁され得る。好ましくは、流動可能な物質は生体適合性であり、そして体によって吸収され得る。液体または半液体の形態で構成される場合には、デバイス40は、スタイレットの代わりにシリンジ、および液体分配カテーテル96を使用して、子宮42内に分配されそして広げられる。図28A〜28Cに示されるように、カテーテルは、カニューレ158中に配置された1つ以上の穴/入口を通じて子宮42内に液体を分散し得る、カニューレまたは内腔158を含む。分配カニューレ158は、湾曲した、曲がった、豚の尾状の、開ループ式、閉ループ式、または他の同様の構造の形態に構成され得る。さらに、カニューレ158はまた、展開手順の間にカテーテル96の遠位端を越えて前進され、そしてこの手順の完了時にカテーテル中に引き込ませられるように設計され得る。カニューレ158の湾曲した遠位端は、それがカテーテル96中に引き込まれる際にはまっすぐになるように、可撓性であり得る。さらに、ガイドワイヤー(図示せず)もまた、患者の子宮42内にカニューレ158を誘導および/またはガイドするために、カニューレ158内に形成され得る。
【0110】
一実施形態においては、流動可能な物質を作製する特定の組成物または材料は、その粘性が熱変化を通じて改変され得るようなものである。熱変化は、外部で生成されるかまたは患者自身の体温によって生成されるものを含み得る。熱感受性の材料の一例は、高分子物質である。しかし、詳細には開示されていないが当該分野で周知である他の熱感受性材料もまた、本発明とともに使用され得ることに留意すべきである。
【0111】
代替の実施形態においては、接着形成材料は、親水性の膜、弾力性のある化合物、ゼラチン、または他の同様の可溶性の材料中にカプセル化される。図29を参照すると、1つまたは複数のカプセル162が、カテーテル、カニューレ、または他のタイプの分配デバイス96を使用して患者の子宮42内に配置される。スタイレット(図示せず)は、子宮腔中にカプセル(単数または複数)162を押し込みそして配置するために使用され得る。子宮組織との接触によって、カプセル162の膜の溶解が生じ、そしてそれによってカプセル化された材料が展開する。あるいは、カプセル162は、溶解プロセスを加速するためにカテーテル96から分配された別の溶液で潅漑され得る。カプセル化された材料は、自己拡張材料または自己分散材料(例えば、液体、ゲル、泡、成形された泡、または他の同様の材料)であり得る。自己拡張材料は、接着の形成の間に組織によって吸収され得る。あるいは、自己拡張材料は非吸収性であり得、そしてそれによって、組織の内殖および続く接着の形成のための足場または構造を形成する。
【0112】
図30Aおよび30Bに示される代替の実施形態においては、展開ツールは、カテーテル96および漏斗166の内部に収容されるパラチューブ164を含む。漏斗166は、子宮頚部を拡張し、そしてパラチューブ164を、それが漏斗166を通じて患者の子宮42内に前進する場合に扇形の構造に分割するように機能する。パラチューブ164の拡張した構造は、液体、ガス、または泡型の移植片40を、子宮腔全体にわたって分配させる。移植片40が子宮42内に分配された後、パラチューブ164はカテーテル96の内部に引き戻され、そしてツールが患者から取り出される。図30Cを参照すると、別の実施形態においては、パラチューブ164の遠位端に配置されたフック168が、移植片40のメッシュ上へのキャッチまたは引っ掛けのために使用され、子宮42の腔内にデバイス40が広げられる。引き込みおよび除去方法は、先に記載される方法と同様である。
【0113】
デバイス40の挿入が完了した後、減圧が子宮頚管を通じて子宮腔に適用され得る。あるいは、移植片またはデバイス40自体はまた、デバイス40中に組み込まれた濾過構成要素(子宮組織と適合性である)を有する。これは、濾過構成要素に対して適用される減圧を通じて空気の廃棄を可能にする。このように、接合デバイスが、カニューレ96/濾過構成要素に取り付けられ、そして子宮頚部50上にシールを作製するために使用される。組み込み相手デバイスを通じて軽い減圧を適用することによってシールを生じる。減圧は、周辺の子宮組織が、挿入されたデバイス40と良好に接触するように補助し、そしてそれによって、子宮表面の間での腔の架橋または接着の生成を助ける。減圧が子宮腔に適用される時間の長さは、患者の状態、および行われる手順に依存するが、減圧は一般的には、数分間、適用される。
【0114】
先に記載されているものと同様のプラグまたはキャップが、デバイス40を含むことをもまた補助するために、子宮頚部の中に挿入され得るか、またはそれを覆うように配置され得る。キャップは、デバイス40の移動または材料の移動を(特に材料が液体の構造である場合に)防ぐ。キャップは、経時的に周辺組織によって吸収される材料から作製され得る。キャップのこの構造によって、後の時間および/または二次的な手順の間にキャップを取り除く必要性を排除する。
【0115】
さらなるツールまたはデバイスもまた、本発明のデバイスと組合せて使用され得る。図31Aおよび31Bを参照すると、ツールは、デバイス170の長さに沿って段階的に指標または標識172を有している、カニューレ、カテーテル、または内腔に基づくデバイス170を含む。使用の間に、ツール170の遠位端174が患者の膣176に挿入される。カテーテル170の先端が子宮頚部の開口178に達すると、膣の開口の位置で見ることができるカテーテルの標識(すなわち、参照点1)が、医師/使用者によって記録される。カテーテル170は、さらに、子宮頚部を通じて患者の子宮42に、それが子宮42の後方の壁の基底部180に接触するまで、挿入される。カテーテル170の先端が子宮42の後方の壁180に接触すると、膣の開口で見ることのできるカテーテルの標識(すなわち、参照点2)もまた、医師によって記録される。このように、医師は次いで、子宮42の長さおよび/または子宮腔の充填容量を決定するために2つの参照点を使用する。
【0116】
一般的には、デバイス170上の標識は、医師が子宮42の充填範囲内の2つの参照点を決定することを可能にする。使用の間には、医師は、カテーテル170が子宮42のその最大の深さにある時に、液体移植片の分配を開始する。医師は、液体移植片の分配を続け、そして同時に、カテーテル170の先端が最少の深さに達するまで(参照点2によって示される)カテーテル170を引き込ませる。この構造においては、標識は、医師が充填する場所を理解することを生じるためのガイドとして作用する。さらに、標識はまた、医師が子宮腔の形状および分配のための材料の量を決定する(深さの測定、および可能である場合には、付随するアルゴリズムまたはチャートによる)ことをも可能にする。
【0117】
(標識技術)
月経過多症を軽減および/または排除することに加えて、本発明のデバイス40はまた、子宮のマーカーとしても使用され得る。マーカーは、任意の子宮内膜の増殖または異常(例えば、子宮内膜の過形成および/または子宮内膜の癌)を可視化および定量する能力を医師に提供する。これに関して、マーカーは、医師がそれによって他の特徴(増殖または他の不規則なもの)の差異を計測し得る絶対的な参照として使用され得る。本発明のマーカーはまた、子宮の断面または外径/内径が決定され得、そして続く診断手順を用いて比較され得るように、図の平面または位置を決定する(例えば、画像形成平面の深さを決定する)ことにおいて医師を補助するために使用され得る。マーカーはまた、非侵襲性の生検を行う場合には、画像形成技術のもとでのその部位への誘導のための目印としてマーカーを使用して、医師によって使用され得る。したがって、マーカーは、子宮内での可視的または寸法の差異を決定することにおいて医師を助ける目印として作用する。
【0118】
一般的には、マーカー構成要素は、長期間にわたって(すなわち、永久に)、子宮42の内部に形成される組織内に包埋されるかまたは移植される場合には、生体適合性でありかつ安定性である。このように、マーカー材料は、良好な寸法の安定性を有するべきであり、そして、超音波、磁気共鳴画像(MRI)、コンピュータートモグラフィー(CT)、X線、または他の一般的な画像形成技術(このような技術の任意の組合せを含む)を使用して画像形成された場合に、可視化が可能であるべきである。マーカーは、先に記載されている移植デバイス40、展開デバイス、および/または前処置デバイス中に取り込まれ得るか、または独立型デバイスとして提供され得る。
【0119】
移植片40と共に、またはその中に組み合わせられる場合には、マーカーは、医師が、短期間および長期間の両方で、移植片40の配置(すなわち、被覆、位置など)を決定すること、そして周辺組織における軌道/評価の変化を決定することを可能にする。図32に示される一実施形態においては、デバイス40のメッシュまたは他の接着促進物質は、マーカー182が固定された既知の位置に留まることを確実にするために、マーカー182(ビーズとして構成される)に接続される。図33を参照すると、本発明の別の実施形態においては、マーカー182は、接着促進物質40中に懸濁される。
【0120】
上記を参照すると、マーカーは、独立型デバイス(すなわち、診断ツール)として、または先に記載された他の手順もしくは移植片と組合せてのいずれかとして使用され得る。一般的には、独立型マーカーの設計は、診断ツールとして意図され、そして子宮内の可能性のある異常(例えば、繊維症、癌、または他の異常)の検出を補助するために、正常/健康な女性について使用される。独立型マーカーデバイスは、IUDの直径から0.04インチ(0.1cm)程度の小さい直径のビーズまでの大きさで変化し得る。一般的には、マーカーデバイスは、それがカテーテルまたは展開デバイスを通じて通過することが可能であるように十分に小さくあるべきであり、そして超音波または他の手段を通じて画像形成されるべきである。さらに、マーカーデバイスの大きさおよび/または形状はまた、マーカーが子宮の構造に適合することを可能にするように調節可能であり得る。したがって、マーカーデバイスの大きさは、子宮の大きさの予め決定された範囲の1つに対応するように選択され得るか、または患者の特定の子宮の大きさ/形状に適合するように挿入時に調節され得るかのいずれかである。
【0121】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、デバイス/移植片を適切に保つために使用され、それによって係留点として作用する構成要素であり得る。マーカーは、その位置を維持し、そして排除の可能性を最少にするために、子宮の壁または底に固定され得る。マーカーは、子宮壁に対するマーカーの接着を可能にするデバイス(例えば、カテーテルまたは他のタイプの展開デバイス)を用いて送達され得る。あるいは、マーカーはまた、移植片40の特徴でもあり得、そして移植片展開ツール/デバイスを通じて送達され得る。
【0122】
理想的なマーカーは、任意の角度で行われる画像形成を可能にし、そして個のマーカーが真の長さで常に可視化されることを可能にする。このような設計の一例は、球形のマーカーである。あるいは、中空等辺三角形の形状または設計もまた使用され得る。この構造においては、視検角度は、三角形の全ての辺が同じ長さである場合に、真の位置である。しかし、多数の他の形状もまた、2次元および3次元の両方の図を画像形成するために使用され得る。適用可能なマーカーの形状または設計の例としては、球型、チューブ型、ドーナッツ型、中空球体、湾曲した物体、または既知の大きさの任意の他の幾何学的な形状が挙げられる。
【0123】
さらに、マーカーは、子宮筋層、子宮内膜、または他の所望の組織もしくは部位の厚みを測定するための複数のノードまたは試験観察を医師に提供するために、一連の間隔を空けられた球/マーカーから構成され得る。複数のマーカーは、等しく間隔を空けられ得るか、または重要な測定点である間隔で間隔を空けられ得る。さらに、複数のマーカーは、同じ形状/大きさであっても、または個々のマーカー間を区別するために異なる形状/大きさであってもよい。医師は、検査の間にモニターされ得るそれぞれの部位で再現可能な測定値を作製するために、どのマーカーで測定値が取られたかを知ることが可能である。
【0124】
先に記載されるように、マーカーは、上記の技術のいずれかを使用して外部で画像形成される。例えば、超音波およびX線に基づく画像形成技術は、検出および/または画像形成のための異なる材料密度に依存する。したがって、マーカーは、周辺組織の密度とは異なる密度を有するべきである。密度の差異によって、画像形成デバイスが、マーカーの位置、および子宮、子宮筋、子宮頚部などの内部の種々の特徴へのその相対的な距離を正確に示すことが可能である。このように、密度の差異が大きければ大きいほど、画像の強度は大きい。
【0125】
非常に広範囲の材料が、マーカーについて使用され得る。なぜなら、水とは異なる密度を有する任意の材料(すなわち、組織)が容認可能であるからである。これらの材料の例として、ポリプロピレン、エチレン、チタン、ウレタン、ナイロン、GORE−TEX(登録商標)、PTFE、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、タンパク質、または任意のタイプの安定した生物学的材料(体によって再吸収または吸収されない材料、すなわち骨、歯など)が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、マーカーは、固体または中空構成要素のいずれかとして構成され得る。
【0126】
マーカーの表面仕上もまた、可視性/画像形成、およびマーカー中への組織の増殖のための重要な特徴であり得る。例えば、粗雑な表面仕上は、音波の屈折/偏向に起因して、超音波のもとでより容易に可視化される。さらに、表面のトゲまたはアンダーカットを伴って構成されたマーカーは、子宮組織に対してマーカーをしっかりと添付するだけではなく、組織の内殖をもまた促進し得る。したがって、全体的なデバイスの構造および材料の組成は、画像形成、およびマーカー内への周辺組織の内殖の両方を増強し得る。
【0127】
1つのマーカーだけが必要とされるが、複数のマーカーもまた使用され得る。詳細には、複数のマーカーが、目的の領域へのマーカーの配置に依存して、より正確な測定または良好な可視化を可能にする付加された利点を有し得る。
【0128】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、複数の画像形成モードを可能にするために、材料の組み合わせから作製され得る。例えば、マーカーの材料は、樹脂中に懸濁された金属を有するポリマー物質であり得る。この構造は、ポリマーの特徴と金属の特徴とが混合されたマーカーを生じる。これは、多数の形式でのマーカーの画像形成を可能にする。あるいは、マーカーはまた、中空部材を通過し得る液体(例えば、薬物)または気体で充填される中空部材であり得る。中空部材は次いで、放出された薬物の量を決定するために画像形成され、そしてそれによってマーカーとして作用する。代替的な実施形態においては、全ての液体が放散された後、中空部材は、シリンジを使用して再度充填され得る。この再充填技術は、静注(IV)薬物の調剤の業界で使用されている皮下アクセスデバイスとともに使用されるものと同様である。
【0129】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、移植片/デバイス40に対して適用される1つまたは複数のコーティングを含む。このようなデバイスの例として、染色されたメッシュまたはコーティングされたボールが挙げられる。さらに、コーティングは可溶性であり得、それによってコーティングされたデバイスが1つのタイプの画像形成技術を使用して最初に画像形成されることを可能にし、そしてコーティングが完全に溶解された後、代替的な長期間の画像形成技術を使用して画像形成される。このタイプのマーカーの構造の一例は、水溶性のX線不透過性インクでコーティングされたポリマービーズである。ビーズは最初に、X線透視法を使用して画像形成される。インクが溶解された後(一般的には、1〜3日以内)、ビーズは続いて超音波を使用して画像形成され得る。さらに、インクは、マーカーでの組織の内殖または形成に起因して溶解するように設計され得る。これによって、接着が十分に形成された時を、医師が正確に決定することが可能になる。なぜなら、インク/色素は、マーカーが完全に結合組織で取り囲まれる(すなわち、接着)場合に完全に溶解されるからである。
【0130】
代替的な実施形態においては、マーカーは、任意のまたは特定の癌細胞および/または癌組織に対して反応性である生物学的材料であり得る。反応は、生物学的材料のその特性(例えば、密度)の変化を引き起こし、これによってそれを超音波デバイスまたは他の画像形成機構を用いて画像形成が可能であるようにする。あるいは、生物学的材料は、液体/水分の浸潤を妨げるマーカーの外部部分上にコーティングされる物質であり得る。生物学的材料が特定の組織/細胞と接触する場合、得られる反応は、保護コーティングを多孔性にする。空隙率が増大するにつれて、画像のコントラストは減少する。したがって、疾患(特定の組織/細胞)が進行した状態である場合には、マーカーは、(多少なりとも)かろうじて画像形成が可能であるにすぎない。別の実施形態においては、空隙率が増大するにつれて、体液/液体/水分はマーカーデバイス内に浸潤し、これによってマーカーの物理的な構造の変化を生じる。例えば、構造は、湾曲させられ得るか、変形させられ得るか、全体の大きさが均一に拡大され得るか、大きさが均一に減少させられ得るか、大きさがランダムに拡大させられ得るか、または大きさがランダムに減少させられ得る。構造変化の程度は、疾患状態がどの程度進行しているかを示すために使用され得る。
【0131】
あるいは、生物学的材料はまた、癌細胞に遭遇した場合には、特異的な反応を引き起こし得る。例えば、反応は、子宮頚部を通じた分泌を促進する応答を生成し得る。分泌は、次いで、適切なスワブテストまたはアッセイテストを使用する患者の試験または診断の間に検出され得る。
【0132】
上記のパラメーターを考慮して、子宮マーカー182の1つの好ましい例が、子宮42と組合せて図34に示される。この1つの好ましい実施形態を用ると、子宮マーカー182は2つのマーカーの構成要素から構成される。これらは、既知の位置で子宮壁に対して固定される。この構造においては、子宮マーカー182は、先に記載される移植片/デバイス40の送達材料中に形成され得る。あるいは、子宮マーカー182は、独立して配置され得る。それにもかかわらず、一旦配置されると、子宮マーカー182は外部で画像形成され、したがって、1つまたは複数の特定の子宮の位置および特徴(例えば、子宮内膜組織の厚み)をモニターするための能力を提供する。子宮マーカー182は、子宮内膜組織の厚みの「ベースライン」を効率良く提供する。このベースラインの値は、子宮内膜組織における任意の変化を評価および定量化するために、続く読み取り値と比較され得る。例えば、1つの好ましい実施形態を用いて、マーカー構成要素は、最初に画像形成され、そして2つの構成要素の間の距離が決定され(すなわち、計算され)、そして保存され得る。後日、新しい距離値が、子宮マーカー182を含む子宮42を再度画像形成することによって決定され得る。距離の変化が見られる場合には、可能性のある異常(例えば、癌組織の形成)の早期同定が与えらる。
【0133】
子宮マーカーの別の例は、画像形成が可能な材料から形成され、そして子宮内膜組織に固定されるビーズを含む。ビーズは、画像形成デバイスによって見ることができる既知の直径または厚みを有する。さらに、画像形成機器はまた、子宮内膜組織のレベルの指標を、代表的には、異なる画像濃度の形式で提供する(例えば、子宮内膜組織は、子宮壁の残りの部分よりも対比して明るく見える)。既知の厚みを有するビーズを提供することによって、観察される子宮内膜組織の厚みと実際のビーズの直径/厚みとの間の関係が生成され得、そして記録され得る。続く観察/関係が記録され、そしてこのベースラインの測定値と比較され得る。任意の変化は、子宮の異常の予備的な指標を提供し得る。子宮マーカーのさらなる例として、子宮のさらなる空間的な方向性を提供するための、3個以上の構成要素を含有しているマーカー(例えば、T型デバイス)が挙げられる。
【0134】
厳密な形態にはかかわらず、子宮マーカーは、子宮癌または他の異常の早期の検出を大きく補助し、そして従来の診断技術または手順を用いては得ることができない主要な利点を与える。子宮マーカーを用いると、あらゆる医師が患者および画像を容易かつ迅速に評価でき、そして子宮マーカーの位置および関連する特性(例えば、マーカー構成要素間の距離)を従来の画像形成機器を使用して測定し得る。
【0135】
(他の適用)
上記に開示される技術はまた、動物における同様の疾患状態の処置のために獣医科学分野においても使用され得る。移植片の使用は、畜産家にとって、特に、ウマのような大きな動物の処置において特に有用であり得る。また、この移植システムは、霊長類における同様の疾患状態の処置における適用を有し得るか、または子宮内接着の生態およびその組織の形態学を研究するために使用され得る。
【0136】
子宮の障害を処置する有効な手段を提供することに加えて、本発明のデバイスおよびその使用方法は、痛み、感染、および手術後の病院での滞在を効率良く減少させる。さらに、種々の処置方法はまた、患者の生活の質を改善する。
【0137】
本発明を、特定の実施形態および適用に関して記載してきたが、当業者は、この教示に鑑み、特許請求される本発明の精神から逸脱することなくまたはその範囲を超えることなく、さらなる実施形態および改変を生成し得る。したがって、本明細書中の図面および記載が、本発明の理解を容易にするために例示目的で提供され、そしてその範囲を限定するようには解釈されるべきではないことが、理解される。
【背景技術】
【0001】
(関連出願のついての相互参照)
本出願は、2000年12月18日に出願された、米国特許仮出願第60/256,529号、および2000年4月25日に出願された、米国特許仮出願第60/199,736号の優先権を請求する。それらの内容は、本明細書中で全体的に参考として援用される。
【0002】
(発明の背景)
月経による出血は、女性の正常な生活の一部である。初潮と呼ばれる月経の開始は、通常は、12歳または13歳で起こる。女性の月経周期の長さは、最初の1年から2年の間は不規則であり得る。一旦、月経周期が安定化すると、通常の周期は、20日から40日までの範囲であり得、一般的には28日が平均である。年齢、体重、運動活動、およびアルコールの消費量が、月経周期に影響を与えるいくつかの因子である。例えば、若い女性(21歳未満)および年老いた女性(49歳より上)は、より長い周期時間を有する傾向にあり、一般的には、平均して31日以上である。同様に、非常に痩せているかまたは活発な女性もまた、より長い周期を有する。対照的に、習慣的にアルコールを消費する女性は、より短い周期時間を有する傾向がある。
【0003】
ほぼ全ての女性は、生殖期間の間のある時点で、いくつかのタイプの月経異常を経験する。これらの異常は、穏やかなものから重篤であるものまでの範囲にわたり、しばしばおびただしい労働時間の損失、および個人/家族生活の崩壊を毎月生じる。一般的には、身体症状(例えば、鼓脹、胸部の圧痛、重篤な締め付け(月経困難症))、およびわずかの一時的な体重の増加が、ほとんどの月経周期の間に頻繁に生じる。身体症状に加えて、情緒の過敏症もまた非常に一般的である。女性は、広範囲の情緒の症状を報告しており、これには、欝状態、不安、怒り、緊張、および短気が含まれる。これらの症状は、女性の月経期間の1週間ほど前にいっそう悪く、一般的には、その後に解決する。
【0004】
多くの女性はまた、月経過多症と呼ばれる状態(過剰の出血)を罹患している。月経過多症は、極度に多量の出血(flow/bleeding)、および80cc/1ヶ月を超える血液の喪失によって特徴付けられる主要な不快感によって特徴付けられる、臨床的な問題である。35歳から50歳の間の女性の5人に1人、または米国だけで約640万人の女性が、月経過多症に罹患していると推定される。類線維腫、ホルモンの不均衡、および特定の薬物(例えば、抗凝固剤および抗炎症剤)が、多量の出血の一般的な原因である。
【0005】
月経過多症または月経困難症を有すると診断された女性が選択できる処置は限られている。現在は、ホルモン治療,およびごく少数の試験的な疼痛管理技術を除いては、子宮摘出術(子宮の除去)、および子宮内膜の剥離/切除(子宮の内層の破壊)が、月経過多症についての臨床的に受け容れられている処置の様式である。これらの外科手術の両方ともが、妊娠の可能性を失わせる。さらに、子宮摘出術は、卵巣が切除された場合には、6週間までの回復時間および一生涯のホルモン療法を必要とする。子宮内膜の剥離は、無月経(月経による出血の停止)を達成する成功率が低い。結果として、月経過多症に罹患した女性の多くは、ライフスタイルを変更する決断を行うように追い込まれる。
【0006】
600,000件を越える子宮摘出術が、米国で毎年行われている。米国の女性の3人に1人が、65歳より前に子宮摘出術を受けると推定される。月経過多症は、子宮摘出術が行われる最も一般的な理由である。いくつかの研究は、月経過多症が、年間600,000件の子宮摘出術の30%の(いくつかの研究では50%もの)原因であり、1年間に180,000件から300,000件の処置の原因であると推定している。財政的に、これらの数は、1年あたり50億ドルを超える毎年の病院費に換算される。
【0007】
これらの統計に基づくと、子宮摘出術は、非常に一般的な手術である。一般的には、3つのタイプの子宮摘出術が存在する:部分摘出、全摘出、および広汎子宮全摘出。図1に示されるように、子宮の部分摘出術は、子宮12の上部10の切除を含み(図中の点線は切除領域を示す)、子宮12の子宮頚部14および下部(base)16が完全なまま残される。図2は、子宮12および子宮頚部14の全体がそれによって切除される子宮全摘出術を示す。図3に示される広汎子宮全摘出術は、子宮12、両方の卵管18、両方の卵巣20、および膣22の上部の切除を伴う。上記の3つの手順のそれぞれは、腹腔の切開を通じて(腹式子宮摘出術)、または膣の切開を通じて(膣式子宮摘出術)行われ得る。
【0008】
手術後の病院での滞在期間は、子宮摘出術のタイプ、および任意の合併症が存在するかどうかに依存して、一般的には1週間未満である。子宮摘出術が大手術であるので、外科手術の切開による不快感および痛みは、外科手術後の最初の数日間に最も顕著である。これらの症状を最小に抑える医薬品が利用可能である。2日目または3日目までには、ほとんどの患者が起き上がって歩行する。標準的な活動は、通常は4週間から8週間で取り戻すことが可能であり、そして性活動は、通常は6週間から8週間で取り戻すことが可能である。
【0009】
1800年代から、種々の処置を使用する試みが、子宮での出血を制御するために、子宮摘出術以外の手段によって行われている。代替の方法としては、化学薬品、蒸気、電離性放射線、レーザー、電気焼灼法、冷凍外科療法などが挙げられる。このような手順についての長期間の危険性は極めて高く、そして混合性中胚葉腫瘍または子宮ガンのような他のさらに重篤な合併症を引き起こし得る。
【0010】
代表的な治療または処置の選択肢としては、薬物療法が挙げられ、これには子宮内膜掻爬術(D&C)、および最終手段としての子宮摘出術が続く。薬物療法は、一般的には、過度の出血を処置するために使用される最初の処置の選択肢である。避妊用ピル、プロゲスチン、ダナゾール、および性線刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)は、出血を減少させるために処方されている薬物療法のいくつかの例である。一般的には、避妊用ピルは、合成の形態のエストロゲンおよびプロゲステロンを含み、これは排卵を妨げ、そしてそれによって子宮内膜の形成または厚さを減少させる。結果として、ピルの使用者は、通常は、より軽度であるかまたは最少の月経による出血を有する。プロゲスチン(別の合成の形態のプロゲステロンである)は、体によって通常に産生されたエストロゲンの効果を平衡状態にし、そしてピルと同様に子宮内膜の成長を減少させる。しばしば、ダナゾールおよび他のGnRH剤が、エストロゲンの産生および排卵を抑制するために処方される。結果として、月経による出血を停止させるか、または有意に減少させる。しかし、このような処置の副作用としては、鼓脹、胸部の圧痛、増大した骨粗鬆症の危険性、および高コレステロールが挙げられ得る。
【0011】
D&C(これは、しばしば、過度の出血についての第2の処置の選択肢である)は、非常に一般的な小外科手術である。これは一般的には、病院において外来で行われる。通常は、患者は全身麻酔を施されるが、この手順は時折、局所麻酔のみを使用して行われる。この手順の拡張工程は、子宮の下部である子宮頚部を拡張することまたは広げることを含む。一旦、子宮頚部が適切に拡張されると、次いで掻爬工程が行われ得る。掻爬術の間に、掻爬器(スプーンの形状の機器)が膣を通じて、子宮頚部を通過し、そして子宮内に挿入される。次いで掻爬器は、子宮の内部表面から組織を掻き出し、そして/または回収するために使用される。
【0012】
子宮内膜剥離はより一般的となり、そして月経過多症を罹患している患者について、子宮摘出術に対する別の代替的な処置として提案されている。1993年には49,000件であったものから、1996年には、179,000件の切除手順が行われた。この技術は、子宮内膜の全ての層を永久に除去することを目的とされ、そして腔を繊維状組織によって内層させる。
【0013】
一般的には、子宮内膜剥離はコストが少なく、そして患者に必要な回復時間が短い。しかし、この手順は使用される技術に依存して出血を制御することについて入り混じった結果が得られており、そして出血の完全な停止として定義される場合には、20%に過ぎない限られた成功率を有する。42歳の平均年齢を有する525人の女性の5年間の一研究の間に、子宮内膜剥離は、26%から40%の時間だけ、子宮の出血を完全に停止させた。しかし、約79%から87%の女性は、外科手術に満足した。約16%の女性は、出血を止めるために繰り返しの剥離を必要とし、そして9%の女性が最終的に子宮摘出術を選択した。研究はまた、子宮内膜の剥離の有効性は経時的に減少し得、女性の約3分の1においては月経が再開することを示した。
【0014】
しかし、子宮内膜の剥離の目的は、無月経状態(月経期間の停止)を作ることでは決してないことに注意しなければならない。この手順は、もともとは、月経過多症の女性を正常な月経による出血量に戻すために、子宮摘出術についてのあまり侵襲性ではない代替として開発された。
【0015】
子宮内膜の剥離または切除のいずれにかにおいて、子宮の全体の内層(子宮内膜)を除去するかまたは破壊させるための1つの試みが行われる。子宮内膜の切除(De Cherneyらによって1983年に最初に記載された)は、子宮の内層を除去するための子宮内膜の剥離を行うための、切除用内視鏡−切削ループの使用を含む。対照的に、剥離は一般的には、蒸気療法、凝固、または子宮の内層を破壊するための何らかの他の熱エネルギーの供給源のいずれかを使用する。
【0016】
剥離および切除手順はしばしば、それらが同じであるかのように議論されているが、これらは有意に異なる。例えば、数人の医師は、切除のほうが困難であると論じている。しかし、これが巧みに行われる場合には、切除はローラーボールによる剥離(40%から55%)およびより新しい剥離技術(3%から30%)よりもはるかに良好な結果(患者の88%までにおける出血の制御)を有する。
【0017】
子宮内膜の剥離手順を行うことができる種々の方法が存在する。これらの方法としては、ローラーボール電気焼灼法、凍結焼灼法、マイクロ波、自由に循環する水、蒸気療法、バルーン剥離法、および光線力学的療法が挙げられる。一般的には、これらの手順は、麻酔の必要性に起因して、医院ではなく病院または外科手術センターで行われる。
【0018】
図4を参照すると、従来の子宮内膜の剥離(一般的には、「ローラーボール」剥離と言われる)は、薄い蒸気ローラーのように見えるデバイス24を使用する。このデバイス24が熱を加え、そしてそれによって、これが子宮壁28を回転して通過する際に、子宮内膜組織26を破壊する(破壊された組織は点線で図中に示される)。子宮内膜の剥離は、通常は15分から45分を要し、そして患者は同日家に帰ることができるが、全身麻酔が通常は必要とされる。
【0019】
別のタイプの剥離手順は蒸気療法である。この技術は、細い強力なレーザー光線または高い電圧を使用して、子宮組織を気化させることを含む。子宮腔の可視化は、液体で腔を充填することによって可能にされる。任意の切除または焼灼術が行われる場合には、特別な物質(例えば、グリシン、ソルビトール、またはマンニトール)が、液体が電流を通さないように使用される。これによって、子宮の残りの部分に対する偶発的な熱傷を防ぐ。この手順が、単純で迅速な技術を使用して子宮内膜を除去または破壊することを含むので、これはしばしば、「グローバルな」子宮内膜の剥離と呼ばれる。
【0020】
NovaSure Systemは、子宮内膜の制御された蒸気療法を通じて剥離を行うために使用される、グローバルな子宮内膜の剥離デバイスの1つの例である。患者は、IV鎮静剤を用いる局所麻酔を使用して鎮静させられ、そして子宮頚部が拡張される。金めっきしたメッシュトランアングルが、細長いチューブを通じて送達され、そして患者の子宮内に展開される。メッシュの形状は、子宮腔のプロフィールを一般になぞるように構成される。メッシュに電圧を付加する前に、吸引が実施されて、子宮腔がメッシュと密接に接触するようにする。1分から2分間の間メッシュを通じて子宮内膜の内層に対してエネルギーが送達された後、メッシュが引き込まれ、そしてチューブが患者の体から取り出される。
【0021】
1994年に、Singerらが、子宮内バルーンを組み込んでいる剥離システムを用いた予備実験を報告した。図5に示されるように、バルーン剥離は、カテーテルチューブ34の先端32にあるバルーン30を利用する。これは液体で満たされて、子宮28の壁に沿うまで膨張させられる。バルーン中のプローブ(図示せず)は、液体を加熱して子宮内膜の内層を破壊する。8分後、液体が排出され、そしてバルーン30が取り出される。内層のいくらかが維持されている場合には妊娠が可能であるが、母親および子供に対するリスクは無視できない。
【0022】
光線力学的療法は、別のタイプの剥離方法である。感光性試薬(フォトフリン(photofrin)II)(これは、細胞を死滅させる物質を含む)が静脈内投与され、そして子宮内膜によって吸収される。軽い麻酔が投与され、そして医師は次いで、子宮腔の中に小さいプローブを挿入する。このプローブを通じて、レーザー光線が数分間送られる。光がフォトフリンIIを活性化し、これは子宮内膜の破壊を引き起こす。初期の結果は、有意な副作用を伴わない減少した出血を示す。
【0023】
月経過多症を処置するための他の剥離方法(例えば、マイクロ波および凍結(凍結剥離)技術)が、現在研究されている。しかし、無月経を生じる有効性、および任意の可能性のある副作用を決定するためにこれらの処置を使用する長期間の研究が、なお必要である。
【0024】
剥離および切除手順は子宮摘出術よりも侵襲性が少ないが、起こり得る種々の合併症が存在する。可能性のある合併症の例としては、子宮の穿孔、腸管に対する損傷、出血、または感染が挙げられる。剥離処置に付随する別の懸念としては、ガンの危険性が挙げられる。剥離は子宮を除去しないので、女性はなお、子宮内膜ガンを発症する危険性を有する(しかし、この危険性は減少される;しかし、臨床的な証拠は現在入手できない)。さらに、子宮内膜の剥離は子宮の壁を変化させるので、ガン性の変化の初期の検出は同定されることが困難であり得る。
【0025】
剥離手順の他の可能性のある副作用は、剥離または同様の手順によって引き起こされる感染、および子宮内での接着である。子宮内での接着または癒着は、子宮腔の内部の瘢痕組織として説明される。図6に示されるような、アッシャーマン症候群と呼ばれる子宮内接着36は、子宮12に対する損傷または外傷(例えば、子宮12に対する強力すぎる掻爬術に起因する)の結果として生じるか、または同時に偶然生じ得る、バンド様の構成体である。
【0026】
分娩の掻爬術の後の子宮腔の外傷性の閉塞によって生じる無月経を記載したのは、1894年の、Heinrich Fritschが初めてであった。しかし、子宮の接着についての知見がJoseph G.Asherman(彼の名からこの状態が命名された)によって医学雑誌において最初に広められたのは1948年になってからだった。1957年には、Federation of French Speaking Societies of Gynecology and Obstetricsの第17回会議によって、子宮の癒着の以下のような分類が提案された:
子宮の外科手術または産科学的な排出(evacuation)に関係している外傷性の癒着
結核症に由来する突発的な癒着
筋腫摘出後の癒着
化学的または物理的な試薬の攻撃に対して二次的である癒着、および萎縮性の変化によって生じる同様のもの
一般的には、2つのタイプの外傷性の癒着が現在認識されている。第1のタイプは子宮頚管の狭窄または閉塞である。第2のタイプの外傷性の癒着は、反対側の壁の癒着による子宮腔の部分的または完全な閉塞である。
【0027】
他の用語(例えば、子宮内膜の硬化症、外傷性の子宮の萎縮、子宮動脈(uterine artesia)、子宮の癒着、および接着性子宮内膜症)もまた、アッシャーマン症候群の症状を記載するために使用されている。接着の重篤度は、一般的には、以下の3つのグループまたはクラスの1つに分類される:クラスIは、両方の小孔(すなわち、卵管の入口)が可視の状態で子宮腔の3分の1未満において生じている接着を示す;クラスIIは、1つの小孔が可視の状態で子宮腔の3分の1から2分の1において生じている接着を示す;そしてクラスIIIは、小孔が可視でない状態で子宮腔の2分の1よりも大きな部分で生じている接着を示す。
【0028】
アッシャーマン症候群は広範囲にわたって研究されており、そして多数の記事および論文がこの主題に関して書かれているにも関わらず、優勢な原因因子(単数または複数)および生物学的機構(単数または複数)に関してはなお不確実さが存在する。外傷後の接着の形成のプロセスを説明する概略図が、図7に示される。子宮内膜が重篤に損傷されている場合には、これは肉芽組織によって置きかえられ得ると考えられている。これが生じる場合には、反対側の子宮壁は互いに接着し、そして瘢痕組織を形成する。詳細には、接着が形成され、そして子宮の前方および後方の表面を内腔を通じて架橋する。壁の間で形成される接着または組織は、結合組織を含む。これは代表的には、無血管性である。直後に、組織は子宮筋細胞によって浸潤され、そして後に子宮内膜によって覆われ得る。
【0029】
従来は、子宮内での接着は、所望されない状態として認識されている(例えば、Spinaleらに対して発行された米国特許第6,211,217号、Cohnらに対して発行された米国特許第6,136,333号、およびGoldbertらに対して発行された米国特許第6,090,997号)。実際、月経過多症についてのいくつかの公知の処置方法においては、接着の生成を回避することが推奨されている。医師が接着の形成を用いて実験した状況においてもなお、結果は有望であるとは証明されていない。例えば、Israel Journal of Medicineの1997年3月版において、Induction of Intrauterine Adhesions in Experimental Animals and Womenと題されたJ.G. Schenkerによる記事は、外科手術用のスポンジが患者の皮下の壁中に移植された実験を記載した。スポンジは、繊維芽細胞または結合組織の細胞がスポンジ内に形成されるまで皮下の壁に残された。次に、スポンジが次いで取り出され、そして同じ患者の子宮内に移植された。
【0030】
Schenkerは、一定の期間の後、接着が、移植された繊維芽細胞を保有しているスポンジの位置に隣接している領域内で形成されたことを観察した。接着は、繊維芽細胞を保有しているスポンジと接触していない領域では観察されなかった。これらの実験は、いくつかの動物モデル(例えば、ウサギ、ラット、および霊長類)およびヒトにおいて行われた。Schenkerは、子宮内に接着を人工的に生成することが可能であるが、このような手順は実用的ではないと結論を下した。
【0031】
上記の観点から、異常な子宮内での出血を処置するための、最少に侵襲性であるデバイスおよび方法が必要とされている。詳細には、このデバイスが、月経過多症を処置することにおいて高い成功率を有し、そして副作用または関連する合併症を最少にするかまたは有さないことが、所望される。このようなデバイスはまた、生体適合性かつ非毒性でなければならない。さらに、関連する処置方法は、患者の回復期間を短縮し、そして病院のコストを減少させるべきである。全体的には、処置方法はまた、患者の生活の質をも改善するべきである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0032】
(発明の簡単な要旨)
一般的には、本発明は、体腔中での過度の出血を処置するための移植可能なデバイスを意図する。このデバイスは、体腔の中に送達することが可能である生体適合性の材料を含む。この生体適合性の材料は、組織の成長を促進する特性を含み、この組織の成長は、体腔内での接着の形成を生じる。生体適合性の材料の特性は、生体適合性の材料の機械的な成分、および生体適合性の材料の培養されていない生物学的な成分の少なくとも1つによって定義される。
【0033】
本発明はまた、体腔中に接着を生成するための方法を意図する。一般的には、この方法は、体腔内に移植可能なデバイスを挿入する工程を包含する。この方法はまた、体腔内の最適な部位に移植可能なデバイスを配置する工程を包含する。ここでは、最適な部位は、出血を制御するために有効な接着の形成を促進する。
【0034】
本発明はさらに、体腔内の組織に対して外傷を作成するための前処置用のデバイスを意図する。前処置用のデバイスは、一般的には、ステム部分と、このステム部分に隣接している外傷を誘導する部分とを含む。別の実施形態においては、前処置用のデバイスは、前処置用の液体と、カテーテル内に収容された、この前処置用の液体で組織を傷害するために使用される可撓性のチューブとを備える。
【0035】
本発明はまた、避妊方法を意図する。一般的には、この方法は、子宮内に移植可能なデバイスを挿入する工程、子宮内の最適な部位にデバイスを配置する工程を包含する。最適な部位は、接着の形成を促進し、そして受胎を妨げる。
【0036】
さらに、本発明はまた、子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールを意図する。一実施形態においては、このツールは、子宮頚部のキャップと、この子宮頚部のキャップの近位端上に配置されたガイドとを含む。代替的な実施形態においては、このツールは、この移植可能なデバイスに取り付けられた1つ以上の拡張エレメントと、1つ以上のマニピュレーターエレメントとを含む。別の実施形態においては、このツールは、移植可能なデバイスを展開するために使用され、そして接着を生成するための移植可能なデバイスの子宮内の配置に向けられるガイドを含む。
【0037】
本発明はまた、少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを含有している、子宮の組織をモニタリングするためのデバイスを意図する。このマーカーは、拡張されていない子宮のサイズよりも小さいサイズと、子宮の壁にマーカーを接着させるための表面とを有する。さらに、マーカーは、子宮内での永久的な移植のために適切である生体適合性の材料から構成される。
【0038】
本発明はまた、子宮の組織をモニタリングする方法を意図する。この方法は、少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを子宮の内部に導入する工程、当該少なくとも1つのマーカーが子宮の内部で形成された組織中に埋め込まれるようにする工程を包含する。この方法はまた、子宮の内部上での組織の特徴を評価するために、参照位置として少なくとも1つのマーカーを使用する工程を含む。さらに、この少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、子宮が月経過多症の症状について処置されている手順の間に内部に導入される。あるいは、この方法はまた、子宮内に導入される少なくとも2つの画像化が可能なマーカーを含み得、これら少なくとも2つの画像化が可能なマーカーは、2次元の参照フレームを提供する。
上記に加えて、本発明は、以下の手段を提供する:
(項目1) 体腔中での過度の出血を処置するための移植可能なデバイスであって、
該体腔の中に送達することが可能である生体適合性の材料を含み、
該生体適合性の材料は、該体腔内での接着の形成を生じる組織の成長を促進する特性を含み、
該特性は、該生体適合性の材料の機械的な成分、および該生体適合性の材料の培養されていない生物学的な成分の少なくとも1つによって定義される、
デバイス。
(項目2) 前記材料は、体腔の内部構造に適合するように形作られる、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目3) 前記体腔は、子宮である、項目2に記載の移植可能なデバイス。
(項目4) 前記材料は、滅菌されておりそして可撓性である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目5) 前記材料は、実質的に硬質である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目6) 前記材料は、メッシュ、縫合糸、ゲル、多孔性のもの、同種異系移植片、タンパク質、ヒドロゲル、液体のシーラント、接着剤、セルロース、コラーゲン、スポンジ、微孔性のもの、組織/コラーゲン、トロンビン、アルギネート、組織、キトサン、粒子、発泡体、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目7) 前記メッシュの構造は、織り上げられたもの、織られていないもの、撚り合わされたもの、紡がれたもの、編まれたもの、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目8) 前記材料は、金属である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目9) 前記材料は、ポリマーである、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目10) 前記材料は、生体材料である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目11) 前記材料は、非吸収性、吸収性、および再吸収性からなる群より選択される特徴を有する、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目12) 前記メッシュの織物が、平織、目の粗い、目の詰まった、綾織、ダッチ、逆ダッチ、ツイルダッチ、こはく織り、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目13) 前記材料は、ランダムな繊維束である、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目14) 前記材料は、モノフィラメントから製造される、項目13に記載の移植可能なデバイス。
(項目15) 前記材料は、マルチフィラメントから製造される、項目13に記載の移植可能なデバイス。
(項目16) 前記多孔性材料は、セラミック、アルミナ、シリコン、粉末状にされた金属、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、多孔性のポリマー、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目17) 前記材料は、さらにメッシュマトリックス中に取りこまれる、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目18) 前記多孔性材料の孔の大きさが10ミクロン未満である、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目19) 前記多孔性材料の孔の大きさが75ミクロンより大きい、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目20) 前記液体のシーラントまたは接着剤は、トロンビン、コラーゲン−トロンビン、ポリマー、コラーゲン、フィブリンに基づくもの、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択されるものである、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目21) 前記液体のシーラントは、止血性の固体を形成する、請求項6に記載の移植可能なデバイス。
(項目22) 前記タンパク質は、1つの形式に構成され、該形式は、小さいビーズ、シート、細片、規則的な形状の構造、および不規則な形状の構造からなる群より選択される、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目23) 前記材料は、メッシュ粒子を含む、項目6に記載の移植可能なデバイス。
(項目24) 前記メッシュ粒子は、霧化されたミクロ粒子、半硬質の泡、懸濁させられた凝集物、粒子、粉末、およびそれらの任意の組合せからなる群から選択される形態に構成される、項目23に記載の移植可能なデバイス。
(項目25) 前記メッシュ粒子は、液体、気体、泡、および流動性の物質からなる群から選択される物質中に懸濁させられる、項目23に記載の移植可能なデバイス。
(項目26) 前記材料は、親水性の膜中にカプセル化される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目27) 前記材料は、自己拡張する、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目28) 1つまたは複数のコーティングをさらに含有し、該コーティングは、画像化技術を使用して画像化される、項目1に記載の移植可能なデバイス。
(項目29) 前記コーティングは、可溶性である、項目28に記載の移植可能なデバイス。
(項目30) 体腔中に接着を生成するための方法であって、
該体腔内に移植可能なデバイスを挿入する工程、
該体腔内の最適な部位に該デバイスを配置する工程
を包含し、ここで、該最適な部位は、出血を制御するために有効な接着の形成を促進する、方法。
(項目31) 過剰な出血の部位である前記体腔中の最適な部位を決定する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目32) 前記移植可能なデバイスを十分な接着が形成された後に取り出す工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目33) 前記体腔を、該体腔内への前記移植可能なデバイスの挿入の前に前処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目34) 前記前処置する工程は、前記体腔内の組織に対して外傷を作成することを含む、項目33に記載の方法。
(項目35) 前記外傷は、前記組織の壊死を含む、項目34に記載の方法。
(項目36) 前記外傷は、剥離を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目37) 前記外傷は、掻爬を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目38) 前記外傷は、液体での剥離を通じて達成される、項目34に記載の方法。
(項目39) 前記前処置する工程は、掻爬器、ローラーボール電気焼灼デバイス、熱エネルギーデバイス、温水充填バルーン、高周波(RF)エネルギーディテクター、マイクロ波、低温デバイス、細胞障害性薬剤、強力なLASER光線、子宮内膜の内層に対して外傷を生じ得るデバイス、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択されるデバイスを使用して行われる、項目33に記載の方法。
(項目40) 前記前処置する工程は、薬物の使用を含む、項目33に記載の方法。
(項目41) 前記薬物は、ホルモン、ホルモンを変化させる医薬品、および、抗生物質からなる群より選択されるものである、項目40に記載の方法。
(項目42) 前記前処置する工程は、化学薬品の使用を含む、項目33に記載の方法。
(項目43) 前記前処置する工程を患者の正常な月経周期に対してタイミングを合わせる工程をさらに包含する、項目33に記載の方法。
(項目44) 子宮内膜が接着の形成のための最適な状態にある場合に前記体腔を前処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目45) 前記移植可能なデバイスを前記体腔内に挿入して接着を形成した後で、該体腔を後処置する工程をさらに包含する、項目30に記載の方法。
(項目46) 前記後処置する工程は、薬物の使用を含む、項目45に記載の方法。
(項目47) 前記薬物は、ホルモンまたは化学薬品からなる群より選択されるものである、項目46に記載の方法。
(項目48) 体腔内の組織に対して外傷を生成するための前処置用のデバイスであって、
ステム部分と、
該ステム部分に隣接している外傷を誘導する部分と
を備えるデバイス。
(項目49) 前記外傷を誘導する部分が、剛毛から構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目50) 前記外傷を誘導する部分が、スパイク様の突起から構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目51) 前記ステム部分は、硬質ポリマー、ABS、ナイロン、PVC、ステンレス鋼、アルミニウム、金属、およびそれらの任意の組合わせからなる群から選択される材料から作製される、項目48に記載のデバイス。
(項目52) 前記外傷を誘導する部分は、半硬質のポリマー、ナイロン、ポリエチレン、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される材料から作製される、項目48に記載のデバイス。
(項目53) 前記外傷を誘導する部分は、組織をこすり取ることが可能なBrillo(登録商標)パッド様構造として構成される、項目48に記載のデバイス。
(項目54) 前記Brillo(登録商標)パッド様構造は、硬化剤でコーディングされたコラーゲンから構成される、項目53に記載のデバイス。
(項目55) 前記Brillo(登録商標)パッド様構造は、カテーテルから展開されると自ら膨らみ得る、項目53に記載のデバイス。
(項目56) 前記外傷を誘導する部分は、多分岐のブラシを含む、請求項48に記載のデバイス。
(項目57) 前記外傷を誘導する部分は、鋭利な突起を有するワイヤーを含む、項目48に記載のデバイス。
(項目58) 前記外傷を誘導する部分は、キャップを含む、項目48に記載のデバイス。
(項目59) 前記外傷を誘導する部分は、コラーゲンプラグを含む、請求項48に記載のデバイス。
(項目60) 前記外傷を誘導する部分は、ワイヤーで形成された遠位端を含む、項目48に記載のデバイス。
(項目61) 前記遠位端は、泡だて器様のデザインを形成するように構成された1つまたは複数の繊維から構成される、項目60に記載のデバイス。
(項目62) 前記ワイヤーは、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される材料から製造される、項目60に記載のデバイス。
(項目63) 前記外傷を誘導する部分は、粗い外表面を有するバルーンを含む、項目60に記載のデバイス。
(項目64) 前記表面は、細いワイヤーを含む、項目63に記載のデバイス。
(項目65) 前記表面は、小さい剛毛を含む、項目64に記載のデバイス。
(項目66) 体腔内の組織に対して外傷を生成するための前処置用のデバイスであって、
前処置用の液体と、
カテーテル内に収容された、該前処置用の液体で該組織を傷害するために使用されるチューブと
を備えるデバイス。
(項目67) 前記液体は、水流中に懸濁させられた結晶塩である、請求項66に記載のデバイス。
(項目68) 避妊の方法であって、該方法は、以下:
子宮内に移植可能なデバイスを挿入する工程;および
前記子宮内の最適な部位に前記デバイスを配置する工程、
を包含し、ここで、該最適な部位は、接着の形成を促進し、そして受胎を妨げる、方法。
(項目69) 子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、
子宮頚部のキャップと、
該子宮頚部のキャップの近位端上に配置されたガイドと
を備えるツール。
(項目70) 前記子宮頚部のキャップは、1つまたは複数の切込みを有する逆止め弁を含む、項目69に記載のツール。
(項目71) 前記子宮頚部のキャップは、コップ型のデバイスを形成する、項目69に記載のツール。
(項目72) 前記ガイドは、中空チューブを含む、項目69に記載のツール。
(項目73) 前記ガイドは、カテーテルを含む、項目69に記載のツール。
(項目74) 前記キャップは、液体を分散させ、真空を生成し、ツールを送達し、そして前記移植可能なデバイスを展開させるための1つまたは複数の内腔を含む、項目69に記載のツール。
(項目75) 膣を広げるために使用される鏡をさらに含む、項目69に記載のツール。
(項目76) 子宮内で移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、
該移植可能なデバイスに取り付けられた1つまたは複数の拡張エレメントと、
1つまたは複数のマニピュレーターエレメントと
を備えるツール。
(項目77) 前記拡張エレメントは、固い内腔、弾性膜、ワイヤー、バルーン、および膨張可能なチューブからなる群より選択されるものである、請求項76に記載のツール。
(項目78) 前記マニピュレーターエレメントは、フック、ワイヤー、ストリング、モノフィラメント、バネ、ヒンジ、および膨張内腔からなる群より選択されるものである、項目76に記載のツール。
(項目79) 前記拡張エレメントは、逆止め弁を通じて前記移植可能なデバイスに取り付けられるワイヤーである、項目76に記載のツール。
(項目80) 移植可能なデバイスを展開するために使用されるツールであって、以下:
ガイドであって、該ガイドは、接着を生成するために、前記移植可能なデバイスの子宮内の配置に向けられる、ガイド、
を備えるツール。
(項目81) 前記ガイドが、患者の体内に永久に移植される、項目80に記載のツール。
(項目82) 前記ガイドは、患者の子宮頚部への経路を形成する、請求項80に記載のツール。
(項目83) 前記ガイドは、中空チューブを含む、項目80に記載のツール。
(項目84) 子宮の組織をモニタリングするためのデバイスであって、
少なくとも1つの画像化が可能なマーカーであって、
該マーカーは、拡張された子宮の大きさよりも小さい大きさを有し、
該マーカーは、子宮の壁に該マーカーを接着させるための表面を有し、
該マーカーは、該子宮内での永久的な移植のために適切である生体適合性の材料から構成され、
該マーカーは、該子宮への該マーカーの挿入前に送達ツール上に脱離可能に配置される、マーカー、
を備えるデバイス。
(項目85) 前記マーカーは、超音波、磁気共鳴画像化、コンピュータートトモグラフィー、X線、およびそれらの任意の組合せからなる群より選択される画像化技術を使用して画像化され得る、項目84に記載のデバイス。
(項目86) 前記マーカーは、移植デバイス中に取りこまれる、項目84に記載のデバイス。
(項目87) 前記マーカーは、展開ツール中に取りこまれる、項目84に記載のデバイス。
(項目88) 前記マーカーは、前処置デバイス中に取りこまれる、請求項84に記載のデバイス。
(項目89) 前記大きさは、調節可能である、項目84に記載のデバイス。
(項目90) 前記大きさは、子宮の大きさの予め決定された範囲の1つに対応する、項目84に記載のデバイス。
(項目91) さらに形状を含み、該形状は調節可能である、項目84に記載のデバイス。
(項目92) 前記形状は、球形、チューブ型、ドーナッツ型、中空球体、等辺三角形、湾曲した物体、および他の幾何学的な形状からなる群より選択される、項目91に記載のデバイス。
(項目93) 前記マーカーは、周辺組織の密度とは異なる密度を有する、項目84に記載のデバイス。
(項目94) 前記マーカの前記材料は、ポリプロピレン、エチレン、チタン、ウレタン、ナイロン、GORE−TEX(登録商標)、PTFE、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、タンパク質、または任意のタイプの安定したヒト生物製剤からなる群から選択される項目84に記載のデバイス。
(項目95) 前記材料は、材料の組合せである、項目94に記載のデバイス。
(項目96) 前記マーカーは、固体の構成要素として構成される、請求項84に記載のデバイス。
(項目97) 前記マーカーは、中空構成要素として構成される、項目84に記載のデバイス。
(項目98) 前記中空構成要素は、液体で充填される、項目97に記載のデバイス。
(項目99) 前記中空構成要素は、気体で充填される、項目97に記載のデバイス。
(項目100) 前記マーカーの外部にコーティングされる物質をさらに含む、項目84に記載のデバイス。
(項目101) 前記物質は、生物学的な材料である、項目100に記載のデバイス。
(項目102) 前記物質は、組織に対して反応する、項目101に記載のデバイス。
(項目103) 前記物質は、細胞に対して反応する、項目101に記載のデバイス。
(項目104) 前記生物学的材料は、液体/水分の浸潤を妨げる、請求項100に記載のデバイス。
(項目105) 子宮の組織をモニタリングする方法であって、
少なくとも1つの画像化が可能なマーカーを該子宮の内部に導入する工程、
該少なくとも1つのマーカーが該子宮の内部で形成された組織中に埋め込まれるようにする工程、
該子宮の内部上での組織の特徴を評価するために、参照位置として該少なくとも1つのマーカーを使用する工程
を包含する、方法。
(項目106) 少なくとも2つの画像化が可能なマーカーが前記子宮に導入され、前記少なくとも2つのマーカーは、2次元の参照フレームを提供する、項目105に記載の方法。
(項目107) 上記少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、前記子宮が月経過多症の症状について処置されている手順の間に前記内部に導入される、項目105に記載の方法。
(項目108) 前記少なくとも1つの画像化が可能なマーカーは、前記子宮内に長時間とどまることを許される、項目105に記載の方法。
(項目109) 移植可能なデバイスの配置を決定する工程をさらに包含し、該移植可能なデバイスは該マーカーと組み合せられる、項目105に記載の方法。
(項目110) 一般的な画像化技術を使用して前記マーカーを画像化する工程をさらに包含する、項目105に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0039】
本発明の他の特徴および利点は、特定の実施形態の以下の記載が図面と組合せて進行するにつれて理解される。
【図1】図1は、子宮摘出術の一実施形態の断面図である。
【図2】図2は、子宮摘出術の別の実施形態の断面図である。
【図3】図3は、子宮摘出術のなお別の実施形態の断面図である。
【図4】図4は、剥離手順の一実施形態の透視図である。
【図5】図5は、剥離手順の別の実施形態の透視図である。
【図6】図6は、アッシャーマン症候群に関連している子宮内接着を示す透視図である。
【図7】図7は、接着の形成のプロセスを示す全体図である。
【図8】図8は、本発明に従う子宮内移植デバイスの一実施形態の透視図である。
【図9A】図9Aは、膨張されていない状態の子宮腔の正面透視図である。
【図9B】図9Bは、膨張されていない状態の子宮腔の側面透視図である。
【図10】図10は、本発明に従う子宮内移植デバイスの一実施形態の透視図である。
【図11】図11は、本発明に従うランダムな繊維束の一実施形態を示す透視図である。
【図12A】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12B】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12C】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12D】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12E】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図12F】図12A〜図12Fは、本発明に従う前処置用デバイスの種々の実施形態を示す図である。
【図13A】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図13B】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図13C】図13A〜図13Cは、本発明に従う前処置用デバイスの代替の実施形態を示す図である。
【図14A】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図14B】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図14C】図14A〜図14Cは、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の種々の図である。
【図15】図15は、本発明に従う前処置用デバイスの別の実施形態の断面図である。
【図16A】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16B】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16C】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図16D】図16A〜図16Dは、本発明の一実施形態に従う、送達ツールとともに使用される子宮頚部のキャップの種々の図である。
【図17】図17は、本発明の一実施形態に従う、カテーテルの遠位端の透視図である。
【図18A】図18Aは、本発明に従う展開ツールの一実施形態を示す図である。
【図18B】図18Bは、本発明に従う展開ツールの一実施形態を示す図である。
【図19A】図19Aは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図19B】図19Bは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図20A】図20Aは、本発明に従う展開ツールのなお別の実施形態を示す図である。
【図20B】図20Bは、本発明に従う展開ツールのなお別の実施形態を示す図である。
【図21A】図21Aは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図21B】図21Bは、本発明に従う展開ツールの別の実施形態を示す図である。
【図22A】図22Aは、本発明に従う自己展開移植構築物の実施形態の透視図である。
【図22B】図22Bは、本発明に従う自己展開移植構築物の実施形態の透視図である。
【図23】図23は、本発明に従う移植片の代替的な実施形態を示す図である。
【図24】図24は、本発明に従う移植片の別の実施形態を示す図である。
【図25】図25は、本発明に従う展開デバイスおよび移植片の一実施形態を示す図である。
【図26】図26は、本発明に従う展開デバイスおよび移植片の別の実施形態を示す図である。
【図27】図27は、本発明に従う移植片の代替的な実施形態を示す図である。
【図28A】図28Aは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図28B】図28Bは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図28C】図28Cは、本発明に従って使用されるカテーテルの一実施形態を示す図である。
【図29】図29は、本発明に従う移植片の別の実施形態を示す図である。
【図30A】図30Aは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図30B】図30Bは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図30C】図30Cは、本発明に従う展開ツールの代替的な実施形態を示す図である。
【図31A】図31Aは、本発明に従って使用されるツールの一実施形態を示す図である。
【図31B】図31Bは、本発明に従って使用されるツールの一実施形態を示す図である。
【図32】図32は、本発明に従うマーカーの一実施形態を示す図である。
【図33】図33は、本発明に従うマーカーの代替的な実施形態を示す図である。
【図34】図34は、本発明の一実施形態に従う移植されたマーカーの透視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
(発明の詳細な説明)
図8を参照すると、本発明に従う子宮内移植デバイス40の一実施形態は、子宮42内に示されるように展開される。子宮42すなわち子宮(womb)は、女性の内部の生殖器の一部である、子宮42は、約4インチの長さおよび3インチの幅の中空の筋肉質の器官であり、一般的には、逆さまの洋ナシに似た形状である。図8に示される子宮42は、子宮腔44を明確に示すために膨張させられた状態であることに注意すべきである。しかし、子宮腔は、通常は、図9Aおよび9Bに示されているようなしぼんだ状態であることが理解されている。
【0041】
子宮42の上部の末端にある2つの開口部46は、卵管に通じ、これは卵巣につながっている(図示せず)。上部の末端の開口部42の反対側は、下部の狭い開口部の末端48である。これは、子宮42の子宮頚部50を形成し、そして膣52に向って伸びる。子宮42の分厚い壁は、組織および筋肉の3つの層から構成される:内部の子宮内膜層、中央の子宮筋層、および外部の子宮外膜層。子宮42から分離し、そして女性の月経期間の間に月経による血流としてその体をゆだねるのは、内部の子宮内膜層または内層である。
【0042】
月経過多症と呼ばれる過剰な月経による血流または出血は、子宮内膜組織の層の異常な脱落の指標である。上記に記載されているような従来の治療(例えば、子宮摘出術または剥離/切除手順)とは異なり、本発明のデバイス40は、無月経(すなわち、出血の停止)を、子宮内での接着の形成を促進する移植片または物質による方法によって達成する。子宮内での接着は、子宮内膜組織の非活性化によって、出血の停止を生じる。子宮内膜組織の非活性化は、おそらく、圧力勾配または神経を調整する作用に起因する。子宮の腔の閉鎖または閉塞が生じ得る。子宮内膜組織が、内層の直接の崩壊以外の手段を通じて非活性化され、そして子宮内膜の非活性化が、少数の接着の存在下でもなお見られていることに注目することが重要である。
【0043】
一般的には、本発明のデバイスは、体腔(例えば、子宮)内に送達することが可能である生体適合性の材料を含む。材料は、組織の増殖を促進する性質を含み、これが、体腔内での接着の形成を生じる。この性質は、以下にさらに記載される、機械的な成分および/または培養されていない生物学的な成分によって定義され得る。本明細書中で開示されるように、本発明は一般的には、子宮について言及するが、他の体腔(例えば、心臓、腹部の内部の腔、または他の同様の腔)もまた、本発明の範囲内に含まれる。
【0044】
図8および図10に示されるように、本発明のデバイス40の一実施形態は、子宮の腔44の内部構造に沿うように一般的に成形されたか、またはそれに沿うための物理的な特性を有している滅菌の材料を含む。一般的には、デバイスの材料は可撓性であり得るか、剛直であり得るか、または半剛直であり得、そして患者の子宮42の内部に合うようにサイズ決めされ得る。このように、デバイス40は、約7インチ(17.78cm)の高さX、および約4インチ(10.16cm)の底辺Yを有している、ほぼ三角形に成形されるはずである。別の実施形態(図示せず)においては、デバイス40は、デバイスの送達後の子宮の解剖学的構造に順応する、流動性の液体または材料を含む。
【0045】
(デバイスの材料)
本発明のデバイス40は、広範囲の種々の材料から作製され得る。これらとして、メッシュ、縫合糸、ゲル、多孔性のもの、同種異系移植片、タンパク質、ヒドロゲル、液体のシーラント、接着剤、セルロース、アルギン酸塩、組織、キトサン、粒子、発泡体、および複数の材料の任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。これらの材料の特性または特徴は、非吸収性、一時的/吸収性であり得る(これによって、材料は、酵素的、加水分解的、機械的などを含む任意の手段を通じて体によって分解されそして排泄される)か、または永久的なもの/再吸収が可能であり得る(これによって、材料は、宿主もしくは他の同様の組織を形成するためのいくつかのプロセスを通じて作り直される)。さらに、デバイスの材料は、生体適合性であり、非毒性であるべきであり、好ましくは、米国食品医薬品局(FDA)によって承認され/審理されたものであるべきであり、接着を生成する目的を有しているヒトにおいて長期間使用されているものであるべきである。さらに、機械的な構造を有しているデバイス40の実施形態については、材料が不規則な容量および/または形状に沿うことが可能であることが所望される。一般的には、デバイス40は、それがカテーテルまたは同様のデバイス送達ツールの中に配置され、その中で保存され、そしてそこから展開され得るように設計されるべきである。
【0046】
一実施形態においては、材料は、織って作られた外科手術用のメッシュである。あるいは、メッシュは、撚り合わされたもの、紡がれたもの、編まれたもの、不織布、そしてそれらの任意の構造の組合せであり得る。代表的な外科手術用のメッシュの例として、以下が挙げられる:GORE−TEX(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている)、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Mersilene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Prolene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている)、Surgisis(登録商標)(SIS Technology Cook Group,Indianaによって製造されている)、Vicryl(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、およびAtrium Surgical Mesh(Atrium,New Hampshireによって製造されている)。これらの材料についての特定の参照は、製図業者の製品カタログ中に見出され得る。本明細書中では詳細には開示されていないさらなる外科手術用のメッシュ材料(例えば、ポリエステル、フェルト、ポリエチレン繊維、非吸収性のメッシュ、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、吸収性のメッシュ、および他のメッシュ材料)もまた、子宮内での接着36を生成するため、またはその発生を増強するために使用され得る。
【0047】
一般的には、これらの材料は代表的には、体の他の領域内に接着または組織の修復を生成するために使用される。このような使用の一例は、ヘルニアの修復である。それによって、特殊化されたメッシュまたはスクリーンが、適切な位置にヘルニアを保つために使用される。この適用については、材料はプラグのように作用し、弱くなった領域を強くするように周辺組織によってすぐに取りこまれる。
【0048】
抜粋した文献の参考文献は、接着のバリアであるとしていくつかの材料を記載しているが、これらの材料は、実際には、特異的な状況のもとで接着を生成することにおいて非常に良好である。1つのこのような例は、Surgicel(登録商標)酸化再生セルロース(oxidized regenerated cellulose)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)である。これは接着のバリア物質と考えられ、そして特定の状況のもとでは、接着の生成物質/促進物質である。したがって、接着のバリアおよび接着の促進物質の両方である材料が、本発明のデバイス40について使用され得る。
【0049】
本発明の別の実施形態においては、移植片40は、織り上げられた材料(例えば、特異的な織り方の生地)から作製される。これはまた、生体適合性でもある。この構造においては、デバイスの材料は、格子様構造(隙間または孔を有している)を作製する。これは、繊維状の組織の浸潤を促進し、接着36を生じる。材料は、金属性、ポリマー性、または生体材料(複数の材料の組み合わせを含む)であり得、そして物理的要件および手順の要件に依存して、吸収性または非吸収性であり得る。さらなる材料の規格または変数としては、織り方のタイプ(例えば、平織、目の粗い、目の詰まった、綾織、ダッチ(dutch)、逆ダッチ、ツイルダッチ、または琥珀織り(複数の織り方の組合せを含む))、メッシュの番数、繊維の直径、フィラメントのタイプ(例えば、モノフィラメント繊維またはマルチフィラメント繊維)、あるいは、織りの先端に内部連結が存在するかどうかが挙げられ得る。織り上げられた材料についてのさらなる規格、変数、および一般的な情報を含有している参考文献は、Sefar America,Inc.,Depew,New York(1998年の日付で文献小冊子が販売される)である。これは、本明細書中で参考として援用される。
【0050】
あるいは、本発明のデバイス40はまた、織られていない材料からも作製され得る。1つのタイプの織られていない材料は、ランダムな繊維束54である。繊維束54は、織り上げられたメッシュと同様の薄いマットであり得、不規則な繊維のパターンを有する。不規則な繊維のパターンを有している材料の例として、Scotchbrite(登録商標)またはBrillo(登録商標)パッド材料が挙げられる。さらに、材料は、任意のモノフィラメントまたはマルチフィラメント材料から組立てられ得る。移植片について使用され得るモノフィラメント材料の例は、縫合糸の材料(例えば、Prolene(登録商標)またはVicryl(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)である。織られていない材料の繊維は、ランダムな方向に並べられているが、繊維の構造によって、図11に示されるように付随する有効な孔の大きさ56を生じる。織られていない材料のさらなる例として、上記に列挙された全ての材料が挙げられる。なぜなら、織物に組み立てられた材料はまた、ランダムな繊維束54へと製造され得るからである。
【0051】
多数の製造方法および関連する技術が、本発明のデバイス40において使用される織り上げられた材料および織られていない材料を製造するために使用され得る。例えば、一実施形態においては、0.003から0.007インチ(0.00762cmから0.01778cm)の範囲内の厚みを有しているモノフィラメントは、0.118インチから0.197インチ(0.3cmから0.5cm)のセグメントに切断される。次いで、このセグメントは、球または立方体のような予め決定された構造に成形される。多孔性の個々の形状は、次いで、最終的な材料のデザインに並べられる。得られた材料の空隙率は、繊維の大きさおよび形状、ならびに繊維の圧縮の量(密度)に依存する。本開示の範囲内である他の製造技術の例としては、加熱、超音波による切断、冷間切断、超音波溶接、射出成形、圧縮成形、スタンピング、延伸、成形、および詳細には開示されていないが当該分野で周知である他の技術が挙げられる。
【0052】
別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、多孔性の材料から作製される。このような有効性の材料の例としては、セラミック、アルミナ、シリコン、粉末状にされた金属、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、多孔性のポリマー(例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、アセタール、ナイロン、ポリエステル)およびこのような材料の任意の組合せが挙げられるがこれらに限定されない。これらの材料(および詳細には記載されていないが請求される本発明の範囲に含まれる他の材料)は、本質的には多孔性ではない場合があるが、種々の製造および処理技術が、この材料が選択的な空隙率の特性を生じるように使用され得る。
【0053】
さらに、これらの材料の1つ以上がさらに、メッシュマトリックス(すなわち、メッシュに織り上げられたかまたはランダムな方向で構成された多孔性の繊維)中に取りこまれ得る。あるいは、材料は、マトリックスに構築される等しいまたは異なる大きさまたは形状の多くの粒子として形成され得る。別の実施形態においては、ポリマー性の材料が、目の粗い孔のセルを有するスポンジ様の材料を形成するように製造され得る。このスポンジ様の構造は、接着36を促進するだけではなく、移植片40が子宮腔44の内部の領域に良好に沿うこともまた可能にする。このような材料の特異的な例として、lvalon、ポリビニルスポンジ(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)およびSurgifoam(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)が挙げられる。しかし、本明細書中では詳細には列挙されていない他の材料もまた使用され得ることに留意すべきである。
【0054】
材料の孔の大きさ、ならびに材料の物理的な特徴の両方が、移植片40の有効性に影響を与える。これらの材料の特性は、メッシュ中に展開するかまたはその中に増殖する組織のタイプを決定し、そして最終的には、子宮42の中に形成する接着36のタイプを決定する。月経過多症の処置についてのこれらのパラメーターの間での直接的な相関関係は、内殖組織に基づく既存の材料の分類またはタイプ(例えば、ヘルニアの修復のために使用されるもの)によって決定され得る。例えば、タイプIは、75ミクロンよりも大きい孔の大きさを有する材料を含む。これは、マクロファージ、繊維芽細胞(繊維増殖症)、血管(脈管形成)、およびコラーゲン繊維の孔の中への成長を可能にする。この孔の大きさは、Prolene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、および上記に記載されている他のメッシュにおいて見られる孔の大きさに類似している。このように、タイプIの材料は、適切なデバイスの材料である。
【0055】
タイプIIの材料は、少なくとも3分の1の直径において10ミクロン未満の孔の大きさを有する微孔性のメッシュである。GORE−TEX(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている)、PTFE、および他の外科手術用の膜のような材料が、これらのメッシュの代表例である。したがって、タイプIIの材料もまた、適切なデバイスの材料である。
【0056】
タイプIIIの材料はマルチフィラメントを含み、そして微孔性および/または微孔性の成分を含有する。一般的には、タイプIIIの材料は種々の孔の大きさを有し、タイプIおよびタイプIIの材料の組み合わせである。タイプIIIの材料いくつかの例としては、Dacronメッシュ(例えば、Mersilene(登録商標)(Johnson
& Johnson,New Jerseyによって製造されている))、撚り合わされたポリプロピレンメッシュ(例えば、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている))、および孔をあけられたPTFE(例えば、GORE−TEX(登録商標)MYCROMESH(登録商標)(W.L.Gore & Associates,Arizonaによって製造されている))が挙げられる。これらおよび本明細書中では詳細には列挙されていない他のタイプIIIの材料もまた、本発明のデバイス40について使用され得る。
【0057】
本発明の別の実施形態においては、デバイスまたは移植片40は、液体のシーラントまたは接着剤(例えば、コラーゲン、組織/コラーゲン、トロンビン、ポリマー、フィブリンに基づくシーラント、およびそれらの任意の組合せ)から製造される。一般的には、これらの材料は代表的には、液体の形態で構成される。しかし、コラーゲンは非常に一般的な物質であり、多数の形状(小麦粉、圧縮されたマットパッド、織られていない繊維、または種々の密度および/もしくは空隙度を有している他の成形されたか、押出されたか、もしくは圧縮された形状を含む)の中で見出され得る。本明細書中で意図されるコラーゲンおよび組織/コラーゲン材料の例としては、Avitene(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Helitene(登録商標)(Integra LifeSciences Corporation,New Jerseyによって製造されている)、Dermalogen(登録商標)、Dermaplant(登録商標)(Collagenesis,Inc,Massachusettsによって製造されている)、Apligraf(登録商標)、Engineered Collagen Matrix(登録商標)、およびVitrix(登録商標)(Organogenesis Inc.,Massachusettsによって製造されている)が挙げられる。コラーゲンは合成され得るか、またはウシ、ブタ、もしくはヒトの供給源から誘導され得る。
【0058】
コラーゲン−トロンビンシーラントの一例は、Costasis(登録商標)である。Cohesion Technologies,Californiaによって製造されているCostasis(登録商標)は、患者の体内の種々の部位での出血を停止または制御するための止血剤としての使用のためのコラーゲン−トロンビン複合物である。この材料は、ウシの筋原繊維のコラーゲン、および塩化カルシウム中に懸濁されたウシのトロンビンから構成される。適用時に、フィブリノーゲン(例えば、患者の血漿から採取される)がCostasis(登録商標)と混合され、それによってコラーゲンを増強させられた液体の止血剤を形成するようにトロンビンによって切断されるフィブリノーゲンを提供する。得られた液体の材料は、次いで、出血を制御するために標的部位に対して適用され得る。
【0059】
あるいは、液体のシーラントの物理的な特性が、特異的な形状または柔軟な幾何学的形状の止血薬の固形物を生成するために変更され得る。一実施形態においては、シーラントの材料は特異的な流動要件を有しているキャリアマトリックス中に配置され得、そしてシーラントの物理的な特徴を変更するために熱または湿気によって活性化され得る。適切なキャリアマトリックスの一例は、トロンビンに基づくCoStop(登録商標)である(これもまた、Cohesion Technologies,Californiaによって製造されている)。しかし、Costasis(登録商標)とは異なり、CoStop(登録商標)は、患者に由来する血漿は必要とはしない。患者の血液をトロンビンに基づくCoStop(登録商標)と単純に混合することが、血小板の活性化を引き起こすために十分である。血液とトロンビンとの混合の直後に血小板の活性化が生じ、トロンビンはさらに、フィブリンの凝塊を形成するように混合物を触媒する。このように、血小板の活性化が凝塊の形成を開始する。コラーゲン−フィブリンマトリックスが発達し、標的部位で作成されることになる組織についての基部または支持構造を形成する。したがって、月経過多症を処置するために使用される場合には、CoStop(登録商標)は、患者の子宮42内に配置され、コラーゲン−フィブリンマトリックスを形成する。新しく形成された組織は、子宮42の前方および後方の壁を互いに架橋し、それによって接着36を促進し、そして無月経を促進する。
【0060】
別の方法および成分もまた、液体のシーラントの物理的な特性を改変するために使用され得る。本明細書中では詳細には言及されていないが、これらの方法および成分は適用可能な分野で周知であり、したがって、本発明の開示および請求される本発明の範囲内にある。
【0061】
別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、同種異系移植片(すなわち、レシピエントと同じ種のドナーから採取された組織の移植片)から作成される。これらの材料は、新しい組織の形成のためのマトリックスとして、同種異系移植片組織の構造および特性を使用する。Osteofil(登録商標)(Regeneration Technologies Inc.,Floridaによって製造されている)が1つのこのような材料の一例である。Osteofil(登録商標)は患者の子宮42内に配置され、そして繊維性の組織がマトリックス内に形成される。この新しい組織は、接着36のための基礎を形成する。Regeneration Technologies Inc.による同種異系移植片組織は、最初に、鉱物質を除去された骨として意図される。しかし、動物またはヒトに由来する他の組織もまた使用され得る。Osteofil(登録商標)に加えて、Natural Matrix(異種移植片)(例えば、OsteoGraf(登録商標)N−Block(Cera Med Dental,LLC,Coloradoによって製造されている)、および種々の公認の組織バンクから入手可能である他の組織を含むがこれらに限定されない他の同様の材料もまた、特許請求される本発明の範囲内にある。
【0062】
なお別の実施形態においては、タンパク質材料が本発明のデバイス40を製造するために使用される。種々の会社および機関が、スティック状の表面および取り付け可能な表面の両方を作成するためにタンパク質の使用を研究している。このような会社の1つは、San Diego,CaliforniaにあるProtein Polymer Technologyである。Protein Polymer Technologyは、組換えDNA技術を使用して合成の遺伝子を作成する。詳細には、Protein Polymer Technologyは、低分子タンパク質の基礎単位を高分子量のポリマーに構成することが可能である。
【0063】
特異的なタンパク質の適用を作成するために財産所有権を有する技術を使用する別の会社は、Gel−Del Technologies (St.Paul,Minnesota)である。Gel−Del Technologiesは、Protein Polymer Technologyおよび他の同様の会社と同様に、種々の方法を使用してタンパク質を処理する。タンパク質の物理的な構造および組成は、タンパク質の広範囲の種々の特性を作成するために改変される。例えば、細胞性のレセプターを有するタンパク質が作成されている。このレセプターは、活性な会合または接着36を促進する。タンパク質の物理的な特性(例えば、形状)およびその側鎖エレメントは、繊維性の応答の発生および所望される接着36の形成に影響を与える。詳細には、利用可能な側鎖のエレメントは、タンパク質構造への組織の選択的な浸潤を調節し、それによって組織の標的部位に接着36を生じる。
【0064】
一般的には、タンパク質は広範囲の種々の形式で開発され得る。種々のタンパク質の形式の例としては、小さいビーズ、シート、細片、または他の規則的もしくは不規則な形状の構造が挙げられる。タンパク質の形式によって、タンパク質が、接着の形成に必要な応答を生成するために、例えば、子宮42内に移植されることを可能にする。
【0065】
本発明の別の実施形態においては、デバイスまたは移植片40はヒドロゲル材料から製造される。ヒドロゲルは干渉性の(コヒーレントな)三次元ポリマーネットワークであり、これはポリマーネットワークの解離を伴うことなく大量の水を吸収し得る。それらの調製方法に基づくヒドロゲルの分類には、ホモポリマーヒドロゲル、コポリマーヒドロゲル、マルチポリマーヒドロゲル、および相互に浸透するヒドロゲルが含まれる。一般的には、ヒドロゲルは、キトサン誘導体またはポリエチレンイミンをポリビニルピロリドン(PVP)とともに取り込んでいる親水性ポリマーである。ヒドロゲルはまた、セルロース誘導体、ポリビニルアルコール(PVA)、またはポリエチレングリコール(PEG)を含有し得る。1つの一般的なヒドロゲルの例は、ポリHEMA(ポリ(2−ヒドロキシエチル)メタクリレート)である。これらの高度に適合性の水可溶性ポリマーシステムは、優れた物理的特性を保有しているゲルを形成するように互いに自然に混合する。これらの特性は、ゲルの化学的性質(すなわち、調剤)、有効成分、および生体分子(これは、生物学的活性を損なうことなく容易に取りこまれ得る)によって変更され得る。溶解され得るか、乳濁化され得るか、または懸濁され得る実質的に任意の材料が、ゲルの形成の前に添加され得、そして最終的には完成したゲル中に分散させられ得る。
【0066】
ヒドロゲルAquatrix(登録商標)II(Hydromer,New Jerseyによって製造されている)は、1つのこのようなヒドロゲル製品の例である。ゲルは、例えば、Marlex(登録商標)(C.R.Bard,New Jerseyによって製造されている)、Mersilene(登録商標)(Johnson & Johnson,New Jerseyによって製造されている)、Surgipro(登録商標)(US Surgical,Connecticutによって製造されている)、Surgisis(登録商標)(SIS Technology Cook Groupによって製造されている)、または粉砕される、挽いて粉にされるなどの任意の他の材料のような任意の上記の材料で充填され得、そしてヒドロゲル材料と混合され得る。この構造においては、ヒドロゲルは、足場または格子材料の分散を可能にするためのキャリア材料として作用する。次いで、この材料は、粒子の懸濁を伴う流動性の液体として送達され得る。さらに、ゲルは、30日から60日以内に体によって吸収されるかまたは再吸収されるように処方され得る。しかし、粒子/メッシュは残ったままであり、標的部位で所望される接着36を形成する。別の実施形態においては、ゲルは非吸収性であるように処方され得る。非吸収性のゲルの場合には、ゲルは、標的部位に配置され得、そして次いで、小さい孔を形成するように気体を吹きかけられる。孔はメッシュの開口部または孔と同様の様式で作用し、組織の内殖を可能にし、そして最終的には接着36を形成する。
【0067】
一般的には、本発明のデバイス40とともに使用される材料は、吸収性および/または非吸収性の材料または成分の組合せから構成され得る。一実施形態においては、吸収性の材料は、放射線不透過性のマーカー、または標的部位が画像化されることを可能にする画像化が可能なマーカーの任意の他のタイプから構成され得る。別の実施形態においては、吸収性の材料は、患者の標的部位で非吸収性の材料を固定するために使用され得る。例えば、吸収性の材料は、子宮頚部のキャップを構成し得る。子宮頚部のキャップがデバイス40の移植の時点で挿入され、そして子宮42内で適所にデバイス40を保つ。約8週間以内に、接着36が形成し、そして患者の体がデバイス40の吸収性の材料を吸収する。
【0068】
(使用方法)
子宮内での接着36を生成するための多くの方法が本明細書中で意図される。それぞれの方法論は、接着36を生成するためのわずかに異なる機構を有する。上記に説明されるように、接着の生成のための実際の機構の限定された理解しか現在既知ではない。しかし、子宮内での接着36は無月経を生じるのと同じ機能を行うようである。
【0069】
一実施形態においては、デバイス40の大きさおよび/または形状が、子宮42内での効率のよい接着の発生を促進するために最適化される。別の実施形態においては、デバイス40は、子宮42内での接着の収量(すなわち、100%までの被覆率)を最大にするために、実質的に子宮内膜の全体の領域と接触するように構成される。あるいは、デバイス40の部位特定の展開および/または配置のための、子宮42内での最適な位置が存在し得る。このように、移植片40は、効率のよい接着の形成(すなわち、子宮内膜の100%未満における接着)のために子宮内膜の特定のまたは離散性の領域と接触することのみを必要とする。例えば、デバイス30は、子宮42ではなく子宮頚管中に配置され得、出血を制御するために十分な接着36を生じる。別の例としては、デバイス40は、子宮42内の特定の部位のみに配置され得る。あるいは、子宮および子宮頚部の位置の組合せが、有用な接着の形成のために使用され得る。
【0070】
本発明の別の実施形態においては、移植片またはデバイス40は、過度の出血の領域である子宮42内の特定の領域を評価し決定するための手段を含み得る。これらの離散性の領域は、次いで、これらの標的部位で接着36を特異的に形成するために処置され得る。このアプローチは、子宮内膜を存続が可能であるままにすることを可能にし、同時に出血を減少および/または制御する。子宮内膜は完全には除去されないので、この方法は、手順の取り消し(すなわち、接着の除去)が可能であり得る。研究は、接着36が除去され得、したがって子宮の生存性が回復させられ得ることを示した。
【0071】
一般的には、本発明の使用方法または処置システムは、事実上避妊具である。デバイスまたは移植片40は、子宮内膜組織を非活性化する子宮内での接着36を生成する。さらに、接着36はまた、卵管および/または卵管への入口をふさぎ得る。これは次いで、妊娠の可能性を排除し(すなわち、受胎を妨げ)、そして出産の可能性を排除する。しかし、子宮42内の限定された領域のみが接着36の形成を必要とする場合には、手順およびそれに付随する効果は、取り消され得る。したがって、接着36が広範囲ではない場合には、子宮が月経機能を回復すること、および妊娠の可能性を回復するが可能である。
【0072】
接着の形成または被覆率は、被覆の位置(これは、デバイスの位置に関係している)だけではなく、被覆の割合においてもまた重要である。本明細書中で記載されるデバイス40および方法は、子宮内膜の全体の領域に広がる接着36の100%の被覆を生成するように指向されるが、100%未満の接着および/または子宮内膜の領域の被覆に関係している代替のデバイスの構造および使用方法もまた、本明細書中で意図されることが理解されるべきである。例えば、一般的には、被覆の割合は75%より大きくなければならず、かつ/または被覆の位置は子宮の下から3分の2および/もしくは子宮頚管全体の中であるべきである。本明細書中では詳細には記載されていないが、他の被覆の選択もまた、特許請求される本発明の範囲内に含まれる。
【0073】
一般的な接着の形成は、炎症の状態および外来の物体(すなわち、子宮内デバイス40)に対する局在化された応答である。掻爬術または他の前処置(以下でさらに議論される)は、子宮内膜に対する外傷を生じ、そして炎症応答を開始する。次いで、体は、外傷を治癒させるための手段として損傷にねらいをつけて線維芽細胞(結合組織)を作製することを開始する。これらの線維芽細胞は、局在化された炎症に対して応答し続け、ますます線維状組織を作製する。線維状組織が作製されると、子宮42の前方および後方の壁が、瘢痕組織によってより近づいて連結される。子宮筋細胞は、最終的に瘢痕組織に浸潤し、そして周辺組織が子宮内膜を再吸収する。子宮内膜組織の長期間の非活性化は、接着36によって生成される子宮内圧の増加に一部起因すると考えられる。本明細書中では詳細には記載されていない他の調節因子もまた存在する。これらは、子宮内膜の非活性化に関係し得る。
【0074】
永久的な子宮内での接着36を生成し、そして月経過多症を処置することに加えて、本発明の子宮内デバイス40は、一時的な基準でまたはライフスタイルの選択肢としてもまた使用され得る。開示される移植デバイス/システム40はまた、期限を有するかどうかの選択肢を女性に与え得る。したがって、デバイス40は、女性が主要な外科手術を受けることを必要とせずに彼女らの月経期間を終わらせるための便利なものとして使用され得る。さらに、デバイス40は、辛い月経周期または月経前症候群を排除するために使用され得る。なお別の選択肢として、デバイス40は、一時的な避妊の手段として使用され得る。女性が子供を有する準備が整った場合には、この手順は取り消され得、それによって接着36が除去され月経が回復する。
【0075】
(前処置)
本発明の一実施形態においては、接着36を生成するために使用される方法論は、子宮42の中でのデバイス40の配置の前に、子宮内膜の前処置を含む。前処置の方法は、直接的または間接的のいずれかであり得る。一般的には、間接的な前処置は、手順の前の一定の期間の間に行われる。対照的に、直接的な前処置は、実際の手順の間に行われる。
【0076】
直接的な前処置(機械的な手段、化学的な手段、またはそれらの組合せを通じる)は、子宮42からの治癒応答を呼び出すために行われる。1つのタイプの直接的な前処置は、デバイス40の展開の前に子宮内膜に対して外傷を生成することを含む。この外傷、またいくつかの場合によっては、組織の壊死を達成するための方法は、掻爬または子宮内膜の剥離の形成を含み得る。これらの方法は、鋭いまたは鈍い掻爬器(真空掻爬器)、ローラーボール電気焼灼デバイス、熱エネルギーデバイス(例えば、再循環温水)、温水充填バルーン、高周波(RF)エネルギーディレクター、マイクロ波、低温デバイス(組織を凍結させるため)、細胞傷害性薬剤、強力なLASER光線、および子宮内膜の内層に対して外傷を生じることが可能な他のデバイス(このようなデバイスの組合せを含む)を用いて行うことができる。
【0077】
本発明に従う前処置デバイス60の一実施形態が、図12Aおよび12Bに示される。前処置デバイス60は、ボトルブラシ形の構成と同様に構成され、また移植片としても機能し得る。この形状においては、前処置デバイス60は、ステム部分62および隣接している外傷を誘導する部分64(剛毛またはスパイク様の突起から構成される)を含む。デバイスのステム62は、硬質ポリマー、ABS、ナイロン、PVC、金属(例えば、ステンレス鋼またはアルミニウム)、およびこのような材料の任意の組合せから作製され得る。剛毛64は、半硬質ポリマー、ナイロン、またはポリエチレンから作製され得る。あるいは、外傷を誘導する部分64は、図12Cに示されるような、組織をこすり取ることが可能なBrillo(登録商標)パッド様構造66として構成され得る。Brillo(登録商標)部分66は、硬化剤でコーティングされたコラーゲンから構成され得、そしてカテーテル68から展開されると自ら膨らみ得る。
【0078】
送達の前には、デバイス60のブラシまたは剛毛部分64は、カテーテルまたは他の同様のタイプの送達ツール68の遠位部分70の中に含まれる。好ましくは、送達ツール68の外表面は、患者への容易な挿入を可能にするために平滑および/または潤滑である。送達および処置手順の間に、送達ツール68は、子宮頚部を通じて患者の内部に挿入され、そして遠位部分70が子宮42内に配置される。前処置デバイス60は、デバイス60の剛毛部分64が標的部位で展開されるように操作される。デバイス60はさらに操作され(例えば、回転させられ、撚られ、押され、そして/または引っ張られ)、その結果、ブラシ形部分64は子宮内膜組織に炎症を起こさせる。ブラシ形部分64は次いで、前処置デバイス60から切り離され、患者の子宮42内に残される。デバイス60の剛毛64は、線維性の組織の内部への増殖が可能であり、そして接着の形成を促進する。移植片40が展開させられた後、カテーテル68が患者から取り出される。
【0079】
図12Dは、ボトルブラシ形前処置デバイス60の代替の実施形態を示す。デバイス60の遠位部分70は、多分岐のブラシ72を含む。この構造によって、組織に対する十分な外傷を生じるために必要な操作の量を減少させ、また子宮内膜のより大きな被覆を可能にする。
【0080】
ボトルブラシ形前処置デバイス60のなお別の実施形態においては、デバイス60の遠位部分70は、図12Eに示されるような、有棘ワイヤーと同様の鋭利な突起74を有するワイヤーを含む。このボトルブラシの形状を用いる場合には、前処置デバイス60の有棘ワイヤーの末端74が子宮内膜の十分な傷害を生じるように組織の表面にわたって、回転させられ、撚られ、押され、そして/または引っ張られる。あるいは、子宮内膜組織をさらに剥離させる別の手段として、ワイヤー74に対して電流が印加され得る。
【0081】
図12Fを参照すると、前処置デバイス60のボトルブラシ形部分はまた、キャップまたはコラーゲンプラグ76の形状に設計され得る。コラーゲンプラグ76は表面が自然に剥離され、そして操作および展開のためにスタイレット78に取り付けられる。スタイレット78は、子宮内膜に対する十分な外傷を生成するために、回転させられ、押され、または引っ張られる。あるいは、結晶性の材料が、より大きな表面の粗雑さを生成するために、プラグ76のコラーゲン中に包埋され得る。前処置手順が完了した後、プラグ76はスタイレット78からネジを回してはずされ、そして接着の形成を促進するために子宮42内に残される。
【0082】
図13Aおよび13Bを参照すると、前処置デバイス60の代替の実施形態は、ワイヤーで形成された遠位端80を含む。デバイス60の遠位部分は、1つ以上のワイヤー82から構成される。これらは、卵泡だて器または泡だて器様のデザインを形成するように構成される。Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、チタン、および他の同様の材料(このような材料の組合せを含む)が、デバイス60のワイヤー82を製造するために使用され得る。子宮頚部50を通じて患者の子宮42内への挿入の前に、ワイヤー82は、送達ツールのカニューレ68内に引き込まれる。ワイヤー82は、カニューレ68内に適合するように、傘を閉じると同様に互いに畳まれ得るか、または図13Cに示されるように、デバイス60の中心軸に向って撚られ得る。デバイス60が子宮42内に配置された後、ワイヤーで形成された遠位端80が展開させられ、ワイヤー形状をデバイス60の中心軸から放射状に膨らませる。次いで、デバイス60は、子宮内膜を引っかくまたは傷害させるために、掻爬様の作用で操作される。前処置手順が完了した後、ワイヤーで形成された遠位端80が引き込まれ、そしてデバイス60が患者から取り出される。
【0083】
本発明の別の実施形態においては、粗雑な外表面を有しているバルーン84が、子宮内膜に対する外傷を誘導するために使用される。図14Aおよび14Bに示されるように、バルーン84は収縮され、そして展開の前にはカニューレ68の内腔に収容される。前処置デバイス60の遠位の部分が正確に子宮42内に配置された後、バルーン84が展開されるか、または子宮腔を満たすように放射状に膨張される。図14Cに示されるバルーン84の外表面は、種々の微細なワイヤー、刃、小さい剛毛、または組織を剥離することが可能な他の剥離性の構造を含み得る。次いで、デバイス60は、例えば、回転され、押され、そして/または引っ張られ、あるいは繰り返し膨張されそして収縮されるように操作される。その結果、バルーン84の剥離性の表面が子宮内膜に炎症を起こさせる。前処置手順が完了した後、バルーン84は収縮させられ、そしてカニューレ68中に引き込まれ、デバイス60が患者の子宮42から取り出される。
【0084】
図15を参照すると、本発明のこの実施形態の前処置デバイス60は、子宮内膜に対して外傷を生成するかまたは子宮内膜を傷害させるために、「サンドブラスティング」または液体剥離技術の1つのタイプを利用する。カテーテル68内に収容された曲がった操縦できる先端を有している可撓性のチューブ86が、前処置用の液体88を送達し、それによって組織を傷害させるために使用される。一実施形態においては、液体88は、水蒸気中に懸濁されたかまたはその中に入り込まされた、結晶質の塩を含む。送達の前に、患者の子宮42は、気体(例えば、二酸化炭素(CO2))または機械的なスプレッダーを利用して、子宮内膜の表面の領域全体を完全に暴露するように、膨張され得る。次いで、前処置デバイス60が子宮頚部50を通じて患者の子宮42内に挿入される。デバイス60が子宮42内に適切に配置された後、液体懸濁物88が子宮内膜を侵害しそして組織を吹き飛ばすように、操縦できる先端が子宮42内で操縦される。手順が完了した後、前処置デバイス60が患者から取り出される。カテーテル内に収容された曲がった操縦できる先端を有している可撓性のチューブは一実施形態であるが、他のチューブおよび/またはカテーテルの形状ならびに操縦/誘導手段もまた、本明細書中では詳細には記載されていないが、特許請求される本発明の範囲内に含まれる。
【0085】
間接的な前処置は、薬剤の使用、または患者自身の生物学的なタイミング周期を含む。一実施形態においては、ホルモン薬物療法が、子宮内膜の厚みを減少させることを助けるため、および手順の前に患者をダウンレギュレートするために使用される。デポルプロン(depolupron)(酢酸ルプロリド(luprolide acetate))のような薬物は、3.75gm/月の投与量で与えられた場合に、このような応答を刺激するために使用され得る。この薬物療法は、デバイス40を受容させる60日前までに開始され得る。さらに、この処置は、標的部位でのデバイス40の完全な受け容れを確実にするために、移植後の期間に継続され得る。あるいは、他のホルモンを変化させる医薬品(例えば、プロゲステロン、エストロゲン)、抗生物質、薬物、または他の間接的な予備処置用の調製物もまた、患者の子宮42内へのデバイス40の移植の前に使用され得る。
【0086】
代替の実施形態においては、間接的な前処置は、患者の正常な月経周期に対してデバイスの移植手順のタイミングを合わせることを含む。例えば、数人の患者については、最適なタイミングは、患者の子宮内膜が特定の状態または症状にある時点として定義される。一般的には、子宮内膜が、月経周期の開始および終了時の、その最も薄い時点である。詳細には、出血の開始後4日目または5日目が、子宮内膜がその最も薄い状態にありそして再形成を開始するときとして公知である(すなわち、増殖段階としてもまた公知である)。このように、子宮内膜は傷害に対して最も敏感であり、そして接着の形成のための最適な状態であるはずである。したがって、これらの期間中に本発明の子宮内デバイス40を使用して手順を行うことが最も有利である。さらに、タイミングを合わせることはまた、子宮内膜の内層をさらに最適化するために薬物療法と組合せても使用され得る。
【0087】
前処置方法の別の実施形態は、薬物、ホルモン、または他の化学薬品を、単独で、または先に開示される機械的な前処置デバイス40と組合せてのいずれかで使用する。例えば、機械的なデバイス40は、乾燥形態で組み立てられた化学薬品でコーティングされ得る。化学薬品は加水分解され、そしてそれによって、それらが患者の体液および/または組織と接触した際に活性化される。あるいは、化学薬品(単数または複数)は、処置部位に液体の形態で分散させられ得、そして特定された期間にわたって組織上で作用させられる。この期間の終わりに、移植片が展開され得るか、または代替として、移植片が展開させられる前に反応が停止される。
【0088】
適切な化学薬品の例として、弱酸、弱塩基、生理食塩水(浸透圧の影響を生成するための高濃度の塩を有する)、硝酸銀、キニン溶液、モルイン酸ナトリウム、四ナトリウム(sodium tetrade)、アルコール、ホルマリンを有するアルコール(すなわち、ホルムアルデヒド)、および子宮内膜に対する傷害を引き起こす他の同様の硬化剤/壊死剤または化学薬品が挙げられる。この前処置手順はまた、手順後の化学薬品の中和、それに続く適切な接着の形成を可能にするための子宮腔の洗浄を必要とし得る。
【0089】
(後処置)
デバイス40が患者の子宮42内の標的部位に移植された後、患者は、子宮42内で起こり得る可能な感染を処置するために抗生物質を与えられ得る。低い程度の感染を排除することは所望され得ないが(なぜなら、これは、子宮内での接着の良好な生成を可能にする因子の1つであり得るからである)、長期間の解消することができない感染は、不所望であり、処置されるべきである。あるいは、さらなるホルモン療法、薬物、または化学薬品もまた、後処置として(患者をダウンレギュレートするために)または手順後の規定された期間にわたって、患者に与えられ得る。
【0090】
(デバイスの展開方法)
本発明のデバイス40の展開のための好ましい方法は、膣を介する、そして子宮頚部を介するものであり、外科手術による介入を必要とせず、したがって、これは無菌で行われ得る。一般的には、カテーテル、カニューレ、または同様のデバイス68が子宮頚部50を通じて、そして患者の子宮42内に挿入される。液体、気体、または機械的な手段が、子宮42を拡大させるために使用され得、それによってデバイス40の送達を容易にする。次いで、デバイスまたは移植片40がカテーテル68を通じて、さらなるツールの使用を伴ってまたはそれを伴わずに、カテーテル68の遠位端の外に、および子宮腔44の中に展開させられる。デバイスの送達後、カテーテル68は患者から取り出され、そして子宮42は続いてその自然な状態に縮小または潰れた状態にされ、それによって子宮壁の全てがデバイス40と接触させられる。ほとんどの場合には、この手順は、子宮鏡または他の画像化デバイスの使用を伴わずに行われる。したがって、この手順は、子宮腔の直接的な可視化を伴わずに行われる。しかし、必要な場合には、超音波および蛍光顕微鏡のような画像化技術が使用され得る。一般的には、本発明の手順は、患者が外来患者という設定で処置されることを可能にし、そして最少限の痛みの管理および時間を要する。
【0091】
代替の実施形態においては、さらなる装置またはツールが、本発明の移植片40とともに使用される。さらなる装置は、子宮頚部50への経路を形成する中空チューブまたはガイドである。ガイドは、患者の内部に永久的または一時的のいずれかで移植される。あるいは、装置はまた、内腔、チャンネル、または他の同様に構成された構成要素であり得る。この装置によって形成される経路は、デバイス40の容易な挿入を可能にするだけではなく、子宮腔44の排液をもまた可能にする。さらに、この経路はまた、子宮腔44の手順後の治療または将来の診断のためにも使用され得る。例えば、必要とされる場合には、子宮組織の生検が、アクセスのための入口(port)としてチャンネルを使用して行われ得る。
【0092】
あるいは、子宮頚部のキャップはまた、展開または送達ツールと組合せて使用され得る。図16Aおよび16Bに示されるように、子宮頚部のキャップ90は、患者の子宮頚部50に展開される逆止め弁デバイス92を含む。逆止め弁92に加えて、キャップ90はまた、キャップの近位端に配置された中空チューブまたはガイド94を含む。図16Aに示される実施形態においては、ガイド94は、カテーテル96のようなツールへのアクセスを可能にする。最初に、キャップ90がカテーテル/送達ツール96に取り付けられる。キャップ90の弁またはダックビルの部分に配置された1つまたは複数のスリット98が開いて、図16Cに示されるように、そこを通じるカテーテル96の通過を可能にする。カテーテル96が子宮頚部50を通じてそして患者の子宮42内に挿入されると、キャップ90が子宮頚部50の上に展開させられる。移植片40が送達され、そしてカテーテル96が子宮42から取り出された後、キャップ90は子宮頚部50に取り付けられたまま残される。
【0093】
別の実施形態においては、子宮頚部のキャップは、中空チューブまたはカテーテル体96に取り付けられた、カップ型デバイス100を形成する。図16Dを参照すると、カップ100は、患者の子宮頚部50に取り付けられ(図示せず)、そして液体を分散させ、真空を生成し、ツール(電流ワイヤーのような)を送達し、移植片を展開させるための1つまたは複数の内腔/入口を含む。さらに、展開ツールはまた、膣を拡大させ、そしてツールのカテーテル部分のそこを通じる自由な移動を可能にするために、開孔器(speculum)102を含むように構成され得る。
【0094】
本発明の別の実施形態においては、デバイスの展開は、膣の開口および子宮頚部50を通じて挿入されたカニューレまたはカテーテル96を通じて行われる。カニューレは、子宮42の内部へのアクセスの手段を提供する。図17に示されるように、カニューレまたはカテーテル96の遠位端104は、非外傷性(atraumatic)な平坦(blunt)な先端106を含む。先端106は、低デュロメータの材料(例えば、シリコーン、低デュロメータのPVC、ポリウレタン、熱可塑性エラストマー(TPE)、または50デュロメータ未満のショア硬度を有している他の材料)から作製される。挿入の力に持ちこたえるために、カテーテル96の本体は、高デュロメータの材料(例えば、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリプロピレン、ウレタン、ポリエチレン、または他の同様の材料)から作製される。このアクセス手段を使用して、次いで、医師は、直接的な機械の動作(スタイレットの移動)または患者の外部でのデバイス(例えば、シリンジまたはスプレー缶型デバイス)中で生成された圧力/力のいずれかを使用して、材料を分散させ得るかまたはデバイス40を展開させ得る。
【0095】
種々のタイプの移植片40を施すための多数の方法が、カニューレまたはカテーテル96と組合せて使用され得る。例えば、一実施形態においては、子宮内デバイス40は、予め決定された大きさに切断されるメッシュシートから構成される。寸法が大きい集団に基づいて、サンプルは、移植片の大きさの寸法を最適化するために使用され得る。あるいは、メッシュシートは、その形状を決定するために、子宮を事前に画像形成することによって、そして次いで、この画像を使用して適切な構造にメッシュを切断することによって、患者の子宮42にあつらえられた大きさにされ得る。メッシュシートは、カニューレ96の内部に配置され、そしてカニューレ96は子宮頚部50を通じて、子宮42内に操作される。スタイレット、ワイヤー、または他のタイプのツールが、カニューレ96の外部におよび子宮腔内に、メッシュを押出すために使用される。メッシュは、医師の操作またはメッシュの材料特性のいずれかに起因して拡張し、そして子宮腔の後面を被覆する。
【0096】
種々の展開ツールのいくつかの実施形態が、以下の図面に示されている。一般的には、展開ツールは、移植片に取り付けられた1つまたは複数の拡張エレメントを含む。拡張エレメントは、吸収性、再吸収性、または非吸収性であり得る。非吸収性の構造においては、拡張エレメントは、展開後に移植片から取り外され、そして患者から取り出される。拡張エレメントは、一般的には、移植片を展開させ、広げ、かつ/または体腔内で拡大させるような方法で、移植片に取り付けられる。さらに、1つまたは複数の操作エレメントがまた、体腔内で移植片を広げ、拡張させる構造になるように、拡張エレメントを動機づけ、促し、または操作するために使用され得る。操作エレメントもまた、吸収性、再吸収性、または非吸収性であり得る。
【0097】
図18Aおよび18Bを参照すると、展開ツールの一実施形態は、ワイヤーフック110、および1つまたは複数のワイヤー108(これは、一方向羽枝109を通じて移植片40に取り付けられる)を含む。デバイス40の展開の間に、有棘ワイヤー108がカテーテル96の遠位端104を通じて、患者の子宮42内に前進させら得る。ワイヤーフック110は次いで、移植片40を子宮腔内に拡張させ、そして伸長させるように引き込ませられる。一般的には、有棘ワイヤー108は、カテーテルの内腔から拡張させられた場合に、ファン型に拡張するように設計および製造される。しかし、メッシュ材料に対する有棘ワイヤー108付着の特定位置によってはまた、垂直および水平の両方向への移植片40のさらなる伸長または拡張が促進される。移植片40が子宮42中に適切に配置された後、ワイヤーフック110が前進させられ、そして移植片40から有棘ワイヤー108を放すために使用され、そしてワイヤー108が患者からの後続の除去のためにカテーテル96の内腔に引き込み戻される。
【0098】
展開ツールの別の実施形態は、図19Aおよび19Bにおいて示される。この実施形態の展開ツールおよび送達方法は、子宮内デバイス(IUD)のものと同様である。展開ツールは、カテーテル96、および3個の固い内腔またはアーム112(これらは、移植片40に取り付けられる)を含む。逆三角形に似ている構造の移植片40については、2つの内腔またはアーム112aが、三角形状の移植片40の底辺114の2分の1に等しく取り付けられ、そして第3の内腔112bが、三角形状の移植片40の高さ116に沿って取り付けられ、そして動かされる。ストリングまたはモノフィラメント118が内腔の内部に収容され、そしてアーム112aのそれぞれの外端120に取り付けられる。ストリング118は、移植片40の高さ116を通って、カテーテル96の内部に通された内腔を通じて、医師による操作のために通される。送達の前には、アーム112aは、第3の内腔112bの近くに引っ込ませられる。ツールが子宮頚部50を通じて、子宮42内に挿入された後、3個の固い内腔112がスタイレットまたは同様のデバイスを使用して子宮腔の内部に配置される。ストリング118は、医師によって近位方向に引っ張られ、それによってアーム112aが移植片40を展開する。デバイス40が子宮42内に移植された後、カテーテル96が患者から取り出される。生体適合性の内腔112およびストリング118は子宮42内に残されたままであり、そして/または組織によって吸収される。
【0099】
代替の実施形態(図示せず)においては、3個の内腔112の結合部に配置された蝶番によって、モノフィラメント118の機能を置きかえる。この構造においては、蝶番は、バネに似た様式で、ツールのアーム112aがカテーテル96から患者の子宮42内に放出されるとすぐに、そのツールのアーム112aを自動的に展開する。この構造および方法もまた、IUDの設計および展開方法と同様である。
【0100】
図20Aおよび20Bを参照すると、展開ツールは、弾性膜122(例えば、メッシュ、メッシュ粒子、または他の接着を生成する物質124でコーティングされたバルーン)を含む。物質124は、膜122の外表面上に脆性コーティングを形成する。展開の間に、カテーテル96は患者の子宮42内に配置され、そしてバルーン122が前進させられ、膨張内腔を通じて膨張する。拡張させられた膜122は、微粒子124をバルーン122の表面から外れさせ、そして子宮内膜をコーティングさせる。バルーン122は、次いで収縮させられ、そして患者の子宮42から取り出される。あるいは、バルーン122は、生体適合性材料から作製することができ、したがって、子宮腔内に残され得る。
【0101】
本発明の展開ツールの別の実施形態が、図21Aおよび21Bに示される。この展開ツールは、カテーテル96、およびデバイスまたは移植片40の外周に取り付けられた膨張可能なチューブ126を備える。膨張可能なチューブ126は、チューブ126に取り付けられそしてカテーテル96の長さに沿って配置された膨張内腔128を含む。デバイス40は、上記の方法に従って子宮腔44中に展開される。次いで、チューブ126が膨張し、これによって、移植片40が子宮の内部形状に適合する。チューブ126は、シールされ得る(膨張内腔128とのその結合部130で)か、またはカテーテル96を撚ることによって膨張内腔128から取り外され得る。したがって、展開ツールのチューブ部分126は、膨張した状態または収縮した状態のいずれかで子宮42内に残される。
【0102】
あるいは、移植片40は、それを展開させる動機を与えるために外周に取り付けられた自己膨張構造を有し得る。この構造は、記憶を有する材料、および/またはバネ様の構造もしくは特性(すなわち、弾性特性)を有する材料から構成され得る。代表的な材料の例として、金属(例えば、Nitinol(登録商標)またはステンレス鋼)およびポリマー(例えば、ナイロン、アセタール、またはプロピレン)が挙げられるがこれらに限定されない。
【0103】
一実施形態において、図22Aに示されるように、自己展開構造はワイヤー132であり、これは移植片40の外周の一部に取り付けられる。ワイヤー132は、熱によって活性化される材料(例えば、Nitinol(登録商標))から作製され、これは患者の体温に応答して膨張する。あるいは、このデバイスのフレームは、非常に従順なぴったりと巻き付けられたバネ134を含む。図22Bを参照すると、デバイスのワイヤーの直径dは、約0.001インチ(0.025cm)であり、そしてバネの直径Dは約0.010インチ(0.25cm)である。しかし、他のバネ構造もまた、本発明とともに使用され得る。ガーター様バネ134はカテーテル96からの展開の際に自己膨張し、そして子宮腔内でデバイス40を広げる。
【0104】
図23に示される代替の実施形態において、移植片40の基部138の付近に配置されたバネ136は、デバイス40がカテーテル96から展開された後に、デバイス40のワイヤーフレーム140を拡張した構造にする。なお別の実施形態において、デバイス40のワイヤーフレーム142は、その基部付近に軸点(pivot point)144を含む。図24を参照すると、この構造においては、ワイヤーフレーム142は「X」型のデバイス40を形成し、メッシュ146は「X」の上半分に取り付けられ、そしてバネ148が「X」の反対側の下半分に取り付けられる。先の実施形態の場合には、デバイス40がカテーテル96から展開された後、バネ148がフレーム142の下半分を拡張させ、結果として上半分もまた拡張される。これにより、次いで、デバイス40のメッシュ部分146が、子宮腔内で均一に広がる。
【0105】
別の実施形態においては、デバイス40は、小さく薄い長方形、卵型、または他の種々の形状に切断されたメッシュ細片150から成る。メッシュ細片150は、カニューレ96内に充填され、そして上記の様式と同様の様式で医師によって展開される。展開方法を伴うデバイス40の構造により、図25に示されるように、子宮腔44内でのデバイス40の正確な配置が可能となる。特に、メッシュ細片150は、互いに隣接して配置され得、それによって均質な被覆を作製する。この方法は、医師が子宮内の特定の領域または部位にデバイス40を展開することを可能にする(部屋にカーペットを敷く方法、またはケーキ上に砂糖の衣をパイピングする方法と同様である)。
【0106】
図26に示されるなお別の実施形態においては、ピンセット様デバイス152が、子宮腔内にメッシュ150の細片を配置するために使用される。医師は、メッシュ細片150の一端の上をつかむようにピンセット152を操作する。カテーテル96が頚部を通じて患者の子宮内に適切に配置されると、ピンセット152は、メッシュ細片150とともにカテーテル96に挿入される。医師は、ピンセット152を子宮内膜上に細片150を正確に配置するように操作する。細片150は次いで、ピンセット152から放され、そして子宮腔がメッシュ細片150で被覆されるまでこのプロセスが繰り返される。上記に記載されるように、この方法は、カーペット敷込みタイプのアプローチと同様である。
【0107】
あるいは、カーペット敷込み技術のメッシュ細片150は、連続的に展開可能な細片(図示せず)として構成され得る。特に、細片は、それぞれの細片が展開されると、次の細片が展開のために自動的に曝されるかまたは配置されるように、展開ツールのカニューレ96中に充填される。この技術は、Kleenex(登録商標)がティッシュディスペンサーから自動的に分配される方法と同様である。メッシュ細片に加えて、移植片40は、接着形成物質156で充填された糸/モノフィラメント154として構成され得る。物質156は、図27に示されるように、コーティング、ビーズ、または糸に接着された他の成分であり得る。
【0108】
なお別の実施形態においては、本発明のデバイス40は、メッシュ粒子を含む。メッシュ粒子は、予め決定された大きさにメッシュ材料を切り刻むかまたは挽いて粉にすることによって作製され得る。次いで、メッシュ粒子はカニューレ96中に充填され、そして上記のように展開される。この展開方法は、絶縁体が上鼓室または他の開いている空間に吹き込まれる様式と同様である。代替的な実施形態においては、メッシュ粒子は、微粒子化されたミクロ粒子、半硬質の泡、懸濁凝集物、粒子、粉末、または他の同様の形態(それらの混合物を含む)として構成され得る。
【0109】
あるいは、メッシュ粒子は、液体、気体、泡、またはカニューレもしくはカテーテル96によって子宮42に注入される場合に、メッシュ粒子を均質に分散する他の流動可能な物質中に懸濁され得る。好ましくは、流動可能な物質は生体適合性であり、そして体によって吸収され得る。液体または半液体の形態で構成される場合には、デバイス40は、スタイレットの代わりにシリンジ、および液体分配カテーテル96を使用して、子宮42内に分配されそして広げられる。図28A〜28Cに示されるように、カテーテルは、カニューレ158中に配置された1つ以上の穴/入口を通じて子宮42内に液体を分散し得る、カニューレまたは内腔158を含む。分配カニューレ158は、湾曲した、曲がった、豚の尾状の、開ループ式、閉ループ式、または他の同様の構造の形態に構成され得る。さらに、カニューレ158はまた、展開手順の間にカテーテル96の遠位端を越えて前進され、そしてこの手順の完了時にカテーテル中に引き込ませられるように設計され得る。カニューレ158の湾曲した遠位端は、それがカテーテル96中に引き込まれる際にはまっすぐになるように、可撓性であり得る。さらに、ガイドワイヤー(図示せず)もまた、患者の子宮42内にカニューレ158を誘導および/またはガイドするために、カニューレ158内に形成され得る。
【0110】
一実施形態においては、流動可能な物質を作製する特定の組成物または材料は、その粘性が熱変化を通じて改変され得るようなものである。熱変化は、外部で生成されるかまたは患者自身の体温によって生成されるものを含み得る。熱感受性の材料の一例は、高分子物質である。しかし、詳細には開示されていないが当該分野で周知である他の熱感受性材料もまた、本発明とともに使用され得ることに留意すべきである。
【0111】
代替の実施形態においては、接着形成材料は、親水性の膜、弾力性のある化合物、ゼラチン、または他の同様の可溶性の材料中にカプセル化される。図29を参照すると、1つまたは複数のカプセル162が、カテーテル、カニューレ、または他のタイプの分配デバイス96を使用して患者の子宮42内に配置される。スタイレット(図示せず)は、子宮腔中にカプセル(単数または複数)162を押し込みそして配置するために使用され得る。子宮組織との接触によって、カプセル162の膜の溶解が生じ、そしてそれによってカプセル化された材料が展開する。あるいは、カプセル162は、溶解プロセスを加速するためにカテーテル96から分配された別の溶液で潅漑され得る。カプセル化された材料は、自己拡張材料または自己分散材料(例えば、液体、ゲル、泡、成形された泡、または他の同様の材料)であり得る。自己拡張材料は、接着の形成の間に組織によって吸収され得る。あるいは、自己拡張材料は非吸収性であり得、そしてそれによって、組織の内殖および続く接着の形成のための足場または構造を形成する。
【0112】
図30Aおよび30Bに示される代替の実施形態においては、展開ツールは、カテーテル96および漏斗166の内部に収容されるパラチューブ164を含む。漏斗166は、子宮頚部を拡張し、そしてパラチューブ164を、それが漏斗166を通じて患者の子宮42内に前進する場合に扇形の構造に分割するように機能する。パラチューブ164の拡張した構造は、液体、ガス、または泡型の移植片40を、子宮腔全体にわたって分配させる。移植片40が子宮42内に分配された後、パラチューブ164はカテーテル96の内部に引き戻され、そしてツールが患者から取り出される。図30Cを参照すると、別の実施形態においては、パラチューブ164の遠位端に配置されたフック168が、移植片40のメッシュ上へのキャッチまたは引っ掛けのために使用され、子宮42の腔内にデバイス40が広げられる。引き込みおよび除去方法は、先に記載される方法と同様である。
【0113】
デバイス40の挿入が完了した後、減圧が子宮頚管を通じて子宮腔に適用され得る。あるいは、移植片またはデバイス40自体はまた、デバイス40中に組み込まれた濾過構成要素(子宮組織と適合性である)を有する。これは、濾過構成要素に対して適用される減圧を通じて空気の廃棄を可能にする。このように、接合デバイスが、カニューレ96/濾過構成要素に取り付けられ、そして子宮頚部50上にシールを作製するために使用される。組み込み相手デバイスを通じて軽い減圧を適用することによってシールを生じる。減圧は、周辺の子宮組織が、挿入されたデバイス40と良好に接触するように補助し、そしてそれによって、子宮表面の間での腔の架橋または接着の生成を助ける。減圧が子宮腔に適用される時間の長さは、患者の状態、および行われる手順に依存するが、減圧は一般的には、数分間、適用される。
【0114】
先に記載されているものと同様のプラグまたはキャップが、デバイス40を含むことをもまた補助するために、子宮頚部の中に挿入され得るか、またはそれを覆うように配置され得る。キャップは、デバイス40の移動または材料の移動を(特に材料が液体の構造である場合に)防ぐ。キャップは、経時的に周辺組織によって吸収される材料から作製され得る。キャップのこの構造によって、後の時間および/または二次的な手順の間にキャップを取り除く必要性を排除する。
【0115】
さらなるツールまたはデバイスもまた、本発明のデバイスと組合せて使用され得る。図31Aおよび31Bを参照すると、ツールは、デバイス170の長さに沿って段階的に指標または標識172を有している、カニューレ、カテーテル、または内腔に基づくデバイス170を含む。使用の間に、ツール170の遠位端174が患者の膣176に挿入される。カテーテル170の先端が子宮頚部の開口178に達すると、膣の開口の位置で見ることができるカテーテルの標識(すなわち、参照点1)が、医師/使用者によって記録される。カテーテル170は、さらに、子宮頚部を通じて患者の子宮42に、それが子宮42の後方の壁の基底部180に接触するまで、挿入される。カテーテル170の先端が子宮42の後方の壁180に接触すると、膣の開口で見ることのできるカテーテルの標識(すなわち、参照点2)もまた、医師によって記録される。このように、医師は次いで、子宮42の長さおよび/または子宮腔の充填容量を決定するために2つの参照点を使用する。
【0116】
一般的には、デバイス170上の標識は、医師が子宮42の充填範囲内の2つの参照点を決定することを可能にする。使用の間には、医師は、カテーテル170が子宮42のその最大の深さにある時に、液体移植片の分配を開始する。医師は、液体移植片の分配を続け、そして同時に、カテーテル170の先端が最少の深さに達するまで(参照点2によって示される)カテーテル170を引き込ませる。この構造においては、標識は、医師が充填する場所を理解することを生じるためのガイドとして作用する。さらに、標識はまた、医師が子宮腔の形状および分配のための材料の量を決定する(深さの測定、および可能である場合には、付随するアルゴリズムまたはチャートによる)ことをも可能にする。
【0117】
(標識技術)
月経過多症を軽減および/または排除することに加えて、本発明のデバイス40はまた、子宮のマーカーとしても使用され得る。マーカーは、任意の子宮内膜の増殖または異常(例えば、子宮内膜の過形成および/または子宮内膜の癌)を可視化および定量する能力を医師に提供する。これに関して、マーカーは、医師がそれによって他の特徴(増殖または他の不規則なもの)の差異を計測し得る絶対的な参照として使用され得る。本発明のマーカーはまた、子宮の断面または外径/内径が決定され得、そして続く診断手順を用いて比較され得るように、図の平面または位置を決定する(例えば、画像形成平面の深さを決定する)ことにおいて医師を補助するために使用され得る。マーカーはまた、非侵襲性の生検を行う場合には、画像形成技術のもとでのその部位への誘導のための目印としてマーカーを使用して、医師によって使用され得る。したがって、マーカーは、子宮内での可視的または寸法の差異を決定することにおいて医師を助ける目印として作用する。
【0118】
一般的には、マーカー構成要素は、長期間にわたって(すなわち、永久に)、子宮42の内部に形成される組織内に包埋されるかまたは移植される場合には、生体適合性でありかつ安定性である。このように、マーカー材料は、良好な寸法の安定性を有するべきであり、そして、超音波、磁気共鳴画像(MRI)、コンピュータートモグラフィー(CT)、X線、または他の一般的な画像形成技術(このような技術の任意の組合せを含む)を使用して画像形成された場合に、可視化が可能であるべきである。マーカーは、先に記載されている移植デバイス40、展開デバイス、および/または前処置デバイス中に取り込まれ得るか、または独立型デバイスとして提供され得る。
【0119】
移植片40と共に、またはその中に組み合わせられる場合には、マーカーは、医師が、短期間および長期間の両方で、移植片40の配置(すなわち、被覆、位置など)を決定すること、そして周辺組織における軌道/評価の変化を決定することを可能にする。図32に示される一実施形態においては、デバイス40のメッシュまたは他の接着促進物質は、マーカー182が固定された既知の位置に留まることを確実にするために、マーカー182(ビーズとして構成される)に接続される。図33を参照すると、本発明の別の実施形態においては、マーカー182は、接着促進物質40中に懸濁される。
【0120】
上記を参照すると、マーカーは、独立型デバイス(すなわち、診断ツール)として、または先に記載された他の手順もしくは移植片と組合せてのいずれかとして使用され得る。一般的には、独立型マーカーの設計は、診断ツールとして意図され、そして子宮内の可能性のある異常(例えば、繊維症、癌、または他の異常)の検出を補助するために、正常/健康な女性について使用される。独立型マーカーデバイスは、IUDの直径から0.04インチ(0.1cm)程度の小さい直径のビーズまでの大きさで変化し得る。一般的には、マーカーデバイスは、それがカテーテルまたは展開デバイスを通じて通過することが可能であるように十分に小さくあるべきであり、そして超音波または他の手段を通じて画像形成されるべきである。さらに、マーカーデバイスの大きさおよび/または形状はまた、マーカーが子宮の構造に適合することを可能にするように調節可能であり得る。したがって、マーカーデバイスの大きさは、子宮の大きさの予め決定された範囲の1つに対応するように選択され得るか、または患者の特定の子宮の大きさ/形状に適合するように挿入時に調節され得るかのいずれかである。
【0121】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、デバイス/移植片を適切に保つために使用され、それによって係留点として作用する構成要素であり得る。マーカーは、その位置を維持し、そして排除の可能性を最少にするために、子宮の壁または底に固定され得る。マーカーは、子宮壁に対するマーカーの接着を可能にするデバイス(例えば、カテーテルまたは他のタイプの展開デバイス)を用いて送達され得る。あるいは、マーカーはまた、移植片40の特徴でもあり得、そして移植片展開ツール/デバイスを通じて送達され得る。
【0122】
理想的なマーカーは、任意の角度で行われる画像形成を可能にし、そして個のマーカーが真の長さで常に可視化されることを可能にする。このような設計の一例は、球形のマーカーである。あるいは、中空等辺三角形の形状または設計もまた使用され得る。この構造においては、視検角度は、三角形の全ての辺が同じ長さである場合に、真の位置である。しかし、多数の他の形状もまた、2次元および3次元の両方の図を画像形成するために使用され得る。適用可能なマーカーの形状または設計の例としては、球型、チューブ型、ドーナッツ型、中空球体、湾曲した物体、または既知の大きさの任意の他の幾何学的な形状が挙げられる。
【0123】
さらに、マーカーは、子宮筋層、子宮内膜、または他の所望の組織もしくは部位の厚みを測定するための複数のノードまたは試験観察を医師に提供するために、一連の間隔を空けられた球/マーカーから構成され得る。複数のマーカーは、等しく間隔を空けられ得るか、または重要な測定点である間隔で間隔を空けられ得る。さらに、複数のマーカーは、同じ形状/大きさであっても、または個々のマーカー間を区別するために異なる形状/大きさであってもよい。医師は、検査の間にモニターされ得るそれぞれの部位で再現可能な測定値を作製するために、どのマーカーで測定値が取られたかを知ることが可能である。
【0124】
先に記載されるように、マーカーは、上記の技術のいずれかを使用して外部で画像形成される。例えば、超音波およびX線に基づく画像形成技術は、検出および/または画像形成のための異なる材料密度に依存する。したがって、マーカーは、周辺組織の密度とは異なる密度を有するべきである。密度の差異によって、画像形成デバイスが、マーカーの位置、および子宮、子宮筋、子宮頚部などの内部の種々の特徴へのその相対的な距離を正確に示すことが可能である。このように、密度の差異が大きければ大きいほど、画像の強度は大きい。
【0125】
非常に広範囲の材料が、マーカーについて使用され得る。なぜなら、水とは異なる密度を有する任意の材料(すなわち、組織)が容認可能であるからである。これらの材料の例として、ポリプロピレン、エチレン、チタン、ウレタン、ナイロン、GORE−TEX(登録商標)、PTFE、Nitinol(登録商標)、ステンレス鋼、タンパク質、または任意のタイプの安定した生物学的材料(体によって再吸収または吸収されない材料、すなわち骨、歯など)が挙げられるがこれらに限定されない。さらに、マーカーは、固体または中空構成要素のいずれかとして構成され得る。
【0126】
マーカーの表面仕上もまた、可視性/画像形成、およびマーカー中への組織の増殖のための重要な特徴であり得る。例えば、粗雑な表面仕上は、音波の屈折/偏向に起因して、超音波のもとでより容易に可視化される。さらに、表面のトゲまたはアンダーカットを伴って構成されたマーカーは、子宮組織に対してマーカーをしっかりと添付するだけではなく、組織の内殖をもまた促進し得る。したがって、全体的なデバイスの構造および材料の組成は、画像形成、およびマーカー内への周辺組織の内殖の両方を増強し得る。
【0127】
1つのマーカーだけが必要とされるが、複数のマーカーもまた使用され得る。詳細には、複数のマーカーが、目的の領域へのマーカーの配置に依存して、より正確な測定または良好な可視化を可能にする付加された利点を有し得る。
【0128】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、複数の画像形成モードを可能にするために、材料の組み合わせから作製され得る。例えば、マーカーの材料は、樹脂中に懸濁された金属を有するポリマー物質であり得る。この構造は、ポリマーの特徴と金属の特徴とが混合されたマーカーを生じる。これは、多数の形式でのマーカーの画像形成を可能にする。あるいは、マーカーはまた、中空部材を通過し得る液体(例えば、薬物)または気体で充填される中空部材であり得る。中空部材は次いで、放出された薬物の量を決定するために画像形成され、そしてそれによってマーカーとして作用する。代替的な実施形態においては、全ての液体が放散された後、中空部材は、シリンジを使用して再度充填され得る。この再充填技術は、静注(IV)薬物の調剤の業界で使用されている皮下アクセスデバイスとともに使用されるものと同様である。
【0129】
本発明の別の実施形態においては、マーカーは、移植片/デバイス40に対して適用される1つまたは複数のコーティングを含む。このようなデバイスの例として、染色されたメッシュまたはコーティングされたボールが挙げられる。さらに、コーティングは可溶性であり得、それによってコーティングされたデバイスが1つのタイプの画像形成技術を使用して最初に画像形成されることを可能にし、そしてコーティングが完全に溶解された後、代替的な長期間の画像形成技術を使用して画像形成される。このタイプのマーカーの構造の一例は、水溶性のX線不透過性インクでコーティングされたポリマービーズである。ビーズは最初に、X線透視法を使用して画像形成される。インクが溶解された後(一般的には、1〜3日以内)、ビーズは続いて超音波を使用して画像形成され得る。さらに、インクは、マーカーでの組織の内殖または形成に起因して溶解するように設計され得る。これによって、接着が十分に形成された時を、医師が正確に決定することが可能になる。なぜなら、インク/色素は、マーカーが完全に結合組織で取り囲まれる(すなわち、接着)場合に完全に溶解されるからである。
【0130】
代替的な実施形態においては、マーカーは、任意のまたは特定の癌細胞および/または癌組織に対して反応性である生物学的材料であり得る。反応は、生物学的材料のその特性(例えば、密度)の変化を引き起こし、これによってそれを超音波デバイスまたは他の画像形成機構を用いて画像形成が可能であるようにする。あるいは、生物学的材料は、液体/水分の浸潤を妨げるマーカーの外部部分上にコーティングされる物質であり得る。生物学的材料が特定の組織/細胞と接触する場合、得られる反応は、保護コーティングを多孔性にする。空隙率が増大するにつれて、画像のコントラストは減少する。したがって、疾患(特定の組織/細胞)が進行した状態である場合には、マーカーは、(多少なりとも)かろうじて画像形成が可能であるにすぎない。別の実施形態においては、空隙率が増大するにつれて、体液/液体/水分はマーカーデバイス内に浸潤し、これによってマーカーの物理的な構造の変化を生じる。例えば、構造は、湾曲させられ得るか、変形させられ得るか、全体の大きさが均一に拡大され得るか、大きさが均一に減少させられ得るか、大きさがランダムに拡大させられ得るか、または大きさがランダムに減少させられ得る。構造変化の程度は、疾患状態がどの程度進行しているかを示すために使用され得る。
【0131】
あるいは、生物学的材料はまた、癌細胞に遭遇した場合には、特異的な反応を引き起こし得る。例えば、反応は、子宮頚部を通じた分泌を促進する応答を生成し得る。分泌は、次いで、適切なスワブテストまたはアッセイテストを使用する患者の試験または診断の間に検出され得る。
【0132】
上記のパラメーターを考慮して、子宮マーカー182の1つの好ましい例が、子宮42と組合せて図34に示される。この1つの好ましい実施形態を用ると、子宮マーカー182は2つのマーカーの構成要素から構成される。これらは、既知の位置で子宮壁に対して固定される。この構造においては、子宮マーカー182は、先に記載される移植片/デバイス40の送達材料中に形成され得る。あるいは、子宮マーカー182は、独立して配置され得る。それにもかかわらず、一旦配置されると、子宮マーカー182は外部で画像形成され、したがって、1つまたは複数の特定の子宮の位置および特徴(例えば、子宮内膜組織の厚み)をモニターするための能力を提供する。子宮マーカー182は、子宮内膜組織の厚みの「ベースライン」を効率良く提供する。このベースラインの値は、子宮内膜組織における任意の変化を評価および定量化するために、続く読み取り値と比較され得る。例えば、1つの好ましい実施形態を用いて、マーカー構成要素は、最初に画像形成され、そして2つの構成要素の間の距離が決定され(すなわち、計算され)、そして保存され得る。後日、新しい距離値が、子宮マーカー182を含む子宮42を再度画像形成することによって決定され得る。距離の変化が見られる場合には、可能性のある異常(例えば、癌組織の形成)の早期同定が与えらる。
【0133】
子宮マーカーの別の例は、画像形成が可能な材料から形成され、そして子宮内膜組織に固定されるビーズを含む。ビーズは、画像形成デバイスによって見ることができる既知の直径または厚みを有する。さらに、画像形成機器はまた、子宮内膜組織のレベルの指標を、代表的には、異なる画像濃度の形式で提供する(例えば、子宮内膜組織は、子宮壁の残りの部分よりも対比して明るく見える)。既知の厚みを有するビーズを提供することによって、観察される子宮内膜組織の厚みと実際のビーズの直径/厚みとの間の関係が生成され得、そして記録され得る。続く観察/関係が記録され、そしてこのベースラインの測定値と比較され得る。任意の変化は、子宮の異常の予備的な指標を提供し得る。子宮マーカーのさらなる例として、子宮のさらなる空間的な方向性を提供するための、3個以上の構成要素を含有しているマーカー(例えば、T型デバイス)が挙げられる。
【0134】
厳密な形態にはかかわらず、子宮マーカーは、子宮癌または他の異常の早期の検出を大きく補助し、そして従来の診断技術または手順を用いては得ることができない主要な利点を与える。子宮マーカーを用いると、あらゆる医師が患者および画像を容易かつ迅速に評価でき、そして子宮マーカーの位置および関連する特性(例えば、マーカー構成要素間の距離)を従来の画像形成機器を使用して測定し得る。
【0135】
(他の適用)
上記に開示される技術はまた、動物における同様の疾患状態の処置のために獣医科学分野においても使用され得る。移植片の使用は、畜産家にとって、特に、ウマのような大きな動物の処置において特に有用であり得る。また、この移植システムは、霊長類における同様の疾患状態の処置における適用を有し得るか、または子宮内接着の生態およびその組織の形態学を研究するために使用され得る。
【0136】
子宮の障害を処置する有効な手段を提供することに加えて、本発明のデバイスおよびその使用方法は、痛み、感染、および手術後の病院での滞在を効率良く減少させる。さらに、種々の処置方法はまた、患者の生活の質を改善する。
【0137】
本発明を、特定の実施形態および適用に関して記載してきたが、当業者は、この教示に鑑み、特許請求される本発明の精神から逸脱することなくまたはその範囲を超えることなく、さらなる実施形態および改変を生成し得る。したがって、本明細書中の図面および記載が、本発明の理解を容易にするために例示目的で提供され、そしてその範囲を限定するようには解釈されるべきではないことが、理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【請求項1】
本明細書に記載の発明。
【図7】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図12C】
【図12D】
【図12E】
【図12F】
【図13A】
【図13B】
【図13C】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16A】
【図16B】
【図16C】
【図16D】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図8】
【図9A】
【図9B】
【図10】
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【図12B】
【図12C】
【図12D】
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【図13A】
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【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図15】
【図16A】
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【図16C】
【図16D】
【図17】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図20A】
【図20B】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29】
【図30A】
【図30B】
【図30C】
【図31A】
【図31B】
【図32】
【図33】
【図34】
【公開番号】特開2011−156379(P2011−156379A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−86839(P2011−86839)
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【分割の表示】特願2009−14806(P2009−14806)の分割
【原出願日】平成13年4月24日(2001.4.24)
【出願人】(502386260)インプレス メディカル, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月8日(2011.4.8)
【分割の表示】特願2009−14806(P2009−14806)の分割
【原出願日】平成13年4月24日(2001.4.24)
【出願人】(502386260)インプレス メディカル, インコーポレイテッド (2)
【Fターム(参考)】
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