説明

字幕編集装置、字幕編集方法、及びコンピュータプログラム

【課題】字幕が付加されている画像を再生する際に字幕と同時に画面上に表示する画像をユーザが変更すること、を支援することを図る。
【解決手段】表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力する編集画面出力部51と、字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力する操作情報入力部52と、該操作情報に応じて字幕データファイルの内容を変更する字幕データファイル編集部53と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、字幕編集装置、字幕編集方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、デジタル放送番組の要約コンテンツとしてアニメーション風の画像を生成する技術が、例えば特許文献1に記載されている。この特許文献1に記載される要約コンテンツ生成装置では、デジタル放送番組データに含まれる画像符号化データと字幕データを用いて、字幕を該字幕に対応する復号画像とともに画面上に表示する要約コンテンツを生成している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−081323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述した従来の要約コンテンツ生成装置では、デジタル放送番組データにおいて機械的に字幕の長さや切れ目を編集し、字幕に対応する最適な画像を選択するが、ユーザは、字幕の内容を変更したい、又は、要約コンテンツを再生する際に字幕と同時に画面上に表示する画像を自由に設定したい、という要望がある。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、要約コンテンツ等のように字幕が付加されている画像を再生する際に字幕と同時に画面上に表示する画像をユーザが変更すること、を支援することができる字幕編集装置、字幕編集方法、及びコンピュータプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明に係る字幕編集装置は、表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力する編集画面出力部と、前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力する操作情報入力部と、前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更する字幕データファイル編集部と、を備えたことを特徴とする。
【0007】
本発明に係る字幕編集装置において、前記編集画面出力部は、前記画面上に表示されている字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更する前記操作情報に応じて、前記画面上で字幕表示対象フレーム画像と共に表示した変更対象の字幕を変更先のフレーム画像と共に表示する字幕移動制御部を有する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る字幕編集装置において、前記字幕移動制御部は、前記変更対象の字幕を移動できる範囲を、前記変更対象の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像の直前に表示する字幕表示対象フレーム画像の直後のフレーム画像から、前記変更対象の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像の直後に表示する字幕表示対象フレーム画像の直前のフレーム画像までに制限する、ことを特徴とする。
【0009】
本発明に係る字幕編集装置において、前記編集画面出力部は、前記画面上で前記変更対象の字幕の移動中において順次共に表示するフレーム画像を拡大して表示する、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る字幕編集装置において、前記編集画面出力部は、前記画面上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像に連続するフレーム画像を拡大して表示する字幕周辺フレーム画像表示制御部を有する、ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係る字幕編集装置において、前記編集画面出力部は、前記画面上で字幕を選択する前記操作情報に応じて、前記画面上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を拡大して表示する字幕選択制御部を有する、ことを特徴とする。
【0012】
本発明に係る字幕編集装置において、前記編集画面出力部は、前記画面上に表示するフレーム画像の表示間隔を変更する前記操作情報に応じて、前記画面上でフレーム画像の表示間隔を縮小又は拡大する表示スケール制御部を有する、ことを特徴とする。
【0013】
本発明に係る字幕編集装置において、前記表示スケール制御部は、フレーム画像の表示間隔を操作する操作バーを前記画面上に表示し、前記操作バーが最大の縮小に操作された場合に、前記画像データファイル内の全フレーム画像を表示順序に従って前記画面上に並べて表示できる最大の表示間隔にする、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る字幕編集方法は、編集画面出力部が、表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力するステップと、操作情報入力部が、前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力するステップと、字幕データファイル編集部が、前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更するステップと、を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明に係るコンピュータプログラムは、コンピュータに、表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力するステップと、前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力するステップと、前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更するステップと、を実行させるためのコンピュータプログラムであることを特徴とする。
これにより、前述の字幕編集装置がコンピュータを利用して実現できるようになる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、要約コンテンツ等のように字幕が付加されている画像を再生する際に字幕と同時に画面上に表示する画像をユーザが変更すること、を支援することができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態に係るオーサリングシステム1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す字幕編集部32の構成を示すブロック図である。
【図3】画像データファイルの構成例である。
【図4】画像インデックスファイルの構成例である。
【図5】本発明の一実施形態に係る字幕編集画面100の構成例である。
【図6】本発明の一実施形態に係る編集全体画面1000の構成例である。
【図7】本発明の一実施形態に係る表示スケールの変更処理を説明するための画面例である。
【図8】本発明の一実施形態に係る字幕周辺フレーム画像の表示処理を説明するための画面例である。
【図9】本発明の一実施形態に係る字幕の移動処理を説明するための画面例である。
【図10】本発明の一実施形態に係る字幕の選択処理を説明するための画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るオーサリングシステム1の構成を示すブロック図である。図1において、オーサリングシステム1は、番組素材入力部10と中間ファイル生成部20と編集部30と出力ファイル生成部40を備える。番組素材入力部10は、編集の対象となるデジタル映像コンテンツを入力する。デジタル映像コンテンツは、字幕が付加されている画像を有する。デジタル映像コンテンツとしては、例えば、特許文献1に記載される要約コンテンツ生成装置が生成した要約コンテンツを利用することができる。
【0019】
中間ファイル生成部20は、番組素材入力部10によって入力されたデジタル映像コンテンツから、編集用の中間ファイルを生成する。編集部30は、中間ファイル生成部20によって生成された中間ファイルに対して、ユーザによる編集操作に応じた変更を加える。編集部30は、字幕編集部32を有する。字幕編集部32は、中間ファイルに対して、ユーザによる字幕編集操作に応じた変更を加える。なお、編集部30には、字幕編集部32以外に、チャプター編集機能や番組のメタ情報を編集する機能などを設けてもよい。
【0020】
出力ファイル生成部40は、編集部30から出力された中間ファイルを所定の映像フォーマットのファイルに変換する。この変換後のファイルは、デジタル映像コンテンツの出力ファイルとなる。
【0021】
図2は、図1に示す字幕編集部32の構成を示すブロック図である。図2において、字幕編集部32は、編集画面出力部51と操作情報入力部52と字幕データファイル編集部53を有する。編集画面出力部51は、表示スケール制御部54と字幕周辺フレーム画像表示制御部55と字幕移動制御部56と字幕選択制御部57を有する。
【0022】
字幕編集部32には、中間ファイル生成部20によって生成された中間ファイルのうち、画像データファイルと画像インデックスファイルと字幕データファイルとが入力される。図3は画像データファイルの構成例である。図4は画像インデックスファイルの構成例である。画像データファイル(video.dat)には、静止画像であるフレーム画像(jpeg1, jpeg2, jpeg3,・・・)が表示順序に従って格納される。画像インデックスファイル(index0.dat)には、画像データファイル(video.dat)内の各フレーム画像(jpeg1, jpeg2, jpeg3,・・・)の先頭のアドレス(固定長:4バイト)が格納される。
【0023】
字幕データファイルには、字幕と、字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報(例えば、フレーム番号)とが格納される。一つの字幕に関するデータは、例えば「フレーム番号<tab>字幕」という形式で、字幕データファイルに格納される。本実施形態では、字幕データファイル内の一つの字幕に関するデータの形式として「フレーム番号<tab>字幕」を用いる。
【0024】
編集画面出力部51は、字幕編集画面を出力する。字幕編集画面は、ユーザが字幕データファイル内のデータ「フレーム番号<tab>字幕」を変更することを支援する画面である。字幕編集画面は、表示装置(図示せず)で表示される。表示装置としては、CRT(Cathode Ray Tube)や液晶表示装置等であって、オーサリングシステム1に直接接続するものであってもよく、あるいは通信回線を介して接続するようにしてもよい。
【0025】
操作情報入力部52は、ユーザが字幕編集画面に基づいて入力装置(図示せず)を操作した内容である操作情報を入力する。入力装置としては、キーボードやマウス等であって、オーサリングシステム1に直接接続するものであってもよく、あるいは通信回線を介して接続するようにしてもよい。
【0026】
字幕データファイル編集部53は、操作情報入力部52から入力された操作情報に応じて、字幕データファイル内のデータ「フレーム番号<tab>字幕」を変更する。例えば、フレーム番号と字幕との対応付けを変更したり、又は、字幕の内容を変更したり、又は、字幕を削除(データ「フレーム番号<tab>字幕」を削除)したり、又は、字幕を追加(データ「フレーム番号<tab>字幕」を追加)したりする。
【0027】
以下、本実施形態に係る字幕編集部32の動作を順次詳細に説明する。
【0028】
[字幕編集画面出力]
図5は、本実施形態に係る字幕編集画面100の構成例である。編集画面出力部51は字幕編集画面100を出力する。字幕編集画面100上には、画像データファイル内の各フレーム画像F1、F2、F3等が表示順序に従って並べて表示される。図5の例では、フレーム画像F1、F2、F3等が字幕編集画面100の上下方向に一列に並べて表示されている。字幕編集画面100には、画面を上下方向にスクロールさせるためのスクロールバー110が設けられる。
【0029】
さらに、字幕編集画面100上には、字幕データファイル内の字幕J1、J2、J3等が字幕表示対象フレーム画像と共に表示される。編集画面出力部51は、字幕データファイル内のデータ、例えば「フレーム番号(F4)<tab>字幕(J1)」を用いて、字幕(J1)に対応する字幕表示対象フレーム画像としてフレーム画像F4を特定し、図5の字幕編集画面100上に字幕J1とフレーム画像F4を共に表示させる。図5の例では、フレーム画像F4の表示位置に近接する位置に字幕J1を表示している。字幕J1の表示位置は、他の字幕よりも、フレーム画像F4の表示位置に近い。これにより、ユーザは、字幕J1の字幕表示対象フレーム画像がフレーム画像F4であることを認識することができる。
【0030】
又、編集画面出力部51は、字幕の有無によってフレーム画像F1、F2、F3等の表示間隔を調整する。図5の例では、複数の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像が連続するフレーム画像である場合には、そうでない場合に比べてフレーム画像の表示間隔を狭くしている。例えば、字幕J2、J3、J4に対応する字幕表示対象フレーム画像は連続するフレーム画像F9、F10、F11であるために、フレーム画像F9、F10、F11の表示間隔は狭くなっている。これにより、一定の画面サイズにおいてフレーム画像と字幕を効率的に表示させることを図っている。
【0031】
なお、図6に示されるように、字幕編集画面100を他の画面1100、1200と組み合わせて表示装置で表示させるようにしてもよい。図6において、画面1000は、編集部30が出力する編集全体画面である。画面1100は、字幕編集画面100上で選択されているフレーム画像F4のプレビュー画面である。このとき、フレーム画像F4は字幕J1の字幕表示対象フレーム画像であるので、プレビュー画面上にはフレーム画像F4と共に字幕J1が表示される。画面1200は、チャプターを選択するための画面である。字幕を選択する操作としては、例えば、ユーザがマウスを用いて字幕編集画面100上でポインタを字幕上に移動してクリックすることが挙げられる。
【0032】
[表示スケール変更]
図7は、本実施形態に係る表示スケールの変更処理を説明するための画面例である。表示スケール制御部54は、操作情報入力部52から入力された表示スケール変更に係る操作情報に応じて、字幕編集画面100上でフレーム画像の表示間隔を縮小又は拡大する。
【0033】
図7において、字幕編集画面100上には、表示スケールを変更するための表示スケール操作バー210が設けられる。本実施形態では、表示スケール制御部54は、表示スケール操作バー210が右方向へ移動されるとフレーム画像の表示間隔を縮小し、左方向へ移動されるとフレーム画像の表示間隔を拡大する。表示スケール制御部54は、表示スケール操作バー210の位置に応じて、フレーム画像の表示間隔を決定する。表示スケール制御部54は、表示スケール操作バー210が最右端に位置する場合(つまり、最大の縮小に操作された場合)に、画像データファイル内の全フレーム画像を表示順序に従って字幕編集画面100上に並べて表示できる最大の表示間隔にする。
【0034】
図7の例では、図7(1)の字幕編集画面100において、ユーザが表示スケール操作バー210を図7(2)の位置まで右に移動させる。この表示スケール操作バー210に係る操作情報によって、表示スケール制御部54はフレーム画像の表示間隔を縮小させる。この結果、図7(1)の字幕編集画面100から図7(2)の字幕編集画面100へと表示内容が変わり、より多くのフレーム画像および字幕が一画面内に表示される。
【0035】
[字幕周辺フレーム画像表示]
図8は、本実施形態に係る字幕周辺フレーム画像の表示処理を説明するための画面例である。字幕周辺フレーム画像表示制御部55は、字幕編集画面100上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像に連続するフレーム画像を拡大して表示する。
【0036】
図8(1)において、字幕編集画面100上では字幕J23が選択されている。フレーム画像F40は字幕J23の字幕表示対象フレーム画像である。図8の例では、編集画面出力部51は、選択されている字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40を、他のフレーム画像よりも拡大して表示する。ここで、ユーザが所定の操作(例えば、シフトキー押下)を行うと、字幕周辺フレーム画像表示制御部55は、選択されている字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40に連続するフレーム画像を初期サイズよりも拡大して表示する。この字幕表示対象フレーム画像F40に連続するフレーム画像を拡大したときのサイズは、初期サイズよりも大きく、且つ、選択されている字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40のサイズよりも小さい。
【0037】
これにより、図8(2)に例示されるように、字幕周辺フレーム画像表示制御部55は、字幕編集画面100上で、選択されている字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40に連続するフレーム画像F30〜F39、F41〜F45を初期サイズよりも拡大して表示する。これらフレーム画像F30〜F39、F41〜F45のサイズは、初期サイズよりも大きく、且つ、選択されている字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40のサイズよりも小さい。字幕周辺フレーム画像表示制御部55は、図8(2)の字幕編集画面100上には、サイズ的に表示可能な個数のフレーム画像だけを表示する。
【0038】
ユーザは、選択した字幕J23の字幕表示対象フレーム画像F40に連続するフレーム画像F30〜F39、F41〜F45が初期サイズよりも拡大して表示されるので、それらフレーム画像F30〜F39、F41〜F45を視認しやすい。これにより、ユーザは、字幕J23の字幕表示対象フレーム画像として現在のフレーム画像F40よりも適切なフレーム画像を、フレーム画像F40に連続するフレーム画像F30〜F39、F41〜F45の中から見つけやすくなる。例えば、字幕J23の現在の字幕表示対象フレーム画像F40に問題(例えば、画像の乱れ、フレーム画像内にテロップの表示あり等)があった場合には、フレーム画像F40に連続するフレーム画像F30〜F39、F41〜F45の中から適切なフレーム画像を選んで字幕J23の字幕表示対象フレーム画像に更新することが挙げられる。
【0039】
[字幕移動]
図9は、本実施形態に係る字幕の移動処理を説明するための画面例である。字幕移動制御部56は、操作情報入力部52から入力された字幕移動に係る操作情報に応じて、字幕編集画面100上で字幕表示対象フレーム画像と共に表示した変更対象の字幕を変更先のフレーム画像と共に表示する。この字幕の移動処理は、ユーザが、字幕編集画面100上に表示されている字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更することを支援する処理である。
【0040】
図9(1)において、字幕編集画面100上では字幕J8が選択されている。フレーム画像F18は字幕J8の字幕表示対象フレーム画像である。図9の例では、編集画面出力部51は、選択されている字幕J8の字幕表示対象フレーム画像F18を、他のフレーム画像よりも拡大して表示する。ここで、ユーザが、字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更する所定の操作(例えば、字幕J8を変更先のフレーム画像までドラッグする)を行うと、字幕移動制御部56は、図9(2)に例示されるように、選択されている字幕J8を変更先のフレーム画像F173と共に表示する。そして、編集画面出力部51は、選択されている字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像としてフレーム画像F173を拡大して表示する。これにより、字幕データファイル編集部53は、字幕データファイル内の字幕J8に係るデータを、「フレーム番号(F18)<tab>字幕(J8)」から「フレーム番号(F173)<tab>字幕(J8)」に変更する。
【0041】
字幕移動制御部56は、字幕表示対象フレーム画像を変更する対象の字幕を移動できる範囲を制限する。この字幕の移動範囲の制限について、図9(1)の例を挙げて説明する。図9(1)の字幕編集画面100上において、字幕表示対象フレーム画像を変更する対象の字幕J8を移動できる範囲は、変更対象の字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像F18の直前に表示する字幕表示対象フレーム画像F17の直後のフレーム画像F171から、変更対象の字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像F18の直後に表示する字幕表示対象フレーム画像F19の直前のフレーム画像F181までである。
【0042】
この字幕の移動範囲の制限によって、ユーザは、図9(1)の字幕編集画面100上において、変更対象の字幕J8を、フレーム画像F171からF181までの間にあるフレーム画像にしか移動することができない。この制限は、字幕位置の逆転を防ぐためである。図9(1)の字幕編集画面100上において、字幕J8を字幕表示対象フレーム画像F18の直前に表示する字幕表示対象フレーム画像F17以前のフレーム画像に移動してしまうと、字幕J8よりも前の字幕J7との間で、字幕位置が逆転してしまう。同様に、字幕J8を字幕表示対象フレーム画像F18の直後に表示する字幕表示対象フレーム画像F19以降のフレーム画像に移動してしまうと、字幕J8よりも後の字幕J9との間で、字幕位置が逆転してしまう。このような不都合を防ぐために、字幕を移動できる範囲を制限するのである。
【0043】
編集画面出力部51は、図9(1)の字幕編集画面1000内のプレビュー画面1100上に、選択されているフレーム画像F18および字幕J8を表示する。そして、ユーザが、選択している字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更する操作として字幕J8を字幕編集画面100上で移動させると、編集画面出力部51は、字幕J8の移動に伴って変わる変更先のフレーム画像を順次、プレビュー画面1100上に拡大して表示する。これにより、ユーザは、変更先のフレーム画像を視認しやすくなる。
なお、ユーザが、選択している字幕J8に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更する操作として字幕J8を字幕編集画面100上で移動させると、編集画面出力部51は、字幕J8の移動に伴って変わる変更先のフレーム画像を順次、字幕編集画面100上で拡大して表示するようにしてもよい。これにより、プレビュー画面1100が具備されない場合であっても、ユーザは、変更先のフレーム画像を視認しやすくなる。
【0044】
[字幕選択]
図10は、本実施形態に係る字幕の選択処理を説明するための画面例である。字幕選択制御部57は、操作情報入力部52から入力された字幕選択に係る操作情報に応じて、字幕編集画面100上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を拡大して表示する。
【0045】
図10(1)において、字幕編集画面100上では字幕J10が選択されている。フレーム画像F20は字幕J10の字幕表示対象フレーム画像である。図10の例では、編集画面出力部51は、選択されている字幕J10の字幕表示対象フレーム画像F20を、他のフレーム画像よりも拡大して表示する。ここで、ユーザが、選択する字幕を変更する所定の操作(例えば、字幕を選択している状態で上キー又は下キーを押下)を行うと、字幕選択制御部57は、字幕編集画面100上で変更先の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を拡大して表示する。
【0046】
図9(1)の例では、ユーザが字幕J10を選択している状態(字幕J10の字幕表示対象フレーム画像F20が他のフレーム画像よりも拡大して表示されている状態)で下キーを押下する。これにより、字幕選択制御部57は、字幕J10の直後の字幕J11に対応する字幕表示対象フレーム画像F21を初期サイズで表示されている他のフレーム画像よりも拡大して表示し、字幕J10の字幕表示対象フレーム画像F20の表示サイズを初期サイズに戻す。これにより、ユーザは、選択している字幕が字幕J10から字幕J11に変更されたことを容易に視認することができる。
【0047】
字幕データファイル編集部53は、操作情報入力部52から入力された字幕選択に係る操作情報によって、選択されている字幕を認識する。図10の例では、字幕J10が選択されている状態で下キーが押下されることによって、字幕データファイル編集部53は、選択されている字幕が字幕J10から字幕J10の直後の字幕J11に変更されたことを認識する。
【0048】
編集画面出力部51は、図10(1)の字幕編集画面1000内のプレビュー画面1100上に、選択されているフレーム画像F20および字幕J10を表示する。そして、ユーザが、選択する字幕を変更する操作を行うと、編集画面出力部51は、選択する字幕の変更に伴って変わる変更先のフレーム画像(字幕表示対象フレーム画像)を順次、プレビュー画面1100上に拡大して表示する。図10(2)の例では、編集画面出力部51は、変更後の字幕J11に対応する字幕表示対象フレーム画像F21をプレビュー画面1100上に拡大して表示している。これにより、ユーザは、変更先のフレーム画像(字幕表示対象フレーム画像)を視認しやすくなるので、字幕と字幕表示対象フレーム画像とが内容的に合致しているかを判断することが容易になる。
【0049】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
また、図2に示す字幕編集部32の各部が行う処理の各ステップを実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、字幕編集処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disk)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0050】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0051】
1…オーサリングシステム、10…番組素材入力部、20…中間ファイル生成部、30…編集部、32…字幕編集部、40…出力ファイル生成部、51…編集画面出力部、52…操作情報入力部、53…字幕データファイル編集部、54…表示スケール制御部、55…字幕周辺フレーム画像表示制御部、56…字幕移動制御部、57…字幕選択制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力する編集画面出力部と、
前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力する操作情報入力部と、
前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更する字幕データファイル編集部と、
を備えたことを特徴とする字幕編集装置。
【請求項2】
前記編集画面出力部は、
前記画面上に表示されている字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を変更する前記操作情報に応じて、前記画面上で字幕表示対象フレーム画像と共に表示した変更対象の字幕を変更先のフレーム画像と共に表示する字幕移動制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の字幕編集装置。
【請求項3】
前記字幕移動制御部は、前記変更対象の字幕を移動できる範囲を、前記変更対象の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像の直前に表示する字幕表示対象フレーム画像の直後のフレーム画像から、前記変更対象の字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像の直後に表示する字幕表示対象フレーム画像の直前のフレーム画像までに制限する、
ことを特徴とする請求項2に記載の字幕編集装置。
【請求項4】
前記編集画面出力部は、前記画面上で前記変更対象の字幕の移動中において順次共に表示するフレーム画像を拡大して表示する、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の字幕編集装置。
【請求項5】
前記編集画面出力部は、
前記画面上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像に連続するフレーム画像を拡大して表示する字幕周辺フレーム画像表示制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の字幕編集装置。
【請求項6】
前記編集画面出力部は、
前記画面上で字幕を選択する前記操作情報に応じて、前記画面上で選択された字幕に対応する字幕表示対象フレーム画像を拡大して表示する字幕選択制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の字幕編集装置。
【請求項7】
前記編集画面出力部は、
前記画面上に表示するフレーム画像の表示間隔を変更する前記操作情報に応じて、前記画面上でフレーム画像の表示間隔を縮小又は拡大する表示スケール制御部を有する、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の字幕編集装置。
【請求項8】
前記表示スケール制御部は、フレーム画像の表示間隔を操作する操作バーを前記画面上に表示し、前記操作バーが最大の縮小に操作された場合に、前記画像データファイル内の全フレーム画像を表示順序に従って前記画面上に並べて表示できる最大の表示間隔にする、
ことを特徴とする請求項7に記載の字幕編集装置。
【請求項9】
編集画面出力部が、表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力するステップと、
操作情報入力部が、前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力するステップと、
字幕データファイル編集部が、前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更するステップと、
を含むことを特徴とする字幕編集方法。
【請求項10】
コンピュータに、
表示順序が定められた複数のフレーム画像を有する画像データファイル内のフレーム画像を表示順序に従って画面上に並べて表示し、且つ、字幕及び字幕と同時に表示される字幕表示対象フレーム画像を特定するフレーム識別情報を有する字幕データファイル内の字幕を当該字幕表示対象フレーム画像と共に前記画面上で表示する字幕編集画面を出力するステップと、
前記字幕編集画面に基づいたユーザによる操作情報を入力するステップと、
前記操作情報に応じて、前記字幕データファイルの内容を変更するステップと、
を実行させるためのコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−142881(P2012−142881A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−1049(P2011−1049)
【出願日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(000208891)KDDI株式会社 (2,700)
【Fターム(参考)】