説明

学習曲線値を決定し、商品の対応する収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム

学習曲線値を決定し、商品の対応する収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。学習曲線値を決定する1つの方法により、商品の各ユニットを製造するための経常費用は、潜在学習曲線値の関数としてモデル化される。その後、商品の各ユニットを製造するための経常外費用が、潜在学習曲線値の関数としてモデル化される。次に、学習曲線値が経常費用モデルおよび経常外費用値に基づいて決定され、決定された学習曲線値における経常費用および経常外費用は、潜在学習曲線値全体で最小化される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に商品の学習曲線値の決定に関し、特に商品の対応する収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
今日の多くの製造業界では、企業は、製造商品の創作時に多くの問題を分析する。こうした問題の中では、企業は、研究開発にどの程度の資金を投入するべきか、最も良いのは急勾配の学習曲線かまたは緩勾配の学習曲線か、経常費用と経常外費用との間のトレードオフは何か、製造する最初のユニットのコスト(T#1コストと呼ぶ)を削減する際に資金を費やすべきか、自動化にどの程度投資するべきか、および最適利益は何かを分析する。現在、こうした問題に適切に答える技術は存在しない。一般に、データを収集し、正しい解答であると思われる判断を下すのは上層部に任される。これに関して、比較的古い多くの企業では、殆どの決定を有効にするのに役立つ多数の履歴データが存在する。
【0003】
上記のすべての問題の中で、最適な利益は何かという問題は事業の原動力である。どの企業も、それぞれの利益を最大限にすることを望んでいるであろう。これに関して、利益はコストと収入との間の平衡である。コストは、経常外および経常の2種類に分けることができる。これらのコストは、生産工場、製作用の特殊工具(自動化)、研究開発などを含む。経常費用は、製造ラインを開放しておくために継続的に(通常は年に1回)投資する必要があるコストである。こうしたコストとしては、材料、建造物の保守、労働者の賃金などを含む。経常外および経常費用の両方の合計は、一般に、プログラムの総費用と呼ばれる。
【0004】
製造分野およびその他の多くの分野では、経常費用は、一般に学習曲線に関連する。学習曲線は、長期にわたる改善レベルを表す。一般に、学習曲線は、仕事をする人の挙動を表すために使用される。製造商品を最初に生産しようとする場合、人はある速度で仕事をする。人は継続的に同じ仕事をするので、作業の質は次第に良好になり、より速い速度で作業することが可能である。こうした改善は、一般に、比較的多くのユニットを製造する際に継続する。したがって、学習曲線は、こうした改善を捕捉し、改善を経常費用に要素として含む方法である。これに関して、ユニット当たりの経常費用は、より多くのユニットが製造されると低下する。したがって、学習曲線は、人が製造ラインに不可欠な場合にのみ関連がある。ひいては、完全自動化ラインの場合、長期にわたる改善はないため、学習曲線は平坦である。
【0005】
経常費用が時間の経過と共に低下することは周知であるが、経常費用が開始するレベルは一般に知られていない。しかし、経常外費用と、経常費用の初期レベルとの間には関連性がある。この関連性はなぜ持続するかを理解するため、以下の単純な実施例を検討する。
【0006】
上記のとおり、特殊工具のコストは経常外費用に分類される。人は、こうした工具を使って商品のユニットを生産する。作業は、それほど特殊ではない工具を使って行うこともできるが、比較的長時間を要する場合がある。したがって、時間が長くなればなるほど、最初のユニットを製造するコストは増加する。経常費用の初期レベルを設定するのは、最初のユニットのコストである。一方、特殊工具には資金がかかり、その結果、経常外費用に影響する。これに関して、最初のユニットのコスト(経常費用)および経常外費用から、大まかな逆相関を描くことができる。一般に、経常外費用が増加するにつれて、最初の
ユニットのコストは低下する。
【0007】
経常外費用および経常費用は関連があるので、利益を最適化する両者間の平衡を発見し、事業の原動力である問題に答えることが望ましい。ただし、使用する学習曲線に応じて、経常費用は変化することには、常に留意しなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記の背景を考慮して、本発明の実施形態は、学習曲線値を決定し、商品の対応する収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。本発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、有利なことに、経常および経常外費用を含む商品製造コストをモデル化し、しかもこうしたコストの不確実性を考慮に入れることができる。その結果、システム、方法およびコンピュータプログラム製品は学習曲線値を決定し、それにより収益性を最大化することが可能である。さらに、本発明の実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、需要および対応する収益性をモデル化し、その際、商品価格と、購入する商品のユニット数との関連性、および商品の製造コストと関連する学習曲線値との関連性の多様性により表現することができる不確実な市場を比較的良く考慮に入れることが可能である。こうした不確実さを考慮に入れると、本発明の実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、収益性を比較的良好にモデル化して、こうした収益性を最大化することができる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に従うと、潜在学習曲線値の関数として収益性のモデルに基づく学習曲線値を決定するステップを含み、学習曲線値が、収益性学習曲線値全体で最大化されるように決定される方法が提供される。学習曲線値が収益モデルに基づいて決定されると、この方法は、学習曲線値モードを決定する前に収益性をモデル化するステップも含むことができる。この場合、商品を製造するための経常費用もモデル化することにより収益性をモデル化することが可能である。次に、経常費用は、T#1コストのモデルに基づいて複数の潜在学習曲線値の各々のT#1コストを潜在学習曲線値の関数として決定することによりモデル化することが可能である。したがって、経常費用は、T#1コストおよび学習曲線に基づいて、各々の潜在学習曲線値に関してモデル化することができる。
【0010】
T#1コストを決定する前に、T#1コストは、潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。これに関して、T#1コストは、商品を製造するための単価を選択し、その後、単価に基づいて商品の最初のユニットを製造するための固定費を決定することによりモデル化することができる。次に、差異要素は、差異および基準学習曲線値に基づいて潜在学習曲線値の関数として決定することができる。差異要素の決定後、T#1コストは、差異要素および固定費に基づいて潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。
【0011】
この方法が、学習曲線値を決定する前に、収益性のモデル化を含む場合、収益性は、商品を製造するための経常外費用をさらにモデル化することによりモデル化することができる。特に、経常外費用は、経常外費用と潜在学習曲線値との関連性を決定してモデル化することができる。次に、不確定値は、経常外費用に関連するリスク分布から選択することができる。その後、経常外費用は、経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性、および不確定値に基づいてモデル化することができる。
【0012】
収益性が、学習曲線値を決定する前にモデル化される実施形態では、収益性は、複数の潜在学習曲線値の各々に関してモデル化することができる。また、こうした実施形態では
、この方法は、市場の潜在能力分布に基づいて商品の予め規定されたユニット数を無作為に選択して予測するステップをさらに含むことができる。したがって、収益性は、予測市場に基づいて複数の潜在学習曲線値の各々に関してモデル化することができる。この方法は、様々な市場を繰り返し予測するステップを含むことができ、収益性は、各々の予測市場に関する複数の潜在学習曲線値についてモデル化される。次に、学習曲線値を決定することができるが、そのため、各々の予測市場に関して学習曲線値を特定して、収益性を学習曲線値全体で最大化し、その後、特定された各々の学習曲線値における平均収益性が、特定された学習曲線値全体で最大化されるように学習曲線値を決定する。
【0013】
本発明の他の局面に従うと、選択した潜在学習曲線値のT#1コストを決定し、その後、上記のように、商品を製造するための経常費用をモデル化するステップを含む方法が提供される。この方法は、上記のようにT#1コストをモデル化するステップを含むこともできる。T#1コストのモデル化では、この方法は、異なる学習曲線値に対応する複数の差異値も確立し、その後、曲線を適合させて、複数の差異値と対応する学習曲線値との間の関連性を規定することにより決定することができる。また、T#1コストのモデル化では、この方法は、異なる単価を繰り返し選択することを含むことができる。その後、この方法は、選択した各々の単価の経常費用をモデル化するステップを含むことができる。
【0014】
この局面に従う方法は、市場の潜在能力分布に基づいて、商品の予め規定された数のユニットを無作為に選択することにより、市場を予測するステップをさらに含むことができる。次に、経常費用は、予測市場に基づいてさらにモデル化することができる。商品が異なる市場で購入されるなどの場合、予測市場は、各々予め決定された数のユニット、および予め決定されたユニット当たり価格を有する予め規定された数の契約を含むことができる。こうした場合、経常費用は、予め規定された数の契約に基づいてさらにモデル化することができる。市場を予測するほかに、この方法は、経常費用モデルおよび需要モデルに基づいて、予測市場における商品の収益性をモデル化するステップを含むことができる。場合によっては、収益性は、さらに経常外費用モデルに基づいてモデル化することができる。異なる市場を繰り返し予測することにより、経常費用および収益性は、各々の予測市場に関してモデル化することができる。その後、経常費用および収益性は、各々の予測市場に関する複数の潜在学習曲線値についてモデル化することができる。したがって、学習曲線値は、収益性学習曲線値全体で最大化されるように、各予測市場の学習曲線値を特定し、その後、特定された各学習曲線値における平均収益性が、特定された学習曲線値全体で最大化されるように、学習曲線値を決定することにより決定することができる。
【0015】
本発明のさらに他の局面に従うと、経常外費用をモデル化するステップを含む方法が提供される。より詳細には、この方法は、経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定するステップを含む。たとえば、この関連性は、異なる学習曲線値に関連する複数の経常外費用値を確立し、その後、経常外費用値と潜在学習曲線値との間の関係を規定する曲線を確立することにより決定することができる。経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定した後、不確定値は、経常外費用に関連するリスク分布から選択することができる。次に、商品を製造するための経常外費用は、経常外費用と潜在学習曲線値との関連性、および不確定値に基づいてモデル化される。一実施形態では、たとえば、この方法は、異なる不確定値を繰り返し選択するステップを含む。この実施形態では、経常外費用は、選択した各々の不確定値についてモデル化することができる。
【0016】
本発明のこの局面に従う方法は、経常外費用モデル、経常費用モデルおよび需要モデルに基づく商品の収益性をモデル化するステップを含むこともできる。この場合、この方法は市場を予測し、その後、予測市場に基づいて収益性をさらにモデル化することができる。さらに、この方法は、異なる市場を繰り返し予測するステップを含むことができる。したがって、収益性は、各々の予測市場についてモデル化することができる。この方法は、
各々の予測市場に関する複数の潜在学習曲線値について収益性をモデル化するステップをさらに含むことができる。したがって、学習曲線値は、上記の方法などで決定することができる。
【0017】
有利なことに、本発明の様々な実施形態により、決められた学習曲線値、経常費用モデル、経常外費用モデルおよび/または収益性は、表計算ソフトウェアプログラムを作動させる処理要素を使ってモデル化することができる。こうした実施形態では、決められた学習曲線値、経常費用モデル、経常外費用モデルおよび/または収益性は、処理要素に結合された表示装置上に提示することができる。より詳細には、決められた学習曲線値は、決められた学習曲線値が経常費用および経常外費用の合計を最小限にする潜在学習曲線値として提示されるように、潜在学習曲線値の関数としての経常費用モデルおよび経常外費用モデルのディスプレーを提示することにより表示することができる。経常費用および経常外費用モデルは、たとえば、関連する潜在学習曲線値および/または予測市場における商品の関連するユニット数を含む様々な経常費用および/または経常外費用のプロットとして提示するなど、多くの方法で提示することが可能である。同様に、収益モデルは、たとえば、関連する潜在学習曲線値および/または予測市場における商品の関連するユニット数を含む様々な収益性のプロットとして提示することが可能である。
【発明の効果】
【0018】
したがって、本発明の実施形態は、学習曲線値を決定し、商品の対応する収益性およびコストをモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。有利なことに、本発明の実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、需要および関連する収益性をモデル化し、しかも商品価格と購入商品のユニット数との関連性における変動性、および商品を製造するコストと関連する学習曲線値との関連性における変動性をより良く説明することが可能である。したがって、本発明の実施形態は、収益性をより良くモデル化し、その結果こうした収益性を最大化することが可能である。
【0019】
本発明について一般的に説明したが、次に、添付の図面を参照する。図面は、必ずしも一定の縮尺で描かれているわけではない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明について、本発明の好ましい実施形態が示されている添付の図面に関して以下でより完全に説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で実現することができ、本明細書に記載する実施形態に限定されると解釈するべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が詳細かつ完全であり、本発明の範囲を当業者に完全に伝達するように提供される。同じ参照符号は、全体的に同じ要素を指示する。
【0021】
本発明の一態様によるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、商品を製造するための学習曲線値を決定するために提供される。より詳細には、この態様のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、不確実な将来の市場において商品を販売するために、利益を最大化する学習曲線値を決定することができる。簡潔に述べると、図1を参照すると、学習曲線値を決定する方法は、ブロック2に示すように、学習曲線値を決定する方法は、一般に、選択する規模の市場を予測することにより開始する。予測市場を選択した後、ブロック4に示すように、予測市場における商品の需要をモデル化することができる。需要のモデル化以前、モデル化時またはモデル化後、潜在学習曲線値は、ブロック6に示すように、潜在学習曲線値の集合から選択することができる。その後、予測市場における商品の製造に関連する経常費用は、ブロック8に示すように、選択した潜在学習曲線値に関してモデル化することができる。
【0022】
需要および経常費用をモデル化した後、予測市場における商品の売上高に関する粗利益は、需要および経常費用モデルに基づいてモデル化され得、その後、ブロック10に示すように、最大粗利益が決定され得る。しかし、商品の売上高に対する純利益をモデル化するため、商品の製造に関連する経常外費用も、選択した潜在学習曲線値に基づいてモデル化される。次に、経常外費用は、経常費用に追加して、やはりブロック8に示すように、商品を製造するための総費用を決定することができる。この場合、商品の売上高に対する純利益は、需要モデルおよび経常費用モデル、並びに経常外費用モデルに基づいてモデル化することができ、最大純利益は、ブロック10に示すように決定される。
【0023】
予測市場に関する粗利益および/または純利益を決定するプロセスは、ブロック12、14に示すように、潜在学習曲線の集合内のすべての潜在学習曲線に関して継続することができる。次に、決定された集合内のすべての学習曲線値に関する最大粗利益および/または純利益では、粗利益および/または純利益は、ブロック16に示すように、学習曲線値の関数としてモデル化することができる。その後、最適な学習曲線値は、ブロック18に示すように、集合内のすべての潜在学習曲線値全体の最大純利益(または、必要な場合は最大粗利益)に関連する学習曲線値として決定することができる。
【0024】
次に、需要、並びに経常費用、経常外費用および利益のモデル化について、より詳細に説明する。
【0025】
I.商品需要のモデル化
予測市場における商品の純利益のモデル化は、一般に、商品の需要のモデル化、および商品の製造に関連するコストのモデル化で開始する。経済上、製品は、概して2つの市場、つまり非差別化市場または差別化市場の一方で分類される。商品市場など、非差別化市場では、すべての競合商品は単一価格で提供される。たとえば、小麦、綿、銀および石油はすべて、一般的に単一価格で提供される商品である。一方、差別化市場では、競合商品は、個々の商品を特徴付ける特性で差別化することができる。したがって、差別化市場では、特徴的な特性は、異なる量の商品を異なる価格で販売することを可能にする。たとえば、自動車および航空機は共に、特性を区別することにより、異なる数量に対する異なる価格で販売することができる。
【0026】
非差別化市場では、すべての商品は、一般に、商品の各ユニットに対する単一価格に従って売買される。しかし、差別化市場では、商品価格は異なる可能性がある。これに関して、差別化市場における商品は、各ユニットに対して予め決定された価格で、商品の予め決定された数のユニットに関する契約に従って販売される。したがって、商品の収益性をより正確にモデル化するために、非差別化市場および差別化市場における商品に関して、商品の需要をモデル化することができる。
【0027】
A.非差別化市場における商品
非差別化市場における商品の需要は、一般に、商品のユニット当たり価格、および市場における商品の合計ユニット数に関する市場規模の関数であり、どちらも商品に応じて異なる。これに関して、将来におけるその後のある時点に関する需要のモデル化では、商品価格も市場規模も、ある量の不確実性を含むために特定することはできない。したがって、商品需要を最も正確にモデル化して、ユニット当たり価格および/または市場規模の不確実性を捕捉するには、需要は、一般に、商品が販売される予測価格の分布、および商品が販売される予測市場規模の分布に基づいてモデル化される。
【0028】
図2を参照すると、非差別化市場における商品需要のモデル化は、一般に、商品価格が、顧客が商品を購入するかどうかにどのように影響するかを決定することにより、商品のユニット当たり価格の不確実性を評価することで開始する。これに関して、商品の各ユニ
ットの購入価格の不確実性は、一般に、ブロック22に示すように、予め決定された価格における商品のユニット購入の価格感度分布に表現される。価格感度分布は、一般に、顧客がユニットを購入すると思われる個々の価格に、ユニット購入の確率を割り当てる。価格感度分布は、多くの異なる確率分布タイプの何れかに従って表現することができるが、一実施形態では、価格感度分布は、対数正規確率分布として表現される。こうした価格感度分布、並びに商品の需要および総収益のモデル化に関する詳細な情報については、本願と同時に出願された米国特許出願第 号「商品の需要および関連する収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products
for Modeling Demand and Associated Profitability of A Good)を参照。この特許出願の内容は、引用することにより全体を本願に援用する。
【0029】
有利なことに、実際のまたは仮定のコストデータが希薄である場合は特に、商品価格の不確実性または価格感度分布は、商品に関連する技術の開発状態に基づいて定義することができる。これに関して、多くの場合、商品の製造販売プロジェクトに関する決定には、メーカーが、プロジェクトの開発状態に関連する技術的リスクまたは技術的成熟度を概算して、プロジェクトの成功の確率およびプロジェクトに対する投資レベルを正確に決定する、つまりリスクおよびリターンの確率を決定する必要がある。これに関して、プロジェクトの開発は、開発段階が異なる様々な技術を含む1つまたは複数の異なる技術を含むことができる。
【0030】
技術的リスクに関する情報はメーカーにとって有用である可能性があるが、こうした情報は多くの場合は定性的である。たとえば、技術的リスクまたは技術的成熟度の定性的測定基準の1つのこのようなグループは、米航空宇宙局(NASA)が開発した技術成熟度(TRL)である。関連技術の開発状態を説明するため、商品に関連する各々の技術は成熟度の定性的測定基準に関連付けられ、各々の成熟度の定性的測定基準は分布に関連付けられる。したがって、各々の技術は、個々の成熟度の定性的測定基準の分布に関連付けられる。
【0031】
各々の技術を個々の成熟度の定性的測定基準の分布に関連付けた後、各々の技術について統一小売価格、つまり、より一般的には最適価格を選択する。次に、個々の成熟度の定性的測定基準および個々の最適価格に基づいて、各々の技術について価格分布を定義することができる。各々の技術に関する価格は、たとえばモンテカルロ法に従ってコスト分布から選択し、その後、これらの価格を一緒に合計して、商品に可能な1つの総価格を得ることができる。当業者に周知のように、モンテカルロ法は、不確実な変数の値を無作為に生成して、あるモデルをシミュレートする方法である。次に、各々の技術に関するその他の多くの価格は、可能なその他の多数の総価格を得るための方法と同様に選択肢、一緒に合計することができる。すべての総価格から、平均および標準偏差を決定して、それにより価格感度分布を画定することができる。価格感度分布を決定するこうした方法に関する詳細は、本願と同時に出願された米国特許出願第 号「技術成熟度レベルに基づいて商品の金銭的測定基準をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for Modeling a Monetary Measure for A Good Based Upon Technology Maturity Levels)を参照。この特許出願の内容は、引用することにより全体を本願に全体を本願に援用する。
【0032】
価格感度分布をどのように決定するかに関係なく、商品価格の不確実性を要因として商品価格に考慮するほかに、商品が購入される市場規模の関数として需要を有利にモデル化
し、その結果、不確実性を市場規模に考慮することができる。これに関して、市場規模の不確実性は、図2のブロック24に示すように、価格を含むすべての消費者の要件が満たされることを仮定して、消費者が購入する商品の合計ユニット数を意味する市場の潜在能力として一般に表現される。市場の潜在能力は、商品の予め決定されたユニット数を購入する消費者の分布として一般に表現される。市場の潜在能力分布は、一般に、消費者のすべての要件が満たされることを仮定して、消費者が購入する各々の商品のユニット数に確率を割り当てる。市場の感度分布と同様、市場の潜在能力分布は多くの異なるタイプの分布の何れかで表現することができるが、一実施形態では、対数正規確率分布として表現される。こうした市場の潜在能力分布に関する詳細は、米国特許出願第 号「商品の需要および関連する収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for Modeling Demand and Associated Profitability of A Good)を参照。
【0033】
上記のとおり、商品需要は、商品が販売される市場規模の関数としてモデル化される。したがって、商品需要をモデル化するにあ、予め規定された商品の合計ユニット数の予測市場を市場の潜在能力分布から選択する。有利なことには、予測市場におけるユニット数は、ブロック26に示すように、予め規定された商品のユニット数を無作為に選択するための方法、たとえばモンテカルロ法に従って選択される。以下に記載するとおり、様々な予測市場を繰り返し選択することにより、各々の予測市場に関して対応する商品需要モデル化して、異なる市場規模が商品需要にどのように影響するかを容易に理解することができる。
【0034】
メーカーは、一般に、すべての(つまり、100%)の商品市場を捕捉することができないため、メーカーが捕捉する異なる割合の市場を考慮するように、商品需要をモデル化することが可能である。したがって、選択する予測市場から、市場浸透度分布は、ブロック28に示すように、予測市場の対応する割合を表す異なるユニット数に基づいて決定することができる。たとえば、図4に示すように、商品が700ユニットの市場規模では、350ユニットの販売は50%の市場浸透度に対応する。市場浸透度分布が決定されると、価格感度分布および市場浸透度分布に基づいて需要をモデル化することができる。価格感度分布と市場浸透度分布とを結合するには、先ず、価格感度分布を図3に示す(図2、ブロック30参照)逆累積フォーマットで再計算する。明らかなとおり、逆累積分布は、一定の値より大きいかまたは一定の値に等しい数、比率または割合を表す。これに関して、価格感度分布の逆累積は、少なくとも予め決定された価格で、つまり予め決定された価格以上で商品を購入することを望む顧客の分布を表す。
【0035】
価格感度分布を再計算すると、予測市場に対する製品需要は、図2のブロック32に示すように、価格感度分布の逆累積および市場浸透度分布に基づいてモデル化することができる。これに関して、需要は、顧客が少なくとも一定の価格で、つまり一定の価格以上で購入するユニット数を表す。需要をモデル化するには、価格感度分布の逆累積の確率の割合は、市場浸透度分布からの予測市場の対応する割合に関連付ける。したがって、市場浸透度分布からの商品の複数の異なるユニット数の各々は、個々のユニット数の市場浸透度の割合に等しい確率の割合を有する逆累積価格感度分布からの最小ユニット当たり価格に関連する。したがって、需要モデルは、予測市場において販売される複数の異なるユニット数として考えることができ、各々のユニット数は、消費者が個々のユニット数を購入する対応する最小価格を有する。たとえば、合計700に達し、市場浸透度100%の商品数は、100%の確率の割合を有する7,700万ドルのユニット当たり価格に関連する。その結果、この需要モデルによると、700ユニットの商品が少なくとも7,700万ドルで販売されることになる。需要モデルは、多くの方法の何れか1つで表現することができるが、一実施形態では、需要モデルは、図5に示すように、予測市場で販売されてい
る異なるユニット数と対比して、消費者が商品のユニットごとに支払う最低価格を表すことにより需要曲線として提示される。
【0036】
商品需要は、価格感度分布の逆累積および市場浸透度分布に基づくことが分かるであろう。したがって、価格感度分布の逆累積および市場浸透度分布を決定するステップは、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、互いに対してどのような順序でも行うことができる。たとえば、価格感度分布は、市場の潜在能力分布から市場浸透度分布を決定する時の何れかまたはすべてのステップの前に、逆累積フォーマットで書き直すことができる。
【0037】
モンテカルロ法に従って選択した予測市場におけるユニット数が異なる場合、図6に示すように、異なる市場浸透度分布、ひいては異なる需要モデルが決定されることも分かるであろう。したがって、需要モデルは、商品需要に影響を与える市場規模を考慮に入れることができる。これに関して、異なる予測市場を繰り返し選択し、方法を繰り返すことにより、各々の予測市場における商品需要をモデル化することができる。上記のとおり、かつ以下で詳細に説明するとおり、商品需要は、予測市場における経常費用を使ってモデル化でき、その結果、予測市場における商品の粗利益をモデル化でき、次に、最適なユニット当たり価格および販売するユニット数など、予測市場に関する結論を決定するために使用することができる。次に、この結論を使用して、選択した学習曲線値に関する経常外費用を決定することにより、予測市場における商品の純利益をモデル化することができる。また、異なる予測市場に対してこの方法を繰り返すことにより、各々の予測市場に関して総収益性および純利益性をモデル化することができる。次に、たとえばメーカーが予測市場、並びに総収益性および純利益性モデルに関する結論を使用すると、市場における商品価格およびユニット数の不確実性が商品の需要、コストおよび収益性にどのように影響するかを容易に理解することができる。こうして理解すると、メーカーは、商品の各々のユニットを販売する価格、および製造する商品のユニット数を選択するためにより良い立場を取ることができる。
【0038】
B.差別化市場における商品
非差別化市場の場合と同様、不確実な市場における商品需要を最も正確にモデル化するには、需要は、商品の販売可能価格の分布、および商品の販売可能市場規模の分布に基づいてモデル化することが好ましい。しかし、差別化市場の商品は、非差別化市場の商品とは異なり、ユニット当たり価格は市場全体で均一ではない。これに関して、商品のユニット当たり価格は、市場を構成する商品のユニットを含む複数の契約の各々の範囲内では均一にすることができる。さらに、または代わりに、商品のユニット当たり価格は、1〜100ユニットの商品を750万ドル、101〜200ユニットを70万ドル、201〜300ユニットを65万ドルという契約など、契約の一定数の商品の範囲内では均一にすることができる。したがって、差別化市場内で購入される商品の需要を最も正確にモデル化するには、各々の契約における商品のユニット数も考慮しなければならない。また、各々の契約内のユニット数は変化する可能性があるため、その他の分布に関連して、契約当たりのユニット数を使用することが好ましい。
【0039】
次に、図7を参照すると、差別化市場における商品需要は、一般に、非差別化市場における需要のモデル化と同様に開始し、つまり、商品価格が、顧客が商品を購入するかどうかにどのように影響するかを決定することにより、商品のユニット当たり価格の不確実性を評価することで開始する。これに関して、商品の価格感度は、ブロック34に示すとおり、従来と同様に価格感度分布を使って表現される。市場の潜在能力は、ブロック36に示すように、予め決定された商品のユニット数を購入する消費者の市場の潜在能力分布により、従来と同様に表現することができる。また、従来と同様、需要は、商品が販売される市場規模の関数としてモデル化されるため、市場規模の不確実性を考慮に入れることが
できる。したがって、予測市場に基づいて製品の需要をモデル化するには、ブロック38に示すように、モンテカルロ法に従って予測市場における予め画定された商品のユニット数を市場の潜在能力分布から選択する。非差別化市場の場合と同様、以下で述べるとおり、異なる予測市場を繰り返し選択することにより、差別化市場において購入される対応する商品需要は、各々の予測市場についてモデル化することができる。
【0040】
上記のとおり、非差別化市場は、非差別化市場の商品がすべて、個々のユニットに基づく異なる価格とは対照的に均一な価格で売買されるという点で、差別化市場とは異なる。差別化市場では、商品は、各々の契約が各々のユニットに予め決定された価格の予め決定された商品のユニット数を指定する契約に従って販売される。そのようなものとして、予測市場に対して多くの価格が存在する(各契約に対して1つ)。そのようなものとして、差別化市場の場合、商品需要のモデル化は、市場の契約数における不確実性、並びに各契約における予め決定された商品のユニット数、および各契約の各ユニットが購入される予め決定されたユニット当たり価格における不確実性の評価をさらに含む。これに関して、各契約のユニット数の不確実性は、ブロック40に示す契約分布ごとのユニットを決定して評価することができる。
【0041】
価格感度および市場の潜在能力分布と同様、契約分布ごとのユニットは、一般に、各契約に含まれる商品のユニットの分布として表現される。契約分布ごとのユニットは、一般に、特定の契約に含まれる個々のユニット数の各々に確率を割り当てる。契約分布ごとのユニットは、多くの異なる確率分布タイプの何れかに従って表現することができるが、一実施形態では、対数正規確率分布として表現される。契約分布ごとのこうしたユニットに関する詳細は、米国特許出願 号「商品の需要および関連する収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for Modeling Demand and Associated Profitability of A Good)を参照。
【0042】
契約分布ごとの価格感度分布およびユニットにより、契約購入回収額は、各契約が商品のユニット数および関連するユニット当たり価格を有する多数の契約を含むように決定することができる。契約購入回収額を決定する前に、予測市場は、たとえばモンテカルロ法により選択することができ、したがって、契約購入回収額内に含まれるすべての契約の合計ユニット数は、予測市場に基づくことが可能である。次に、メーカーによる予測市場の全体的な捕捉(つまり、市場全体におけるユニット全体の販売)は、予測市場におけるユニット数に等しく設定することができる。予測市場の全体的な捕捉未満を仮定すると、契約全体のユニット数は、予測市場におけるある割合のユニット数に等しく設定することができる。以下に記載する本発明の方法は予測市場に言及しているが、予測市場の全体的な捕捉未満を改定する場合、予測市場におけるユニット数の代わりに、予測市場の仮定された捕捉を使用することが好ましい。
【0043】
契約購入回収額を決定するには、たとえば相関係数を通して、価格感度分布と契約分布ごとのユニットとの間の関連性を最初に確立する(図7、ブロック42参照)。相関係数は、多くの方法の何れかで選択することができるが、非正数であるべきである。たとえば、一実施形態では、相関係数は、商品または類似商品の過去の多くの契約販売であって、各々の販売がユニット当たり価格当たりの商品のユニット数を含む契約販売に基づく従来技術に従って決定される。こうした相関係数の詳細は、米国特許出願 号「商品の需要および関連する収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for Modeling Demand and Associated Profitability of A Good)を参照。
【0044】
価格感度分布を契約分布ごとのユニットに関連付けると、契約購入回収額は、先ず、ブロック44に示すように、各契約における契約数およびユニット数を決定することができる。契約数は、同じかまたは類似商品の過去の契約に基づく各契約における予測市場およびユニット数に基づいて、予め規定された契約数を選択するなど、多くの異なる方法の何れかで決定することができる。予測市場と同様、各契約におけるユニット数は、一般に、契約分布ごとのユニットに基づいて、モンテカルロ法に従って決定される。予測市場は、市場において予め規定された商品のユニット数を含むように規定されたため、予測市場内の各契約における合計ユニット数は、予測市場における予め規定されたユニット数の合計であるか、または代替的には、予測市場の合計市場捕捉未満が推定される場合、予め規定されたユニット数の割合の合計である。これに関して、モンテカルロ法は、予測市場内の各契約の合計ユニット数が、予測市場内の予め規定されたユニット数(または予め画定された数の割合)を超えない限り、各契約の異なるユニット数を繰り返し選択するために使用することができる。予測市場内の予め画定された契約数の異なるユニット数を繰り返し選択することにより、予測市場に対する多くの異なる契約購入回収額を決定することができる。
【0045】
各契約のユニット数が決定される時点か、またはユニット数が決定された後、各契約のユニットの対応するユニット当たり価格は、ブロック46に示すように、個々の契約のユニット数、価格感度分布、および契約分布ごとのユニットと価格感度分布との間の相関関係に基づいて決定される(たとえば、モンテカルロ法に従って)。契約ごとのユニット数、および各契約のユニットの対応するユニット当たり価格を使用すると、契約購入回収額は、ブロック48に示すように、各契約が、一定のユニット当たり価格における対応する商品のユニット数を有する複数の契約として決定することができる。契約購入回収額は、多くの方法の何れか1つで表現することができるが、一実施形態では、契約購入回収額は、681ユニットの予測市場および60%の推定市場捕捉率(つまり、409ユニット)として図8に示すように、対応するユニット当たり価格における各契約のユニットの散布図として表現される。
【0046】
上記のとおり、契約購入回収額は、価格感度分布と契約分布ごとのユニットとの間の相関関係を決定することにより決定することができる。しかし、契約購入回収額は、多くの異なる方法のどれでも決定することができる。たとえば、契約購入回収額は、相関関係を決定し、その後、規定された契約数(たとえば、100件の契約)を無作為に選択するなど、契約数を選択することにより決定することができる。次に、この契約数で、各契約について価格感度分布、および契約分布ごとのユニットを規定し、分布は、1つまたは複数の契約間で異なっても、規定されたすべての契約数全体で同じであっても良い。分布が1つまたは複数の契約間で異なる場合、相関関係は同様に異なって良いが、分布がすべての契約で同じである場合、相関関係はすべての契約全体で同じであることが好ましい。価格感度分布からの値、および契約分布ごとのユニットは、一般に、相関関係値を使用してモンテカルロ法に従って生成される。したがって、各契約のユニット当たり価格は、契約ごとのユニットが決定される前、決定された後または決定される時に決定することができるとも考えられる。
【0047】
次に、規定された各々の契約に関して、たとえば、モンテカルロ法による契約分布ごとのユニット数から、個々の契約のユニット数を決定することができる。次に、規定された契約の各々に関して、個々の契約のユニット数、価格感度分布、および契約分布ごとのユニットおよび価格感度分布との間の相関関係に基づいて、対応するユニット当たり価格を決定することができる。その後、従来どおり、契約ごとのユニット数、および各契約内のユニットの対応するユニット当たり価格を使用すると、契約購入回収額は、各契約が、一定のユニット当たり価格の対応する商品のユニット数を有する複数の契約として決定する
ことができる。
【0048】
従来どおり、予測市場における商品需要は、消費者が、少なくとも一定の価格で購入するユニット数を表す。これに関して、各契約のユニット当たり価格は、最高ユニット当たり価格から降順にランク付けすることができる。次に、図7のブロック50に示すように、各々の異なるユニット当たり価格に対する累積ユニット数を計算することができる。その結果、各々の価格の累積ユニット数は、個々の価格以上のユニット当たり価格で販売されるすべての契約全体で累積数のユニットに等しくなる。たとえば、最高ユニット当たり価格に関連する累積ユニット数は、最高ユニット当たり価格を有する各々の契約のユニット数に等しくなるであろう。その結果、2番目に高いユニット当たり価格に関連する累積ユニット数は、2番目に高いユニット当たり価格を有する各契約のユニット数に最高ユニット当たり価格を有する各契約のユニット数を加えた値に等しくなる。
【0049】
しかし、各契約のユニット当たり価格は、同様に、最低ユニット当たり価格から昇順にランク付けできることが分かるであろう。こうした場合、各々の価格の累積ユニット数は、予測市場における合計ユニット数から、ユニット当たり価格が個々の価格未満の各契約のユニット数を差し引いた値に等しくなる。たとえば、最低ユニット当たり価格に関連する累積ユニット数は、予測市場内のユニット数、または別法によると、予測市場の割合に等しくなる。次に、2番目に低いユニット当たり価格に関連する累積ユニット数は、予測市場におけるユニット数から、最低ユニット当たり価格を有する各契約のユニット数を差し引いた値に等しくなる。
【0050】
各々の異なるユニット当たり価格および関連する累積ユニット数では、予測市場における商品需要、または予測市場の割合は、予測市場における商品需要、または予測市場の割合は、ブロック52に示すように、各々の契約のユニット当たり価格、および個々のユニット当たり価格異常のユニット当たり価格で販売される累積ユニット数に基づいてモデル化することができる。これに関して、非差別化市場における商品の需要モデルと同様、差別化市場における商品の需要モデルは、消費者が少なくとも一定の価格で購入するユニット数を表す。したがって、需要モデルは、予測市場で販売される複数の異なるユニット数であって、各々のユニット数が、消費者が個々のユニット数を購入する時の対応する最低価格を有するユニット数として考えることができる。需要モデルは、多くの方法の何れか1つで表現することができるが、非差別化市場のモデルの場合と同様、一実施形態では、需要モデルは、予測市場が681個のユニット、および推定市場捕捉率が409個のユニットである図9に示すように、異なるユニット当たり価格と対比して、個々のユニット当たり価格以上のユニット当たり価格で販売される累積ユニット数をプロットすることにより需要曲線として表現される。図示のとおり、需要モデルは、非差別化市場の場合の需要と同様に平滑に表示される。差別化市場の需要モデルの粗さは、このモデルは、非差別化市場全体を1つの契約販売として考えることと対照的に、別個の契約販売を使用するという事実によるものである。
【0051】
予測市場における合計ユニット数は、非差別化市場または差別化市場の場合の需要モデルに関するモンテカルロ法に従って変化するので、需要モデルは、商品の合計ユニット数に適合するように変化することが分かるであろう。また、モンテカルロ法に従って選択した予測市場における異なるユニット数では、市場浸透度分布および契約購入回収額からの異なる値は、それぞれ差別化市場および非差別化市場における商品について決定される。異なる市場浸透度分布および異なる契約購入回収額では、各々の予測市場に関して異なる需要モデルを決定する。したがって、個々の需要モデルは、商品需要に影響する市場規模を考慮に入れることが可能である。これに関して、異なる予測市場を繰り返し選択肢、この方法を繰り返すことにより、各々の予測市場における商品需要をモデル化することができる。
【0052】
上記および以下で完全に説明するとおり、商品需要のモデル化は、経常費用および経常外費用モデルにより、予測市場における商品の粗利益および正味収益をモデル化するために使用することができ、その結果、学習曲線値、最適ユニット当たり価格、および販売ユニット数など、予測市場に関する結論を決定するために使用することができる。また、異なる予測市場について方法を繰り返すことにより、各々の市場について収益性をモデル化し、各々の予測市場について結論を決定することができる。次に、たとえばメーカーは、予測市場の結論を使用して、商品価格、ユニット数および/または契約、並びに契約における商品のユニット当たり価格が、商品需要にどのように影響するかを容易に理解することができる。次に、こうした理解により、メーカーは、より良い立場で、学習曲線値、商品の各々のユニットの販売価格、および製造する商品のユニット数を選択することができる。
【0053】
II.商品の製造に関連するコストのモデル化
上記のとおり、コストは、経常外および経常の2種類に分類することができる。したがって、以下で説明するとおり、各々別個にモデル化することができる。
【0054】
A.経常費用のモデル化
経常および経常外費用は、多くの異なる技術の何れかに従ってモデル化することができる。商品の各ユニットを製造するための経常費用をモデル化することができる1つの方法の一実施例として、図10〜図16を参照する。商品の各ユニットを製造するための経常費用のモデル化は、一般に、商品の各ユニットを製造するための経常費用の不確実性を評価することで開始し、こうした不確実性は、一般に、メーカーが商品を製造するかどうかに対して、商品の製造コストがどのように影響するかの測定基準として表される。これに関して、商品のコスト感度は、一般に、商品を予め決定された価格で製造するメーカーの分布として表現される。コスト感度分布は、一般に、商品の1個のユニットを製造する確率を、メーカーが商品を製造すると思われる個々の価格に割り当てる。コスト感度は、多くの異なるタイプの分布の何れかで表現することができるが、この実施例によるコスト感度は、対数正規確率分布として表現され、市場調査またはコスト分析などから決定できるように、コストデータの平均および標準偏差に従って規定される。たとえば、図13に示すコスト感度分布は、関連する標準偏差を含む$56,806(百万ドル単位)の平均に従って規定される。
【0055】
価格感度分布と同様、コスト感度分布は、商品に関連する技術の開発状態に基づいて決定することができる。こうした場合、コスト感度分布は、価格感度分布に関連して上記で説明したように決定することができる。しかし、コスト感度分布と対照的に、コストポイント、より一般的には最適経常費用は各々の技術ごとに選択する。次に、個々の成熟度の定性的測定基準および個々の最適コストに関連する分布に基づいて、各々の技術についてコスト分布を規定することができる。個々の分布から選択したコストから決定された多くの可能性のある合計経常費用から、平均および標準偏差を決定し、それによりコスト感度分布を画定する。コスト感度分布を決定するこうした方法に関する詳細は、米国特許出願第 号「技術成熟度レベルに基づく商品の金銭的側的基準をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods
and Computer Program Products for Modeling a Monetary Measure for A Good Based Upon Technology Maturity Levels)を参照。
【0056】
経常費用をモデル化するため、先ず、図10Aのブロック54に示すように、製造するユニット数を選択して市場を予測する。その後、ブロック56に示すように、潜在学習曲線値の集合から潜在学習曲線値を選択する。しかし、より一般的な実施形態では、学習曲
線値は、70〜100のすべての整数を含む集合から選択される。この実施例の方法では、上記のとおり、予測市場における商品の各ユニットを製造するための経常費用は、商品の製造コストの不確実性を評価することを含み、したがって、商品の製造コストが、メーカーが商品を製造するかどうかにどのように影響するかの測定基準として表現され、したがって、一般にコスト感度分布により表現される(図13参照)。
【0057】
不特定市場における商品の製造に関連する経常費用のモデル化は、一般に、商品を製造するユニットごとの平均コスト、および売買されるユニット数に基づく。商品の製造コストは、多くの方法の何れか1つでモデル化することができるが、製造または販売されるユニット数が商品の各ユニットを製造するコストに与える影響を考慮することが好ましい。これに関して、多くの市場における商品の製造に関連するコストは、メーカーが製造に関する経験を積むにつれて低下する傾向がある。商品の各ユニットを製造するためのコストは、一定を保つと予測するかもしれないが、商品の最初のユニットを製造するためのコストは、一般に、後続のユニットを製造する予測コストより多い。また、製造されるユニット数が増加するにつれて、メーカーは経験を積み、各ユニットの製造コストを予測コスト以下まで低下させ、その後、最終的に各ユニットを製造する最適コストまで横ばい状態になる。各ユニットを製造するためのコストの変化は、一般に学習に起因すると考えることができる。これに関して、学習曲線値は、あるプロセスが達成可能な学習の量、および製造につれてコストがどの程度減少するかを説明する。
【0058】
商品を製造するための学習曲線を考慮に入れるため、経常費用のモデル化は、学習曲線を使用することをさらに含む。これに関して、経常費用モデルは、一般に、学習曲線のタイプ、選択された潜在学習曲線値、および較正値などの多くの特性に従って画定され、以下で説明するように決定される。さらに、経常費用モデルは予測市場の規模に適合する。
【0059】
一実施形態では、たとえば、経常費用モデルは、各々の予測市場に関して決定することができる。図11に示すように、学習曲線のタイプが対数線形である実施形態では(つまり、対数の対数空間に線形を有する)、経常費用モデルを決定するための中間値は、以下のように決定することができる。
【0060】
【数1】

【0061】
ここで、coeff_factor=((ln(LC/100))/ln(2))+1。上記の方程式では、LCは選択した潜在学習曲線値を表し、CumUnitは、予測市場内で販売される累積商品のユニット数を表し、CalUnitは、メーカーが、ユニットごとの平均コストと、各ユニットを製造するための一定予測コストとを等しくするために製造しなければならないユニット数を表す。学習曲線のタイプは、上記で対数線形型の学習曲線であると説明したが、学習曲線は、多くの異なる学習曲線の何れか、たとえば標準B型学習曲線、ディヤング型学習曲線、S型学習曲線などで良い。
【0062】
商品の最初のユニットを製造するためのコスト(つまり、T#1コスト)は、学習曲線のタイプが決定される前、決定後、または決定時に決定することができる。T#1コストは、多くの異なる方法の何れかで決定することができるが、一実施形態では、T#1コストは、ブロックに示し、以下で詳細に説明するように、潜在学習曲線値の関数としてT#1コストのモデルから選択された潜在学習曲線値に基づいて決定される。ブロック60に
示すように、T#1コストを決定した後、経常費用は、以下の方程式により、選択された潜在学習曲線値に関して予測市場でモデル化することができる。
【0063】
【数2】

【0064】
ここで、上記方程式中のT#1Costは、T#1コストモデルから決定されたT#1コストを表す。予測市場に関する経常費用モデルは、多くの異なる方法の何れか1つで表現することができるが、一実施形態では、コストモデルは、図12に示すように、ユニットごとの平均コストと対比して、製造される累積ユニット数をプロットすることにより平均経常費用曲線として表現される。
【0065】
上記のとおり、経常費用のモデル化では、T#1コストは、潜在学習曲線値の関数としてT#1コストのモデルから決定することができる。これに関して、T#1コストは、多くの異なる方法の何れかで潜在学習曲線値の関数としてとしてモデル化することができる。次に図10Bを参照すると、一実施形態では、T#1コストをモデル化する方法は、ブロック62に示すように、コスト感度分布(図13)から単価を選択して開始する。有利には、単価は、予め規定された単価を無作為に選択するための方法、たとえばモンテカルロ法により選択することができる。これに関して、モンテカルロ法は、予め画定された単価を選択するためのコスト感度分布に適用される。
【0066】
単価を選択した後、ブロック64に示すように、選択された単価に基づいて、T#1コストと呼ばれ、商品の最初のユニットの製造に関連する固定費を決定することができる。さらに、固定T#1コストは、基準学習曲線値など、多くの基準特性に基づいて決定することができ、基準較正値は、メーカーが、ユニットごとの平均コストと、各ユニットを製造するために選択したコストとを等しくするために製造しなければならないユニット数に関連する。次に、選択した単価、基準学習曲線値および基準較正値を使って、固定T#1コストを決定することができる。固定T#1値は、多くの異なる方法の何れかで決定することができるが、一実施形態では、固定T#1コストは以下のように決定される。
【0067】
【数3】

【0068】
たとえば、単価が、$54,000に等しくなるようにコスト感度分布から選択され、基準学習曲線値および較正値がそれぞれ85および500に設定されると仮定すると、固定T#1コストは、$231,851に等しくなるように決定することができる。
【0069】
固定T#1コストを決定した後、商品を製造するための経常費用は、最初のユニットを製造するための経常費用、つまりT#1コストが、後続ユニットを製造するための経常費用にどのように関連するかを、異なる潜在学習曲線値の関数として便宜的に考慮に入れる方法で決定することができる。これに関して、後続ユニットの経常費用とT#1コストとの間の関連性は差異要素により表すことができ、その結果、潜在学習曲線値の関数として
決定することができる。より詳細には、差異要素は、標準、つまり基準固定T#1コストと比較した経常費用のレベルを反映することができる。したがって、理解されるように、1の差異要素が標準である。差異要素が高くなるほど、標準固定T#1コストに対する経常費用は増加する。対照的に、差異要素が低くなるほど、標準固定T#1コストに対する経常費用は低下する。
【0070】
差異要素を決定するため、ブロック66に示すように、差異を潜在学習曲線値の関数として決定する。差異は、たとえば、異なる学習曲線値に関連する多くの差異値を確立するなど、多くの異なる方法で決定することができる。差異値および学習曲線値は、多くの異なる方法で確立することができる。図14Aに示す一実施形態では、差異値および学習曲線値は、異なる学習曲線値に関連する理論上のT#1差異値から確立され、したがって、推定値などにより決定される。差異値および関連する学習曲線値を確立した後、潜在学習曲線値の要素ととして最適の差異曲線は、図14Bに示すように、データに基づくユニット曲線理論に従って確立することができる。たとえば、最適曲線は、以下のように確立することができる。
【0071】
【数4】

【0072】
上記の方程式では、a、bおよびcは、最適曲線に基づいて選択される定数であり、その結果、差異値および関連する学習曲線値に基づく。一実施形態では、たとえば、a、bおよびcの値は、それぞれ2.61、16.61および−0.1836になるように選択する。
【0073】
最適曲線は、上記のように確立することができるが、多くの異なる最適曲線は、曲線に関して立てられる仮説に基づいて確立することができる(たとえば、差異は、学習曲線値が増加するにつれて減少し、学習曲線値が増加するにつれて、差異の変化は少なくなる)。したがって、多くの異なる最適曲線は、差異値および学習曲線値に基づいて確立することができ、すべての最適曲線は、一般にデータに適合する。したがって、最適曲線は所望どおりに確立することができ、上記の最適曲線は、曲線上に所望の制御量を提供するように確立され、a、bおよびcの値は容易に修正することができる。
【0074】
差異を潜在学習曲線値の要素として決定した後、ブロック68に示すように、潜在学習曲線値の関数としての差異要素は、この差異に基づいて決定することができ、基準差異は、基準学習曲線値に基づいて決定することができる。たとえば、一実施形態によると、差異要素は以下のように決定することができる。
【0075】
【数5】

【0076】
a、bおよびcの実施例の値および上記の基準学習曲線値を置き換えると、差異要素は、以下のように決定される。
【0077】
【数6】

【0078】
差異要素を決定した後、商品の製造に関連するT#1コストは、ブロック70に示すように、差異要素に基づく潜在学習曲線値の関数および固定T#1コストとしてモデル化することができる。一実施形態では、たとえば、T#1コストは、差異要素に固定T#1コストを乗じてモデル化することができる。したがって、数学的表現では、T#1コストは、以下のように潜在学習曲線値の要素としてモデル化することができる。
【0079】
【数7】

【0080】
T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてとしてモデル化した後、経常費用は、潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。理解されるように、各々の学習曲線は、経常費用の多くの可能な値を有する。したがって、より特定の一実施形態では、予測市場における商品需要を考慮に入れて純利益を最適化する経常費用は、図15に示すように、潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。図示のとおり、経常費用は、学習曲線値が一定の値(図15に示すように、約93)を超えた時に著しく低下することが分かるであろう。これに関して、商品の製造に関連して、高い学習曲線値における経常費用の減少は、一般に、メーカーが、商品に関連する経常外費用を回収して利益を上げることができない場合に相当する。したがって、メーカーは、一般に、経常外費用、ひいては学習曲線値が一定の値を超えた時には商品を製造しないであろう。図15には示さないが、経常費用も、学習曲線値が一定の値未満に低下すると著しく減少する。商品の製造に関連して、低い学習曲線値における経常費用の減少は、長期にわたる商品製造の改善、ひいては経常費用の減少が非常に小さい場合に相当する。この場合、経常費用が、メーカーの利益が上がるポイントに達するために望ましくないほどの時間量を要することになり、経常費用がこうしたポイントに達した場合、メーカーは商品の製造を選択しないと思われる。
【0081】
商品需要をモデル化する場合と同様、商品を製造するための経常費用は、非差別化市場と差別化市場との間で異なる。差別化市場における商品製造の経常費用は、差別化されていない商品の場合の予測市場における学習曲線値の選択、および経常費用のモデル化に関連する上記の方法によるなど、多くの方法の何れか1つでモデル化することができる。予測市場における商品需要は、消費者が少なくとも一定の価格で購入するであろうユニット数を表すので、経常費用のモデル化に使用される学習曲線は学習曲線値に基づき、各々のユニット当たり価格に関連する累積ユニット数の関数である。図16に示すように、差別化市場の需要が、複数の関連契約販売として大まかに表示されると、経常費用曲線は、同様に、各々のユニット当たり価格に対する個々の累積ユニット数を製造するための複数の関連コストとして表示される。
【0082】
B.経常外費用のモデル化
次に、図17Aおよび図17Bを参照すると、これらの図は、商品製造に関連する経常外費用をモデル化する方法の2つの実施形態を示す。図17Aに示す実施形態によると、
経常外費用をモデル化するため、経常外費用は、最初にブロック72に示すように潜在学習曲線値に関連付けられる。経常外費用は、たとえば、異なる学習曲線値に関連する多くの経常外費用値を確立するなどの多くの異なる方法で、潜在学習曲線値に関連付けることができる。経常外費用値および学習曲線値は、図18Aに示す一実施形態では、多くの異なる方法で確立することができ、経常外費用値および学習曲線値は、異なる学習曲線値に関連する理論上の経常外費用値から確立され、したがって推定値などにより決定される。
【0083】
次に、経常外費用値および関連する学習曲線値を確立した後、図18Bに示すように、データに基づくユニットの曲線理論に従って、経常外費用の最適曲線を決定することができる。たとえば、経常外費用の最適曲線は、以下のように確立することができる。
【0084】
【数8】

【0085】
上記の方程式では、定数dおよびgは最適曲線に基づく定数であり、ブロック74に示すように、多くの異なる方法で選択することができる。これに関して、dは、経常外費用値をある数の異なるコストレベルで評価することを可能にする倍率と考えることができる。たとえば、一実施形態では、経常外費用は、決定されるコスト値が100万ドル単位で評価されるように決定された値に比べて、コストレベルは10(つまり、d=10)倍大きいと仮定する。定数gは、学習曲線値が経常外費用にどの程度影響するかを示す学習曲線値感度値と考えることができる。したがって、gは所望どおりに選択することができる。一実施形態では、たとえば、gは−0.257に等しくなるように選択することができる。
【0086】
定数fは、本明細書では不確定値と呼ぶ不確実性の測定基準と考えることができ、経常外費用値に直接影響する。また、経常外費用値の不確実性は一般に異なる可能性があるため、定数は、ブロック76に示すようにリスク分布などの分布から選択することが好ましい。リスク分布は、推定値によるなど、多くの異なる方法の何れかで決定することができる。同様に、リスク分布は、多くの異なる分布の何れかで表すことができるが、一実施例では、リスク分布は、図19に示すように、三角分布で表現される。図19に示すように、たとえば、リスク分布は、−8.20の最小値、−7.80の最大値、および−8.00のモードを有する三角分布で表現することができる。コスト感度分布と同様に、不確定値fは、モンテカルロ法など、予め規定された単価を無作為に選択するための方法に従って有利に選択することができる。たとえば、図示のリスク分布から、不確定値は−8.12に等しくなるように選択することができる。
【0087】
従来どおり、多くの異なる最適曲線は、曲線に関して立てられる仮説に基づいて確立することができる(たとえば、経常外費用は、学習曲線値が増加するにつれて増加し、学習曲線値が減少するにつれて、経常外費用の変化は少なくなる)。したがって、多くの異なる最適曲線は、経常外費用値および学習曲線値に基づいて確立することができ、すべての最適曲線は、一般にデータに適合する。したがって、最適曲線は所望どおりに確立することができ、上記の最適曲線は、曲線上に所望の制御量を提供するように確立され、d、fおよびgの値は容易に修正することができる。
【0088】
定数d、fおよびgを選択した後、商品を製造するための経常外費用は、ブロック78に示すように、潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。たとえば、一実施形態によると、経常外費用は、経常外費用を最適曲線になるd、fおよびgの値と置き
換えることによりモデル化することができる。d、fおよびgに関する上記の実施例により、数学的表現では、経常外費用(NRC)は、以下のように潜在学習曲線値の要素としてモデル化することができる。
【0089】
【数9】

【0090】
経常費用モデルと同様、経常外費用モデルは、多くの異なる方法の何れかで表すことができるが、一実施形態では、経常外費用モデルは、図20に示すように、潜在学習曲線値の範囲全体の経常外費用をプロットすることにより、経常費用として表される。
【0091】
価格感度分布およびコスト感度分布と同様、商品の経常外費用の不確実性は、商品に関連する技術の開発状態に基づいて規定することができる。次に、図17Bを参照すると、経常外費用をモデル化するためのもう1つの実施形態は、商品の製造に関連する技術の開発状態を考慮に入れることができる。この実施形態では、経常外費用は、先ず、商品を製造するための経常外費用に関連する各々の技術を成熟度の定性測定基準に関連付けることによりモデル化され、各々の成熟度の定性測定基準は、ブロック80に示すように、分布に関連付けられる。したがって、各々の経常外技術は、個々の成熟度の定性測定基準の分布と関連付けられる。これに関して、各々の経常外技術は、ブロック82に示すように、個々の分布に基づいて、高低の経常外費用値に関連付けることができる。したがって、以下で詳細に説明するとおり、個々の分布に関するこうした高低の経常外費用値を使用すると、個々の経常外技術に対するリスク分布を決定することができる。
【0092】
各々の経常外技術を個々の成熟度の定性測定基準の分布に関連付けた後、たとえばユーザにより、各々の技術に関するコストポイント、より一般的には最適経常外費用(MLC)が選択される。各々の経常外技術に関するリスク分布のモードを決定するため、経常外費用の最適曲線に関する方程式は、以下のとおり、不確定値を解決するように書き直すことができる。
【0093】
【数10】

【0094】
上記の方程式では、fは、個々の経常外技術に関するリスク分布のモードを表し、MLCは、最適経常外費用を表し、dおよびgは、それぞれ倍率および学習曲線値感度値を表す。また、上記の方程式では、学習曲線値は基準学習曲線値を表し、したがって、上記ではT#1コストのモデル化に関して説明する。
【0095】
高低の経常外費用値、および各々の経常外技術に関するモードでは、リスク分布は、各々の経常外技術について規定することができる。その後、ブロック86に示すように、不確定値(図17Aに関連する上記のf)は、たとえばモンテカルロ法により、各々の経常外技術に関して選択することができる。
【0096】
理解されるように、場合によっては、たとえば異なる学習曲線値が1つまたは複数の経常外技術に与える影響を検査する場合、1つまたは複数の経常外技術に関する学習曲線値
を一定に保つことが望ましい。したがって、各々の経常外技術の不確定値を選択した後、経常外技術は、ブロック88に示すように、可変の学習曲線値を有するこうした技術、および一定の学習曲線値を有するこうした技術に分割することができる。
【0097】
可変学習曲線値を有する各々の経常外技術の場合、経常外費用は、たとえば、ブロック90に示すように、上記の経常外費用の最適曲線に関する方程式を使用するなどにより、潜在学習曲線値の関数としてモデル化される。こうした経常外技術のための経常外費用をモデル化した後、こうしたすべての経常外技術の経常外費用モデルは、ブロック92に示すように一緒に合計される。一定の学習曲線値を有する各々の経常外技術については、ブロック94に示すように、経常外費用の最適曲線に関する方程式を使用するなどにより、個々の一定学習曲線値における個々の技術に関する経常外費用が決定される。その後、こうした各々の経常外技術のための経常外費用は、ブロック96に示すように一緒に合計される。次に、すべての経常外技術について、商品の経常外費用をモデル化するため、可変学習曲線値の経常外費用モデルの合計は、ブロック98に示すように、一定の学習曲線値を使って経常外技術について決定された経常外費用値の合計と合計される。
【0098】
理解されるように、経常外費用は、一般に、商品の製造を開始するための最初の投資に関連する費用、たとえば、一般に製造または販売されるユニット数に基づかないコストである。つまり、経常外費用は、一般に、商品が非差別化市場または差別化市場内にあるかどうかに依存しない。したがって、潜在学習曲線値の関数としての経常外費用のモデルは、非差別化市場および差別化市場の両方に関して同じである。
【0099】
やはり当業者には分かるとおり、経常費用および経常外費用のモデル化は、互いに独立している。これに関して、学習曲線は、経常費用が、経常外費用の前後にモデル化されるかどうかに関係なく決定することができる。したがって、経常費用は、経常外費用の前にモデル化されるように示され、説明されているが、経常外費用は、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、経常費用のモデル化前にモデル化することができる。
【0100】
モンテカルロ法に従って選択された価格感度分布から選択された様々な単価では、様々な経常費用モデルを決定することができる。同様に、リスク分布から選択された様々な不確定値では、様々な経常外費用モデルを決定することができる。したがって、経常費用および経常外費用モデルは、商品の個々のコストに影響する単価および大きさの要素を考慮に入れることができる。これに関して、様々な単価および/または様々な不確定値を繰り返し選択し、この方法を繰り返すことにより、商品を製造する個々のコストをモデル化することができる。
【0101】
さらに、本発明の実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、多くの市販のコンピュータソフトウェアプログラムの何れか1つの範囲内でデータを操作することにより使用することができる。たとえば、この方法は、ワシントン州、レドモンドのマイクロソフト社(Microsoft Corporation)が販売する表計算ソフトウェアプログラムのExcel社、並びにコロラド州、デンバーのDecisioneering,Inc.が販売するCrystal Ball、つまりモンテカルロシミュレーションソフトウェアプログラム内でデータを操作することにより使用することができる。
【0102】
III.商品の収益性のモデル化
経常費用モデル、経常外費用モデル、および需要モデルを使用することにより、商品の収益性をモデル化することができ、その結果、商品需要の不確実性および商品の製造コストの不確実性が収益性にどのように影響を与えるかを容易に理解することができる。これに関して、需要モデルが、商品が非差別化市場または差別化市場にあるかどうかによって
異なるのと同様、商品の収益性も、市場のタイプに応じて異なる。したがって、本発明は、非差別化市場および差別化市場の両方における商品に関する商品の収益性をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品を提供する。
【0103】
A.非差別化市場における商品
非差別化市場における商品のそれぞれ総収益性および純収益性のモデル化は、一般に、上記のとおり、本発明の実施形態による商品需要のモデル化により開始する。商品需要のモデル化と共に、商品を製造するための経常費用も、やはり上記のとおり予測市場においてモデル化される。その後、予測市場に関する商品の総収益性をモデル化することができる。これに関して、総収益性は、ユニットごとのコストをユニット当たり価格から差し引き、この差に対し、予測市場の対応する一部分に関して販売されたユニット数を乗じた結果として表現することができる。したがって、図21に示すように、予測市場に関する需要曲線およびコスト曲線を同時にプロットすることにより、総収益性は、2つの曲線間の距離に直接関連すると考えることができる。需要モデルおよびコストモデルと同様に、総収益性モデルは、多くの異なる方法の何れか1つで表現することができる。図22に示す一実施形態では、総収益性モデルは、少なくとも特定の粗利益を達成するために販売しなければならないユニット数をプロットすることにより、総収益性曲線として表現することができる。
【0104】
総収益性モデル、並びに需要および経常費用モデルから、予測市場に関する結論は、予測市場に関する需要、経常費用および総収益性を集合的にモデル化することにより導くことができる。たとえば、予測市場における商品の最大粗利益は、価格が最大量だけコストを超えるポイントとして考えられる。最大粗利益を決定することにより、最適な商品のユニット当たり価格、および予測市場において販売される最適ユニット数(つまり、市場における商品数の一部分)、並びに対応する経常費用を決定することができる。
【0105】
総収益性をモデル化し、および/または最大粗利益を決定した後、純利益性をモデル化し、および/または総収益モデルと、選択された学習曲線に関連する経常外費用とに基づいて最大純利益を決定することができる。経常外費用は、販売される商品数に関連しないと予測されるので、経常外費用は、学習曲線値を選択した後のあるポイントで決定することができる。これに関して、経常外費用は、上記のとおり、選択された学習曲線値を使用して決定することができる。
【0106】
経常外費用を決定した後、商品の純収益性は、総収益性モデルの各々のポイントにおいて、経常外費用を粗利益から差し引いてモデル化することができる。したがって、純収益性モデルは、プロットした場合、総収益性モデルに類似して表示されるが、純収益性モデルは、総収益性と比較すると、各々のポイントにおける利益が低い点が異なる。純収益性モデルおよび総収益モデルの比較については、図22を参照。図22では、純収益性モデルは、点線で表すことができる。理解されるように、経常外費用は、販売される商品数の関数として決定されないため、最大純利益は、たとえば、単に経常外費用を最大粗利益から差し引くことにより決定することができる。すべての潜在学習曲線値が、最大粗利益および/または純利益が各々に決定されるように選択された後、商品の総収益性および/または純利益性を潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。本発明の一実施形態によると、総収益性を潜在学習曲線の関数としてモデル化するため、各々の潜在学習曲線値の最大総収益性は、図23に示すように、個々の学習曲線値に対してプロットする。総収益を潜在学習曲線値の関数としてモデル化する場合と同様、純収益性も、潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができる。上記のとおり、純利益は、経常外費用を粗利益から差し引いて決定することができる。これに関して、純利益は、総収益性のモデルに基づいて潜在学習曲線の関数として、さらに経常外費用のモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができ、したがって、上記のように決定することが
できる。たとえば、図24に示すように、潜在学習曲線値の関数としての総収益性は、少なくとも特定の純利益を達成するために使用しなければならない学習曲線値をプロットすることにより、純収益性曲線として表現することができる。示されるとおり、図示の純収益性モデルは、純収益性曲線に最大値で示されるように、学習曲線値が78に等しくなるように選択された時に、最大正味収益を有する。
【0107】
この時点では、予測市場の関数としての需要およびコストモデル、並びに予測市場の関数としての収益性モデルは、この時点までに、予め規定された商品のユニット数を無作為に選択するための方法、たとえばモンテカルロ法に従って選択された予め規定された数の商品の1つの予測市場に結合されていることを明確にするべきである。さらに、上記のとおり、学習曲線値の関数としての経常費用および経常外費用モデルは、多くの異なる方法の何れか、たとえばモンテカルロ法に従って選択された1つの単価および不確定値にそれぞれ結合された。したがって、学習曲線値は、個々の単価および不確定値に基づいて決定された。したがって、たとえば各ユニットの最適価格、商品の最適数、および各ユニットの対応する価格、並びに商品の最大粗利益および/または純利益を決定して予測市場を分析した後、結論を記録することができ、その後、異なる予測市場、並びに異なる単価および/または不確定値について複数回この方法を繰り返し、異なる学習曲線値を決定することができ、予測市場、単価および/または不確定値は、たとえばモンテカルロ法に従って選択し、各々の予測市場について結論を記録する。
【0108】
予測市場のすべてに関する結論は、多くの異なる方法の何れかで構成することができる。たとえば、図25Aを参照すると、多くの異なる学習曲線値に関する最大純利益は、関連する学習曲線値に対してプロットすることができる。こうした場合、予測市場は、1つの選択した予測市場に基づいて一定に保つことができる。次に、異なる学習曲線値は、たとえば異なる単価および/または異なる不確定値を選択することにより決定することができる。異なる学習曲線値から、異なる最適価格および異なる最適ユニット数を決定し、その後、異なる最大純利益を決定するために使用することができる。一実施形態では、異なる潜在学習曲線値に関する最大純利益を平均して、個々の潜在学習曲線値に関する平均最大利益を生成する。次に、平均最大利益は、図25Bに示すように、個々の学習曲線値に対してプロットすることができる。平均最大利益は、図25Bに示すように、個々の学習曲線値に対してプロットすることができる。
【0109】
すべての予測市場に関する結論も、個々の分布に構成することができる。次に、この分布は、曲線のタイプ、あるいは平均のように明確にされ、標準偏差に関連付けられ得る。次に、この分布から、商品の投資対効果検討書を作製することができる。たとえば、投資対効果検討書は、各ユニットの最適価格、商品の最適数、および各ユニットの対応する価格に関する分布を受け取ることができる。次に、この分布に基づいて、図26に示すようにプロジェクトの市場価格を決定し、長期に関してプロットすることができる。図示のとおり、投資対効果検討書は、プロジェクトに関連する経常外費用をプロットすることができる(3〜5年間では0の下に示されている)。さらに、投資対効果検討書は、粗利益と経常費用との間の差により決定されたプロジェクトに関連する純利益をプロットすることができる(6〜14年間については0の上に示されている)。
【0110】
B.差別化市場における商品
差別化市場では、総収益性および純収益性のモデル化も、一般に、ユニット数および関連するユニット当たり価格を含む商品の契約数に対する需要をモデル化して開始する。これに関して、商品需要は、図7、図8および図9に関して上記で説明したように、本発明に従ってモデル化することができる。同様に、商品の経常費用は、図16に関して上記で説明するように、本発明に従ってモデル化することができる。したがって、差別化市場では、総収益性および純収益性は、非差別化市場と同様に表現することができる。たとえば
、総収益性は、個々のユニット当たり価格と、ユニットごとの個々の経費に個々の契約に関して販売されたユニット数を乗じた値の差として、各契約について表現することができる。
【0111】
明らかなとおり、差別化市場に関連する商品の需要モデルは個々の契約販売を説明し、経常費用モデルは平均コストを説明し、販売されるユニット数に基づき、販売されるユニット数は、予測市場に関する商品の総収益性、ひいては純収益性をモデル化するために選択しなければならない。1つまたは複数の契約の契約数またはユニット数が変化するか、または市場の推定捕捉率のユニット数が変化する場合、各契約のユニットを製造する平均経常費用は同様に変化し、その結果、総収益性および純収益性のモデルを変化させる。
【0112】
各契約におけるユニット数のすべての可能性に関する総収益性および純収益性をモデル化するには、不必要に長い期間を要するであろう。しかし、すべての可能性に関する総収益性または純収益性をモデル化することは、必ずしも必要ではない。これに関して、差別化市場では、できる限り多くのユニットを販売、ひいては製造することは、常に最も多くの利益を達成する。したがって、収益性のモデル化では、経常費用モデルは、個々の予測市場に関する最低経常費用値(図16に点線で示す)、または予測市場の捕捉率と置き換えることができる。経常費用モデルは、こうして置き換えることができ、つまり、最低コスト値は、常に、予測市場の予測市場占有率の捕捉、ひいてはメーカーが製造する商品のすべてのユニットの販売に対応するためである。次に、収益性(総収益性および純収益性)は、予測市場内における各契約販売の収益性に基づいて、予測市場の収益性(全体の市場捕捉率を仮定する)により測定することができる。
【0113】
したがって、需要モデルから、各契約販売の総収益性は、契約上のユニットのユニット当たり価格から契約上のユニット数を製造するための最低平均コストを差し引き、この差に契約上のユニット数を乗じて決定することができる。次に、予測市場の総収益性は、各契約販売の総収益性の合計を決定してモデル化することができる。
【0114】
差別化市場では、予測市場に関する結論は、需要、コスト(または最低コスト値)および予測市場の収益性を集合的にモデル化することから導くことができる。たとえば、最大粗利益は、できる限り多くのユニットを販売することに相当するので、予測市場(または予測市場の捕捉率)における商品の最大粗利益は、何れかの市場における商品のすべてのユニットが販売された時点と考えることができる。また、たとえば、最大粗利益を達成するための最適価格は、予測市場(または捕捉率)におけるすべての契約販売から、加重平均ユニット当たり価格を決定するなどにより決定することができる。その他の結論は、予測市場におけるユニット数、推定捕捉率の予測市場(総捕捉率未満の場合)で販売されるユニット数、予測市場でメーカーが販売しないユニット数(やはり、総捕捉率未満を仮定する)、および予測市場(または捕捉率)に関する最大粗利益の利鞘を含むことができる。
【0115】
総収益性をモデル化し、および/または最大粗利益を決定した後、総収益性モデル、および選択した学習曲線に関連する経常外費用に基づいて、純収益性をモデル化し、および/または最大純利益を決定することができる。経常外費用は、販売される商品数に関連せず、その結果予測されないため、経常外費用は、学習曲線値を選択した後のいずれかの時点で決定することができる。これに関して、経常外費用は、上記のように、選択した学習曲線値を使用して決定することができる。
【0116】
経常外費用を決定した後、商品の純収益性は、総収益性モデルの各々の時点における粗利益から経常外費用を差し引いてモデル化することができる。したがって、純収益性モデルは、プロットされた場合、総収益モデルと同様に表示されるが、純収益性モデルは、総
収益と比較すると、各々の時点における比較的低い利益を有する。理解されるとおり、経常外費用は、販売される商品数の関数として決定されないため、最大純利益は、たとえば、単に経常外費用を最大粗利益から差し引いて決定することができる。
【0117】
また、商品の製造に関連するコスト、つまり経常費用および経常外費用を潜在学習曲線値の関数としてモデル化できることも分かるであろう。差別化市場における商品の総収益および/または純収益性も、潜在学習曲線値の関数としてとしてモデル化することができる。
【0118】
総収益性を潜在学習曲線の関数としてモデル化するため、本発明の一実施形態によると、純収益性は、契約上の収益に基づいてモデル化され、契約上の収益は、特定の市場から捕捉される各契約から生じる収益を合計して決定することができる。さらに、総収益性は、予測市場(つまり、市場内の商品数の一部分)において販売される最適ユニット数(つまり、選択したユニット数)に基づいてモデル化され、したがって、差別化市場に関して上記で説明されたように決定される。さらに、一実施形態に従うと、総収益性は経常費用モデルに基づいてモデル化され、したがって、上記のように決定される。
【0119】
非差別化市場における商品の潜在学習曲線値の関数として純収益性をモデル化する場合と同様、純収益性は、差別化市場における商品の潜在学習曲線値の関数としてモデル化することもできる。上記のとおり、純利益は、経常外費用を粗利益から差し引くことにより決定することができる。従来どおり、純利益は、総収益性のモデルに基づいて潜在学習曲線の関数として、さらに経常外費用のモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数としてモデル化することができ、したがって、非差別化市場における商品に関連して上記で説明したように決定することができる。また、潜在学習曲線値の関数としての総収益性のモデルと同様、潜在学習曲線値の関数としての純収益性のモデルは、少なくとも特定の純利益を達成するために使用しなければならない学習曲線値をプロットするなどにより、多くの異なる方法の何れか1つで表現することができる。
【0120】
また、非差別化市場の場合と同様、差別化市場に関する商品の需要および経常費用、並びに経常費用は、この時点までに、モンテカルロ法に従って選択された、予め規定された商品数の予測市場にすべて結合されている。たとえば、最大利益、加重平均価格、ユニット数およびコストを決定することにより予測市場を分析した後、結論を記録することができる。結論が記録された後、モンテカルロ法に従って選択された異なる予測市場に関して複数回この方法を繰り返し、各々の予測市場について結論を記録する。次に、すべての予測市場に関する結論を個々の分布として構成することができる。次に、たとえば曲線のタイプ、平均および関連標準偏差により、分布を明確に規定することができる。この分布から、図26に示す方法に類似する方法などで、商品の投資対効果検討書を作製することができる。
【0121】
IV.本発明の条件付請求権および実施形態の実施
販売される特定数量のユニットに関する図25Aおよび図25Bに示すように、収益モデルは、負の収益性、または商品の売上高の損失を実際に明らかにする。したがって、多くの場合、商品の収益性が、条件付請求権の実施以前に正であるか、たとえばプロジェクトを開始するかまたは継続するかどうかを決定することが望ましい。代替的には、商品の収益性が、条件付請求権の実施以前に、予め決定された閾値を超えるかどうかを決定することが望ましい。条件付請求権は、多くの場合、メーカーが、商品の製造を開始するか、または製造を継続するために、ある金額、または追加の金額を投資する選択権を有するという要求の形態を取る。したがって、商品の製造および販売の最初の段階が失敗であると証明されるか、および/または商品の収益性の将来の見通しが暗いと思われる場合、メーカーは、資金または追加の資金の投資、ひいては前記要求の実行を辞退し、その結果、商
品の製造を辞退するか、または商品の製造を終了する。または、商品の製造および販売の最初の段階が成功だったか、および/または商品の収益性の見通しが明るい場合、メーカーは、商品の製造を開始または継続するために必要な投資を行うであろう。
【0122】
条件付請求権のタイプに関係なく、個々の時点で商品価格、特に条件付請求権を決定することが望ましい。条件付請求権の価格を決定することにより、メーカーは、条件付請求権の過大評価の結果、商品の製造に関する過払いを防止することができる。逆に、メーカーは、条件付請求権の価格が過小評価された商品を特定し、これらの商品は投資機会の価値があると思われるので、こうした商品の製造に投資することを強く考慮することができる。したがって、商品の需要およびコスト、ひいては商品の収益性をモデル化することにより、本発明のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品は、この時点で商品、特に条件付請求権の価格を決定することを容易にする。プロジェクトの価格の決定に関する詳細は、米国特許出願第09/902,021号「一般化した条件付請求権の評価を実行するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for
Performing a Generalized Contingent Claim Valuation)を参照。この特許出願の内容は、引用することにより全体的に本願に援用する。
【0123】
したがって、本発明の実施形態は、商品価格と購入される商品のユニット数との関連性の変動性、および商品の製造コストと関連する学習曲線値との関連性の変動性をより良く考慮しつつ、需要および関連する総収益性および純利益性をモデル化することができる。したがって、本発明の実施形態は、総収益性および純利益性をより良くモデル化し、その結果、こうした収益性を最大化することができる。
【0124】
図27に示すように、本発明のシステムは、一般に処理要素および関連するメモリデバイスにより具体化され、これらは共に、コンピュータ100などにより構成される。これに関して、上記のとおり、本発明の実施形態は、市販の多くのコンピュータソフトウェアプログラムの何れか1つを使って、メモリデバイスにより記憶されたデータを操作する処理要素により実行することができる。一実施形態では、この方法は、表計算ソフトウェアの形態で操作および/または提示することができるデータを使って実行することができる。たとえば、この方法は、表計算ソフトウェアプログラムであるExcel、およびモンテカルロ法シミュレーションソフトウェアプログラムであるCrystal Ballを使って、メモリデバイスにより記憶されたデータを操作する処理要素により実行することができる。コンピュータは、本発明の実施形態により決定された様々な分布、モデルおよび/または結論を含む、本発明の方法の実施形態の実行に関連する情報を提示するディスプレー102を備えることができる。本発明の方法の実施形態の実行に関連する情報をプロットするため、コンピュータは、プリンタ104をさらに含むことができる。
【0125】
また、コンピュータ100は、本発明の方法の実施形態の実行に関する情報を局所的または遠隔的に転送するための手段を含むことができる。たとえば、コンピュータは、情報を他のファクシミリ機、コンピュータなどに送信するためのファクシミリ機106を備えることができる。さらに、またはあるいは、コンピュータは、情報を他のコンピュータなどに転送するためのモデム108を備えることができる。さらに、コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)および/または広域ネットワーク(WAN)などのネットワークに対するインターフェース(図示しない)を備えることができる。たとえば、コンピュータは、情報をLAN、WANなどとの間で送受信するように構成されたイーサネット(登録商標)パーソナルコンピュータメモリカード国際協会(PCMCIA)のカードを含むことができる。
【0126】
本発明の実施形態に適用される1つの有利な技術では、本発明の実施形態による方法は、Excelなどの表計算ソフトウェアプログラム内で操作され、あるいは作動させることが可能なソフトウェアまたはデータモジュール、コンポーネント、ポートフォリオなどで実施される。こうした技術は、財務モデル化および分析の状況など、多くの異なる状況で有利である。これに関して、様々な財務モデル化機能を実行するモジュール、コンポーネントおよび/またはポートフォリオは、財務状況をより完全に理解するために結合することができる。次に、本発明に適用されるこうした技術の簡単な説明について、以下で説明する。
【0127】
こうした技術により、本発明の方法の少なくとも一部分を実行するように操作可能なデータは、モジュール内で実施することができ、その後、その他のモジュール内で実施される本発明の方法のその他の部分に連結するかまたは関連付けて、コンポーネントを構築することができる。次に、望ましい場合、コンポーネントは、関連するその他の方法を実行することが可能なその他のコンポーネントに連結するかまたは関連付けて、ポートフォリオを形成することができる。たとえば、本発明の実施形態により経常および経常外費用をモデル化する方法は、1つのモジュールで実施することが可能だが、本発明の実施形態による需要をモデル化する方法は、別のモジュールで実施することができる。こうして、2つのモジュールを互いに連結するか、または関連付けて、コストおよび需要モデルに基づいて収益性をモデル化することが可能なコンポーネントを構築することができる。次に、望ましい場合、収益性をモデル化するためのコンポーネントは、別のコンポーネントに連結するか、またはさもなければ関連付けて、別の機能を実行することができる。たとえば、収益性をモデル化するためのコンポーネントは、長期にわたる収益を予測することが可能なコンポーネントに連結するか、さもなければ関連付けて、それにより商品の投資対効果検討書を作製することが可能である。これに関して、長期にわたる収益を予測できるコンポーネントは、本願と同時に出願された米国特許出願第 号「不確実な将来の利益をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品」(Systems,Methods and Computer Program Products for Modeling Uncertain Future Benefits)に従って作動し、この特許出願の内容は、引用することにより全体を本願に援用する。
【0128】
本発明の一態様により、本発明のシステムは、一般に、コンピュータプログラム製品の制御下で作動する。本発明の実施形態の方法を実行するためのコンピュータプログラム製品は、不揮発性記憶媒体などのコンピュータ可読記憶媒体、およびコンピュータ可読記憶媒体内で実施される一連のコンピュータ命令などのコンピュータ可読プログラムコード部分を含む。
【0129】
これに関して、図1、図2、図7、図10A、図17Aおよび図17Bは、本発明による方法、システムおよびプログラム製品のフローチャートである。フローチャートの各々のブロックまたはステップ、並びにフローチャート内のブロックの組合せは、コンピュータプログラムの命令により実行され得る。これらのコンピュータプログラムの命令は、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上にロードされて、装置を実現することができ、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置で実行する命令は、フローチャートのブロックまたはステップで特定される機能を実現するための手段を形成する。これらのコンピュータプログラムの命令も、特定の方法で機能するようにコンピュータまたはその他のプログラム可能な装置に命令できるコンピュータ可読メモリ内に記憶され、コンピュータ可読メモリに記憶された命令は、フローチャートのブロックまたはステップで指定される機能を実現する命令手段を含む製品を実現する。コンピュータプログラムの命令も、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上にロードされ、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上で実行される一連の演算ステップにより、コンピ
ュータに実行されるプロセスを生成し、コンピュータまたはその他のプログラム可能な装置上で実行される命令は、以下のブロックまたはステップで指定される機能を実現するステップを提供する。
【0130】
したがって、フローチャートのブロックまたはステップは、特定された機能を実行するための手段の組合せ、特定された機能を実行するためのステップの組合せ、特定された機能を実行するためのプログラム命令手段をサポートする。また、フローチャートの各々のブロックまたはステップ、およびフローチャート内のブロックまたはステップの組合せは、特定された機能もしくはステップ、または特殊目的ハードウェアおよびコンピュータ命令の組合せを実行する特殊目的ハードウェアベースのコンピュータシステムにより実現することができる。
【0131】
本発明の多くの変更態様およびその他の実施形態は、本発明が関連し、上記の説明および添付の図面に提示された技術の利益を有する当業者には思い浮かぶであろう。したがって、本発明は、開示されている特定の実施形態に限定されず、変更態様およびその他の実施形態は、添付の特許請求の範囲に含まれることを意図すると考えるべきである。本明細書では特定の条件を用いたが、これらは、制限する目的ではなく、一般的かつ説明的な意味で使用するにすぎない。
【図面の簡単な説明】
【0132】
【図1】本発明の一実施形態により学習曲線値を決定するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図2】図2は、本発明の一実施形態により、非差別化市場において購入される商品に対する需要をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図3】本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される逆累積フォーマットにおける価格感度分布再計算の略図である。
【図4】本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される予測市場に関する市場浸透度分布の略図である。
【図5】非差別化市場において購入される商品に関連する本発明の一実施形態による予測市場の需要曲線の略図である。
【図6】非差別化市場において購入される商品に関連する本発明の一実施形態による複数の予測市場に関する複数の需要曲線の略図である。
【図7】本発明の一実施形態による差別化市場において購入される商品に対する需要をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図8】本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される契約購入回収額を表すグラフである。
【図9】差別化市場において購入される商品に関連する本発明の一実施形態による予測市場に関する需要曲線の略図である。
【図10A】本発明の一実施形態による、商品の経常費用をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品において様々なステップを含むフローチャートである。
【図10B】本発明の一実施形態による、商品の最初のユニットを製造するためのコスト(つまり、T#1コスト)をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図11】本発明の一態様のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される商品を製造するためのコストに関連する学習曲線の略図である。
【図12】非差別化市場で購入される商品に関連して、本発明の一態様のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される経常費用曲線の略図である。
【図13】本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用されるコスト感度分布グラフである。
【図14A】異なる学習曲線値に関連する理論上のT#1差異値から確立され、本発明の一実施形態により商品の経常費用をモデル化するために使用される差異値および関連する学習曲線値のグラフである。
【図14B】図14Aの差異値および関連する学習曲線値から確立される最良適合のグラフである。
【図15】本発明の一実施形態による潜在学習曲線値の関数としての経常費用のプロットである。
【図16】差別化市場で購入された商品に関連して、本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用される経常費用曲線の略図である。
【図17A】本発明の一実施形態により、商品の経常外費用をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図17B】本発明のもう1つの実施形態により、商品の経常外費用をモデル化するためのシステム、方法およびコンピュータプログラム製品に様々なステップを含むフローチャートである。
【図18A】本発明の一実施形態により、商品の経常外費用をモデル化するために使用される経常外費用値および関連する学習曲線値のグラフである。
【図18B】図18Aの経常外費用値および関連する学習曲線値から確立された最良適合曲線のグラフである。
【図19】本発明の一実施形態のシステム、方法およびコンピュータプログラム製品の作動時に使用されるリスク分布グラフである。
【図20】本発明の一実施形態により、潜在学習曲線値の関数としてモデル化された経常外費用のプロットである。
【図21】図5の需要曲線と図12のコスト曲線とを比較する略図である。
【図22】本発明の一実施形態による総収益性曲線および純収益性曲線の略図である。
【図23】非差別化市場の商品に関連して本発明の一実施形態により、潜在学習曲線値の関数としてモデル化された商品の総収益性のプロットである。
【図24】非差別化市場の商品に関連して本発明の一実施形態により、潜在学習曲線値の関数としてモデル化された商品の純収益性のプロットである。
【図25A】本発明の一実施形態により決定された個々の学習曲線値に関する純収益性に対する最適な学習曲線値を示す散乱プロットである。
【図25B】本発明の一実施形態により決定された各々の潜在学習曲線値に関する平均の純収益性を示すグラフである。
【図26】本発明の一実施形態により決定された長期にわたる商品販売プロジェクトの市場価格の略図である。
【図27】コンピュータにより実現される本発明の一実施形態のシステムの略ブロック図である。
【符号の説明】
【0133】
100 コンピュータ、102 ディスプレー、104 プリンタ、106 ファクシミリ機、108 モデム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収益性のモデルに基づく学習曲線値を潜在学習曲線値の関数として決定するステップを含み、前記学習曲線値を決定するステップは、収益性が潜在学習曲線値全体で最大化されるように学習曲線値を決定するステップを含む方法。
【請求項2】
学習曲線値を決定する前に、収益性をモデル化するステップをさらに含み、前記収益性をモデル化するステップは、商品を製造するための経常費用をモデル化するステップを含み、前記経常費用のモデル化するステップは、
T#1コストのモデルに基づいて、潜在学習曲線値の関数として複数の潜在学習曲線値の各々のT#1コストを決定するステップと、
T#1コストおよび潜在学習曲線値の各々に関する学習曲線に基づく経常費用をモデル化するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化するステップをさらに含み、T#1コストをモデル化するステップは、
商品を製造するための単価を選択し、その後、商品の最初のユニットを製造するための固定費を前記単価に基づいて決定するステップと、
差異および基準学習曲線値に基づいて、潜在学習曲線値の関数として差異要素を決定するステップと、
前記差異要素および前記固定費に基づいて、潜在学習曲線値の関数としてT#1コストをモデル化するステップとを含む、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記学習曲線値を決定する前に、前記収益性をモデル化するステップをさらに含み、前記収益性をモデル化するステップは、商品を製造するための経常外費用をモデル化するステップを含み、前記経常外費用をモデル化するステップは、
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定するステップと、
経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択するステップと、
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性、および不確定値に基づいて経常外費用をモデル化するステップとを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記学習曲線値を決定するステップは、表計算ソフトウェアプログラムを作動させる処理要素を使って、前記学習曲線値を決定するステップを含み、前記方法は、決定された前記学習曲線値のディスプレーを提示するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
決定された前記学習曲線値のディスプレーを提示するステップは、収益性モデルのディスプレーを潜在学習曲線値の関数として提示するステップを含み、その結果、決定された前記学習曲線値が、前記収益性を最大化する潜在学習曲線値として提示される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
学習曲線値を決定する前に前記収益性をモデル化するステップをさらに含み、前記収益性をモデル化するステップは、複数の潜在学習曲線値の各々についての収益性をモデル化するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
予め規定された商品のユニット数を無作為に選択することにより、市場の潜在能力分布に基づいて市場を予測するステップをさらに含み、前記収益性をモデル化するステップは、前記予測された市場に基づいて、前記複数の潜在学習曲線値の各々についての収益性をモデル化するステップを含む、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰り返し予測するステップを含み、収益性を
モデル化するステップは、予測された市場の各々について、前記複数の潜在学習曲線値に関する収益性をモデル化するステップを含み、学習曲線値を決定するステップは、
前記潜在学習曲線値の全体で収益性が最大化されるように、各々予測された市場に関する学習曲線値を特定するステップと、
特定された前記学習曲線値における平均収益性が、特定された前記学習曲線値の全体で最大化されるように、学習曲線値を決定するステップとを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
潜在学習曲線値の関数としてのT#1コストのモデルに基づいて、選択された潜在学習曲線値のT#1コストを決定するステップと、
前記T#1コストおよび選択された前記潜在学習曲線値に基づいて、商品を製造するための経常費用をモデル化するステップとを含む、方法。
【請求項11】
T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化するステップをさらに含み、T#1コストをモデル化するステップは、
商品を製造するための単価を選択するステップと、その後、前記単価に基づいて、商品の最初のユニットを製造するための固定費を決定するステップと、
差異および基準学習曲線値に基づいて潜在学習曲線値の関数として差異要素を決定するステップと、
前記差異要素および前記固定費に基づいて潜在学習曲線値の関数としてT#1コストをモデル化するステップとを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
差異要素を決定するステップは、
差異を潜在学習曲線値の関数として決定するステップと、
潜在学習曲線値の関数としての前記差異および基準学習曲線値に基づいて基準差異を決定するステップと、
潜在学習曲線値の関数としての差異および基準差異に基づいて差異要素を決定するステップとを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
差異を決定するステップは、異なる学習曲線値に関連する複数の差異値を確立するステップと、その後、前記複数の差異の値と関連する学習曲線値との間の関連性を規定するように曲線を適合させるステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
単価を選択するステップは、異なる単価を繰り返し選択するステップを含み、前記経常費用をモデル化するステップは、選択された各々の単価について前記経常費用をモデル化するステップを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
経常費用をモデル化するステップは、表計算ソフトウェアプログラムを作動させる処理要素を使って、経常費用をモデル化するステップを含み、前記方法は、前記経常費用のモデルのディスプレーを提示するステップをさらに含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
前記経常費用のモデルのディスプレーを提示するステップは、異なる経常費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして前記経常費用のモデルのディスプレーを提示するステップを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
市場の潜在能力分布に基づいて、予め規定された商品のユニット数を無作為に選択することにより市場を予測するステップをさらに含み、経常費用をモデル化するステップは、予測市場に基づいてさらに経常費用をモデル化するステップを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項18】
前記経常費用のモデルおよび需要モデルに基づいて、前記予測された市場における商品
の収益性をモデル化するステップをさらに含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰り返し予測するステップを含み、経常費用をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々について経常費用をモデル化するステップを含み、収益性をモデル化するステップは、前記予測された市場の各々について収益性をモデル化するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
経常費用をモデル化するステップは、各々予測された市場について複数の潜在学習曲線値に関する経常費用をモデル化するステップを含み、収益性をモデル化するステップは、各々予測された市場における各々の経常費用モデルに関する収益性をモデル化するステップを含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
学習曲線値を決定するステップをさらに含み、学習曲線値を決定するステップは、
収益性が潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、各々予測された市場に関する学習曲線値を特定するステップと、
特定された各々の学習曲線値における平均収益性が、特定された前記学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定するステップを含む、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
収益性をモデル化するステップは、経常外費用モデルに基づいて収益性をさらにモデル化するステップを含む、請求項18に記載の方法。
【請求項23】
前記予測された市場は、各々が予め決定されたユニット数および予め決定されたユニット当たり価格を有する予め規定された契約数を含み、経常費用をモデル化するステップは、予め規定された契約数に基づいて経常費用をさらにモデル化するステップを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項24】
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定するステップと、
経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択するステップと、
経常外費用と潜在学習曲線値との間の前記関連性、および前記不確定値に基づいて商品を製造するための経常外費用をモデル化するステップとを含む、方法。
【請求項25】
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定するステップは、異なる学習曲線値に関連する複数の経常外費用値を確立するステップと、その後、経常外費用値と潜在学習曲線値との間の前記関係を規定するように曲線を適合させるステップとを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
不確定値を選択するステップは、異なる不確定値を繰り返し選択するステップを含み、経常外費用をモデル化するステップは、選択された各々の不確定値に関する経常外費用をモデル化するステップを含む、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
経常外費用をモデル化するステップは、表計算ソフトウェアプログラムを作動させる処理要素を使って、経常外費用をモデル化するステップを含み、前記方法は、前記経常外費用モデルのディスプレーを提示するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記経常外費用モデルのディスプレーを提示するステップは、前記経常外費用モデルのディスプレーを異なる経常外費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして提示するステップを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
前記経常外費用のモデル、経常費用のモデルおよび需要のモデルに基づいて、商品の収益性をモデル化するステップをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
市場の潜在能力分布に基づいて予め規定された商品のユニット数を無作為に選択して予測することにより市場を予測するステップをさらに含み、収益性をモデル化するステップは、予測市場に基づいて収益性をさらにモデル化するステップを含む、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
市場を予測するステップは、異なる市場を繰り返し予測するステップを含み、収益性をモデル化するステップは、予測された市場の各々の収益性をモデル化するステップを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
収益性をモデル化するステップは、予測された市場の各々に関する複数の潜在学習曲線値について収益性をモデル化するステップを含む、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
学習曲線値を決定するステップをさらに含み、学習曲線値を決定するステップは、
収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、各々予測された市場に関する学習曲線値を特定するステップと、
特定された各々の学習曲線値における平均収益性が、特定された前記学習曲線値全体で最大化されるように学習曲線値を決定するステップとを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
収益性のモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数として学習曲線値を決定することが可能な処理要素を含み、前記処理要素は、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、学習曲線値を決定することが可能である、システム。
【請求項35】
前記処理要素は、前記学習曲線値のモデルを決定する前に、前記収益性をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、商品を製造するための経常費用をモデル化することにより、前記収益性をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、T#1コストのモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数として、複数の潜在学習曲線値の各々に関するT#1コストを決定することにより前記経常費用をモデル化し、その後、前記T#1コストおよび前記潜在学習曲線値の各々について学習曲線に基づいて経常費用をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項36】
前記処理要素は、商品を製造するための単価を選択することにより、T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化することと、前記単価に基づいて商品の最初のユニットを製造する固定費を決定することと、差異および基準学習曲線値に基づいて潜在学習曲線値の関数として差異要素を決定することと、その後、前記差異要素および前記固定費に基づいて潜在学習曲線値の関数としてT#1コストをモデル化することとが可能である、請求項35に記載のシステム。
【請求項37】
前記処理要素は、前記学習曲線値を決定する前に収益性をモデル化することも可能であり、前記処理要素は、商品を製造するための経常外費用を同様にモデル化することにより、前記収益性をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定し、経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択し、その後、経常外費用と潜在学習曲線値との間の前記関連性、および前記不確定値に基づいて経常外費用をモデル化することにより、前記経常外費用をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項38】
前記処理要素は、表計算ソフトウェアプログラムを作動させることにより学習曲線値を決定することが可能であり、前記システムは、決定された学習曲線値を提示することが可能な表示装置をさらに備える、請求項34に記載のシステム。
【請求項39】
前記表示装置は、前記収益性のモデルを潜在学習曲線値の関数として提示することが可能であり、決定された学習曲線値は、前記収益性を最大化する潜在学習曲線値として提示される、請求項38に記載のシステム。
【請求項40】
前記処理要素は、前記学習曲線値を決定する前に収益性をモデル化することも可能であり、処理要素は、複数の潜在学習曲線値の各々について収益性をモデル化することにより、前記収益性をモデル化することが可能である、請求項34に記載のシステム。
【請求項41】
前記処理要素は、市場の潜在能力分布に基づいて予め規定された商品のユニット数を無作為に選択することにより市場を予測することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場に基づいて複数の潜在学習曲線値の各々について収益性をモデル化することが可能である、請求項40に記載のシステム。
【請求項42】
前記処理要素は、異なる市場を繰り返し予測することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々について前記複数の潜在学習曲線値に関する収益性をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように各々予測された市場に関する学習曲線値を特定することにより学習曲線値を決定することと、その後、特定された学習曲線値における平均収益性が、特定された学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定することとが可能である、請求項41に記載のシステム。
【請求項43】
T#1コストのモデルに基づいて選択された潜在学習曲線値に関するT#1コストを潜在学習曲線値の関数として決定することが可能な処理要素を備え、前記処理要素は前記T#1コストおよび前記選択された潜在学習曲線値に基づいて商品を製造する経常費用をモデル化することが可能である、システム。
【請求項44】
前記処理要素は、商品を製造するための単価を選択することにより、T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化することと、前記単価に基づいて商品の最初のユニットを製造する固定費を決定することと、差異および基準学習曲線値に基づいて潜在学習曲線値の関数として差異要素を決定することと、その後、前記差異要素および前記固定費に基づいて潜在学習曲線値の関数としてT#1コストをモデル化することとが可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項45】
前記処理要素は、差異を潜在学習曲線値の関数として決定することにより、差異要素を決定することと、差異に基づく基準差異を潜在学習曲線値および基準学習曲線値の関数として決定することと、その後、前記差異に基づいて前記差異要素を潜在学習曲線値および前記基準差異の関数として決定することとが可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
前記処理要素は、異なる学習曲線値に関連する複数の差異値を確立することによっても、差異を決定することと、その後、前記複数の差異値と関連する学習曲線値との間の関連性を規定するように曲線を適合させることとが可能である、請求項45に記載のシステム。
【請求項47】
前記処理要素は、異なる単価を繰り返し選択することが可能であり、前記処理要素は各々選択された単価に関する経常費用をモデル化することが可能である、請求項44に記載のシステム。
【請求項48】
前記処理要素は、表計算ソフトウェアプログラムを作動させて経常費用をモデル化することが可能であり、前記システムは、経常費用モデルを表すことが可能な表示装置をさらに備える、請求項43に記載のシステム。
【請求項49】
前記表示装置は、前記経常費用のモデルを異なる経常費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして提示することが可能である、請求項48に記載のシステム。
【請求項50】
前記処理要素は、市場の潜在能力分布に基づいて予め規定された商品のユニット数を無作為に選択することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場に基づいてさらに経常費用をモデル化することが可能である、請求項43に記載のシステム。
【請求項51】
前記処理要素は、さらに、前記経常費用モデルおよび需要モデルに基づいて前記予測された市場における商品の収益性をモデル化することが可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項52】
前記処理要素は、異なる市場を繰り返し予測することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々について前記経常費用をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々について前記収益性をモデル化することが可能である、請求項51に記載のシステム。
【請求項53】
前記処理要素は、各々予測された市場に関する複数の潜在学習曲線値に関する経常費用をモデル化することが可能であり、前記処理要素は、各々予測された市場における各経常費用のモデルについて前記収益性をモデル化することが可能である、請求項52に記載のシステム。
【請求項54】
前記処理要素は、さらに、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように各々予測された市場に関する学習曲線値を特定することにより学習曲線値を決定することと、その後、特定された各々の学習曲線値における平均収益性が、特定された前記学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定することとが可能である、請求項53に記載のシステム。
【請求項55】
前記処理要素は、経常外費用のモデルに基づいて、さらに収益性をモデル化することが可能である、請求項51に記載のシステム。
【請求項56】
前記予測された市場は、各々が予め決定されたユニット数および予め決定されたユニット当たり価格を有する予め規定された契約数を含み、前記処理要素は、さらに予め規定された契約数に基づいて経常費用をモデル化することが可能である、請求項50に記載のシステム。
【請求項57】
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定することが可能である処理要素を備え、前記処理要素は、経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択することが可能であり、前記処理要素は、経常外費用と潜在学習曲線値との間の前記関連性および前記不確定値に基づいて、商品を製造するための経常外費用をモデル化することがさらに可能である、システム。
【請求項58】
前記処理要素は、異なる学習曲線値に関連する複数の経常外費用値を確立することによって経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定することと、その後に経常外費用値と潜在学習曲線値との間の前記関連性を規定するように曲線を適合させることとが可能である、請求項57に記載のシステム。
【請求項59】
前記処理要素は、異なる不確定値を繰り返し選択することが可能であり、前記処理要素は、各々選択された不確定値に関する経常外費用をモデル化することが可能である、請求項57に記載のシステム。
【請求項60】
前記処理要素は、表計算ソフトウェアプログラムを表計算ソフトウェアプログラムを作動させて経常外費用をモデル化することが可能であり、前記システムは、経常外費用のモデルを提示することが可能な表示装置をさらに備える、請求項57に記載のシステム。
【請求項61】
前記表示装置は、前記経常外費用のモデルを異なる経常外費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして提示することが可能である、請求項57に記載のシステム。
【請求項62】
前記処理要素は、前記経常外費用のモデル、経常費用モデルおよび需要モデルに基づいて、商品の収益性をモデル化することがさらに可能である、請求項57に記載のシステム。
【請求項63】
前記処理要素は、市場の潜在能力分布に基づいて商品について予め規定されたユニット数を無作為に選択することにより市場を予測することも可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場に基づいて収益性をモデル化することがさらに可能である、請求項62に記載のシステム。
【請求項64】
前記処理要素は、異なる市場を繰り返し予測することが可能であり、前記処理要素は、前記予測された市場の各々について収益性をモデル化することが可能である、請求項63に記載のシステム。
【請求項65】
前記処理要素は、各々予測された市場についての複数の潜在学習曲線値について収益性をモデル化することが可能である、請求項64に記載のシステム。
【請求項66】
前記処理要素は、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、各々予測された市場に関する学習曲線値を特定することによって学習曲線値を決定することと、その後、特定された各々の学習曲線値における平均収益性が、特定された前記学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定することとが可能である、請求項65に記載のシステム。
【請求項67】
コンピュータ可読プログラムコード部分が内部に記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラム部分は、
学習曲線値を収益性のモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数として決定するための第1実行可能部を含み、前記第1実行可能部は、前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定する、コンピュータプログラム製品。
【請求項68】
前記第1実行可能部が学習曲線値モデルを決定する前に、収益性をモデル化するための第2実行可能部をさらに含み、前記第2実行可能部は、商品を製造するための経常費用をモデル化することにより収益性をモデル化し、前記第1実行可能部は、複数の潜在学習曲線値の各々に関する経常費用を、T#1コストのモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数としてモデル化し、その後、各々の潜在学習曲線値に関するT#1コストおよび学習曲線に基づいて前記経常費用をモデル化する、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項69】
T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化するための第3実行可能部をさらに含み、前記第3実行可能部は、商品を製造するための単価を選択し、前記単価に基づいて商品の最初のユニットを製造するための固定費を決定し、差異要素を差異および基準学習曲線値に基づいて潜在学習曲線値の関数として決定し、その後、T#1コストを差異要素および固定費に基づいて潜在学習曲線値の関数としてモデル化することにより、前記T#1コストをモデル化する、請求項68に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項70】
前記第1実行可能部が学習曲線値を決定する前に、収益性をモデル化するための第2実行可能部をさらに含み、前記第2実行可能部は、商品を製造するための経常外費用をさらにモデル化することにより前記収益性をモデル化し、前記第2実行可能部は、前記経常外費用をモデル化し、そのため、経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定し、経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択し、その後、経常外費用と潜在学習曲線値との間の前記関連性および前記不確定値に基づいて、経常外費用をモデル化する、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項71】
前記決定された学習曲線値のディスプレイを提示するための第2実行可能部をさらに含む、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項72】
前記第2実行可能部は、潜在学習曲線値の関数としての収益性のモデルのディスプレイを提示し、前記決定された学習曲線値が収益性を最大化する潜在学習曲線値として提示されるように、潜在学習曲線値の関数として収益性のモデルのディスプレイを提示することにより、決定された学習曲線値のディスプレイを提示する、請求項71に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項73】
前記第1実行可能部が学習曲線値を決定する前に、収益性をモデル化するための第2実行可能部をさらに含み、前記第2実行可能部は、複数の潜在学習曲線値の各々に関する収益性をモデル化することにより、前記収益性をモデル化する、請求項67に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項74】
市場の潜在能力分布に基づいて商品の予め規定されたユニット数を無作為に選択することにより、市場を予測する第3実行可能部をさらに含み、前記第2実行可能部は、前記予測された市場に基づいて前記複数の潜在学習曲線値の各々に関する収益性をモデル化する、請求項73に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項75】
前記第3実行可能部は、異なる市場を繰り返し予測し、前記第2実行可能部は、予測された市場の各々に関する複数の潜在学習曲線値に関する収益性をモデル化し、前記第1実行可能部が学習曲線値を決定し、そのため、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、各々の予測された市場に関する学習曲線値を特定し、その後、特定された学習曲線値における平均収益性が、特定された学習曲線値全体で最大化されるように学習曲線値を決定する、請求項74に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項76】
内部にコンピュータ可読プログラムコード部分が記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラム部分は、
選択された潜在学習曲線値に関する固定費をT#1コストのモデルに基づいて潜在学習曲線値の関数として決定するための第1実行可能部と、
前記T#1コストおよび前記選択された潜在学習曲線値に基づいて、商品を製造するための経常費用をモデル化するための第2実行可能部とを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項77】
T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化するための第3実行可能部をさらに含み、前記第3実行可能部はT#1コストをモデル化し、そのため、商品を製造するための単価を選択し、前記単価に基づいて前記商品の最初のユニットを製造するための固定費を決定し、その後、前記差異要素および前記固定費に基づいて、T#1コストを潜在学習曲線値の関数としてモデル化する、請求項76に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項78】
前記第3実行可能部は、差異要素を決定し、そのため、差異を潜在学習曲線値の関数と
して決定し、前記差異に基づいて、潜在学習曲線値および基準学習曲線値の関数として基準差異を決定し、その後、潜在学習曲線値の関数としての差異と前記基準差異とに基づいて前記差異要素を決定する、請求項77に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項79】
前記第3実行可能部は、異なる学習曲線値に関連する複数の差異値も確立することと、その後に複数の差異値と関連学習曲線値との間の関連性を規定するように曲線を適合させることとにより、差異を決定する、請求項78に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項80】
前記第3実行可能部は、異なる単価を繰り返し選択し、前記第2実行可能部は、各々選択された単価に関する経常費用をモデル化する、請求項77に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項81】
前記経常費用のモデルのディスプレイを提示するための第3実行可能部をさらに含む、請求項76に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項82】
前記第3実行可能部は、経常費用モデルのディスプレイを異なる経常費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして提示する、請求項81に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項83】
市場の潜在能力分布に基づいて商品の予め規定されたユニット数を無作為に選択することにより、市場を予測するための第3実行可能部をさらに含み、前記経常費用をモデル化する第2実行可能部は、前記予測された市場に基づいてさらに経常費用をモデル化するステップを含む、請求項76に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項84】
前記経常費用のモデルおよび需要モデルに基づいて、前記予測された市場における商品の収益性をモデル化するための第4実行可能部をさらに含む、請求項83に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項85】
前記第3実行可能部は異なる市場を繰り返し予測し、第2実行可能部は、前記予測された市場の各々に関する経常費用をモデル化し、前記第4実行可能部は、前記予測された市場の各々について前記収益性をモデル化する、請求項84に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項86】
前記第2実行可能部は、各々予測された市場について複数の潜在学習曲線値に関する経常費用をモデル化し、前記第4実行可能部は、各々予測された市場における各経常費用のモデルに関する収益性をモデル化する、請求項85に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項87】
学習曲線値を決定するための第5実行可能部をさらに含み、前記第5実行可能部は学習曲線値を決定し、そのため、収益性が前記潜在学習曲線値の全体で最大化されるように、各々予測された市場についての学習曲線値を特定し、その後、前記特定された学習曲線値における平均収益性が、各々特定された学習曲線値の全体で最大化されるように学習曲線値を決定する、請求項86に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項88】
第4実行可能部は、経常外費用のモデルに基づいて、収益性をさらにモデル化する、請求項84に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項89】
前記予測された市場は、各々が予め決定されたユニット数と予め決定されたユニット当たり価格とを有する予め規定された契約数を含み、前記第2実行可能部は、前記予め規定された契約数に基づいて経常費用をさらにモデル化する、請求項83に記載のコンピュー
タプログラム製品。
【請求項90】
コンピュータ可読プログラムコード部分が内部に記憶されたコンピュータ可読記憶媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、前記コンピュータ可読プログラム部分は、
経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定するための第1実行可能部と、
経常外費用に関連するリスク分布から不確定値を選択するための第2実行可能部と、
経常外費用と潜在学習曲線値との間の前記関連性、および前記不確定値に基づいて、商品を製造するための経常外費用をモデル化するための第3実行可能部とを含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項91】
前記第1実行可能部は、経常外費用と潜在学習曲線値との間の関連性を決定し、そのため、異なる学習曲線値に関連する複数の経常外費用値も確立し、その後、経常外費用値と潜在学習曲線値との間の関係を規定するように曲線を適合させる、請求項90に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項92】
前記第2実行可能部は、異なる不確定値を繰り返し選択し、前記第3実行可能部は、選択された各々の不確定値に関する経常外費用をモデル化する、請求項90に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項93】
前記経常外費用のモデルのディスプレイを提示するための第4実行可能部をさらに含む、請求項90に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項94】
第4実行可能部は、経常外費用のモデルのディスプレイを異なる経常外費用および関連する潜在学習曲線値のプロットとして提示する、請求項93に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項95】
経常外費用のモデル、経常費用モデルおよび需要モデルに基づいて、商品の収益性をモデル化するための第4実行可能部をさらに含む、請求項90に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項96】
市場の潜在能力分布に基づいて商品の予め規定されたユニット数を無作為に選択することにより、市場を予測するための第5実行可能部をさらに含み、前記第4実行可能部は、予測された市場に基づいて、さらに収益性をモデル化する、請求項95に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項97】
前記第5実行可能部は、異なる市場を繰り返し予測し、前記第4実行可能部は、各々の予測された市場に関する収益性をモデル化する、請求項96に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項98】
前記第4実行可能部は、各々の予測された市場に関する複数の潜在学習曲線値について収益性をモデル化する、請求項97に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項99】
学習曲線値を決定するための第6実行可能部をさらに含み、前記第6実行可能部が学習曲線値を決定し、そのため収益性が潜在学習曲線値全体で最大化されるように、各々の予測された市場に関する学習曲線値を特定し、その後、特定された各々の前記学習曲線値における平均収益性が、特定された学習曲線値全体で最大化されるように学習曲線値を決定する、請求項98に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図15】
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【図16】
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【図17A】
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【図17B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25A】
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【図25B】
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【図26】
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【公表番号】特表2007−526531(P2007−526531A)
【公表日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515080(P2006−515080)
【出願日】平成16年6月1日(2004.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2004/017311
【国際公開番号】WO2004/109458
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(500520743)ザ・ボーイング・カンパニー (773)
【氏名又は名称原語表記】The Boeing Company