説明

孵化プロセスの間ヒナに給餌する装置と方法

【課題】 雛への早めの餌の供給ができる孵卵器の卵トレイを提供すること。
【解決手段】 本発明によれば、孵化率と生存率とを低下させることなく、孵化の間雛に給餌する孵卵器内のしき部屋は、(a)底部と少なくとも1個の壁を有する卵トレイと、(b)前記卵トレイ内に配置され、底部と透明な壁とを有する少なくとも1つのトラフとを有する。本発明は、(c)前記卵トレイの上方に配置された光源を更に有する。前記光源は、(i)中央UV源と、(ii)前記中央UV源上方に配置された反射器とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、孵化の間、孵化率と生存率を減らすことなく、雛に餌を供給する孵卵器内のしきり部屋とその方法に関する。従来は、孵卵器内で卵から孵ったばかりの雛は、餌場に直ちに行けないようにしている。その理由は、孵卵器の構造が雛の動きを阻止することと、孵卵器内が暗いためである。孵卵器内が暗い理由は、標準的な光源は、まだ孵化していない卵を温めてしまい、その卵が未熟なまま孵化させてしますからである。この従来技術によれば、孵卵器内では、餌も光も全くなく、餌場への雛が移動ができるのは、養鶏場に送られた時である。
【背景技術】
【0002】
孵化直後の飼料の供給は、雛の1日目と市場に出す間、胸の筋肉を増強することにより発育を促す。受精卵の発達を促すエネルギーの大部分は、卵黄である。卵黄は、2つの方法で用いられる。受精の発達の初期段階においては、卵黄の移動は、飲食作用により直接循環系に送られる。孵化が近づくと、卵黄は、腹腔内に入り、卵黄柄を通して小腸内に入る。これらの2つのプロセスは、孵化に近づいた時と孵化後に機能する。卵黄柄を通して移送された卵黄は、小腸の末端に入り、その後、蠕動防止運動(anti-peristaltic movements)により胃腸管(GIT)の近端の方向に上り、消化が行われる胃に到達する。小腸の末端に直接行く黄卵は、加水分解することなく排出される。この間、雛の滋養は、黄卵から外部の飼料に変わる。孵化直後、餌の摂取により、黄卵柄を通して黄卵が腸に入り、腸による成長を促す。一般的に行われている方法によれば、雛は、孵化後48−72時間経過してから初めて餌が与えられる。それゆえに、黄卵は、受精卵/雛にエネルギーを供給し、かつ小腸の成長を促す。餌が孵化直後に与えられると、卵黄がGITに移行し利用されることになる。特に孵化直後、雛に餌や水を直ちに与えることにより、他の内臓よりも小腸の成長を優先させている。ある研究によれば、早めの餌の供給は、孵化直後の内臓の急速な発達につながる。卵黄の消費後、早めに雛に餌を与える利点は、市場に売られるまで維持される。
【0003】
一般的な方法(practice)においては、1個のトレイ内の卵は、24−36時間で孵化し、その間、鳥には餌の供給はない。かくして、雛は48−72時間の間、餌と水が与えられない。この時間の間、雛の体重は減少する。その割合は、24時間に4gの割合で、その原因は、水分の損失と卵黄の利用による。孵卵器内のプロセスは21日間で、ブロイラー(食肉用の若鶏)の成長期間は、約42−43日間である。それゆえに、成長の日々は、最終的な成長に大きな役目をする。孵卵器内で餌を与えることは、消化器系の発達を促し、栄養分の消化と吸収を改善し、卵黄依存性から外部の飼料への移行期間を短くする。カロリーのある栄養素は、体重をかなり増加させ、これは4日−8日の間で最大となりその後減少する。市場においては、栄養分に早くありついた雛は、そうでない雛よりも5−8%体重が重い。胸の筋力のパーセントは、餌を与えた鳥は7−9%増加する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
孵化後、餌場へ直ちに行ける雛は、長期に渡り繋がれていない。かくして最初に餌を与える前に、最大48時間の間待たなければならない大部分の家禽は、餌にありつける利点がある。
【0005】
様々な家禽(鶏、七面鳥、ガチョウ、アヒル等)に対し、孵化プロセスの間、餌を供給する方法と装置は、その孵化時間を変えることなく、利点があり、それ故に必要性が広く認められている。
【0006】
小規模に行った予備的な実験で、餌を与える部屋を明るくすることにより、孵化直後および市場を通して、体重の増加が見られた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施例によれば、孵化率と生存率とを低下させることなく、孵化の間雛に給餌する孵卵器内のしき部屋において、(a) 底部と少なくとも1個の壁を有する卵トレイと、(b) 前記卵トレイ内に配置され、底部と透明な壁とを有する少なくとも1つのトラフとを有する。
【0008】
本発明の一実施例によれば、前記トラフは、裏面を有するサイド・トラフである。
【0009】
孵卵器内のしき部屋は、(c)前記卵トレイの上方に配置された光源をさらに有する。
【0010】
本発明の一実施例によれば、前記サイド・トラフの少なくとも1つは、前記卵トレイの壁に配置される。
【0011】
本発明の一実施例によれば、前記光源は、(i)中央UV源と、(ii)前記中央UV源上方に配置された反射器とを有する。
【0012】
本発明の一実施例によれば、前記光源は、前記しきり部屋内に分散配置された少なくとも2個のLEDを有する。
【0013】
本発明の一実施例によれば、孵卵器内のしき部屋は、(d)前記サイド・トラフ上に配置された燐コーティングをさらに有し、前記光源は、弱光源である。
【0014】
本発明の一実施例によれば、孵卵器内のしき部屋は、(c) 前記卵トレイの壁の内側に配置された光源をさらに有し、前記光源は、前記卵トレイ内で孵化前には、卵を温めることのない。
【0015】
本発明の一実施例によれば、前記トラフは、閉鎖ループ形状の囲いを有する第1トラフである。
【0016】
本発明の一実施例によれば、前記トラフは、卵トレイと一体に形成されている。
【0017】
本発明の一実施例によれば、前記トラフは、卵トレイと一体に形成されていない。
【0018】
本発明の一実施例によれば、孵卵器内のしき部屋は、(c)前記トラフは、卵トレイ内に配置され、底部と少なくとも1つの透明な壁を有する第2トラフをさらに有する。
【0019】
本発明の一実施例によれば、前記光源は、(i)中央UV源と、(ii)前記中央UV源上方に配置された反射器とを有する。
【0020】
本発明の一実施例によれば、前記光源は、前記しきり部屋内に分散配置された少なくとも2個のLEDを有する。
【0021】
本発明の一実施例によれば、孵卵器内のしき部屋は、(d)前記サイド・トラフ上に配置された燐コーティングをさらに有し、前記光源は、弱光源である。
本発明の一実施例によれば、(a)孵化率と生存率とを低下させることなく、孵化の間雛に給餌する孵卵器内のしき部屋と、(b)自動飼料供給器とを有する孵卵器において、前記しき部屋は、(i)底部と少なくとも1個の壁を有する卵トレイと、(ii)前記卵トレイ内に配置され、底部と透明な壁とを有する少なくとも1つのトラフと、(iii) 前記卵トレイの上方に配置された光源とを有し、前記自動飼料供給器は、餌を少なくとも1つのトラフに自動的に供給する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】サイド・トラフの斜視図。
【図2】本発明により、サイド・トラフとUV源とを有する孵化器の卵トレイの斜視図。
【図3】本発明により、2個のサイド・トラフとLED光源とを有する卵トレイの斜視図。
【図4】本発明により、2個のサイド・トラフと弱光源と燐コーティングとを有する卵トレイの斜視図。
【図5】卵トレイと第1トラフと第2トラフを並べて配置した斜視図。
【図6】本発明により、卵トレイと1個の第1トラフと2個の第2トラフを並べかつ取り外し可能に配置した斜視図。
【図7】本発明により、卵トレイと1個の第1トラフと2個の第2トラフを互いの中に配置した上面図。
【図8】本発明により、第1トラフを一体に具備した卵トレイの側面方向断面図の斜視図。
【図9】本発明により、卵トレイと1個の取り外し可能な第1トラフと2個の取り外し可能な第2トラフの図7の線a−aの断面図の斜視図。
【図10】本発明により、飼料を有する第2トラフの側面断面図の斜視図。
【図11】本発明により、自動飼料供給器とサイド・トラフの側面図。
【図12】本発明による自動飼料供給器の側面方向断面図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
図1に本発明の飼料供給器として、機能するサイド・トラフ(飼料供給器)100の斜視図を示す。同図においては、浅く細長い長方形の収容体である透明なトラフの壁11と裏面12が示されている。この収容体は、孵卵器(図示せず)内の卵トレイの側面に沿って適合し、餌を収納する。
【0024】
図2は、本発明の孵卵器の卵トレイ200の斜視図を示す。この卵トレイ200の側面にサイド・トラフ100が取り付けられる。
【0025】
本発明によれば、例えば4個のサイド・トラフ(飼料供給器)100が、卵トレイ200内に配置される(図2では2個のみ示す)。サイド・トラフ100は、その側面に取り付けられる。
【0026】
透明なトラフの壁11は、卵トレイ200の側面に沿った別のトラフとして形成されるか、あるいは卵トレイ200と一体に形成される。
【0027】
孵卵器は、1個の卵トレイ200、あるいは複数個(例えば7個)の卵トレイ200を有する。これらは互いに隣り合って配置される。各グループは、複数個(例えば15個)の卵トレイを重ねて配置してもよい。
【0028】
中央のUV源14と反射器15が、本発明の孵卵器内の適宜の場所に配置されて、孵化直後の雛に光を与えるが、孵化前の卵を温めることはない。
【0029】
卵トレイ200とサイド・トラフ100とUV源14と反射器15は、孵卵器内のしきり部屋300の一部を構成する。
【0030】
図3は、本発明の卵トレイ200の斜視図を示す。同図は、LED13を有する光源を示す。このLED13は、孵卵器内に分散して配置されて、孵化した雛を照らすが、孵化前の卵を温めることはない。
【0031】
図4は、本発明の卵トレイ200の斜視図である。同図は、弱光源16と燐コーティング17とを示す。弱光源16は、孵卵器内に配置され、燐コーティング17はトラフの裏面12に配置さ(塗布さ)れる。これにより光を孵化した雛に当てるが、孵化前の卵を温めることはない。
【0032】
本明細書と特許請求の範囲で使用されるように、弱い光とは、雛が餌場を見出すことができるが、雛を攪乱するほど強くはないという意味である。
【0033】
図5は、本発明の卵トレイ200と第1トラフ101と第2トラフ102とを示す。これらは並んで配置される。第1トラフ101と第2トラフ102とは別物であり、卵トレイ200内に取り外し可能に配置される。孵化する間、清掃するために、卵トレイ200の衛生管理を維持するため、あるいは他の目的のために取り外し可能となっている。第1トラフ101の形状は図示したとおりである。即ち、長方形の4つの側面から構成される細長い「囲い」である、あるいは他の形状でもよいる。第2トラフ102の形状も図示したとおりである。即ち、細長い「囲い」であるが、あるいは他の適宜の形状でもよい。照射する為に、第1トラフ101と第2トラフ102の壁は、光源の波長に対し透明である。この構造体の材料は、プラスチック、合成材、他の適宜の材料である。
【0034】
第1トラフ101は、1個の構造体で、卵トレイ200の4個の側面に対向する。あるいは別の構成として、図2−4に示すように、個々の構造体の代わりに、離間して、例えば2個、4個あるいは他の数のサイド・トラフ100を卵トレイ200内に配置してもよい。
【0035】
図6は、卵トレイ200と、卵トレイ200内に配置された第1トラフ101と、第1トラフ101内に配置された2個の第2トラフ102とからなる本発明の構造体の斜視図である。これらは取り外し可能に配置される。第1トラフ101と第2トラフ102の配置場所と数は変更可能で、必要性に応じて選択し決定できる。この必要性とは、雛の清掃スペースのためにスペースを確保したり、雛に餌を与え易くすることである。所定の構造の一例は、1個の細長い第1トラフ101を卵トレイ200内に配置することである。この際、第1トラフ101を卵トレイ200のよりも小さくし、卵トレイ200の壁から所定距離離間して配置する。その結果、雛は、全ての側面から第1トラフ101の「囲い」にアクセスできる。複数個の第2トラフ102を卵トレイ200の「囲い」により形成された内部の直方体内に配置ることもできる。第2トラフ102は、卵トレイ200に対し上面から見ると小さな寸法となっており、雛に与える餌にアクセスし易くなっている。第2トラフ102の数は、必要に応じて選択することができ、例えば全くないか、或いは複数個でもよい。
【0036】
図7は、本発明により、卵トレイ200と1個の第1トラフ101と2個の第2トラフ102が互いの中に配置された状態の上面図である。ラインa−aは、断面線を示す。
【0037】
図8は、第2トラフ102を取り外し、第1トラフ101を一体に形成した卵トレイ200の側面断面a−aで切り取った斜視図である。第1トラフ101は直接卵トレイ200内に連続する部品として形成される。卵トレイ200は、底21と壁22とを有する。この卵トレイの底21の形状は、長方形であるが、湾曲した外形ラインを有してもよい。
【0038】
図9は、本発明による卵トレイ200と1個の取り外し可能な第1トラフ101と2個の取り外し可能な第2トラフ102からなる図7の側面断面a−aで切り取った斜視図である。
【0039】
図10は、本発明による飼料20を収納する第2トラフ102の側面断面a−aで切り取った斜視図である。同図は、第2トラフ102の典型的な構造を示す。この第2トラフ102は、第1トラフ101の構造に適合し、透明なトラフの壁11と底部18とを有する。これらが飼料供給器用の囲い19を形成し、この飼料供給器用の囲い19内に飼料20が配置される。
【0040】
上記した光を当てる方法は、卵トレイと各トラフの組み合わせを含むあらゆる構造に適合可能である。本明細書に開示されたあるいはそこから想到できる他の構造にも適合可能である。
【0041】
図11は、本発明による自動飼料供給器400とサイド・トラフ100の側面図である。本発明によれば、餌は自動的に自動飼料供給器400からトラフ100に供給されて、手動給餌に比べより便利でかつ時間も短い。
【0042】
自動飼料供給器400は、上部部分に飼料貯蔵容器30と、下部部分に漏斗32と、それらの間に給餌器31とを有する。さらに同図は、3つのセンサ33a,b,cを示す。即ち、第1センサ33aは、飼料貯蔵容器30の壁の適宜なレベルに配置されて、この飼料貯蔵容器30内の餌の量を制御する。第2センサ33bは、各トラフ内に入れられる餌の量を制御する。第3センサcは、サイド・トラフ100の壁の一つに配置されて、サイド・トラフ100内の餌の量を制御し、その上の漏斗32の位置を制御する。
【0043】
複数の高さレベルのしきり部屋を有する孵卵器においては、しきり部屋は、卵トレイとトラフとを有し、棚のように引き出し可能で、漏斗32の下に配置されて、トラフ100に餌を供給する。
【0044】
自動飼料供給器400は、電力源とモータと制御システム(図示せず)を有する。
【0045】
同図は、線b−bの側面断面を示す。
【0046】
図12は、本発明による自動飼料供給器の漏斗32の側面断面b−bを示す。この断面は、多くの実施例の内の一つであり、特に餌を4個のサイド・トラフ100に供給するのに適したものである。これにより4個のトラフに同時にあるいは別々に餌を入れることができる。漏斗32は、別の断面の形状と同様に、関連するトラフの配置場所と形状と寸法に適したものである。
【0047】
外部光源を用いた本発明のサイド・トラフ100の効率をテストした。特殊なトレイを、18日間の孵化中、孵卵器内に配置した。これにより孵化した雛が餌場に直ちに行ける。
【0048】
この実験は、4種類の飼育方法からなっている。それらは、雛に給餌した場合と、押さえた(制御)場合と、雄と、雌の組み合わせである。実験設備に雛を入れる前に、雛の体重を量る。表1は、実験中の雛の体重を示す。
表1:36日間に渡って孵化後の雛の体重に対する早めの給餌の効果。
性別 雌 雌 雄 雄
飼育方法 制御 給餌 制御 給餌
孵化時の体重 42.7 43.1 41.1 42.4
10日目 289.4 284.0 276.9 291.1
14日目 474.5 477.2 485.6 506.6
21日目 807.5 820.5 866.7 894.1
28日目 1278.9 1294.7 1386.0 1474.1
36日目 1927.9 1980.6 2261.6 2418.8
【0049】
この実験結果によれば、給餌した雛は、給餌しなかった雛に比べ、36日目には体重が6%増えた。孵化直後に給餌した雌は、餌を制御した雌に比べ、36日目には体重が2.8%が増加した。
【0050】
早めに給餌することは、雛の孵化直後のとブロイラーの発育が改善した。これらのブロイラーは、体重と市販した際に胴体の発育を改善させ、産業界の収益性を改善する。
【0051】
さらなる実験をし、外部光源を用いた4面の給餌トラフを用いた効率を検査した。実験1と同様に、特殊なトレイを孵化の18日間、孵卵器内に搭載した。これにより、孵化したばかりの雛が直ちに餌にたどり着けるようになった。
【0052】
この実験は、5種類の飼育環境で行った。この5種類の飼育環境は、異なる外部光源で、給餌した場合と、抑制した場合で、雄雛で行った。雛を実験設備に配置する前に、雛の体重を量った。表2は、この実験中の体重を表す。
表2:37日間に渡って孵化した後の体重について早めに餌を与えた場合の効果。
飼育方法 負制御 正制御 白 UV 緑
(光源無し) (光源無し) (光源) (光源) (光源)
(餌無し) (餌有り) (餌有り) (餌有り) (餌有り)
孵化率(%) 94.8 95.5 94.7 95.5 94.3
孵化時体重(g) 38.4(a) 37.6(b) 38.3(a) 37.3(b) 73.3(b)
4日目 73.2(c) 76.4(bc) 86.3(a) 70.7(c) 76.6(b)
9日目 181.7(bc) 183.9(b) 216.6(a) 181.1(c) 191.4(b)
23日目 902.5(b) 931.7(b) 992.9(a) 900.7(bc) 887.8(c)
30日目 1355.3(bc) 1396.7(b) 1463.8(a) 1373.4(bc) 1339.1(c)
37日目 1783.4(c) 1887.5(ab) 1903.0(a) 1817.5(bc) 1759.2(c)
【0053】
データは、JMP5.10(SAS Institute, Inc.)の一般線形モデルを用いて解析した。飼育方法は、Tukey testと比較した。有意性は、0.05確率レベルに基づいた。一般的に文字の無い行の平均は、異なる(P<0.05)。
【0054】
括弧内の異なる文字の表の行の平均は、統計的に異なる。即ち、同一の行内のテスト結果(a)は、統計的に(ab)、(b)、(bc)、(c)のテスト結果とは異なる。この場合、テスト結果(a)は最良であるが、テスト結果(c)は最悪である。
【0055】
この実験の結果によれば、正制御(光源なし給餌のみされた)の雛の37日目の体重は、負制御(光源も給餌もなし)の雛に比較して、大幅に改善された(5.8%)。孵化直後直ちに餌を与えられたブロイラーでかつ外部白色光源で照らされた雛は、負制御に比較して、37日目で体重が6.7%増加した。
【0056】
我々の実験結果によれば、本発明の孵卵器内での特別な給餌トレイと光源トレイは、孵卵後の雛が餌場に容易にたどり着けるが、孵化率と生存率を悪くすることはなかった。早期の給餌は、腸の成長を促し、市場に出るまでの雛の初期体重を増加させる。
【0057】
本発明による適切な光源は、雛には見える光スペクトラムの外部の非加熱光源である。
【0058】
光源は、孵卵器内のいくつかの場所に配置される。例えば、トラフ上、孵卵器のキャリッジ上、孵卵器内の何処かの場所でかつ光が雛の注意を引くような場所に配置可能である。
【0059】
以上の説明は、本発明の一実施例に関するもので、この技術分野の当業者であれば、本発明の種々の変形例を考え得るが、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。特許請求の範囲の構成要素の後に記載した括弧内の番号は、図面の部品番号に対応し、発明の容易なる理解の為に付したものであり、発明を限定的に解釈するために用いてはならない。また、同一番号でも明細書と特許請求の範囲の部品名は必ずしも同一ではない。これは上記した理由による。
【符号の説明】
【0060】
100 サイド飼料箱(飼料供給器)
101 第1飼料箱
102 第2飼料箱
200 孵卵器卵トレイ(卵トレイ)
300 孵卵器内のしきり部屋
400 自動飼料供給器
11 透明な飼料箱の壁
12 飼料箱の裏面
13 LED
14 UV源
15 反射器
16 弱光源
17 燐コーティング
19 飼料供給器用導管
20 飼料
21 卵トレイの底
22 卵トレイの壁
30 飼料貯蔵容器
31 給餌器
32 漏斗
33a 第1センサ
33b 第2センサ
33c 第3センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
孵化率と生存率とを低下させることなく、孵化の後ヒナに給餌する孵卵器内のしきり部屋(300)において、
前記孵卵器は、家禽類を人工的に孵化させる装置であり、
前記しきり部屋(300)は、
(A)底部と少なくとも1個の壁を有する卵トレイ(200)と、
前記卵トレイ(200)は、家禽類の卵が転がり出さないように、前記家禽類の卵を保持し、
(B)前記しきり部屋(300)内に、前記卵トレイ(200)内に配置され、底部と壁(11)とを有し、飼料(20)を収納するトラフ(100、101,102)と、
前記しきり部屋(300)は、前記トラフと卵トレイの両方を含み、前記しきり部屋(300)内で、(i)卵の孵化と、(ii)孵化後のヒナへの給餌とが行われ、
(C)光源(14)と、
前記光源(14)は、孵化したヒナが前記記トラフ内で飼料が見えるよう構成され、前記光源(14)がオンの時でも、孵化する前に前記卵トレイ内の卵を温めるのに十分な光量を放射しない、
を有する
ことを特徴とする孵卵器内のしきり部屋。
【請求項2】
前記トラフは、裏面(12)を有するサイド・トラフ(100)であり、
前記光源(14)は、前記卵トレイ(200)の上方に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項3】
前記光源は、
(i) 中央にあるUV源(14)と、
(ii) 前記中央にあるUV源上方に配置された反射板(15)と、
を有する
ことを特徴とする請求項2記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項4】
前記光源は、(i)前記しきり部屋内に分散配置された少なくとも2個のLED
を有する
ことを特徴とする請求項2記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項5】
(D)前記サイド・トラフの側面に塗布された蛍光体コーティング(17)
をさらに有し、
前記光源は、弱光源である
ことを特徴とする請求項2記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項6】
前記光源は、前記卵トレイの壁の内側に配置される
ことを特徴とする請求項1記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項7】
前記トラフは、新たに孵化したヒナに適した飼料を保持する
ことを特徴とする請求項1記載の孵卵器内のしきり部屋。
【請求項8】
ヒナの胃腸を成長させる方法において、
(A)孵卵器内のしきり部屋内でヒナを孵化するステップと、
前記孵卵器は卵が人工的に孵化する装置であり、前記しきり部屋は底部と少なくとも1個の壁を有する卵トレイを有し、
(B)前記孵卵器としきり部屋が孵化する前に前記卵トレイ内の卵を温めるのには十分な光量を放射する光源(14)を有さないように、前記しきり部屋を構成するステップと、
(C)トラフ内に飼料を用意するステップと、
前記トラフは、前記しきり部屋内の卵トレイ内に配置され、孵化後、ヒナが、飼料に近づけるよう配置される
を有する
ことを特徴とするヒナの胃腸を成長させる方法。
【請求項9】
ヒナの胃腸を成長させる方法において、
(A)しきり部屋を有する孵卵器内でヒナを孵化するステップと、
(B)卵トレイを有するようにしきり部屋を構成するステップと、
前記卵トレイは、家禽類の卵が転がり出さないように、前記家禽類の卵を保持し、前記卵トレイは、底部と少なくとも1個の壁を有し、
(C)前記卵トレイ内に少なくとも1つのトラフを用意するステップと、
前記トラフは、飼料を有し、孵化後、ヒナが前記飼料に近づけるよう構成され、
(D)前記しきり部屋に光源(14)を具備させるステップと、
前記光源(14)は、孵化する前に前記卵トレイ内の卵を温めるのに十分な光量を放射しない、
を有する
ことを特徴とするヒナの胃腸を成長させる方法。
【請求項10】
ヒナを成長させる方法において、
(A)トラフ内に飼料を用意するステップと、
(B)前記トラフを孵化トレイ内に配置するステップと、
前記孵化トレイは、卵が転がり出さないように、前記家禽類の卵を保持し、前記孵化トレイは、底部と少なくとも1個の壁を有し、
(C)前記孵化トレイから孵化したヒナに給餌するステップと、
ステップ(C)は、孵化前に戦記孵化トレイ内に飼料を配置することにより行い、
(D)前記しきり部屋に光源を具備させるステップと、
前記光源は、孵化する前に前記卵トレイ内の卵を温めるのに十分な光量を放射しない、
を有し、
前記しきり部屋は、孵化率と生存率とを低下させることなく、孵化の後ヒナに給餌する
ことを特徴とするヒナを成長させる方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−63077(P2013−63077A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−256987(P2012−256987)
【出願日】平成24年11月24日(2012.11.24)
【分割の表示】特願2009−502325(P2009−502325)の分割
【原出願日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【出願人】(508288157)ミロアウト コーポレーション フォー ザ デベロップメント オブ ハイファ ベイ セツルメンツ エルテーデー. (2)
【出願人】(309016267)
【Fターム(参考)】