説明

安全喚起バンド及び安全喚起方法

【課題】 単独で作業をする作業員に対しても確実に作業中の安全への注意を喚起することが可能な安全喚起バンドを提供する。
【解決手段】 装着者の手首に巻き付けられる帯状の本体部10と、本体部10の外側に設けられ、作業者に対して安全に関する注意を喚起する標語や標識、記号などの注意喚起情報を表示する表示部11と、装着者の手首に巻き付けられた本体部10をその両端で止着する止着部12とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建設工事、港湾作業、トラック運転、工場制作、船舶などの作業現場において作業者の安全を喚起するための安全喚起バンドに関する。
【背景技術】
【0002】
建設工事や道路工事など、高所での作業や重機を使用する作業では、作業員の人命にかかわる事故も起こりうる。このような作業中の事故の発生は、機械の操作ミスや連絡ミスなどのヒューマンエラーによるところが多いといわれている。
【0003】
このような事故を未然に防ぐために、例えば、特許文献1では、注意喚起情報を入力する入力手段と、入力手段から入力された注意喚起情報を記憶する記憶手段と、記憶手段に記憶された注意喚起情報を出力する出力手段とを具備する注意喚起装置をヘルメットに装着した注意喚起システムが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−158041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の注意喚起システムでは、ヘルメットを装着している作業員を見る者に対して注意を喚起するだけで、装着者自身への注意を喚起することはできない、つまり一人で作業をする作業員への注意を喚起することができないという問題がある。また、標識やLED等の表示装置を作業現場に配置することも一つの注意喚起手法といえるが、作業中にこれらをわざわざ確認することは少なく、注意喚起の効果としては不十分である。
【0006】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みなされたものであり、単独で作業をする作業員に対して確実に作業の安全への注意を喚起することが可能な安全喚起バンド及び安全喚起方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明に係る安全喚起バンドは、装着者の手首に巻き付けられるバンド本体部と、バンド本体部の外側に設けられ、安全に関する注意喚起情報を表示する表示部と、手首に巻き付けられたバンド本体部をその両端で止着する止着部とを備えることを特徴とする。ここで、安全に関する注意喚起情報とは、安全に関する注意を喚起する標語や標識、記号などをいう。
【0008】
これによれば、安全喚起バンドが、作業時に装着者の目につきやすい手元に装着されることになるので、装着者へ確実に注意喚起をすることができる。また、作業者自身の手首に装着されるから、単独で作業をする作業員に対しても確実な注意喚起が可能となる。
【0009】
ここで、前記表示部は、伸縮性のある塗料で前記注意喚起情報を表示するのが好ましい。
【0010】
これによれば、バンドが装着により湾曲しても、注意喚起情報がひび割れしにくいので、耐久性に優れた安全喚起バンドが実現される。
【0011】
また、前記表示部は、蛍光塗料で前記注意喚起情報を表示するとしてもよい。
【0012】
これによれば、夜間など暗い作業状況においても安全に対する注意喚起が可能となる。
【0013】
さらに、本発明は、安全喚起方法として、帯状のバンド本体部と、バンド本体部をその両端で止着する止着部とを備えるバンドを用いた安全喚起方法であって、前記バンド本体部の外側に、安全に関する注意喚起情報を表示させるとすることもできる。
【発明の効果】
【0014】
このように、本発明に係る安全喚起バンドおよび安全喚起方法によれば、作業時に目につきやすい手元に装着されるので、単独で作業をする作業員に対しても安全への注意を喚起することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】安全喚起バンドの全体を示す図である。
【図2】安全喚起バンドの全体を示す別の図である。
【図3】安全喚起バンドの使用状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る安全喚起バンドおよび安全喚起方法について図を参照しながら説明する。
【0017】
図1および図2は安全喚起バンドの全体を示す図であり、図3は安全喚起バンドの使用状態を示す図である。
【0018】
図1および図2に示すように、本実施の形態に係る安全喚起バンド1は、作業者の手首などに巻き付けて作業者に対して安全の注意を喚起するバンドであり、本体部10と表示部11と止着部12とを備えている。
【0019】
本体部10は、安全喚起バンド1の本体となる帯状部材で、肌に対して親和性があり、かつ、伸縮性のある素材、例えば、クロロプレンゴム製の生地など、ウェットスーツに使用される素材で構成されている。
【0020】
表示部11は、作業者に対して安全に関する注意を喚起する標語や標識、記号など(注意喚起情報)を表示する部分であり、本体部10の装着者と接触する側(内側)の反対側(外側)に設けられる。表示される内容は、塗料を塗布することにより構成される。ここで使用する塗料は、伸縮性のあるラバーインク等のひび割れしにくい塗料を用いるのが好ましい。また、蛍光塗料を塗布すれば、夜間など暗い作業状況や場所での安全喚起にも効果を発揮することができる。なお、塗料を塗布するのではなく、表示内容を印刷するとしたり、表示内容がプリントされたシールを貼付する等してもよいことはいうまでもない。
【0021】
止着部12は、本体部10の両端に設けられ、作業者の手首などに巻き付けたバンドを止着して固定するための部材であり、例えば、面ファスナーである。
【0022】
このように構成される安全喚起バンド1は、図3に示すように、作業者の手首に巻き付けることにより、装着者に対して安全の注意を喚起することができる。すなわち、安全喚起バンド1は、作業時に目につきやすい手元に装着されることになるので、装着者への注意喚起の効果は極めて優れたものとなる。また、手首には腕時計などが装着されることも多いから、作業時だけでなくても装着者への注意喚起を実現することができる。さらに、作業員の手首に装着するようにしているから、単独で作業をする作業員に対しても確実に安全への注意を喚起することが可能となる。
【0023】
以上、本発明に係る安全喚起バンドおよび安全喚起方法について、実施の形態に基づいて説明したが本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の目的を達成でき、かつ発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々設計変更が可能であり、それらも全て本発明の範囲内に包含されるものである。
【0024】
例えば、上記実施の形態では、止着部として面ファスナーを例に説明したが、ボタンなどその他の止着手段であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明に係る安全喚起バンドおよび安全喚起方法は、建設工事等の作業現場等において作業者等の安全を喚起するための装着品として好適である。
【符号の説明】
【0026】
1 安全喚起バンド
10 本体部
11 表示部
12 止着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着者の手首に巻き付けられるバンド本体部と、
バンド本体部の外側に設けられ、安全に関する注意喚起情報を表示する表示部と、
手首に巻き付けられたバンド本体部をその両端で止着する止着部とを備える
ことを特徴とする安全喚起バンド。
【請求項2】
前記表示部は、伸縮性のある塗料で前記注意喚起情報を表示する
ことを特徴とする請求項1記載の安全喚起バンド。
【請求項3】
前記表示部は、蛍光塗料で前記注意喚起情報を表示する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の安全喚起バンド。
【請求項4】
帯状のバンド本体部と、バンド本体部をその両端で止着する止着部とを備えるバンドを用いた安全喚起方法であって、
前記バンド本体部の外側に、安全に関する注意喚起情報を表示させる
ことを特徴とする安全喚起方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−80168(P2011−80168A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234018(P2009−234018)
【出願日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【出願人】(509281243)シー・アイ・マリン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】