説明

安定かつ濾過可能なエンベロープで覆われたウイルス処方物

【課題】治療用生ウイルスおよび生ウイルスワクチンの処方物を提供すること。
【解決手段】エンベロープウイルス(例えば、ニューカッスル病ウイルス(NDV))が、中程度に低い温度(例えば、−20℃)で保存するために処方される。この処方物は、10PFU/mL〜1012PFU/mLの濃度のエンベロープウイルス、および非還元糖(例えば、ショ糖)を含む水溶液である。この非還元糖が二糖である場合、この非還元糖は、5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在し、そしてこの非還元糖が単糖である場合、この非還元糖は、2.5%(w/v)〜25%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在する。この溶液は、約250mOsもしくはこれより高い浸透圧を有し、そして5〜10のpHを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、治療用生ウイルスおよび生ウイルスワクチンの処方物に関する。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
−20℃における凍結液体生ウイルスワクチンの安定化については、非常に限定された例しか報告されていない。これらのほとんどは、精製された生のエンベロープで覆われたウイルスを使用していない(非特許文献1、非特許文献2、非特許文献3、非特許文献4、非特許文献5)。凝固点より低い温度でのエンベロープで覆われたウイルスを安定化するための主な挑戦の1つは、凍結の間および保存段階での構造成分および機能成分(すなわち、タンパク質、脂質二重層およびウイルスゲノム)の物理的破壊を防止することである。タンパク質は、変性を受けやすく(非特許文献6)、そして脂質二重層は、凍結の間に破裂する傾向がある(非特許文献7)ことが報告されている。幾種類かの賦形剤が、凍結の間および凍結状態において、脂質二重層およびタンパク質の構造を安定化することが報告されている(非特許文献6、非特許文献7)。これらの賦形剤としては、ポリオール、糖、緩衝液、アミノ酸およびポリマーが挙げられる。
【0003】
凝固点より低い温度におけるエンベロープで覆われたウイルスの安定化のための主な課題は、凍結の間および保存段階の両方における、このウイルスの構造成分および機能成分の物理的破壊を防止することである。このエンベロープで覆われたウイルス成分としては、以下が挙げられる:(1)脂質二重層エンベロープ膜;(2)このウイルスゲノムによってコードされるタンパク質、および(3)一本鎖もしくは二本鎖のDNAもしくはRNAゲノム。
【0004】
保存の間の安定性を確実にするために、感染性ウイルスのストックは、その複雑性ゆえに、一般に、超低温(例えば、−60℃以下)で保存されている。Gould、E.A.(非特許文献1)は、エンベロープで覆われたウイルスの液体が、−60℃より低い超低温で非常によく生存したが、−20℃での保存は、「ウイルス感染性の保持が必須ではない」場合にのみ使用されるべきであることを教示している。D.R.Harperは、広範な種々のエンベロープで覆われていないウイルスおよびエンベロープで覆われたウイルスの保存条件を記載した(非特許文献3)。全ての場合において、ウイルスは、感染性を保持するために、液体形態で−70℃で保存されるべきであるかまたは親液性物質として4℃で保存されるべきであるかのどちらかである。ニューカッスル病ウイルスの液体調製物についての保存条件は、特に−70℃であると言及される。
【0005】
Yannarellら(非特許文献5)は、低温適合型(cold−adapted)インフルエンザワクチンの、−20℃におけるSPG(ショ糖、ホスフェートおよびグルタミン酸塩(0.218M ショ糖、0.0038M リン酸二水素カリウム、0.0072M リン酸水素二カリウム、0.0049M グルタミン酸カリウム)の混合物)を用いる保存のための条件を記載する。鼻腔内投与のために尿膜腔液中で調製されたインフルエンザウイルスは、SPGの10×溶液で10%に希釈された。この混合物中のショ糖の最終濃度は、7.5%であった。ホスフェートの存在は、NDVを安定化することを助けないが、一方、グルタミン酸塩は、濾過滅菌を妨げる。従って両化合物は、NDVの調製および−20℃での保存に有害である。
【0006】
非経口投与は、さらなる処方の問題を追加する。安全性の理由のため、非経口用途のための製品は、0.2μmフィルターを通して濾過滅菌されなければならず、従って、生ウイルス調製物のための最終滅菌は、不可能である。ニューカッスル病のビリオンは、多形態性であるが、直径約0.1〜0.5nmの範囲の大きさのおよそ球状の粒子である。0.2μm滅菌フィルターを通したNDVの回収率は、処方物依存的であり、そして−20℃液体NDV処方物を開発するための重要な要因であると考えられる。
【0007】
NDVが0.2μm滅菌フィルターを通る能力に影響を与える要因としては、ウイルスの直径、フィルター孔サイズおよびNDVのフィルターへの吸着性が挙げられる。NDVの視覚上の直径は、(1)この処方物の張度および(2)NDVの表面電荷によって影響され得、これは、分子の立体配置および種々の緩衝液の存在下でのNDVの表面上のタンパク質もしくは核酸の吸着に影響を及ぼし得る。
【0008】
NDVのフィルター膜への吸着もまた、ウイルスの滅菌フィルターに対する能力に重要な影響を有し得る。いくつかの要因が、NDVの表面特性に影響を有し得、従って、NDVのフィルターへの吸着性に影響し得る。これらの要因としては、以下が挙げられる:(1)pH、(2)イオン強度、(3)疎水性相互作用もしくはファンデルワールス相互作用およびイオン性相互作用を含む表面相互作用、ならびに(4)界面活性剤のような表面活性剤の存在。
【0009】
(背景についての引用文献)
1.非特許文献1
2.非特許文献2
3.非特許文献3
4.非特許文献4
5.非特許文献5
6.非特許文献6
7.非特許文献7
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0010】
【非特許文献1】E.A.Gould,Protocol「Methods for Long Term Virus Preservation」,Molecular Biotechnology,1999年,第13巻,p.57−66
【非特許文献2】T.Barrettら,「Growth、Purification and Titration of Influenza Viruses」,B.W.J.Mahy編,Virology:A practical Approach,Raven Press Books,1985年,第6章,p.119−146
【非特許文献3】D.R.Harper編,Virology Lab Fax,Bios Scientific Publishers Limited、1993年
【非特許文献4】Lowrence D.Gelb、「Varicella−Zoster Virus」,B.N.Fields編,Virology,Raven Press,1985年,第28章,p.591−626
【非特許文献5】D.A.Yannarellら,「Stabilizing cold−adapted influenza virus vaccine under various storage conditions」,Journal of Virological Methods,2002年,第102巻,p.15−25
【非特許文献6】Prestrelskiら,Separation of Freezing− and Drying−induced denaturation of Lyophilized Proteins using Stress−Specific Stabilization」,Archives of Biochemistry and Biophysics,1993年6月,第303巻,第2号,p.465−473
【非特許文献7】N.Guoら,Trehalose expression confers desiccation tolerance on human cells」,Nature Biotechnology,2000年2月,第18巻,p.168−171
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の要旨)
本発明は、中程度に低い温度の保存のために、エンベロープで覆われたウイルスを安定化するための方法を提供し、この方法は、以下を含有する水溶液を調製する工程を包含する:10PFU/mL〜1012PFU/mLの濃度のエンベロープで覆われたウイルス;および非還元糖。この非還元糖が二糖である場合、この非還元糖は、5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在し、そしてこの非還元糖が単糖である場合、この非還元糖は、2.5%(w/v)〜25%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在する。本発明に従って使用される溶液は、250mOsもしくはそれより高い浸透圧を有し、かつ5〜10のpHを有する。
【0012】
本発明は、非還元糖を含有する水溶液中にエンベロープで覆われたウイルスを処方することが、濾過滅菌および中程度に低い温度での長期間の安定性の両方を達成する有効な方法であることの驚くべき知見に基づく。
例えば、本発明は、以下を提供する:
(項目1)
エンベロープで覆われたウイルスを中程度に低い温度の保存のために安定化させるための方法であって、該方法は、本質的に以下:
10PFU/mL〜1012PFU/mLの濃度の、該エンベロープで覆われたウイルス;および
非還元糖であって、ここで、該糖は、二糖でありかつ5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度で該溶液中に存在するか、または単糖でありかつ2.5%(w/v)〜25%(w/v)の濃度で該溶液中に存在する、非還元糖
からなる水溶液を調製する工程を包含し、ここで、該溶液は、約250mOsもしくはそれより高い浸透圧を有し、かつ5〜10のpHを有する、方法。
(項目2)
エンベロープで覆われたウイルスを中程度に低い温度の保存のために安定化させるための方法であって、該方法は、本質的に以下:
10PFU/mL〜1012PFU/mLの濃度の、該エンベロープで覆われたウイルス;
非還元糖であって、ここで、該糖は、二糖でありかつ5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度で該溶液中に存在するか、または単糖でありかつ2.5%(w/v)〜25%(w/v)の濃度で該溶液中に存在する、非還元糖;および
0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジンもしくはアルギニン、または合わせて0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジンおよびアルギニンより選択されるアミノ酸
からなる水溶液を調製する工程を包含し、ここで、該溶液は、約250mOsもしくはそれより高い浸透圧を有し、かつ5〜10のpHを有する、方法。
(項目3)
エンベロープで覆われたウイルスを中程度に低い温度の保存のために安定化させるための方法であって、該方法は、以下:
10PFU/mL〜1012PFU/mLの濃度の、該エンベロープで覆われたウイルス;および
非還元糖であって、ここで、該糖は、二糖でありかつ5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度で該溶液中に存在するか、または単糖でありかつ2.5%(w/v)〜25%(w/v)の濃度で該溶液中に存在する、非還元糖
を含有する水溶液を調製する工程を包含し、ここで、該溶液は、約250mOsもしくはそれより高い浸透圧を有し、かつ5〜10のpHを有し、そして、還元剤もしくは抗酸化剤を実質的に含まず、かつ以下:
0.1%(w/v)塩化ナトリウム;
1%(w/v)デキストラン;
0.5%(w/v)マンニトール;
0.1%(w/v)ソルビトール;
0.01%(w/v)Tween;
0.01%(w/v)グルタミン酸塩;
0.5%(w/v)ポリエチレングリコール;
0.1mM塩化カルシウム;
0.5%(w/v)ホスファチジルコリン;
0.05%(w/v)グリシン;および
0.01%(w/v)ホスフェート
未満しか含有しない溶液である、方法。
(項目4)
前記溶液は、塩化ナトリウム、デキストラン、マンニトール、ソルビトール、Tween、グルタミン酸塩、ポリエチレングリコール、塩化カルシウム、ホスファチジルコリン、グリシン、およびホスフェートを実質的に含まない、項目3に記載の方法。
(項目5)
前記溶液は、0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジンもしくはアルギニン、または合わせて0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジンおよびアルギニンより選択されるアミノ酸をさらに含有する、項目3に記載の方法。
(項目6)
リジンおよび/またはアルギニンの前記濃度は、約1%である、項目2または項目5に記載の方法。
(項目7)
前記保存温度は、−30℃〜−10℃である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目8)
前記保存温度は、約−20℃である、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記ウイルスは、パラミクソウイルスである、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目10)
前記ウイルスは、ニューカッスル病ウイルスである、項目9に記載の方法。
(項目11)
前記ウイルスは、ニューカッスル病ウイルスの亜病原性株である、項目10に記載の方法。
(項目12)
前記ウイルス濃度は、1×1010PFU/mL〜7×1010PFU/mLである、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目13)
前記二糖濃度は、7.5%(w/v)〜15%(w/v)である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目14)
前記二糖濃度は、約10%(w/v)〜約20%(w/v)である、項目13に記載の方法。
(項目15)
前記糖は、ショ糖である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
前記糖は、トレハロースである、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
前記単糖濃度は、4%(w/v)〜7%(w/v)である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目18)
前記単糖濃度は、約5%(w/v)である、項目17に記載の方法。
(項目19)
前記浸透圧は、約300mOsである、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目20)
前記pHは、7〜9である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目21)
前記溶液は、無菌である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目22)
エンベロープで覆われたウイルスの安定性を保存する方法であって、該方法は、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の溶液を、中程度に低い温度で維持する工程を包含する方法。
(項目23)
前記温度は、−30℃〜−10℃である、項目22に記載の方法。
(項目24)
前記温度は、約−20℃である、項目23に記載の方法。
(項目25)
前記エンベロープで覆われたウイルスがニューカッスル病ウイルスであり、そして前記糖が約10%(w/v)〜約20%(w/v)の濃度のショ糖である、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の方法。
(項目26)
前記エンベロープで覆われたウイルスがニューカッスル病ウイルスであり、そして前記糖が約10%(w/v)〜約20%(w/v)の濃度のショ糖であり、そして前記アミノ酸が約1%(w/v)の濃度のリジンである、項目2または項目5に記載の方法。
(項目27)
エンベロープで覆われたウイルスの安定性を保存する方法であって、該方法は、項目1〜項目3のいずれか1項に記載の溶液を、中程度に低い温度で保存する工程を包含する方法。
(項目28)
前記温度は、−30℃〜−10℃である、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記温度は、約−20℃である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記溶液は、前記温度で6ヶ月間もしくはそれより長く維持される、項目27に記載の方法。
(項目31)
前記溶液は、前記温度で12ヶ月間もしくはそれより長く維持される、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記溶液は、前記温度で24ヶ月間もしくはそれより長く維持される、項目31に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】種々の緩衝液におけるNDVの濾過可能性。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(発明の詳細な説明)
本明細書中で使用される場合、移行用語「含む(comprising)」は、無制限である。この用語を用いている特許請求の範囲は、このような特許請求の範囲に挙げられている要素に加えて要素を含み得る。従って、例えば、挙げられた要素もしくはその均等物が存在する限り、特許請求の範囲から、この特許請求の範囲の中に具体的に挙げられていない他の治療剤もしくは治療用ウイルスを含む処置レジメンを読み取り得る。
【0015】
本明細書中で使用される場合、「NDV」は、ニューカッスル病ウイルスについての略称である。本発明に従い、ウイルスがニューカッスル病ウイルスである場合、これは、低ビルレンス(長潜伏期性)であってもよく、中程度のビルレンス(亜病原性)であってもよく、または高ビルレンス(短潜伏期性)であってもよい。ビルレンスのレベルは、卵における平均死亡時間(Mean Death Time in Eggs、MDT)試験に従って決定される。(Alexander,「Chapter 27:Newcastle Disease」,Laboratory Manual for the Isolation and Identification of Avian Pathogens,第3版,Purchaseら編(Kendall/Hunt、Iowa),117頁。)ウイルスは、MDT試験によって、長潜伏期性(MDT>90時間);亜病原性(60〜90時間のMDT)、および短潜伏期性(MDT<60時間)と分類される。
【0016】
本明細書中で使用される場合、所定の成分もしくは不純物の「実質的にゼロ」の量は、上記溶液中に存在する化合物が、10ppmもしくはそれより低い濃度でこの溶液中に存在することを意味する。
【0017】
プラーク形成単位アッセイの固有の変動性を考慮し、ウイルスは、初期時点と後期時点との間でPFU/mLの量の変化を測定した場合に感染性の50%未満が失われている場合、所定の時間にわたって「安定である」とみなされる。個々のウイルスタンパク質の酵素活性を保存するのみで、感染性をも保存しないことは、本発明の意味において「安定性」の保存であるとはみなされない。
【0018】
本発明は、水溶液を利用する。何故なら、水は、液体処方物中のエンベロープで覆われたウイルスの三次元構造および安定性の維持において必須であるからである。
【0019】
ウイルスが非常に希釈されている溶液は、エンベロープで覆われたウイルスがより安定でないので、望ましくない。一方、高濃度のウイルスは、保存の間に安定性を害されないようである。凍結プロセスにおいて、このエンベロープで覆われたウイルスは、間隙領域内に濃縮され、この条件下で、このエンベロープで覆われたウイルスは、非常に濃縮された状態であると考えられる。本発明に従い、エンベロープで覆われたウイルスの濃度は、10PFU/mL〜1012PFU/mLであり、好ましくは、1×1010PFU/mL〜7×1010PFU/mLである。
【0020】
任意のエンベロープで覆われたウイルスが、本発明に従う水溶液を用いて処方され得る。例えば、ニューカッスル病ウイルスのようなパラミクソウイルスが、使用され得る。ニューカッスル病ウイルス亜病原性株が、現在好ましい。
【0021】
中程度に低い温度(例えば、−20℃)での不活性化からエンベロープで覆われたウイルスを保護するための2つの重要な要因が存在すると考えられる:液体状態の等張性ならびに凍結の間のタンパク質の変性および脂質膜の破壊の防止。浸透圧が等張点(isotonic point)よりずっと低い場合、ウイルス膜の破裂が生じる。高い浸透圧は、保存の間のエンベロープで覆われたウイルスの安定性に影響を及ぼさないようである。本発明に従って、約250mOsもしくはそれより高い浸透圧が、適している。好ましくは、この浸透圧は、約300mOsである。この溶液中の糖の濃度が10%(w/v)よりずっと低い場合、この溶液は、所望の浸透圧を達成するために、他の賦形剤を添加する必要がある場合がある。
【0022】
安定性に影響を及ぼし得る他の重要な要因は、凍結および保存の間の構造成分および機能成分の破壊である。非還元糖、特に二糖は、凍結の間の不活性化からエンベロープで覆われたウイルスを保護することにおいて最も有効である。メカニズムに限定されることを意図しないが、この保護は、タンパク質の三次元構造の変性および脂質二重層構造の破壊を防止することによってもたらされると考えられる。非還元糖はまた、最終処方物中の浸透圧を調整するためにも使用され得る。対照的に、還元糖である乳糖は、同じ安定化効果を示さなかった。任意の非還元糖が、本発明の溶液において使用され得る。この糖が二糖である場合、この糖は、5%(w/v)〜50%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在する。特定の実施形態において、この二糖は、7.5%(w/v)〜15%(w/v)の濃度で存在する。好ましい実施形態において、この二糖は、10%(w/v)〜20%(w/v)の濃度で存在し、より具体的には約10%で存在する。適切な二糖の例としては、ショ糖もしくはトレハロースが挙げられる。この糖が単糖である場合、この糖は、2.5%(w/v)〜25%(w/v)、好ましくは4%(w/v)〜7%(w/v)、より好ましくは約5%(w/v)の濃度でこの溶液中に存在する。
【0023】
本発明に従って、上記溶液は、必要に応じて、0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジン(L−リジンおよびD−リジンが適する)もしくはアルギニン、または合わせて0.1%(w/v)〜5%(w/v)の濃度のリジンおよびアルギニンをさらに含み得る。好ましくは、リジンおよび/もしくはアルギニンの濃度は、約1%(w/v)である。
【0024】
このウイルスの安定性は、pHによって影響される。本発明に従い、この溶液は、5〜10、好ましくは6.5〜9、より好ましくは7〜9、より具体的には約7.5のpHを有し得る。
【0025】
種々の化合物が、安定性、濾過可能性またはその両方に負の効果を有する。そして溶液中のこれらの存在は、最小化される。最適な安定性のために、本発明に従う溶液は、還元剤(例えば、還元糖、システイン)または抗酸化剤(例えば、EDTA、アスコルビン酸)を実質的に含んではならない。特定の他の化合物は、より有害性は低く、従って、完全に除去する必要はない。例えば、以下を含むことが、本発明に従って使用される溶液について受容可能である:0.1%(w/v)までの塩化ナトリウム;1%(w/v)までのデキストラン;0.5%(w/v)までのマンニトール;0.1%(w/v)までのソルビトール;0.01%(w/v)までのTween;0.01%(w/v)までのグルタミン酸塩;0.5%(w/v)までのポリエチレングリコール;0.1mMまでの塩化カルシウム;0.5%(w/v)までのホスファチジルコリン;0.05%(w/v)までのグリシン;および0.01%(w/v)までのホスフェート。それでもやはり、塩化ナトリウム、デキストラン、マンニトール、Tween、グルタミン酸塩、ポリエチレングリコール、塩化カルシウム、ホスファチジルコリン、グリシン、およびホスフェートを実質的に含まない溶液が、好ましい。グリシンおよび負に荷電した緩衝液(例えば、グルタミン酸塩緩衝液もしくはホスフェート緩衝液)は、濾過滅菌および回収のためによくない。
【0026】
この溶液が非経口的に投与される場合、この溶液は無菌であるべきである。無菌性は、局所投与もしくは経口投与のためには重要ではない。この溶液は、低温保存の前に、薬学等級の滅菌フィルターによって滅菌され得、そして好ましくは滅菌されるべきである。滅菌のための好ましい方法は、エンベロープで覆われたウイルスの有効なサイズより大きいが、細菌より小さいサイズを有するフィルターを用いるサイズ濾過(size−filtration)である。0.2μmの滅菌フィルターが、好ましい。通常、溶液の粘度は、濃度によって増大し、この粘度は、NDVが濾過されることを難しくし得る。濾過滅菌の間に良好なウイルス回収率を得るために、圧力は、好ましくは、10〜15psiの間に維持されるべきである。高い粘度および低い圧力設定を用いてエンベロープで覆われたウイルスを濾過することは、非常に困難であり得る。高粘度による問題は、ウイルスの濾過滅菌後の無菌的混合を用いることによって、克服され得る。高粘度を回避するために、高濃度の賦形剤を用いないことが好ましい。例えば、デキストラン(グルコースベースのポリマー)は、濾過および最終濾過の間のウイルスの回収に影響し得る。
【0027】
これまで、エンベロープで覆われたウイルスの液体処方物は、−60℃もしくは−70℃のような超低温でのみ安定であると考えられていたが、驚くべきことに、本発明に従って処方されたエンベロープで覆われたウイルスは、−20℃で長期間にわたって安定であることが見出された。例えば、本発明において処方されるエンベロープで覆われたウイルスは、−4℃〜−30℃、好ましくは−10℃〜−30℃、より好ましくは−15℃〜−25℃、なおより好ましくは−20℃の温度で安定である。約−20℃での保存は、便利である。−20℃で安定性を維持する能力は、病院および薬局(代表的に、−20℃の冷凍庫を有するが、通常は−70℃の冷凍庫を有さない)で治療用製品を貯蔵することを可能にする。さらに、従来的な容器の閉鎖は、−20℃において−70℃におけるよりも良好な可撓性を維持し、無菌性の維持およびそれによる患者の安全は、−20℃での保存によって保障される。本発明の方法を用いて、エンベロープで覆われたウイルスは、6ヶ月間、12ヶ月間、24ヶ月間またはそれより長くにわたって、安定である。
【0028】
本発明は、以下の実施例を参照してよりよく理解される。この実施例は、例示であるが、本明細書中に記載される本発明を限定しない。以下の実施例において、NDVは、三重プラーク精製された(triple−plaque purified)MK107株であり、この株は、ニューカッスル病ウイルスの弱毒化(亜病原性)型である。この株は、2000年10月26日公開の国際特許出願公開第00/62735号(Pro−Virus、Inc.)においてより完全に記載される。国際特許出願公開第00/62735号の内容全体は、本明細書により本明細書中で参照として援用される。
【実施例】
【0029】
MLは、5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン(pH8.0)と規定される。
【0030】
(実施例1:5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン溶液中のNDVの安定性)
NDVを、亜病原性ニューカッスル病ウイルス株Mass−MK107から、三重プラーク精製によって誘導し、そして10日の胚含有(embronated)ニワトリ卵の齢尿膜腔液腔内にウイルスを接種することによって産生した。36℃で2日間のインキュベーション後、この卵を冷却し、そして尿膜腔液を収集した。収集した尿膜腔液を、5%(w/v)D−マンニトールおよび1%(w/v)L−リジン(pH8.0)緩衝液(ML)を用いてダイアフィルトレーションし、清澄化し、そして接線流濾過(tangential flow filtration)およびサイズ排除クロマトグラフィーによって1〜4E+10PFU/mLの濃度に精製して、等分し、そして−20℃で保存した。NDV力価を、プラークアッセイによって測定し、そして1mlあたりの感染性NDVプラーク形成単位(PFU)の量で表した。このアッセイのために、ヒトHT1080線維肉腫細胞を、組織培養プレート中に播種し、そしてコンフルーエンスまで増殖させた。この増殖培地を除去し、細胞単層を培地で洗浄し、そして0.5mLのNDVサンプルを添加した。このプラークを、90分間、37℃かつ5% COで振とうすることによってインキュベートした。この単層を、記載のように洗浄し、そして3mLの半固体寒天培地を、各ウェル上に積層した。この培養物を、48時間、37℃かつ5% COでインキュベートした。この細胞単層を、ニュートラルレッドで染色し、プラークを計数し、そしてウイルス力価をPFU/mLで決定した。この結果(表I)は、−20℃で5%マンニトール/1%リジン中で保存されたNDVは、平均80%を超える活性を失っており、安定ではなかったことを示した。安定性を、0時間力価に対する残留した力価の割合(%)で表した。
【0031】
(表I:5% D−マンニトール(w/v)および1% L−リジン(w/v)中に処方したNDVの−20℃における安定性)
【0032】
【表1】

NT:試験せず
(実施例2:10%(w/v)ショ糖溶液中のNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、接線流濾過およびサイズ排除クロマトグラフィーによって緩衝液を10%(w/v)ショ糖溶液に交換し、等分し、そして−20℃で保存した。安定性を、実施例1に記載のプラークアッセイによって測定した。この結果(表II)は、−20℃で10%(w/v)ショ糖溶液中で保存されたNDVは、24ヶ月間まで安定であったことを示した。
【0033】
(表II:−20℃におけるNDV 10%(w/v)ショ糖処方物の安定性)
【0034】
【表2】

NT:試験せず
(実施例3:他の賦形剤を含有する10%(w/v)ショ糖溶液中NDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、接線流濾過およびサイズ排除クロマトグラフィーによって緩衝液を10%(w/v)ショ糖溶液に交換した。別個の、アミノ酸を含有する10%(w/v)ショ糖溶中のNDVの処方物を、L−リジン、L−グリシンもしくはL−グルタミン酸のいずれかを1%(w/v)の最終濃度まで添加することによって調製した。この処方物を、等分し、そして−20℃で保存した。安定性を、実施例1に記載のプラークアッセイによって測定した。この結果(表III)は、−20℃で、1%リジン、1%グリシンもしくは1%グルタミン酸を含有する10%(w/v)ショ糖溶液中で保存されたNDVは、14ヶ月間まで安定であったことを示した。
【0035】
(表III:−20℃におけるアミノ酸含有10%(w/v)ショ糖中のNDVの安定性)
【0036】
【表3】

(実施例4:他の緩衝溶液中のNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製した。このNDVサンプルの一部分を、以下を含有する異なる処方物に緩衝液交換した:5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)L−リジン/2%(w/v)ゼラチン加水分解産物、10%(w/v)トレハロース/1%(w/v)L−リジン、5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン中200mM酢酸ナトリウムおよび5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン中2%ヒト血清アルブミン(HSA)。これらを等分し、そして−20℃で保存した。安定性を、実施例1に記載のプラークアッセイによって測定した。2%(w/v)ゼラチン加水分解産物の5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)L−リジン中で調製したNDVへの添加は、マンニトール/L−リジン処方物中で調製したNDV(実施例1参照)と比較して、安定性を有意に改善した。一方で、2% HSAの添加は、より控えめなレベルの保護を提供した。
【0037】
(表IV:−20℃におけるゼラチン加水分解産物、HSA、酢酸Na、およびトレハロースを含有する緩衝液中のNDV処方物の安定性)
【0038】
【表4】

(実施例5:−20℃におけるデキストラン緩衝液中のNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製した。このNDVサンプルの一部分を、以下を含有する異なる処方物に緩衝液交換した:0.9%(w/v)NaCl/5%(w/v)デキストランおよび10%(w/v)トレハロース/20%(w/v)デキストラン。デキストランは、NDVを−20℃で保存した場合、NDVに対して中程度のレベルの保護を提供する(表V)ことを見出した。
【0039】
(表V:−20℃におけるデキストラン緩衝液中のNDVの安定性)
【0040】
【表5】

(実施例6:他の緩衝溶液中のNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、異なる緩衝液に緩衝液交換し(実施例4および実施例5を参照)、等分し、そして−20℃で保存した。安定性を、実施例1に記載のプラークアッセイによって測定した。この結果(表VI)は、−20℃で、表VI中に記載の緩衝液中で保存されたNDVは、安定ではなかったことを示した。
【0041】
(表VI:−20℃において緩衝液中のNDVは不十分な安定性を示す)
【0042】
【表6】

NT:試験せず
(実施例7:マンニトール中で調製したNDVの濾過滅菌)
5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン中のNDVを、実施例1に記載のように調製した。一部分を5%(w/v)マンニトールにダイアフィルトレーション(how)した。デキストランを、NDV MLの別の一部分に添加し、10%(w/v)デキストラン含有ML中のNDVのサンプルを調製した。これらのサンプルを、約30mLの各サンプルを連続的に0.45μm SartobranOプレフィルターおよび0.
22μm SartobranOフィルターに15psi下で通すことによって、これら
のサンプルが濾過滅菌を受ける能力について試験した。これらのフィルターを、ML緩衝液によって事前に湿らせた。各サンプル由来の濾液を、収集し、そして実施例1に記載のように、回収したウイルスプラーク活性(PFU)の総量についてのプラークアッセイによって分析した。ML緩衝液中もしくは5%(w/v)マンニトール中のNDVは、容易に濾過されたが、一方、10%(w/v)デキストランを含有するML緩衝液は、かなりフィルターを通りにくかった(表VII)。
【0043】
(表VII:マンニトール/リジン/デキストランを含有するNDVについての濾過研究のまとめ)
【0044】
【表7】

(実施例8:リジン/ホスフェート/NaClを含有するNDVマンニトール緩衝液の濾過滅菌)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、図1に記載の緩衝液に緩衝液交換し、そして実施例7に記載のように、これらが濾過滅菌を受ける能力について試験した。フィルターを、この処方物において使用した緩衝液で事前に湿らせた。各処方物について、フィルターを通るNDV緩衝液の容量を、収集し、そして蓄積した容量を計算した。5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン中で調製したNDVは、良好に濾過された。324mOs NaCl中で調製したNDVはいくらか濾過されたが、1%(w/v)L−リジン、20mmホスフェート含有5%(w/v)マンニトールまたは0.9%NaClもしくは20mMホスフェート含有5%(w/v)マンニトール/1%(w/v)リジン中で調製したNDVは、よく濾過滅菌されなかった。
【0045】
(実施例9:10%(w/v)ショ糖もしくは10%(w/v)トレハロースを含有する緩衝液中で調製したNDVの濾過滅菌)
NDVサンプルを、実施例1に記載のように調製し、10%(w/v)ショ糖もしくは10%(w/v)トレハロースにダイアフィルトレーションした。これらの溶液から、10%(w/v)ショ糖/1% L−リジン、10%(w/v)ショ糖/1% L−リジン/10%(w/v)デキストラン、および10%(w/v)トレハロース/1% L−リジンを含有するNDVのさらなるサンプルを、それぞれの成分を添加することによって調製した。このサンプルを、実施例6に記載のように、これらが濾過滅菌を受ける能力について試験した。10%(w/v)ショ糖、10%(w/v)ショ糖/1%(w/v)L−リジンもしくは10%(w/v)トレハロース中で調製したNDVは、非常に良好な回収率で濾過滅菌された。10%(w/v)トレハロース/1%(w/v)L−リジン中で調製したNDVは、合理的な回収率で濾過されたが、一方、10%(w/v)ショ糖/1%(w/v)L−リジン/10%(w/v)デキストラン中で調製したNDVは、十分に濾過滅菌されなかった(表VIII)。
【0046】
(表VIII:ショ糖/トレハロース/リジン/デキストランを含有するNDVについての濾過研究のまとめ)
【0047】
【表8】

(実施例10:1% L−リジン、1% L−グルタミン酸塩もしくは1% L−グリシンを含有する10%ショ糖中で調製したNDVの濾過滅菌)
NDVサンプルを、実施例1に記載のように調製し、10%(w/v)ショ糖にダイアフィルトレーションした。これらの材料を、4つの部分に分配した。L−リジン、L−グルタミン酸塩、もしくはL−グリシンを、これらの部分のうち3つに各々添加し、10%(w/v)ショ糖および1%(w/v)L−リジン、L−グルタミン酸塩、もしくはL−グリシンを含有するサンプルを産生した。これらのサンプルを、実施例6に記載のように、これらが濾過滅菌を受ける能力について試験した。10%(w/v)ショ糖もしくは1% L−リジン含有10%(w/v)ショ糖中で調製したNDVは容易に濾過されたが、一方、1%(w/v)L−グルタミン酸塩もしくはグリシンを含有する10%(w/v)ショ糖中で調製したNDVは、わずかに濾過された(表IX)。
【0048】
(表IX:ショ糖/リジン/グルタミン酸/グリシンを含有するNDVについての濾過研究のまとめ)
【0049】
【表9】

(実施例11:異なるpHにおける10%ショ糖/リジン中のNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、そして10%(w/v)ショ糖に緩衝液交換した。異なるpHにおけるNDV/10%ショ糖溶液の試験サンプルを、pH調整した(異なるpHの)ショ糖/リジン緩衝液を添加することによって調製し、そして−20℃で保存した。安定性サンプルを、実施例1に記載のプラークアッセイによって試験した。この結果は、NDV/10%ショ糖溶液は、pH7.3〜pH8.8の範囲において、より低いpHよりも安定であることを示した。
【0050】
(表X:−20℃における、異なるpHでの10%ショ糖(w/v)/1%リジン(w/v)中で処方されたNDVの安定性)
【0051】
【表10】

TNTC:数が多すぎて計数できず
(実施例12:異なるショ糖濃度におけるNDVの安定性)
NDVを、実施例1に記載の方法によって調製し、そして10%(w/v)ショ糖に緩衝液交換した。異なる濃度のショ糖溶液におけるNDVの試験サンプルを、異なる濃度のショ糖を添加するか、または注射用水を添加することによって調製し、そして−20℃で保存した。各処方物の最終力価を、約2E10に調整した。安定性サンプルを、実施例1に記載のプラークアッセイによって試験した。この結果は、10〜20%(w/v)ショ糖中で調製したウイルスは、より低いショ糖濃度中で調製したウイルスよりも安定であったことを示す。
【0052】
(表XI:−20℃でのNDV安定性におけるショ糖濃度の効果)
【0053】
【表11】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。

【図1】
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【公開番号】特開2012−214518(P2012−214518A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−179515(P2012−179515)
【出願日】平成24年8月13日(2012.8.13)
【分割の表示】特願2007−539369(P2007−539369)の分割
【原出願日】平成17年11月4日(2005.11.4)
【出願人】(504397480)ウェルスタット バイオロジクス コーポレイション (13)
【Fターム(参考)】