説明

完全なシールを容易にする回転駆動軸カプラ

【課題】回転軸及びその閉じたハウジングの接着された又は固定されたシールの解決法を提供する。
【解決手段】回転軸動作を二つの直角振動に変換し、カプラの反対側で、第3の発振器が振動を回転動作に戻すように変換する。少なくとも一つのスリップなしのシールが、出力軸16によって占められる空間を入力軸22によって占められる空間から分離するため、カプラからそのハウジングまで、構成され得る。各々の三つの振動動作は、摩擦を減少して、熱を生成するため、軸受、ギア及びトラックによって導かれ得る。永久磁石の対84,86は、分岐を防ぎ、出力軸を入力軸の回転方向に続くようにさせるために用いられる。電磁結合とは異なりトルク伝達は直接的である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの完全なシールを挿入し、一方で入力軸を囲む閉じた空間から出力軸を囲む隣接した空間に、又は、その逆も同じように駆動軸回転動作を伝達する工学的な方法及び装置に関するものである。本発明は、重要な機械構成要素を流体又は水分の侵入による電気的短絡と同様に、環境汚染、腐食から保護するものである。
【背景技術】
【0002】
厳しいサービス環境からの機械保護を提供するための機械的な面シールは周知のものであり、回転軸が固定されたハウジング内部からそのハウジングの外側に拡張するのを可能にする。しかしながら、摩耗、腐食、及び、圧力及び温度の大きな変動が多くの場合、面シールの破損に結果としてつながる可能性がある。長年、その信頼性を増し、維持費を減少するため、面シール設計アセンブリを改良するように多くの工学的労力が費やされてきた。
【0003】
他の公知の解決法は、モータをその荷重から分離するために空気ギャップを有する電磁結合の使用である。電磁結合を用いた機械の基本的な制限は、その限られたトルク荷重、カップリングサイズ、及び、カプラでの熱生成である。しかしながら、高トルク及び高度な制御を必要とする多くの工業的機械の用途が存在するが、電磁結合を実行する余地が欠如している;又は、機械自体が非常に高い外圧にさらされる又は定期保守サービスが困難である作動状態下にある。
【0004】
2011年の日本における巨大地震後の予備発電機の故障による原子力発電所災害により、海水の氾濫を乗り切ることができる新規な発電機及びポンプ設計の緊急な必要性がもたらされた。機械的シールは、防水発電機及びポンプ設計において重要な役割を果たす。
【0005】
機械的面シール及び電磁結合の両方は、特定のタイプの操作環境及び状態に適しているが、一般に問題のない解決法ではない。それでもなお、回転軸シールの問題を解決することは、技術的に難しい。自動車、ポンプ、電力生成、船舶、航空宇宙、油田サービス、精練所、化学プラント、食品加工その他を含む多くの産業がなお、回転動作を閉じた空間からその隣接した空間に、又は、その逆も同じように移すことができるより良好なシール解決法を必要とする。
【0006】
回転軸の伝統的な面シールの解決法を交換する際の基本的な数学的問題は、回転軸と固定されたハウジングとの間で生じる、この界面でシールを接着又は固定することを防ぐ無限の周期的境界条件のシールを回避することである。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、入力軸の回転動作を、駆動軸カプラを経て二つの直角振動動作に変換し、振動を出力軸の回転へ戻して変換するためにこのカプラの反対側で第3の発振器を用いることによって、回転軸及びその閉じたハウジングの接着された又は固定されたシールの解決法を提供することである。第3の発振器はカプラに載置され、カプラの動作に対して垂直に移動する。駆動軸カプラの中央に入力軸を出力軸から分離する一体の壁が存在する。
【0008】
発振器が無限の周期的な境界条件を生成しないので、それゆえに、駆動軸カプラとその閉じたハウジングとの間で少なくとも一つの接着された又は固定された封止を構成することができる。この完全なシール及び駆動軸カプラは、外部の環境及び物質から機械の高感度要素を保護するだけではなく、外部荷重を駆動するために回転動作を伝達することができる。各々の振動動作は、摩擦を減少し、熱生成を防ぐため、線形の動作軸受、ブッシュ、ギア、又は、ローラー及びトラックの組合せによって導かれ得る。駆動軸カプラで極端な温度がない場合は、ゴムのような材料、複合材等の材料がシール材料として使われ得る。
【0009】
駆動軸の頻繁な起動及び停止に伴う用途において、駆動軸カプラの各々の側で発振器の翼に取り付けられた磁石は、入力軸の端で中心をずれたピンが例えば、本発明では0度及び180度のように二つの特定の角度の位置で起動する場合、出力軸の回転分岐が生じるのを防ぐために用いることができ、出力軸は常に、同じ方向に回転するために入力軸に続くようにされる。
【0010】
本発明の機械的な伝達を要約すると:入力回転軸の一端の中心をずれたピンは、駆動軸カプラで垂直及び水平な振動を始め、駆動軸カプラの対向端部に載置された第2の垂直発振器は、連結された出力軸を入力軸と同期するように回転させる。
【0011】
本発明の新規性、特色、他の目的及び機能性は、添付の図面と共に以下の詳細な説明を参照することによって明確に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、回転駆動軸カプラの機械的なアセンブリの斜視図である;
【図2】図2は、本発明の振動変換器の分解立体図である;
【図3】図3は、本発明の機械的なアセンブリの断面図である;
【図4】図4は、本発明のシールの斜視図である;
【図5a】図5(a)及び(b)は、ユニット円上の入力軸及び出力軸の角度のピン位置の分岐の図である;
【図5b】図5(a)及び(b)は、ユニット円上の入力軸及び出力軸の角度のピン位置の分岐の図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
回転駆動軸カプラの基本的構成要素は、入力軸、振動変換器、出力軸、シール及びハウジングである。図1に示されているのは、回転駆動軸カプラの機械的なアセンブリの斜視図である。発明の回転駆動軸カプラの明確な像を得るため、駆動用モータを含むハウジング12の後側部分は省略される。
【0014】
ここで、図1においてさらに詳細に本発明10を参照すると、ユニット30は、翼64を有する垂直発振器と、二つのリニア軸受/ブッシング38及び34内部で垂直に移動する軸62とを含む振動変換器である。しかしながら、振動変換器30の対向端部における類似した又は同一の垂直発振器は、図に示されない。ユニット30自体は、二つの支持プレート44及び46によりハウジング12の内部に固定され、溶接される他の二つのリニア軸受/ブッシング52及び54内部で水平に移動する。ユニット30はまた、ハウジング12の屋根及び床面に固定されるホイール、ギア、トラック、ブッシング又は軸受のような低摩擦構成要素を用いて水平に移動することができる。リニア軸受/ブッシングは、動作中、軸が回転できない一次元の線形動作装置である。単一形ブッシングの使用が好ましい場合、軸回転を防ぐため、二重軸の発振器設計の選択が考えられるべきである。入力回転軸22及び出力回転軸16もまた、図示される。出力回転軸16及びピン18がどのように振動変換器30と係合するかは、後述される。入力回転軸22は、同じ係合メカニズムを使用する。
【0015】
図2は、出力軸16と共に振動変換器30の分解立体図を示す。出力軸16は、発振器の中央に埋め込まれた玉軸受80により垂直発振器を翼88及び軸82に係合することができる押出加工されたピン18を一端で有する。二つの永久磁石84及び86は、この垂直発振器の翼88の下に取り付けられる。磁石84及び86は、二つの垂直振動動作を同期させる細い非磁性壁42により、振動変換器30の反対側で磁石66及び68と相互作用するため、発振器変換器30の中央において、押出加工された切れ目48内部で拡張される。細い壁42及び振動変換器30の本体は、磁石の引力の通過を可能にする例えばハステロイ、チタニウムその他のような特別な非磁性材料で作成され得る。押出加工された突起26は、図3及び図4に示されるシール14を取り付けるために用いられる。リニア軸受/ブッシング32及び36は垂直振動軸82を導き、リニア軸受/ブッシング52及び54は、振動変換器30の水平な振動軸70及び72を導く。
【0016】
さらに詳細に、図3に示される本発明を参照すると、出力軸16は、スラスト軸受24によってハウジング12の口28で支持される。波形シール14は、ハウジング12の口28で接着されるより小さな直径の端部と、振動変換器30で押出成形26に接着される他端とを有する。押出成形26は、図2においても示される。出力軸によって占められる空間は、スラスト軸受24、シール14、及び、中央に細い壁42を有する振動変換器30によって閉じられる。スラスト軸受24は、ハウジング12の口28に取り付けられる。それゆえに、出力軸によって占められる空間と入力軸によって占められる空間との間に完全な接着の分離が存在する。重要ではないが、面シールは、追加の保護を提供するためにハウジング12の口28でも実行され得る。
【0017】
振動変換器30の細い壁42に関して、対称的に構築される二つの垂直発振器もまた、図3に示される。ピン20を有する入力軸22は、振動変換器30の入力側で軸受/ブッシング34及び38内部で摺動する他の垂直発振器と係合する。入力軸22の中心をずれたピン20によって生成されるトルクがすべての三つの振動動作を開始し、連結された出力軸16は、受動的に入力軸22の回転に続くようにされる。入力回転軸22を固定して駆動するモータは、ここでは示されない。
【0018】
図4は、ハウジング12の口28、さらに図3の振動変換器30の突起26で接着された波形シール14を示す。シール14は、水平な振動にさらされる。それゆえに、伸長性及び起伏に加えて、ゴムのような柔らかい材料、類似した複合材等を使用することで、シール14上の応力を減少させ、その寿命を長くする。
【0019】

【0020】
ここで図5a及びbを参照すると、図5aは同期して回転する二つの軸を示し、図5bは反対方向に回転する二つの軸に示し、一方は時計回り方向に、他方は逆時計回り方向に回転し、両方の回転可能性は機械的に許容される。頻繁に停止及び起動する回転の用途のため、入力軸のピン位置が特にこれらの二つの位置で時折起動する場合、予測不可能な出力軸回転方向の生成の可能性を防ぐ必要がある。上記に説明された好適な解決法は、入力軸ピン開始位置に関係なく、二つの垂直発振器を同じ方向に移動させる永久磁石の対の使用である。
【0021】
もちろん、その軸を選ばれた方向で回転させるため、入力軸、出力軸のいずれか又は両方に取り付けることができる、例えば特別なクラッチ又はラチェットその他のような他の機械的な装置が存在する。他の解決法は、二つの分岐位置以外の位置のみで入力軸を停止させるサーボモータの制御を含む。それゆえに、他の一方向性の機械的な装置又は方法の助けを借りて、本発明はまた、磁石を使用せずに作動することができる。
【0022】
0及び180度の二つの水平な分岐位置は、回転駆動軸カプラの直角発振器の特定の配置によるものであると理解される。そのハウジングと関連してカプラ・アセンブリを回転させる方法によって、他の角度の位置に配置することができる。
【0023】
回転伝達を要約すると:入力回転軸22の端部の中心をずれたピン20は、二つの直角振動動作を開始する;一方は、振動コンバータ30の水平な振動であり、他方は、翼64と、リニア軸受/ブッシング34及び38内部で垂直に移動する軸62とを有する垂直発振器の垂直振動である。軸70及び72を有する振動変換器30は、プレート44及び46でハウジング12の内部に堅固に取り付けられるリニア軸受/軸受52及び54内部で水平に移動する。振動変換器30の反対側で、翼88と、リニア軸受/ブッシング32及び36内部で垂直に移動する軸82とを有する第2の垂直発振器は、出力軸16を入力軸22と同期して回転させるため、出力軸16のピン18と係合する。
【0024】
本発明の利点としては、初めて接着された又は固定されたシールを可能にし、一方で閉じた空間内部からその隣接する空間に回転軸動作を伝達することが挙げられるが、これに限定されるものではない。磁石のカプラと異なり、スリップなしで、直接の1対1のトルク速度伝達比が存在する。出力回転速度制御はまた、磁石のカプラより非常に単純である。完全なシール及び改良された信頼性により、多くの魅力的な産業環境でこの新規な発明の用途を見つけることができる。
【0025】
本発明は機械的な設計の概念に重点を置くものであり、設計のサイズを小型化する労力はない。例えば、ギア・ボックス、ラチェット、クラッチ等の他の機械的な装置と結合した駆動軸カプラの使用は、容易に想像することができる。高圧の用途において、シールの大きな変形を防ぐため、接着された又は固定されたシールの両側で小室において圧力平衡流体を使用することができる。
【0026】
広い実施態様において、本発明は、完全なシールを構成し、一方で閉じた空間からその隣接する空間に、又は、その逆も同じように回転軸動作を伝達する可能性を提供する装置と同様に方法の発明である。この新規な発明及び技術は、製品に面シール及び電磁結合を現在使用する多数の産業に革命をもたらす潜在性を有する。
【0027】
前述の本発明の記載により、当業者が現在、その最良の形態であると考えられるものを製作し使用することができる一方で、その当業者は、特定の実施態様、方法及び実施例の変化、組合せ及び同等物の存在を理解及び認識する。本発明はそれゆえに、発明の範囲及び趣旨内のすべての実施態様及び方法以外、上記の実施態様、方法及び実施例によって制限されるべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力軸回転を機械的カプラで複数の直角振動に変換して、出力軸回転に変換する連結方法であって、該連結方法は:a)該機械的カプラの入力端部上で発振器を該入力軸を接合することと;b)該機械的カプラで複数の該発振器を用いて、該入力軸の回転動作を複数の直角振動に変換することと;c)該機械的カプラの出力端部上で該発振器と該出力軸とを接合することと;を含み、回転を振動に変換することにより、該機械的カプラとそのハウジングとの間の接着されたシールが可能になる、連結方法。
【請求項2】
前記入力軸によって占められる空間を前記出力軸によって占められる空間から分離するため、前記機械的カプラと前記閉じられたハウジングとの間のシールを接着する又は固定することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項3】
磁石を用いて、前記入力軸の二つの最初の角度の開始位置で前記出力軸の回転分岐を防ぐため、前記出力軸に前記入力軸に続くようにさせることをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項4】
前記発振器を導くため、低摩擦構成要素を使用することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項5】
前記機械的カプラで前記入力軸を前記出力軸から分離することをさらに含む、請求項1の方法。
【請求項6】
前記入力軸及び前記出力軸が押出加工されたピンを有する、請求項1の方法。
【請求項7】
前記機械的カプラの前記入力端部及び前記出力端部の両方で前記発振器が、前記入力軸及び前記出力軸を係合するため、前記低摩擦構成要素を有する、請求項1の方法。
【請求項8】
前記入力軸及び出力軸が圧力平衡流体により囲まれ得る、請求項1の方法。
【請求項9】
前記入力軸の回転動作を二つの直角振動に変換するため、前記入出力端部間で分離を有する機械的なカプラを用い、前記機械的カプラの該出口端部で、第3の発振器が発振動作を前記出力軸の回転動作に変換するために用いられる、装置。
【請求項10】
前記入力軸によって囲まれた空間を前記出力軸によって囲まれた空間から分離するため、前記機械的カプラと閉じられたハウジングとの間で接着される又は固定され得る少なくとも一つのシールをさらに含む、請求項9の装置。
【請求項11】
前記入力及び前記出力端部での並列発振器が、前記出力軸を前記入力軸の回転動作に常に続くようにさせるために前記出力軸の分岐を排除するように磁石を担持する、請求項9の装置。
【請求項12】
直線運動軸受がその摩擦を減少するために前記発振器を導くように使われる、請求項9の装置。
【請求項13】
前記入力軸及び前記出力軸が、前記機械的なカプラと係合する中心をずれた押出加工されたピンを有する、請求項9の装置。
【請求項14】
前記発振器が前記押出加工されたピンと係合するためにブッシング又は軸受のいずれかを使用することができる、請求項9の装置。
【請求項15】
前記入力軸及び前記出力軸が高圧の用途のために圧力平衡流体によって囲まれる、請求項9の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2013−64501(P2013−64501A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−202528(P2012−202528)
【出願日】平成24年9月14日(2012.9.14)
【出願人】(512240235)