説明

定着装置及び画像形成装置

【課題】画像モードに応じて二層構造の泡状定着液層の膜厚を調整して最適化された二層構造の泡状定着液を生成する。
【解決手段】制御部50は画像形成部の主要部から中間転写体6に形成された未定着トナー像がモノクロであるか、あるいはカラーであるかの画像モードの情報を取得する。制御部50は二層構造の泡状定着液を形成する2つの泡状定着液生成手段30−1、30−2における液状定着液の各供給量や気体の各供給量をそれぞれ制御して二層構造の泡状定着液を生成する。そして、制御部50は、画像形成部又は上位装置から取得した画像モードの情報に応じて膜厚制御用ブレード42−1、42−2によって二層構造の泡状定着液の膜厚を調整することで、最適化された二層構造の泡状定着液を生成することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置及び画像形成装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プリンタ、ファクシミリ及び複写装置のような画像形成装置は、紙、布、及びOHP用シートのような記録媒体に、画像情報に基づいて文字や記号を含む画像を形成する装置である。特に、電子写真方式の画像形成装置は、普通紙に高精細な画像を高速で形成することができるため、広く使用されている。このような電子写真方式の画像形成装置においては、記録媒体上のトナーを加熱して溶融させ、溶融したトナーを加圧することによって、トナーを記録媒体上に定着させる熱定着方式が広く用いられている。この熱定着方式は、高い定着速度及び高い定着画像品質等を提供することができるため、好適に用いられている。しかし、このような電子写真方式の画像形成装置における消費電力の約半分以上は、熱定着方式においてトナーを加熱することに消費されている。
【0003】
一方、近年における環境問題対策の観点からは、低消費電力(省エネルギー)の定着装置が望まれている。即ち、トナーを定着するためにトナーを加熱する温度を今までよりも極端に低下させること、又はトナーを加熱することを必要としない定着方法が望まれている。特に、トナーを全く加熱することなくトナーを記録媒体に定着させる非加熱定着方法が低消費電力の点で理想的である。
【0004】
このような非加熱定着方法としては、トナーを溶解または膨潤可能で、水に不溶または難溶な有機化合物が水に分散混合された水中油滴型の定着液を泡状にして、ローラなどの上に膜を形成し、未定着のトナーが所定位置に配設された被定着物(記録媒体)の表面に接触、浸透させてトナーを溶解または膨潤させた後、被定着物を乾燥させることでトナーを定着させる定着方法が提案され既に知られている。
【0005】
このような非加熱定着方法としては、特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1の定着方法は、泡状定着液生成手段によって樹脂の少なくとも一部を溶解又は膨潤させる軟化剤を少なくとも含んだ液状定着液に気泡を大量に含有して生成した泡状定着液が極めて嵩密度が低いことに着目した定着方法である。この定着方法によれば、上記泡状定着液を定着液供給口から塗布手段である泡塗布ローラ上に付与し、更に泡状定着液の膜厚を調整する。そして、膜厚の調整された泡状定着液が付与されている泡塗布ローラを記録媒体に当接させ、泡塗布ローラ上の泡状定着液を記録媒体上の未定着トナー像に塗布することで、トナーを記録媒体に定着している。このように、定着液を泡状とすることにより定着液の嵩密度を下げることができるため、従来よりも少量の定着液で定着が可能となるため、記録媒体上の残液感を抑制することができる。
【0006】
一般的なカラー画像形成装置には、モノクロ画像を出力するモノクロモードとカラー画像を出力するカラーモードを設定できる機能が備わっている。未定着トナー像の堆積高についてモノクロ画像とカラー画像とを比較したとき、一般的にカラー画像の堆積高がモノクロ画像の堆積高に比して高い。このため、本発明者らは、特許文献2において画像モードに応じて変化する画像の堆積高と泡状定着液の膜厚との関係を示している。この特許文献2によれば、泡状定着液の膜厚が未定着トナー像の堆積高に比して同じか、あるいは大きい場合、泡塗布ローラ上に付与された泡状定着液が紙等の記録媒体上の未定着トナーに接触して未定着トナー層に浸透して行き記録媒体まで到達する。この後のタイミングで泡塗布ローラを分離する。この時、トナー同士、トナーと記録媒体及びトナーと泡塗布ローラとの間には液の表面張力による結合力が生じる。塗布ローラは泡状定着の転写効率を上げるために撥液性を有し、また紙等の記録媒体は親液性を有しているため、トナーと記録媒体との結合力がトナーと泡塗布ローラとの結合力より勝る。これにより、トナーは泡塗布ローラ側にほとんど付着することなく泡塗布ローラ上の泡状定着液は分離でき、泡状定着液を記録媒体上の未定着トナーに転写できる。一方、泡状定着液の膜厚が未定着トナー層の堆積高より小さい場合、泡塗布ローラが未定着トナー層に接触した後、未定着トナー層を泡状定着液が浸透して行くが泡状定着液が足らずに記録媒体まで到達しない。このタイミングで泡塗布ローラが分離すると、泡状定着液が浸透したトナー同士及びトナーと泡塗布ローラとの間には液の表面張力による結合力が生じる。そのため、乾いたトナー間の結合力は弱いために記録媒体からのトナー層の分離が起こり、泡塗布ローラにトナー層のオフセット付着が発生する。このような背景から、上記特許文献2では、泡塗布ローラの塗布面に付与された泡状定着液の膜厚が未定着トナー層の堆積高に比べて同じかあるいは大きくなるように高くなるように制御する泡状定着液膜厚制御手段を具備した定着装置を提案している。
【0007】
しかしながら、上記特許文献2によれば、膜厚が調整された泡状定着液を泡塗布ローラにより記録媒体上の未定着トナーに接触させた際、上述したように泡塗布ローラ上の泡状定着液は分離されて泡塗布ローラ上に泡状定着液が残留するという問題があった。定着後に泡塗布ローラ上に残った泡状定着液は、記録媒体上の未定着トナーが混入している可能性があるため、泡塗布ローラ上から回収され廃棄される。このため、定着後に泡塗布ローラ上に残ってしまう定着液の量を少なくして、廃棄される無駄な定着液の量を減らすことが望まれる。
【0008】
このような要望に対して、本発明者らは、特願2010−054060(以下先願と称す)で、密度の異なる泡状定着液を生成する2つの泡状定着液生成手段を用いて泡塗布ローラ上に二層構造の泡状定着液層を形成し、二層目の泡状定着液層を定着用として未定着トナーに接触し浸透させて未定着トナーを媒体に定着する定着装置を提案している。この先願の定着装置では、上述したように泡塗布ローラの表面張力で引っ張られて泡塗布ローラの表面に残留して破棄されることになる破棄用の泡状定着液を一層目として泡塗布ローラ上に付与する。この破棄用の泡状定着液は、無駄な定着液の量を減らすことから定着に用いられる二層目の定着用の泡状定着液に比べて低い密度に生成されている。そして、泡状定着液生成手段によって生成された定着用の泡状定着液が上記破棄用の泡状定着液の上層に二層目として形成される。そして、二層構造の泡状定着液は記録媒体上の未定着トナーに塗布され、二層目の定着用の泡状定着液のみが未定着トナーに転写され接触し浸透する。一層目の破棄用の泡状定着液は泡塗布ローラ上に残り、泡塗布ローラ上から回収され廃棄される。これにより、破棄用の泡状定着液は定着用の泡状定着液より低い密度であって体積が同じでもその重量は少ないので、破棄される定着液の量は少なくて済む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記先願の定着装置を一般的なカラー画像形成装置に搭載した場合、上述したように、カラー画像の堆積高がモノクロ画像の堆積高に比して高く、カラー画像の未定着トナーを定着させるためには、カラー画像の未定着トナー層の堆積高に比して二層構造の泡状定着液における全体の膜厚を同じにするか、あるいは大きくしなければならない。このため、上記泡状定着液生成手段によって生成される定着用の泡状定着液の膜厚は、少なくともカラー画像の定着に適用できるように設定されている。しかし、この設定状態のままでモノクロ画像を出力しようとすると、カラー画像より堆積高の低いモノクロ画像に、カラー画像を定着するための液量の泡状定着液が塗布されるため、泡状定着液の液量が過剰になる。このため、軟化したトナーの硬化速度が低下し、また硬化後原稿にタック感が残ってしまう可能性がある。逆に、上記泡状定着液生成手段によって生成される定着用の泡状定着液の供給量、嵩密度、膜厚をモノクロ画像の定着用として設定したとすると、カラー画像を出力しようとすると堆積高が高いカラー画像にとっては泡状定着液の液量が不足し、未定着トナー像が泡塗布ローラに付着してしまうトナーオフセットが発生しまう。
【0010】
本発明は以上の問題点に鑑みなされたものであり、その目的は、画像モードに応じて最適化された膜厚の二層構造の泡状定着液を生成することができる定着装置及び画像形成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を少なくとも含有した液状定着液に気体を混合させて定着用の泡状定着液を生成し、液状定着液に気体を混合させて上記定着用の泡状定着液の密度より低く、定着後に破棄される破棄用の泡状定着液を生成し、媒体上に形成された未定着の樹脂微粒子に上記定着用の泡状定着液を塗布する塗布手段の塗布面に上記破棄用の泡状定着液を付与し、更に当該破棄用の泡状定着液の層上に上記定着用の泡状定着液を付与して二層構造の泡状定着液層を形成し、形成した二層構造の泡状定着液層の膜厚を所定値に調整し、二層構造の泡状定着液のうち、上記定着用の泡状定着液を上記塗布手段を介して媒体上の未定着の樹脂微粒子に塗布して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置において、未定着の樹脂微粒子で形成された画像がモノクロであるか、あるいはカラーであるかの画像モードに応じて、二層構造の泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とするものである。
また、請求項2の発明は、請求項1記載の定着装置において、上記画像モードの情報を画像形成部から取得することを特徴とするものである。
更に、請求項3の発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、上記破棄用の泡状定着液層の膜厚は上記画像モードにかかわらず一定とし、上記定着用の泡状定着液層の膜厚は上記画像モードに応じて調整して、二層構造の上記泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とするものである。
また、請求項4の発明は、請求項1又は2に記載の定着装置において、上記破棄用の泡状定着液層の膜厚及び上記定着用の泡状定着液層の膜厚を上記画像モードに応じてそれぞれ調整して、二層構造の上記泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とするものである。
更に、請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置において、上記画像モードに応じて、上記定着用の泡状定着液の供給量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項6の発明は、請求項3記載の定着装置において、上記破棄用の泡状定着液の供給量は一定であることを特徴とするものである。
更に、請求項7の発明は、請求項4記載の定着装置において、上記画像モードに応じて、上記破棄用の泡状定着液の供給量を制御することを特徴とするものである。
また、請求項8の発明は、樹脂含有微粒子が色剤を含有したトナーで静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置により上記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段とを具備することを特徴とするものである。
【0012】
本発明においては、未定着の樹脂微粒子層の堆積高は、未定着の樹脂微粒子層で形成する画像がカラーであるか、あるいはモノクロであるかによって異なる。そのため、未定着の樹脂微粒子で形成された画像がカラーであるのか、あるいはモノクロであるのかに応じて、つまり未定着の樹脂微粒子層の堆積高に合わせて二層構造の泡状定着液層の膜厚を調整する。これにより、過剰な泡状定着液塗布による硬化速度の低下や硬化後の原稿に残るタック感の発生を防止でき、不足な泡状定着液塗布によるトナーオフセットの発生も防止できる。このように、画像モードに応じて最適化された膜厚の二層構造の泡状定着液を生成することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上、本発明によれば、画像モードに応じて最適化された膜厚の二層構造の泡状定着液を生成することができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図である。
【図2】図1の画像形成部の主要部を示す概略構成図である。
【図3】泡状定着液による定着原理についての説明図である。
【図4】泡状定着液生成手段の構成を示す概略構成図である。
【図5】本実施形態の泡状定着液生成手段を有する定着装置の概略構成図である。
【図6】膜厚制御用ブレードの構成を示す概略構成図である。
【図7】本実施形態の定着装置における塗布ローラ上の泡状定着液についての説明図である。
【図8】泡状定着液を塗布した後の塗布ローラ上の泡状定着液についての説明図である。
【図9】本実施形態の定着装置における画像モードに対応した制御を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を適用したの画像形成装置の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本実施形態に係る画像形成装置の全体概略構成図である。同図に示す画像形成装置は、ほぼ中央に画像形成手段である画像形成部1、その画像形成部1の下部に給紙部2、画像形成部1の上方に画像読取部3、そして画像形成部1と画像読取部3の間に胴内排紙部4の構成を有するカラー画像形成装置であり、プリンタ、複写装置、ファクシミリ、スキャナの機能を有している。なお、図示を省略しているが、画像読取部3の上方には、原稿自動搬送装置(ADF)が設けられる。
【0016】
図1において、画像読取部3は、コンタクトガラス3a、読み取り走行体に搭載された原稿照明用光源3bと第1ミラー3c、第2ミラー3d、第3ミラー3e、結像レンズ3f、撮像素子3gを備え、ADFや手差しによりコンタクトガラス3a上に載置された原稿の画像を撮像素子3gで読み取り、図示省略の画像処理部で書き込み用の画像情報(例えばイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色に対応した画像信号)に変換処理して画像形成部1に送信する。
【0017】
画像形成部1には、ドラム状の感光体により構成された複数の像担持体5Y、5C、5M、5BKを有し、その各像担持体には、互いに異なった色のトナー像がそれぞれ形成される。図示した例では、3つの像担持体5Y、5C、5Mの表面に、イエロートナー像、シアントナー像、及びマゼンタトナー像の各有彩色トナー像がそれぞれ形成され、像担持体5BKにはブラックトナー像が形成される。各像担持体5Y乃至5BKは、所定の間隔をあけて互いに平行に配置されている。かかる像担持体5Y乃至5BKに対向して中間転写体6が対向配置されており、この中間転写体6としてはドラムを用いることもできるが、図示した例では、複数の支持ローラ7、8、9に巻き掛けられて矢印A方向に駆動される無端ベルトが用いられている。
【0018】
図2は、図1に示す画像形成部1の主要部(各色の画像形成ユニット)を拡大して示した概略構成図である。図1に示したイエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の4つの画像形成ユニット20は同じ構成であるので、図2では一つの画像形成ユニット20に着目し、色を表す記号は省略している。
【0019】
図2の画像形成ユニット20において、像担持体5の周囲には、像担持体5の表面に帯電処理を行う帯電装置10、画像情報を感光体表面にレーザ光Lで照射する露光装置11(図1に示す)、露光により像担持体5の表面に形成された静電潜像を可視像化する現像装置12、中間転写体6を介して像担持体5と対向配置された転写装置13、中間転写体6に転写後の像担持体表面に残留するトナーを除去回収するクリーニング装置14、像担持体5表面の摩擦係数を下げるための潤滑剤塗布装置25が設けられている。
【0020】
帯電装置10は、帯電部材としての帯電ローラ10aと、それを像担持体5に所定の圧力で加圧する付勢部材としてのスプリング10bとを有する。帯電ローラ10aは、図示していないが、導電性のシャフトの周りに導電性弾性層を有し、電圧印加装置(不図示)により導電性シャフトを介して導電性弾性層と像担持体5との空隙に所定の電圧を印加して像担持体表面に電荷を付与する。また、上記現像装置12は撹拌スクリュ12aにより現像剤を十分撹拌し、現像ローラ12bに磁気的に付着させる。付着した現像剤は現像ドクタ12cにより現像ローラ12b上に薄層化され、現像剤により像担持体5上の静電潜像が可視像化される。転写装置13は転写バイアスローラを有し、該ローラにより電気的に中間転写体6上に像担持体5上のトナー像を付着させる。クリーニング装置14はウレタンゴム等よりなるクリーニングシートを有し、該シートにより像担持体5上の残留トナーを掻き取るようにして除去する。
【0021】
なお、本実施形態では、各色の画像形成ユニット20は、像担持体5、帯電装置10、現像装置12、クリーニング装置14及び潤滑剤塗布装置25がユニット化されたプロセスカートリッジ(PC)として構成されている。プロセスカートリッジ(PC)の形態は任意であるが、本発明のプロセスカートリッジ(PC)は潤滑剤塗布装置25と、像担持体5、帯電装置10、現像装置12及びクリーニング装置14の少なくとも一構成部材を組み合わせたものである。
【0022】
このような画像形成装置において画像形成が開始されると、各色の画像形成ユニットでは、像担持体5が図2における時計回り方向に回転駆動され、このとき帯電装置10によって像担持体5の表面が所定の極性に帯電される。次いで、その帯電面に、図1に示す露光装置11から画像情報に基づくレーザ光Lが照射され、これによって像担持体5に静電潜像が形成される。なお、画像情報は、前述の画像読取部3で読み取った画像データや、外部のコンピュータからLAN等を介して送られてくるデータや、ファクシミリで受信したデータ等である。画像読取部3が用いられた場合は、コンタクトガラス3a上に載置された原稿(図示せず)が原稿照明用光源3bと第1ミラー3cよりなる読み取り走行体が往復移動し、その際、読み取り走行体により走査された画像情報が第2ミラー3d、第3ミラー3e、結像レンズ3fを介して、結像レンズ3fの後方に設置されている撮像素子(例えばCCD)3gに画像信号として読み込まれる。この読み込まれた画像信号は、デジタル化され画像処理されて露光装置11のレーザダイオード(不図示)の発光により像担持体5の表面に書き込まれる。そして、像担持体5の表面に形成された静電潜像は、現像装置12の現像ローラ8に担持された乾式現像剤(樹脂と色材を含有する樹脂微粒子(以下トナーと称す)を含む現像剤)によって、トナー像として可視像化される。
【0023】
上記した画像形成動作は、図1に示す全ての像担持体5Y乃至5Bkで行われ、これによって各像担持体5Y乃至5BKにそれぞれ形成されたイエロートナー像、シアントナー像、マゼンタトナー像及びブラックトナー像が中間転写体6上に順次重ねて転写される。また、図1に示した画像形成装置においては、中間転写体6を挟んで、支持ローラ7に対向して二次転写装置(例えば二次転写ローラ)16が配置されている。
【0024】
一方、画像形成部1の下部に配置された給紙部2から、転写紙(定形の普通紙、連続紙、レター用紙、葉書、厚紙等)又は樹脂フィルム(OHPシート等)などから成る記録媒体Pが給紙ローラ2aにより矢印Bで示すように送り出され、その記録媒体Pは、レジストローラ対2bの回転によって所定のタイミングで、二次転写装置16と中間転写体6との間に送り込まれる。このようにして、記録媒体Pが二次写装置16を通過するとき、この二次転写装置16の作用によって中間転写体6上の重ねトナー像が記録媒体P上に一括して転写される。そして、定着装置18によってトナー像が記録媒体Pに定着された後、排紙ローラ19により胴内排紙部4に排紙される。また、トナー像転写後の中間転写体6の表面に付着する転写残トナーは、ベルト用のクリーニング装置15によって除去される。また、二次転写装置16のローラ表面に付着するトナーや紙粉等は、ローラ用のクリーニング装置によって除去される。なお、ベルト用のクリーニング装置15やローラ用のクリーニング装置にも、必要に応じて潤滑剤塗布装置が設けられる。
【0025】
次に、泡状定着液を用いた基本的な定着装置及び定着方法について詳細に説明する。
図3は泡状定着液による定着原理についての説明図である。本実施形態に係る定着装置及び定着方法では、図3に示すように、樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を含有した泡状定着液45を記録媒体P上の樹脂微粒子(未定着トナーT)に付与して該樹脂微粒子を記録媒体Pに定着する。具体的には、後述する泡状定着液生成手段によって定着液を泡で構成された泡状定着液45とすることで、定着液のカサ密度を低くできると共に、図3の(a)に示すように、泡状定着液塗布部材である泡塗布ローラ41上の定着液層(泡状定着液膜)45を厚くすることができ、更には定着液の表面張力による影響が抑えられるため、泡塗布ローラ41への樹脂微粒子のオフセットを防止できる。
【0026】
泡状定着液45は、記録媒体Pの搬送過程で、泡塗布ローラ41と記録媒体Pとを接触させることで、記録媒体P及び記録媒体P上の未定着トナーTに浸透・転写する。その際、泡状定着液45の全てが記録媒体P上に転写するのではなく、図3の(b)に示すように、幾らかは泡塗布ローラ41上に残ることがわかっており、種々の実験の結果、その比率は体積比で、記録媒体上定着液:泡塗布ローラ上定着液=7:3となる知見を得ている。
【0027】
次に、泡状定着液生成手段の基本的構成について説明する。図4は、泡状定着液生成手段の概略構成図である。図4に示す泡状定着液生成手段30は、液状定着液から大きな泡の泡状定着液を生成した後、大きな泡を分泡し、微小な処方の泡の泡状定着液を生成するものである。この泡状定着液生成手段30における大きな泡生成部としては、図4に示すように、定着液容器31内の液状定着液32を液体搬送ポンプ33及び液体搬送パイプ34等の液体輸送手段を用いて気液混合部35へ供給する。また、空気口40から気体搬送ポンプ39及び気体搬送パイプ36等の気体輸送手段を用いて空気を気液混合部35へ供給する。なお、空気は圧縮空気を用いる方法も考えられる。
【0028】
気液混合部35では、上記のように搬送された液体と気体が混合し、更に微小孔シート37を通過することで、泡径の揃った大きな泡を生成させることができる。微小孔シート37の孔径は、30[μm]〜100[μm]程度が望ましい。また、図4の微小孔シート37に限らず、連泡構造の多孔質部材であればよく、孔径30[μm]〜100[μm]程度を有する焼結セラミックス板や不織布や発泡樹脂シートであってもよい。また、別の大きな泡の生成方法としては、上記の液体搬送ポンプ33と気体搬送ポンプ39より供給された液状定着液と空気を羽根状攪拌子で攪拌しながら、液に気泡を巻き込みながら大きな泡を生成させる構成や、上記の液体搬送ポンプ33より供給された液状定着液に空気供給ポンプ等でバブリングを行い大きな泡を生成する構成も望ましい。
【0029】
次に、図4に示す泡状定着液生成手段30では、気液混合部35で生成された大きな泡を分割して2つ以上に分泡化するために、大きな泡にせん断力を加えるための、微小泡生成部38が設けられている。この微小泡生成部38は、図4に示すように閉じた二重円筒で構成されており、内側円筒38−1が回転可能な構成としている。そして、外側円筒38−2の一部より、気液混合部35で生成された大きな泡状定着液を供給し、内部の回転する内側円筒38−1と外側円筒38−2の隙間(ここが流路となる)を通過させることにより、大きな泡の泡状定着液は回転する内側円筒38−1によりせん断力を受ける。このせん断力により、大きな泡は微小な泡へと変化し、外側円筒38−2に設けられた泡の出口より、所望の微小な泡径を有する泡状定着液を得ることができる。
【0030】
また、回転する内側円筒38−1の回転数と、内側円筒38−2の長手方向の長さにより液搬送速度は決定される。外側円筒38bの内径をd1[mm]、円筒長さをL[mm]とし、内側円筒38−1の外径をd2[mm]とし、回転数をR[rpm]とすると、微小な泡を生成するための液搬送速度V[mm/秒]は、 V=L×π×(d1−d2)/4/(1000/R)の式で決まることがわかった。例えば、d1が10[mm]、d2が8[mm]、Lが50[mm]、回転数Rが1000[rpm]とすると、液搬送速度は約1400[mm/秒](1.4[cc/秒])となる。記録媒体PとしてA4の転写紙を定着するために必要な泡状定着液が3[cc]であるとすると、液状定着液から必要量の泡状定着液を生成するのに立上がり時間は約2秒ですみ、極めて素早く、所望の泡径を有する泡状定着液を生成可能となる。また、内側円筒38−1にらせん状の溝を設けて、円筒内での液搬送性を良くしてもよい。
【0031】
このように、図4に示す泡状定着液生成手段30では、液状定着液32を大きな泡径を有する液へと変化させる大径泡生成部(気液体混合部35)と、大きな泡にせん断力を加えて微小な泡を生成する微小泡生成部38を組み合わせることで、液状定着液32から、極めて短時間に5[μm]〜50[μm]程度の微小な泡径を有する泡状定着液を生成させることができる。
【0032】
なお、泡状の定着液の嵩密度としては、0.01[g/cm]〜0.1[g/cm]程度の範囲が望ましい。嵩密度は、液体搬送ポンプ33と気体搬送ポンプ39の出力を変えることで単位時間当たりの液体・気体流量比を変え、制御することができる。
【0033】
更に、定着液は、紙等の記録媒体上のトナー等の樹脂含有微粒子の層への塗布時に泡状となっていればよく、保存用容器や、泡状定着液生成手段30の定着液容器31内で泡状である必要はない。即ち、保存用容器や定着液容器31中では気泡を含有しない液体で、容器から液を供給する時点や、樹脂含有微粒子の層へ付与するまでの液体搬送経路で泡状にする手段を設ける構成が望ましい。これは、定着液容器31では液体で、容器から液を取り出した後に泡状とする構成のほうが、容器の小型化ができるという大きな利点を有するためである。
【0034】
図5は本実施形態の泡状定着液生成手段を有する定着装置の概略構成図である。同図の制御部50は、図2に示した構成の画像形成部の主要部(各色の画像形成ユニット、中間転写体、二次転写装置等)と、図4に示した構成の泡状定着液生成手段30を備えた定着装置18を制御する。前述したように、図2に示した画像形成部の主要部の各色の画像形成ユニット20Y、20C、20M、20BKで各色の画像が像担持体5Y、5C、5M、5BK上に形成されて中間転写体6上に転写され、中間転写体6上に形成された未定着トナー画像は二次転写部にて二次転写装置16により記録媒体Pに転写される。
【0035】
制御部50は、画像形成部の主要部を制御して、記録媒体P上に形成する未定着トナー画像の画像モードに応じて、泡状定着液生成手段30−1、30−2で生成する密度の異なる2種類の泡状定着液の供給量、嵩密度が適切な値になるように制御し、同時に定着装置18の泡塗布ローラ41上の泡状定着液の膜厚が供給量に応じた最適値になるように膜厚制御用ブレード42−1、42−2を制御する。例えば、未定着トナー画像量が少ない場合は供給量を少なくし、同時に膜厚を薄くする制御が考えられる。
【0036】
上記のように泡状定着液生成手段30−1、30−2で生成された泡状定着液は、微小泡生成部38−1、38−2の外側円筒に設けられた泡の出口に接続された泡搬送パイプにより泡吐出ヘッド43−1、43−2に送られ、泡吐出ヘッド43−1、43−2により泡塗布ローラ41上に泡を吐出した後、膜厚制御用ブレード42−1、42−2を介して所望の膜厚に整形され、泡塗布ローラ41上に泡状定着液膜45a、45bとして形成される。この泡状定着液膜が、泡塗布ローラ41と加圧ローラ44との接触箇所で、記録媒体P上の未定着トナー画像に接触、塗布されることで定着工程が行われる。
【0037】
泡状定着液の泡塗布ローラ41上での膜厚制御は、図6に示すように、泡塗布ローラ41とギャップを設けた回転可能な膜厚制御用ブレード42−1、42−2を用い、膜厚を薄くするときは図6の(a)に示すように泡塗布ローラ41と膜厚制御用ブレード42−1、42−2のギャップを狭くし、膜厚を厚くするときは図6の(b)に示すように泡塗布ローラ41と膜厚制御用ブレード42−1、42−2のギャップを広くする。また、ギャップの制御例としては、膜厚制御用ブレード42−1、42−2の端部に回転駆動手段(ステッピングモータ、ソレノイド等)を有する回転軸42aを設け、この回転軸42aの駆動を制御部50で制御し、トナー層の厚さや環境温度等、更には泡状定着液の気泡の大きさ、泡粘度及び塗布加圧力並びに未定着トナーの層厚等に応じて、ギャップ量を制御し、泡状定着液の未定着トナー層での浸透時間を調整するための最適な膜厚を制御する。
【0038】
図7は本実施形態における泡塗布ローラ上の泡状定着液について説明する図である。図7に示す泡塗布ローラ41上の泡状定着液膜は、図5に示した泡状定着液生成手段38−2により生成された低密度の泡状定着液膜45aの層の上に、泡状定着液生成手段38−1により生成された定着用の泡状定着液膜45bの層が形成された構成になっている。
【0039】
図8は二層の泡状定着液膜による定着の様子を示す図である。図3と同様、二層の泡状定着液45a,45bは、記録媒体Pの搬送過程で塗布ローラ41と記録媒体Pとを接触させることで、記録媒体P及び記録媒体P上の未定着トナーTに浸透し、転写する。その際、記録媒体P及び記録媒体P上の未定着トナーTに浸透、転写する泡状定着液は、図8に示すように、主として定着用の泡状定着液45bであるので、泡塗布ローラ41上には密度の低い泡状定着液45aが多く残るため、記録媒体上定着液と泡塗布ローラ上定着液の体積比が7:3でも、重量比が向上する。例えば、定着用の泡の密度0.05[g/cm]に対して、低密度の泡の密度を0.01[g/cm]として泡膜を形成することを考えたとき、泡塗布ローラ41上に残る泡の90%が低密度の泡だとすると、記録媒体上定着液と泡塗布ローラ上定着液の体積比が7:3の場合、その重量比は約9:1になる。このように、本実施形態では、泡塗布ローラ41上に、二種類の泡状定着液(低密度の泡状定着液45aと定着用の泡状定着液45b)で二層の泡膜を形成して、記録媒体P上の未定着トナー(樹脂微粒子)Tに付与するので、定着動作後、最終的に泡塗布ローラ41上に残る泡の密度を下げることができ、泡塗布ローラ41上に残る泡状定着液を少なくすることができる。
【0040】
次に、本実施例の定着装置における制御動作について当該制御動作フローを示す図9に従って説明する。
先ず、図5の制御部50は、画像形成部の主要部から、中間転写体6に形成された未定着トナー像がモノクロ画像であるのか、あるいはカラー画像であるのかを画像モード信号を取得する。そして、画像モード信号に基づいて未定着トナー像がモノクロ画像であるモードのモノクロモードであるか否かを判定する(ステップS101)。判定結果、モノクロモードであれば、モノクロ用液状定着液の供給量及びモノクロ用気体の供給量をそれぞれ設定する(ステップS101;YES、ステップS102、S103)。ここで、モノクロ画像とカラー画像を比較したとき、未定着トナー像の堆積高が異なる。一般的にカラー画像の方の堆積高が高い。カラー画像の堆積高より低いモノクロ画像の堆積高に合うように泡状定着液の供給量、嵩密度、厚みを設定すると、堆積高さが低い条件において泡状定着液量が過剰になり、軟化したトナーの硬化速度の低下や、硬化後原稿にタック感が残ってしまう可能性がある。そのため、本実施形態では、カラー画像の場合はモノクロ画像の場合と比較して、供給量を多くし、かつ膜厚を厚くするような制御を行うような画像モードに応じた制御を行う。よって、モノクロモードの場合は、泡状定着液生成手段30−2によって低密度の泡状定着液45aを泡塗布ローラ41上に付与した後膜厚制御用ブレード42−2によって所定の膜厚に調整される。そして、泡状定着液生成手段30−1の液体搬送ポンプ33−1及び気体搬送ポンプ39−1を制御してモノクロ画像の堆積高に合う定着用の泡状定着液45bを生成する。そして、泡状定着液生成手段30−1によって生成された定着用の泡状定着液45bは低密度の泡状定着液45aの上層に付与される。次に、膜厚制御用ブレード42−1の位置を所定の位置に設定することで所定のギャップを形成し二層構造の泡状定着液45はモノクロ用の所定の膜厚に調整される(ステップS104)。一方、ステップS101で未定着トナー像がカラー画像であるモードのカラーモードであった場合、カラー用定着液の供給量及びモノクロ用気体の供給量をそれぞれ設定する(ステップS101;NO、ステップS105、S106)。泡状定着液生成手段30−2によって低密度の泡状定着液45aを泡塗布ローラ41上に付与した後膜厚制御用ブレード42−2によって所定の膜厚に調整される。ここで、カラーモードにおける低密度の泡状定着液45aの膜厚は、モノクロモードにおける低密度の泡状定着液45aの膜厚と同じにしてもよく、カラーモードにおいてオフセット発生防止及びカラー画像の堆積高に対応可能のためモノクロモードにおける低密度の泡状定着液45aの膜厚より大きくしてもよい。そして、泡状定着液生成手段30−1の液体搬送ポンプ33−1及び気体搬送ポンプ39−1を制御してカラー画像の堆積高に合う定着用の泡状定着液45bを生成する。そして、泡状定着液生成手段30−1によって生成された定着用の泡状定着液45bは低密度の泡状定着液45aの上層に付与される。次に、膜厚制御用ブレード42−1の位置を所定の位置に設定することで所定のギャップを形成し二層構造の泡状定着液45はカラー用の所定の膜厚に調整される(ステップS107)。
【0041】
次に、本実施形態の定着装置で用いられる定着液組成について説明する。本実施形態の定着装置では、少なくとも軟化剤と起泡剤とを含有する液状定着液を、液状から液中に気泡を分散させて泡を多く含んだ泡状定着液を用いて上述のように定着を行っている。
【0042】
先ず、軟化剤について説明する。
軟化剤は、トナーに含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂微粒子を軟化させる機能を有する。
軟化剤としては、エステル化合物であることが好ましい。エステル化合物は、トナー等の樹脂微粒子に含まれる樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させる溶解性または膨潤性に優れている。上記エステル化合物の中でも、脂肪族エステル、炭酸エステルが、樹脂の軟化能力が優れている点で特に好ましい。また、後述する起泡剤としてのアニオン系界面活性剤による起泡性を阻害しない点からも好ましい。
【0043】
また、記録媒体に対する樹脂微粒子としてのトナーの定着は、密封された環境において頻繁に使用される機器で行われ、軟化剤はトナーの記録媒体への定着後にもトナー中に残留するため、記録媒体に対するトナーの定着は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の発生を伴わないことが好ましい。すなわち、軟化剤は揮発性有機化合物(VOC)及び不快臭の原因となる物質を含まないことが好ましい。脂肪族エステルは、一般に汎用される有機溶剤(トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、酢酸エチルなど)と比較して、高い沸点及び低い揮発性を有し、刺激臭を持たない。
【0044】
オフィス環境等における臭気を高い精度で測定することができる実用的な臭気の測定尺度として、官能測定である三点比較式臭袋法による臭気指数〔10×log(物質の臭気が感じられなくなるまでの物質の希釈倍率)〕を臭気の指標とすることができる。また、軟化剤に含まれる脂肪族エステルの臭気指数は、10以下であることが好ましい。この場合、通常のオフィス環境では、不快臭を感じなくなる。更に、軟化剤のみならず、定着液に含まれる他の液剤も同様に、不快臭及び刺激臭を有さないことが好ましい。
【0045】
上記脂肪族エステルは、飽和脂肪族エステルを含む。上記脂肪族エステルが、飽和脂肪族エステルを含む場合には、軟化剤の保存安定性(酸化、加水分解などに対する耐性)を向上させることができる。また、多くの飽和脂肪族エステルは、トナーに含まれる樹脂を1[秒]以内で溶解または膨潤させることができる。更に、飽和脂肪族エステルは、記録媒体に提供されたトナーの粘着感を低下させることができる。これは、飽和脂肪族エステルが、溶解または膨潤したトナーの表面に油膜を形成するためであると考えられる。
【0046】
よって、定着液としては、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR1は、炭素数が11以上14以下のアルキル基を示しており、R2は、炭素数が1以上6以下の直鎖型もしくは分岐型アルキル基を示している。R1及びR2の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記飽和脂肪族エステルが「R1COOR2」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R1COOR2」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
【0047】
上記化合物を含む上記飽和脂肪族エステルである脂肪族モノカルボン酸エステルとしては、例えばラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、トリデシル酸エチル、トリデシル酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、などが挙げられる。上記化合物を含むこれらの脂肪族モノカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、上記化合物である脂肪族モノカルボン酸エステルの多くについて、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
【0048】
また、定着液としては、上記脂肪族エステルが脂肪族ジカルボン酸エステルを含むものを用いることが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、より短い時間でトナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができる。例えば、60[ppm]程度の高速印字では、記録媒体における未定着のトナーに定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するまでの時間は、1[秒]以内であることが好ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸エステルを含む場合には、記録媒体における未定着のトナー等に定着液を付与し、トナーが記録媒体に定着するのに要する時間を、0.1[秒]以内にすることが可能となる。更に、より少量の軟化剤を添加することによって、トナーに含まれる樹脂を溶解または膨潤させることができるため、定着液に含まれる軟化剤の含有量を低減することができる。
【0049】
よって、定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR3は、炭素数が3以上8以下のアルキレン基を示しており、R4は、炭素数が3以上5以下の直鎖型又は分岐型アルキル基を示している。R3及びR4の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸エステルが「R3(COOR4)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R3(COOR4)」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
【0050】
上記化合物を含む上記脂肪族ジカルボン酸エステルとしては、例えばコハク酸2エチルヘキシル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソデシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチル等が挙げられる。上記化合物を含むこれらの脂肪族ジカルボン酸エステルの多くは、油性溶媒に溶解するが、水には溶解しない。よって、水性溶媒では、グリコール類を溶解助剤として定着液に含有し、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
【0051】
更に、本実施形態における定着液において、上記脂肪族エステルは、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含むことが望ましい。上記脂肪族エステルが、脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを含む場合には、記録媒体に対するトナーの定着性を向上させることができる。
【0052】
定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることが望ましい。この化合物の一般式におけるR5は、炭素数が2以上8以下のアルキレン基を示しており、R6は、炭素数が2以上4以下のアルキレン基を示し、R7は、炭素数が1以上4以下のアルキル基を示している。R5、R6及びR7の炭素数がそれぞれ所望の範囲よりも少ないと臭気が発生し、所望の範囲よりも多いと樹脂軟化能力が低下する。定着液としては、上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルが「R5(COOR6−O−R7)」の一般式で表される化合物を含むものを用いることにより、トナーに含まれる樹脂に対する溶解性または膨潤性を向上させることができる。また、上記一般式「R5(COOR6−O−R7)」で表される化合物の臭気指数は、10以下であり、不快臭及び刺激臭を有さない。
【0053】
上記化合物を含む上記脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルとしては、例えばコハク酸ジエトキシエチル、コハク酸ジブトキシエチル、コハク酸ジカルビトール、アジピン酸ジメトキシエチル、アジピン酸ジエトキシエチル、アジピン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジエトキシエチル等が挙げられる。上記化合物を含むこれらの脂肪族ジカルボン酸ジアルコキシアルキルを水性溶媒で用いる場合には、必要に応じてグリコール類を溶解助剤として定着液に含有させ、溶解またはマイクロエマルジョンの形態とする。
【0054】
上記炭酸エステルとしては、例えば炭酸エチレン、炭酸プロピレン(プロピレンカーボネート)、グリセロール1,2−カルボナート、4−メトキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オンなどが挙げられる。
【0055】
また、上記以外のエステル化合物としては、例えばクエン酸トリエチル、アセチルクエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、アセチルクエン酸トリブチル等のクエン酸エステル;エチレングリコールジアセタート、ジエチレングリコールジアセタート、トリエチレングリコールジアセタート等のグリコールをエステル化した化合物;モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン等のグリセリンをエステル化した化合物などが挙げられる。
【0056】
次に、起泡剤について説明する。
上述のように定着液は軟化剤を含有するが、一般的に軟化剤は消泡作用が強い。このため、本実施形態の定着装置のように、液状の定着液を泡状定着液として用いる場合、定着液中の軟化剤の濃度が高いほど、定着液の起泡性及び泡沫安定性が悪くなり、起泡し難くなったり、泡状定着液が破泡し易くなったりするおそれがある。起泡し難いと嵩密度の低いの泡状定着液を得ることができず、所望の嵩密度の泡状定着液を得たとしても、泡状定着液が破泡し易いと定着ニップで完全に破泡してしまい液状定着液を塗布する構成と同様の問題が生じる。
【0057】
また、起泡剤としては、アニオン系界面活性剤が優れた起泡性と泡沫安定性とを実現することができ、起泡剤として優れている。アニオン系界面活性剤のなかでも、脂肪酸塩は、最も泡沫安定性に優れ、定着液の起泡剤として最も適する。ここで、泡沫安定性とは、泡状となった定着液が液状となり難い性質をいう。本実施形態の定着装置で未定着トナーに付与する泡状定着液としては、泡の状態で1分間放置しても消泡せず、泡の状態を保てる程度の泡沫安定性を有することが望ましい。
【0058】
本発明者らは、定着液中の軟化剤濃度を高めたときの起泡性及び泡沫安定性の劣化問題を解決するため、アニオン系界面活性剤の種類や濃度を因子として多種の試作を行った。また、非特許文献1にも記載されている「スーパーファット」と呼称される技術、つまり固形洗浄剤(石鹸)に含有されている遊離脂肪酸に着目して試作を行った。ここで、スーパーファットと呼称される技術について概説すると、酸化されにくい遊離脂肪酸を少量加え、過剰油脂分を増やす方法であり、ケン化されない油脂を少量分残すことによって、例えば保湿作用を高めるなどの効果があるとされている。上記非特許文献1には、石鹸水溶系に極少量の脂肪酸を添加すると、起泡性能が向上する上、泡質が一層クリーミィになることが知られており、スーパーファットソープと呼ばれていると記載されている。このスーパーファットと同様に軟化剤を有する定着液に極少量の脂肪酸を添加して泡化しようとしたが起泡性及び泡沫安定性のいずれも悪かった。
【0059】
これに対して、本発明者らは、起泡剤として炭素数12から18の脂肪酸塩を用い、更に炭素数12から18の脂肪酸を定着液中に含有することにより、軟化剤の濃度が高くなっても、定着液の起泡性が劣化しない泡状定着液を提供できることを見出した。軟化剤を含有した定着液において、単に水を起泡する場合に比較して、脂肪酸塩の炭素数としては、12から18が起泡性に優れている。具体的には、ラウリン酸塩(炭素数12)、ミリスチン酸塩(炭素数14)、パルミチン酸塩(炭素数16、)、ステアリン酸塩(炭素数18)が適する。また、ペンタデシル酸(炭素数15)、マルガリン酸(炭素数17)なども適する。
【0060】
ここで、脂肪酸と軟化剤との作用について説明すると、軟化剤はエステル基を化学構造中に有しており、脂肪酸はカルボニル基を化学構造中に有している。この点から、軟化剤のエステル基と脂肪酸のカルボニル基が定着液の系内で、電気的な作用を示し、またそれが分子間の結合作用を生じさせ、定着液の特性として起泡性及び泡沫安定性を向上させている。
【0061】
また、炭素数12から18の範囲においても、炭素数が少ないほうが起泡性に優れているが泡沫安定性が悪く、炭素数が多いほうが起泡性にあまりよくないが泡沫安定性に極めて優れている。このため、定着液中には、単独の脂肪酸塩を含有させても良いが、炭素数12から18の脂肪酸塩を混合して含有させる方がさらに優れている。混合比率としては、ミリスチン酸塩(炭素数14)を最も多く含み、ラウリン酸塩(炭素数12)、ステアリン酸塩の割合を低くすることが望ましい。より具体的な脂肪酸塩の比率としては、ラウリン酸塩:ミリスチン酸塩:パルミチン酸塩:ステアリン酸塩の重量比で、0:6:3:1、1:5:3:1、1:4:4:1などが適する。
【0062】
ところで、定着液中に起泡剤である脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有することで軟化剤の濃度が高くなっても起泡性及び泡沫安定性を維持することができる。軟化剤の濃度として、10[wt%]未満では、脂肪酸を含有しなくても起泡性は問題ない。しかし、軟化剤の濃度が10[wt%]以上、特に軟化剤の濃度が30[wt%]以上になると、脂肪酸塩だけでは、ほとんど起泡しなくなり起泡性が悪くなる。このような軟化剤の濃度が30[wt%]となる定着液において、脂肪酸塩と同じ炭素数の脂肪酸を含有させると、起泡性を維持できる。
【0063】
但し、脂肪酸の含有量が多くなりすぎると、起泡剤である脂肪酸塩の比率が下がり、起泡性が再び悪くなる。そこで、脂肪酸塩のモル数を、脂肪酸のモル数と同じに、またはは大きくするほうがよい。あるいは、脂肪酸と脂肪酸塩の比率を、5:5から1:9の範囲とした場合起泡性が優れている。
【0064】
なお、同じ炭素数の脂肪酸と脂肪酸塩の組合せだけでなく、例えば、脂肪酸塩がミリスチン酸アミンで、脂肪酸がステアリン酸の組合せや脂肪酸塩がパルミチン酸カリウムで脂肪酸がステアリン酸のような炭素数が12から18の範囲で異なる組合せであってもよい。要は、炭素数12から18の範囲の脂肪酸を定着液に含有することで、高濃度の軟化剤を含有しても、起泡性が悪くならず、泡沫安定性に優れ、嵩密度の極めて低い泡化を可能とする。
【0065】
また、他のアニオン系界面活性剤、例えばアルキルエーテル硫酸塩(AES)を起泡剤として、炭素数12から18の脂肪酸を含有した定着液であっても、軟化剤濃度増加による起泡性が悪くなるのを防止する効果があることがわかった。但し、最も組合せとして優れているのは脂肪酸塩との組合せである。
【0066】
更に、脂肪酸塩としては、脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム、脂肪酸アミンが適している。更に、最も適している脂肪酸アミンは、具体的には、水を加熱し、脂肪酸を添加し、その後トリエタノールアミンを添加して、一定時間撹拌しながら加熱してケン化反応させることで作製することができる。このとき、脂肪酸とトリエタノールアミンとのモル比を、1:0.5から1:0.9の範囲と脂肪酸比率を高くすることで、ケン化後、未反応の脂肪酸が残留し、定着液中に脂肪酸と脂肪酸アミンを混合させることができる。同じことは、ナトリウム塩やカリウム塩でも可能である。
【0067】
ところで、定着液中の軟化剤濃度が高くなると希釈溶媒である水に軟化剤が溶解しにくくなる。そこで、検討した結果、多価のアルコール類、具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3ブチレングリコール、グリセリンなどを定着液中に含有させることで、軟化剤が高濃度でも溶解し、かつ脂肪酸塩による起泡性を劣化させず、むしろ起泡性が向上することがわかった。また、多価のアルコール類の含有量は、1[wt%]から30[wt%]の範囲が適当である。30[wt%]より多い含有量では、起泡性がむしろ劣化するため適さない。
【0068】
なお、本実施形態では泡状定着液塗布部材として泡塗布ローラ41を用いた例で説明したが、泡塗布部材としては複数のローラに張架された泡塗布ベルトでもよい。また、泡状定着液塗布部材に対向して配置される加圧部材は、加圧ローラ44に限るものではなく、複数のローラに張架された加圧ベルトであってもよい。
【0069】
以上説明したように、本実施形態によれば、図5に示すように、制御部50は画像形成部の主要部から中間転写体6に形成された未定着トナー像がモノクロであるか、あるいはカラーであるかの画像モードの情報を取得する。制御部50は二層構造の泡状定着液を形成する2つの泡状定着液生成手段30−1、30−2における液状定着液の各供給量をそれぞれ制御して、後段での膜厚調整可能な膜厚の二層構造の泡状定着液を生成する。そして、制御部50は、取得した画像モードの情報に応じて膜厚制御用ブレード42−1、42−2による膜厚を調整して、画像モードに対して最適化された膜厚の二層構造の泡状定着液を生成する。例えば未定着の樹脂微粒子で形成された画像がモノクロであれば、カラーの画像モードのときにおける泡状定着液生成手段30−1、30−2によって生成される泡状定着液の各供給量よりも少なくし、かつ二層構造の泡状定着液の膜厚をモノクロ用の膜厚に調整する。これにより、過剰な泡状定着液塗布による硬化速度の低下や硬化後の原稿に残るタック感の発生を防止できる。逆に、例えば未定着の樹脂微粒子で形成された画像がカラーであれば、カラーの画像モードのときの泡状定着液生成手段30−1、30−2によって生成される泡状定着液の各供給量で、かつ二層構造の泡状定着液の膜厚を膜厚制御用ブレード42−1、42−2によってカラー用の膜厚に調整することで、不足な泡状定着液塗布によるトナーオフセットの発生も防止できる。よって、画像モードに応じて最適化された膜厚の二層構造の泡状定着液を生成することができる。
【符号の説明】
【0070】
1:画像形成部
2:給紙部
3:画像読取部
4:胴内排紙部
5(5Y,5C,5M,5Bk):像担持体
6:中間転写体
10:帯電装置
11:露光装置
12:現像装置
13:転写装置
18:定着装置
20(20Y,20C,20M,20Bk):画像形成ユニット
25:潤滑剤塗布装置
30:泡状定着液生成手段
30−1:泡状定着液生成手段
30−2:泡状定着液生成手段
31、31−1、31−2:定着液容器
32:液状定着液
33、33−1、33−2:液体搬送ポンプ
34:液体搬送パイプ
35:気液混合部
36:気体搬送パイプ
37:微小孔シート
38、38−1、38−1:微小泡生成部
39、39−1、39−2:気体搬送ポンプ
40:空気口
41:泡塗布ローラ
42、42−1、42−2:膜厚制御用ブレード
43、43−1、43−2:泡吐出ヘッド
44:加圧ローラ
45:泡状定着液膜
45a:低密度の泡状定着液膜
45b:定着用の泡状定着液膜
50:制御部
P:記録媒体
T:未定着トナー(樹脂含有微粒子)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0071】
【特許文献1】特許第4486160号公報
【特許文献2】特開2009−92897号公報
【0072】
【非特許文献1】「泡のエンジニアリング」初版(石井淑夫著,株式会社テクノシステム,2005年3月25日発行,P.489)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
樹脂の少なくとも一部を溶解または膨潤させることで樹脂を含有する微粒子を軟化させる軟化剤を少なくとも含有した液状定着液に気体を混合させて定着用の泡状定着液を生成し、液状定着液に気体を混合させて上記定着用の泡状定着液の密度より低く、定着後に破棄される破棄用の泡状定着液を生成し、媒体上に形成された未定着の樹脂微粒子に上記定着用の泡状定着液を塗布する塗布手段の塗布面に上記破棄用の泡状定着液を付与し、更に当該破棄用の泡状定着液の層上に上記定着用の泡状定着液を付与して二層構造の泡状定着液層を形成し、形成した二層構造の泡状定着液層の膜厚を所定値に調整し、二層構造の泡状定着液のうち、上記定着用の泡状定着液を上記塗布手段を介して媒体上の未定着の樹脂微粒子に塗布して該樹脂微粒子を媒体に定着する定着装置において、
未定着の樹脂微粒子で形成された画像がモノクロであるか、あるいはカラーであるかの画像モードに応じて、二層構造の泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とする定着装置。
【請求項2】
請求項1記載の定着装置において、
上記画像モードの情報を画像形成部から取得することを特徴とする定着装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の定着装置において、
上記破棄用の泡状定着液層の膜厚は上記画像モードにかかわらず一定とし、上記定着用の泡状定着液層の膜厚は上記画像モードに応じて調整して、二層構造の上記泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とする定着装置。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の定着装置において、
上記破棄用の泡状定着液層の膜厚及び上記定着用の泡状定着液層の膜厚を上記画像モードに応じてそれぞれ調整して、二層構造の上記泡状定着液層の膜厚を調整することを特徴とする定着装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の定着装置において、
上記画像モードに応じて、上記定着用の泡状定着液の供給量を制御することを特徴とする定着装置。
【請求項6】
請求項3記載の定着装置において、
上記破棄用の泡状定着液の供給量は一定であることを特徴とする定着装置。
【請求項7】
請求項4記載の定着装置において、
上記画像モードに応じて、上記破棄用の泡状定着液の供給量を制御することを特徴とする定着装置。
【請求項8】
樹脂含有微粒子が色剤を含有したトナーで静電記録プロセスを行い媒体上に未定着トナー画像を形成する画像形成手段と、請求項1〜7のいずれか1項に記載の定着装置により上記未定着トナー画像を媒体に定着させる定着手段とを具備することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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