説明

定量放出デバイスを試験する方法及びその装置

放出した用量が定格用量に一致しているか定量放出デバイスを試験することに関して、デバイス(1)は、試験区画(24)に密閉して適用(26)されており、デバイスに機械的な操作をすると(M、5)、1用量が試験区画(24)内に放出される。このような注入によるものと試験区画(24)内に予め確立された基準圧力(30)に関するものとの圧力差は、圧力センサ(32)によって観察される。センサ(32)の出力信号(o)は、この用量の限度を示す。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
定義
・「定量放出」(MDE)デバイスが、液状または粉状製品を収容する容器を有するデバイスであると理解する。このようなデバイスは、手動で動作可能なマニピュレータをさらに備える。マニピュレータへの各作用−慣習的には作用ストローク−により、1用量の流体材料が容器の出口開口部から放出される。容器は、慣習的には液状の高圧ガスを収容し、マニピュレータへの各ストロークにより、1用量の上記流体は、高圧ガスによって駆動され、このため、1用量のガス状流体として、容器出口を通って放出される。他の技術において、上記1用量のガス状流体は、例えばMDEデバイスに取り付けられた流動化デバイスにあるマニピュレータの作動によってのみ作られる。
【0002】
さらに、このようなMDEの他の形態において、容器における流体内容物は、入物内で加圧されるが、MDEに取り付けられた流動化デバイスの追加のノズルを用いて1用量のガス状流体としてのみ放出される。
【0003】
このようなMDEにまたはMDEへ適用されて容器内に収容された製品を放出する技術に関係なく、すべてのこれらデバイスに共通することは、マニピュレータへの1つの作用によって、所定の定量のMDE内容物を含む1用量の製品が放出されることである。
【0004】
MDEデバイスの中からのより具体的なカテゴリは、いわゆる「定量吸入器」、MDIである。これらは、粉状または液状製品と高圧ガスとを収容する。放出開口部は、突出した管状スタブを備える。このスタブは、1用量の製品を管状スタブから放出するためにスタブを容器の内部へ同軸上にかつ内部に向けて移動させる点で、上で記述したマニピュレータとして機能する。このようなMDIは、吸入される抗アレルギー製品に関して医療用途で幅広く知られている。
【0005】
・流体という一般的な用語が、気体、液体、粉体または液体及び/もしくは粉体を収容するガスであるとさらに理解する。
【0006】
・ガス状流体が、ガスまたはガス及び/もしくは液体を含むガスであると理解する。
【0007】
このため、MDIが最終的にガス状流体を放出するどの場合でも、放出は、容器の出口から直接、または流体の個別の処理の後に流動化デバイス内の容器からなされる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
頻繁に、MDEから放出された1用量は、その限度に関して臨界的である。特にそして例として、良好に制御された方法で適用されるMDIデバイスからのようないくつかの医療品の場合である。製造後のMDEデバイスは、放出される定格用量に関して比較的大きい許容誤差の影響を受けがちである、または、投薬マニピュレータもしくはバルブ配置を誤った状態で容器内に収容される特有の製品を組み合わせることによって誤って組み立てることがある。本発明の目的は、放出した用量のガス状流体が定格用量と同等の所定の制限内にあるMDEデバイス、より具体的にはMDIデバイスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
これは、放出操作ごとの認めた定格放出用量のガス状流体を有する定格用量放出−MDE−デバイスを製造する方法によって、本発明において達成される。この方法は、
・認めていないMDEデバイスの放出出口を試験区画に密閉して接続する工程と、
・MDEのマニピュレータへの放出操作を機械的に実行する工程であって、これにより、1用量のガス状流体を試験区画内に放出する、工程と、
・放出した用量のガス状流体を収容する所定容積の試験区画を確立した後に、試験区画の圧力を観察する工程と、
・放出した用量が所定の定格放出用量の所定制限内に一致するか否かの指標として観察した圧力を利用する工程と、
・一致する場合には、容器が所定の定格放出用量に一致する用量を放出したことを認める工程と、
を備える。このためそしてこの方法において、製造されたが放出操作ごとの定格用量のガス状流体に一致する用量の流体を放出することが認められていないMDEは、用量試験ステップにしたがってさらなる製造ステップを受け、最終的に、MDEデバイスは、定量に一致する容量の流体を放出する、すなわち、このような用量から所定の制限内でのみ異なっている結果となる。
【0010】
このため、MDEデバイスを試験してこれらがデバイスへの放出操作ごとに所定の定格用量のガス状流体を放出するか否かを規定する方法は、本発明の枠組み内である。これにより、上に記述したように、MDEデバイスは、それぞれの用量のガス状流体を直接放出すること、または、容器に慣習的に取り外し可能に付けられた流動化デバイスを用いてガス状流体にのみ変換される流体を放出すること、が検討される。明らかに好ましいことは、この後者の場合において、上で記述したような製造する方法及びここで記述するような試験する方法が、MDEデバイスに個別の流動化デバイスを付ける工程を備えることである。上記試験する方法は、
・MDEデバイスの出口を試験区画に密閉して接続する工程と、
・MDEデバイスへの放出操作を機械的に実行する工程であって、これにより、1用量のガス状流体を試験区画内に放出する、工程と、
・所定容積の試験区画を確立した後に、試験区画内の圧力を観察する工程と、
・放出した用量が所定の定格放出用量の所定制限内に一致するか否かの指標として観察した圧力を利用する工程と、
を備える。
【0011】
いずれかの方法、すなわち上で記述したような製造する方法及び試験する方法の一形態において、試験区画は、ピストン/シリンダ配置を備え、ピストン/シリンダ配置のシリンダに対するピストンの移動を用いて放出操作を機械的に実行する工程と、ピストン及びシリンダの所定の相対位置から外れる工程と、ピストン及びシリンダがピストン/シリンダ配置の区画内の所定の相対位置に復帰した後に圧力を観察する工程と、をさらに備える。
【0012】
これにより、この形態は、MDIを製造するまたは試験することに特に適しており、放出操作は、管状出口スタブをMDIデバイスの容器内へ押圧することによって実行される。圧力の観察が、ピストン及びシリンダがこれらの所定の相対位置に復帰した後にのみ確立されるという事実から、このような観察することを所定の基準限度であってピストン及びシリンダを上記所定の相対位置に位置付けるときに上記ピストン/シリンダ配置によって確立される基準限度の容積内で実行するようにする。
【0013】
上で記述したような方法のさらなる形態であってここまでで記述した形態のすべてと及び以下で記述する形態と組み合わせられてもよい形態において、機械的に実行される少なくとも1つの洗浄操作があり、これにより、圧力を観察することによって確認されるその用量を放出する1つの操作を機械的に実行する前に、少なくとも1つの洗浄用量それぞれを生成する。これにより、少なくとも1つの洗浄用量が観察した圧力に影響を及ぼすことを防止する。
【0014】
これにより、1以上の洗浄用量は、確認される用量を放出させる前に、MDEデバイスから放出される。明確には、最も単純な方法において、洗浄用量は、試験区画にも放出される。それにもかかわらず、予め放出された洗浄流体の測定結果への影響を防止するため、基準圧力は、洗浄後に試験区画に再度確立される。基準圧力は、習慣的には、環境圧力である。すなわち、圧力を観測することに関して基準圧力として環境圧力を用いることは、それぞれのまたは所定数の洗浄用量を放出した後に、それともこのような洗浄中に恒久的に、試験区画は、環境に対して開放し、必要に応じてポンプされ、試験区画が基準圧力で密閉して閉鎖される前に、個別のMDEデバイスを確認するための開始条件を規定する。
【0015】
本発明における製造する及び試験する方法のさらなる形態であってここまでで記述した及び以下で記述する形態のいずれかと組み合わされてもよい形態において、試験されるMDEデバイスは、機械的に操作して試験される用量を放出する前に、したがって好ましくは洗浄を実行する前に、機械的に振られる。
【0016】
振る動作は、個別のデバイスを多方面に回転させることによってまたは所定の旋回角回りでデバイスを往復式に旋回することによって実行されてもよく、または、線形に振ることによってもしくは組み合わせて実行されてもよく、MDEデバイスの内容物は、特有の用途に関して習慣的にもたらされるような状態に至る。その上、本発明における製造する及び試験する方法のさらなる形態であって上で記述した形態のいずれかと及び以下で記述する形態と組み合わされてもよい形態において、1つの機械的操作時に放出される少なくとも1つの用量は、MDEデバイスの出口の下流においてフィルタリングを受ける。明確には、上で記述したように洗浄用量を試験区画内に放出する場合、このようなフィルタリングは、上記洗浄用量に関して実行される。これにより、放出されたガス状流体の液滴または粉体粒子が試験区画の内面に及び圧力センサの検知面に蓄積すること、並びに、ポンプなどの中に侵入することを防止し、このようなフィルタリングによって、個別の試験配置における時間周期または動作サイクルは、著しく拡大される。これにより、上記フィルタリングは、容易に取り外して交換されるフィルタ部材によって実行される。
【0017】
その上、本発明における製造する及び試験する方法のさらなる形態であって上で記述した形態のいずれかと及び以下で記述する形態と組み合わされてもよい形態において、方法は、列をなして連続的に搬送されるMDEデバイスに実行される。このため、本発明における方法は、そのすべての態様の下で、MDEデバイスをインラインで試験する及び製造することに完全に適しており、このMDEデバイスは、個別の試験ステーションにまたは複数の試験ステーションを有する機械に列をなしてかつ高速で搬送される。その上、本発明における製造する及び試験する方法のさらなる形態であって上記形態のすべてと組み合わされてもよい形態において、MDEデバイスは、MDIデバイスである。
【0018】
本発明が基づく目的は、デバイスがデバイスへの放出操作ごとに所定の定格放出用量のガス状流体を上記定格放出用量に関する所定の偏差限度内で放出したか否か定量放出−MDE−デバイスを試験する装置によって解決され、この装置は、
・少なくとも1つのMDEデバイスのための支持部と、
・支持部にあるMDIデバイスが放出出口から1用量の流体を放出させられる駆動型マニピュレータと、
・放出出口に自動的に密閉して適用され、放出出口の試験区画内へのガス状流体のための入口への流体連通を確立する駆動型コネクタ装置と、
・その検知入力部が試験区画と流体連通する圧力センサと、
を備える。
【0019】
上記装置の一形態であって以下で説明されるすべての形態と組み合わされてもよい形態において、装置は、加圧された内容物と出口バルブとを有するMDEデバイスを試験することを意図しており、この出口バルブは、管状のバネ付勢された出口スタブであってデバイスの容器の内部に向けて軸方向に出口スタブを移動させることによって開放される。この形態において、支持部は、MDEデバイスを把持し、スタブが所定位置にある状態でデバイスを保持するための把持部材を備える。試験区画は、ピストン/シリンダ配置を備え、ピストンは、シリンダ内で駆動して動作可能であり、上記所定位置においてスタブと同軸である。シリンダは、上記所定位置にあるスタブのための貫通孔部を有する前壁部を有する。駆動配置がさらに設けられており、この駆動配置は、把持部材の及びピストン/シリンダ配置の第1相対移動を確立し、デバイスを前壁部の外面に密閉して付勢し、これにより、上記駆動型コネクタ配置を形成しながらスタブを貫通孔部内へ導入する。上記駆動配置は、上記駆動型マニピュレータのように、シリンダ内の所定の基準位置から前壁部に向かってかつ貫通孔部内のスタブに向かって当接するピストンの移動を確立する。これにより、スタブは、デバイスの容器の内部に向けて移動される。上記駆動配置は、所定の基準位置に後退するシリンダ内のピストンの後退移動をさらに確立する。
【0020】
試験区画を形成するシリンダ及びピストンは、上記スタブを入物の内部に向けて移動させるようにしたがって、出口スタブと流体連通する第1区画容積を画定する。これらは、シリンダ内のピストンの上記所定位置において、第1キャビティ容積と及び圧力センサの検知入口とに流体連通する第2区画容積を画定する。
【0021】
この形態において、動作時に、MDEデバイスは、把持され、ピストン/シリンダ配置の前壁部の外面に向けて密閉して付勢される。これにより、管状スタブは、上記前壁部の貫通孔部を通過される。その後、シリンダ内でピストンを相対移動させ、これにより、ピストン/シリンダ配置の前壁部とのデバイスの密封係合をさらに維持することにより、デバイスの管状スタブは、デバイスの容器の内部に向けて押圧され、これにより、1用量の流体を試験区画の上記第1容積内に放出させる。それは、ピストン及びシリンダがそれらの所定の相対位置を取った後だけであり、これにより、当該圧力測定をする第1容積との第2容積の流体連通を確立する。これにより、第1容積及び第2容積の合計は、用量の十分な圧力測定を確立するために所定の基準容積に一致する。
【0022】
ちょうど説明した形態のうちの一形態において、ピストンは、開口部を有するさらなる貫通孔部を有し、この開口部は、前壁部の貫通孔部と位置合わせされ、ピストン内の後退キャビティ容積に隣接する。
【0023】
このため、ピストンの上記後退キャビティを用いて、ピストン及びシリンダの相対位置とは無関係であるキャビティ容積が確立される。ピストンをシリンダに関して所定の基準位置内へ後退して移動させるので、ピストンとシリンダとの間に確立された可変容積は、シリンダ内のピストンによって実行されるストロークとは無関係にこの所定の相対位置になる。これにより、上記所定の基準位置において圧力を観察することに関して、正確な一定の基準容積を設定する。
【0024】
すでに説明した形態及びさらに説明される形態のいずれかと組み合わされてもよいさらなる形態において、試験区画にある上記コネクタの下流に、フィルタ部材が設けられている。
【0025】
ピストンの後退キャビティ容積と前壁部の貫通孔部に位置合わせされかつ上記後退キャビティに隣接する貫通孔部とを有する形態を念頭におくと、このようなフィルタ素子が後退キャビティに隣接するピストンの貫通孔部の端部に好ましくは設けられることが明らかになる。
【0026】
ちょうど説明した形態のさらなる形態において、フィルタ部材は、交換部品である。
【0027】
その上、本発明における装置のさらなる形態であってここまでで説明したすべての形態及び説明する形態と組み合わされてもよい形態において、MDEデバイスのための支持部は、駆動的に振ることが可能である。
【0028】
これにより、振ることが可能であることを実現する一形態において、上記支持部は、軸回りに駆動して旋回可能であり、これにより、好ましくは所定の旋回角度で往復式に旋回可能である。
【0029】
一形態において、本発明における並びに説明されるそれぞれの及びすべての形態における装置は、MDIデバイスを試験するために作られている。本発明は、ここで実施例を用いてかつ図面を活用して、さらに説明される。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明において取り組まれる一般的な定量放出−MDE−デバイスの概略図である。
【図2】図1の概略図に従う概略図であって、図1のMDEデバイスの1つのタイプを示す、概略図である。
【図3】図1または図2の概略図に従う概略図であって、図1における本発明において取り組まれるMDEデバイスの第2のタイプを示す、概略図である。
【図4】図1から図3の概略図に従う概略図であって、図2のMDEデバイスに従う特別なタイプのMDEデバイスとしてのMDIデバイスを示す、概略図である。
【図5】図3のMDEデバイスにほぼ従うMDEデバイスの具体的なタイプとしてのMDIデバイスを示す図であって、図1から図4の概略図と同様のかつ本発明において取り組まれる、概略図である。
【図6】単純化した概略機能−ブロック/信号−フロー図であって、本発明における方法のかつ本発明における装置の原理を示す、フロー図である。
【図7】単純化した断面図であって、本発明における一実施形態の装置及び本発明における方法の動作を示す、断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1は、本明細書及び特許請求の範囲にわたって取り組まれるMDEデバイスを最も一般的かつ概略的に示す。図1において、MDEデバイスは、出口3及びマニピュレータ5を有する容器1を備える。1ストローク操作Mをマニピュレータ5に掛けると、単一用量Dの流体材料が出口3から放出される。このため、ストローク操作Mの時間範囲に関係なく、単一用量Dは、出口3から放出される。
【0032】
これにより、完成した用量は、これらタイプのMDEが予め加圧されているので、図2におけるMDEデバイスのいくつかのタイプによって直接ガス状流体として放出される。
【0033】
図3に概略的に示す第2のタイプのMDEデバイスにおいて、容器の内容物は、液状または粉状であり、加圧されておらず、または、内容物を直接ガス状流体の形態で放出することを可能とする程度には加圧されていない。これらタイプのMDEデバイスに関して、外部に取り付けられかつ頻繁に取り外し可能な流動化デバイス7が設けられており、この流動化デバイス7は、慣習的には、マニピュレータ5として同時に機能する。この流動化デバイス7により、かつ図3に概略的に示すように、一方でマニピュレータに操作ストロークMがあると、MDEデバイスは、1用量の液状または粉状材料を放出させ、この材料は、流動化デバイス7の操作Mに起因して加圧にさらされ、ガス状流体の用量として流動化器7から放出される。流動化器7内で、操作MとMDEデバイスとの間に加圧部材9及び動作リンク11を示し、1用量の液状または粉状材料をMDEデバイスが放出させられる。
【0034】
図1から図3は、最も一般的なタイプのMDEデバイスを示し、このMDEデバイスは、本発明によって取り組まれる。
【0035】
MDIデバイス、定量噴射器は、特有なタイプのMDEデバイスであり、図2のタイプのMDEまたは図3のタイプのMDEに従って構成される。図4において、MDIデバイスは、開口部3としての管状スタブ13を有する容器1を備える。この管状スタブ13は、MDIデバイスの操作として同時に動作する。容器1内へ外方にバネ付勢される管状スタブ13を移動させることにより、MDIデバイスは、図4に示すように、あらかじめ加圧された1用量のガス状流体を放出する。管状スタブ13への各ストロークS(M)により、かつスタブ13がその内方位置(破線)でどの期間保持されるかに関係なく、ガス状流体の形態で1用量の内容物を放出する。
【0036】
このため、このタイプのMDIデバイスは、図2のより一般的なタイプのMDEデバイスに一致する。図5におけるこのタイプのMDIデバイスは、流動化器17を必要とする。操作Mをすると、流動化器17は、図5に概略的に示すように、矢印S(M)にしたがって内方にスタブ13を移動させることによって、MDIデバイスを1用量の流体内容物を放出させ、この流体内容物は、流動化器17に配置された符号19で概略的に示された個別のノズルによってガス状流体の形態に変換される。習慣的にMDIデバイスを予め加圧しているので、図3におけるより一般的なMDEの実施形態におけるように、放出操作によって個別の放出された流体用量を加圧する必要がない。それにもかかわらず、図5のようなタイプのMDIは、例えば噴霧する目的で必要とされるように、ガス状流体を正確に放出するために、追加のノズルを配置することを必要とする。
【0037】
図6を活用して、本願の原理を説明する。これにより、図1との関連で取り組まれるような最も一般的なMDEデバイスのタイプに基づく。MDEデバイスの容器1は、把持部材20によって把持され、所定位置に保持される。駆動部22を用いて、出口3を有するMDEデバイスは、試験区画24との流体連通に適用され、これにより、符号26で概略的に示すように、MDEデバイスの出口3と試験区画24との間で封止接続を自動的に形成する。放出操作Mを機械的に実行することにより、駆動部28によって概略的に示されるように、単一用量の製品は、MDEから試験区画24内に放出される。所定の基準容積の試験区画24は、1用量の放出を実行する前に、制御バルブ30を介して概略的に示されるように環境圧力としての基準圧力を引き起こす。明らかに、完成した用量を試験区画24内に放出する前に、バルブ30を閉じる。1用量を放出した後、試験区画24内に結果として生じる圧力は、圧力センサ32を用いて観察され、その検知面は、試験区画24の内部に連通している。試験区画24の上記容積を正確に理解し、基準圧力、慣習的には環境圧力と区画24内への1用量のガス状流体を放出した後の結果として生じる圧力との差は、完成した用量の強度の指標である。圧力センサ32の電気出力信号s(p)は、評価ユニット34に付与され、そこで、信号範囲s±Δと比較される。基準値sは、範囲±Δと同様に定格用量程度に一致し、ソース36及び38それぞれによって評価ユニット34への制御可能な入力である。圧力センサ32の出力信号s(p)が範囲s±Δ内であるときはいつでも、試験中のMDEデバイスは、定格用量に一致する用量を放出したとみなされ、肯定的な出力信号oは、評価ユニット34によって生成される。このため、試験中の個別のMDEデバイスは、正確な用量を放出することを認める。
【0038】
本発明にしたがって実行するように、測定の有意性を増大させるため、圧力測定を受ける用量を放出する前に、まず試験を受けているMDEデバイスから1以上の洗浄用量を放出することが望ましい。このため、図6に概略的に示すように、確認される1用量を放出する操作Meを実行する前に、1以上の機械的に動作される洗浄操作Fを適用する。これにより、MDEデバイスを試験区画24の流体連通に密閉的に付与する前に、洗浄用量放出を実行することが可能であることが明確である。これは、習慣的にはMDEデバイスの内容物を環境大気へ自由に放出すべきでないので、完成した洗浄用量のための別個の除去システムを必要とする。このため、図6に概略的に示す実施形態において、洗浄用量は、同様に、試験区画24内に放出される。これら洗浄用量を試験区画24から除去し、かつ、確認される用量を放出する前に圧力測定についての正確な開始状態を設定するために、試験区画24は、ポンプ40及び開放バルブ30により空にされる。ポンプ40の出口及び入口は、MDEデバイスから放出される材料のための個別のフィルタシステムに適用される。さらに及び一実施形態において、図6に概略的に示すように、フィルタ部材42は、出口3のすぐ下流かつ試験区画24内に設けられている。このフィルタ部材42により、個別の用量のガス状流体で放出された液状または粉状材料の十分な部分を収集し、これにより、試験区画24の壁部並びに設けられる可能性のあるポンプ40及びセンサ32の検知面が汚染されることまたは瞬時に汚染されることを防止し、これにより、試験区画24の洗浄メンテナンス期間を十分に延ばす。フィルタ素子42は、容易に交換可能な部品として作られておりかつ取り付けられている。
【0039】
さらなる一般的な実施形態において、適切な個別の用量の製品を放出する前に、MDEデバイスをしばしば振らなければならないことを考慮する。これらの場合において、完成した要件は、試験区画24との流体連通に密閉して適用される前にMDEデバイスを振る振動駆動部(図6において図示略)を設けることによって考慮される。これにより、このような振動運動は、図6における軸A回りで駆動された回転往復によって、及び往復角度αによって実行される。MDEデバイスを往復式に旋回させることに替えて、この振動は、同様に、線形の往復によってまたは回転によって実行されてもよい。上述のように、本発明の一般的な原理は、図1及びより具体的には図2に示すように、一般的なMDEデバイスに基づいて図6を用いて説明される。図3を用いて例示されたMDEのタイプを試験するまたは製造方法の1工程として試験される場合、MDEは、流動化デバイス7と共に適用され、モータ駆動される操作Mは、図3において、このような流動化デバイス7に適用される。あるいは、試験区画は、流動化部材7を組み込むように作られており、試験されるMDEデバイスは、それぞれに流動化部材7を設けることなく、試験装置に適用される。そして、例えば及び図5のようなMDIタイプを念頭において、流動化ノズルを有する流動化部材17は、組み込まれて試験区画24の入口の一部になる。
【0040】
図7は、本発明における装置及び以下の原理を断面でかつ単純化して示しており、この原理は、図6を用いて例示されている。これは、特に図4または図5を用いて説明されたようなタイプのMDIを試験するまたは製造するために特に作られている。
【0041】
破線で示すように、MDIデバイスの容器は、図6のような支持部材20によってまず把持され、軸A回りで往復式に振られる。往復式振動を実行する駆動部は、44schで概略的に示される。
【0042】
その後、管状出口スタブ13を有するMDIデバイスは、所定位置に至り、管状スタブ13は、説明されるピストン/シリンダ配置の前板部47の受容貫通孔部45と同軸である。
【0043】
図6における駆動部22を用いて、MDIデバイスは、振られかつ所定位置に至った後、板部47に対して移動され、管状スタブ13を前板部47の貫通孔部45内にかつ貫通孔部を通って導入する。例えば板部47の前側で貫通孔部45と同軸であるOリング49のような密閉部材は、MDIデバイスを駆動部22によって板部47に向けてかつ当接して付勢するときに正確な密閉が確立されることを確実にする。
【0044】
スタブ13は、図示のように、貫通孔部45から全体的に参照符号50が付されたピストン/シリンダ配置の内部に向けて突出する。ピストン/シリンダ配置は、前板部47によって閉塞されるシリンダ51を備える。シリンダ51内では、ピストン53が駆動して推進され、このピストンは、圧空ピストンを密閉する習慣的な方法で、シール55によって概略的に示されるようにシリンダ51の内面に関して密閉されている。シリンダ51は、蓋部分57を備え、この蓋部分は、ピストンの個別の肩部59のための停止部を形成し、これにより、シリンダ51とピストン53との間に所定の下側基準位置を確立する。貫通孔部45と同軸にかつ導入されるMDIデバイスの管状スタブ13と同軸に、ピストンは、孔部61を有し、この孔部は、貫通孔部45に向けてかつ貫通孔部45と位置合わせして開口し、ピストンキャビティ63内に隣接する。図7においてさらに概略的に示すように、圧力センサ65は、ピストンキャビティ63と連通する。さらに、概略的に示すように、ポンプ67は、制御可能なバルブ69を介してこの容積63と、並びに、制御可能なバルブ73を介して排出ライン71と連通する。図7に示すようなかつ本発明における装置は、以下のように、本発明における方法を動作する。
【0045】
MDIデバイスを振りかつ前板部47の貫通孔部45内に導入した後に、シリンダ51内のピストンは、駆動部51を用いて上昇される。これにより、管状スタブ13の端部は、孔部61の蓋部と接触し、MDIデバイスの容器1内へ上方に押し付けられる。このため、1用量の製品は、MDIデバイスから内部に移動された管状スタブ13を通り、ピストン53の孔部61を介してピストンキャビティ63内に放出される。ピストン53は、駆動部51によって停止部57/59まで後退し、ピストンキャビティ63内の圧力は、測定される。その後、ライン71は、開放バルブ73によって開放され、ピストンキャビティ63内の過剰圧力を排出し、次のMDIデバイスを試験するための基準圧力として環境圧力をそこに再度確立する。
【0046】
1以上の洗浄用量を測定前に放出する場合、ピストン53は、1回以上上昇及び後退され、管状スタブ13への個別の作用によって、MDIデバイスを1以上の洗浄用量をピストンキャビティ63内に放出させる。
【0047】
洗浄用量それぞれを放出する動作間に、ライン71は、制御バルブ73を用いて開放され、バルブ69を開放した後、ピストンキャビティは、洗浄される。ピストン53を上昇させるのはバルブ73を再度閉鎖し、ポンプ67を停止し、そしてバルブ69を閉鎖した後のみであり、今回は、「試験する」用量を放出させ、この用量をセンサ65で観察する。この観察の結果は、注入した用量が例えば図6を用いて本明細書中で説明されたような限界内の定格用量に一致するかの指標として利用される。
【0048】
図4のタイプにおけるMDIに替えて図5のタイプにおけるMDIを製造または試験する場合には、このようなMDIデバイス及び図5のような流動化デバイス17が前板部47に適用されるか、ピストン53の孔部61がノズルとして作られ、結果としてピストンキャビティ容積63内にガス状流体を放出する。さらなるまたはいくつかの場合において試験中のMDIデバイスが管状スタブ13から放出される流体製品を外部から加圧する必要がある場合、参照符号75において破線で示されるような加圧シリンダ配置は、ピストン53内に設置され、ピストン53の上方移動によって及び例えば追加の加圧ピストンシリンダ配置75を介して、管状スタブ13から放出される製品は、さらに加圧され、その結果、ピストンキャビティ63内に放出されるガス状流体をもたらす。ピストンキャビティ63を区画するすべての内面が放出した製品によって汚染されることを防止するため、フィルタ部材77は、シリンダキャビティ容積63内への孔部61の入口開口部のすぐ下流に設けられている。このため、ピストン53は、例えばピストンの底板部79とピストン53の残りの部分との間にネジ接続部を確立することによって、フィルタ部材77の迅速な交換を容易に可能とする方法で組み立てられている。さらに、MDIデバイスが上下反転位置である状態で図7に示す全体配置は、底部が下方にある位置にあるMDIデバイスの上方で動作するように反転させてもよい。
【0049】
図6を用いて最も一般的にまたは図7を用いてより具体的に説明されたような多数の試験装置またはステーションは、例えば機械のカルーセル(carousel)のような機械上でインラインに配置されてもよく、給送コンベア上にある列をなす試験されるMDEデバイスそれぞれによって供給されてもよい。
【0050】
最後に、強調しなければならないことは、流体製品を連続的に放出するマニピュレータを有するデバイスがこのような操作の継続期間を制御する期間によってMDEデバイスとして動作されてもよいことである。明確には、MDEデバイスとして動作されるこのようなデバイスは、同様に、本発明において用語「MDE」と称されている。この場合において、このようなデバイスからの時間単位当たりの製品出力速度は、本発明にしたがって試験され、用語「用量」は、「時間単位あたりに放出された材料量」として理解される。
【符号の説明】
【0051】
1 容器、3 出口,開口部(放出出口)、22 駆動部、24 試験区画,区画、28 駆動部、32 圧力センサ,センサ、42 フィルタ部材、フィルタ素子、45 受容貫通孔部,貫通孔部、47 前板部,板部、51 シリンダ、51 駆動部、53 ピストン、61 孔部(さらなる貫通孔部)、63 ピストンキャビティ容積,ピストンキャビティ,シリンダキャビティ容積,容積、65 圧力センサ,センサ(検知入力部)、75 加圧ピストンシリンダ配置(ピストン/シリンダ配置)、77 フィルタ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放出操作時に認めた定格放出用量の流体を有する定量放出−MDE−デバイスを製造する方法であって、
・ 認めていないMDEデバイスの放出出口を試験区画に密閉して接続する工程と、
・ 前記MDEデバイスに放出操作を機械的に実行する工程であって、これにより、1用量の前記流体をガス状流体として前記試験区画内に放出する、工程と、
・ 所定容積の前記試験区画を確立した後に、前記試験区画の圧力を観察する工程と、
・ 放出した前記用量が所定の前記定格放出用量の所定制限内に一致するか否かの指標として観察した前記圧力を利用する工程と、
・ 一致する場合には、容器が所定の前記定格放出用量に一致する用量を放出したことを肯定する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
放出時に所定の定格放出用量の流体を定量放出−MDE−デバイスが放出したか否か前記MDEデバイスを試験する方法であって、
・ MDEデバイスの放出出口を試験区画に密閉して接続する工程と、
・ 前記MDEデバイスに放出操作を機械的に実行する工程であって、これにより、1用量の前記流体をガス状流体として前記試験区画内に放出する、工程と、
・ 前記試験区画の所定容積を確立した後に、前記試験区画内の圧力を観察する工程と、
・ 放出した前記用量が所定の前記定格放出用量の所定制限内に一致するか否かの指標として観察した前記圧力を利用する工程と、
を備えることを特徴とする方法。
【請求項3】
前記試験区画が、ピストン/シリンダ配置を備え、
前記ピストン/シリンダ配置のシリンダに対するピストンの移動を用いて前記放出操作を機械的に実行する工程と、
所定の相対位置から外れる工程と、
前記ピストン及び前記シリンダが前記ピストン/シリンダ配置の区画内の所定の前記相対位置に復帰した後に前記圧力を観察する工程と、
を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
少なくとも1つの洗浄操作を機械的に実行し、これにより、前記1つの操作を機械的に実行する前に個別の少なくとも1つの洗浄用量の放出を生成し、これにより、前記少なくとも1つの洗浄用量が測定した前記圧力に影響を及ぼさない工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記1つの快適操作を実行する前に、前記MDEデバイスを機械的に振る工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
放出した前記用量のための前記試験区画への入口において、放出された用量をフィルタリングする工程をさらに備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
MDEデバイスを列になって連続的に搬送するときに実行されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記MDEデバイスは、定量吸入−MDI−デバイスであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
放出時に所定の定格放出用量の流体を定量放出−MDE−デバイスが放出したか否か前記MDEデバイスを試験する装置であって、
・ 少なくとも1つのMDEデバイスのための支持部と、
・ 前記支持部にある前記MDEデバイスが放出出口から1用量の流体を放出させられる駆動型マニピュレータと、
・ 前記放出開口に自動的にかつ密閉的に適用され、試験区画のキャビティとの流体連通を確立する駆動型のコネクタ配置と、
・ その検知入力部が前記試験区画のキャビティと流体連通する圧力センサと、
を備えることを特徴とする装置。
【請求項10】
出口バルブを有するMDEデバイスであって前記出口バルブが管状のバネ付勢されたスタブを当該MDEデバイスの内部に向けて移動させることによって開放されるMDEデバイスを試験する請求項9に記載の装置であって、
・ 前記支持部が、前記MDEデバイスを把持しかつ前記スタブを有する前記MDEデバイスを所定位置で保持する把持部材を備え、
・ 前記試験区画が、シリンダ内で駆動して動作可能でありかつ前記所定位置において前記スタブと同軸であるピストンを備えるピストン/シリンダ配置であって、シリンダが、前記所定位置にある前記スタブのための貫通孔部を有する前壁部を有する、ピストン/シリンダ配置を備え、
・ 前記把持部材と前記ピストン/シリンダ配置との第1相対移動を確立し、前記MDEデバイスを前記前壁の外面に密閉して付勢しながら管状の前記スタブを前記貫通孔部内に導入し、前記シリンダの前記シリンダ内における所定の基準位置からの前記ピストンの前記前壁に向かうかつ前記貫通孔部内の管状の前記スタブに向けて当接する第2移動をさらに確立し、前記スタブを容器の内部に向けて移動させ、前記シリンダ内の前記ピストンの所定の前記基準位置への後退移動をさらに確立する、駆動配置と、
を備え、
・ 前記シリンダ及び前記ピストンが、所定の前記基準位置において、前記圧力センサの前記検知入力部と流体連通する所定容積の試験区画のキャビティを画定することを特徴とする装置。
【請求項11】
前記ピストンが、前記前壁において前記貫通孔部と位置合わせされた開口部を有しかつ前記ピストンの後退キャビティに隣接するさらなる貫通孔部を有することを特徴とする請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記コネクタ配置の下流かつ前記試験区画のキャビティの少なくとも一部の上流にフィルタ部材をさらに備えることを特徴とする請求項9から11に記載の装置。
【請求項13】
前記フィルタ部材が、前記ピストンに取り付けられた交換部品であることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記支持部が、駆動して振動可能であることを特徴とする請求項9から13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
前記支持部が、軸回りで駆動して旋回可能であることを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
定量吸入−MDI−デバイスを試験するためのものであることを特徴とする請求項9から15のいずれか1項に記載の装置。
【請求項17】
前記MDEデバイスが、マニピュレータを連続的に動作させているときに製品の連続的に放出するデバイスによって、及び、かつ操作期間を観察するまたは予め定めることによって確立されることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の方法または請求項9から16のいずれか1項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2012−525167(P2012−525167A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−507608(P2012−507608)
【出願日】平成21年4月29日(2009.4.29)
【国際出願番号】PCT/EP2009/055206
【国際公開番号】WO2010/124732
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(591147948)
【氏名又は名称原語表記】MARTIN LEHMANN