説明

宛先入力支援装置

【課題】本発明は、より確実にメールの誤送信を防止する、宛先入力支援装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明の宛先入力支援装置100の記憶部120は、ユーザが所属する組織である所属組織を含む情報を格納しているユーザ情報121と、前記組織に関する情報を格納している組織情報122と、送受信されたメールの送信者および宛先に関する情報を格納している送受信履歴情報124とを有し、前記宛先入力支援装置100の処理部110は、前記ユーザが入力した値が送受信履歴情報124に格納されている宛先に含まれるか否かを判定し、当該宛先の所属組織および前記ユーザの所属組織に基づいて、当該宛先および前記ユーザの関係性を表す指標である距離を決定する距離作成処理部112と、前記決定した距離に基づいて、端末装置300に当該宛先を表示させる表示処理部111と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子メールの宛先の入力を支援する宛先入力支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
インターネットの普及に伴い、電子メール(以下、メールと称す)を利用した情報交換が頻繁に行われている。電子メールを送信する際、メールアドレスを1文字でも間違えると、見ず知らずの相手にメールが送信されてしまうおそれがある。誤送信されたメールに、秘密とすべき情報が含まれていた場合、情報漏洩を引き起こし、大きな問題となる可能性がある。
一方、メールの誤送信を防止する技術として、特許文献1に記載の技術がある。
【0003】
特許文献1に記載のメールアドレスを検査する装置等は、複数の使用者間で交換されたメールを履歴情報として引用する履歴情報付きメールを作成し、作成した履歴情報付きメールで引用する履歴情報に含まれるメールアドレスの一部又は全部をアドレス情報として収集し、収集したアドレス情報を記憶し、履歴情報付きメールで設定した送信先のメールアドレスに、記憶したアドレス情報が含まれるか否かを検査し、アドレス情報が含まれない送信先のメールアドレスである旨を示す警告情報を出力する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−257167号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載のメールアドレスを検査する装置等は、受信したメールに対して返信または転送するメールを作成する場合にはメールアドレスを検査できるが、返信または転送せずにメールを新規作成する場合には、メールアドレスを検査できない。また、当該検査は、送信先のメールアドレスを入力した後でなければ、行うことができない。さらに、当該検査はメールを送信する直前に行われるため、警告情報を見逃した場合は、メールが誤送信されてしまう。
【0006】
また、過去の入力履歴を参照して、次の入力内容を予想し、予想結果を表示する「オートコンプリート」という技術が知られている。オートコンプリートにおいては、入力する文字数を多くすることによって、予想結果を絞ることができる。しかし、ユーザは、表示された予想結果の先頭を選択することが多いため、メールが誤送信されてしまうことがあった。
【0007】
そこで、本発明は、より確実にメールの誤送信を防止する、宛先入力支援装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による宛先入力支援装置は、ユーザが使用する端末装置間で送受信されるメールの宛先の入力を支援する宛先入力支援装置であって、前記宛先入力支援装置の記憶部は、前記ユーザが所属する組織である所属組織を含む情報を格納しているユーザ情報と、前記組織に関する情報を格納している組織情報と、送受信されたメールの送信者および宛先に関する情報を格納している送受信履歴情報と、を有し、前記宛先入力支援装置の処理部は、前記ユーザが入力した値が送受信履歴情報に格納されている宛先に含まれるか否かを判定し、当該宛先の所属組織および前記ユーザの所属組織に基づいて、当該宛先および前記ユーザの関係性を表す指標である距離を決定する距離作成処理部と、前記決定した距離に基づいて、前記端末装置に当該宛先を表示させる表示処理部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、より確実にメールの誤送信を防止する、宛先入力支援装置を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本実施形態の宛先入力支援システムの構成を説明する図である。
【図2】ユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【図3】組織情報テーブルの一例を示す図である。
【図4】コミュニティ情報テーブルの一例を示す図である。
【図5】送受信履歴情報テーブルの一例を示す図である。
【図6】同報履歴情報テーブルの一例を示す図である。
【図7】フィルタリング情報テーブルの一例を示す図である。
【図8】キーワード情報テーブルの一例を示す図である。
【図9】所属組織と距離について説明する図である。
【図10】宛先入力支援装置の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】宛先候補テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図12】組織リスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図13】宛先候補テーブルの一例を示す図である。
【図14】宛先候補の表示例(1)を示す図である。
【図15】コミュニティ情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図16】コミュニティリスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図17】変更後の宛先候補テーブルである。
【図18】宛先候補の表示例(2)を示す図である。
【図19】同報履歴情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図20】変更後の宛先候補テーブルである。
【図21】宛先候補の表示例(3)を示す図である。
【図22】フィルタリング情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図23】変更後の宛先候補テーブルである。
【図24】宛先候補の表示例(4)を示す図である。
【図25】キーワード情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図26】変更後の宛先候補テーブルである。
【図27】宛先候補の表示例(5)を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以降、本発明を実施するための形態(「本実施形態」と呼ぶ)を、図等を参照しながら詳細に説明する。また、本実施形態を説明するための全図において、同一部には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0012】
(宛先入力支援システム)
図1は、宛先入力支援システム1の構成を説明する図である。宛先入力支援システム1は、宛先入力支援装置100、ネットワーク200およびクライアント端末装置300を含んで構成される。
【0013】
宛先入力支援装置100は、ネットワーク200を介してクライアント端末装置300と接続される。宛先入力支援装置100は、主記憶装置110、補助記憶装置120、中央制御装置130および入出力装置140を含んで構成される。これらはバスを介して相互に接続される。
宛先入力支援装置100は、メールの送信者がメールの宛先欄に入力したメールアドレスの一部および各種データに基づいて、メールの送信者と宛先候補との距離を決定する。そして、宛先入力支援装置100は、当該決定した距離に基づいて、クライアント端末装置300に宛先候補を表示させる(詳細後記)。
【0014】
ここで、距離とは、メールの送信者と宛先候補との関係性を表す指標である。距離は、−1または0以上の数値で表される。距離が−1の場合、宛先候補として表示させないことを意味する。一方、距離が0以上の場合、数値が小さいほど、メールの送信者が入力しようとしている宛先である可能性が高いことを意味する。
【0015】
主記憶装置110は、表示処理部111、距離作成処理部112、フィルタリング情報登録部113、キーワード情報登録部114およびメール処理部115を格納する。これらはプログラムである。以降の説明で「○○部は」と主体を記した場合は、中央制御装置130が、各プログラムを補助記憶装置120から読み出し主記憶装置110にロードしたうえで、各プログラムの機能(詳細後記)を実行することを意味する。各プログラムは、予め補助記憶装置120に格納されていてもよいし、他の記憶媒体または通信媒体を介して、必要な時に宛先入力支援装置100に取り込まれてもよい。
【0016】
表示処理部111は、メールの宛先欄に宛先候補を表示する。
距離作成処理部112は、メールの送信者と宛先候補との距離を決定する。また、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a、コミュニティ情報テーブル112b、同報履歴情報テーブル112c、フィルタリング情報テーブル112dおよびキーワード情報テーブル112eを含んで構成される。これらは、距離作成処理部112による処理の過程で、一時的に作成され主記憶装置110に格納されるデータである。
【0017】
フィルタリング情報登録部113は、後記するフィルタリング情報テーブル126(図7参照)を登録する。
キーワード情報登録部114は、後記するキーワード情報テーブル127(図8参照)を登録する。
メール処理部115は、メールの送受信を行う。また、メール処理部115は、メールの送受信時に宛先情報を後記する送受信履歴情報テーブル124および同報履歴情報テーブル125に格納する。
【0018】
補助記憶装置120は、ユーザ情報テーブル121、組織情報テーブル122、コミュニティ情報テーブル123、送受信履歴情報テーブル124、同報履歴情報テーブル125、フィルタリング情報テーブル126およびキーワード情報テーブル127を格納する。なお、これらの具体的な構成は後記する。
中央制御装置130は、各種演算処理やプログラムの実行を行う。
入出力装置140は、ネットワーク200を介して、宛先入力支援装置100とクライアント端末装置300との間でデータの送受信を行う。
【0019】
ネットワーク200は、宛先入力支援装置100およびクライアント端末装置300間のデータを伝送する通信網である。
クライアント端末装置300は、一般的なコンピュータである。クライアント端末装置300はネットワーク200を介して宛先入力支援装置100に接続されるが、宛先入力支援装置100がクライアント端末装置300を兼ねていてもかまわない。
【0020】
次に、補助記憶装置120が格納する各種データについて説明する。
【0021】
(ユーザ情報テーブル)
図2は、ユーザ情報テーブル121の一例を示す図である。
ユーザ情報テーブル121は、ユーザに関する情報を格納するテーブルである。ユーザ情報テーブル121には、ユーザ名1211に対応付けて、所属組織1212、メールアドレス1213および電話番号1214が格納されている。なお、ユーザ情報テーブル121には、組織を一意に特定する識別子である組織ID(Identification)を格納してもよい。
【0022】
ユーザ名1211は、ユーザの名称である。
所属組織1212は、ユーザが一員として加わっている(所属する)団体や組織等の名称である。
メールアドレス1213は、ユーザのメールアドレスである。メールアドレス1213は、メールの送信元や送信先(宛先)を表す。
電話番号1214は、ユーザが使用する電話機に割り当てられた番号である。
【0023】
(組織情報テーブル)
図3は、組織情報テーブル122の一例を示す図である。
組織情報テーブル122は、組織に関する情報を格納するテーブルである。組織情報テーブル122には、組織ID1221に対応付けて、組織名1222、上位組織ID1223および上位組織名1224が格納されている。
【0024】
組織ID1221は、組織を一意に特定する識別子である。
組織名1222は、組織の名称である。
上位組織ID1223は、組織ID1221で特定される組織よりも、地位が一階層上である組織(上位組織)を一意に特定する識別子である。
上位組織名1224は、上位組織ID1223で特定される組織の名称である。
なお、図3の一番下のレコードに示すように、上位組織ID1223および上位組織名1224が「−」であり、上位組織が存在しない組織は、最上位の組織(最上位組織)である。
【0025】
(コミュニティ情報テーブル)
図4は、コミュニティ情報テーブル123の一例を示す図である。
コミュニティ情報テーブル123は、所属部署にとらわれず、なんらかの相互関係によって結ばれている人々の集まりであるコミュニティに関する情報を格納するテーブルである。なんらかの相互関係とは、例えば、所属部署を超えて同一の製品を開発する関係や、共通の趣味や目的を持つ関係である。コミュニティ情報テーブル123には、コミュニティID1231に対応付けて、コミュニティ名1232およびメンバ1233が格納されている。
【0026】
コミュニティID1231は、コミュニティを一意に特定する識別子である。
コミュニティ名1232は、コミュニティの名称である。
メンバ1233は、コミュニティに所属するユーザの名称である。
【0027】
なお、ユーザは複数のコミュニティに所属することができる。図4においては、ユーザXは、コミュニティID1231がCOM1およびCOM2である、2つのコミュニティに属している。
また、図4においては、1つのコミュニティID1231および1つのメンバ1233の組み合わせに対して1レコードとする構成であるが、1つのコミュニティID1231に対して1レコードとする構成としてもよい。この場合、メンバ1233には、複数のユーザの名称を格納する。
【0028】
(送受信履歴情報テーブル)
図5は、送受信履歴情報テーブル124の一例を示す図である。
送受信履歴情報テーブル124は、送受信されたメールの、送信者および送信先(宛先)に関する情報(履歴)を格納するテーブルである。送受信履歴情報テーブル124には、ユーザ名1241に対応付けて、宛先1242、宛先種別1243および送受信日時1244が格納されている。
【0029】
ユーザ名1241は、メールを送信したユーザの名称である。
宛先1242は、メールの宛先として指定されたユーザの名称である。
宛先種別1243は、メールの宛先が、「TO」、「CC」、「BCC」のいずれかで指定されたのかを示す情報である。
送受信日時1244は、メールが送受信された日時である。
【0030】
(同報履歴情報テーブル)
図6は、同報履歴情報テーブル125の一例を示す図である。
同報履歴情報テーブル125は、複数の宛先が指定されたメール(同報メール)が送受信された場合に、当該メールの送信者および送信先(宛先)を格納するテーブルである。同報履歴情報テーブル125には、ユーザ名1251に対応付けて、同報宛先1252が格納されている。
【0031】
ユーザ名1251は、メールを送信したユーザの名称である。
同報宛先1252は、メールの宛先として指定されたユーザの名称である。同報宛先1252は、複数のユーザ名を格納する。
【0032】
(フィルタリング情報テーブル)
図7は、フィルタリング情報テーブル126の一例を示す図である。
フィルタリング情報テーブル126は、主題および/または本文に所定の語句が含まれるメールを送信する範囲を格納するテーブルである。換言すれば、フィルタリング情報テーブル126は、宛先候補を絞り込む条件を格納するテーブルである。フィルタリング情報テーブル126には、フィルタリングID1261に対応付けて、フィルタリングキーワード1262および距離1263が格納されている。
【0033】
フィルタリングID1261は、メールを送信する範囲を一意に特定する識別子である。
フィルタリングキーワード1262は、メールを送信する範囲を判定する語句である。
距離1263は、メールを送信する範囲とする距離である。
【0034】
フィルタリングキーワード1262に格納されている語句が、メールの主題や本文に含まれる場合、当該メールは、距離1263未満の距離である宛先にしか送ってはならないことを意味する。
また、フィルタリング情報テーブル126は、フィルタリング情報登録部113により登録しておく。
【0035】
(キーワード情報テーブル)
図8は、キーワード情報テーブル127の一例を示す図である。
キーワード情報テーブル127は、主題および/または本文に所定の語句が含まれるメールを送信する宛先に関する情報を格納するテーブルである。換言すれば、キーワード情報テーブル127は、宛先の距離を変更する条件を格納するテーブルである。キーワード情報テーブル127には、キーワードID1271に対応付けて、キーワード1272および宛先・所属1273が格納されている。
【0036】
キーワードID1271は、宛先の距離を変更する条件を一意に特定する識別子である。
キーワード1272は、宛先の距離を変更するか否かを判定する語句である。
宛先・所属1273は、キーワード1272に関連する宛先または所属組織である。
【0037】
キーワード1272に格納されている語句が、メールの主題や本文に含まれる場合、当該メールは、宛先・所属1273と関連する宛先に送信される可能性が高いため、宛先・所属1273と関連する宛先候補の距離を変更することを意味する。
また、キーワード情報テーブル127は、キーワード情報登録部114により予め登録しておく。
【0038】
(所属組織と距離)
次に、所属組織と距離について説明する。図9は、所属組織と距離について説明する図である。
図9は、図3に示す組織情報テーブル122を階層で表している。図9に示す組織は、4階層により構成される。1階層が最上位組織であり、2階層、3階層、4階層となるにつれて、下位の組織(下位組織)である。
1階層は、株式会社○により構成される。
2階層は、○○事業部および○×事業部により構成される。
3階層は、○部、△部および×部により構成される。このうち、○部および△部は、○○事業部の下位組織である。一方、×部は、○×事業部の下位組織である。
4階層は、○部1課、○部2課、△部3課および×部1課により構成される。このうち、○部1課および○部2課は、○部の下位組織である。○部1課には、ユーザXが所属している。一方、△部3課は、△部の下位組織である。同様に、×部1課は、×部の下位組織である。
【0039】
また、図9は、図2に示すユーザ情報テーブル121を表している。
ユーザXと同じ○部1課に所属している「ishihara」との距離は、「0」となる。ユーザXと同じ○部に所属している「ishiguro」との距離は、「1」となる。ユーザXと同じ○○事業部に所属している「ishida」との距離は、「2」となる。ユーザXと同じ株式会社○に所属している「ishii」との距離は、「3」となる。
このように、両者の所属組織が、どの階層で共通しているかに基づいて、距離が決定する。なお、距離は、後記する宛先候補テーブル作成処理(図11参照)において作成される宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納される。
【0040】
(宛先入力支援装置の処理手順)
次に、宛先入力支援装置100の処理手順について説明する。以降、ユーザXをメールの送信者として、説明する。
図10は、宛先入力支援装置100の処理手順を示すフローチャートである。当該処理は、メールの送信者であるユーザXがクライアント端末装置300を操作して、メールの宛先欄に入力を行うことを契機に実行される。
【0041】
ステップS1001において、表示処理部111は、クライアント端末装置300を介して入力を受け付ける。そして、ステップS1002へ進む。
【0042】
ステップS1002において、距離作成処理部112は、ステップS1001において受け付けた値(入力値)に基づいて、後記する宛先候補テーブル作成処理(図11参照)を行う。当該処理において、後記する宛先候補テーブル112a(図13参照)が作成される。そして、ステップS1003へ進む。
【0043】
ステップS1003において、宛先候補テーブル112aは、ステップS1002において作成された宛先候補テーブル112a(図13参照)に基づいて、後記する距離変更処理(図15、図19、図22および図25参照)を行う。なお、当該処理は、省略可能である。
そして、ステップS1004に進む。
【0044】
ステップS1004において、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図13等参照)の内容を表示させる。
そして、処理を終了する。
【0045】
(宛先候補テーブル)
次に、宛先候補テーブル112aについて説明する。図13は、宛先候補テーブル112aの一例を示す図である。以降、宛先候補テーブル112aのユーザ名1211を「宛先候補」と呼ぶ。また、宛先候補テーブル112aに格納されている情報を「宛先候補」と呼ぶ場合もある。
【0046】
宛先候補テーブル112aは、メールの送信者が入力しようとしている宛先に関する情報を格納するテーブルである。宛先候補テーブル112aには、宛先1121に対応付けて、距離1122、所属1123および表示フラグ1124が格納されている。
【0047】
宛先1121は、メールの送信者が入力しようとしている宛先の名称である。
距離1122は、メールの送信者と宛先候補との関係性を表す指標である。
所属1123は、メールの送信者が入力しようとしている宛先が一員として加わっている(所属する)団体や組織等の名称である。
表示フラグ1124は、クライアント端末装置300に宛先候補として表示させるか否かを示す情報である。表示フラグ1124には、「TRUE」(表示する)または「FALSE」(表示しない)のいずれかが格納される。
【0048】
なお、宛先候補テーブル112aは、メールアドレスを含んでもよい。図13においては、宛先候補テーブル112aはメールアドレスを含まないこととしたが、宛先1121をキーとしてユーザ情報テーブル121(図2参照)のユーザ名1211を検索することにより、メールアドレス1213を取得することができる。
【0049】
(宛先候補テーブル作成処理)
次に、宛先候補テーブル作成処理について説明する。
図11は、宛先候補テーブル作成処理の処理手順を示すフローチャートである。当該処理は、図10におけるステップS1002である。
【0050】
ステップS1101において、距離作成処理部112は、メールの送信者であるユーザXの所属組織を取得する。ユーザXの所属組織は、例えば、メールソフトに予め登録しておいた値を取得してもよいし、ユーザ情報テーブル121(図2参照)から取得してもよい。
そして、ステップS1102に進む。
【0051】
ステップS1102において、距離作成処理部112は、ステップS1101において取得した所属組織を基に、後記する組織リスト作成処理(図12参照)を行う。当該処理において、ユーザXの所属組織から始まり、最上位組織までの組織の一覧を表す組織リストが作成される。
そして、ステップS1103に進む。
【0052】
ステップS1103において、距離作成処理部112は、ステップS1001において受け付けた値(入力値)を、表示処理部111から受け取る。
そして、ステップS1104に進む。
【0053】
ステップS1104において、距離作成処理部112は、ステップS1103において受け取った入力値と、送受信履歴情報テーブル124(図5参照)に格納されている全ての宛先1242とを比較したか否かを判定する。
全ての宛先1242と比較した場合(ステップS1104“Yes”)、処理を終了する。
全ての宛先1242と比較していない場合(ステップS1104“No”)、ステップS1105に進む。
【0054】
ステップS1105において、距離作成処理部112は、送受信履歴情報テーブル124(図5参照)のN番目のレコードを取得する。なお、変数Nは、ステップS1103において受け取った入力値と比較する、送受信履歴情報テーブル124のレコード番号を表す。変数Nは、「1」から始まり、インクリメントされる。
そして、ステップS1106に進む。
【0055】
ステップS1106において、距離作成処理部112は、ステップS1103において受け取った入力値と、ステップS1105において取得した送受信履歴情報テーブル124(図5参照)のレコードに格納されている宛先1242とが、前方一致するか否かを判定する。
前方一致しない場合(ステップS1106“No”)、ステップS1105に戻る。
前方一致する場合(ステップS1106“Yes”)、ステップS1107に進む。
【0056】
なお、前方一致に限らず、ステップS1103において受け取った入力値が、ステップS1105において取得した送受信履歴情報テーブル124(図5参照)のレコードに格納されている宛先1242に含まれるか否かを判定してもよい。
【0057】
ステップS1107において、距離作成処理部112は、ユーザ情報テーブル121(図2参照)のN番目のレコードを取得する。なお、変数Nは、ステップS1101において取得したユーザXの所属組織と比較する、ユーザ情報テーブル121(図2参照)のレコード番号を表す。変数Nは、「1」から始まり、インクリメントされる。
そして、ステップS1108に進む。
【0058】
ステップS1108において、距離作成処理部112は、ステップS1105において取得した送受信履歴情報テーブル124(図5参照)のレコードに格納されている宛先1242と、ステップS1107において取得したユーザ情報テーブル121(図2参照)のレコードに格納されているメールアドレス1213とが、一致するか否かを判定する。
一致しない場合(ステップS1108“No”)、ステップS1104に戻る。
一致する場合(ステップS1108“Yes”)、ステップS1109に進む。
【0059】
ステップS1109において、距離作成処理部112は、ステップS1107において取得したユーザ情報テーブル121(図2参照)のレコードに格納されている所属組織1212およびメールアドレス1213を取得する。
そして、ステップS1110に進む。
【0060】
ステップS1110において、距離作成処理部112は、ステップS1109において取得した所属組織1212を基に、後記する組織リスト作成処理(図12参照)を行う。当該処理において、ステップS1107において取得したユーザ情報テーブル121(図2参照)のレコードに格納されているユーザ名1211(宛先候補)の所属組織1212から始まり、最上位組織までの組織の一覧を表す組織リストが作成される。
そして、ステップS1111に進む。
【0061】
ステップS1111において、距離作成処理部112は、変数Nおよび変数KYORIに「0」を代入する。なお、変数Nは、ステップS1102において作成したユーザXの組織リストおよびステップS1110において作成した宛先候補の組織リストのレコード番号を表す。変数Nは、「1」から始まり、インクリメントされる。また、変数KYORIは、ユーザXと宛先候補との距離を表す。
そして、ステップS1112に進む。
【0062】
ステップS1112において、距離作成処理部112は、ユーザXの組織リストおよび宛先候補の組織リストの、N番目のレコードが存在するか否かを判定する。
番目のレコードが存在する場合(ステップS1112“Yes”)、ステップS1113に進む。
番目のレコードが存在しない場合(ステップS1112“No”)、ステップS1115に進む。
【0063】
ステップS1113において、距離作成処理部112は、ユーザXの組織リストおよび宛先候補の組織リストの、N番目のレコードに格納されている組織が一致するか否かを判定する。
一致しない場合(ステップS1113“No”)、ステップS1114に進む。
一致する場合(ステップS1113“Yes”)、ステップS1116に進む。
【0064】
ステップS1114において、距離作成処理部112は、変数Nおよび変数KYORIをインクリメントする。
そして、ステップS1112に戻る。
【0065】
ステップS1115において、距離作成処理部112は、変数KYORIに、「5」(社外)を設定する。この場合、ユーザXおよび宛先候補の組織リスト内に、一致する組織が存在しないので、ユーザXと宛先候補との距離は、最も関係性が低い「5」(社外)を設定する。換言すれば、当該宛先候補は、ユーザXが入力しようとしている宛先である可能性が低いことを意味する。
そして、ステップS1116に進む。
【0066】
ステップS1116において、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a(図13参照)を作成する。なお、宛先候補テーブル112aの各項目は、下記のように設定される。
宛先1121には、ステップS1107において取得したユーザ情報テーブル121(図2参照)のユーザ名1211が格納される。
距離1122には、変数KYORIが格納される。なお、前記のように変数KYORIは、ステップS1114およびステップS1115において設定される。
所属1123には、ステップS1107において取得したユーザ情報テーブル121(図2参照)の所属組織1212が格納される。
表示フラグ1124には、「TRUE」(表示する)が格納される。
そして、ステップS1104に戻る。
【0067】
(組織リスト作成処理)
次に、組織リスト作成処理について説明する。
図12は、組織リスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。当該処理は、図11におけるステップS1102およびステップS1110である。
【0068】
ステップS1201において、距離作成処理部112は、メインルーチンから取得した所属組織を、変数SOSHIKIに代入する。なお、ここで代入される所属組織は、図11のステップS1101またはステップS1109において取得されたものである。
そして、ステップS1202に進む。
【0069】
ステップS1202において、距離作成処理部112は、変数SOSHIKIを、リスト構造であるSOSHIKI_LISTに代入する。SOSHIKI_LISTは、ステップS1201において変数SOSHIKIに代入された所属組織から始まり、最上位組織までの組織の一覧を表す組織リストである。なお、組織リストは、組織名を含み、さらに組織IDを含んでもよい。
そして、ステップS1203に進む。
【0070】
ステップS1203において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、組織情報テーブル122のレコード番号を表す。
そして、ステップS1204に進む。
【0071】
ステップS1204において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS1205に進む。
【0072】
ステップS1205において、距離作成処理部112は、組織情報テーブル122(図3参照)のN番目のレコードを取得する。
そして、ステップS1206に進む。
【0073】
ステップS1206において、距離作成処理部112は、変数SOSHIKIとステップS1205において取得した組織情報テーブル122(図3参照)のレコードに格納されている組織名1222とが一致するか否かを判定する。
一致しない場合(ステップS1206“No”)、ステップS1204に戻る。
一致する場合(ステップS1206“Yes”)、ステップS1207に進む。
【0074】
ステップS1207において、距離作成処理部112は、ステップS1205において取得した組織情報テーブル122(図3参照)のレコードに格納されている上位組織名1224を取得する。
そして、ステップS1208に進む。
【0075】
ステップS1208において、距離作成処理部112は、ステップS1207において取得した上位組織名1224を、変数SOSHIKIに代入する。
そして、ステップS1209に進む。
【0076】
ステップS1209において、距離作成処理部112は、変数SOSHIKIを、リスト構造であるSOSHIKI_LISTに代入する。
そして、ステップS1210に進む。
【0077】
ステップS1210において、距離作成処理部112は、変数SOSHIKIに代入された組織が最上位組織であるか否かを判定する。
最上位組織でない場合(ステップS1210“No”)、ステップS1203に戻る。
最上位組織である場合(ステップS1210“Yes”)、処理を終了する。
【0078】
(宛先候補の表示1)
前記のように、宛先候補テーブル作成処理(図11参照)および組織リスト作成処理(図12参照)により、図13に示す宛先候補テーブル112aが作成される。そして、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図13参照)の内容を表示させる(図10のステップS1004参照)。
【0079】
図14は、宛先候補の表示例(1)を示す図である。
ユーザXが、宛先欄1402に「ishi」を入力すると、宛先候補欄1403に宛先候補テーブル112a(図13参照)の内容が表示される。この際、距離1122に基づいて表示することで、ユーザXは宛先候補を選択しやすくなる。例えば、距離1122の小さい順に宛先候補を上方(前方)に表示したり、距離1122が大きい宛先候補はマーカー等により強調表示して間違いである可能性が高いことを警告したりする。
【0080】
(距離変更処理)
次に、距離変更処理について説明する。距離変更処理は、図10におけるステップS1003である。距離変更処理は、図10のステップS1002において作成した宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納されている距離1122を変更する処理である。
距離変更処理は、(1)コミュニティ情報に基づく距離変更処理、(2)同報履歴情報に基づく距離変更処理、(3)フィルタリング情報に基づく距離変更処理および(4)キーワード情報に基づく距離変更処理がある。これらの処理は、単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。
【0081】
(コミュニティ情報に基づく距離変更処理)
まず、コミュニティ情報(コミュニティ情報テーブル123(図4参照))に基づく距離変更処理について説明する。
図15は、コミュニティ情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0082】
ステップS1501において、距離作成処理部112は、メールの送信者であるユーザXのユーザ名を取得する。ユーザXのユーザ名は、例えば、メールソフトに予め登録しておいた値を取得してもよいし、ユーザ情報テーブル121(図2参照)から取得してもよい。
そして、ステップS1502に進む。
【0083】
ステップS1502において、距離作成処理部112は、後記するコミュニティリスト作成処理(図16参照)を行う。当該処理において、ユーザXの所属するコミュニティの一覧を表すコミュニティリストが作成される。
そして、ステップS1503に進む。
【0084】
ステップS1503において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、図10のステップS1002において作成した宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS1504に進む。
【0085】
ステップS1504において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS1505に進む。
【0086】
ステップS1505において、距離作成処理部112は、変数Nが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Nが宛先候補テーブル112aのレコード数以下でない場合(ステップS1505“No”)、処理を終了する。
変数Nが宛先候補テーブル112aのレコード数以下である場合(ステップS1505“Yes”)、ステップS1506に進む。
【0087】
ステップS1506において、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a(図13参照)のN番目のレコードに格納されている宛先1121および距離1122を取得する。
そして、ステップS1507に進む。
【0088】
ステップS1507において、距離作成処理部112は、ステップS1506において取得した宛先1121に基づいて、後記するコミュニティリスト作成処理(図16参照)を行う。当該処理において、ステップS1506において取得した宛先1121の所属するコミュニティの一覧を表すコミュニティリストが作成される。
そして、ステップS1508に進む。
【0089】
ステップS1508において、距離作成処理部112は、変数iに「0」を代入する。なお、変数iは、ステップS1502において作成したユーザXのコミュニティリストのレコード番号を表す。
そして、ステップS1509に進む。
【0090】
ステップS1509において、距離作成処理部112は、変数iをインクリメントする。
そして、ステップS1510に進む。
【0091】
ステップS1510において、距離作成処理部112は、変数iがステップS1502において作成したユーザXのコミュニティリストのレコード数以下であるか否かを判定する。
変数iがユーザXのコミュニティリストのレコード数以下でない場合(ステップS1510“No”)、ステップS1504に戻る。
変数iがユーザXのコミュニティリストのレコード数以下である場合(ステップS1509“Yes”)、ステップS1511に進む。
【0092】
ステップS1511において、距離作成処理部112は、ステップS1502において作成したユーザXのコミュニティリストのi番目のレコードに格納されているコミュニティIDを取得し、変数COM_Aに代入する。
そして、ステップS1512に進む。
【0093】
ステップS1512において、距離作成処理部112は、変数jに「0」を代入する。なお、変数jは、ステップS1507において作成した宛先候補のコミュニティリストのレコード番号を表す。
そして、ステップS1513に進む。
【0094】
ステップS1513において、距離作成処理部112は、変数jをインクリメントする。
そして、ステップS1514に進む。
【0095】
ステップS1514において、距離作成処理部112は、変数jがステップS1507において作成した宛先候補のコミュニティリストのレコード数以下であるか否かを判定する。
変数jが宛先候補のコミュニティリストのレコード数以下でない場合(ステップS1514“No”)、ステップS1509に戻る。
変数jが宛先候補のコミュニティリストのレコード数以下である場合(ステップS1514“Yes”)、ステップS1515に進む。
【0096】
ステップS1515において、距離作成処理部112は、ステップS1507において作成した宛先候補のコミュニティリストのj番目のレコードに格納されているコミュニティIDを取得し、変数COM_Bに代入する。
そして、ステップS1516に進む。
【0097】
ステップS1516において、距離作成処理部112は、変数COM_Aと変数COM_Bとが一致するか否かを判定する。
一致しない場合(ステップS1516“No”)、ステップS1513に戻る。
一致する場合(ステップS1516“Yes”)、ステップS1517に進む。なお、この場合は、ユーザXおよび宛先候補が、同じコミュニティに所属することを意味する。そのため、ユーザXおよび宛先候補は、関係性が強いと考えられる。したがって、当該宛先候補は、ユーザXが入力しようとしている宛先である可能性が高いので、以降の処理(ステップS1517〜S1518)において、距離を縮める(減算する)。
【0098】
また、各コミュニティの分類をコミュニティ情報テーブル123に格納しておき、コミュニティID1231が一致しない場合でも、分類が一致すれば(同類であれば)距離を縮める(減算する)こととしてもよい。さらに、分類が異なる場合は距離を伸ばす(加算する)こととしてもよい。
【0099】
ステップS1517において、距離作成処理部112は、ステップS1506において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のN番目のレコードに格納されている距離1122が、「0」以上であるか否かを判定する。
距離1122が「0」以上でない場合(ステップS1517“No”)、ステップS1504に戻る。なお、前記のように、距離は、−1または0以上の数値で表される。後記するステップS1508は、宛先候補の距離を縮める(減算する)処理であるが、距離1122が「0」以上でない場合は、さらに縮める(減算する)ことができない。そのため、ステップS1504に戻り、宛先候補テーブル112a(図13参照)の次のレコードについて、処理を行う。
距離1122が「0」以上である場合(ステップS1517“Yes”)、ステップS1518に進む。
【0100】
ステップS1518において、距離作成処理部112は、ステップS1506において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のN番目のレコードに格納されている距離1122を、デクリメントする。
そして、ステップS1513に戻る。
【0101】
(コミュニティリスト作成処理)
次に、コミュニティリスト作成処理について説明する。
図16は、コミュニティリスト作成処理の処理手順を示すフローチャートである。当該処理は、図15におけるステップS1502およびステップS1507である。
【0102】
ステップS1601において、距離作成処理部112は、メインルーチンから取得したユーザ名を、変数USERに代入する。ここで代入されるユーザ名は、図15のステップS1501またはステップS1506において取得されたものである。
そして、ステップS1602に進む。
【0103】
ステップS1602において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、コミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS1603に進む。
【0104】
ステップS1603において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS1604に進む。
【0105】
ステップS1604において、距離作成処理部112は、変数Nがコミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Nがコミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコード数以下でない場合(ステップS1604“No”)、処理を終了する。
変数Nがコミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコード数以下である場合(ステップS1604“Yes”)、ステップS1605に進む。
【0106】
ステップS1605において、距離作成処理部112は、コミュニティ情報テーブル123(図4参照)のN番目のレコードを取得する。
そして、ステップS1606に進む。
【0107】
ステップS1606において、距離作成処理部112は、ステップS1605において取得したコミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコードに格納されているメンバ1233に、変数USERが含まれるか否かを判定する。
含まれない場合(ステップS1606“No”)、ステップS1603に戻る。
含まれる場合(ステップS1606“Yes”)、ステップS1607に進む。
【0108】
ステップS1607において、距離作成処理部112は、ステップS1605において取得したコミュニティ情報テーブル123(図4参照)のレコードに格納されているコミュニティID1231を取得する。
そして、ステップS1608に進む。
【0109】
ステップS1608において、距離作成処理部112は、ステップS1607において取得したコミュニティID1231を、リスト構造であるCOM_LISTに代入する。COM_LISTは、ステップS1601において変数USERに代入されたユーザが所属するコミュニティの一覧を表すコミュニティリストである。なお、コミュニティリストは、コミュニティIDを含み、さらにコミュニティ名を含んでもよい。
そして、ステップS1603に戻る。
【0110】
(宛先候補の表示2)
前記のように、コミュニティ情報に基づく距離変更処理(図15参照)およびコミュニティリスト作成処理(図16参照)により、図10のステップS1002において作成された宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納されている距離1122が変更される。
【0111】
図17は、変更後の宛先候補テーブル112aである。3番目のレコードに着目して説明すると、宛先1121が「ishida」である宛先候補は、図13に示す変更前の宛先候補テーブル112aと比べて、距離1122が「2」から「0」へと変更されている。一方、図4に示すコミュニティ情報テーブル123において、ユーザXおよび「ishida」は、コミュニティID1231が「COM1」および「COM2」の2つにおいて共通している。このため、コミュニティ情報に基づく距離変更処理(図15参照)により、距離1122が「2」減算され(縮められ)ている。
【0112】
そして、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図17参照)の内容を表示させる(図10のステップS1004参照)。
【0113】
図18は、宛先候補の表示例(2)を示す図である。
ユーザXが、宛先欄1402に「ishi」を入力すると、宛先候補欄1403に変更後の宛先候補テーブル112a(図17参照)の内容が表示される。図17において、宛先1121が「ishihara」および「ishida」である宛先候補は、距離1122が共に「0」である。しかし、「ishida」の距離1122は、コミュニティ情報が加味された距離であり、多角的な視点から作成された精度の高い距離であると言える。そこで、距離1122が変更された宛先候補(「ishida」)を上方(前方)に表示することで、ユーザXは宛先候補を選択しやすくなる。
【0114】
(同報履歴情報に基づく距離変更処理)
次に、同報履歴情報(同報履歴情報テーブル125(図6参照))に基づく距離変更処理について説明する。当該処理は、メールの宛先欄に既に宛先が入力されており、当該入力済み宛先を含む同報メールが送信されたことがある場合に、当該同報メールにおいて指定された宛先との距離を変更する処理である。
図19は、同報履歴情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0115】
ステップS1901において、距離作成処理部112は、送信者であるユーザXのユーザ名を取得する。この処理は、図15のステップS1501と同様である。
そして、ステップS1902に進む。
【0116】
ステップS1902において、距離作成処理部112は、表示処理部111がクライアント端末装置300を介して受け付けた、入力済み宛先を取得する。ここでは、入力済み宛先として「adachi」を取得したとして、説明をする。
そして、ステップS1903に進む。
【0117】
ステップS1903において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS1904に進む。
【0118】
ステップS1904において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS1905に進む。
【0119】
ステップS1905において、距離作成処理部112は、変数Nが同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Nが同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコード数以下でない場合(ステップS1905“No”)、処理を終了する。
変数Nが同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコード数以下である場合(ステップS1905“Yes”)、ステップS1906に進む。
【0120】
ステップS1906において、距離作成処理部112は、同報履歴情報テーブル125(図6参照)のN番目のレコードを取得する。
そして、ステップS1907に進む。
【0121】
ステップS1907において、距離作成処理部112は、ステップS1901において取得したユーザ名と、ステップS1906において取得した同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコードに格納されているユーザ名1251とが、一致するか否かを判定する。
一致しない場合(ステップS1907“No”)、ステップS1904に戻る。
一致する場合(ステップS1907“Yes”)、ステップS1908に進む。
【0122】
ステップS1908において、距離作成処理部112は、ステップS1902において取得した入力済み宛先が、ステップS1906において取得した同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコードに格納されている同報宛先1252に含まれるか否かを判定する。
入力済み宛先が同報宛先1252に含まれない場合(ステップS1908“No”)、ステップS1904に戻る。
入力済み宛先が同報宛先1252に含まれる場合(ステップS1908“Yes”)、ステップS1909に進む。
【0123】
ステップS1909において、距離作成処理部112は、変数Mに「0」を代入する。なお、変数Mは、宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS1910に進む。
【0124】
ステップS1910において、距離作成処理部112は、変数Mをインクリメントする。
そして、ステップS1911に進む。
【0125】
ステップS1911において、距離作成処理部112は、変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下でない場合(ステップS1911“No”)、ステップS1904に戻る。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下である場合(ステップS1911“Yes”)、ステップS1912に進む。
【0126】
ステップS1912において、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a(図13参照)のM番目のレコードを取得する。
そして、ステップS1913に進む。
【0127】
ステップS1913において、距離作成処理部112は、ステップS1912において取得した宛先候補テーブル112aのレコードに格納されている宛先1121が、ステップS1906において取得した同報履歴情報テーブル125(図6参照)のレコードに格納されている同報宛先1252に含まれるか否かを判定する。
入宛先1121が同報宛先1252に含まれない場合(ステップS1913“No”)、ステップS1910に戻る。
宛先1121が同報宛先1252に含まれる場合(ステップS1913“Yes”)、ステップS1914に進む。
【0128】
ステップS1914において、距離作成処理部112は、ステップS1912において取得した宛先候補テーブル112aのレコードに格納されている距離1122を、デクリメントする。
そして、ステップS1910に戻る。
【0129】
(宛先候補の表示3)
前記のように、同報履歴情報に基づく距離変更処理(図19参照)により、図10のステップS1002において作成された宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納されている距離1122が変更される。
【0130】
図20は、変更後の宛先候補テーブル112aである。4番目のレコードに着目して説明すると、宛先1121が「ishii」である宛先候補は、図13に示す変更前の宛先候補テーブル112aと比べて、距離1122が「3」から「0」へと変更されている。一方、図6に示す同報履歴情報テーブル125において、ユーザXは、「adachi」および「ishii」を同報宛先1252に含む同報メールを、2回送信している(3番目および4番目のレコード)。このため、同報履歴情報に基づく距離変更処理(図19参照)により、距離1122が「2」減算され(縮められ)ている。
【0131】
そして、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図20参照)の内容を表示させる(図10のステップS1004参照)。
【0132】
図21は、宛先候補の表示例(3)を示す図である。
ユーザXが、「adachi」が入力済みの宛先欄1402に「ishi」を更に入力すると、宛先候補欄1403に変更後の宛先候補テーブル112a(図20参照)の内容が表示される。図20において、宛先1121が「ishihara」および「ishii」である宛先候補は、距離1122が共に「0」である。しかし、「ishii」の距離1122は、同報履歴情報が加味された距離であり、多角的な視点から作成された精度の高い距離であると言える。そこで、距離1122が変更された宛先候補(「ishii」)を上方(前方)に表示することで、ユーザXは宛先候補を選択しやすくなる。
【0133】
(フィルタリング情報に基づく距離変更処理)
次に、フィルタリング情報(フィルタリング情報テーブル126(図7参照))に基づく距離変更処理について説明する。当該処理は、メールの主題や本文に所定の語句が入力された場合に、宛先候補を宛先候補欄に表示するか否かを判定する処理である。
図22は、フィルタリング情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0134】
ステップS2201において、距離作成処理部112は、表示処理部111がクライアント端末装置300を介して受け付けた、主題欄1401に入力された語句を取得する。ここでは、入力された語句として「部内」を取得したとして、説明をする。
そして、ステップS2202に進む。
【0135】
ステップS2202において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、フィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS2203に進む。
【0136】
ステップS2203において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS2204に進む。
【0137】
ステップS2204において、距離作成処理部112は、変数Nがフィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Nがフィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコード数以下でない場合(ステップS2204“No”)、処理を終了する。
変数Nがフィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコード数以下である場合(ステップS2204“Yes”)、ステップS2205に進む。
【0138】
ステップS2205において、距離作成処理部112は、フィルタリング情報テーブル126(図7参照)のN番目のレコードを取得する。
そして、ステップS2206に進む。
【0139】
ステップS2206において、距離作成処理部112は、ステップS2201において取得した語句に、ステップS2205において取得したフィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコードに格納されているフィルタリングキーワード1262が含まれる否かを判定する。
含まれない場合(ステップS2206“No”)、ステップS2203に戻る。
含まれる場合(ステップS2206“Yes”)、ステップS2207に進む。
【0140】
ステップS2207において、距離作成処理部112は、ステップS2205において取得したフィルタリング情報テーブル126(図7参照)のレコードに格納されている距離1263を、変数F_KYORIに代入する。
そして、ステップS2208に進む。
【0141】
ステップS2208において、距離作成処理部112は、変数Mに「0」を代入する。なお、変数Mは、宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS2209に進む。
【0142】
ステップS2209において、距離作成処理部112は、変数Mをインクリメントする。
そして、ステップS2210に進む。
【0143】
ステップS2210において、距離作成処理部112は、変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下でない場合(ステップS2210“No”)、ステップS2203に戻る。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下である場合(ステップS2210“Yes”)、ステップS2211に進む。
【0144】
ステップS2211において、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a(図13参照)のM番目のレコードを取得する。
そして、ステップS2212に進む。
【0145】
ステップS2212において、距離作成処理部112は、ステップS2211において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコードに格納されている距離1122が、変数F_KYORIを満たすか否かを判定する。
満たさない場合(ステップS2212“No”)、ステップS2209に戻る。
満たす場合(ステップS2212“Yes”)、ステップS2213に進む。
【0146】
ステップS2213において、距離作成処理部112は、ステップS2211において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコードの表示フラグ1124に「FALSE」(表示しない)を格納する。また、距離作成処理部112は、距離1122に「−1」(表示しない)を格納することとしてもよい。
そして、ステップS2209に戻る。
【0147】
(宛先候補の表示4)
前記のように、フィルタリング情報に基づく距離変更処理(図22参照)により、図10のステップS1002において作成された宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納されている距離1122が変更される。
【0148】
図23は、変更後の宛先候補テーブル112aである。3番目および4番目のレコードに着目して説明すると、宛先1121が「ishida」および「ishii」である宛先候補は、図13に示す変更前の宛先候補テーブル112aと比べて、表示フラグ1124が「TRUE」(表示する)から「FALSE」(表示しない)へと変更されている。一方、図7に示すフィルタリング情報テーブル126の1番目のレコードにおいて、語句「部内」は、距離が「1以下」の宛先候補にしかメールを送信してはならないという条件が格納されている。このため、フィルタリング情報に基づく距離変更処理(図22参照)により、表示フラグ1124が「FALSE」(表示しない)に変更されている。
【0149】
そして、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図23参照)の内容を表示させる(図10のステップS1004参照)。
【0150】
図24は、宛先候補の表示例(4)を示す図である。
ユーザXが、主題欄1401に「部内」を含む語句を入力し、宛先欄1402に「ishi」を入力すると、宛先候補欄1403に変更後の宛先候補テーブル112a(図23参照)の内容が表示される。図23において、宛先候補テーブル112aには、4件のレコードが格納されている。しかし、3番目および4番目のレコードの表示フラグ1124には、「FALSE」(表示しない)が格納されている。そのため、図24(a)に示すように、表示フラグ1124に「TRUE」(表示する)が格納されている1番目および2番目のレコードのみが表示されている。
【0151】
また、図24(b)においては、表示フラグ1124に「FALSE」(表示しない)が格納されている宛先候補は、「TRUE」(表示する)が格納されている宛先候補とは異なる態様で表示されている。ここでは、背景色を変えて表示している。
このように、メールを送信してはならないと判定された宛先候補を非表示にしたり、背景色を変えて表示したりすることで、ユーザXは正しい宛先候補を選択しやすくなり、メールの誤送信を防ぐことができる。
【0152】
(キーワード情報に基づく距離変更処理)
次に、キーワード情報(キーワード情報テーブル127(図8参照))に基づく距離変更処理について説明する。当該処理は、メールの主題や本文に所定の語句が入力された場合に、当該語句に関連する宛先候補の距離を変更する処理である。
図25は、キーワード情報に基づく距離変更処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0153】
ステップS2501において、距離作成処理部112は、表示処理部111がクライアント端末装置300を介して受け付けた、主題欄に入力された語句を取得する。ここでは、入力された語句として「X部」を取得したとして、説明をする。
そして、ステップS2502に進む。
【0154】
ステップS2502において、距離作成処理部112は、変数Nに「0」を代入する。なお、変数Nは、キーワード情報テーブル127(図8参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS2503に進む。
【0155】
ステップS2503において、距離作成処理部112は、変数Nをインクリメントする。
そして、ステップS2504に進む。
【0156】
ステップS2504において、距離作成処理部112は、変数Nがキーワード情報テーブル127(図8参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Nがキーワード情報テーブル127(図8参照)のレコード数以下でない場合(ステップS2504“No”)、処理を終了する。
変数Nがキーワード情報テーブル127(図8参照)のレコード数以下である場合(ステップS2504“Yes”)、ステップS2505に進む。
【0157】
ステップS2505において、距離作成処理部112は、キーワード情報テーブル127(図8参照)のN番目のレコードを取得する。
そして、ステップS2506に進む。
【0158】
ステップS2506において、距離作成処理部112は、ステップS2501において取得した語句に、ステップS2505において取得したキーワード情報テーブル127(図8参照)のレコードに格納されているキーワード1272が含まれる否かを判定する。
含まれない場合(ステップS2506“No”)、ステップS2503に戻る。
含まれる場合(ステップS2506“Yes”)、ステップS2507に進む。
【0159】
ステップS2507において、距離作成処理部112は、ステップS2505において取得したキーワード情報テーブル127(図8参照)のレコードに格納されている宛先・所属1273を、変数K_SOSHIKIに代入する。
そして、ステップS2508に進む。
【0160】
ステップS2508において、距離作成処理部112は、変数Mに「0」を代入する。なお、変数Mは、宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード番号を表す。
そして、ステップS2509に進む。
【0161】
ステップS2509において、距離作成処理部112は、変数Mをインクリメントする。
そして、ステップS2510に進む。
【0162】
ステップS2510において、距離作成処理部112は、変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下であるか否かを判定する。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下でない場合(ステップS2510“No”)、ステップS2503に戻る。
変数Mが宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコード数以下である場合(ステップS2510“Yes”)、ステップS2511に進む。
【0163】
ステップS2511において、距離作成処理部112は、宛先候補テーブル112a(図13参照)のM番目のレコードを取得する。
そして、ステップS2512に進む。
【0164】
ステップS2512において、距離作成処理部112は、変数K_SOSHIKIが、ステップS2511において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコードに格納されている宛先1121または所属1123に含まれるか否かを判定する。
含まれない場合(ステップS2512“No”)、ステップS2509に戻る。
含まれる場合(ステップS2512“Yes”)、ステップS2513に進む。
【0165】
ステップS2513において、宛先候補テーブル112aは、ステップS2511において取得した宛先候補テーブル112a(図13参照)のレコードに格納されている距離1122に「0」を格納する。
そして、ステップS2509に戻る。
【0166】
(宛先候補の表示5)
前記のように、キーワード情報に基づく距離変更処理(図25参照)により、図10のステップS1002において作成された宛先候補テーブル112a(図13参照)に格納されている距離1122が変更される。
【0167】
図26は、変更後の宛先候補テーブル112aである。4番目のレコードに着目して説明すると、宛先1121が「ishii」である宛先候補は、図13に示す変更前の宛先候補テーブル112aと比べて、距離1122が「3」から「0」(表示しない)へと変更されている。一方、図8に示すキーワード情報テーブル127の1番目のレコードにおいて、メールの主題や本文に語句「X部」が含まれる場合、所属が「X部」の宛先候補の距離を縮めたいという条件が格納されている。このため、キーワード情報に基づく距離変更処理(図25参照)により、距離1122が「0」に変更されている。
【0168】
そして、表示処理部111は、クライアント端末装置300に宛先候補テーブル112a(図26参照)の内容を表示させる(図10のステップS1004参照)。
【0169】
図27は、宛先候補の表示例(5)を示す図である。
ユーザXが、主題欄1401に「X部」を含む語句を入力し、宛先欄1402に「ishi」を入力すると、宛先候補欄1403に変更後の宛先候補テーブル112a(図26参照)の内容が表示される。図26において、宛先候補テーブル112aには、4件のレコードが格納されている。図26において、宛先1121が「ishihara」および「ishii」である宛先候補は、距離1122が共に「0」である。しかし、「ishii」の距離1122は、キーワード情報が加味された距離であり、多角的な視点から作成された精度の高い距離であると言える。そこで、距離1122が変更された宛先候補(「ishii」)を上方(前方)に表示することで、ユーザXは宛先候補を選択しやすくなる。
【0170】
(まとめ)
本実施形態の宛先入力支援装置100(図1参照)は、メールの送信者がメールの宛先欄に入力したメールアドレスの一部および各種データに基づいて、メールの送信者と宛先候補との距離を決定する。そして、宛先入力支援装置100は、当該決定した距離に基づいて、クライアント端末装置300に宛先候補を表示させることで、メールの送信者は宛先候補を選択しやすくなり、メールの誤送信をより確実に防ぐことができる。
【0171】
また、本実施形態においては、距離変更処理(図15、図19、図22および図25参照)において、距離をデクリメント(1減算)することとしたが、減算する値は「1」に限らない。各図に示す距離変更処理を組み合わせて行う場合、減算する値を「0.1」等にし、より細かく距離を決定してもよい。これにより、さらに精度の高い距離を決定することができる。なお、距離は減算することとしたが、加算してもよい。この場合、数値が大きいほど、メールの送信者が入力しようとしている宛先である可能性が高くなる。
【0172】
(その他)
なお、前記した実施形態は、本発明を実施するための好適なものであるが、その実施形式はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々変更することが可能である。
【符号の説明】
【0173】
1 宛先入力支援システム
100 宛先入力支援装置
110 主記憶装置(処理部)
111 表示処理部(処理部)
112a 宛先候補テーブル(宛先候補情報)
113 フィルタリング情報登録部(処理部)
114 キーワード情報登録部(処理部)
115 メール処理部(処理部)
120 補助記憶装置(記憶部)
121 ユーザ情報テーブル(ユーザ情報)
122 組織情報テーブル(組織情報)
123 コミュニティ情報テーブル(コミュニティ情報)
124 送受信履歴情報テーブル(送受信履歴情報)
125 同報履歴情報テーブル(同報履歴情報)
126 フィルタリング情報テーブル(フィルタリング情報)
127 キーワード情報テーブル(キーワード情報)
130 中央制御装置
140 入出力装置
200 ネットワーク
300 クライアント端末装置(端末装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが使用する端末装置間で送受信されるメールの宛先の入力を支援する宛先入力支援装置であって、
前記宛先入力支援装置の記憶部は、
前記ユーザが所属する組織である所属組織を含む情報を格納しているユーザ情報と、
前記組織に関する情報を格納している組織情報と、
送受信されたメールの送信者および宛先に関する情報を格納している送受信履歴情報と、を有し、
前記宛先入力支援装置の処理部は、
前記ユーザが入力した値が送受信履歴情報に格納されている宛先に含まれるか否かを判定し、
当該宛先の所属組織および前記ユーザの所属組織に基づいて、当該宛先および前記ユーザの関係性を表す指標である距離を決定する距離作成処理部と、
前記決定した距離に基づいて、前記端末装置に当該宛先を表示させる表示処理部と、を有すること
を特徴とする宛先入力支援装置。
【請求項2】
前記記憶部は、
前記ユーザが所属するコミュニティに関する情報を格納しているコミュニティ情報と、をさらに有し、
前記距離作成処理部は、
前記ユーザおよび前記宛先が所属するコミュニティが一致するか否かに基づいて、前記
決定した距離を変更すること、
を特徴とする請求項1に記載の宛先入力支援装置。
【請求項3】
前記記憶部は、
複数の宛先が指定されたメールである同報メールの送信者および宛先を格納している同報履歴情報と、をさらに有し、
前記距離作成処理部は、
前記ユーザが入力した宛先を取得し、当該取得した宛先と前記距離を決定した宛先とが、前記同報メールの宛先として指定されたか否かに基づいて、前記決定した距離を変更すること、
を特徴とする請求項1または請求項2に記載の宛先入力支援装置。
【請求項4】
前記記憶部は、
主題および/または本文に所定の語句が含まれるメールを送信する範囲を格納しているフィルタリング情報と、をさらに有し、
前記距離作成処理部は、
前記フィルタリング情報に格納されている範囲に基づいて、前記距離を決定した宛先を前記端末装置に表示させるか否かを判定すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の宛先入力支援装置。
【請求項5】
前記記憶部は、
主題および/または本文に所定の語句が含まれるメールを送信する宛先に関する情報を格納しているキーワード情報と、をさらに有し、
前記距離作成処理部は、
前記所定の語句を含むメールの宛先が、前記キーワード情報に格納されている情報に関連するか否かに基づいて、前記決定した距離を変更すること、
を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の宛先入力支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2012−243115(P2012−243115A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−113188(P2011−113188)
【出願日】平成23年5月20日(2011.5.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】