説明

宛名印刷サービスシステム

【課題】配達物の宛名の記入を容易にするとともに、くじ付きの配達物の当落の照会を容易に行うことができる宛名印刷サービスシステムを提供する。
【解決手段】B氏がA氏からの年賀状を受領すると、B氏の利用者端末によりA氏からの年賀状に印刷された2次元コードが読み取られ、A氏の宛名情報が取得される(ステップS30)。次に、B氏の利用者端末からA氏の宛名情報が受注サーバに送信される(ステップS38)。そして、受注サーバにおいて、A氏の宛名情報から宛て名書き用のレイアウトイメージデータが作成されるとともに(ステップS40)、年賀状返信用のプリントイメージデータが取得される(ステップS42)。その次に、受注サーバから印刷装置にこのプリントイメージデータと送付者A氏の宛名を年賀状に印刷するように指示される(ステップS44)。これにより、A氏にB氏からの年賀状が返信される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は宛名印刷サービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、年賀状や暑中見舞いはがき等を印刷業者に発注する際には、文面のみの印刷依頼であったため、依頼者は印刷が出来上がった後で宛て名書きをする必要があった。このような問題を解決するため、送付先(受領者)も含めた印刷を発注することができるシステムが開発されている。例えば、特許文献1には、データベースを備えた住所録提供サーバを有し、住所録提供サーバは、ユーザ端末から通信ネットワークを介して送られた相手先データをデータベースに記録すると共に、ユーザ端末からの住所録要求情報に応じてデータベースから対応する相手先データを抽出して住所録情報を作成してユーザ端末に表示させ、この表示された住所録情報に基づいて作成された発送依頼情報がユーザ端末から送られてきたとき、発送依頼情報に含まれる相手先データに対応した送付先データをデータベースから抽出して発送先情報を作成してユーザが発注を行う提携会社の企業サーバへ通信ネットワークを介して送る住所録サービスシステムについて開示されている。上記特許文献1に係る住所録サービスシステムによれば、年賀状のように同じ内容のはがきを複数の人に送付するとき、宛て名書きの手間が省けるという利点がある。
【特許文献1】特開2001−318994号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の特許文献1に開示された住所録サービスシステムにおいては、ユーザがあらかじめユーザ端末から住所録提供サーバに相手先データを入力する必要があるため手間がかかるという問題があった。また、宛名等の印刷だけであれば、ユーザは家庭用プリンタやパーソナルコンピュータを利用すれば家庭で容易にできてしまう。
【0004】
ところで、年賀状を送る際には、お年玉付き年賀はがきが利用されるのが一般的であるが、受け取る又は余った年賀はがきの枚数が多いと、当たりくじの照会に手間がかかるという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、配達物の宛名の記入を容易にするとともに、くじ付きの配達物の当落の照会を容易に行うことができる宛名印刷サービスシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために請求項1に係る宛名印刷サービスシステムは、配達物の宛名印刷の注文を受け付ける受注サーバと、送付者及び前記配達物の受領者の宛名情報を前記受注サーバに入力する宛名情報入力手段と、前記入力された送付者の宛名情報を含む2次元コードを生成し、前記入力された受領者の宛名情報及び前記2次元コードを配達物に印刷する印刷手段と、前記送付者の宛名情報を含む2次元コードが印刷された配達物を受領者が受け取った場合に、前記2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られた送付者の宛名情報を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、前記印刷手段は、前記受領者が前記送付者に返信配達物を送付する際に、前記読み取られた送付者の宛名情報を前記返信配達物に印刷することを特徴とする。
【0007】
請求項1に係る宛名印刷サービスシステムによれば、年賀状や暑中見舞い等に対する返信や贈答品に対する礼状、お祝い返し等の送付時に返信先の宛名の印刷を容易に行うことができる。
【0008】
請求項2に係る宛名印刷サービスシステムは、くじ付きの年賀はがき又は暑中見舞い用郵便はがきの宛名印刷の注文を受け付ける受注サーバと、前記はがきに付されたくじ番号を含む2次元コードを生成し、前記2次元コードを前記はがきに印刷する印刷手段と、前記くじ番号を含む2次元コードが印刷されたはがきを受領者が受け取った場合に、前記2次元コードからくじ番号を読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られたくじ番号を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、前記受注サーバは、当選くじ番号リストと前記送信されたくじ番号を照合して、前記くじの当落を判定し、前記くじの当落を前記受領者に通知することを特徴とする。
【0009】
請求項2に係る宛名印刷サービスシステムによれば、くじ付き年賀はがき等の当落の照会を容易に行うことができる。
【0010】
請求項3に係る宛名印刷サービスシステムは、配達物の宛名印刷の注文を受け付けるとともに、前記配達物の送付に関連してくじ抽選のくじ番号を前記配達物に割り当てる受注サーバと、前記割り当てられたくじ番号を含む2次元コードを生成し、前記2次元コードを配達物に印刷する印刷手段と、前記くじ番号を含む2次元コードが印刷された配達物を受領者が受け取った場合に、前記2次元コードからくじ番号を読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られたくじ番号を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、前記受注サーバは、当選くじ番号リストと前記送信されたくじ番号を照合して、前記くじの当落を判定し、前記くじの当落を前記受領者に通知することを特徴とする。
【0011】
請求項3に係る宛名印刷サービスシステムによれば、くじ付きの年賀はがき等に限らず、独自の懸賞サービスを提供することができる。
【0012】
請求項4に示すように請求項2又は3に係る宛名印刷サービスシステムにおいて、前記通知手段は、前記くじの当落を前記配達物の送付者に通知することを特徴とする。
【0013】
請求項4に係る宛名印刷サービスシステムによれば、上記した効果に加え、受領者だけでなく送付者にも配達物を送付してくじ抽選に参加するインセンティブを与えることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の宛名印刷サービスシステムによれば、年賀状や暑中見舞い等に対する返信や贈答品に対する礼状、お祝い返し等の送付時に返信先の宛名の印刷注文を容易に行うことができる。また、くじ付き年賀はがき等の配達物を受け取った際に、くじ抽選の当落の照会を容易に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、添付図面に従って本発明に係る宛名印刷サービスシステムの好ましい実施の形態について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る宛名印刷サービスシステムにより年賀状の送付及び返信を行う手順を模式的に示す図である。
【0016】
図1には、本実施形態の宛名印刷サービスシステム10において、宛名印刷を注文し年賀状の送付する送付者(A氏)、宛名印刷サービスを提供するサービスセンタ12(印刷業者)、及び年賀状の受領者(B氏)が示されている。
【0017】
次に、サービスセンタ12の構成について説明する。図2は、サービスセンタ12の構成を示すブロック図である。
【0018】
図2に示すように、サービスセンタ12は、入力装置14、受注サーバ16、印刷装置18、及び通信I/F20を備えている。
【0019】
入力装置14は、利用者(A氏、B氏)からの印刷注文を入力するための装置である。受注サーバ16は、入力装置14からの入力に応じて、利用者からの印刷注文を受け付けるための装置である。
【0020】
なお、図2においては、入力装置14はサービスセンタ12に設置されているが、例えば、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、DPE店等の提携店舗の窓口に設置されていてもよい。
【0021】
通信I/F20は、通信回線網22を介して利用者端末24と通信するための装置である。利用者端末24は、例えば、各利用者の所有するパーソナルコンピュータや通信機能付きの携帯電話である。利用者は、上記のように、サービスセンタ12に設置された入力装置14から印刷注文を行うほか、通信回線網22を介して利用者端末24から受注サーバ16に印刷注文を行うことができる。
【0022】
次に、本実施形態の宛名印刷サービスシステム10により年賀状の宛名印刷を行う方法について図3及び図4を参照して説明する。図3は、年賀状の送付時の宛名印刷方法を示すフローチャートである。
【0023】
まず、入力装置14又は利用者端末24から受注サーバ16に注文情報が入力される(ステップS10)。ここで、注文情報とは、送付者(A氏)及び送付先(受領者B氏)の宛名情報(氏名、住所、郵便番号等の情報)、印刷する文面やレイアウト等の情報である。
【0024】
次に、受注サーバ16により、ステップS10で入力された注文情報ごとに注文ID(ステップS12)及びくじID(ステップS14)が発行される。ここで、くじIDは、年賀はがきのくじ番号に関連付けられて割り当てられる。そして、この注文情報、注文ID及びくじIDが受注サーバ16のデータベースに記録される(ステップS16)。
【0025】
そして、受注サーバ16により、送付者(A氏)の宛名情報及びくじ番号が記録された2次元コード(例えば、QR(Quick Response)コード等)が生成され(ステップS18)、受注サーバ16から印刷装置18に受領者B氏の宛名情報及びステップS18で生成されたQRコードを年賀状に印刷するように指示される(ステップS20)。これにより、送付者(A氏)の宛名情報が記録されたQRコードが印刷された年賀状が受領者B氏に送付される。
【0026】
なお、図3においては、サービスセンタ12において、年賀状の印刷及び受領者B氏への送付が行われるようにしたが、例えば、宛名のみが印刷された年賀はがきが送付者A氏に送付され、宛名以外の文面については送付者A氏が記入するようにしてもよい。
【0027】
図4は、年賀状の返信時の宛名印刷方法を示すフローチャートである。まず、受領者B氏がA氏からの年賀状を受領すると、B氏の利用者端末(カメラ付き携帯電話等)24によりA氏からの年賀状に印刷されたQRコードが読み取られ、A氏の宛名情報が取得される(ステップS30)。
【0028】
次に、B氏の利用者端末24から受注サーバ16にアクセスされ(ステップS32)、ユーザIDやパスワード等で認証が行われる(ステップS34)。B氏の利用者端末24から入力されたユーザIDやパスワード等があらかじめ受注サーバ16に登録されているものと合致せず、認証されなかった場合には、B氏の利用者端末24に認証エラーのメッセージが表示される(ステップS36)。一方、認証された場合には、B氏の利用者端末24からステップS30で取得されたA氏の宛名情報が受注サーバ16に送信される(ステップS38)。
【0029】
そして、受注サーバ16において、A氏の宛名情報から宛て名書き用のレイアウトイメージデータが作成される(ステップS40)。さらに、受注サーバ16の保存領域がB氏のユーザIDで検索されて、年賀状返信用のプリントイメージデータが取得される(ステップS42)。なお、レイアウトイメージデータやプリントイメージデータは、利用者端末24で利用者(受領者B氏)が所望のものを作成又は選択できるようになっていてもよい。
【0030】
その次に、受注サーバ16から印刷装置18にステップS42で取得されたプリントイメージデータと送付者A氏の宛名を年賀状に印刷するように指示される(ステップS44)。また、ステップS44においては、年賀状の返信を行う受領者B氏の宛名情報を含むQRコードを年賀状に印刷するようにしてもよい。これにより、A氏にB氏からの年賀状が返信される。
【0031】
次に、本実施形態の宛名印刷サービスシステム10によりくじ付きの年賀状の当落の照会を行う方法について説明する。図5は宛名印刷サービスシステム10によりくじ付きの年賀状の送付及びくじの当落の照会を行う手順を模式的に示す図であり、図6はくじの当選を照会する方法を示すフローチャートである。
【0032】
まず、受領者B氏がA氏からの年賀状を受領すると、B氏の利用者端末(カメラ付き携帯電話等)24によりA氏からの年賀状に印刷されたQRコードが読み取られ、くじIDが取得される(ステップS50)。
【0033】
次に、B氏の利用者端末24から受注サーバ16にアクセスされ(ステップS52)、ユーザIDやパスワード等で認証が行われる(ステップS54)。B氏の利用者端末24から入力されたユーザIDやパスワード等があらかじめ受注サーバ16に登録されているものと合致せず、認証されなかった場合には、B氏の利用者端末24に認証エラーのメッセージが表示される(ステップS56)。一方、認証された場合には、B氏の利用者端末24からステップS50で取得されたくじIDが受注サーバ16に送信される(ステップS58)。
【0034】
その次に、送信されたくじIDが当選くじID一覧と照合され、当選しているかどうかが判断される(ステップS60)。そして、くじIDがはずれの場合には(ステップS60)、B氏の利用者端末24に「はずれ」を示すメッセージが表示される(ステップS62)。
【0035】
一方、くじIDが当選している場合には(ステップS60)、受注サーバ16の保存領域がくじIDで検索されて、当選した年賀状の送付者(A氏)の情報が取得され(ステップS64)、送付者(A氏)に当選通知(例えば、電子メールやはがき等)が送付されるとともに(ステップS66)、B氏の利用者端末24に「当選」を示すメッセージが表示される(ステップS68)。これにより、くじの当落の照会が完了する。
【0036】
なお、上記においては、宛名印刷サービスの対象を年賀状(くじ付き年賀はがき)としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、くじ付きの暑中見舞い用郵便はがきやその他の宅配便等の配達物でもよい。この場合、図4と同様にして暑中見舞いの返信や贈答品の礼状の送付、お祝い返し等も容易に行うことができる。
【0037】
また、くじ付きのはがき以外の配達物に本発明の宛名印刷サービスシステム10を適用する場合には、送付者やサービスセンタ12(印刷業者)がくじ抽選を主催してもよい。この場合、受注サーバ16により配達物ごとにくじ番号が割り当られて、くじ抽選が行われ、図6と同様にして当落の照会を行われる。
【0038】
また、通常のくじ付き年賀はがき等では、受領者B氏にのみ景品が贈られるが、送付者A氏にも所定の景品が贈られるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る宛名印刷サービスシステムにより年賀状の送付及び返信を行う手順を模式的に示す図
【図2】サービスセンタ12の構成を示すブロック図
【図3】年賀状の送付時の宛名印刷方法を示すフローチャート
【図4】年賀状の返信時の宛名印刷方法を示すフローチャート
【図5】宛名印刷サービスシステム10によりくじ付きの年賀状の送付及びくじの当落の照会を行う手順を模式的に示す図
【図6】くじの当選を照会する方法を示すフローチャート
【符号の説明】
【0040】
10…宛名印刷サービスシステム、12…サービスセンタ、14…入力装置、16…受注サーバ、18…印刷装置、20…通信I/F、22…通信回線網(インターネット)、24…利用者端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配達物の宛名印刷の注文を受け付ける受注サーバと、
送付者及び前記配達物の受領者の宛名情報を前記受注サーバに入力する宛名情報入力手段と、
前記入力された送付者の宛名情報を含む2次元コードを生成し、前記入力された受領者の宛名情報及び前記2次元コードを配達物に印刷する印刷手段と、
前記送付者の宛名情報を含む2次元コードが印刷された配達物を受領者が受け取った場合に、前記2次元コードを読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られた送付者の宛名情報を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、
前記印刷手段は、前記受領者が前記送付者に返信配達物を送付する際に、前記読み取られた送付者の宛名情報を前記返信配達物に印刷することを特徴とする宛名印刷サービスシステム。
【請求項2】
くじ付きの年賀はがき又は暑中見舞い用郵便はがきの宛名印刷の注文を受け付ける受注サーバと、
前記はがきに付されたくじ番号を含む2次元コードを生成し、前記2次元コードを前記はがきに印刷する印刷手段と、
前記くじ番号を含む2次元コードが印刷されたはがきを受領者が受け取った場合に、前記2次元コードからくじ番号を読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られたくじ番号を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、
前記受注サーバは、当選くじ番号リストと前記送信されたくじ番号を照合して、前記くじの当落を判定し、前記くじの当落を前記受領者に通知することを特徴とする宛名印刷サービスシステム。
【請求項3】
配達物の宛名印刷の注文を受け付けるとともに、前記配達物の送付に関連してくじ抽選のくじ番号を前記配達物に割り当てる受注サーバと、
前記割り当てられたくじ番号を含む2次元コードを生成し、前記2次元コードを配達物に印刷する印刷手段と、
前記くじ番号を含む2次元コードが印刷された配達物を受領者が受け取った場合に、前記2次元コードからくじ番号を読み取る2次元コード読取手段と、前記読み取られたくじ番号を前記受注サーバに送信する送信手段とを備える受領者端末とを備え、
前記受注サーバは、当選くじ番号リストと前記送信されたくじ番号を照合して、前記くじの当落を判定し、前記くじの当落を前記受領者に通知することを特徴とする宛名印刷サービスシステム。
【請求項4】
前記通知手段は、前記くじの当落を前記配達物の送付者に通知することを特徴とする請求項2又は3記載の宛名印刷サービスシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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