説明

宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置

【課題】 現金の投入又は預金の引き落しで宝くじが購入できる現金自動取引装置に関し、あまりコストが掛からず、スペースを必要としせずに顧客サービスの向上が図れる宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置の提供を目的とする。
【解決手段】 入金口5に投入された貨幣1を鑑別計数して金額を表示部2に表示すると共に、金種別に複数の収納部7へ収納し、出金要求に基づいて、顧客の出金可能残高の確認を条件に、収納部7から貨幣1を繰り出して要求額を出金口5Aへ送出する装置であって、宝くじ10を種類別に収容した少なくとも1つの宝くじ収容部12と、宝くじ10の購入を指示する指示手段21と、購入宝くじ種類及び枚数又は金額を操作入力する入力手段21A とを備え、宝くじ10の購入指示、投入金額及び投入金額で購入可能な宝くじ種類及び枚数又は金額の入力に基づき購入量の宝くじ10を宝くじ収容部12から繰り出して出金口5Aへ送出する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、銀行等で使用される現金自動取引装置に宝くじ発券機能を付加した装置に係り、特に現金の投入、或いは預金の引き落しで宝くじを購入することができる宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置に関するものである。
【0002】近来、銀行等の金融機関において、自動預金払出し兼用機(Automatic TellerMachine:以下ATMという)、現金自動払出し機(Cash Dispenser:以下CDという)及び自動預金機(Automatic Depository:以下ADという)等の現金自動取引装置が急速に普及してきた。
【0003】現金自動取引装置では入金(預金)処理や出金(払出し)処理、更には振込処理も行われている。一方、宝くじの販売は、銀行内店舗或いは街頭販売店等で、人手によって行われている。また、宝くじ発券専用機が提案されているが、宝くじ専用に装置を設置することは、装置のコスト及び設置スペースの点からあまり経済的ではない。
【0004】そこで、コストをあまり掛けずに、しかも設置スペースが不要な宝くじ自動販売の方法が望まれている。そこで、銀行等で使用されている現金自動取引装置に宝くじを発券する機能を付加する方法が考えられた。
【0005】
【従来の技術】宝くじを購入する場合は、顧客が銀行内店舗や街頭等の宝くじ販売店等で、現金で購入する方法が一般的で、人手によって販売が行われている。
【0006】また、宝くじ発売換金専用機として、次のような提案がなされている。
■特開昭59−146376号公報「宝くじ発売換金登録機」
■特開昭59−146391号公報「自動宝くじ発売換金機」
■特開昭60−263264号公報「宝くじ自動発売・引換システム」
■特開昭63−47873号公報「自動投票システム」
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記従来方法によれば、宝くじの販売は銀行内店舗や販売店で人手によって行われているので、人件費が掛かり、しかも販売時間が限られているので、販売時間の延長等、顧客サービスの向上が要求されている。
【0008】また、各種宝くじ発売換金専用機が提案されているが、宝くじ専用の装置を設置することは、装置が高価なものになるばかりでなく、設置スペースを必要とするので、あまり経済的ではない。という問題点がある。
【0009】本発明は、装置にあまりコストが掛からず、新たなスペースを必要としせず、経済的に顧客サービスの向上を図ることができる宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】図1及び図2は本発明の原理説明図で、図1は請求項1に対応し、図2は請求項3に対応している。図中、二重実線矢印は入金時、実線矢印は出金時、及び破線矢印は宝くじ購入時を示す。
【0011】図1において、1は貨幣、2は表示部、5は入金口、5Aは出金口、7は収納部、10は宝くじ、 12は発券される宝くじ10が種類別に収容された少なくとも1つの宝くじ収容部、21は宝くじ10の購入を指示する指示手段、21A は購入する宝くじ10の種類及び枚数或いは金額を操作入力する入力手段である。
【0012】入金口5に投入された貨幣1を鑑別計数して、計数した金額を表示部2に表示すると共に、金種別に複数の収納部7へ収納し、出金要求に基づいて、顧客の出金可能残高の確認を条件に、収納部7から貨幣1を繰り出して要求金額の貨幣1を出金口5Aへ送出する装置であって、指示手段21による宝くじ10の購入指示、入金口5に投入された貨幣1の金額、及び入力手段21A による投入金額で購入可能な宝くじ10の種類及び枚数或いは金額の入力に基づいて、入力された宝くじ10の種類と枚数或いは金額に相当する枚数の宝くじ10を宝くじ収容部12から繰り出して出金口5Aへ送出するように構成されている。
【0013】従って、貨幣1を投入して、購入する宝くじ10の種類と枚数等を入力することにより、宝くじ10を購入することができるので、販売に人手を必要とせず、装置の稼動時間であれば取引でき、顧客サービスの向上を図ることができる。
【0014】請求項2:表示手段2に表示された金額が、出金口5Aへ送出した宝くじ10の金額より大きいときは、差額分の貨幣1を収納部7から繰り出して出金口5Aへ送出するように構成されている。
【0015】従って、投入した貨幣1の金額と購入した宝くじ10の代金の差額を釣銭として送出することができる。図2において、1は貨幣、5Aは出金口、7は収納部、10は宝くじ、12は発券される宝くじ10が種類別に収容された少なくとも1つの宝くじ収容部、21は宝くじ10の購入を指示する指示手段、21A は購入する宝くじ10の種類及び枚数或いは金額を操作入力する入力手段である。
【0016】出金要求に基づいて、顧客の出金可能預金残高の確認を条件に、貨幣1が金種別に収容された複数の収納部7から貨幣1を繰り出して要求額の貨幣1を出金口5Aへ送出する装置であって、指示手段21による宝くじ10の購入指示、及び入力手段21A による宝くじ10の種類及び枚数或いは金額の入力に基づいて、出金可能残高を確認した後、入力された宝くじ10の種類と枚数或いは金額に相当する枚数の宝くじ10を宝くじ収容部12から繰り出して出金口5Aへ送出するように構成されている。
【0017】従って、購入する宝くじ10の種類と枚数等を入力することにより、購入代金を預金から引き落として、宝くじ10を購入することができるので、販売に人手を必要とせず、装置の稼動時間であれば取引でき、顧客サービスの向上を図ることができる。
【0018】請求項4:指示手段21は、出金取引及び宝くじ購入の複合取引を指示する手段を備え、指示手段21による複合取引の指示に基づいて、出金要求金額の貨幣1が出金口5Aへ送出された時に、入力手段21A による入力が有効になるように構成されている。
【0019】従って、出金取引と宝くじ10の購入を一連の取引として行うことができ、二重の操作をしないで容易に取引を行うことができる。
請求項5:指示手段21は、出金取引及び宝くじ購入の複合取引を指示する手段を備え、指示手段21による複合取引の指示に基づいて、出金要求金額の出金可能預金残高が確認された時に、入力手段21A による入力が有効になり、宝くじ10及び出金要求金額から宝くじ10の購入金額を差し引いた金額の貨幣1を出金口5Aに送出するように構成されている。
【0020】従って、出金と宝くじ10を連続して行うことにより、出金要求金額の一部で宝くじ10を購入することができ、二重の操作をしないで容易に取引を行うことができる。
【0021】請求項6:宝くじ収容部12は、各種類の宝くじ10が所定枚数、或いは所定金額分ずつを1単位として夫々複数単位を収容し、入力手段21A は、宝くじ10の種類及び所定枚数の単位数或いは所定金額単位の整数倍の金額を入力する構成を有し、宝くじ収容部12から繰り出された所定枚数単位或いは所定金額単位の宝くじ10を送出する送出口を備え、入力手段21A による入力に基づいて、宝くじ収容部12から繰り出した宝くじ10を送出口へ送出するように構成されている。
【0022】従って、所定枚数単位の或いは所定金額単位の宝くじ10が送出口に送出されるので、宝くじ10を所定枚数単位或いは所定金額単位で購入することができる。
請求項7:宝くじ収容部12は、宝くじ10を各種類毎に連番及びバラ番別に収容し、入力手段21A は、宝くじ10の連番及びバラ番を選択入力する構成を有し、入力手段21A の種類及び連番或いはバラ番の選択入力により、該当種類の連番或いはバラ番の宝くじ10を該当する宝くじ収容部12から繰り出すように構成されている。 従って、所望種類の宝くじ10の連番或いはバラ番を選択して購入することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】図3〜図13によりリサイクル型のATMに宝くじ発券機能を付加した装置の実施例1及び実施例2を説明する。全図を通じ同一符号は同一対象物を示す。
【0024】1)実施例1図3〜図8により実施例1を説明する。図3は実施例1の装置を示す斜視図、図4は実施例1の要部を示す内部側面図、図5は実施例1の制御ブロック図、図6は実施例1の宝くじ発券のフローチャート、図7及び図8は実施例1の宝くじ発券の画面表示のフローを示す図である。
【0025】図3に示すように、装置前面の下方に表示操作部2a、上方にカード挿入口3、通帳挿入口4、紙幣入出金口(入金口及び出金口:以下入出金口という)5a 及び硬貨入出口6が設けられている。入出金口5aは紙幣1aの入出金と宝くじ10aの送出を兼ねている。
【0026】表示操作部(表示部) 2aは、後述するCRTの表示面にタッチパネルが装着され、画面にはガイド表示画面20と操作キー(指示手段及び入力手段) 21aが表示される。ガイド表示画面20として、顧客の操作方法(ガイダンス)及び顧客への通知情報が表示される。
【0027】操作キー21aとして、入金、出金、振込み等及び宝くじの購入の取引指定釦と、暗証番号及び取引金額を入力するテンキー、宝くじ種類指定釦、宝くじの連番(下一桁が1,2,……,9,0の連続番号)及びバラ番(ランダムの番号)を選択指示する指示釦が表示される。
【0028】ガイド表示画面20と操作キー21aは同時に表示される場合と個別に表示される場合がある。顧客はガイド表示画面20に表示されるガイダンスに従って操作キー21aにタッチして選択指示及びデータ入力を行う。
【0029】図4に紙幣1a、硬貨1b及び宝くじ10aの取扱機構を示す。図において、7a〜7cは紙幣1aを収納する紙幣収納箱(収納部)、7Aは硬貨収納部 (実際は複数金種ある。) 、R1〜R6は繰出しローラ、8は鑑別部、9a,9b はプール部、R7〜R9は収納ローラ、11は搬送路、12a,12b は宝くじ収容箱である。
【0030】搬送路11には紙幣1aの表裏を反転させて揃える反転部110 、及び要所に送りローラR、ゲートGが設けられ、搬送路11は紙幣1aと宝くじ10aが共用して搬送される。
【0031】紙幣収納箱7a,7b には予め所定量の紙幣1aが金種別(例えば、千円札、万円札) に収納され、装置に着脱自在に装着されている。紙幣収納箱7cには入金の五千円札が収納される。
【0032】鑑別部8は、入出金口5aに投入されて繰出しローラR1によって繰り出された紙幣1aの正否、表裏、金種を鑑別し、正紙幣と鑑別された時は後述するデータ制御部へ信号が送られて金額が計数され、紙幣はプール部9aへプールされる。鑑別不能やダブルフィード等の紙幣1aはリジェクトされてプール部9bに搬送される。
【0033】また、紙幣収納箱7a,7b から繰出しローラR2,R3 によって繰り出された紙幣1aの金種を鑑別して出金額を計数し、ダブルフィード等を鑑別してリジェクトする。出金繰り出し中にダブルフィード等でリジェクトされた紙幣1aは、図示していないリジェクトボックスに収納される。
【0034】宝くじ収容箱(宝くじ収容部)12a,12bは、ここでは、1種類の宝くじ10aが連番とバラ番が夫々分けて収容されている。宝くじ10aは繰出しローラR5,R6 によって繰り出される。 (宝くじ10aは、一般に全国/地方自治体等で同時期に複数種類が発売されている場合があるので、これを複数の宝くじ収容箱に収容しておいて、この種類を選択して購入できるようにしても良い。)図5において、13は主制御部、14はI/O制御部、15はデータ制御部、16は画面データ制御部、17は通信制御部、18は磁気カードリーダ、19はプリンタ部、22は入出金部、23は宝くじ発券部、24はデータメモリ、25は設定値メモリ、26は表示画面データメモリ、27は顧客情報ファイル28を備えたホストコンピュータ (以下ホストという)を示す。
【0035】主制御部13は、CPU130 及び制御プログラム131 を有し、CPUは制御プログラムに従って各部を制御する。制御プログラム131 は、入金、出金等の取引及び宝くじ発券取引の取引モードのプログラムを備え、表示操作部2aからの取引指示により、該当する取引モードのプログラムが起動する。
【0036】I/O制御部14は、I/Oを制御するプログラムで、表示操作部2a、磁気カード(磁気ストライプMSを有するキャッシュカード:以下カードという)リーダ18、プリンタ部19、入出金部22及び宝くじ発券部23等を制御する。
【0037】データ制御部15は、主制御部13の指令により、操作キー21a、顧客情報ファイル28からのデータ、データメモリ24及び設定値メモリ25の制御を行う。即ち、鑑別済み入出金貨幣の計数/格納/読み出し、投入金額と入金(及び振込み)或いは宝くじ購入金額との差額の演算/格納/読み出し、及び宝くじ取引に関わるデータ(種類、枚数或いは金額)の格納/読み出しを制御する。
【0038】データメモリ24は、例えば、RAMで構成され、暗証番号、口座番号、鑑別済み紙幣の枚数及び金額、出金要求金額、顧客ファイル情報(ホスト27より受信)、宝くじ購入金額情報及び宝くじの購入枚数/種類別情報を格納する。
【0039】設定値メモリ25は、例えば、バッテリサポートされたRAMで構成され、発売期間中の取り扱い宝くじ10aの種類別の単価が、種類に対応して設定されている。
【0040】画面データ制御部16は、表示画面データメモリ26に記憶されている画面データの読み出し/表示を制御する。表示画面データメモリ26は、表示操作部2aにガイド表示画面20及び操作キー21aとして表示されるガイダンス等の表示データ(即ち、入出金取引画面データ及び宝くじ販売画面データ)を記憶する。
【0041】通信制御部17は、ホスト27との通信を行い、顧客情報ファイル28の情報(例えば、預金残高等)の読み込み及び書替えを行う。カードリーダ18は、カード挿入口3に挿入された磁気カード(以下カードという)から、銀行支店名、顧客の暗証番号、口座番号等を読み取る。
【0042】プリンタ部19は、レシート用紙に取引明細を印刷するプリンタ及び通帳に取引結果を印字するプリンタである。入出金部22は、上記した入出金口5aへ投入した紙幣1aの繰り出し、搬送、鑑別、紙幣格納箱7a〜7cへの格納、及び紙幣収納箱7a,7b からの紙幣1aの繰り出し、搬送、鑑別、入出金口5aへの送出に関わる機構を一括して含む。
【0043】宝くじ発券部23は、宝くじ収容部12a,12b から宝くじ10aを繰り出して搬送路11へ導く機構を一括して含む。表示操作部2aは、CRT200 及びタッチパネル201 で構成されている。
【0044】このような構成及び機能を有するので、次に現金自動取引、即ち、預金 (入金) 及び払出し (出金) 等の場合と、宝くじ発券の場合の作用を説明する。
1)入金及び出金顧客が表示操作部2aで入金釦を入力し、表示画面上に表示されるガイダンスに従って、通帳(或いはカード)を通帳挿入口4(或いはカード挿入口3)へ挿入すると、通帳の磁気ストライプのデータ (口座番号等) を読み取って、データメモリ24に記憶する。
【0045】次いで、入出金口5aの図示省略したシャッタが開くので、紙幣1aを入出金口5aに投入すると、紙幣1aを繰り出して鑑別部8で鑑別し計数してプール部9aにプールして金額を表示する。顧客の金額確認釦押下後に再びプール部9aから紙幣1aを繰り出して紙幣収納箱7a〜7cに収納する。紙幣1aの枚数及び入金金額データをデータメモリ24に記憶する。
【0046】鑑別部8で鑑別不良となった紙幣1aをプール部9bに集積し、一取引分の紙幣1aをすべてプール部9bにプールした時に入出金口5aへ返却する。入金金額データは一旦データメモリ24に格納され、更にホスト27へ送られて顧客ファイルが更新され、更新された残高が返送されて、通帳(カードを挿入して入金した場合はレシート)に取引結果が印字されて送出される。顧客が通帳(或いはレシート)を受け取ると、図示していないセンサが検出して、入金取引は終了となり、データメモリ24aに記憶したこの取引に関わるデータはクリアされる。
【0047】また、出金時には、顧客が表示操作部2で出金釦を入力し、表示ガイダンスに従って、カード (或いはカードと通帳を併用) をカード挿入口3へ挿入して、暗証番号を入力すると、暗証番号を確認してデータメモリ24に格納し、更にホスト27と交信して、顧客情報として預金残高を受信して預金残高をデータメモリ24に格納する。
【0048】次いで出金金額を入力すると金額が表示され、顧客の確認釦押下により、データメモリ24の預金残高と比較して出金可能か否かを判定し、出金可の時に、紙幣収納箱7a,7b から紙幣1aが繰り出されて鑑別部8で鑑別して計数されて、プール部9aにプールされた後入出金口5aへ送られる。
【0049】レシート(カードと通帳を併用して出金した場合は通帳)に取引明細が印字されてカードと共に送出される。一方、ホスト27へ出金後の預金残高を送って顧客ファイル28の更新を行う。
【0050】送出したレシート、カード及び紙幣1aを顧客が受け取ると、図示していないセンサが夫々検出して、出金取引は終了となり、データメモリ24に記憶したこの取引に関わるデータはクリアされる。
【0051】振込取引の場合には、操作キー20bで振込指示をしてから、振込先銀行名、宛先氏名、口座番号及び振込金額を操作入力すれば、カードで預金から引き落とすことも、現金を投入して振り込むこともできる。
【0052】預金、振込等の場合に、投入金額より取引金額が少ない場合には、紙幣1a及び硬貨1bにより釣銭が送出される。また、硬貨1bの入出金については、硬貨収納部7A、図示していない搬送路、鑑別部を有し、上記紙幣1aと同様の手順で入出金されるので、説明は省略する。
【0053】2)宝くじ発券次に図6〜図8のフローチャート及び画面フローを参照して説明する。図6の○番号は、以下の番号に対応している。
【0054】■まず、図7(a) の表示操作部2aの取引選択画面の操作キー21aから、「宝くじ購入」を指定すると、宝くじ発券取引のプログラムが起動して、(b) の出金有無選択画面を表示する。
【0055】■ガイダンスにより購入代金を口座から引き落すか、現金で購入するかを選択する。口座から引き落す場合は、カードを挿入し、現金で購入する場合は、(b)の「現金」をタッチする。
【0056】■カードの挿入で、(c) の暗証番号入力画面を表示する。そこで暗証番号を入力すると、暗証番号を確認してデータメモリ24に記憶し、預金残高をホスト27へ照会して、受信した預金残高を顧客情報としてデータメモリ24に記憶し、(e) の宝くじ購入情報入力画面を表示する。
【0057】■もし、■で「現金」をタッチすると、(d) の現金投入画面を表示する。そこで紙幣1aを入出金口5aに挿入すると、紙幣1aを繰り出して鑑別計数し、入金額をデータメモリ24に記憶し、(d) の宝くじ購入情報入力画面を表示する。この場合には、投入金額も表示する。
【0058】■ガイダンスに従って宝くじ10aの種類(複数の種類がある場合に入力し、ここでは、1種類であるため選択の必要がない。)及び購入枚数、連番かバラ番かを入力(例えば、連番を20枚、バラ番0枚)すると、設定値メモリ25の (該当種類) の宝くじ10aの単価と枚数から購入金額を演算して、データメモリ24の預金残高(カードで購入の場合)或いは投入金額(現金購入の場合)と演算した購入金額を比較して購入可能か否かを判定し、可能であれば、(f) の種類、枚数及び購入金額(現金購入の場合は、投入金額と購入金額の差額を演算して、投入金額と釣銭も表示)の宝くじ購入内容確認画面を表示する。もし、購入金額が不足の場合には、(f) の画面の、お釣の欄に不足の旨を表示し、顧客の訂正を促し、訂正キーのタッチで(e) の宝くじ購入情報入力画面に戻る。購入内容を確認して確認キーにタッチすると、(g) の取引中画面を表示する。
【0059】■カードで購入の場合には、購入金額をホスト27へ送って顧客情報ファイル28を更新する。
■次いで、レシートに取引結果(■で確認された取引内容)を印字して、カード取引の時は磁気カードとレシートがカード挿入口3から共に送出し、現金購入の時は、レシートだけをカード挿入口3から送出し、(h) の購入結果送出画面を表示する。
【0060】■現金購入の時に釣銭が必要であれば、紙幣収納箱7a,7b 及び硬貨収納箱7Aから紙幣1a或いは硬貨1bを繰り出して入出金口5aへ送出し、(i) の釣銭返却画面を表示する。
【0061】■宝くじ収容箱12a,12b の連番かバラ番のいずれか指定された方から宝くじ10aを繰り出して、入出金口5aへ送出し、(j) の宝くじ送出画面を表示する。入出金口5aの宝くじ10aを顧客が受け取ると、センサが宝くじ10aなしを検出して、取引は終了となり、データメモリ24に記憶したこの取引に関わるデータをクリアする。
【0062】このようにして、ATMに宝くじ発券機能を備えることにより、カードや投入現金の処理及び入出金口5a等の機構及び機能を宝くじ10aの発券処理に利用することができるので、ATMの稼動時間帯であれば、取引口座の有無にかかわらず宝くじ10aの購入ができ、顧客サービスの向上が図れ、しかも、ATMの稼動率の向上及び販売促進が図れる。また宝くじ発券専用機を設置する場合に較べて、装置のコストが安く、しかも専用のスペースが不要であるので経済的である。
【0063】2)実施例2図9〜図13により実施例2を説明する。図9は実施例2の装置を示す斜視図、図10は実施例2の要部を示す内部側面図、図11は宝くじの束を示す説明図、図12は実施例2の制御ブロック図、図13は実施例2の画面表示のフローを示す図である。
【0064】実施例2が上記実施例1と異なるのは、宝くじを所定枚数単位で纏めて繰り出すようにしたこと、紙幣の入出金口とは別に宝くじの送出口を設けたこと、及び出金取引と宝くじ購入を連続して行える(出金取引を行った序に宝くじ10aを別枠金額で口座引き落しで購入する。)ようにしたことである。
【0065】即ち、図9及び図10に示すように、送出口50の内部に搬送路11及び宝くじ10aを収容した宝くじ収容箱12A,12B が配置されている。宝くじ収容箱12A,12B には、連番とバラ番が夫々例えば、図11に示すように、10枚単位に帯状の封じ紙100 等で纏めて集積収納されている。
【0066】宝くじ収容箱12A,12B の下端には、宝くじ10aの束ね単位を1束ずつ押し出すプッシャーP1,P2 が設けられている。プッシャーP1,P2 は、ラック/ピニオン機構で構成されている。
【0067】宝くじ収容箱12A,12B から束ねた単位でプッシャーP1,P2 によって押し出された宝くじ10aは、ベルト機構による搬送路11aを搬送されて送出口50に送出される。
【0068】図12において、13aは主制御部、131aは制御プログラム、15aはデータ制御部、24aはデータメモリ、26aは表示画面データメモリである。主制御部13aは、CPU130 及び制御プログラム131aを有する。制御プログラム131aは、図5で説明した制御プログラム131 のプログラムの他に、次の機能を備えている。即ち、表示操作部2aの操作キー21aの「出金と宝くじ購入」の取引指示釦のタッチにより、出金取引のプログラムを起動させると共に、宝くじ購入指示データをデータメモリ24aに記憶し、出金取引において出金要求金額が入出金口5aに送出された時(出金金額の最後の紙幣1aが入出金口5aへ送られたタイミング) に、データメモリ24aより宝くじ購入指示データを読み出して、宝くじ購入のプログラムに切り換えて起動させる。
【0069】データ制御部15aは、図5のデータ制御部15の機能の他に、主制御部13aの指令により、操作キー21aによる「出金と宝くじ購入」の指示中の宝くじ購入指示データを制御する。
【0070】データメモリ24aは、図5で説明したデータメモリ24のデータ記憶領域の他に、宝くじ購入指示データを記憶する領域を備えている。表示画面データメモリ26aは、図5で説明した表示画面データメモリ26が格納している宝くじ10aの購入枚数の画面データを、所定枚数単位に置き換えた画面データを格納すると共に、出金と宝くじ10aの購入の連続取引に関する画面データを格納している。(例えば、取引選択画面に「出金と宝くじ購入」の操作キー表示を付加する。など)
このような構成及び機能を有するので、次に図13の画面フローを参照して作用を説明する。
【0071】■まず、図13(a) の表示操作部2aの取引選択画面の操作キー21aから、「出金と宝くじ購入」を指定すると、宝くじ購入指示データがデータメモリ24aに記憶されると共に、出金取引のプログラムが起動して、実施例1で説明した手順によって、カード挿入、暗証番号及び出金要求金額の入力等により、出金要求した金額の紙幣1aが入出金口5aへ送出される。レシートに取引明細を印字する。
【0072】■すると、データメモリ24aから宝くじ購入指示データが読み出されて、宝くじ購入のプログラムが起動し、(b) の宝くじ購入情報入力画面が表示される。
■ガイダンスに従って宝くじ10aの種類(ここでは1種類のため指定する必要がない。)、連番かバラ番かの購入枚数(所定枚数の整数倍、例えば、10枚の整数倍) を入力すると、購入金額を演算して、(c) の種類、枚数及び購入金額の宝くじ購入内容確認画面を表示する。
【0073】■購入内容を確認して確認キーにタッチすると、(d) の取引中画面を表示し、購入代金の口座引き落し(実施例1の宝くじ10aの購入時の引き落としと同様)処理を行い、出金取引明細を印字したレシートに続けて宝くじ購入の取引結果(確認された取引内容)を印字して、カードとレシートをカード挿入口3へ一緒に送出し、(e) の購入結果送出画面を表示する。
【0074】■顧客がカードとレシートを受け取ると、宝くじ収容箱12A,12B の連番かバラ番のいずれか指定された方から宝くじ10aの1束ずつ購入枚数分を押し出して、送出口50へ送出する。
【0075】■そして、まず(f) の出金紙幣送出画面を表示する。顧客が入出金口5aから出金紙幣を取り出すと、続いて(g) の宝くじ送出画面を表示する。送出口50の宝くじ10aを顧客が受け取ると、取引は終了となり、データメモリ24aに記憶したこの取引に関わるデータをクリアする。
【0076】このようにして、出金取引と宝くじ購入を連続して行うことができるので、カードの挿入や暗証番号の入力の二重の操作をする必要がなく、取引が容易にでき、顧客サービスを向上することができる。また、通常、10枚単位で購入することが多い宝くじ10aを10枚単位に纏めて送出することができるので、処理が迅速に行われて、発券効率を高めることができる。
【0077】上記実施例1では、紙幣1aを搬送する搬送路11で、宝くじ10aも搬送する場合を説明したが、宝くじ10aの搬送に専用の搬送路を設けても良く、また、入出金口5aを紙幣1aと宝くじ10aに共用した場合を説明したが、宝くじ10aを送出する専用の送出口を設けても良い。
【0078】上記実施例1及び実施例2では、ATMに本発明を適用した場合を説明したが、他の自動取引装置、即ち、CD及びADにも適用することができる。CDの場合は、実施例1で説明した現金の投入或いはカード(及び通帳)を挿入して宝くじ10aを購入する方法、或いは実施例2で説明した方法が適用できる。また、ADの場合は、実施例1で説明した現金の投入によって宝くじ10aを購入する方法が適用できる。現金を投入して宝くじ10aを購入する方法では、顧客が口座の有無に関わらず購入できることは勿論である。
【0079】また、上記実施例1及び実施例2では、現金の投入、或いは預金口座から引き落として、宝くじ10aを購入する場合を説明したが、ブリペイドカードの挿入によって購入する方法も考えられる。この場合には、ブリペイドカードから読取手段により残金額を読み取って、その金額の範囲内で指定した種類の宝くじ10aの枚数或いは金額を入力して、購入することができ、残金額があればブリペイドカードに更新記録される。
【0080】上記実施例2では、宝くじ10aを10枚単位に帯状の封じ紙100 で纏めた場合を説明したが、他の方法で纏めても良く、例えば、所定枚数単位に封筒に入れても良い。
【0081】また、上記実施例2では、出金取引で出金要求したついでに宝くじ10aを別枠金額で購入する場合で、出金取引の要求金額の紙幣1aを入出金口5aへ送出した時点で、宝くじ購入画面に切り換えた場合を説明したが、出金要求した金額の一部で宝くじ10aを購入する方法としても良い。
【0082】この場合には、図示していないが、出金取引で出金要求金額の出金可能を確認した時点で、宝くじ購入画面に切り換えて、購入した宝くじ10aの金額を出金要求金額から差し引いて、残りの金額の紙幣1aを入出金口5aへ送出することにより対応することができる。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、■現金自動取引装置に貨幣を投入するよって宝くじを購入することができるので、顧客の口座がない金融機関でも購入ができ、また、金融機関の口座があれば現金自動取引装置によって購入代金を預金から引き落として宝くじを購入することができる。更に、出金取引に引き続いて宝くじの購入をすることができるので、購入操作が簡単(カードの挿入や暗証番号の入力が一回で済む)になり便利である。
【0084】しかも、■稼動時間であれば宝くじ発券取引ができるので、一層顧客サービスの向上を図ることができる。更に、宝くじが購入し易くなるので、専売促進を図ることができる。
【0085】■宝くじ発券専用機を設置する場合に較べて、装置のコストが安くなり、設置スペースも不要で経済的である。また、現金自動取引装置の稼動率を高めることができる。
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1に対応する原理説明図
【図2】 本発明の請求項3に対応する原理説明図
【図3】 実施例1の装置を示す斜視図
【図4】 実施例1の要部を示す内部側面図
【図5】 実施例1の制御ブロック図
【図6】 実施例1の宝くじ発券のフローチャート
【図7】 実施例1の宝くじ発券の画面表示のフローを示す図(その1)
【図8】 実施例1の宝くじ発券の画面表示のフローを示す図(その2)
【図9】 実施例2の装置を示す斜視図
【図10】 実施例2の要部を示す内部側面図
【図11】 宝くじの束を示す斜視図
【図12】 実施例2の制御ブロック図
【図13】 実施例2の画面表示フローを示す図
【符号の説明】
1は貨幣、 1aは紙幣、 1bは硬貨、2は表示部、 2aは表示操作部、 5は入金口、5Aは出金口、 5aは入出金口、 7は収納部、7a〜7cは紙幣収納箱、 7Aは硬貨収容部、 10,10aは宝くじ、12は宝くじ収容部 12a,12b,12A,12B は宝くじ収容部、13,13aは主制御部、 14はI/O制御部、 15,15aはデータ制御部、16,16aは画面データ制御部、 21は指示手段、21A は入力手段、 21aは操作キー、 24,24aはデータメモリ、25は設定値メモリ、 26,26aは表示画面データメモリ、27はホスト、 28は顧客情報ファイル、 50は送出口、100 は封じ紙、 131,131aは制御プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】 入金口に投入された貨幣を鑑別計数して、計数した金額を表示部に表示すると共に、金種別に複数の収納部へ収納し、出金要求に基づいて、顧客の出金可能預金残高の確認を条件に、収納部から貨幣を繰り出して要求金額の貨幣を出金口へ送出する装置であって、発券される宝くじが種類別に収容された少なくとも1つの宝くじ収容部と、宝くじの購入を指示する指示手段と、購入する宝くじの種類及び枚数或いは金額を操作入力する入力手段とを備え、指示手段による宝くじの購入指示、前記入金口に投入された貨幣の金額、及び入力手段による該投入金額で購入可能な宝くじの種類及び枚数或いは金額の入力に基づいて、入力された宝くじの種類と枚数或いは金額に相当する枚数の宝くじを宝くじ収容部から繰り出して前記出金口へ送出することを特徴とする宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項2】 前記表示手段に表示された金額が、前記出金口へ送出した宝くじの金額より大きいときは、差額分の貨幣を前記収納部から繰り出して出金口へ送出することを特徴とする請求項1の宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項3】 出金要求に基づいて、顧客の出金可能預金残高の確認を条件に、貨幣が金種別に収容された複数の収納部から貨幣を繰り出して要求額の貨幣を出金口へ送出する装置であって、発券される宝くじが種類別に収容された少なくとも1つの宝くじ収容部と、宝くじの購入を指示する指示手段と、購入する宝くじの種類及び枚数或いは金額を操作入力する入力手段とを備え、指示手段による宝くじの購入指示、及び入力手段による宝くじの種類及び枚数或いは金額の入力に基づいて、前記出金可能残高を確認した後、入力された宝くじの種類と枚数或いは金額に相当する枚数の宝くじを宝くじ収容部から繰り出して前記出金口へ送出することを特徴とする宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項4】 前記指示手段は、出金取引及び宝くじ購入の複合取引を指示する手段を備え、指示手段による該複合取引の指示に基づいて、前記出金要求金額の貨幣が出金口へ送出された時に、前記入力手段による入力が有効になることを特徴とする請求項3の宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項5】 前記指示手段は、出金取引及び宝くじ購入の複合取引を指示する手段を備え、指示手段による該複合取引の指示に基づいて、前記出金要求金額の出金可能預金残高が確認された時に、前記入力手段による入力が有効になり、宝くじ及び出金要求金額より宝くじの購入金額を差し引いた金額の貨幣を入出金口に送出することを特徴とする請求項3の宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項6】 前記宝くじ収容部は、各種類の宝くじが所定枚数、或いは所定金額分ずつを1単位として夫々複数単位を収容し、前記入力手段は、宝くじの種類及び所定枚数の単位数或いは所定金額単位の整数倍の金額を入力する構成を有し、宝くじ収容部から繰り出された所定枚数の単位数或いは所定金額単位の整数倍の金額の宝くじを送出する送出口を備え、入力手段による入力に基づいて、宝くじ収容部から繰り出した宝くじを送出口へ送出することを特徴とする請求項1或いは請求項3の宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。
【請求項7】 前記宝くじ収容部は、宝くじを各種類毎に連番及びバラ番別に収容し、前記入力手段は、宝くじの連番及びバラ番を選択入力する構成を有し、入力手段の種類及び連番或いはバラ番の選択入力により、該当種類の連番或いはバラ番の宝くじを該当する宝くじ収容部から繰り出すことを特徴とする請求項1、請求項3或いは請求項6の宝くじ発券機能を有する現金自動取引装置。

【図1】
image rotate


【図2】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図9】
image rotate


【図10】
image rotate


【図11】
image rotate


【図5】
image rotate


【図6】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図12】
image rotate


【図13】
image rotate