説明

室内機器制御システム

【課題】光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図るとともに、室内を過ごしやすい空間にすることができる室内機器制御システムを提供する。
【解決手段】複数のヒータブロック20,20・・・と、前記ヒータブロック毎に設けられ日射量を検知する検知部21,21・・・とを有した室内10の床面に設けられる床パネルヒータ2と、前記検知部が検知した前記日射量に基づいて制御対象機器を制御する制御手段60とを備えていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内に設置されている機器を制御する室内機器制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光熱費のコストの削減、エネルギーの無駄を省く観点等から、冷暖房の暖めすぎ、冷やしすぎを防止する対策や照明機器の無駄な点灯をカットする室内機器制御システムが求められている。
例えば床暖房は、輻射熱も作用することから、室内に日差しが入り、在室者を照射している場合、照射していない場合に比べて床暖房の出力を小さくしても、在室者は十分に暖かさ、快適さを感じることができる。
また冷房においては、室内に日差しが入らず、在室者を照射していない場合、照射している場合と比べて冷房の出力を小さくしても、在室者は十分に涼しさ、快適さを感じることができる。
さらに照明機器においては、日中でも日差しが入らない部屋、場所は照明が必要となるが、日差しが十分に入る部屋は照明が必要ない。
【0003】
下記特許文献1には、電気カーペットではあるが、日差しの輻射熱と室温により電気カーペットの表面温度をコントロールすることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−295855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に記載の電気カーペットは、電気カーペットのコントローラに周囲の明るさを検知する光センサーが設けられている。
そのため、例えば、光センサーが光を検知しなくても、コントローラから離れた電気カーペットの上にすわっている在室者が日差しを浴びている場合、暖めすぎが生じる可能性がある。
【0006】
また上述のように部屋への日差しの照射状況は、季節や時間帯等によって変化し、照射状況にあわせて各種室内機器の出力を手動で調整することは難しいため、日差しの位置や強さ等の情報により制御できるシステムが求められる。
【0007】
本発明は、かかる事由に鑑みて成されたものであり、光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図るとともに、室内を過ごしやすい空間にすることができる室内機器制御システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る室内機器制御システムは、複数のヒータブロックと、前記ヒータブロック毎に設けられ日射量を検知する検知部とを有し室内の床面に設けられる床パネルヒータと、前記検知部が検知した前記日射量に基づいて制御対象機器を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
【0009】
本発明において、前記制御対象機器は、前記ヒータブロックを含み、前記ヒータブロックは、前記制御手段によって暖房出力を調整する制御がなされるようにしてもよい。
また本発明において、前記制御対象機器は、空調機器を含み、前記空調機器は、前記制御手段によってその出力を調整する制御がなされるようにしてもよい。
さらに本発明において、前記制御対象機器は、照明機器を含み、前記照明機器は、前記制御手段によって照度出力を調整する制御がなされるようにしてもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る室内機器制御システムによれば、本発明に係る室内機器制御システムは、上述のような構成としたことで、光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図るとともに、室内を過ごしやすい空間にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る室内機器制御システムを採用した室内を説明するための概念図である。
【図2】同室内機器制御システムに用いられるテーブル設定の一例を示す表である。
【図3】(a)及び(b)は、同室内機器制御システムにおける検知部で検知された日射量と制御対象機器の制御状況の関係を説明するための概念図である。
【図4】同室内機器制御システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の異なる一実施形態に係る室内機器制御システムを採用した室内を説明するための概念図である。
【図6】同室内機器制御システムに用いられるテーブル設定の一例を示す表である。
【図7】同室内機器制御システムにおける検知部で検知された日射量と制御対象機器の制御状況の関係を説明するための概念図である。
【図8】同室内機器制御システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明における実施の形態の一例について、まず図1〜図4に基づいて説明する。
本実施形態における室内機器制御システム1は、少なくとも複数のヒータブロック20と、ヒータブロック20毎に設けられ日射量を検知する検知部21とを有し室内10の床面11に設けられる床パネルヒータ2と、検知部21が検知した日射量に基づいて制御対象機器(この実施形態では床パネルヒータ2)を制御する制御手段60とを備えている。
【0013】
床パネルヒータ2は、室内10の床面11に複数並設されるヒータブロック20,20・・・を備えて構成され、ヒータブロック20とヒータブロック20との間は、電気的に接続されて一枚の床パネルヒータ2とされる。ヒータブロック20,20・・・には、ヒータブロック20毎に日射量を検知する検知部21,21・・・として日射量検知センサーが内蔵されており、この検知部21は、室内20に入ってくる日差しの日射量を検知するように設けられている。
なお、日射量の検知、サンプリングは、日射量検知センサーによる検知に限定されず、カメラを用いた画像明るさで判断してもよい。
【0014】
床パネルヒータ2は、床面11の広さに応じて複数枚設置され、図1、図2では、説明のため実線で示しているが、実際は床材の下に敷設するようにしてもよく、その場合は、検知部21によって日射量が検知できるように床材が設けられる。
壁面12には、床暖房コントローラ6が設けられており、この床暖房コントローラ6は床パネルヒータ2のオンオフ操作や温度設定、運転のモード設定等を行う操作部として機能し、これらを可能とするための制御を行うとともに、日射量に基づく制御を行う制御手段60を備えている。
【0015】
床パネルヒータ2は、特に限定するものではないが、床面11に敷設しやすい面状ヒータが望ましく、例えば、電熱線式、温水式、PTCヒータ式などの面状ヒータを用いることができる。
電熱線式、温水式のヒータの場合は、温度センサ(サーミスタ等)、サーモスタット等を用いて床面11の温度調節を行う。
またPTCヒータの場合は、PTC(Positive Temperature Coefficient 正温度係数)の特性により、自己発熱制御を行うことで床面11の温度調節を行う。
このPTCヒータは、温度が低い部分に電流が大量に流れ、温度が高い部分には電流が流れにくくなるPTC特性を利用したヒータで、これによれば、別途温度センサ等を設けることなく、簡易な回路構成で自己温度に反応して通電電流量を自動制御する。従って、PTCヒータを用いれば、PTC特性による自己発熱制御により、温度ムラを解消できるとともに過昇温に対して安全で、且つ省電力で効率よく暖めを行うことができる。
以下では、ヒータブロック20,20・・・としてPTCヒータを採用した例について説明する。
【0016】
床パネルヒータ2は、ヒータブロック20,20・・・毎に設けられたヒータオンオフ回路(不図示)と、上述の検知部21,21・・・、ヒータブロック20,20・・・、ヒータオンオフ回路を制御する床パネル制御部(不図示)を備えている。
床パネル制御部は、コントローラ6に設けられた制御手段60と制御信号の送受を行う信号回路(不図示)も備えている。
床パネル制御部では、ヒータブロック20,20・・・毎に検知部21,21・・・で検知された結果に基づいて、どの部分にどのレベルで日差しが入っているかの情報(日射量分布)をコントローラ6へ送信する。そしてコントローラ6の制御手段60では、この日射量分布に応じてテーブル設定に基づいて床暖房出力を調整する制御を行う。
【0017】
図2には、日射量情報に応じて制御するテーブル設定の一例を表で示している。
本実施形態の床パネルヒータ2は、コントローラ6での温度設定に基づいて暖房出力がなされるともに、通常運転モードと日射量フィードバックモードとにモード切り替え運転できるよう構成されている。
図2のテーブル設定に基づくと、通常運転モードのときには、暖房出力は弱・中・強と設定でき、例えば暖房出力が弱に設定されたときは、80%の出力、中に設定されたときは、90%の出力、強に設定されたときには、100%の出力を行う。
一方、日射量フィードバックモードのときには、検知部21,21・・・での検知結果を1〜5(弱〜強)の5段階評価し、例えば暖房出力を弱に設定し、検知部21での日射量が「3」とされたときには、80%の出力とすることを基準に、「1」のときは88%、「2」のときは84%、「4」のときは76%、「5」のときは72%と出力調整がされる。
その他、暖房出力を中に設定した場合、強に設定した場合は、図2に示すとおりである。
なお、図2に示すテーブル設定は、一例であって、これに限定されない。要は、日射量フィードバックモードにおいては、日射量が強いエリアは、設定温度より低めの温度での出力制御を行い、日射量が弱いエリアは、設定温度より高めの温度での出力制御を行うように設定されればよい。そのため、例えば検知部21,21・・・での検知結果をもっと簡素化して3段階としてもよいし、より決め細やかな制御を所望する場合は、8段階にしてもよい。また、例えば室内機器制御システム1が寒冷地の室内10に設置される場合は、暖房出力を強に設定した場合、基準となる「3」のときに110%の出力を行うようにしてもよい。
【0018】
次に図3を参照しながら室内機器制御システム1を説明する。
図3(a)には、ヒータブロック20毎に設けられた検知部21が検知した日射量を上述の5段階で表示した概念図を示している。また図3(b)には、図3(a)に示した状態の床パネルヒータ2を暖房出力が100%の「強」に設定し、日射量フィードバックモードに移行したときの暖房出力の状態を概念図で示している。
図3(a)に示すように例えば検知部21で日射量が5段階のうちの「1」と床パネル制御部で評価を行ったら、テーブル設定(図2参照)に基づいて制御手段60は、通常運転モード時に100%の暖房出力を日射量フィードバックモードに移行したときに110%に切り替えて暖房出力を調整する制御を行う(図3(b)参照)。またこのとき、日射量が「2」のヒータブロック20は105%、日射量が「4」のヒータブロック20は95%、日射量が「5」のヒータブロック20は90%に切り替えて暖房出力を調整する制御を行う(図3(b)参照)。
なお、暖房出力を「弱」「中」に設定したときの制御状態についての説明は省略するが、この場合も、検知部21による検知結果からテーブル設定に基づいて同様の制御を行うことは共通である。また図3(a)に示す日射量の5段階評価は例示であって、もちろんこれに限定されるものではない。
【0019】
図4は、上述の室内機器制御システム1の動作の一例をフローチャートで示している。
まずはコントローラ6を操作することにより、床パネルヒータ2がオンになったら、通常運転モードにて設定された暖房出力(上述のように例えば、弱・中・強など)で運転を行う。これと同時に検知部21,21・・・は、ヒータブロック20,20・・・の日射量のサンプリングを開始する(S100)。
床パネルヒータ2の運転モードが通常運転モードから日射量フィードバックモードに入った場合、測定した各ヒータブロック20,20・・・の日射量情報(上述のように例えば5段階評価情報)と、予めその日射量情報によって設定されたテーブル設定(図2参照)により、各ヒータブロック20,20の暖房出力を決定し調整する制御を行う(S102)。
一定間隔または、連続して各ヒータブロック20,20・・・に設けられた検知部21,21・・・は日射量のサンプリングを行い、その都度、フィードバックして暖房出力を行う。
そしてコントローラ6を操作することにより、床パネルヒータ2がオフになったら、日射量のサンプリングを終了する。
なお、ここでは、通常運転モード開始と同時に検知部21による日射量のサンプリングを開始する動作について説明したが、これに限定されない。
【0020】
上述のような構成としたことで、本実施形態の室内機器制御システム1は、ヒータブロック20,20・・・毎に設けられ日射量を検知する検知部21,21・・・での検知結果に基づいて、床パネルヒータ2の暖房出力を調整する制御を行う。そのため、日射量が多いときには、日差しが十分に室内10に入って暖かさを感じているとして、暖房出力を自動的に弱めることができる。一方、日射量が少ないときには、日差しが室内10に入らず寒さを感じやすいとして、暖房出力を自動的に強めることができる。
よって、床パネルヒータ2による暖めすぎ、冷やしすぎを防止して光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図るとともに、室内10を過ごしやすい空間にすることができる。
【0021】
続いて、上述の実施形態とは異なる一実施形態について、図5〜図8に基づいて説明する。上述の実施形態と共通する箇所の説明は省略し、図中、共通する構成については共通の符号を付している。
本実施形態における室内機器制御システム1は、上述の実施形態に、さらに空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5bを備えている点で異なる。また、ヒータブロック20,20・・・に設けられた検知部21,21・・・が検知した日射量に基づいて床パネルヒータ2だけでなく、空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5bを制御する点でも異なる。
すなわち、本実施形態における室内機器制御システム1は、少なくとも複数のヒータブロック20と、ヒータブロック20毎に設けられ日射量を検知する検知部21とを有し室内10の床面11に設けられる床パネルヒータ2と、検知部21が検知した日射量に基づいて制御対象機器(この実施形態では床パネルヒータ2、空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5b)を制御する制御手段70とを備えている。
なお、床パネルヒータ2、検知部21の構成等は、上述の実施形態と同様である。
【0022】
壁面12には、統合コントローラ7が設けられており、この統合コントローラ7に上述の制御手段70が設けられている。統合コントローラ7の制御手段70では、検知部21が検知した日射量分布に応じてテーブル設定に基づいて床暖房出力、冷暖房出力、照度出力、壁暖房出力を調整する制御を行う。
なお、図5では、統合コントローラ7が各種制御対象機器のコントローラを兼ねている例を示しているが、これに限定されず、例えば床パネルヒータ2を制御する床暖房コントローラを統合コントローラ7と別に構成してもよい。
【0023】
室内10の壁面12の上方には空調機器3が設置されており、空調機器3は、図例のように冷暖房を行う空調機器(エアコンディショナー)であってもよいし、その他、サーキュレータ、扇風機などであってもよい。
また壁面12には、壁パネルヒータ5a,5bが複数並設されており、この壁パネルヒータ5a,5bも上述の床パネルヒータと同様に複数並設されるヒータブロック50,50・・・と備えて構成されている。ヒータブロック50とヒータブロック50との間は電気的に接続され、一枚の壁パネルヒータ5a,5bを構成している。ヒータブロック50は、上述の実施形態で説明した床パネルヒータ2で用いられるヒータブロック20と同じものが採用できる。
天井には照明機器4a,4bが設置されており、照明機器4a,4bは、照度出力の調整制御ができる調光機能付きのものが取り付けられる。
これらそれぞれの制御対象機器には、オンオフ回路や冷暖房出力、照度出力を調整制御する制御部(いずれも不図示)を備えており、統合コントローラ7に設けられた制御手段70と制御信号の送受を行う信号回路(不図示)も備えている。
【0024】
図6には、日射量情報に応じて制御するテーブル設定の一例を表で示している。
本実施形態の床パネルヒータ2は、統合コントローラ7での温度設定に基づいて暖房出力がなされるとともに、通常運転モードと日射量フィードバックモードとにモード切り替え運転できるよう構成されている。
図6のテーブル設定に基づくと、通常運転モードのときには、空調機器3の冷房出力、暖房出力、床パネルヒータ2及び壁パネルヒータ5a,5bの暖房出力、照明機器4a,4bの照度出力は弱・中・強と設定でき、例えば暖房出力が弱に設定されたときは、80%の出力、中に設定されたときは、90%の出力、強に設定されたときには、100%の出力を行う。
一方、日射量フィードバックモードのときには、検知部21,21・・・での検知結果を1〜5(弱〜強)の5段階評価とし、例えば暖房出力を弱に設定し、検知部21での日射量が「3」とされたときには、80%の出力とすることを基準に、「1」のときは88%、「2」のときは84%、「4」のときは76%、「5」のときは72%の出力を行う。照度出力もこれに同じである。また冷房出力は、日射量が「3」とされたときには、80%の出力とすることを基準に、「1」のときは72%、「2」のときは76%、「4」のときは84%、「5」のときは88%の出力を行う。
このとき、空調機器3、照明機器4a,4b、壁パネルヒータ5a,5bの出力制御は、床パネルヒータ2、すなわち日射量情報との関連付けに基づいてなされ、その関連付けに応じて図6のテーブル設定は構成されている。この関連付けについては、図7(a)及び(b)を参照しながら、後に説明する。
【0025】
その他、冷房出力、暖房出力、照度出力を中に設定した場合、強に設定した場合は、図6に示すとおりである。
なお、図6に示すテーブル設定は、一例であって、これに限定されない。要は、日射量フィードバックモードにおいては、日射量が強いエリアは、設定温度より低めの温度、照度出力も落とす方向の出力制御を行い、日射量が弱いエリアは、設定温度より高めの温度、照度出力も高める方向での出力制御を行うように設定されればよい。そのため、例えば検知部21,21・・・での検知結果をもっと簡素化して3段階としてもよいし、より決め細やかな制御を所望する場合は、8段階にしてもよい。また、例えば室内機器制御システム1が寒冷地の室内10に設置される場合は、暖房出力を強に設定した場合、基準となる「3」のときに110%の出力を行うようにしてもよい。さらに、ここでは、空調機器3の温度設定も弱・中・強として説明しているが、所望する室温を設定し、これに対応させて日射量フィードバックモードのテーブル設定を行うようにしてもよい。照明機器4a,4bの照度設定もさらにきめ細かく設定できるものとしてもよい。
【0026】
次に図7を参照しながら室内機器制御システム1を説明する。
図7(a)には、ヒータブロック20毎に設けられた検知部21が検知した日射量を上述の5段階で表示した概念図を示している。上述したように空調機器3、照明機器4a,4b、壁パネルヒータ5a,5bの出力制御は、床パネルヒータ2、すなわち日射量情報との関連付けに基づいてなされている。
具体的には、図7(a)に示すように空調機器3寄りに設けられた照明機器4aと壁パネルヒータ5aとは、エリアAに設けられた6枚のヒータブロック20の検知部21で検知された日射量評価と関連付けがされている。エリアAに設けられたヒータブロック20,20・・・の検知部21,21・・・で検知された日射量の合計値をヒータブロック20の個数で割り、平均値を求める。そしてこの平均値の小数点以下を四捨五入し、これを日射量評価とし、テーブル設定(図6参照)に基づいて照度出力及び暖房出力の制御を行うように関連付けられている。また照明機器4bと壁パネルヒータ5bとは、エリアBに設けられた6枚のヒータブロック20,20・・・の検知部21,21・・・で検知された日射量評価と関連付けがされており、日射量評価の割り出し方はエリアAと同じである。
また空調機器3は、床パネルヒータ2全体のヒータブロック20,20・・・の検知部21,21・・・で検知された日射量の合計値をヒータブロック20,20・・・の合計値で割り、平均値を求める。そしてこの平均値の小数点以下を四捨五入し、これを日射量評価とし、テーブル設定(図6参照)に基づいて暖房出力及び冷却出力の制御を行うように関連付けられている。
【0027】
図7(b)には、図7(a)に示した状態の床パネルヒータ2を暖房出力が90%の「中」に設定し、日射量フィードバックモードに移行したときの暖房出力の状態を概念図で示している。
図7(a)に示すように例えば検知部21で日射量が5段階のうちの「1」と床パネル制御部で評価を行ったら、テーブル設定(図6参照)に基づいて制御手段70は、通常運転モード時に90%の暖房出力を日射量フィードバックモードに移行したときに99%に切り替えて暖房出力を調整する制御を行う(図7(b)参照)。またこのとき、日射量が「2」のヒータブロック20は94.5%、日射量が「4」のヒータブロック20は85.5%、日射量が「5」のヒータブロック20は81%に切り替えて暖房出力を調整する制御を行う(図7(b)参照)。またこのとき、空調機器3は、ヒータブロック20,20・・・全体の日射量の平均が2.5なので、日射量を「3」として90%の冷暖房出力を行う。さらにこのとき、照明機器4aと壁パネルヒータ5aは、エリアAの日射量の平均が1.2なので、日射量を「1」として99%の照度出力あるいは暖房出力を行う。そしてこのとき、照明機器4bと壁パネルヒータ5bは、エリアBの日射量の平均が3.8なので、日射量を「4」として85.5%の照度出力あるいは暖房出力を行う。
なお、暖房出力を「弱」「強」に設定したときの制御状態についての説明は省略するが、この場合も、検知部21による検知結果及び上述の関連付けからテーブル設定に基づいて同様の制御を行うことは共通である。また図7(a)に示す日射量の5段階評価は例示であって、もちろんこれに限定されるものではない。
【0028】
図8は、上述の室内機器制御システム1の動作の一例をフローチャートで示している。
まずは統合コントローラ7を操作することにより、各種制御対象機器(床パネルヒータ2、空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5b)がオンになったら、通常運転モードにて設定された冷暖房出力、照度出力(上述のように例えば、弱・中・強など)で運転を行う。これと同時に検知部21,21・・・は、ヒータブロック20,20・・・の日射量のサンプリングを開始する(S200)。
各種制御対象機器の運転モードが通常運転モードから日射量フィードバックモードに入った場合、測定した各ヒータブロック20,20・・・の日射量情報(上述のように例えば5段階評価情報)と、予めその日射量情報によって設定されたテーブル設定(図6参照)により、各制御対象機器の冷暖房出力、照度出力を決定し調整する制御を行う(S202)。
一定間隔または、連続して各ヒータブロック20,20・・・に設けられた検知部21,21・・・は日射量のサンプリングを行い、その都度、フィードバックして冷暖房出力、照度出力をフィードバックする制御を行う。
そして統合コントローラ7を操作することにより、全ての制御対象機器がオフになったら、日射量のサンプリングを終了する。
なお、ここでは、通常運転モード開始と同時に検知部21による日射量のサンプリングを開始する動作について説明したが、これに限定されない。
【0029】
上述のような構成としたことで、本実施形態の室内機器制御システム1は、ヒータブロック20,20・・・毎に設けられ日射量を検知する検知部21,21・・・での検知結果に基づいて、各種制御対象機器の冷暖房出力、照度出力を調整する制御を行う。そのため、日射量が多いときには、日差しが十分に室内10に入って暖かさを感じているとして、暖房出力を自動的に弱めることができる。またこのとき、室内10の明るさが十分あるとして、照明機器4a,4bの照度も落とす方向にすることができる。
一方、日射量が少ないときには、日差しが室内10に入らず寒さを感じやすいとして、暖房出力を自動的に強めることができる。またこのとき、室内10の明るさが十分ではないとして、照明機器4a,4bの照度を高くする方向にすることができる。
よって、床パネルヒータ2、空調機器3、壁パネルヒータ5a,5bによる暖めすぎ、冷やしすぎを防止して光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図るとともに、室内10を過ごしやすい空間にすることができる。また、照明機器4a,4bの無駄な点灯もカットすることができるので、この点でも光熱費のコスト削減や省エネルギー化等を図ることができ、室内10の明るさも一定に保つことができる。
【0030】
なお、ここでは、制御対象機器として、床パネルヒータ2、空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5bを制御する例を説明したが、これに限定されない。よって例えば、床パネルヒータ2と空調機器3としてもよいし、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5bとしてもよい。またここでは図示していないが、床パネルヒータ2だけでなく、壁パネルヒータ5a,5bのヒータブロック50毎に日射量を検知する検知部を設け、後述するようなテーブル設定に基づいて暖房出力を調整するようにしてもよい。さらに空調機器3については、温度設定だけに限らず、風向きによって出力調整を制御する設定としてもよい。
【0031】
以上、本実施形態に係る室内機器制御システム1の構成等は図例に限定されず、例えば室内10もリビングや寝室に限定されず、キッチン等あらゆる部屋に適用できる。また床パネルヒータ2、空調機器3、照明機器4a,4b及び壁パネルヒータ5a,5bの構成、形状等も図例に限定されない。さらに空調機器3は上述に挙げたものの他、室内10の壁面12や天井に設けられ冷暖房機能やサーキュレーション機能が付加された機能パネルであってもよい。
【符号の説明】
【0032】
1 室内機器制御システム
10 室内
11 床面
2 床パネルヒータ
20 ヒータブロック
3 空調機器
4a,4b 照明機器
21 検知部
60,70 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のヒータブロックと、前記ヒータブロック毎に設けられ日射量を検知する検知部とを有し室内の床面11に設けられる床パネルヒータと、前記検知部が検知した前記日射量に基づいて制御対象機器を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする室内機器制御システム。
【請求項2】
請求項1において、
前記制御対象機器は、前記ヒータブロックを含み、
前記ヒータブロックは、前記制御手段によって暖房出力を調整する制御がなされることを特徴する室内機器制御システム。
【請求項3】
前記請求項1又は請求項2において、
前記制御対象機器は、空調機器を含み、
前記空調機器は、前記制御手段によってその出力を調整する制御がなされることを特徴とする室内機器制御システム。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
前記制御対象機器は、照明機器を含み、
前記照明機器は、前記制御手段によって照度出力を調整する制御がなされることを特徴とする室内機器制御システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−172886(P2012−172886A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−34351(P2011−34351)
【出願日】平成23年2月21日(2011.2.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】