室内用の噴水装置
【課題】 本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置において、室内を装飾したり、室内に配置する品物を展示する機能を備えるようにし、置物としての付加価値の高い室内用の噴水装置を提供する。
【解決手段】 本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成する。上記の本体部1の前面を、写真、押し花、切り花、その他の品物3を展示するための展示部4に形成する。
【解決手段】 本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成する。上記の本体部1の前面を、写真、押し花、切り花、その他の品物3を展示するための展示部4に形成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は室内用の噴水装置に関し、更に詳しくは置物としての商品価値が高くなるよう形成した室内用の噴水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置としては、例えば水噴出用のポンプと、水槽内を照らすLEDと、音を検出するセンサとを備え、このセンサで検出した音が一定レベル以上のとき、ポンプとLEDを制御して水の勢いやLEDの点滅を制御部で制御することを特徴とするものがある(例えば特許文献1参照)。
また従来この種の噴水装置としては、例えば容器内の底にポンプを設け、このポンプで水を循環し、水の動きや流下するときの音で視覚や聴覚を刺激し、またアロマテラピーなどの精神安定作用のある香料の芳香作用で嗅覚を刺激し、癒し効果等を得られるように形成しているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
而して特許文献1、2に係る従来品は、何れも噴水機能に関する改良内容であり、この種の装置に、噴水機能以外の用途や作用効果を施しているものではない。
そのため、例えば部屋が狭かったり、装飾品の置き場所を広くとることができない部屋の場合、従来はこの種の装置が写真立てなどの置き場所の確保を一層難しくさせることもあり、その結果ユーザーの購買意欲を喚起させにくい、という問題があった。
【特許文献1】特開2005−288982号公報
【特許文献2】特開2004−17038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置において、室内を装飾したり、室内に配置する品物を展示する機能を備え、置物としての付加価値が高くなるよう形成した室内用の噴水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部1の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物3を展示するための展示部4に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
ここで、写真、押し花、切り花、その他の品物3とは、部屋に飾ったり、室内に展示するための、シート状、或いは立体的な有形物を意味する。展示部4は、具体的には本体部1の前面に、写真等を収納するための収納部材12を付設したり、或いは本体部1の前面自体を収納箇所に成型することにより実現される。本発明の場合、本体部1は、水の流下現象を見ることができるよう、通常、アクリル樹脂等の樹脂材で透光質に形成されるが、これに限定されるものではない。また本体部1の外形状は、任意である。
【0007】
而して本発明は、本体部1の前面が、展示部4に代え、或いは展示部4と共に、鏡面を前方に向けたミラーで形成されているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、本発明品を置き鏡(鏡台)として利用でき、鏡を置くための専用のスペースを別途確保する必要がないからである。
【0008】
また本発明は、本体部1内に、上部から流下する水を二手に分岐して通す透光性の略菱形状の導水部材6が収納され、この導水部材6の二股状の上部通水路61に開口部61aが形成され、この上部通水路61に連通する逆二股状の下部通水路62内に、流下する水を衝突させるための突き出し片62aが設けられ、上記の本体部1内と外部とが連通自在に形成されているのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、水の流れに変化を与えて視覚を刺激でき、流れ落ちるときの音で聴覚を刺激でき、マイナスイオンの発生率を高め、また水に香料を混入したときは芳香の発散を促進でき、この種の諸効果を室内に確実に行き渡らせることができるからである。
【0009】
ここで、略菱形状とは、導水部材6は、その四辺の長さが等しい場合には限られない、ということを意味する。またここで、本体部1内と外部とが連通自在に形成されている、とは、本体部1内で発生する音や香り、マイナスイオンが外部(室内)に伝わり易くなるよう、本体部1の一部が開口可能に形成されている、ということを意味する。具体的には、例えば手動操作で本体部1の特定部位を開口したり、或いは本体部1の特定部位(例えば天頂部など)が予め開口状に形成されることで達成される。またここで、開口部61aは、流下する水が導水部材6の外に流れ出ない構造であれば良く、従って開口部61aの孔形状、個数、向き(形成角度)は任意である。また突き出し片62aは、水に混合する香料の成分と空気との混合度合を高めて香りの発散やマイナスイオンの発生を促進したり、流下する水を変化させて視覚効果を高めたり、またせせらぎのような擬音を生じさせるためのものであり、その個数、出っ張り寸法、形成角度は、適宜選定されるので良い。
【0010】
更に本発明は、本体部1内に、展示部4の品物3を後方から照明する光源22が設けられているのが好ましい(請求項4)。
なぜならこれによると、光源22の光が、展示されている品物3を映し出し、見る者の美感を刺激し、視覚効果を、一層、高めることができるからである。ここで、光源22としては、例えば発光ダイオード等の点光源や、蛍光管等の棒状光源、或いは面状の光源等がある。なおこの場合、本発明は、例えば赤色、青色、緑色、黄色等の異なる光を照射できるよう、発光色の異なる光源22を複数備えて構成されているのが良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、このように本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物の展示部に形成されているものである。
従って本発明は、噴水機能に止まらず、室内を装飾したり、また品物の展示機能を備えているから、これによれば置物としての付加価値を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の噴水装置は、本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成されている。ポンプ2は、装置が安定するよう本体部1の下部に設けられている。水は、ポンプ2によって本体部1内の下部から上部に汲み上げられ、本体部1内で循環する。この実施形態の場合、水には、香料が混入されている。香料としては、例えば柑橘系やハーブ系などの周知の芳香剤が使用される。
【0013】
而してこの実施形態の場合、本体部1は、図1等に示されるように、樹脂材でモニター状に形成され、上下動自在の上側部1aと、品物3の展示部4を前面に有する下側部1bとで形成されている。上側部1aは、左右方向の中央の後側に揚水管5が設けられている。この揚水管5は、中空容器状の上側部1a内に上端が開口し、下端は下側部1bの貯留水中に配置されている。
【0014】
また本体部1の下側部1b内には、流下する水を二手に分岐して流すための導水部材6が、この実施形態では縦方向に2個連通状に接続されると共に、本体部1を正面から見て左右方向に3列状に配設されている。この導水部材6は、例えば透光性の樹脂材で、図2、図3に示されるように、略菱形状に形成されている。また上段の導水部材6は、上端の水流入口6aが本体部1の上側部1aの底面に、上側部1a内と連通するよう接続されている。
【0015】
また導水部材6は、図示されるように、二股状の上部通水路61に、開口部61aが、この実施形態では縦孔状に形成されている。また導水部材6は、上部通水路61と連通する逆二股状(上方に二股状に開いている状態)の下部通水路62内に、流下する水を衝突させるための突き出し片62aが設けられている。開口部61aと突き出し片62aとは、導水部材6を、略菱形状を呈する正面から見て、夫々左右に2個づつ備え、左右対称状に形成されている。
【0016】
而して導水部材6と上記の揚水管5の下端は、蛇腹状や解放状に形成され、本体部1の上側部1aが持ち上げられると、揚水管5と導水部材6とを一緒に所定の高さだけ持ち上げることができるよう、本体部1の上側部1aに接続されている。そしてこの実施形態の本発明では、上側部1aが持ち上げられると、下側部1bとの間に隙間ができ、外部と連通するよう構成されている。
【0017】
7(図4〜図7参照)は、本体部1の上側部1aが、下側部1bから抜き取られるのを防止するためのストッパーである。このストッパー7は、下側部1bの背面板8に固定されている。また9は、上側部1aの左右の端部に、夫々垂下状に設けられている側板である。この側板9の内面には、係止片10が内方に向けられて突き出され、この係止片10が上側部1aを持ち上げたとき、ストッパー7に衝止することで、上側部1aの抜脱が防止されるよう形成されている。
【0018】
また11(図6、図7参照)は、持ち上げた本体部1の上側部1aを任意の位置に保持し、その落下を防止する落下防止手段である。この落下防止手段11は、側板9の後側に、縦方向に所定の長さ形成されている側面視で鋸歯状の一方の係合部11aと、この一方の係合部11aと対応する背面板8の所定位置に、縦方向に所定の長さ形成されている側面視で鋸歯状の他方の係合部11bとで形成されている。一方の係合部11aは、図7に示されるように、側方から見て鋸歯の下辺が水平に形成され、他方の係合部11bは側方から見て鋸歯の上辺が水平に形成されている。これにより、一方の係合部11aの鋸歯が、他方の係合部11bの鋸歯に係止されるものである。
【0019】
而して本発明は、上記の通り、本体部1の下側部1bの前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物3の展示部4に形成されている。この展示部4は、この実施形態では下側部1bの平面状の前面に、写真等を収納するための収納部材12(図1、図8等参照)が止め具13で取り付けられることにより実現されている。収納部材12は、例えば図11に示されるように、下辺部の内側に、切り花などを横並び状に挿すための柔軟質材14を備えている。この柔軟質材14には、切り花などを挿し易くするための孔14aが、長手方向に沿って一定の間隔をあけて複数形成されている。
【0020】
また図12に示される収納部材12は、前面が透明プレート15で覆われて複層ガラス状に形成され、内部に写真やシート状の品物3が収納可能に構成されている。本発明品は、このような収納部材12を、単独、或いは複数重ね合わせて本体部1としての下側部1bの前面に、止め具13で、例えば四隅が止め付けられることにより実現される。この場合、収納部材12は、この実施形態では図8、図9等に示されるように、下側部1bの傾斜状の前面に密着するよう、上側が後方に傾けられて取り付けられている。
【0021】
また止め具13は、この実施形態では収納部材12の着脱がワンタッチで可能になるよう形成されている。具体的には、図14に示されるように、収納部材12が押し込まれると、収納部材12の四隅に前後方向にあけられている貫通孔16によって矢尻状の先端17aが平伏状に変形し、収納部材12が完全に押し込まれ、先端17aが貫通孔16から抜け出て収納部材12の前側に露出すると復元する板バネ17を備えて形成されている。なお止め具13の構成は、これに限定されるものではない。即ち止め具13は、その他、例えば図15に示されるように、軸18に、鋼球等のボール19をコイルバネ20で出没可能に保持させ、ボール19が係合する半球状の凹部21を、収納部材12の貫通孔16の内面に形成することで実現されるのでも良い。また止め具13は、単に通常の螺子が使用されるのでも良い。
【0022】
また22(図3参照)は、展示部4の品物3を後方から照明する光源である。この光源22は、この実施形態では発光色の異なる複数の発光ダイオードで構成され、品物3と共に、導水部材6内を流れる水を照明できるよう、本体部1内の下部に設けられている。
【0023】
次にこの実施形態に係る本発明品の作用を説明する。
先ず使用者は、収納部材12に、写真や切り花などの品物3を収納する。次にこの状態で、本体部1の上側部1aを持ち上げる。本体部1の上側部1aを持ち上げると、上側部1aと一緒に導水部材6と揚水管5が持ち上げられ、下側部1bとの間が開いて本体部1内が外部と連通する。この場合、本体部1の上側部1aは、係止片10がストッパー7に係止するため、抜け止めされ、また落下防止手段11により任意の高さに保持される。
【0024】
そしてこの状態で使用者が、ポンプ2のスイッチを入れる。すると、水が揚水管5を介して汲み上げられ、この水は揚水管5の上端から上側部1a内に入る。そして水は、上側部1a内から上段の各導水部材6内に流入して二手に分かれ、導水部材6の上部通水路61で外側に広がり、下部通水路62で内側にすぼまるように向きを変え、次いで下段の導水部材6内に流入して同様に流れ、蛇行しながら流下する。
【0025】
本発明品は、このような水の流れを、透光性の本体部1を介して外から見ることができ、流下する水は、突き出し片62aで流れが変化し、その際にせせらぎ音のような擬音が発生し、聴覚を心地良く刺激したり、飛沫化してマイナスイオンを大量に発生させる。また本発明によると、香料の成分と空気との接触、混合が良くなり、香りが発散し易くなる。そしてせせらぎ音やマイナスイオン及び香りなどは、本体部1の上側部1aと下側部1bとの間から外に流れ出て室内に発散する。従って本発明によれば、居住者は、居乍らにして森林浴効果や癒し効果を享受できる。なお上例の本発明の場合は、導水部材6内を水が流れるため、水の蒸発量を低減でき、水の補充回数を抑えることができる。
【0026】
またこの実施形態に係る本発明品は、光源22の赤色や緑色等の光線が、水の流れと共に、収納部材12に収納した品物3を映し出す。そのためこれによると、収納部材12等が、赤色や緑色等にライトアップされて美しく綺麗になり、また幻想的、神秘的な雰囲気を醸し出し、見る者に感動や感激を与えることができる。
【0027】
以上の処において、上例では本体部1が上側部1aと下側部1bとで形成され、上側部1aが持ち上げ可能に構成されているが、本体部1の構成はこれに限定されるものではない。また本発明は、本体部1の前面が、展示部4に代えられて、鏡面を前方に向けたミラーで形成されたり、或いは展示部4と共に、ミラーが設けられているのでも良い。この場合、ミラーの形状や、前面においての配設位置は任意である。
また本発明の場合、導水部材6は、上例のように、縦方向に複数連通状に接続され、開口部61aと突き出し片62aが、略菱形状を呈する正面から見て左右対称状に形成されているのが好ましい。なぜならこれによると、せせらぎ音やマイナスイオン等を、連続して長く、且つ導水部材6の左右でバランス良く発生させることができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同上装置の一部を切欠した要部斜視図である。
【図3】同上装置の正面図である。
【図4】Aは一部を切欠した要部正面図、Bは上側部を持ち上げた状態の一部を切欠した要部正面図である。
【図5】Aは図4AのVA−VA線断面図、Bは図4BのVB-VB線断面図である。
【図6】A、Bとも本体部の一部を切欠した要部正面図である。
【図7】Aは図6AのVIIA−VIIA線断面図、Bは図6BのVIIB-VIIB線断面図である。
【図8】同上装置の右側面図である。
【図9】収納部材の取り付け例を示し、Aは取り付け前の要部右側面図、Bは取り付け後の要部右側面図である。
【図10】同上装置の平面図である。
【図11】Aは収納部材の一部を切欠した要部正面図、BはAのB−B線断面図である。
【図12】Aは他の収納部材の一部を切欠した要部正面図、BはAのB−B線断面図である。
【図13】Aは止め具を説明するための要部正面図、Bは要部平面図である。
【図14】Aは図13AのXIVA−XIVA線断面図、Bは収納部材の押し込み時の要部縦断面図、Cは押し込み後の要部縦断面図である。
【図15】他の止め具の例を示し、Aは要部縦断面図、Bは収納部材の押し込み時の要部縦断面図、Cは押し込み後の要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 本体部
2 ポンプ
3 品物
4 展示部
5 揚水管
6 導水部材
61 上部通水路
61a 開口部
62 下部通水路
62a 突き出し片
【技術分野】
【0001】
本発明は室内用の噴水装置に関し、更に詳しくは置物としての商品価値が高くなるよう形成した室内用の噴水装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の装置としては、例えば水噴出用のポンプと、水槽内を照らすLEDと、音を検出するセンサとを備え、このセンサで検出した音が一定レベル以上のとき、ポンプとLEDを制御して水の勢いやLEDの点滅を制御部で制御することを特徴とするものがある(例えば特許文献1参照)。
また従来この種の噴水装置としては、例えば容器内の底にポンプを設け、このポンプで水を循環し、水の動きや流下するときの音で視覚や聴覚を刺激し、またアロマテラピーなどの精神安定作用のある香料の芳香作用で嗅覚を刺激し、癒し効果等を得られるように形成しているものがある(例えば特許文献2参照)。
【0003】
而して特許文献1、2に係る従来品は、何れも噴水機能に関する改良内容であり、この種の装置に、噴水機能以外の用途や作用効果を施しているものではない。
そのため、例えば部屋が狭かったり、装飾品の置き場所を広くとることができない部屋の場合、従来はこの種の装置が写真立てなどの置き場所の確保を一層難しくさせることもあり、その結果ユーザーの購買意欲を喚起させにくい、という問題があった。
【特許文献1】特開2005−288982号公報
【特許文献2】特開2004−17038号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、このような従来の実情に鑑み、提案されたものである。
従って本発明の解決しようとする技術的課題は、本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置において、室内を装飾したり、室内に配置する品物を展示する機能を備え、置物としての付加価値が高くなるよう形成した室内用の噴水装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するため、次のような技術的手段を採る。
即ち本発明は、図1等に示されるように、本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部1の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物3を展示するための展示部4に形成されていることを特徴とする(請求項1)。
【0006】
ここで、写真、押し花、切り花、その他の品物3とは、部屋に飾ったり、室内に展示するための、シート状、或いは立体的な有形物を意味する。展示部4は、具体的には本体部1の前面に、写真等を収納するための収納部材12を付設したり、或いは本体部1の前面自体を収納箇所に成型することにより実現される。本発明の場合、本体部1は、水の流下現象を見ることができるよう、通常、アクリル樹脂等の樹脂材で透光質に形成されるが、これに限定されるものではない。また本体部1の外形状は、任意である。
【0007】
而して本発明は、本体部1の前面が、展示部4に代え、或いは展示部4と共に、鏡面を前方に向けたミラーで形成されているのが好ましい(請求項2)。
なぜならこれによると、本発明品を置き鏡(鏡台)として利用でき、鏡を置くための専用のスペースを別途確保する必要がないからである。
【0008】
また本発明は、本体部1内に、上部から流下する水を二手に分岐して通す透光性の略菱形状の導水部材6が収納され、この導水部材6の二股状の上部通水路61に開口部61aが形成され、この上部通水路61に連通する逆二股状の下部通水路62内に、流下する水を衝突させるための突き出し片62aが設けられ、上記の本体部1内と外部とが連通自在に形成されているのが好ましい(請求項3)。
なぜならこれによると、水の流れに変化を与えて視覚を刺激でき、流れ落ちるときの音で聴覚を刺激でき、マイナスイオンの発生率を高め、また水に香料を混入したときは芳香の発散を促進でき、この種の諸効果を室内に確実に行き渡らせることができるからである。
【0009】
ここで、略菱形状とは、導水部材6は、その四辺の長さが等しい場合には限られない、ということを意味する。またここで、本体部1内と外部とが連通自在に形成されている、とは、本体部1内で発生する音や香り、マイナスイオンが外部(室内)に伝わり易くなるよう、本体部1の一部が開口可能に形成されている、ということを意味する。具体的には、例えば手動操作で本体部1の特定部位を開口したり、或いは本体部1の特定部位(例えば天頂部など)が予め開口状に形成されることで達成される。またここで、開口部61aは、流下する水が導水部材6の外に流れ出ない構造であれば良く、従って開口部61aの孔形状、個数、向き(形成角度)は任意である。また突き出し片62aは、水に混合する香料の成分と空気との混合度合を高めて香りの発散やマイナスイオンの発生を促進したり、流下する水を変化させて視覚効果を高めたり、またせせらぎのような擬音を生じさせるためのものであり、その個数、出っ張り寸法、形成角度は、適宜選定されるので良い。
【0010】
更に本発明は、本体部1内に、展示部4の品物3を後方から照明する光源22が設けられているのが好ましい(請求項4)。
なぜならこれによると、光源22の光が、展示されている品物3を映し出し、見る者の美感を刺激し、視覚効果を、一層、高めることができるからである。ここで、光源22としては、例えば発光ダイオード等の点光源や、蛍光管等の棒状光源、或いは面状の光源等がある。なおこの場合、本発明は、例えば赤色、青色、緑色、黄色等の異なる光を照射できるよう、発光色の異なる光源22を複数備えて構成されているのが良い。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、このように本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物の展示部に形成されているものである。
従って本発明は、噴水機能に止まらず、室内を装飾したり、また品物の展示機能を備えているから、これによれば置物としての付加価値を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本発明の噴水装置は、本体部1内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプ2を備えて形成されている。ポンプ2は、装置が安定するよう本体部1の下部に設けられている。水は、ポンプ2によって本体部1内の下部から上部に汲み上げられ、本体部1内で循環する。この実施形態の場合、水には、香料が混入されている。香料としては、例えば柑橘系やハーブ系などの周知の芳香剤が使用される。
【0013】
而してこの実施形態の場合、本体部1は、図1等に示されるように、樹脂材でモニター状に形成され、上下動自在の上側部1aと、品物3の展示部4を前面に有する下側部1bとで形成されている。上側部1aは、左右方向の中央の後側に揚水管5が設けられている。この揚水管5は、中空容器状の上側部1a内に上端が開口し、下端は下側部1bの貯留水中に配置されている。
【0014】
また本体部1の下側部1b内には、流下する水を二手に分岐して流すための導水部材6が、この実施形態では縦方向に2個連通状に接続されると共に、本体部1を正面から見て左右方向に3列状に配設されている。この導水部材6は、例えば透光性の樹脂材で、図2、図3に示されるように、略菱形状に形成されている。また上段の導水部材6は、上端の水流入口6aが本体部1の上側部1aの底面に、上側部1a内と連通するよう接続されている。
【0015】
また導水部材6は、図示されるように、二股状の上部通水路61に、開口部61aが、この実施形態では縦孔状に形成されている。また導水部材6は、上部通水路61と連通する逆二股状(上方に二股状に開いている状態)の下部通水路62内に、流下する水を衝突させるための突き出し片62aが設けられている。開口部61aと突き出し片62aとは、導水部材6を、略菱形状を呈する正面から見て、夫々左右に2個づつ備え、左右対称状に形成されている。
【0016】
而して導水部材6と上記の揚水管5の下端は、蛇腹状や解放状に形成され、本体部1の上側部1aが持ち上げられると、揚水管5と導水部材6とを一緒に所定の高さだけ持ち上げることができるよう、本体部1の上側部1aに接続されている。そしてこの実施形態の本発明では、上側部1aが持ち上げられると、下側部1bとの間に隙間ができ、外部と連通するよう構成されている。
【0017】
7(図4〜図7参照)は、本体部1の上側部1aが、下側部1bから抜き取られるのを防止するためのストッパーである。このストッパー7は、下側部1bの背面板8に固定されている。また9は、上側部1aの左右の端部に、夫々垂下状に設けられている側板である。この側板9の内面には、係止片10が内方に向けられて突き出され、この係止片10が上側部1aを持ち上げたとき、ストッパー7に衝止することで、上側部1aの抜脱が防止されるよう形成されている。
【0018】
また11(図6、図7参照)は、持ち上げた本体部1の上側部1aを任意の位置に保持し、その落下を防止する落下防止手段である。この落下防止手段11は、側板9の後側に、縦方向に所定の長さ形成されている側面視で鋸歯状の一方の係合部11aと、この一方の係合部11aと対応する背面板8の所定位置に、縦方向に所定の長さ形成されている側面視で鋸歯状の他方の係合部11bとで形成されている。一方の係合部11aは、図7に示されるように、側方から見て鋸歯の下辺が水平に形成され、他方の係合部11bは側方から見て鋸歯の上辺が水平に形成されている。これにより、一方の係合部11aの鋸歯が、他方の係合部11bの鋸歯に係止されるものである。
【0019】
而して本発明は、上記の通り、本体部1の下側部1bの前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物3の展示部4に形成されている。この展示部4は、この実施形態では下側部1bの平面状の前面に、写真等を収納するための収納部材12(図1、図8等参照)が止め具13で取り付けられることにより実現されている。収納部材12は、例えば図11に示されるように、下辺部の内側に、切り花などを横並び状に挿すための柔軟質材14を備えている。この柔軟質材14には、切り花などを挿し易くするための孔14aが、長手方向に沿って一定の間隔をあけて複数形成されている。
【0020】
また図12に示される収納部材12は、前面が透明プレート15で覆われて複層ガラス状に形成され、内部に写真やシート状の品物3が収納可能に構成されている。本発明品は、このような収納部材12を、単独、或いは複数重ね合わせて本体部1としての下側部1bの前面に、止め具13で、例えば四隅が止め付けられることにより実現される。この場合、収納部材12は、この実施形態では図8、図9等に示されるように、下側部1bの傾斜状の前面に密着するよう、上側が後方に傾けられて取り付けられている。
【0021】
また止め具13は、この実施形態では収納部材12の着脱がワンタッチで可能になるよう形成されている。具体的には、図14に示されるように、収納部材12が押し込まれると、収納部材12の四隅に前後方向にあけられている貫通孔16によって矢尻状の先端17aが平伏状に変形し、収納部材12が完全に押し込まれ、先端17aが貫通孔16から抜け出て収納部材12の前側に露出すると復元する板バネ17を備えて形成されている。なお止め具13の構成は、これに限定されるものではない。即ち止め具13は、その他、例えば図15に示されるように、軸18に、鋼球等のボール19をコイルバネ20で出没可能に保持させ、ボール19が係合する半球状の凹部21を、収納部材12の貫通孔16の内面に形成することで実現されるのでも良い。また止め具13は、単に通常の螺子が使用されるのでも良い。
【0022】
また22(図3参照)は、展示部4の品物3を後方から照明する光源である。この光源22は、この実施形態では発光色の異なる複数の発光ダイオードで構成され、品物3と共に、導水部材6内を流れる水を照明できるよう、本体部1内の下部に設けられている。
【0023】
次にこの実施形態に係る本発明品の作用を説明する。
先ず使用者は、収納部材12に、写真や切り花などの品物3を収納する。次にこの状態で、本体部1の上側部1aを持ち上げる。本体部1の上側部1aを持ち上げると、上側部1aと一緒に導水部材6と揚水管5が持ち上げられ、下側部1bとの間が開いて本体部1内が外部と連通する。この場合、本体部1の上側部1aは、係止片10がストッパー7に係止するため、抜け止めされ、また落下防止手段11により任意の高さに保持される。
【0024】
そしてこの状態で使用者が、ポンプ2のスイッチを入れる。すると、水が揚水管5を介して汲み上げられ、この水は揚水管5の上端から上側部1a内に入る。そして水は、上側部1a内から上段の各導水部材6内に流入して二手に分かれ、導水部材6の上部通水路61で外側に広がり、下部通水路62で内側にすぼまるように向きを変え、次いで下段の導水部材6内に流入して同様に流れ、蛇行しながら流下する。
【0025】
本発明品は、このような水の流れを、透光性の本体部1を介して外から見ることができ、流下する水は、突き出し片62aで流れが変化し、その際にせせらぎ音のような擬音が発生し、聴覚を心地良く刺激したり、飛沫化してマイナスイオンを大量に発生させる。また本発明によると、香料の成分と空気との接触、混合が良くなり、香りが発散し易くなる。そしてせせらぎ音やマイナスイオン及び香りなどは、本体部1の上側部1aと下側部1bとの間から外に流れ出て室内に発散する。従って本発明によれば、居住者は、居乍らにして森林浴効果や癒し効果を享受できる。なお上例の本発明の場合は、導水部材6内を水が流れるため、水の蒸発量を低減でき、水の補充回数を抑えることができる。
【0026】
またこの実施形態に係る本発明品は、光源22の赤色や緑色等の光線が、水の流れと共に、収納部材12に収納した品物3を映し出す。そのためこれによると、収納部材12等が、赤色や緑色等にライトアップされて美しく綺麗になり、また幻想的、神秘的な雰囲気を醸し出し、見る者に感動や感激を与えることができる。
【0027】
以上の処において、上例では本体部1が上側部1aと下側部1bとで形成され、上側部1aが持ち上げ可能に構成されているが、本体部1の構成はこれに限定されるものではない。また本発明は、本体部1の前面が、展示部4に代えられて、鏡面を前方に向けたミラーで形成されたり、或いは展示部4と共に、ミラーが設けられているのでも良い。この場合、ミラーの形状や、前面においての配設位置は任意である。
また本発明の場合、導水部材6は、上例のように、縦方向に複数連通状に接続され、開口部61aと突き出し片62aが、略菱形状を呈する正面から見て左右対称状に形成されているのが好ましい。なぜならこれによると、せせらぎ音やマイナスイオン等を、連続して長く、且つ導水部材6の左右でバランス良く発生させることができるからである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図2】同上装置の一部を切欠した要部斜視図である。
【図3】同上装置の正面図である。
【図4】Aは一部を切欠した要部正面図、Bは上側部を持ち上げた状態の一部を切欠した要部正面図である。
【図5】Aは図4AのVA−VA線断面図、Bは図4BのVB-VB線断面図である。
【図6】A、Bとも本体部の一部を切欠した要部正面図である。
【図7】Aは図6AのVIIA−VIIA線断面図、Bは図6BのVIIB-VIIB線断面図である。
【図8】同上装置の右側面図である。
【図9】収納部材の取り付け例を示し、Aは取り付け前の要部右側面図、Bは取り付け後の要部右側面図である。
【図10】同上装置の平面図である。
【図11】Aは収納部材の一部を切欠した要部正面図、BはAのB−B線断面図である。
【図12】Aは他の収納部材の一部を切欠した要部正面図、BはAのB−B線断面図である。
【図13】Aは止め具を説明するための要部正面図、Bは要部平面図である。
【図14】Aは図13AのXIVA−XIVA線断面図、Bは収納部材の押し込み時の要部縦断面図、Cは押し込み後の要部縦断面図である。
【図15】他の止め具の例を示し、Aは要部縦断面図、Bは収納部材の押し込み時の要部縦断面図、Cは押し込み後の要部縦断面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 本体部
2 ポンプ
3 品物
4 展示部
5 揚水管
6 導水部材
61 上部通水路
61a 開口部
62 下部通水路
62a 突き出し片
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物を展示するための展示部に形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項2】
請求項1記載の室内用の噴水装置であって、本体部の前面が、展示部に代え、或いは展示部と共に、鏡面を前方に向けたミラーで形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の室内用の噴水装置であって、本体部内に、上部から流下する水を二手に分岐して通す透光性の略菱形状の導水部材が収納され、この導水部材の二股状の上部通水路に開口部が形成され、この上部通水路に連通する逆二股状の下部通水路内に、流下する水を衝突させるための突き出し片が設けられ、上記の本体部内と外部とが連通自在に形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の室内用の噴水装置であって、本体部内に、展示部の品物を後方から照明する光源が設けられていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項1】
本体部内の上部に揚水し、上部から流下する水を循環させるポンプを備えて形成されている室内用の噴水装置であって、上記の本体部の前面が、写真、押し花、切り花、その他の品物を展示するための展示部に形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項2】
請求項1記載の室内用の噴水装置であって、本体部の前面が、展示部に代え、或いは展示部と共に、鏡面を前方に向けたミラーで形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の室内用の噴水装置であって、本体部内に、上部から流下する水を二手に分岐して通す透光性の略菱形状の導水部材が収納され、この導水部材の二股状の上部通水路に開口部が形成され、この上部通水路に連通する逆二股状の下部通水路内に、流下する水を衝突させるための突き出し片が設けられ、上記の本体部内と外部とが連通自在に形成されていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の室内用の噴水装置であって、本体部内に、展示部の品物を後方から照明する光源が設けられていることを特徴とする室内用の噴水装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
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【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−162143(P2008−162143A)
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−354828(P2006−354828)
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507027782)トップコンサルティング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【出願人】(507027782)トップコンサルティング株式会社 (2)
【Fターム(参考)】
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