室外機における閉鎖弁用の支持部材及びこれを備えた室外機
【課題】室外機の底フレーム上に支持部材の取付スペースを確保する必要が無く、異種の室外機間での汎用性を高めることが可能な閉鎖弁用の支持部材を提供する。
【解決手段】空気調和装置1の室内機3に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁18,19を支持するための、室外機2における閉鎖弁用の支持部材であって、上下方向に延伸して配置された室外機2の構造部材27に対して片持ち状に取り付けられる。支持部材45は、閉鎖弁18,19が固定される固定部60と、構造部材27に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部61,62とを有し、この2個の脚部61,62が、固定部60の基端部から水平方向に分岐して設けられている。
【解決手段】空気調和装置1の室内機3に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁18,19を支持するための、室外機2における閉鎖弁用の支持部材であって、上下方向に延伸して配置された室外機2の構造部材27に対して片持ち状に取り付けられる。支持部材45は、閉鎖弁18,19が固定される固定部60と、構造部材27に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部61,62とを有し、この2個の脚部61,62が、固定部60の基端部から水平方向に分岐して設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外機における閉鎖弁用の支持部材及びこれを備えた室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物や一般の住宅において利用される空気調和装置として、室内機と室外機とを備えたセパレートタイプのものが広く普及している。この空気調和装置には、室外機と室内機とにわたって冷媒回路が設けられており、室外機における冷媒回路の末端には、室内機からの冷媒配管を接続するための閉鎖弁が設けられている。この閉鎖弁は、空気調和装置を設置する際に、室内機からの冷媒配管を接続したあとに閉から開へ切り替えることによって、室外機と室内機との間の冷媒の流通を可能にする。
【0003】
下記特許文献1には、室外機における閉鎖弁の取付構造が開示されている。この閉鎖弁の取付構造は、室外機の底フレームから上方に延びる基部と、この基部に連続し閉鎖弁を固定する固定部とを備えた支持部材を備えている。具体的には、支持部材は、2つの基部が間隔をあけて並べて設けられると共に、固定部が2つの基部の上端を結ぶように水平に設けられ、全体として門型に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の支持部材は、室外機の底フレーム上に取り付けられるため、底フレームには支持部材を取り付けるためのスペースを確保する必要がある。しかしながら、底フレーム上には圧縮機等の各種機器が搭載されるため、支持部材の存在によって当該機器のレイアウトの自由度が低下するという欠点がある。
【0006】
また、底フレーム上の機器に対してメンテナンス等を行う場合、底フレームに立設された支持部材の基部が邪魔になる可能性がある。
さらに、特許文献1記載の支持部材は、底フレームから一定の高さでしか閉鎖弁を支持することができないので、閉鎖弁の取り付け高さが異なる異種の室外機の間で共用することができないという欠点もある。
【0007】
本発明は、底フレーム上に支持部材の取付スペースを確保する必要が無く、また、汎用性を高めることが可能な閉鎖弁用の支持部材及びこれを備えた室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)空気調和装置の室内機に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁を支持するための、室外機における閉鎖弁用の支持部材であって、
上下方向に延伸して配置された前記室外機の構造部材に対して片持ち状に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、閉鎖弁用の支持部材が、上下方向に配置された室外機の構造部材に対して片持ち状に取り付けられているので、室外機の底フレーム上に支持部材を取り付けるためのスペースを確保する必要がない。したがって、底フレーム上に搭載される機器のレイアウトの自由度を高めることができる。また、支持部材を底フレームの上方に間隔をあけて配置することができるので、底フレーム上の機器に対してメンテナンス等を行う場合に、支持部材が邪魔になることが少なくなる。また、支持部材は、上下方向に配置された構造部材に対して片持ち状に取り付けられるので、構造部材に対する支持部材の取付位置を上下方向に変えることによって、閉鎖弁の高さを容易に変更することができる。そのため、閉鎖弁の取り付け高さが異なる異種の室外機の間で支持部材を共用することが可能となる。
【0010】
(2)上記支持部材は、前記閉鎖弁が固定される固定部と、前記構造部材に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部とを有しており、この2個の脚部が、前記固定部の基端部から水平方向に分岐して設けられていることが好ましい。
このような構成によって、固定部に対して水平方向に付与される荷重を少なくとも2個の脚部によって好適に受けることができ、支持部材によって安定して閉鎖弁を支持することができる。
【0011】
(3)前記脚部は、上下方向に並べて3個以上設けられていることが好ましい。
このような構成によって、固定部に対して水平方向に付与される荷重を上下方向に3個以上の脚部によってバランスよく支持することができる。
【0012】
(4)上記(3)の支持部材において、水平方向の一方側に分岐する脚部と、同他方側に分岐する脚部とは、上下方向に交互に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、固定部に対して水平方向に付与される荷重をよりバランスよく支持することができる。
【0013】
(5)上記(3)又は(4)の支持部材において、上端の脚部と下端の脚部とは、同一方向に分岐していることが好ましい。
このような構成によって、上端の脚部と下端の脚部とが分岐する方向についての支持強度をより高めることができる。
【0014】
(6)上記(4)又は(5)の支持部材において、上下方向に離間しかつ同一方向に分岐する少なくとも2個の脚部の先端部同士を繋ぐ連接部をさらに備えていることが好ましい。
このような構成によって、上下方向に離間して配置された脚部同士を相互に補強することができる。
【0015】
(7)前記固定部と前記脚部とが一枚の板材から形成されており、
前記脚部は、前記固定部の基端部から水平方向に折り返された折り返し片により構成されていることが好ましい。
このような構成によって、支持部材を少ない部品点数で簡単に製作することができる。
【0016】
(8)本発明に係る室外機は、上下方向に延伸して配置された構造部材と、この構造部材に取り付けられた上記(1)〜(7)のいずれかに記載の支持部材と、この支持部材によって支持された閉鎖弁と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
(9)上記室外機において、前記構造部材は支柱であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、底フレーム上に支持部材の取付スペースを確保する必要が無く、閉鎖弁の取付高さが異なる異種の室外機の間で支持部材を共用可能となり、支持部材の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態における室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
【図2】室外機の外観を示す斜視図である。
【図3】室外機の内部の平面図である。
【図4】室外機の側面パネル及びベルマウスを取り外した状態を示す概略的な斜視図である。
【図5】側面パネルを取り外した状態の室外機の下部側を示す概略的な正面図である。
【図6】閉鎖弁用の支持部材を示す斜視図である。
【図7】支持部材の脚部を示す平面図である。
【図8】支持部材の固定部を示す正面図である。
【図9】閉鎖弁を示す側面図である。
【図10】支持部材の脚部を加工する手順を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【図12】支持部材の脚部を加工する手順を説明する説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す平面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
空気調和装置1は、例えばビル用のマルチタイプの空気調和装置であり、1つ又は複数の室外機2に対して複数の室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、冷媒回路10が形成されている。
【0021】
室外機2には、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁14、及び送風機23等が設けられている。また、室内機3には、室内膨張弁15および室内熱交換器16等が設けられている。四路切換弁12と室内熱交換器16とはガス側冷媒連絡配管17aにより接続され、室外膨張弁14と室内膨張弁15とは液側冷媒連絡配管17bにより接続されている。室外機2の内部冷媒回路の端末部には、ガス側閉鎖弁18と液側閉鎖弁19とが設けられている。ガス側閉鎖弁18は四路切換弁12側に配置されており、液側閉鎖弁19は室外膨張弁14側に配置されている。ガス側閉鎖弁18にはガス側冷媒連絡配管17aが接続され、液側閉鎖弁19には液側冷媒連絡配管17bが接続される。
【0022】
上記構成の空気調和装置1において、冷房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁12を介して室外熱交換器13に流入し、送風機23の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の室外膨張弁14を通過し、液側冷媒連絡配管17bを通って各室内機3に流入する。室内機3において、冷媒は、室内膨張弁15で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器16で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、図示しない室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。また、室内熱交換器16で蒸発して気化した冷媒は、ガス側冷媒連絡配管17aを通って室外機2に戻り、圧縮機11に吸い込まれる。
【0023】
他方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁12を介して各室内機3の室内熱交換器16に流入し、室内空気と熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器16において液化した冷媒は、全開状態の室内膨張弁15から液側冷媒連絡配管17bを通って室外機2に戻る。室外機2に戻った冷媒は、室外膨張弁14で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器13で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器13で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁12を介して圧縮機11に吸い込まれる。
【0024】
図2は、室外機2の外観を示す斜視図、図3は、室外機2の内部の平面図、図4は、室外機2の側面パネル29及びベルマウス30を取り外した状態を示す斜視図である。本実施の形態の室外機2は、室外機本体(ケーシング)5と、この室外機本体5に内蔵された室外熱交換器13、圧縮機11、四路切換弁12等の冷媒回路10(図1参照)を構成する機器と、室外機本体5の上部に設けられた送風機23等を備えている。そして、室外機2は、送風機23を作動させることによって室外機本体5の側面から空気を吸い込み、室外熱交換器13によって冷媒との間で熱交換を行った後、室外機本体5の上方へ空気を吹き出すように構成されている。
【0025】
室外機本体5は、略直方体形状に形成されており、底フレーム26、支柱27、横梁28、側面パネル29等を有している。底フレーム26は、図3に示されるように平面視で四角形状に形成されている。また、本実施の形態の底フレーム26の対向する2辺には、地面に接地する脚部26a(図2参照)が設けられている。支柱27は、断面形状が略L字状で上下方向に延伸して配置された長尺部材からなり、底フレーム26の4隅に取り付けられている。また、図4に示されるように、前部側の2本の支柱27の上端部と、後部側の2本の支柱27の上端部は、それぞれ横梁28により連結されている。この支柱27の上端部及び横梁28には、送風機23を取り囲むベルマウス30(図2参照)が取り付けられている。ベルマウス30は、平面視で底フレーム26と略同一の四角形状に形成されている。また、前後の横梁28には一対の支持部材37からなる支持台31が架設されており、送風機23のモータ23aにおける脚部23bが支持台31に取り付けられている。
【0026】
室外熱交換器13は、クロスフィンコイル式であり、アルミニウム製の多数のフィンを伝熱管が水平に貫通し、伝熱管を流れる冷媒と室外熱交換器13を流通する空気との間で熱交換を行うように構成されている。室外熱交換器13は、図3に示されるように、室外機本体5の1つの角部5Aを除いた4つの側面に対向し、かつ4つの側面に沿うように略四角形状に屈曲されている。具体的に、室外熱交換器13は、室外機本体5の前側の側面(前面)に沿う前熱交換部32と、左側の側面に沿う左熱交換部33と、後側の側面(後面)に沿う後熱交換部34と、右側の側面に沿う右熱交換部35とを有している。そして、前熱交換部32と左熱交換部33との間、左熱交換部33と後熱交換部34との間、及び後熱交換部34と右熱交換部35との間が略90度に屈曲されている。なお、室外熱交換器13の各熱交換部32〜35は、室外機本体5の側面に対して必ずしも平行に対向していなくてもよく、傾斜した状態で対向していてもよい。
【0027】
前熱交換部32の右側端部(室外熱交換器13における一の側端部)32aと、右熱交換部35の前側端部(同他の側端部)35aとの間には、開口部36が設けられている。本実施の形態では、開口部36が、右前側に配置された支柱27によって2つに分けられており、以下の説明においては、室外機2の前面に配置された開口部36を前開口部36Aといい、右側面に配置された開口部36を右開口部36Bという。
【0028】
また、室外機本体5は、室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間、及びこの支柱27と室外熱交換器13の他の側端部35aとの間に、それぞれ側面パネル29を着脱可能に備えており、この側面パネル29によって前開口部36A及び右開口部36Bがそれぞれ閉鎖されている。なお、図示はしていないが、室外機本体5の側面における室外熱交換器13が配置された部分には、空気の流通が可能な格子状の枠やパネルが取り付けられていてもよい。
【0029】
室外熱交換器13が配置されていない室外機本体5の1つの角部5Aには、圧縮機11や四路切換弁12、閉鎖弁18,19、電装品ユニット38等の機器を配置するための機器配置領域Rが設定されている。機器配置領域Rは、室外熱交換器13における前熱交換部32の右側端部32aから後方に延びる仮想区画線α1と、右熱交換部35の前側端部35aから左方向へ延びる仮想区画線α2と、角部5Aに配置された室外機本体5の2側面(2枚の側面パネル29)とによって囲まれた平面視四角形の範囲に設定されている。そして、この機器配置領域Rには、区画壁40によって熱交換室41と水平方向に区画された機械室39が設けられている。
【0030】
機械室39内において、圧縮機11は底フレーム26上にボルト等によって固定されている。また、閉鎖弁18,19は、右前側の支柱27に取り付けられた支持部材45によって支持されている。電装品ユニット38は、室外機2全体の制御基板や圧縮機11の制御基板(インバータ基板)等を含んでいる。なお、図4には、機械室39内の機器のうち、圧縮機11、支持部材45、及び電装品ユニット38のみを示し、他を省略している。
【0031】
区画壁40は、室外熱交換器13の一の側端部32aと他の側端部35aとの間に架設され、室外機本体5の上下方向の高さにわたって設けられている。具体的には、区画壁40は、室外熱交換器13における前熱交換部32の右側端部32aから後方へ延びる側壁部40aと、室外熱交換器13における右熱交換部35の前側端部35aから左方向へ延びる後壁部40bとを有している。また、後壁部40bは、側壁部40aとの接続部においてやや前方へ傾斜した部分(傾斜壁部)40cを有している。また、区画壁40の上端部には上壁部(図示省略)が設けられており、この上壁部によって室外機本体5の上部から機械室39内への雨等の浸入が防止されている。
【0032】
図3に示されるように、室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間に形成された前開口部36Aは、所定の幅Wを有している。具体的に、この前開口部36Aの幅Wは、機械室39内に配置された機器、特に圧縮機11の幅よりも大きく形成されている。したがって、前開口部36Aを閉鎖している側面パネル29を取り外すことによって、機械室39に対して前開口部36Aを通して圧縮機11を出し入れすることが可能である。そのため、圧縮機11の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、機械室39は、室外機本体5の1つの角部5Aに設けられているので、室外機本体5の外部から機械室39内の機器への距離が近くなり、機械室39内の機器に対するメンテナンスを容易に行うことができる。また、支持部材45に支持された閉鎖弁18,19は、側面パネル29を取り外すことによって前開口部36Aを介して前方に露出し、冷媒配管の接続や開閉操作を行うことができる。
【0033】
前開口部36Aの幅Wは、室外機2の制御基盤等を含む電装品ユニット38の幅に適合する幅に形成されており、この前開口部36Aに合わせて電装品ユニット38が取り付けられている。具体的には、前開口部36Aの両側縁に位置する室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27とに電装品ユニット38の幅方向両端部が取付ブラケット46を介して取り付けられている。したがって、室外熱交換器13の側端部32aと支柱27とを利用して電装品ユニット38を好適に機械室39に取り付けることができる。
【0034】
なお、上記においては前開口部36Aの幅Wが圧縮機11を出し入れ可能な寸法に形成され、電装品ユニット38が前開口部36Aに合わせて取り付けられているが、右開口部36Bの幅が圧縮機11を出し入れ可能な寸法に形成され、電装品ユニット38が右開口部36Bに合わせて取り付けられていてもよい。また、機械室39内の機器の操作やメンテナンスは、右開口部36Bを介して行うこともできる。
【0035】
室外熱交換器13の一の側端部32aには、U字状に湾曲する伝熱管13aが突出している。そして、室外熱交換器13の側端部32aには、この伝熱管13aを覆うカバー部材47が設けられている。カバー部材47は、伝熱管13aを前後及び側方から取り囲むように断面コの字形状に形成されている。また、カバー部材47は、室外熱交換器13の上下方向の高さ全体にわたって設けられており、その下端部が底フレーム26に固定され、上端部が前部側の横梁28(図4参照)に固定されている。そして、カバー部材47は、室外熱交換器13から突出する伝熱管13aを覆うことで、この伝熱管13aにおいて発生した結露水等の水分が機械室39内の部品に付着するのを防止している。
【0036】
特に、本実施の形態においては、電装品ユニット38の幅方向一側部がカバー部材47の外面に取り付けられており、これによって伝熱管13aにおいて発生した結露水等の水分が電装品ユニット38に付着するのを好適に防止することができる。また、カバー部材47は、室外機本体5の上下方向にわたって設けられることによって室外機本体5の支柱としても機能しており、4本の支柱27とともに室外機本体5の構造部材を構成し、室外機本体5の強度を高めている。
【0037】
図9は、閉鎖弁18,19を示す側面図である。ガス側閉鎖弁18及び液側閉鎖弁19は、互いに大きさが異なるが略同一の構成を有している。これら閉鎖弁18,19は、略十字形状の流路が形成されたハウジング50を有している。このハウジング50の上部にはサービスポート51が形成されている。サービスポート51は、冷媒の封入や真空引き等を行うために使用される。ハウジング50の下部には、室内機3側からの冷媒連絡配管17a,17b(図1参照)を接続させる接続配管52が下方に延伸して設けられている。ハウジング50の後端には室外機2側の冷媒配管が接続されている。また、ハウジング50の後部には支持部材45に対して閉鎖弁18,19を固定するためのフランジ部53が設けられている。ハウジング50の前端には、閉鎖弁18,19を開閉操作するための操作ポート54が設けられている。
【0038】
図3〜図5に示されるように、閉鎖弁18,19を支持する支持部材45は、その水平方向の一側部が支柱27に対して片持ち状に取り付けられている。具体的には、支持部材45は、閉鎖弁18,19を固定する固定部60と、この固定部60の基端部に設けられた複数の脚部61,62とからなり、この脚部61,62が支柱27に取り付けられている。また、支持部材45の固定部60は、室外機本体5の前面に対して斜めに(約45°)に傾斜した姿勢で設けられている。
【0039】
以下、支持部材45の詳細について説明する。図6は、閉鎖弁18,19用の支持部材45を示す斜視図、図7は、支持部材45の脚部61,62を示す平面図、図8は、支持部材45の固定部60を示す正面図である。
支持部材45の固定部60は、上下方向に沿った板面を有し、左右方向に長く形成された略長方形の板材からなり、その上縁部には、閉鎖弁18,19を嵌合させるための嵌合凹部60a,60bが形成されている。本実施の形態では、図8に示されるように、ガス側閉鎖弁18を嵌合させる第1嵌合凹部60aと、液側閉鎖弁19を嵌合させる第2嵌合凹部60bとが形成されている。第1嵌合凹部60aは第2嵌合凹部60bよりも深く下側に形成されている。第1嵌合凹部60a及び第2嵌合凹部60bの両側にはそれぞれ雌ねじ孔60cが形成されている。そして、閉鎖弁18,19におけるハウジング50の後部側を第1嵌合凹部60a及び第2嵌合凹部60bに嵌合させ、フランジ部53に挿通した固定ボルト(図示省略)を固定部60の雌ねじ孔60cに螺合することによって閉鎖弁18,19が固定部60に固定される。固定部60の外周縁には、補強リブ60dが屈曲形成されている。
【0040】
図7に示されるように、支持部材45の複数の脚部61,62は、固定部60の基端部から水平方向(前後方向)に分岐し、断面略L字形状に形成された支柱27の第1辺27aと第2辺27bとにそれぞれ取り付けられている。具体的に、脚部61,62は、固定部60の基端部から前方に分岐する第1脚部61と、固定部60の基端部から後方に分岐する第2脚部62とからなっている。第1,第2脚部61,62には、ボルト70を挿通するための孔65(図6参照)が形成されている。そして、第1脚部61が支柱27の第1辺27aにボルト70及びナット71によって取り付けられ、第2脚部62が支柱27の第2辺27bに対してボルト70及びナット71によって取り付けられている。なお、本実施の形態の第2脚部62には、支柱27の第2辺27bに形成された孔やスリット(図示省略)に係止して仮止めするためのフック66が折り曲げ形成されている。
【0041】
図6及び図7に示されるように、第1脚部61と第2脚部62とは上下方向に並べて交互に形成されている。本実施の形態の支持部材45には、2個の第1脚部61と1個の第2脚部62とが設けられ、これらが上下方向に交互に設けられている。したがって、支持部材45の上部と下部とに第1脚部61が設けられ、上下の第1脚部61の間に第2脚部62が設けられている。各第1脚部61は第2脚部62よりも上下方向の幅が小さいが、2個の第1脚部61の上下方向の幅の合計と、第2脚部62の上下方向の幅とは略同一とされている。また、上下の第1脚部61の先端部は連接部63によって相互に繋がれている。
【0042】
図7に示されるように、第1脚部61は、固定部60の基端部から前側へ長く延びており、その先端部61aが支柱27の第1辺27aに当接した状態で取り付けられている。これに対して第2脚部62は、第1脚部61よりも短く形成され、その略全体が支柱27の第2辺27bに当接した状態で取り付けられている。そのため、固定部60は、支柱27に対してやや後側に偏心した位置に取り付けられている。第1脚部61における支柱27の第1辺27aに対する当接面と、第2脚部62における支柱27の第2辺27bに対する当接面とは、270°の相対角度θをもって配置されている。
【0043】
支持部材45を構成する固定部60と脚部61,62とは1枚の板材を加工することによって形成されている。図10は、支持部材45の脚部61,62を加工する手順を説明する図である。特に、図10(a)は、脚部61,62を折曲加工する前の板材の正面図、図10(b)は、脚部61,62を折曲加工した状態を示す、(a)におけるA−A線断面に相当する断面図である。
【0044】
図10(a)に示されるように、支持部材45の脚部61,62を加工するには、支持部材45の形成材料(板材)に対して略コの字状の切り目64を形成する。そして、図10(b)に示されるように、切り目64の内側の部分と外側の部分とを互いに逆向きに折り曲げることによって第1脚部61、第2脚部62、及び連接部63を形成する。このような手順で第1脚部61、第2脚部62、及び連接部63を加工することによって、支持部材45を1枚の板材から容易に形成することができ、さらに上下2つの第1脚部61が連接部63によって繋がれた構造を容易に形成することができる。
【0045】
以上の構成において、本実施の形態の支持部材45は、支柱27に対して片持ち状に取り付けられているので、室外機本体5の底フレーム26の上面に支持部材45を取り付けるためのスペースを確保する必要がない。そのため、底フレーム26上に搭載される圧縮機11等の機器のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0046】
また、支持部材45は、底フレーム26の上方に間隔をあけて配置されるので、底フレーム26上の機器に対してメンテナンス等の作業を行う際に、支持部材45が邪魔になることを少なくすることができる。
また、支持部材45が、支柱27に対して片持ち状に取り付けられているので、支柱27に対する支持部材45の上下方向の取付位置の変更にも容易に対応することができ、閉鎖弁18,19の高さを容易に変更することが可能となっている。したがって、閉鎖弁18,19の取付高さが異なる異種の室外機に対して支持部材45を流用(共用)することが可能となり、支持部材45の汎用性を高めることができる。
【0047】
支持部材45は、水平方向に分岐する複数の第1,第2脚部61,62を備えているので、固定部60に作用する水平方向(前後方向)の荷重を第1,第2脚部61,62によって好適に支持することができる。また、脚部61,62は、上下方向に並べて3個以上設けられていることによって、前後方向の荷重をバランスよく支持することができる。特に、前方に分岐する第1脚部61と、後方に分岐する第2脚部62とが上下方向に交互に配置されているので、前後方向の荷重をよりバランスよく支持することができるとともに、固定部60に作用する垂直方向の荷重や、固定部60の板面に沿った水平軸回りのモーメントも好適に支持可能である。また、前方に分岐する第1脚部61が上端と下端との2箇所に設けられているので、固定部60に対して前方へ付与される荷重をより好適に支持可能である。また、上下に離間する2個の第1脚部61を連接部63によって繋いでいるので、当該第1脚部61同士を相互に補強することができる。
【0048】
図3及び図5に示されるように、支持部材45は、前開口部36Aが形成された室外機本体5の前面に対して斜め(約45°)に傾斜して配置されているので、支持部材45を前面側から見たときの左右方向の幅を可及的に小さくすることができ、支持部材45が前開口部36Aを介して行われるメンテナンス等の作業の邪魔になるのを防止することができる。
【0049】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態の支持部材45は、上下方向に3個の脚部61,62が設けられ、前方に分岐する2個の第1脚部61と後方に分岐する1個の第2脚部62とが上下方向に交互に設けられている点で、上記第1の実施の形態の支持部材45と同様である。しかしながら、本実施の形態の支持部材45には連接部63が設けられておらず、各脚部61,62がそれぞれ独立した状態で設けられている。また、各脚部61,62は同一の長さに形成されており、よって支持部材45の固定部60は平面視において前後の脚部61,62の略中央部に位置している。
【0050】
図12は、支持部材45の脚部61,62を加工する手順を説明する図である。なお、図12(a)は、脚部61,62を折曲加工する前の板材の正面図、図12(b)は、脚部61,62を折曲加工した状態を示す、(a)におけるB−B線断面に相当する断面図である。本実施の形態では、支持部材45の形成材料に対して上下2箇所の切り目64を形成し、この切り目64によって分断された部分を前後方向に折り返すことによって脚部61,62が形成される。
【0051】
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態では、上下方向に4個の脚部61,62が並べて設けられており、前方へ分岐する2個の第1脚部61と、後方へ分岐する2個の第2脚部62とが上下方向に交互に配置されている。その他の構成は、第2の実施の形態と同様であり、略同様の加工工程によって脚部61,62を形成することができる。
【0052】
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る支持部材の取付構造を示す平面図である。
既に説明した第1〜第3の実施の形態においては、断面形状が略L字形状の支柱27に対して支持部材45が取り付けられていたが、本実施の形態では、断面形状が四角形状(四角筒形状)の支柱27に対して支持部材45が取り付けられる例を示している。本実施の形態の脚部61,62は、支柱27における隣接する2面に対して当接し、ボルト70により固定されるように、第1脚部61と第2脚部62とが略90°の相対角度θをもって配置されている。その他の構成は、上記第1〜第3の実施の形態の支持部材45と同様に構成することができる。
【0053】
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態の支持部材45は、前方に分岐する第1脚部61と、後方に分岐する第2脚部62とが別々の部材によって構成されている点で、上記各実施の形態と異なっている。具体的には、一方の脚部(第2脚部)62は固定部60と一体に形成されているが、他方の脚部(第1脚部)61は、固定部60及び一方の脚部62とは異なる板材によって形成され、溶接等によって接合されている。また、本実施の形態では、第1脚部61と第2脚部62とは、いずれも支持部材45の上下方向の幅と同一の幅を有している。
本実施の形態においても、上記各実施の形態と略同様の作用効果を奏するものの、部品点数が多くなると共に、脚部61の接合工程が必要となることから、これらの点に関しては上述した第1〜第4の実施の形態の支持部材45の方が有利である。
【0054】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、適宜変更することが可能である。
例えば、閉鎖弁18,19を支持する支持部材45は、支柱27に限らず、カバー部材47に取り付けることもできる。また、室外熱交換器13自体が、室外機本体5の構造部材として機能している場合には、この室外熱交換器13の一部、例えば管板等に対して支持部材45を取り付けることもできる。いずれの場合においても、支持部材45の取付箇所に応じて脚部61,62の形状を適宜変更することができる。
本発明は、上吹き出しタイプの室外機に限らず、横吹き出し型の室外機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 空気調和装置
2 室外機
3 室内機
18 ガス側閉鎖弁
19 液側閉鎖弁
27 支柱(構造部材)
45 支持部材
60 固定部
61 第1脚部
62 第2脚部
63 連接部
【技術分野】
【0001】
本発明は、室外機における閉鎖弁用の支持部材及びこれを備えた室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
ビル等の建物や一般の住宅において利用される空気調和装置として、室内機と室外機とを備えたセパレートタイプのものが広く普及している。この空気調和装置には、室外機と室内機とにわたって冷媒回路が設けられており、室外機における冷媒回路の末端には、室内機からの冷媒配管を接続するための閉鎖弁が設けられている。この閉鎖弁は、空気調和装置を設置する際に、室内機からの冷媒配管を接続したあとに閉から開へ切り替えることによって、室外機と室内機との間の冷媒の流通を可能にする。
【0003】
下記特許文献1には、室外機における閉鎖弁の取付構造が開示されている。この閉鎖弁の取付構造は、室外機の底フレームから上方に延びる基部と、この基部に連続し閉鎖弁を固定する固定部とを備えた支持部材を備えている。具体的には、支持部材は、2つの基部が間隔をあけて並べて設けられると共に、固定部が2つの基部の上端を結ぶように水平に設けられ、全体として門型に形成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−147247号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1記載の支持部材は、室外機の底フレーム上に取り付けられるため、底フレームには支持部材を取り付けるためのスペースを確保する必要がある。しかしながら、底フレーム上には圧縮機等の各種機器が搭載されるため、支持部材の存在によって当該機器のレイアウトの自由度が低下するという欠点がある。
【0006】
また、底フレーム上の機器に対してメンテナンス等を行う場合、底フレームに立設された支持部材の基部が邪魔になる可能性がある。
さらに、特許文献1記載の支持部材は、底フレームから一定の高さでしか閉鎖弁を支持することができないので、閉鎖弁の取り付け高さが異なる異種の室外機の間で共用することができないという欠点もある。
【0007】
本発明は、底フレーム上に支持部材の取付スペースを確保する必要が無く、また、汎用性を高めることが可能な閉鎖弁用の支持部材及びこれを備えた室外機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)空気調和装置の室内機に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁を支持するための、室外機における閉鎖弁用の支持部材であって、
上下方向に延伸して配置された前記室外機の構造部材に対して片持ち状に取り付けられることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、閉鎖弁用の支持部材が、上下方向に配置された室外機の構造部材に対して片持ち状に取り付けられているので、室外機の底フレーム上に支持部材を取り付けるためのスペースを確保する必要がない。したがって、底フレーム上に搭載される機器のレイアウトの自由度を高めることができる。また、支持部材を底フレームの上方に間隔をあけて配置することができるので、底フレーム上の機器に対してメンテナンス等を行う場合に、支持部材が邪魔になることが少なくなる。また、支持部材は、上下方向に配置された構造部材に対して片持ち状に取り付けられるので、構造部材に対する支持部材の取付位置を上下方向に変えることによって、閉鎖弁の高さを容易に変更することができる。そのため、閉鎖弁の取り付け高さが異なる異種の室外機の間で支持部材を共用することが可能となる。
【0010】
(2)上記支持部材は、前記閉鎖弁が固定される固定部と、前記構造部材に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部とを有しており、この2個の脚部が、前記固定部の基端部から水平方向に分岐して設けられていることが好ましい。
このような構成によって、固定部に対して水平方向に付与される荷重を少なくとも2個の脚部によって好適に受けることができ、支持部材によって安定して閉鎖弁を支持することができる。
【0011】
(3)前記脚部は、上下方向に並べて3個以上設けられていることが好ましい。
このような構成によって、固定部に対して水平方向に付与される荷重を上下方向に3個以上の脚部によってバランスよく支持することができる。
【0012】
(4)上記(3)の支持部材において、水平方向の一方側に分岐する脚部と、同他方側に分岐する脚部とは、上下方向に交互に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、固定部に対して水平方向に付与される荷重をよりバランスよく支持することができる。
【0013】
(5)上記(3)又は(4)の支持部材において、上端の脚部と下端の脚部とは、同一方向に分岐していることが好ましい。
このような構成によって、上端の脚部と下端の脚部とが分岐する方向についての支持強度をより高めることができる。
【0014】
(6)上記(4)又は(5)の支持部材において、上下方向に離間しかつ同一方向に分岐する少なくとも2個の脚部の先端部同士を繋ぐ連接部をさらに備えていることが好ましい。
このような構成によって、上下方向に離間して配置された脚部同士を相互に補強することができる。
【0015】
(7)前記固定部と前記脚部とが一枚の板材から形成されており、
前記脚部は、前記固定部の基端部から水平方向に折り返された折り返し片により構成されていることが好ましい。
このような構成によって、支持部材を少ない部品点数で簡単に製作することができる。
【0016】
(8)本発明に係る室外機は、上下方向に延伸して配置された構造部材と、この構造部材に取り付けられた上記(1)〜(7)のいずれかに記載の支持部材と、この支持部材によって支持された閉鎖弁と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
(9)上記室外機において、前記構造部材は支柱であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、底フレーム上に支持部材の取付スペースを確保する必要が無く、閉鎖弁の取付高さが異なる異種の室外機の間で支持部材を共用可能となり、支持部材の汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1の実施の形態における室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
【図2】室外機の外観を示す斜視図である。
【図3】室外機の内部の平面図である。
【図4】室外機の側面パネル及びベルマウスを取り外した状態を示す概略的な斜視図である。
【図5】側面パネルを取り外した状態の室外機の下部側を示す概略的な正面図である。
【図6】閉鎖弁用の支持部材を示す斜視図である。
【図7】支持部材の脚部を示す平面図である。
【図8】支持部材の固定部を示す正面図である。
【図9】閉鎖弁を示す側面図である。
【図10】支持部材の脚部を加工する手順を説明する図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【図12】支持部材の脚部を加工する手順を説明する説明図である。
【図13】本発明の第3の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す平面図である。
【図15】本発明の第5の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る室外機を有する空気調和装置の冷媒回路を示す模式図である。
空気調和装置1は、例えばビル用のマルチタイプの空気調和装置であり、1つ又は複数の室外機2に対して複数の室内機3が並列に接続され、冷媒が流通できるように、冷媒回路10が形成されている。
【0021】
室外機2には、圧縮機11、四路切換弁12、室外熱交換器13、室外膨張弁14、及び送風機23等が設けられている。また、室内機3には、室内膨張弁15および室内熱交換器16等が設けられている。四路切換弁12と室内熱交換器16とはガス側冷媒連絡配管17aにより接続され、室外膨張弁14と室内膨張弁15とは液側冷媒連絡配管17bにより接続されている。室外機2の内部冷媒回路の端末部には、ガス側閉鎖弁18と液側閉鎖弁19とが設けられている。ガス側閉鎖弁18は四路切換弁12側に配置されており、液側閉鎖弁19は室外膨張弁14側に配置されている。ガス側閉鎖弁18にはガス側冷媒連絡配管17aが接続され、液側閉鎖弁19には液側冷媒連絡配管17bが接続される。
【0022】
上記構成の空気調和装置1において、冷房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において実線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁12を介して室外熱交換器13に流入し、送風機23の作動により室外空気と熱交換して凝縮・液化する。液化した冷媒は、全開状態の室外膨張弁14を通過し、液側冷媒連絡配管17bを通って各室内機3に流入する。室内機3において、冷媒は、室内膨張弁15で所定の低圧に減圧され、さらに室内熱交換器16で室内空気と熱交換して蒸発する。そして、冷媒の蒸発によって冷却された室内空気は、図示しない室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を冷房する。また、室内熱交換器16で蒸発して気化した冷媒は、ガス側冷媒連絡配管17aを通って室外機2に戻り、圧縮機11に吸い込まれる。
【0023】
他方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁12が図1において破線で示す状態に保持される。圧縮機11から吐出された高温高圧のガス状冷媒は、四路切換弁12を介して各室内機3の室内熱交換器16に流入し、室内空気と熱交換して凝縮・液化する。冷媒の凝縮によって加熱された室内空気は、室内ファンによって室内に吹き出され、当該室内を暖房する。室内熱交換器16において液化した冷媒は、全開状態の室内膨張弁15から液側冷媒連絡配管17bを通って室外機2に戻る。室外機2に戻った冷媒は、室外膨張弁14で所定の低圧に減圧され、さらに室外熱交換器13で室外空気と熱交換して蒸発する。そして、室外熱交換器13で蒸発して気化した冷媒は、四路切換弁12を介して圧縮機11に吸い込まれる。
【0024】
図2は、室外機2の外観を示す斜視図、図3は、室外機2の内部の平面図、図4は、室外機2の側面パネル29及びベルマウス30を取り外した状態を示す斜視図である。本実施の形態の室外機2は、室外機本体(ケーシング)5と、この室外機本体5に内蔵された室外熱交換器13、圧縮機11、四路切換弁12等の冷媒回路10(図1参照)を構成する機器と、室外機本体5の上部に設けられた送風機23等を備えている。そして、室外機2は、送風機23を作動させることによって室外機本体5の側面から空気を吸い込み、室外熱交換器13によって冷媒との間で熱交換を行った後、室外機本体5の上方へ空気を吹き出すように構成されている。
【0025】
室外機本体5は、略直方体形状に形成されており、底フレーム26、支柱27、横梁28、側面パネル29等を有している。底フレーム26は、図3に示されるように平面視で四角形状に形成されている。また、本実施の形態の底フレーム26の対向する2辺には、地面に接地する脚部26a(図2参照)が設けられている。支柱27は、断面形状が略L字状で上下方向に延伸して配置された長尺部材からなり、底フレーム26の4隅に取り付けられている。また、図4に示されるように、前部側の2本の支柱27の上端部と、後部側の2本の支柱27の上端部は、それぞれ横梁28により連結されている。この支柱27の上端部及び横梁28には、送風機23を取り囲むベルマウス30(図2参照)が取り付けられている。ベルマウス30は、平面視で底フレーム26と略同一の四角形状に形成されている。また、前後の横梁28には一対の支持部材37からなる支持台31が架設されており、送風機23のモータ23aにおける脚部23bが支持台31に取り付けられている。
【0026】
室外熱交換器13は、クロスフィンコイル式であり、アルミニウム製の多数のフィンを伝熱管が水平に貫通し、伝熱管を流れる冷媒と室外熱交換器13を流通する空気との間で熱交換を行うように構成されている。室外熱交換器13は、図3に示されるように、室外機本体5の1つの角部5Aを除いた4つの側面に対向し、かつ4つの側面に沿うように略四角形状に屈曲されている。具体的に、室外熱交換器13は、室外機本体5の前側の側面(前面)に沿う前熱交換部32と、左側の側面に沿う左熱交換部33と、後側の側面(後面)に沿う後熱交換部34と、右側の側面に沿う右熱交換部35とを有している。そして、前熱交換部32と左熱交換部33との間、左熱交換部33と後熱交換部34との間、及び後熱交換部34と右熱交換部35との間が略90度に屈曲されている。なお、室外熱交換器13の各熱交換部32〜35は、室外機本体5の側面に対して必ずしも平行に対向していなくてもよく、傾斜した状態で対向していてもよい。
【0027】
前熱交換部32の右側端部(室外熱交換器13における一の側端部)32aと、右熱交換部35の前側端部(同他の側端部)35aとの間には、開口部36が設けられている。本実施の形態では、開口部36が、右前側に配置された支柱27によって2つに分けられており、以下の説明においては、室外機2の前面に配置された開口部36を前開口部36Aといい、右側面に配置された開口部36を右開口部36Bという。
【0028】
また、室外機本体5は、室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間、及びこの支柱27と室外熱交換器13の他の側端部35aとの間に、それぞれ側面パネル29を着脱可能に備えており、この側面パネル29によって前開口部36A及び右開口部36Bがそれぞれ閉鎖されている。なお、図示はしていないが、室外機本体5の側面における室外熱交換器13が配置された部分には、空気の流通が可能な格子状の枠やパネルが取り付けられていてもよい。
【0029】
室外熱交換器13が配置されていない室外機本体5の1つの角部5Aには、圧縮機11や四路切換弁12、閉鎖弁18,19、電装品ユニット38等の機器を配置するための機器配置領域Rが設定されている。機器配置領域Rは、室外熱交換器13における前熱交換部32の右側端部32aから後方に延びる仮想区画線α1と、右熱交換部35の前側端部35aから左方向へ延びる仮想区画線α2と、角部5Aに配置された室外機本体5の2側面(2枚の側面パネル29)とによって囲まれた平面視四角形の範囲に設定されている。そして、この機器配置領域Rには、区画壁40によって熱交換室41と水平方向に区画された機械室39が設けられている。
【0030】
機械室39内において、圧縮機11は底フレーム26上にボルト等によって固定されている。また、閉鎖弁18,19は、右前側の支柱27に取り付けられた支持部材45によって支持されている。電装品ユニット38は、室外機2全体の制御基板や圧縮機11の制御基板(インバータ基板)等を含んでいる。なお、図4には、機械室39内の機器のうち、圧縮機11、支持部材45、及び電装品ユニット38のみを示し、他を省略している。
【0031】
区画壁40は、室外熱交換器13の一の側端部32aと他の側端部35aとの間に架設され、室外機本体5の上下方向の高さにわたって設けられている。具体的には、区画壁40は、室外熱交換器13における前熱交換部32の右側端部32aから後方へ延びる側壁部40aと、室外熱交換器13における右熱交換部35の前側端部35aから左方向へ延びる後壁部40bとを有している。また、後壁部40bは、側壁部40aとの接続部においてやや前方へ傾斜した部分(傾斜壁部)40cを有している。また、区画壁40の上端部には上壁部(図示省略)が設けられており、この上壁部によって室外機本体5の上部から機械室39内への雨等の浸入が防止されている。
【0032】
図3に示されるように、室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27との間に形成された前開口部36Aは、所定の幅Wを有している。具体的に、この前開口部36Aの幅Wは、機械室39内に配置された機器、特に圧縮機11の幅よりも大きく形成されている。したがって、前開口部36Aを閉鎖している側面パネル29を取り外すことによって、機械室39に対して前開口部36Aを通して圧縮機11を出し入れすることが可能である。そのため、圧縮機11の交換やメンテナンスを容易に行うことができる。さらに、機械室39は、室外機本体5の1つの角部5Aに設けられているので、室外機本体5の外部から機械室39内の機器への距離が近くなり、機械室39内の機器に対するメンテナンスを容易に行うことができる。また、支持部材45に支持された閉鎖弁18,19は、側面パネル29を取り外すことによって前開口部36Aを介して前方に露出し、冷媒配管の接続や開閉操作を行うことができる。
【0033】
前開口部36Aの幅Wは、室外機2の制御基盤等を含む電装品ユニット38の幅に適合する幅に形成されており、この前開口部36Aに合わせて電装品ユニット38が取り付けられている。具体的には、前開口部36Aの両側縁に位置する室外熱交換器13の一の側端部32aと支柱27とに電装品ユニット38の幅方向両端部が取付ブラケット46を介して取り付けられている。したがって、室外熱交換器13の側端部32aと支柱27とを利用して電装品ユニット38を好適に機械室39に取り付けることができる。
【0034】
なお、上記においては前開口部36Aの幅Wが圧縮機11を出し入れ可能な寸法に形成され、電装品ユニット38が前開口部36Aに合わせて取り付けられているが、右開口部36Bの幅が圧縮機11を出し入れ可能な寸法に形成され、電装品ユニット38が右開口部36Bに合わせて取り付けられていてもよい。また、機械室39内の機器の操作やメンテナンスは、右開口部36Bを介して行うこともできる。
【0035】
室外熱交換器13の一の側端部32aには、U字状に湾曲する伝熱管13aが突出している。そして、室外熱交換器13の側端部32aには、この伝熱管13aを覆うカバー部材47が設けられている。カバー部材47は、伝熱管13aを前後及び側方から取り囲むように断面コの字形状に形成されている。また、カバー部材47は、室外熱交換器13の上下方向の高さ全体にわたって設けられており、その下端部が底フレーム26に固定され、上端部が前部側の横梁28(図4参照)に固定されている。そして、カバー部材47は、室外熱交換器13から突出する伝熱管13aを覆うことで、この伝熱管13aにおいて発生した結露水等の水分が機械室39内の部品に付着するのを防止している。
【0036】
特に、本実施の形態においては、電装品ユニット38の幅方向一側部がカバー部材47の外面に取り付けられており、これによって伝熱管13aにおいて発生した結露水等の水分が電装品ユニット38に付着するのを好適に防止することができる。また、カバー部材47は、室外機本体5の上下方向にわたって設けられることによって室外機本体5の支柱としても機能しており、4本の支柱27とともに室外機本体5の構造部材を構成し、室外機本体5の強度を高めている。
【0037】
図9は、閉鎖弁18,19を示す側面図である。ガス側閉鎖弁18及び液側閉鎖弁19は、互いに大きさが異なるが略同一の構成を有している。これら閉鎖弁18,19は、略十字形状の流路が形成されたハウジング50を有している。このハウジング50の上部にはサービスポート51が形成されている。サービスポート51は、冷媒の封入や真空引き等を行うために使用される。ハウジング50の下部には、室内機3側からの冷媒連絡配管17a,17b(図1参照)を接続させる接続配管52が下方に延伸して設けられている。ハウジング50の後端には室外機2側の冷媒配管が接続されている。また、ハウジング50の後部には支持部材45に対して閉鎖弁18,19を固定するためのフランジ部53が設けられている。ハウジング50の前端には、閉鎖弁18,19を開閉操作するための操作ポート54が設けられている。
【0038】
図3〜図5に示されるように、閉鎖弁18,19を支持する支持部材45は、その水平方向の一側部が支柱27に対して片持ち状に取り付けられている。具体的には、支持部材45は、閉鎖弁18,19を固定する固定部60と、この固定部60の基端部に設けられた複数の脚部61,62とからなり、この脚部61,62が支柱27に取り付けられている。また、支持部材45の固定部60は、室外機本体5の前面に対して斜めに(約45°)に傾斜した姿勢で設けられている。
【0039】
以下、支持部材45の詳細について説明する。図6は、閉鎖弁18,19用の支持部材45を示す斜視図、図7は、支持部材45の脚部61,62を示す平面図、図8は、支持部材45の固定部60を示す正面図である。
支持部材45の固定部60は、上下方向に沿った板面を有し、左右方向に長く形成された略長方形の板材からなり、その上縁部には、閉鎖弁18,19を嵌合させるための嵌合凹部60a,60bが形成されている。本実施の形態では、図8に示されるように、ガス側閉鎖弁18を嵌合させる第1嵌合凹部60aと、液側閉鎖弁19を嵌合させる第2嵌合凹部60bとが形成されている。第1嵌合凹部60aは第2嵌合凹部60bよりも深く下側に形成されている。第1嵌合凹部60a及び第2嵌合凹部60bの両側にはそれぞれ雌ねじ孔60cが形成されている。そして、閉鎖弁18,19におけるハウジング50の後部側を第1嵌合凹部60a及び第2嵌合凹部60bに嵌合させ、フランジ部53に挿通した固定ボルト(図示省略)を固定部60の雌ねじ孔60cに螺合することによって閉鎖弁18,19が固定部60に固定される。固定部60の外周縁には、補強リブ60dが屈曲形成されている。
【0040】
図7に示されるように、支持部材45の複数の脚部61,62は、固定部60の基端部から水平方向(前後方向)に分岐し、断面略L字形状に形成された支柱27の第1辺27aと第2辺27bとにそれぞれ取り付けられている。具体的に、脚部61,62は、固定部60の基端部から前方に分岐する第1脚部61と、固定部60の基端部から後方に分岐する第2脚部62とからなっている。第1,第2脚部61,62には、ボルト70を挿通するための孔65(図6参照)が形成されている。そして、第1脚部61が支柱27の第1辺27aにボルト70及びナット71によって取り付けられ、第2脚部62が支柱27の第2辺27bに対してボルト70及びナット71によって取り付けられている。なお、本実施の形態の第2脚部62には、支柱27の第2辺27bに形成された孔やスリット(図示省略)に係止して仮止めするためのフック66が折り曲げ形成されている。
【0041】
図6及び図7に示されるように、第1脚部61と第2脚部62とは上下方向に並べて交互に形成されている。本実施の形態の支持部材45には、2個の第1脚部61と1個の第2脚部62とが設けられ、これらが上下方向に交互に設けられている。したがって、支持部材45の上部と下部とに第1脚部61が設けられ、上下の第1脚部61の間に第2脚部62が設けられている。各第1脚部61は第2脚部62よりも上下方向の幅が小さいが、2個の第1脚部61の上下方向の幅の合計と、第2脚部62の上下方向の幅とは略同一とされている。また、上下の第1脚部61の先端部は連接部63によって相互に繋がれている。
【0042】
図7に示されるように、第1脚部61は、固定部60の基端部から前側へ長く延びており、その先端部61aが支柱27の第1辺27aに当接した状態で取り付けられている。これに対して第2脚部62は、第1脚部61よりも短く形成され、その略全体が支柱27の第2辺27bに当接した状態で取り付けられている。そのため、固定部60は、支柱27に対してやや後側に偏心した位置に取り付けられている。第1脚部61における支柱27の第1辺27aに対する当接面と、第2脚部62における支柱27の第2辺27bに対する当接面とは、270°の相対角度θをもって配置されている。
【0043】
支持部材45を構成する固定部60と脚部61,62とは1枚の板材を加工することによって形成されている。図10は、支持部材45の脚部61,62を加工する手順を説明する図である。特に、図10(a)は、脚部61,62を折曲加工する前の板材の正面図、図10(b)は、脚部61,62を折曲加工した状態を示す、(a)におけるA−A線断面に相当する断面図である。
【0044】
図10(a)に示されるように、支持部材45の脚部61,62を加工するには、支持部材45の形成材料(板材)に対して略コの字状の切り目64を形成する。そして、図10(b)に示されるように、切り目64の内側の部分と外側の部分とを互いに逆向きに折り曲げることによって第1脚部61、第2脚部62、及び連接部63を形成する。このような手順で第1脚部61、第2脚部62、及び連接部63を加工することによって、支持部材45を1枚の板材から容易に形成することができ、さらに上下2つの第1脚部61が連接部63によって繋がれた構造を容易に形成することができる。
【0045】
以上の構成において、本実施の形態の支持部材45は、支柱27に対して片持ち状に取り付けられているので、室外機本体5の底フレーム26の上面に支持部材45を取り付けるためのスペースを確保する必要がない。そのため、底フレーム26上に搭載される圧縮機11等の機器のレイアウトの自由度を高めることができる。
【0046】
また、支持部材45は、底フレーム26の上方に間隔をあけて配置されるので、底フレーム26上の機器に対してメンテナンス等の作業を行う際に、支持部材45が邪魔になることを少なくすることができる。
また、支持部材45が、支柱27に対して片持ち状に取り付けられているので、支柱27に対する支持部材45の上下方向の取付位置の変更にも容易に対応することができ、閉鎖弁18,19の高さを容易に変更することが可能となっている。したがって、閉鎖弁18,19の取付高さが異なる異種の室外機に対して支持部材45を流用(共用)することが可能となり、支持部材45の汎用性を高めることができる。
【0047】
支持部材45は、水平方向に分岐する複数の第1,第2脚部61,62を備えているので、固定部60に作用する水平方向(前後方向)の荷重を第1,第2脚部61,62によって好適に支持することができる。また、脚部61,62は、上下方向に並べて3個以上設けられていることによって、前後方向の荷重をバランスよく支持することができる。特に、前方に分岐する第1脚部61と、後方に分岐する第2脚部62とが上下方向に交互に配置されているので、前後方向の荷重をよりバランスよく支持することができるとともに、固定部60に作用する垂直方向の荷重や、固定部60の板面に沿った水平軸回りのモーメントも好適に支持可能である。また、前方に分岐する第1脚部61が上端と下端との2箇所に設けられているので、固定部60に対して前方へ付与される荷重をより好適に支持可能である。また、上下に離間する2個の第1脚部61を連接部63によって繋いでいるので、当該第1脚部61同士を相互に補強することができる。
【0048】
図3及び図5に示されるように、支持部材45は、前開口部36Aが形成された室外機本体5の前面に対して斜め(約45°)に傾斜して配置されているので、支持部材45を前面側から見たときの左右方向の幅を可及的に小さくすることができ、支持部材45が前開口部36Aを介して行われるメンテナンス等の作業の邪魔になるのを防止することができる。
【0049】
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態の支持部材45は、上下方向に3個の脚部61,62が設けられ、前方に分岐する2個の第1脚部61と後方に分岐する1個の第2脚部62とが上下方向に交互に設けられている点で、上記第1の実施の形態の支持部材45と同様である。しかしながら、本実施の形態の支持部材45には連接部63が設けられておらず、各脚部61,62がそれぞれ独立した状態で設けられている。また、各脚部61,62は同一の長さに形成されており、よって支持部材45の固定部60は平面視において前後の脚部61,62の略中央部に位置している。
【0050】
図12は、支持部材45の脚部61,62を加工する手順を説明する図である。なお、図12(a)は、脚部61,62を折曲加工する前の板材の正面図、図12(b)は、脚部61,62を折曲加工した状態を示す、(a)におけるB−B線断面に相当する断面図である。本実施の形態では、支持部材45の形成材料に対して上下2箇所の切り目64を形成し、この切り目64によって分断された部分を前後方向に折り返すことによって脚部61,62が形成される。
【0051】
図13は、本発明の第3の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態では、上下方向に4個の脚部61,62が並べて設けられており、前方へ分岐する2個の第1脚部61と、後方へ分岐する2個の第2脚部62とが上下方向に交互に配置されている。その他の構成は、第2の実施の形態と同様であり、略同様の加工工程によって脚部61,62を形成することができる。
【0052】
図14は、本発明の第4の実施の形態に係る支持部材の取付構造を示す平面図である。
既に説明した第1〜第3の実施の形態においては、断面形状が略L字形状の支柱27に対して支持部材45が取り付けられていたが、本実施の形態では、断面形状が四角形状(四角筒形状)の支柱27に対して支持部材45が取り付けられる例を示している。本実施の形態の脚部61,62は、支柱27における隣接する2面に対して当接し、ボルト70により固定されるように、第1脚部61と第2脚部62とが略90°の相対角度θをもって配置されている。その他の構成は、上記第1〜第3の実施の形態の支持部材45と同様に構成することができる。
【0053】
図15は、本発明の第5の実施の形態に係る支持部材の脚部を示す斜視図である。
本実施の形態の支持部材45は、前方に分岐する第1脚部61と、後方に分岐する第2脚部62とが別々の部材によって構成されている点で、上記各実施の形態と異なっている。具体的には、一方の脚部(第2脚部)62は固定部60と一体に形成されているが、他方の脚部(第1脚部)61は、固定部60及び一方の脚部62とは異なる板材によって形成され、溶接等によって接合されている。また、本実施の形態では、第1脚部61と第2脚部62とは、いずれも支持部材45の上下方向の幅と同一の幅を有している。
本実施の形態においても、上記各実施の形態と略同様の作用効果を奏するものの、部品点数が多くなると共に、脚部61の接合工程が必要となることから、これらの点に関しては上述した第1〜第4の実施の形態の支持部材45の方が有利である。
【0054】
本発明は、上記各実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、適宜変更することが可能である。
例えば、閉鎖弁18,19を支持する支持部材45は、支柱27に限らず、カバー部材47に取り付けることもできる。また、室外熱交換器13自体が、室外機本体5の構造部材として機能している場合には、この室外熱交換器13の一部、例えば管板等に対して支持部材45を取り付けることもできる。いずれの場合においても、支持部材45の取付箇所に応じて脚部61,62の形状を適宜変更することができる。
本発明は、上吹き出しタイプの室外機に限らず、横吹き出し型の室外機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0055】
1 空気調和装置
2 室外機
3 室内機
18 ガス側閉鎖弁
19 液側閉鎖弁
27 支柱(構造部材)
45 支持部材
60 固定部
61 第1脚部
62 第2脚部
63 連接部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和装置(1)の室内機(3)に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁(18,19)を支持するための、室外機(2)における閉鎖弁用の支持部材であって、
上下方向に延伸して配置された前記室外機(2)の構造部材(27)に対して片持ち状に取り付けられることを特徴とする室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項2】
前記閉鎖弁(18,19)が固定される固定部(60)と、前記構造部材(27)に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部(61,62)とを有しており、この2個の脚部(61,62)が、前記固定部(60)の基端部から水平方向に分岐して設けられている、請求項1に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項3】
前記脚部(61,62)が、上下方向に並べて3個以上設けられている、請求項2に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項4】
水平方向の一方側に分岐する脚部(61)と、同他方側に分岐する脚部(62)とが、上下方向に交互に設けられている、請求項3に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項5】
上端の脚部(61)と下端の脚部(61)とが、同一方向に分岐している、請求項3又は4に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項6】
上下方向に離間しかつ同一方向に分岐する少なくとも2個の脚部(61)の先端部同士を繋ぐ連接部(63)をさらに備えている、請求項3〜5のいずれかに記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項7】
前記固定部(60)と前記脚部(61,62)とが一枚の板材から形成されており、
前記脚部(61,62)は、前記固定部(60)の基端部から水平方向に折り返された折り返し片により構成されている、請求項2〜6のいずれかに記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項8】
上下方向に延伸して配置された構造部材(23)と、この構造部材(23)に取り付けられた請求項1〜7のいずれかに記載の支持部材(47)と、この支持部材(47)によって支持された閉鎖弁(18,19)と、を備えていることを特徴とする室外機。
【請求項9】
前記構造部材(27)が支柱である、請求項8に記載の室外機。
【請求項1】
空気調和装置(1)の室内機(3)に冷媒配管を介して接続される閉鎖弁(18,19)を支持するための、室外機(2)における閉鎖弁用の支持部材であって、
上下方向に延伸して配置された前記室外機(2)の構造部材(27)に対して片持ち状に取り付けられることを特徴とする室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項2】
前記閉鎖弁(18,19)が固定される固定部(60)と、前記構造部材(27)に対して取り付けられる少なくとも2個の脚部(61,62)とを有しており、この2個の脚部(61,62)が、前記固定部(60)の基端部から水平方向に分岐して設けられている、請求項1に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項3】
前記脚部(61,62)が、上下方向に並べて3個以上設けられている、請求項2に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項4】
水平方向の一方側に分岐する脚部(61)と、同他方側に分岐する脚部(62)とが、上下方向に交互に設けられている、請求項3に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項5】
上端の脚部(61)と下端の脚部(61)とが、同一方向に分岐している、請求項3又は4に記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項6】
上下方向に離間しかつ同一方向に分岐する少なくとも2個の脚部(61)の先端部同士を繋ぐ連接部(63)をさらに備えている、請求項3〜5のいずれかに記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項7】
前記固定部(60)と前記脚部(61,62)とが一枚の板材から形成されており、
前記脚部(61,62)は、前記固定部(60)の基端部から水平方向に折り返された折り返し片により構成されている、請求項2〜6のいずれかに記載の室外機における閉鎖弁用の支持部材。
【請求項8】
上下方向に延伸して配置された構造部材(23)と、この構造部材(23)に取り付けられた請求項1〜7のいずれかに記載の支持部材(47)と、この支持部材(47)によって支持された閉鎖弁(18,19)と、を備えていることを特徴とする室外機。
【請求項9】
前記構造部材(27)が支柱である、請求項8に記載の室外機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2013−76519(P2013−76519A)
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−216929(P2011−216929)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月25日(2013.4.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】
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