説明

家庭用薄葉紙収納箱

【課題】上面の内側の面からフィルムを容易に確実にはがすことができる家庭用薄葉紙収納箱を提供する。
【解決手段】積層されたティシューペーパー200,…が内部に収納され、上面20に設けられた取出口21を被覆するように、スリット91を有するフィルム90が内側の面に貼着され、スリット91を通して内部のティシューペーパー200を取り出すことができるティシューペーパー収納箱(家庭用薄葉紙収納箱)において、底面20における底面20中央よりも糊代部50側には、糊代部50側から底面20中央に向かって突出する略U字形状の底面ミシン目40が設けられており、底面ミシン目40で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、底面ミシン目40で形成された内部領域がティシューペーパー収納箱100の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭用薄葉紙収納箱に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家庭用薄葉紙の1つであるティシューペーパーを収納するティシューペーパー収納箱(以下、「収納箱」という。)には、収納箱の上面にティシューペーパーを取り出すための取出口が設けられている。この取出口には、プラスチック製のフィルムが貼着され、取出口の全体を被覆している。このフィルムの中央部には直線状のスリットが設けられており、中身のティシューペーパーは、このスリットを通して外部へ引き出される。そして、このフィルムとスリットとは、次のティシューペーパーを所定の位置に保持する役割を果たしている。
【0003】
ところで、環境上の理由から、フィルムと紙とを分別回収する必要があるが、収納箱において、フィルムは、上面の内側の面に貼着されているため、はがしにくいという問題がある。
そこで、例えば、フィルムを、収納箱の片側端部もしくは両側端部方向に、上側外フラップの位置まで延長させた収納箱(例えば、特許文献1参照)や、フィルムの貼り付け部を不連続にすることで、フィルムを剥がし易くした収納箱(例えば、特許文献2参照)、フィルムにタブを付けることで、フィルムを剥がし易くした収納箱(例えば、特許文献3参照)などが提案されている。
【特許文献1】特開2006−51962号公報
【特許文献2】特開2007−217036号公報
【特許文献3】特開2007−217037号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1記載の発明では、上面の内側の面における、上側外フラップ側の部分に貼着されたフィルムは容易にはがすことができるものの、上面中央付近に貼着されたフィルムは容易にはがすことができず、はがし残しが生じてしまうという問題がある。
また、特許文献2や特許文献3記載の発明では、フィルムの剥がし易さは改善されるものの、収納箱を開け易さは言及されておらず、収納箱を開ける手間がかかる問題があった。
【0005】
本発明の課題は、上面の内側の面からフィルムを容易に確実にはがすことができる家庭用薄葉紙収納箱を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
積層された家庭用薄葉紙が内部に収納され、上面に設けられた取出口を被覆するように、スリットを有するフィルムが内側の面に貼着され、前記スリットを通して内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができる、六面体形状の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記上面と、前記上面の一の端部と連結する第1側面と、前記上面の前記一の端部と対向する端部と連結する第2側面と、前記第2側面の前記上面と連結された端部と対向する端部と連結する底面と、前記底面の前記第2側面と連結された端部と対向する端部と連結する糊代部と、前記上面の前記一の端部と直交する両端部のそれぞれから突出する上側外フラップと、前記底面の前記第2側面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する下側外フラップと、前記第1側面及び前記第2側面の前記上面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する内フラップと、を有する一枚のシート基材を備え、
前記シート基材の前記底面と前記第1側面とを、前記糊代部と前記第1側面とを接着させることによって連結させるとともに、前記シート基材の前記上側外フラップと前記下側外フラップとを、前記内フラップ上で接着させることによって連結させることで、前記六面体形状に形成され、
前記底面における前記底面中央よりも前記糊代部側には、所定の大きさの内部領域を形成する底面ミシン目が設けられており、
前記底面ミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、当該底面ミシン目で形成された内部領域が当該家庭用薄葉紙収納箱の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面ミシン目の起点及び終点は、前記底面と前記糊代部との境界上に位置していることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部には、前記底面ミシン目の起点及び終点から延長する延長ミシン目が設けられていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記下側外フラップには、所定の大きさの内部領域を形成するフラップミシン目が設けられており、
前記フラップミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、当該フラップミシン目で形成された内部領域が当該家庭用薄葉紙収納箱の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部には、当該糊代部の前記底面と連結された端部と略直交する一方の端部から他方の端部に亘って、前記底面と前記糊代部との境界に略平行な糊代部ミシン目が設けられていることを特徴とする。
【0011】
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部ミシン目は、凹みにより形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、積層された家庭用薄葉紙が内部に収納され、上面に設けられた取出口を被覆するように、スリットを有するフィルムが内側の面に貼着され、スリットを通して内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができる、六面体形状の家庭用薄葉紙収納箱において、上面と、上面の一の端部と連結する第1側面と、上面の前記一の端部と対向する端部と連結する第2側面と、第2側面の上面と連結された端部と対向する端部と連結する底面と、底面の第2側面と連結された端部と対向する端部と連結する糊代部と、上面の前記一の端部と直交する両端部のそれぞれから突出する上側外フラップと、底面の第2側面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する下側外フラップと、第1側面及び第2側面の上面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する内フラップと、を有する一枚のシート基材を備え、シート基材の底面と第1側面とを、糊代部と第1側面とを接着させることによって連結させるとともに、シート基材の上側外フラップと下側外フラップとを、内フラップ上で接着させることによって連結させることで、六面体形状に形成され、底面における底面中央よりも糊代部側には、所定の大きさの内部領域を形成する底面ミシン目が設けられており、底面ミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、当該底面ミシン目で形成された内部領域が当該家庭用薄葉紙収納箱の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となるよう構成されている。
したがって、底面ミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加え、底面ミシン目で形成された内部領域を収納箱の内側に折り曲げて指を挿入し、その状態で、第1側面を収納箱の外側に向けて倒すように力を加えることによって、底面と第1側面との連結を容易に解除することができる。これにより、上面の内側の面を露出させることができるため、上面の内側の面からフィルムを容易に確実にはがすことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、図を参照して、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。なお、発明の範囲は、図示例に限定されない。
本実施の形態では、家庭用薄葉紙としてティシューペーパーを例示して、家庭用薄葉紙収納箱としてティシューペーパー収納箱を例示して、説明することとする。
【0014】
<収納箱の構成>
図1は、本発明のティシューペーパー収納箱100(以下、「収納箱100」という。)の平面斜視図、図2は、収納箱100の底面斜視図、図3は、組み立てる前の状態の収納箱100の外側(表側)の面を示す平面図、図4は、組み立てる前の状態の収納箱100の内側(裏側)の面を示す平面図である。
【0015】
収納箱100は、例えば、長手方向の長さが160〜250mm、短手方向の長さが100〜120mm、高さが50〜120mmの略直方体状(六面体形状)に形成されている。
収納箱100の内部には、積層されたティシューペーパー200,…が収納されている。
収納箱100の内側の面には、収納箱100の上面20に設けられた取出口21を被覆するように、スリット91を有するフィルム90が貼着されており、スリット91を通して内部のティシューペーパー200を取り出すことができるようになっている。
【0016】
具体的には、収納箱100は、例えば、略長方形状の上面20と、上面20の一の長手端部と連結する略長方形状の第1側面10と、上面20の第1側面10と連結された長手端部と対向する長手端部と連結する略長方形状の第2側面30と、第2側面30の上面20と連結された長手端部と対向する長手端部と連結する略長方形状の底面40と、底面40の第2側面30と連結された長手端部と対向する長手端部と連結する略長方形状の糊代部50と、上面20の長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する略長方形状の上側外フラップ60,60と、底面40の長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する略長方形状の下側外フラップ70,70と、第1側面10及び第2側面30の長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する略長方形状の内フラップ80,80,80,80と、を有する一枚のシート基材1と、上面20の内側の面に貼着された一枚の略長方形状のフィルム90と、などを備えて構成される。
収納箱100において、例えば、第1側面10、上面20、第2側面30、底面40、糊代部50、上側外フラップ60、下側外フラップ70及び内フラップ80を有するシート基材1は、紙製であり、フィルム90は、特に限定はしないがポリエチレンやポリプロピレンなどのプラスチック製である。
【0017】
収納箱100は、例えば、図3及び図4に示すような組み立てる前の状態から、糊代部50の外側の面と第1側面10の内側の面とを接着させることによって、底面40と第1側面10とを連結させるとともに、上側外フラップ60の内側の面と下側外フラップ70の外側の面とを内フラップ80,80上で接着させることによって、上側外フラップ60と下側外フラップ70とを連結させることで組み立てられて、例えば、図1及び図2に示すような略直方体状に形成されるようになっている。
【0018】
上面20の略中央には、例えば、上面20の長手方向に長尺に形成された取出口21が設けられている。
この取出口21は、上面20に設けられたミシン目を切って、上面20の一部を切り取ることにより形成される。
【0019】
取出口21を被覆するフィルム90は、例えば、図4に示すように、接着剤92によって上面20の内側の面に貼着されている。
フィルム90の略中央には、スリット91が設けられている。スリット91の長さは、例えば、取出口21の長手方向の長さと略同一となるよう設定されている。
【0020】
下側外フラップ70には、例えば、所定の大きさの内部領域を形成するフラップミシン目71が設けられている。フラップミシン目71で形成された内部領域は、例えば、下側外フラップ70の底面40と連結された長手端部に対向する長手端部側から下側外フラップ70の底面40と連結された長手端部に向かって突出する形状をなしている。
フラップミシン目71は、例えば、貫通孔により形成されている。すなわち、フラップミシン目71は、下側フラップ70を貫通している。
ここで、以下、下側外フラップ70の底面40と連結された一端をフラップ連結端70aと呼び、下側外フラップ70の底面40と連結された一端(フラップ連結端70a)と対向する一端をフラップ長手自由端70bと呼ぶ場合がある。
【0021】
具体的には、フラップミシン目71は、例えば、下側外フラップ70における下側外フラップ70中央よりもフラップ長手自由端70b側に設けられ、フラップ長手自由端70bと略平行な平行部7111とこの平行部7111の両端からフラップ長手自由端70bに向けて略直角に折曲した折曲部7112,7112とからなる略コ字形状の第1フラップミシン目711と、下側外フラップ70の略中央に設けられ、第1フラップミシン目711の平行部7111からフラップ連結端70aに向かって突出する略U字形状の第2フラップミシン目712と、からなる。
第1フラップミシン目711の起点711a及び終点711bは、例えば、フラップ長手自由端70b上に位置している。また、第2フラップミシン目712の起点712a及び終点712bは、例えば、第1フラップミシン目711の平行部7111上に位置している。
【0022】
第1フラップミシン目711は、例えば、上側外フラップ60と下側外フラップ70とが接着された状態では、上側外フラップ60に覆われている。
また、上側外フラップ60と下側外フラップ70とが接着された状態で、第2フラップミシン目712で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、第2フラップミシン目712が切れて、第2フラップミシン目712で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がり、指を挿入可能な指穴が下側外フラップ70に形成されるようになっている。
【0023】
上側外フラップ60と下側外フラップ70とは、接着剤によって接着されている。上側外フラップ60と下側外フラップ70とが接着された状態では、例えば、下側外フラップ70における、第1フラップミシン目711の平行部7111よりもフラップ長手自由端70b側に、接着剤が塗布されている方が好ましい。すなわち、上側外フラップ60と下側外フラップ70とが接着された状態では、少なくとも、フラップミシン目71のうちの、第2フラップミシン目712上と、第1フラップミシン目711の平行部7111上と、には接着剤が塗布されていない方が好ましい。第2フラップミシン目712上と、第1フラップミシン目711の平行部7111上と、に接着剤を塗布しないことで、より容易に上側外フラップ60と下側外フラップ70との連結を解除できるようになる。
したがって、第2フラップミシン目712で形成された内部領域に指を当てて力を加えることにより形成された指穴に指を挿入して、上側外フラップ60を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えると、第1フラップミシン目711が切れて、上側外フラップ60と下側外フラップ70との連結を容易に解除できるようになっている。
【0024】
第2フラップミシン目712が描く略U字の大きさ、すなわち、第2フラップミシン目712で形成された内部領域の大きさは、第2フラップミシン目712で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がった際、下側外フラップ70に指を挿入可能な指穴が形成されるのであれば任意であり、具体的には、例えば、第2フラップミシン目712で形成された内部領域の幅(下側フラップ70の長手方向に沿った長さ)としては、1.5cm〜5cmが好ましく、第2フラップミシン目712で形成された内部領域の高さ(下側フラップ70の短手方向に沿った長さ)としては、1.5cm〜4cmが好ましい。なぜならば、内部領域の幅や高さが1.5cm未満であると指が入れづらくなるからである。また、内部領域の幅が5cmを超えたり、内部領域の高さが4cmを超えたりすると、ミシン目で形成された内部領域が大きくなってしまうため、収納箱100を組み立てる際にミシン目での折れや凹みが発生し易くなるとともに、指穴を形成する際に強く押さないと指穴が開きにくくなるからである。
【0025】
第1フラップミシン目711が描く略コ字の大きさ、すなわち、第1フラップミシン目711で形成された内部領域の大きさは、下側外フラップ70に形成された指穴に指を挿入して、上側フラップ60を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えると、第1フラップミシン目711が切れて、上側外フラップ60と下側外フラップ70との連結を解除できるのであれば任意であり、具体的には、例えば、第1フラップミシン目711で形成された内部領域の幅(下側フラップ70の長手方向に沿った長さ)としては、第2フラップミシン目712で形成された内部領域の幅以上が好ましく、第1フラップミシン目711で形成された内部領域の高さ(下側フラップ70の短手方向に沿った長さ)としては、上側外フラップ60と下側外フラップ70とが接着された状態で、第1フラップミシン目711が上側外フラップ60に覆われる高さが好ましい。
【0026】
底面40には、例えば、所定の大きさの内部領域を形成する略U字形状の底面ミシン目41が設けられている。底面ミシン目41で形成された内部領域は、例えば、糊代部50側から底面40中央に向かって突出する形状をなしている。
底面ミシン目41は、例えば、貫通孔が並んで形成されている。すなわち、底面ミシン目41は、底面40を貫通している。
ここで、以下、糊代部50の底面40と連結された一端を糊代部連結端50aと呼び、糊代部50の底面40と連結された一端(糊代部連結端50a)と対向する一端を糊代部長手自由端50bと呼ぶ場合がある。
【0027】
具体的には、底面ミシン目41は、例えば、底面40における底面40中央よりも糊代部50側に設けられている。
底面ミシン目41の起点41a及び終点41bは、例えば、糊代部連結端50a(底面40と糊代部50との境界)上に位置している。
【0028】
糊代部50と第1側面10とが接着された状態で、底面ミシン目41で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、底面ミシン目41が切れて、底面ミシン目41で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がり、指を挿入可能な指穴が底面40に形成されるようになっている。
【0029】
底面ミシン目41が描く略U字の大きさ、すなわち、底面ミシン目41で形成された内部領域の大きさは、底面ミシン目41で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がった際、底面40に指を挿入可能な指穴が形成されるのであれば任意であり、具体的には、例えば、底面ミシン目41で形成された内部領域の幅W(底面40の長手方向に沿った長さ(図5参照))としては、1.5cm〜5cmが好ましく、底面ミシン目41の内部領域の高さH(底面40の短手方向に沿った長さ(図5参照))としては、1.5cm〜4cmが好ましい。なぜならば、内部領域の幅Wや高さHが1.5cm未満であると指が入れづらくなるからである。また、内部領域の幅Wが5cmを超えたり、内部領域の高さHが4cmを超えたりすると、ミシン目で形成された内部領域が大きくなってしまうため、収納箱100を組み立てる際にミシン目での折れや凹みが発生し易くなるとともに、指穴を形成する際に強く押さないと指穴が開きにくくなるからである。
【0030】
糊代部50には、例えば、底面ミシン目41の起点41a及び終点41bから延長する延長ミシン目51,51が設けられているとともに、糊代部連結端50a(底面40と糊代部50との境界)に略平行な糊代部ミシン目52が設けられている。
延長ミシン目51は、例えば、貫通孔により形成されており、糊代部ミシン目52は、例えば、凹みにより形成されている。すなわち、延長ミシン目51は、糊代部50を貫通しているのに対し、糊代部ミシン目52は、糊代部50を貫通していない。糊代部ミシン目52が貫通していると、糊代部50と第1側面10との張り合わせ部分の強度が低下してしまうが、糊代部ミシン目52を貫通しない凹みにより形成することで、糊代部50と第1側面10との張り合わせ部分の強度を保ちながら底面40と第1側面10の連結を容易に解除できるようになる。
具体的には、糊代部ミシン目52を形成する凹みは、例えば、図3及び図4に示すように、糊代部50の内側の面に設けられている。
【0031】
具体的には、延長ミシン目51は、例えば、糊代部連結端50aに略直交するように、糊代部連結端50aから糊代部長手自由端50bに亘って設けられている。
また、糊代部ミシン目52は、例えば、糊代部50の短手方向略中央の位置に、糊代部50の一方の短手端部から他方の短手端部に亘って設けられている。
【0032】
糊代部50と第1側面10とは、接着剤によって接着されている。糊代部50と第1側面10とが接着された状態では、糊代部ミシン目52上には接着剤が塗布されていない方が好ましい。糊代部ミシン目52上に接着剤を塗布しないことで、より容易に底面40と第1側面10との連結を解除できるようになる。
また、糊代部50と第1側面10とが接着された状態では、延長ミシン目51上に接着剤を塗布しない方が良い。更に好ましくは、延長ミシン目51上と、延長ミシン目51と糊代部連結端50aと糊代部長手自由端50bとに囲まれた部分と、に接着剤を塗布しない方が良い。延長ミシン目51上に接着剤を塗布しないことで、或いは、延長ミシン目51上と、延長ミシン目51と糊代部連結端50aと糊代部長手自由端50bとに囲まれた部分と、に接着剤を塗布しないことで、より容易に底面40と第1側面10との連結を解除できるようになる。
したがって、底面ミシン目41で形成された内部領域に指を当てて力を加えることにより形成された指穴に指を挿入して、第1側面10を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えると、延長ミシン目51と、糊代部ミシン目52と、が切れて、底面40と第1側面10との連結を容易に解除できるようになっている。
【0033】
<収納箱の展開方法>
図6は、収納箱100の展開における途中段階を示す収納箱100の底面斜視図、図7は、展開した状態の収納箱100の外側(表側)の面を示す平面図、図8は、展開した状態の収納箱100の内側(裏側)の面を示す平面図である。
【0034】
収納箱100は、例えば、収納箱100の内部に収納されたティシューペーパー200を使い切ると、収納箱100の嵩を減らした状態で、かつ、紙とフィルム90とを分別した状態で捨てるために、展開されるようになっている。
【0035】
具体的には、収納箱100が組み立てられた状態(例えば、図1や図2)において、第2フラップミシン目712で形成された内部領域に指を当てて、第2フラップミシン目712で形成された内部領域を収納箱100の内側に向けて倒すように力を加えることにより、下側フラップ70に指穴を形成する。
【0036】
次いで、下側外フラップ70に形成された指穴に指を挿入して、上側外フラップ60を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えることにより、例えば、図6に示すように、上側外フラップ60と下側外フラップ70との連結を解除する。
【0037】
次いで、底面ミシン目41で形成された内部領域に指を当てて、底面ミシン目41で形成された内部領域を収納箱100の内側に向けて倒すように力を加えることにより、底面40に指穴を形成する。
【0038】
次いで、底面40に形成された指穴に指を挿入して、第1側面10を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えることにより、例えば、図7及び図8に示すように、底面40と第1側面10との連結を解除して、収納箱100を展開する。
【0039】
そして、収納箱100を展開した状態において、上面20からフィルム90をはがすと、フィルム90を容易に確実にはがすことができるため、紙(シート基材1)とフィルム90とを分別することができる。
また、収納箱100を展開してから収納箱100を捨てると、収納箱100を展開する前と比較して収納箱100の嵩を減らすことができる。
【0040】
以上説明した本発明の収納箱100によれば、上面20と、上面20の一の長手端部と連結する第1側面10と、上面20の前記一の長手端部と対向する長手端部と連結する第2側面30と、第2側面30の上面20と連結された長手端部と対向する長手端部と連結する底面40と、底面40の第2側面30と連結された長手端部と対向する長手端部と連結する糊代部50と、上面20の前記一の長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する上側外フラップ60,60と、底面40の第2側面30と連結された長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する下側外フラップ70,70と、第1側面10及び第2側面30の上面20と連結された長手端部と直交する短手両端部のそれぞれから突出する内フラップ80,80,80,80と、を有する一枚のシート基材1を備え、シート基材1の底面40と第1側面10とを、糊代部50と第1側面10とを接着させることによって連結させるとともに、シート基材1の上側外フラップ60と下側外フラップ70とを、内フラップ80,80上で接着させることによって連結させることで、六面体形状に形成され、底面40における底面40中央よりも糊代部50側には、所定の大きさの内部領域を形成する底面ミシン目41が設けられており、底面ミシン目41で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、底面ミシン目41で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となるよう構成されている。
したがって、底面ミシン目41で形成された内部領域に指を当てて力を加え、底面ミシン目41で形成された内部領域を収納箱100の内側に折り曲げて指を挿入し、その状態で、第1側面10を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えることによって、底面40と第1側面10との連結を容易に解除することができる。これにより、上面20の内側の面を露出させることができるため、上面20の内側の面からフィルム90を容易に確実にはがすことができる。
【0041】
また、以上説明した本発明の収納箱100によれば、底面ミシン目41の起点41a及び終点41bは、底面40と糊代部50との境界(糊代部連結端50a)上に位置している。また、糊代部50には、底面ミシン目41の起点41a及び終点41bから延長する延長ミシン目51,51が設けられているとともに、糊代部50の長手端部と略直交する一方の短手端部から他方の短手端部に亘って、底面40と糊代部50との境界(糊代部連結端50a)に略平行な糊代部ミシン目52が設けられている。
したがって、底面ミシン目41で形成された内部領域を収納箱100の内側に折り曲げて指を挿入した状態で、第1側面10を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えることによって、底面40と第1側面10との連結を容易に確実に解除することができる。
【0042】
また、以上説明した本発明の収納箱100によれば、下側外フラップ70には、所定の大きさの内部領域を形成するフラップミシン目71が設けられており、フラップミシン目71の第2フラップミシン目712で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、第2フラップミシン目712で形成された内部領域が収納箱100の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となる。
したがって、第2フラップミシン目712で形成された内部領域に指を当てて力を加え、第2フラップミシン目712で形成された内部領域を収納箱100の内側に折り曲げて指を挿入し、その状態で、上側外フラップ60を収納箱100の外側に向けて倒すように力を加えることによって、上側外フラップ60と下側外フラップ70との連結を容易に解除することができる。これにより、収納箱100を展開することができるため、上面20の内側の面からフィルム90を容易に確実にはがすことができる。
【0043】
また、以上説明した本発明の収納箱100によれば、糊代部ミシン目52は、凹みにより形成されている。すなわち、糊代部ミシン目52は、糊代部50を貫通していない。
したがって、収納箱100の強度を保持しながら、底面40と第1側面10との連結を容易に確実に解除できる構造とすることができる。
【0044】
なお、本発明は、上記した実施の形態のものに限るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0045】
<変形例1>
上記した実施の形態において、底面ミシン目41の形状は、略U字形状に限ることはなく、例えば、図9に示す収納箱1100の底面140に設けられた底面ミシン目141のように、略V字形状であっても良い。
【0046】
この場合も、底面ミシン目141で形成された内部領域の大きさは、底面ミシン目141で形成された内部領域が収納箱1100の内側に折れ曲がった際、底面140に指を挿入可能な指穴が形成されるのであれば任意であり、具体的には、例えば、底面ミシン目141で形成された内部領域の幅Wとしては、1.5cm〜5cmが好ましく、底面ミシン目141で形成された内部領域の高さHとしては、1.5cm〜4cmが好ましい。
【0047】
<変形例2>
上記した実施の形態において、糊代部50は、延長ミシン目51を有するものに限ることはなく、例えば、図10に示す収納箱2100の糊代部250のように、延長ミシン目51を有していなくても良い。
なお、この場合、底面ミシン目41の形状は、変形例1のように略V字形状であっても良い。
【0048】
<変形例3>
上記した変形例2において、底面ミシン目41の起点41a及び終点41bは、糊代部連結端50a(底面40と糊代部250との境界)上に位置するものに限ることはなく、例えば、図11に示す収納箱3100の底面340に設けられた底面ミシン目341のように、糊代部連結端50aよりも底面340中央側に位置していても良い。
なお、この場合、底面ミシン目341の形状は、変形例1のように略V字形状であっても良い。
【0049】
この場合、底面ミシン目341の起点41a及び終点41bから糊代部連結端50aまでの距離D(図11参照)は、底面ミシン目341で形成された内部領域を収納箱3100の内側に折り曲げて指を挿入した状態で、第1側面10を収納箱3100の外側に向けて倒すように力を加えることによって、底面340と第1側面10との連結を容易に解除するという観点から、1.5cm以下が好ましい。
【0050】
なお、上記した実施の形態及び変形例1において、延長ミシン目51は、糊代部連結端50aから糊代部長手自由端50bに亘って設けられるものに限ることはなく、糊代部連結端50aから糊代部50の所定位置に亘って設けられていれば良く、例えば、糊代部連結端50aから糊代部ミシン目52上に亘って設けられていても良い。
【0051】
また、上記した実施の形態及び変形例1において、底面ミシン目41,141の形状は、略U字形状や略V字形状に限ることはなく、底面ミシン目41,141で形成された内部領域に指を当てて力を加え、底面ミシン目41,141で形成された内部領域を収納箱100,1100の内側に折り曲げると、底面40,140に、指を挿入可能な指穴を形成できる形状であれば任意であり、例えば、略コ字形状であっても良い。
変形例2及び変形例3の場合も同様である。
この場合も、底面ミシン目で形成された内部領域の大きさは、底面ミシン目で形成された内部領域が収納箱の内側に折れ曲がった際、底面に指を挿入可能な指穴が形成されるのであれば任意であり、具体的には、例えば、底面ミシン目で形成された内部領域の幅Wとしては、1.5cm〜5cmが好ましく、底面ミシン目で形成された内部領域の高さHとしては、1.5cm〜4cmが好ましい。なぜならば、内部領域の幅Wや高さHが1.5cm未満であると指が入れづらくなるからである。また、内部領域の幅Wが5cmを超えたり、内部領域の高さHが4cmを超えたりすると、ミシン目で形成された内部領域が大きくなってしまうため、収納箱を組み立てる際にミシン目での折れや凹みが発生し易くなるとともに、指穴を形成する際に強く押さないと指穴が開きにくくなるからである。
【0052】
また、上記した実施の形態において、糊代部50は、糊代部ミシン目52を有するものに限ることはなく、糊代部ミシン目52を有していなくても良い。
変形例1〜3の場合も同様である。
【0053】
また、上記した実施の形態において、糊代部ミシン目52を形成する凹みは、糊代部50の内側の面に設けられるものに限ることはなく、糊代部50の外側の面に設けられていても良い。
変形例1〜3の場合も同様である。
【0054】
また、上記した実施の形態において、糊代部ミシン目52は、凹みにより形成されるものに限ることはなく、貫通孔により形成されたものであっても良い。すなわち、糊代部ミシン目52は、糊代部50を貫通していても、貫通していなくても良い。
その他のミシン目も同様であり、底面ミシン目41は、底面40を貫通していても、貫通していなくても良いし、フラップミシン目71は、下側外フラップ70を貫通していても、貫通していなくても良いし、延長ミシン目51は、糊代部50を貫通していても、貫通していなくても良い。
変形例1〜3の場合も同様である。
【0055】
また、上記した実施の形態において、収納箱100の形状は、長手方向の長さが160〜250mm、短手方向の長さが100〜120mm、高さが50〜120mmの略直方体状に限ることはなく、六面体形状であれば任意であり、例えば、略立方体状であっても良い。
変形例1〜3の場合も同様である。
【0056】
また、上記した実施の形態において、家庭用薄葉紙収納箱は、ティシューペーパー収納箱100に限ることはなく、収納する対象が家庭用薄葉紙であれば、ボックス入りトイレットペーパーや、キッチンペーパー、クッキングペーパーなどの収納箱であっても良い。
変形例1〜3の場合も同様である。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の家庭用薄葉紙収納箱(ティシューペーパー収納箱)の平面斜視図である。
【図2】本発明のティシューペーパー収納箱の底面斜視図である。
【図3】本発明のティシューペーパー収納箱であって、組み立てる前の状態のティシューペーパー収納箱の外側の面を示す平面図である。
【図4】本発明のティシューペーパー収納箱であって、組み立てる前の状態のティシューペーパー収納箱の内側の面を示す平面図である。
【図5】本発明のティシューペーパー収納箱の要部(底面ミシン目及びその近傍)を示す図である。
【図6】本発明のティシューペーパー収納箱の展開における途中段階を示すティシューペーパー収納箱の底面斜視図である。
【図7】本発明のティシューペーパー収納箱であって、展開した状態のティシューペーパー収納箱の外側の面を示す平面図である。
【図8】本発明のティシューペーパー収納箱であって、展開した状態のティシューペーパー収納箱の内側の面を示す平面図である。
【図9】変形例1のティシューペーパー収納箱の要部(底面ミシン目及びその近傍)を示す図である。
【図10】変形例2のティシューペーパー収納箱の要部(底面ミシン目及びその近傍)を示す図である。
【図11】変形例3のティシューペーパー収納箱の要部(底面ミシン目及びその近傍)を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 シート基材
10 第1側面
20 上面
30 第2側面
40,140,340 底面
41,141,341 底面ミシン目
41a 起点
41b 終点
50,250 糊代部
51 延長ミシン目
52 糊代部ミシン目
60 上側外フラップ
70 下側外フラップ
71 フラップミシン目
80 内フラップ
21 取出口
90 フィルム
91 スリット
100,1100,2100,3100 ティシューペーパー収納箱(家庭用薄葉紙収納箱)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
積層された家庭用薄葉紙が内部に収納され、上面に設けられた取出口を被覆するように、スリットを有するフィルムが内側の面に貼着され、前記スリットを通して内部の家庭用薄葉紙を取り出すことができる、六面体形状の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記上面と、前記上面の一の端部と連結する第1側面と、前記上面の前記一の端部と対向する端部と連結する第2側面と、前記第2側面の前記上面と連結された端部と対向する端部と連結する底面と、前記底面の前記第2側面と連結された端部と対向する端部と連結する糊代部と、前記上面の前記一の端部と直交する両端部のそれぞれから突出する上側外フラップと、前記底面の前記第2側面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する下側外フラップと、前記第1側面及び前記第2側面の前記上面と連結された端部と直交する両端部のそれぞれから突出する内フラップと、を有する一枚のシート基材を備え、
前記シート基材の前記底面と前記第1側面とを、前記糊代部と前記第1側面とを接着させることによって連結させるとともに、前記シート基材の前記上側外フラップと前記下側外フラップとを、前記内フラップ上で接着させることによって連結させることで、前記六面体形状に形成され、
前記底面における前記底面中央よりも前記糊代部側には、所定の大きさの内部領域を形成する底面ミシン目が設けられており、
前記底面ミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、当該底面ミシン目で形成された内部領域が当該家庭用薄葉紙収納箱の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項2】
請求項1に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記底面ミシン目の起点及び終点は、前記底面と前記糊代部との境界上に位置していることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項3】
請求項2に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部には、前記底面ミシン目の起点及び終点から延長する延長ミシン目が設けられていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記下側外フラップには、所定の大きさの内部領域を形成するフラップミシン目が設けられており、
前記フラップミシン目で形成された内部領域に指を当てて力を加えると、当該フラップミシン目で形成された内部領域が当該家庭用薄葉紙収納箱の内側に折れ曲がって、指が挿入可能となることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一項に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部には、当該糊代部の前記底面と連結された端部と略直交する一方の端部から他方の端部に亘って、前記底面と前記糊代部との境界に略平行な糊代部ミシン目が設けられていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。
【請求項6】
請求項5に記載の家庭用薄葉紙収納箱において、
前記糊代部ミシン目は、凹みにより形成されていることを特徴とする家庭用薄葉紙収納箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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