説明

家庭用頭髪染めキャップ

【課題】面倒な手間が掛からず家庭において頭髪全体、あるいは頭髪の所望の部位に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で頭髪に付着させることができ、しかも多くの備品も必要とせず極めて安価な家庭用頭髪染めキャップを提供することを目的とするものである。
【解決手段】柔軟な合成樹脂シート類により人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ充填した易破裂性の合成樹脂シート類の小室を複数設けるとともに、当該小室にピンを付設して袋体上から小室を加圧してピンにより破裂させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたことを特徴とする家庭用頭髪染めキャップ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、一般の家庭で頭髪を染める際に使用される家庭用頭髪染めキャップに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、一般家庭で一人で頭髪を染める場合、染液を直接頭髪に振り掛けて塗りクシか指ですくようにしている。ところで、前記染液は脱色作用が有り、このため衣服、床、家具等に染液が飛び散っても良いように、例えば衣服の上にはケープを巻き付けてガードし、床等には新聞紙を敷き詰めるようにしている。また手指は染液が直接触れないようにビニール手袋を着用するなどして保護している。
さらに、頭皮以外で頭髪の生え際や耳等に染液が付着すると、はれ,かゆみといった皮膚の異常をきたす恐れが有ることから、直ぐに水に湿した脱脂綿で拭き取るようにしている。また、染液が付着しても落とし易いようにコールドクリームを予め塗っておくようにしている。これらのことから、コールドクリーム、脱脂綿、ティッシュペーパー及びタオル等細かい備品を数多く揃えて準備していた。
一方、頭部に被着される袋体の頂部に前頭部から後頭部にかけて縦方向の切り込み口を設けたヘヤーキャップが従来知られている。
【0003】
しかしながら、前者の場合、上半身に衣服の上からケープをまとい、更に、床等には新聞紙を敷くなど面倒な手間が多く、しかもクシ,ビニール,手袋,該手袋用の輪ゴム,コールドクリーム,脱脂綿,ティッシュペーパー,タオル等多くの備品を取り揃えねばならず、大掛りになりこれらの管理にも余分な注意を払わねばならないといった課題があった。
また、後者のヘヤーキャップを頭髪染めに際して流用するとき、鏡を見ながら自分でヘヤーキャップ内に染液を注入することになるが、後頭部が見えにくいために切り込み口の後端から染液をしばしばヘヤーキャップの外へ飛び散らかしたり、零したりして衣服に付着させたり床等に染液をこぼすことが考えられ極めて使いにくいという欠点があった。
【0004】
そこで、登録実用新案第3047064号公報(特許文献1参照)のように、柔軟な合成樹脂シートにより人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の前頭部位置には手指が容易に出し入れできる開閉自在な切り込み口を横一文字状に設けて構成した家庭用頭髪染めキャップが周知である。
そして、前記切り込み口にはファスナーを取着し、該ファスナーを解放した切り込み口から手に持った染液の容器を差し入れて袋体内に染液を注入し、次いでファスナー等を閉じて切り込み口を密閉した状態で袋体の外から頭髪を揉んで染液を頭髪に付着させるようになっている。この際、挿入口の周縁に頭部の周囲に密着する締付帯が周設され、頭部を締め付けているので、挿入口の縁から染液が外に洩れ出るようなことがない。
【特許文献1】登録実用新案第3047064号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、2つの液を混合して使用する染液においては上述のような方法では頭髪全体、あるいは頭髪の所望の部位に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で付着させることは困難であり、望ましい染め具合を得ることは非常に難しかった。特に家庭において部分的に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で頭髪に付着させることは極めて困難であるとされていた。
そこで、この発明はかかる課題を解決すべくなされたもので、面倒な手間が掛からず家庭において頭髪全体、あるいは頭髪の所望の部位に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で頭髪に付着させることができ、しかも多くの備品も必要とせず極めて安価な家庭用頭髪染めキャップを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、この発明に係る家庭用頭髪染めキャップは、柔軟な合成樹脂シート類により人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ充填した易破裂性の合成樹脂シート類の小室を複数設けるとともに、当該小室にピンを付設して袋体上から小室を加圧してピンにより破裂させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたことを特徴とするものである。
【0007】
またこの発明に係る家庭用頭髪染めキャップは、柔軟な合成樹脂シート類により人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ別々の隔室に充填し、かつ下部に複数の放出チューブを取り付けた筒状体を複数設けるとともに、当該筒状体上部にピンを付設した押圧体をはめ込んだ上、押圧体で筒状体を加圧してピンにより隔室を破裂させて放出チューブから放出させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0008】
以上述べたように、この発明の家庭用頭髪染めキャップは、柔軟な合成樹脂シートからなる袋体を人体の頭部に被着し、袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ充填した易破裂性の合成樹脂シート類の小室を複数設けるとともに、当該小室にピンを付設して袋体上から小室を加圧してピンにより破裂させるか、もしくは袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ別々の隔室に充填し、かつ下部に複数の放出チューブを取り付けた筒状体を複数設けるとともに、当該筒状体上部にピンを付設した押圧体をはめ込んだ上、押圧体で筒状体を加圧してピンにより隔室を破裂させて放出チューブから放出させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたものである。
したがって、家庭において頭髪全体、あるいは頭髪の所望の部位に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で頭髪に付着させることができ、しかも多くの備品も必要とせず極めて安価な家庭用頭髪染めキャップを提供することが可能となった。
【0009】
また、頭髪の長さが違っても、この発明の請求項1あるいは請求項2のいずれかの発明を選択して、適宜その長さに応じて頭髪を染めることが可能であり、染液の配合量や配合割合等の難しい調整が不要となって、誰にでも簡単に頭髪を所望のカラーに染めることができるようになった。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明に係る家庭用頭髪染めキャップの実施の形態を図面に基いて詳細に説明する。
図1はこの発明の家庭用頭髪染めキャップの1実施例を示す平面図、図2はその要部を示す拡大断面図、図3は頭部を挿入するための挿入口部分を示す底面図、図4は袋体の適所に設けた筒状体の例を示す斜視図、図5はその概略断面図、図6はこの発明の家庭用頭髪染めキャップの他の実施例を示す平面図である。
【0011】
図1および図3において、1は人体の頭部に余裕を持たせて被着されるキャップ状の袋体であり、該袋体1はポリ塩化ビニールやエチレンー酢ビコポリマー、ポリエチレン等の合成樹脂シート類により形成され柔軟性を有する。
そして、その下面に頭部を挿入するための挿入口2が開設されるとともに該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯3が周設されている。前記締付帯3は図3に示すように所要の幅を有する偏平なベルト素材からなり、一方の端部を延長した上、面ファスナ5を備えた自由端4として開放し、他方の対向する面ファスナ6を備えた端部に当接して面ファスナ5,6部分で接合されるようにしている。
上記ベルト素材として、防水シート製の基材に厚めの綿や高吸水性樹脂材料等の素材を積層した構成が望ましい。こうすると、綿や高吸水性樹脂材料等の素材が染液を吸収して内側まで液垂れすることがない。また、締付帯3近傍の袋体1には切込みやギャザー等が形成されていて伸縮可能であり、被用者の頭部の大きさに合わせて締め付けることができるようになっている。
【0012】
しかして、袋体1の周辺部位には図1に示すように1液と2液とをランダムに、あるいは綿の方向に対して交互にそれぞれ充填した、多数の小室7が適宜間隔で設けられている。この小室7は、前記袋体1の適所に易破裂性の合成樹脂シート類を膨らませて接着することにより形成されている。また当該小室7の位置する袋体1の合成樹脂シート類には適宜複数のピン8を例えば放射状に植設しておき、袋体1上から小室7を加圧すればピン8が小室7の易破裂性の合成樹脂シート類を破裂させるようにしてある。したがって、袋体1上から小室7をなでるようにこすって加圧すれば、ピン8が小室7の易破裂性の合成樹脂シート類を破裂させ、染液の1液と2液とを混合した状態で頭髪にしみこませることができ、簡単かつ迅速に頭髪を染めることができる。
なお、ピン8は小室7の易破裂性の合成樹脂シート類を破裂させることのできる剛性を有するとともに、頭皮に触れても頭皮を傷付けることのない柔軟性を兼ね備えた材質であることが望ましい。
図中9は耳覆いで、染液が耳に触れないようにするためのものである。
【0013】
図4および図5は、図1の家庭用頭髪染めキャップの袋体1の中央部位の適所に設けた筒状体11を示すものである。すなわちこの筒状体11は、1液と2液とをそれぞれ別々の隔室12,13に充填し、かつ下部に長さを異にする複数の放出チューブ14を取り付けることによって形成されている。
【0014】
また、15は当該筒状体11の上部に位置する蛇腹状の押圧体で、その下部にはピン16が付設されている。そしてこの押圧体15を筒状体11の上部にはめ込んだ上、図5(a)のように押圧体15を上から加圧すると、蛇腹状の押圧体15が圧縮されてピン16が下降し、図5(b)のように筒状体11の上部を加圧してピン16が隔室12,13を破裂させるので、その下部で1液と2液は混合された上(図の混合状態参照)、異なる長さの放出チューブ14から放出される。したがって、1液と2液とを混合した状態で、手を染液で汚すことなく頭髪をその長さに応じてまんべんなく染めることができるのである。
【0015】
なお筒状体11の配置やサイズは被用者の頭部のサイズや頭髪の長さ、染液の濃さ等を勘案して適宜決定することができる。図1では中央の筒状体11−1を大きく、その周囲に4つ設けた筒状体11−2をやや小さくして配置しているが、その配置やサイズは自由に決めることができる。
この筒状体11の使用に際しては、頭髪の長い被用者は輪ゴム等でポニーテールまたはしばれる箇所でしばった上で適用することが望ましい。例えば、上記放出チューブ14を頭髪に差し込んだ上でしばることができる。このように放出チューブ14が頭髪をもぐって奥まで挿入され、かつバラバラに頭髪に差し込まれることが望ましい。
【0016】
図6はこの発明の家庭用頭髪染めキャップの他の実施例を示すものであり、1は人体の頭部に余裕を持たせて被着されるキャップ状の袋体である。この例では、袋体1には図1の実施例と同様、1液と2液とをそれぞれ充填した多数の小室7が適宜間隔で設けられ、この小室7は、前記袋体1の適所に易破裂性の合成樹脂シート類を膨らませて接着することにより形成されている。また当該小室7の位置する袋体1の合成樹脂シート類には適宜複数のピン(図示せず)を植設しておき、袋体1上から小室7をなでるようにこすって加圧すれば、ピンが小室7の易破裂性の合成樹脂シート類を破裂させ、自動的に1液と2液とが混合されて頭髪が染められるようにしてある。
【0017】
なおこの実施例では、1液と2液とをそれぞれ充填した多数の小室7を袋体1の周辺部位のみならず、その中央部分にも適宜間隔で配置している。そして、小室7のピン(図示せず)を備えた構成等は図1の実施例と同様に構成してある。
したがって、袋体1上から小室7をなでるようにこすって加圧すれば、ピンが小室7の易破裂性の合成樹脂シート類を破裂させ、染液の1液と2液とを混合した状態で頭髪にしみこませることができ、簡単かつ迅速に頭髪を染めることができる。
【0018】
このようにこの発明の家庭用頭髪染めキャップは、図1の実施例のように、柔軟な合成樹脂シートからなる袋体1を人体の頭部に被着し、袋体1の適所に1液と2液とをそれぞれ充填した易破裂性の合成樹脂シート類の小室7を複数設けるとともに、当該小室7にピン8を付設して袋体1上から小室7を加圧してピン8により破裂させるか、もしくは、図6の実施例のように、袋体1の適所に1液と2液とをそれぞれ別々の隔室12,13に充填し、かつ下部に複数の放出チューブ14を取り付けた筒状体11を複数設けるとともに、当該筒状体11上部にピン16を付設した押圧体15をはめ込んだ上、押圧体15で筒状体11を加圧してピン16により隔室12,13を破裂させて放出チューブ14から放出させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたものである。
したがって、家庭において頭髪全体、あるいは頭髪の所望の部位に染液を均一な量で、あるいは均一な配合割合で頭髪に付着させることができ、しかも多くの備品も必要とせず極めて安価な家庭用頭髪染めキャップを提供することが可能となった。
【0019】
また、頭髪の長さが違っても、この発明の第1実施例あるいは第2実施例のいずれかの発明を選択して、適宜その長さに応じて頭髪を染めることが可能であり、染液の配合量や配合割合等の難しい調整が不要となって、誰にでも簡単に頭髪を所望のカラーに染めることができるようになった。
ちなみに第1実施例のものは、頭髪がしばることができる長さもしくは約5cm以上の長い頭髪用として、第2実施例のものは約5cm以下の短い頭髪用として好適に利用することができる。
【0020】
図7は、本発明に係る家庭用頭髪染めキャップの更に別の実施例を示す断面図である。図示された家庭用頭髪染めキャップは、人体の頭部に余裕を持たせて被着されるキャップ状の袋体1であり、外面に放射状に適宜間隔に複数設置された針20とおよび差込口21を有する。上記針20は、上記家庭用頭髪染めキャップの外面に適宜間隔に複数設置されており、筒状体11の先端部に設けられた閉鎖シール22に刺通する。前記筒状体11は、内部にカラー剤を充填し、先端部がストロー状に細くなり、閉鎖シール22を有する。この筒状体11の先端ストロー部の閉鎖シール22に任意の箇所の針20を刺通することで、頭部の任意の箇所に筒状体11内のカラー剤を染み込ませることができ、頭髪の任意の箇所を染めることができる。なお、上記針20は、主にプラスチック製であるが、金属製や、その他の素材であっても良い。
【0021】
図8は、図7に示す筒状体を用いた際の応用例を示す断面図である。頭髪にパーマをあてる際には、任意の箇所の頭髪をロッド30に巻き付けロッドはさみ31で固定する。この時、本応用例では、筒状体11にパーマ液を充填し、ロッドはさみ31の外側の2箇所に針20および差込口21を設け、筒状体11の先端ストロー部の閉鎖シール22に針20を刺通することで、筒状体11に充填されたパーマ液を任意の箇所の頭髪に染み込ませる。このようにすることで、頭髪にあらかじめパーマ液を染み込ませる必要がなくなり、パーマ作業時間の短縮につながる。
【0022】
図9は、図8に示すロッドの応用例を示す立体図である。図示されたロッド32は、筒状をなし、中央に細径部33を設けてある。前記細径部33の表面は、面ファスナー構造であり、頭髪を保持できるようになっている。ここで、ロッド32の細径部33に頭髪の一部の毛束34を巻きつけ、ロッドはさみ32によりロッド31を挟み、差込口21から筒状体に充填された液剤を毛束34に染み込ませる。このような構造にすることで、例えば液剤にカラー剤を使用すれば、メッシュやブリーチ等、部分的に染めることができる。
【0023】
図10は、図9に示すロッドの別の応用例の立体図である。図示されたロッド35は、筒状をなし、側面にらせん状の頭髪保持面36を設けてある。前記らせん状の頭髪保持面36は、図9に示したロッド32の細径部33同様、面ファスナー構造であり、頭髪を保持できるようになっている。ここで、ロッド35のらせん状の頭髪保持面36に毛束37を巻きつけ保持し、ロッドはさみ32によりロッド35を挟み、差込口21から筒状体に充填された液剤を毛束37に染み込ませる。このような構造にすることで、例えば液剤にパーマ剤を使用すれば、ツイストパーマ等、任意の形状のパーマに仕上げることができる。
【0024】
図11は、図4、図5に示す筒状体の別の実施例を示す断面図である。図示した筒状体40は、A液、B液をそれぞれ別々の中央部隔室41,42に充填する。また上部に蛇腹状の押圧体15を有し、前記押圧体15は下部にピン16を付設している。なお、前記押圧体15を上から加圧すると、蛇腹状の押圧体15が圧縮され、ピン16が下降し筒状体40の中央部隔室41,42を破裂させるので、各液はその下部で混合された上で下端より放出される。隔室41,42は各種液剤を充填してあり、使用用途にそって液剤入りの隔室を選択し詰め替えることができる詰め替え式隔室(例えば小袋)である。
【0025】
ここで、上記筒状体40の下部には、複数の放出チューブがついたノズルタイプ44、あるいはストロー単独タイプ45、あるいはブラシタイプ46、あるいは綿棒タイプ47を取り付けることが可能である。このような構造にすることで、筒状体40内の液剤の放出形態を頭髪の髪質や長さ等に応じて選択することができる。
【0026】
図12(a),(b),(c),(d)は、本発明に係る筒状体の各種応用例を示す断面図である。
(a) 下部にピン16を付設してなる蛇腹状の押圧体15を上部に備え、中央部に単独のカラー剤を充填し、下部にはストロー単独タイプ45の放出口を備えてなる筒状体50と、前記筒状体50の先端の閉鎖シール21に刺通する針20を備えた差込口51を端部に設け、他端部には適宜間隔に複数設置された放出孔52を備えてなるパーツ53を示す。
(b) (a)と同様の筒状体50と、前記筒状体50先端の閉鎖シール21に刺通する針20を備えた差込口51を端部に設け、他端部には、ハケ状ブラシ54を備え、筒状体50から流入された液剤を先端より放出することが可能な多数の放出孔52をハケ状ブラシ54の根元に備えてなるパーツ55を示す。
(c) 下部にピン16を付設してなる蛇腹状の押圧体15を上部に備え、中央部にカラー剤と二液とをそれぞれ別々の隔室56,57に充填し、下部には各隔室に通ずるストロー単独タイプ45の放出口を備えてなる筒状体58と、上記筒状体58の先端の閉鎖シール21に刺通する針20を備えた差込口51を端部に設け、他端部には、筒状体58から流入された液剤を先端より放出することが可能なクシ形状59を備えてなるパーツ60を示す。
(d) (a)と同様の筒状体50を2つ並列に並べ、両筒状体50の放出口の経路を途中で隣接させ差込口51に挿入可能とした筒状体61と、上記筒状体61の先端の閉鎖シール21に刺通する針20を備えた差込口51を端部に設け、他端部には、筒状体61から流入された液剤を放出することが可能なスポンジ62を備えてなるパーツ63を示す。
【0027】
図11および図12に示したように、本発明に係る筒状体は、液剤入り隔室を使用用途によって詰め替えることが出来、さらに、液剤を頭髪に染み込ませる際に頭髪の髪質、長さ等に応じて選択した任意のパーツに接続することが可能なカートリッジ式である。このように、状況に応じて選択した液剤およびパーツのいずれにも対応できる筒状体によって、髪染め作業の効率向上と時間短縮が可能となる。もちろん、筒状体およびパーツの組み合わせは、上記(a),(b),(c),(d)に限らず、任意に選択し組み合わせて使用することができる。
【0028】
図13は、図12に示すパーツの別の応用例を示す断面図である。図示したパーツ64は、端部にクシ形状65と、パーツ64の側面中央部に取っ手66を設けている。また、筒状体67の先端の閉鎖シール21を針20で刺通し、筒状体67に充填さした液剤をパーツ64に流入する。このような構造にすることで、筒状体67から流入されクシ形状65の先端部から放出される液剤を、頭髪をとかしながら髪に染み込ませる際、取っ手66を持つことで、より容易に液剤を頭髪に染み込ませることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように構成された、この発明の家庭用頭髪染めキャップは、ヘアダイやヘアマニキュア、ヘナ、その他のいわゆるカラーリングと称する種々の染液の使用に対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の家庭用頭髪染めキャップの1実施例を示す平面図である。
【図2】その要部を示す拡大断面図である。
【図3】頭部を挿入するための挿入口部分を示す底面図である。
【図4】袋体の適所に設けた筒状体の例を示す斜視図である。
【図5】その概略断面図である。
【図6】この発明の家庭用頭髪染めキャップの他の実施例を示す平面図である。
【図7】本発明に係る家庭用頭髪染めキャップの更に別の実施例を示す断面図である。
【図8】図7に示す筒状体を用いた際の応用例を示す断面図である。
【図9】図8に示すロッドの応用例を示す立体図である。
【図10】図9に示すロッドの別の応用例の立体図である。
【図11】図4、図5に示す筒状体の別の実施例を示す断面図である。
【図12】(a),(b),(c),(d)は、本発明に係る筒状体の各種応用例を示す断面図である。
【図13】本発明に係る筒状体の更に別の応用例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0031】
1 袋体
2 挿入口
3 締付帯
4 自由端
5,6 面ファスナ
7 小室
8 ピン
9 耳覆い
11 筒状体
11−1,11−2 筒状体
12,13 隔室
14 放出チューブ
15 押圧体
16 ピン
20 針
21 差込口
22 閉鎖シール
30 ロッド
31 ロッドはさみ
32 ロッド
33 細径部
34 毛束
35 ロッド
36 頭髪保持面
37 毛束
40 筒状体
41,42 隔室
44 ノズルタイプ
45 ストロー単独タイプ
46 ブラシタイプ
47 綿棒タイプ
50 筒状体
51 差込口
52 放出孔
53 パーツ
54 ハケ状ブラシ
55 パーツ
56,57 隔室
58 筒状体
59 クシ形状
60 パーツ
61 筒状体
62 スポンジ
63 パーツ
64 パーツ
65 クシ形状
66 取っ手
67 筒状体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な合成樹脂シート類により人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ充填した易破裂性の合成樹脂シート類の小室を複数設けるとともに、当該小室にピンを付設して袋体上から小室を加圧してピンにより破裂させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたことを特徴とする家庭用頭髪染めキャップ。
【請求項2】
柔軟な合成樹脂シート類により人体の頭部に被着される袋体を形成し、該袋体の下面に前記頭部を挿入するための挿入口を開設し、該挿入口の周縁に伸縮自在な締付帯を周設し、前記袋体の適所に1液と2液とをそれぞれ別々の隔室に充填し、かつ下部に複数の放出チューブを取り付けた筒状体を複数設けるとともに、当該筒状体上部にピンを付設した押圧体をはめ込んだ上、押圧体で筒状体を加圧してピンにより隔室を破裂させて放出チューブから放出させ、1液と2液とを混合した状態で頭髪を染めることができるようにしたことを特徴とする家庭用頭髪染めキャップ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−43433(P2006−43433A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−182814(P2005−182814)
【出願日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(504252422)
【Fターム(参考)】