説明

家庭電気製品収納庫

【課題】家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫において、家庭電気製品本来の機能を維持したまま過電流保護を行う。
【解決手段】キャビネット内に設けた第1の給電手段3と第2の給電手段4に流れる電流を検知し、検知した電流に応じて第1の電源制御手段10と第2の電源制御手段11により給電手段を入り切りする。キャビネットを制御する制御手段15は、検知電流を第1のパルス変換手段12と第2のパルス変換手段13によりパルスに変換し、変換されたパルスをパルス認識手段14により認識し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで給電手段に接続された家庭電気製品が何かを判別し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合に家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家庭電気製品収納庫は、家庭電気製品収納庫内に、収納する家庭電気製品に電力を供給する2個のコンセントを備え、所定の電流値を越えると一方のコンセントを切断する構成になっていた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平11−253251号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の構成では、意図した接続と異なる接続を行った場合、切断したコンセントに接続した家庭電気製品が動作途中でその機能を停止すると、例えば炊飯器では炊飯中のお米が再使用不可能な場合が発生するという問題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、家庭電気製品収納庫に収納される家庭電気製品を認識し、機能の途中停止に対する優先順位を設け、過電流保護時優先順位の低い家庭電気製品へ給電する給電手段を遮断することにより、家庭電気製品本来の機能を維持したまま過電流保護を行うことを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、キャビネット内に家庭電気製品を収納する家庭電気製品収納部を設け、この家庭電気製品収納部に家庭電気製品へ給電する複数の給電手段を設け、キャビネットを制御手段により制御し、各給電手段に流れる電流を電流検知手段により検知し、検知した電流に応じて電源制御手段により給電手段を入り切りすることを可能とするよう構成し、制御手段は、検知電流をパルス変換手段によりパルスに変換し、変換されたパルスをパルス認識手段により認識し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで給電手段に接続された家庭電気製品が何かを判別し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合に給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成したものである。
【0006】
これにより、キャビネット内に収納した家庭電気製品に使用される電力が所定の値を超過した場合、優先順位の低い家庭電気製品への給電を選択的に停止することができ、家庭電気製品の機能停止による被害が拡大するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品に使用される電力が所定の値を超過した場合、優先順位の低い家庭電気製品への給電を選択的に停止することができ、家庭電気製品の機能停止による被害が拡大するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部に設け家庭電気製品へ給電する複数の給電手段と、前記キャビネットを制御する制御手段と、各給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段と、検知した電流に応じて前記給電手段を入り切りすることを可能とする電源制御手段とを備え、前記制御手段は、検知電流をパルスに変換するパルス変換手段と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段とを有し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで給電手段に接続された家庭電気製品が何かを判別し、前記給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合に前記給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて前記電源制御手段により前記給電手段への給電を停止するよう構成したものであり、家庭電気製品収納部に収納される家庭電気製品を認識し、機能の途中停止に対する優先順位を設けることができて、過電流保護時優先順位の低い家庭電気製品へ給電する給電手段を遮断することにより、家庭電気製品本来の機能を維持したまま過電流保護を行うことができ、家庭電気製品の機能停止による被害が拡大するのを防止することができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、家庭電気製品の所有する情報を表示する表示手段を備え、前記表示手段は認識した家庭電気製品を表示し使用者に知らせるようにしたものであり、表示手段に認識した家庭電気製品を表示することで、家庭電気製品を使用者が確認することができ、認識誤りによる誤動作を低減することができる。
【0010】
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、家庭電気製品の所有する情報を報知する報知手段を備え、前記報知手段は認識した家庭電気製品を報知し使用者に知らせるようにしたものであり、報知手段により認識した家庭電気製品を報知することで、家庭電気製品を離れた位置にいる使用者や、表示を見ていない使用者が確認することができ、認識誤りによる誤動作をより一層低減することができる。
【0011】
第4の発明は、上記第2または第3の発明において、表示手段は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを表示し使用者に知らせるようにしたものであり、家庭電気製品収納庫の誤使用を防止することができる。
【0012】
第5の発明は、上記第第3の発明において、報知手段は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを報知し使用者に知らせるようにしたものであり、離れた位置にいる使用者や、表示を見ていない使用者に報知することができるため、より家庭電気製品収納庫の誤使用を防止することができる。
【0013】
第6の発明は、上記第1の発明において、検知電流をパルスに変換するパルス変換手段と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段に代えて、使用者が給電手段に接続する家庭電気製品を設定する機器設定手段を備え、設定した家庭電気製品を表示手段に表示し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合、使用者が前記機器設定手段の入力により設定した給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成したものであり、使用者の使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0014】
第7の発明は、上記第6の発明において、設定した家庭電気製品を報知手段により報知し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合、前記機器設定手段の入力に応じて給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成したものであり、より使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0015】
第8の発明は、上記第2の発明において、表示手段は、給電手段が使用中である場合、使用中であることを表示するようにしたものであり、キャビネット内に収納された家庭電気製品が見難い場合でも、使用者は何の家庭電気製品が使用中であるかを容易に認識することができ、使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0016】
第9の発明は、上記第3の発明において、報知手段は、給電手段が使用中である場合、使用中であることを報知するようにしたものであり、より使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0017】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0018】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫のブロック図を示し、図2は、同家庭電気製品収納庫の斜視図を示すものである。
【0019】
図2に示すように、キャビネット1は、前面が開口した家庭電気製品収納部2を有し、この家庭電気製品収納部2に家庭電気製品(図示せず)を載置して収納するように構成している。第1の給電手段(給電手段)3および第2の給電手段(給電手段)4はコンセントにより構成し、家庭電気製品を接続して給電するもので、家庭電気製品収納部2に設けている。キャビネット1には家庭電気製品収納庫を制御する制御手段15を設けている。表示手段5は家庭電気製品の所有する情報を表示するものであり、報知手段6は家庭電気製品の所有する情報を報知するものである。
【0020】
第1の給電手段3は、図1に示すように、第1の電流検知手段8と第1の電源制御手段(電源制御手段)10を介して商用電源を供給する分電盤7に接続し、第2の給電手段4は、第2の電流検知手段9と第2の電源制御手段(電源制御手段)11を介して分電盤7に接続している。
【0021】
制御手段15は、第1の給電手段8および第2の給電手段9による検知電流をそれぞれパルスに変換する第1のパルス変換手段(パルス変換手段)12および第2のパルス変換手段(パルス変換手段)13と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段14とを有し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで第1の給電手段3および第2の給電手段4に接続された家庭電気製品が何かを判別し、第1の給電手段3または第2の給電手段4に流れる電流が所定の値を超過した場合に、第1の給電手段3および第2の給電手段4に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11により第1の給電手段3または第2の給電手段4への給電を停止するよう構成している。
【0022】
上記構成において動作、作用を説明する。まず、図3を用いてパルス変換手段について説明する。パルス変換手段は図3(c)に示すように、第1の電流検知手段8および第2の電流検知手段9を構成するカレントトランスCTに接続したコンパレータCを有し、第1の給電手段3や第2の給電手段4に接続された家庭電化製品が動作し電流が流れると、カレントトランスCTにより検知した図3(a)に示すような電流波形と閾値AをコンパレータCで比較することにより、その出力に図3(b)に示すような矩形波を得る。
【0023】
家庭電気製品がその機器に応じて所定のパターンで通電することにより、電流検知手段により検知した検知電流を、上述のように矩形波に変換しそのパルスパターンにより認識することで第1の給電手段3および第2の給電手段4に接続された家庭電気製品が何かを判別する。例えば、第1の給電手段3に接続された家庭電気製品が炊飯器で、固有の通電パターンとして、図4(a)に示すように、‘HLHLLLLL’の通電パターンを有する場合、このパルスは2進数で‘10100000’と認識できる。このとき、始めの‘1010’はパルスを認識するための識別信号とすると、炊飯器の固有の信号は‘0000’と判別できる。また、第2の給電手段4に接続された家庭電気製品がジャーポットで固有の通電パターンとして、図4(b)に示すように、‘HLHLLLLH’の通電パターンを有する場合、このパルスは2進数で‘10100001’と認識できる。このとき、始めの‘1010’はパルスを認識するための識別信号とすると、ジャーポットの固有の信号は‘0001’と判別できる。
【0024】
このように家庭電気製品の固有の信号を有し、固有の通電パターンで通電する家庭電気製品が家庭電器収納部2に収納されて使用されている場合、例えば炊飯器であれば炊飯の開始時、ジャーポットであれば湯沸しの開始時に、第1の給電手段3に接続された家庭電気製品や、第2の給電手段4に接続された家庭電気製品を認識することができる。
【0025】
このとき、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流は15Aまでである場合、10Aの炊飯器の炊飯と10Aのジャーポットの湯沸しが同時に行われると、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えることとなる。そこで、制御手段15は第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11を制御し、一方の通電を停止することで、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えないよう制御する。
【0026】
しかしながら、炊飯器は炊飯の途中で強制的に炊飯を停止した場合、ご飯ができないばかりでなく途中から炊飯を継続することはできない。したがって、炊飯器とジャーポットの優先順位としては炊飯器のほうが高い。そこで、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えた場合、ジャーポットの給電を行っている第2の給電手段4の給電を停止することにより、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えずに、炊飯を完了することができ、第2の給電手段4の給電を再開した場合、そのまま湯沸しを行うことができる。
【0027】
このとき、図5に示すように、LCDなどの表示手段5に認識した家庭電気製品を表示し、また、音声などの報知手段6で認識した家庭電気製品を報知することで、使用者は認識した家庭電気製品を確認することができる。
【0028】
さらに、家庭電気製品収納部2の中に収納して使用することを禁止している家庭電気製品、例えば、高温になるオーブントースタなどの家庭電気製品が第1の給電手段3と第2の給電手段4に接続されたことを制御手段15により認識した場合、LCDなどの表示手段5に、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部2での使用は禁止であることを表示し、また、音声などの報知手段6で、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部2内での使用は禁止であることを報知することで、使用者は誤使用に気付くことができる。
【0029】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段15は、第1の給電手段8および第2の給電手段9による検知電流をそれぞれパルスに変換する第1のパルス変換手段および第2のパルス変換手段と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段14とを有し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで第1の給電手段3および第2の給電手段4に接続された家庭電気製品が何かを判別し、第1の給電手段3または第2の給電手段4に流れる電流が所定の値を超過した場合に、第1の給電手段3および第2の給電手段4に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11により第1の給電手段3または第2の給電手段4への給電を停止するよう構成したので、家庭電気製品収納部2に収納される家庭電気製品を認識し、機能の途中停止に対する優先順位を設けることができて、過電流保護時優先順位の低い家庭電気製品のコンセントを遮断することにより、家庭電気製品本来の機能を維持したまま過電流保護を行うことができ、家庭電気製品の機能停止による被害が拡大するのを防止することができる。
【0030】
また、家庭電気製品の所有する情報を表示する表示手段5により認識した家庭電気製品を表示し使用者に知らせるようにしたので、表示手段5に認識した家庭電気製品を表示することで、家庭電気製品を使用者が確認することができ、認識誤りによる誤動作を低減することができる。
【0031】
また、家庭電気製品の所有する情報を報知する報知手段6より認識した家庭電気製品を報知し使用者に知らせるようにしたので、報知手段6により認識した家庭電気製品を報知することで、家庭電気製品を離れた位置にいる使用者や、表示を見ていない使用者が確認することができ、認識誤りによる誤動作をより一層低減することができる。
【0032】
また、表示手段5は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部2への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを表示し使用者に知らせるようにしたので、キャビネット1の誤使用を防止することができる。
【0033】
また、報知手段6は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部2への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを報知し使用者に知らせるようにしたので、離れた位置にいる使用者や、表示を見ていない使用者に報知することができるため、よりキャビネット1の誤使用を防止することができる。
【0034】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫のブロック図を示し、図7は、同キャビネットの制御手段の正面図を示すものである。
【0035】
図6および図7に示すように、第1の機器設定手段16は第1の給電手段3に接続される家庭電気製品を使用者が設定するものであり、第2の機器設定手段17は第2の給電手段4に接続される家庭電気製品を使用者が設定するものである。第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17により設定した家庭電気製品を表示手段5に表示し、第1の給電手段3または第2の給電手段4に流れる電流が所定の値を超過した場合、使用者が第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17の入力により設定した第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて、第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11により第1の給電手段3または第2の給電手段4への給電を停止するよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0036】
上記構成において動作を説明する。使用者が家庭電気製品を家庭電気製品収納部2に収納した場合、使用者は表示手段5に表示される設定情報を確認しながら第1の給電手段3に接続した家庭電気製品を第1の機器設定手段16により設定する。また、同様に、第2の給電手段4に接続した家庭電気製品を第2の機器設定手段17により設定する。これにより、第1の給電手段3に接続された家庭電気製品や、第2の給電手段4に接続された家庭電気製品を認識することができる。ここで、表示手段5と合わせて報知手段6により音声で第1の機器設定手段16による設定および第2の機器設定手段17による設定を報知すると、なおよい。
【0037】
このとき、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流は15Aまでである場合、10Aの炊飯器の炊飯と10Aのジャーポットの湯沸しが同時に行われると、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えることとなる。そこで、制御手段15は第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11を制御し、一方の通電を停止することで、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えないよう制御する。
【0038】
しかしながら、炊飯器は炊飯の途中で強制的に炊飯を停止した場合、ご飯ができないばかりでなく、途中から炊飯を継続することはできない。したがって、炊飯器とジャーポットの優先順位としては炊飯器の方が高い。そこで、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えた場合、ジャーポットの給電を行っている第2の給電手段4の給電を停止することにより、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えずに、炊飯を完了することができ、第2の給電手段4の給電を再開した場合そのまま湯沸しを行うことが可能となるため、家庭電気製品収納部2に収納する家庭電気製品は、その機器固有の所定のパターンの通電を行わない家庭電気製品でもよく、使い勝手のよい家庭電気製品収納庫とすることができる。
【0039】
以上のように、本実施の形態においては、第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17により設定した家庭電気製品を表示手段5に表示し、第1の給電手段3または第2の給電手段4に流れる電流が所定の値を超過した場合、使用者が第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17の入力により設定した第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて、第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11により第1の給電手段3または第2の給電手段4への給電を停止するよう構成したので、使用者の使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0040】
また、第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17により設定した家庭電気製品を報知手段6に報知し、第1の給電手段3または第2の給電手段4に流れる電流が所定の値を超過した場合、使用者が第1の機器設定手段16または第2の機器設定手段17の入力により設定した第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて、第1の電源制御手段10または第2の電源制御手段11により第1の給電手段3または第2の給電手段4への給電を停止するよう構成したので、使用者のより使い勝手のよい家庭電気製品収納庫を提供することができる。
【0041】
なお、第1の給電手段もしくは第2の給電手段が使用中の場合、それを表示手段5に表示する、または報知手段6により音声で知らせることにより、使用者に注意を促がすことで、第1の給電手段3と第2の給電手段4の合計電流の定格を超えないように啓蒙するようにすると、なおよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品に使用される電力が所定の値を超過した場合、優先順位の低い家庭電気製品への給電を選択的に停止することができ、家庭電気製品の機能停止による被害が拡大するのを防止することができるので、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態1における家庭電気製品収納庫のブロック図
【図2】同家庭電気製品収納庫の斜視図
【図3】(a)同家庭電気製品収納庫の電流検知手段の電流波形図(b)同家庭電気製品収納庫のパルス変換手段の出力パルス波形図(c)同家庭電気製品収納庫のパルス変換手段の回路図
【図4】(a)同家庭電気製品収納庫の家庭電気製品の固有の通電パターンの一例の波形図(b)同家庭電気製品収納庫の家庭電気製品の固有の通電パターンの他の例の波形図
【図5】同家庭電気製品収納庫の制御手段の正面図
【図6】本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫のブロック図
【図7】同家庭電気製品収納庫の制御手段の正面図
【符号の説明】
【0044】
1 キャビネット
2 家庭電気製品収納部
3 第1の給電手段(給電手段)
4 第2の給電手段(給電手段)
8 第1の電流検知手段(電流検知手段)
9 第2の電流検知手段(電流検知手段)
10 第1の電源制御手段(電源制御手段)
11 第2の電源制御手段(電源制御手段)
12 第1のパルス変換手段(パルス変換手段)
13 第2のパルス変換手段(パルス変換手段)
14 パルス認識手段
15 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部に設け家庭電気製品へ給電する複数の給電手段と、前記キャビネットを制御する制御手段と、各給電手段に流れる電流を検知する電流検知手段と、検知した電流に応じて前記給電手段を入り切りすることを可能とする電源制御手段とを備え、前記制御手段は、検知電流をパルスに変換するパルス変換手段と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段とを有し、固有の通電パターンを有する家庭電気製品からの電流の通電パターンを変換されたパルスにより認識することで給電手段に接続された家庭電気製品が何かを判別し、前記給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合に前記給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて前記電源制御手段により前記給電手段への給電を停止するよう構成した家庭電気製品収納庫。
【請求項2】
家庭電気製品の所有する情報を表示する表示手段を備え、前記表示手段は認識した家庭電気製品を表示し使用者に知らせるようにした請求項1記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項3】
家庭電気製品の所有する情報を報知する報知手段を備え、前記報知手段は認識した家庭電気製品を報知し使用者に知らせるようにした請求項1または2記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項4】
表示手段は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを表示し使用者に知らせるようにした請求項2または3記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項5】
報知手段は、認識した家庭電気製品が家庭電気製品収納部への収納を禁止している家庭電気製品である場合、それを報知し使用者に知らせるようにした請求項3記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項6】
検知電流をパルスに変換するパルス変換手段と、変換されたパルスを認識するパルス認識手段に代えて、使用者が給電手段に接続する家庭電気製品を設定する機器設定手段を備え、設定した家庭電気製品を表示手段に表示し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合、使用者が前記機器設定手段の入力により設定した給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成した請求項1記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項7】
設定した家庭電気製品を報知手段により報知し、給電手段に流れる電流が所定の値を超過した場合、前記機器設定手段の入力に応じて給電手段に接続される家庭電気製品の優先度合いに応じて電源制御手段により給電手段への給電を停止するよう構成した請求項6記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項8】
表示手段は、給電手段が使用中である場合、使用中であることを表示するようにした請求項2記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項9】
報知手段は、給電手段が使用中である場合、使用中であることを報知するようにした請求項3記載の家庭電気製品収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−313182(P2007−313182A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−148077(P2006−148077)
【出願日】平成18年5月29日(2006.5.29)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】