説明

家庭電気製品収納庫

【課題】家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫において、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常が発生した場合に給電を停止し家庭電気製品の動作を停止することで、被害が拡大するのを防止する。
【解決手段】キャビネット内に設けた家庭電気製品収納部に家庭電気製品へ給電する第1の給電手段3と第2の給電手段4を設け、これら給電手段を第1の電源制御手段10と第2の電源制御手段11により入り切りし、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度を一酸化炭素濃度検知手段12により検知し、この一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率により制御手段15を動作するよう構成する。制御手段15は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が異常に変化した場合、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると第1の給電手段3と第2の給電手段4への給電を停止するよう構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に、前面が開口し家庭電気製品を収納する家庭電気製品収納部を設け、この家庭電気製品収納部の天面に家庭電気製品から排出される熱気・蒸気を外部へ排出する排出装置を設け、家庭電気製品から排出される熱気・蒸気を外部へ排出することで、家庭電気製品を収納した状態で使用できるよう構成していた(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特公平7−114735号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このような従来の構成では、キャビネット内に家庭電気製品を収納して使用しているとき、家庭電気製品の異常過熱などの異常があった場合に、そのまま使用を続けると家庭電気製品収納庫が故障するばかりでなく、被害が拡大する可能性があるという問題を有していた。
【0004】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常が発生した場合に給電を停止し家庭電気製品の動作を停止することで、被害が拡大するのを防止することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記目的を達成するために、キャビネット内に、家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部を設け、この家庭電気製品収納部に家庭電気製品へ給電する給電手段を設け、この給電手段を電源制御手段により入り切りし、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度を一酸化炭素濃度検知手段により検知し、この一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率により制御手段を動作するよう構成し、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が異常に変化した場合、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると給電手段への給電を停止するよう構成したものである。
【0006】
これにより、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常過熱など一酸化炭素を発生する異常が発生した場合に給電を停止することで、家庭電気製品の動作を停止することができ、被害が拡大するのを防止することができる。
【発明の効果】
【0007】
本発明の家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常過熱など一酸化炭素を発生する異常が発生した場合に家庭電気製品への給電を停止することで、キャビネット内に収納した家庭電気製品の動作を停止することができ、被害が拡大するのを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
第1の発明は、キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部に設け家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段を入り切りする電源制御手段と、前記家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度を検知する一酸化炭素濃度検知手段と、この一酸化炭素濃度検知手段の出力により動作する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が異常に変化した場合、前記一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記給電手段への給電を停止するよう構成したものであり、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常過熱などが発生した場合、一酸化炭素を発生する初期状態で家庭電気製品への給電を停止することでキャビネット内に収納した家庭電気製品の動作を停止することができ、被害が拡大するのを防止することができる。
【0009】
第2の発明は、上記第1の発明において、家庭電気製品から発生する蒸気を家庭電気製品収納部の外へ排出する蒸気処理手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記蒸気処理手段の動作を停止するよう構成したものであり、一酸化炭素濃度が一定のレベルを超えると蒸気処理手段の動作を停止するため、家庭電気製品収納部外からの空気の供給を抑え、異常過熱による被害の拡大を抑制することができる。
【0010】
第3の発明は、上記第2の発明において、一酸化炭素濃度検知手段を蒸気処理手段の蒸気受け部に設けたものであり、異常過熱による熱に伴う上昇気流に乗った一酸化炭素を検知しやすくすることができる。
【0011】
第4の発明は、上記第2の発明において、一酸化炭素濃度検知手段を蒸気処理手段の排出蒸気の通路内に設けたものであり、蒸気処理手段動作時に一酸化炭素を検知しやすくすることができる。
【0012】
第5の発明は、上記第1〜4のいずれか1つの発明において、家庭電気製品収納部内で異常過熱が発生した場合、それを復帰する復帰手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記復帰手段を動作させるようにしたものであり、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると復帰手段を動作させ、家庭電気製品収納部内における異常過熱による被害の拡大を抑制することができる。
【0013】
第6の発明は、上記第1〜5のいずれか1つの発明において、家庭電気製品収納庫の状態を表示し使用者に知らせる表示手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記表示手段に一酸化炭素濃度の上昇を表示するようにしたものであり、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると、表示手段に一酸化炭素濃度の上昇を表示することで、使用者に家庭電気製品収納部内の異常状態を知らせ、被害の拡大防止を促がすことができる。
【0014】
第7の発明は、上記第1〜5のいずれか1つの発明において、家庭電気製品収納庫の状態を報知し使用者に知らせる報知手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると報知手段により一酸化炭素濃度の上昇を報知するようにしたものであり、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると、報知手段により一酸化炭素濃度の上昇を報知することで、使用者が家庭電気製品収納庫から離れた場所にいる場合においても、家庭電気製品収納部内の異常状態を知らせ、被害の拡大防止を促がすことができる。
【0015】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における家庭電気製品収納庫のブロック図を示し、図2は、同家庭電気製品収納庫の斜視図を示すものである。
【0017】
図1および2に示すように、キャビネット1は、前面が開口した家庭電気製品収納部2を有し、この家庭電気製品収納部2に家庭電気製品(図示せず)を載置して収納するように構成している。第1の給電手段(給電手段)3および第2の給電手段(給電手段)4はコンセントにより構成し、家庭電気製品を接続して給電するもので、家庭電気製品収納部2に設けている。第1の電源制御手段(電源制御手段)10および第2の電源制御手段(電源制御手段)11はリレーにより構成し、それぞれ第1の給電手段3および第2の給電手段4を制御するようにしている。
【0018】
一酸化炭素濃度検知手段12は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度を検出するもので、制御手段15は、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率により動作するもので、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が異常に変化した場合、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、第1の電源制御手段10および第2の電源制御手段11を介して、分電盤7から第1の給電手段3および第2の給電手段4への商用電源の給電を停止するよう構成している。
【0019】
表示手段5は、家庭電気製品収納庫の状態を表示し、使用者に知らせるもので、LEDやLCDなどで構成し、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、表示手段5に一酸化炭素濃度の上昇を表示するようにしている。また、報知手段6は、家庭電気製品収納庫の状態を報知し、使用者に知らせるもので、ブザーや音声を報知する装置などで構成し、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知するようにしている。
【0020】
上記構成において動作を説明する。家庭電気製品収納部2には主にキッチンで使用される調理家電、例えば、ジャーポット、炊飯器、コーヒーメーカなどの家庭電気製品が収納される。これらの家庭電気製品は第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続されたまま置かれることが多い。ジャーポットであれば保温のまま昼夜を問わず、また、使用者の在、不在を問わず、第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されているのが常であり、炊飯器においても、予約炊飯や保温を考慮しても常時第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されていることが多い。
【0021】
ここで、これら家庭電気製品の使用中に何らかの不具合により家庭電気製品収納部2内で異常過熱が発生した場合、特に発生初期においては不完全燃焼のため一酸化炭素が多く発生する。一般的に、大気中の一酸化炭素濃度は、1ppm以下である。
【0022】
一酸化炭素濃度の上昇率は、図3に示すように、
(b−a)/(t2−t1)
で求められる。ここで、ある時点での一酸化炭素濃度が11ppmであり、10秒前の一酸化炭素濃度が1ppmの場合、上昇率は、(11−1)/10=1となり、一酸化炭素濃度の上昇率が1を超えれば異常と判断するようあらかじめ制御手段15に規定しておけば、家庭電気製品収納庫内の家庭電気製品への給電を停止する。第1の給電手段3および第2の給電手段4には、特にジャーポットや炊飯器のような熱利用機器が接続されるため、第1の給電手段3および第2の給電手段4への給電が停止すると、接続された家庭電気製品の自己発熱が停止する。このとき、表示手段5により、一酸化炭素濃度の上昇を表示するとともに、報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知する。
【0023】
以上のように、本実施の形態においては、制御手段15は、家庭電気製品収納部2内の一酸化炭素濃度上昇率が一定のレベルを超えると第1の給電手段3および第2の給電手段4への給電を停止するため、キャビネット1内に収納した家庭電気製品に異常過熱などが発生した場合、一酸化炭素を発生する初期状態で家庭電気製品への給電を停止することでキャビネット1内に収納した家庭電気製品の動作を停止することができ、被害が拡大するのを防止することができる。
【0024】
また、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると表示手段5に一酸化炭素濃度の上昇を表示するようにしたので、一酸化炭素濃度上昇率が一定のレベルを超えると、表示手段5に一酸化炭素濃度の上昇を表示することで、使用者に家庭電気製品収納部2内の異常状態を知らせることができ、速やかに異常状態の収束を図ることができる。
【0025】
また、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知するようにしたので、一酸化炭素濃度上昇率が一定のレベルを超えると、報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知することで、使用者が家庭電気製品収納庫から離れた場所にいる場合においても、家庭電気製品収納部2内の異常状態を知らせることができ、速やかに異常状態の収束を図ることができる。
【0026】
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫のブロック図を示し、図5は、同家庭電気製品収納庫の斜視図を示し、図6は同家庭電気製品収納庫の断面図を示すものである。
【0027】
図4〜図6に示すように、蒸気処理手段14は、家庭電気製品から発生する蒸気を家庭電気製品収納部2の外へ排出するもので、キャビネット1の上部に設け、蒸気処理手段14の蒸気受け部16に一酸化炭素濃度を検出する一酸化炭素濃度検知手段12を設けている。制御手段15は、蒸気処理手段14を制御するとともに、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、蒸気処理手段14の動作を停止するよう構成している。他の構成は上記実施の形態1と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0028】
上記構成において動作を説明する。家庭電気製品収納部2には主にキッチンで使用される調理家電、例えば、ジャーポット、炊飯器、コーヒーメーカなどの家庭電気製品が収納される。これらの家庭電気製品は第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続されたまま置かれることが多い。ジャーポットであれば保温のまま昼夜を問わず、また、使用者の在、不在を問わず、第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されているのが常であり、炊飯器においても、予約炊飯や保温を考慮しても常時第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されていることが多い。
【0029】
さらに、これらの家庭電気製品は水利用機器であり、これら家庭電気製品を使用時には蒸気が発生する。そのため、家庭電気製品収納部2の上部に、家庭電気製品から発生した蒸気を庫外に排出する蒸気処理手段14を設けており、家庭電気製品収納部2内の空気とともに家庭電気製品から発生した蒸気を吸引し、庫外に排出する。
【0030】
ここで、これら家庭電気製品の使用中に何らかの不具合により家庭電気製品収納部2内で異常過熱が発生した場合、特に発生初期においては不完全燃焼のため一酸化炭素が多く発生する。この場合、発生した熱により家庭電気製品収納部2内の空気は上昇気流が生じる。そこで、家庭電気製品収納部2の上部にある蒸気処理手段14の蒸気受け部16に一酸化炭素濃度検知手段12を設け、一酸化炭素濃度を検出する。
【0031】
一般的に、大気中の一酸化炭素濃度は、1ppm以下である。一酸化炭素濃度の上昇率は、上記実施の形態1と同様に、
(b−a)/(t2−t1)
で求められる。ここで、ある時点での一酸化炭素濃度が11ppmであり、10秒前の一酸化炭素濃度が1ppmの場合、上昇率は、(11−1)/10=1となり、一酸化炭素濃度の上昇率が1を超えれば異常と判断するようあらかじめ制御手段15に規定しておけば、家庭電気製品収納庫内の家庭電気製品への給電を停止する。第1の給電手段3および第2の給電手段4には、特にジャーポットや炊飯器のような熱利用機器が接続されるため、第1の給電手段3および第2の給電手段4への給電が停止すると、接続された家庭電気製品の自己発熱が停止する。このとき、表示手段5により、一酸化炭素濃度の上昇を表示するとともに、報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知する。
【0032】
以上のように、本実施の形態においては、家庭電気製品から発生する蒸気を家庭電気製品収納部2の外へ排出する蒸気処理手段14を備え、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、蒸気処理手段14の動作を停止するよう構成したので、一酸化炭素濃度の変化を捉えやすく、家庭電気製品収納部2内に収納した家庭電気製品はその動作を停止し、当該機器が熱利用機器である場合、その自己発熱を停止するのでキャビネット1の被害拡大を防止することができる。また、一酸化炭素濃度が一定のレベルを超えると蒸気処理手段14の動作を停止するため、家庭電気製品収納部2外からの空気の供給を抑え、異常過熱による被害の拡大を抑制することができる。
【0033】
また、一酸化炭素濃度検知手段12を蒸気処理手段14の蒸気受け部16に設けたので、異常過熱による熱に伴う上昇気流に乗った一酸化炭素を検知しやすくすることができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、一酸化炭素濃度検知手段12を蒸気処理手段14の蒸気受け部16に設けているが、蒸気処理手段14は家庭電気製品収納部2内の空気を外部に排出するものなので、蒸気処理手段14の排出蒸気の通路内に一酸化炭素濃度検知手段12を設けてもよく、これにより、蒸気処理手段14の動作時に一酸化炭素を検知しやすくすることができる。
【0035】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3における家庭電気製品収納庫のブロック図を示し、図8は、同家庭電気製品収納庫の断面図を示すものである。
【0036】
図7および図8に示すように、復帰手段13は、家庭電気製品収納部2内で異常過熱が発生した場合、それを復帰するもので、家庭電気製品収納部2内に水を散布できるように構成している。制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、復帰手段13を動作させるようにしている。他の構成は上記実施の形態1または2と同じであり、同一符号を付して説明を省略する。
【0037】
上記構成において動作を説明する。家庭電気製品収納部2には主にキッチンで使用される調理家電、例えば、ジャーポット、炊飯器、コーヒーメーカなどの家庭電気製品が収納される。これらの家庭電気製品は第1の給電手段3または第2の給電手段4に接続されたまま置かれることが多い。ジャーポットであれば保温のまま昼夜を問わず、また、使用者の在、不在を問わず、第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されているのが常であり、炊飯器においても、予約炊飯や保温を考慮しても常時第1の給電手段3または第2の給電手段4に挿入されていることが多い。
【0038】
さらに、これらの家庭電気製品は水利用機器であり、これら家庭電気製品を使用時には蒸気が発生する。そのため、家庭電気製品収納部2の上部に、家庭電気製品から発生した蒸気を庫外に排出する蒸気処理手段14を設けており、家庭電気製品収納部2内の空気とともに家庭電気製品から発生した蒸気を吸引し、庫外に排出する。
【0039】
ここで、これら家庭電気製品の使用中に何らかの不具合により家庭電気製品収納部2内で異常過熱が発生した場合、特に発生初期においては不完全燃焼のため一酸化炭素が多く発生する。この場合、発生した熱により家庭電気製品収納部2内の空気は上昇気流が生じる。そこで、家庭電気製品収納部2の上部にある蒸気処理手段14の蒸気受け部16に一酸化炭素濃度検知手段12を設け、一酸化炭素濃度を検出する。
【0040】
一般的に、大気中の一酸化炭素濃度は、1ppm以下である。一酸化炭素濃度の上昇率は、上記実施の形態1と同様に、
(b−a)/(t2−t1)
で求められる。ここで、ある時点での一酸化炭素濃度が11ppmであり、10秒前の一酸化炭素濃度が1ppmの場合、上昇率は、(11−1)/10=1となり、一酸化炭素濃度の上昇率が1を超えれば異常と判断するようあらかじめ制御手段15に規定しておけば、家庭電気製品収納庫内の家庭電気製品への給電を停止する。第1の給電手段3および第2の給電手段4には、特にジャーポットや炊飯器のような熱利用機器が接続されるため、第1の給電手段3および第2の給電手段4への給電が停止すると、接続された家庭電気製品の自己発熱が停止するとともに、復帰手段13から家庭電気製品収納部2内に水を散布して異常過熱を復帰する。
【0041】
このとき、表示手段5により、一酸化炭素濃度の上昇を表示するとともに、報知手段6により一酸化炭素濃度の上昇を報知する。
【0042】
以上のように、本実施の形態においては、家庭電気製品収納部2内で異常過熱が発生した場合、それを復帰する復帰手段13を備え、制御手段15は、家庭電気製品収納部2の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段12の出力上昇率が一定のレベルを超えると、復帰手段13を動作させるようにしたので、一酸化炭素濃度が一定のレベルを超えると復帰手段13を動作させ、家庭電気製品収納部2内における異常過熱による被害の拡大を抑制することができる。
【0043】
なお、本実施の形態では、復帰手段13は、水を散布するように構成しているが、水に代えて、異常過熱を冷却させる冷却剤を散布するようにしてもよく、この場合は、さらに高い効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
以上のように本発明にかかる家庭電気製品収納庫は、キャビネット内に収納した家庭電気製品に異常過熱など一酸化炭素を発生する異常が発生した場合に家庭電気製品への給電を停止することで、キャビネット内に収納した家庭電気製品の動作を停止することができ、被害が拡大するのを防止することができるので、家庭電気製品を収納した状態で使用できるようにした家庭電気製品収納庫として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施の形態1における家庭電気製品収納庫のブロック図
【図2】同家庭電気製品収納庫の斜視図
【図3】同家庭電気製品収納庫の家庭電気製品に異常過熱が発生したときの一酸化炭素濃度上昇を示す特性図
【図4】本発明の実施の形態2における家庭電気製品収納庫のブロック図
【図5】同家庭電気製品収納庫の斜視図
【図6】同家庭電気製品収納庫の断面図
【図7】本発明の実施の形態3における家庭電気製品収納庫のブロック図
【図8】同家庭電気製品収納庫の断面図
【符号の説明】
【0046】
1 キャビネット
2 家庭電気製品収納部
3 第1の給電手段(給電手段)
4 第2の給電手段(給電手段)
10 第1の電源制御手段(電源制御手段)
11 第2の電源制御手段(電源制御手段)
12 一酸化炭素濃度検知手段
15 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャビネットと、このキャビネット内に設け家庭電気製品を収納する前面が開口した家庭電気製品収納部と、この家庭電気製品収納部に設け家庭電気製品へ給電する給電手段と、この給電手段を入り切りする電源制御手段と、前記家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度を検知する一酸化炭素濃度検知手段と、この一酸化炭素濃度検知手段の出力により動作する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が異常に変化した場合、前記一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記給電手段への給電を停止するよう構成した家庭電気製品収納庫。
【請求項2】
家庭電気製品から発生する蒸気を家庭電気製品収納部の外へ排出する蒸気処理手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記蒸気処理手段の動作を停止するよう構成した請求項1記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項3】
一酸化炭素濃度検知手段を蒸気処理手段の蒸気受け部に設けた請求項2記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項4】
一酸化炭素濃度検知手段を蒸気処理手段の排出蒸気の通路内に設けた請求項2記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項5】
家庭電気製品収納部内で異常過熱が発生した場合、それを復帰する復帰手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記復帰手段を動作させるようにした請求項1〜4のいずれか1項に記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項6】
家庭電気製品収納庫の状態を表示し使用者に知らせる表示手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると前記表示手段に一酸化炭素濃度の上昇を表示するようにした請求項1〜5のいずれか1項に記載の家庭電気製品収納庫。
【請求項7】
家庭電気製品収納庫の状態を報知し使用者に知らせる報知手段を備え、制御手段は、家庭電気製品収納部の一酸化炭素濃度が上昇し、一酸化炭素濃度検知手段の出力上昇率が一定のレベルを超えると報知手段により一酸化炭素濃度の上昇を報知するようにした請求項1〜6のいずれか1項に記載の家庭電気製品収納庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−136605(P2009−136605A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−318144(P2007−318144)
【出願日】平成19年12月10日(2007.12.10)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】