説明

容器用キャップ組合せ及び容器用キャップ

【課題】 キャップの取扱いに影響を与えないように特にキャップを大きくすることなく、異なる収容物が収容された容器を簡易に識別すると共に開栓が困難となった場合でも十分にトルクを付加して容易に開栓する。
【解決手段】 容器用キャップ組合せ1は、複数の容器用キャップ10A乃至10Dから成っている。各容器用キャップ10A乃至10Dは、容器本体に取付けられるキャップ本体12と、このキャップ本体12の上方に設けられ、キャップ本体12の外周面12aとは異なる輪郭形状の外面14aを有する識別体14とから成っている。複数の容器用キャップ10A乃至10Dの識別体14A乃至14Dの外面14aは、相互に異なる形状を有している。キャップ本体12と相応する識別体14とは、別体に成形され、各容器用キャップ10A乃至10Dは、キャップ本体12と相応する識別体14とを相互に組み付けて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、目薬等を収容する容器に用いられる容器用キャップ組合せ及びその組合せに用いることができる容器用キャップの改良に関し、特に、キャップの識別及び繰り返しの開栓を容易とすることに関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、目薬等の容器に用いられるキャップは、一般に、図8に示すように、略円筒形状の外周面10aを有し、全て単一の形状に形成されていた。このため、一般的な容器用キャップ10が取付けられた容器2においては、複数の同種の容器2にそれぞれ異なる収容物を収容した場合、例えば、複数の容器2にそれぞれ異なる成分の目薬等が収容されている場合であっても、容器2、特に、そのキャップ10が全て同一の形状を有していたため、医薬の製造時、調剤時、点眼時等において、収容物を識別するためには、容器2に付されたラベル等を目視により確認して識別しなければならないので、取扱いが非常に面倒であった。
【0003】また、容器本体に螺旋回転によるねじ結合(以下、螺合という)等により取付けられ開閉される容器用キャップ10にあっては、キャップ10の開栓を容易とするため、図8に示すように、キャップ10の外周面10aに滑り止め機能を有する多数のローレット16が形成されている。しかし、このローレット16は、非常に微細な略鋸状の凹凸であり、また、特に目薬等の容器2のキャップ10のようにキャップ10が比較的小径である場合には、このローレット16のみでは開栓のためのトルクを充分に付加することができない場合があった。このため、例えば、収容物である点眼薬が、液漏れ等により、容器本体3とキャップ10との間の螺合部等に付着して凝固した場合等のように、開栓に大きな力を必要とする場合には、開栓が困難となる場合があった。
【0004】これらの一般的な容器用キャップ10の問題点については、図9に示すように、■キャップ本体12自体の外周面12aに複数の略半円状の突起40を形成することにより対応することが考えられる(実開平6−59244号公報参照)。また、図10に示すように、■キャップ本体12自体の外周面12aに容器2の軸線方向に延びる縦長の突条40′を、キャップ本体12の周方向に間隔をあけて形成して(実開昭62−108261号公報参照)、キャップ10の開栓を容易とし得る構成も開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの従来技術でも、その突起40又は突条40′は単一の形状を有するだけであり、これらを複数組合せても、触感によりキャップ10を識別することはできない。すなわち、単にキャップ本体12自体に突起40又は突条40′を付すだけでは、収容物の識別に対応することはできない。仮に、この従来技術において突起40又は突条40′自体の形状を複数のキャップ10間で異ならせるにしても、この程度の突起40又は突条40′では、必ずしも触っただけでキャップ10の形状を容易に識別することはできず、特に、小径の目薬用の容器2等に用いた場合には、相対的にその突起40又は突条40′も小さくなるため、収容物の識別は到底困難である。また、図9R>9に示す■の従来技術のように、突起40が、キャップ本体12の側面に設けられていると、複数の容器がケース内等に並んで配置されている場合には、特に、小さい容器用キャップにあっては、複数のキャップ間の間隔が狭くキャップの側面間に指等を挿入しにくいため、容易に識別することができない。
【0006】なお、■振りかけ容器に関する従来技術において、容器本体の上面に花柄のような模様が表されているのが示されている(実開昭55−117980号公報、実願平1−15643号(実開平2−108873号)のマイクロフィルム参照)。しかし、仮に、この容器の上面に現れた模様を異ならせて識別するにしても、この模様は、ほぼ平面的に表れているため、触感により容易に識別することはできない。また、一般に、点字は、触感により認識できるものとして、社会的に大きな意義を担っている。そこで、この点字をキャップの上面に付して触感により識別することも考えられるが、この点字は、ほぼ平面的に表された小さな点の集まりであるため、本来点字を必要とする人にとっても、また、それ以外の人にとっても、必ずしも触れただけでは直ちに識別することができないため、社会的にも、より容易に識別できるようにすることが望まれる。特に、点字を記憶していない人にとっては、必ずしも触感によっては容易に識別することができない。
【0007】一方、開栓を容易とする点についても、図9R>9及び図10に示す■、■の従来技術では、この突起40又は突条40′によりキャップ本体12にトルクを付加することが、一般的なキャップに比べて容易とはなるものの、突起40又は突条40′がキャップ本体12の外周面12aより外側に突出しているため、キャップ本体12全体の外形が大きくなる。このため、出荷や保存等のために、このキャップ10を整列等させるに際して、この突起によって特別に余分なスペースが必要になると共に容器の安定性が低くなる等、取扱いにおいて種々の弊害が生じて利便性が低下し、特に目薬等の容器2のように比較的小径の容器用キャップ10として用いるには不適切となる。特に、開栓を確実に容易とするために、この突起40や突条40′を更に大きくすると、その傾向が一層顕著となる。
【0008】また、キャップ本体12は、容器本体3のキャップ取付部に螺合等されるため、一般的に、この螺合等のためにある程度以上の大きさの内径をもって形成される。従って、とりわけ、図10に示す■の従来技術のように、このキャップ本体12の、容器本体3のキャップ取付部に螺合されるべき容器取付部18部分の外周面12aに、直接、突条40′を形成すると、キャップ本体12全体の外径が更に大きくなるため、上述したキャップ10が大きくなることによる取扱いの不便性の問題が生じる。その一方、この問題を回避するために、相互に螺合される容器本体3のキャップ取付部4の外径及びキャップ本体12の容器取付部18の内径を小さくすると、開栓するためには一層大きな力で回転させることが必要となり開栓が容易ではなくなると共に、成型加工が難しくなる問題が生じる。
【0009】一方、図9に示す■の従来技術では、この点につき、キャップ本体12のうちでも、容器本体3のキャップ取付部4に螺合されるべき容器取付部18より部分以外、より具体的には容器取付部18の上方の外周面12aにおいて突起40を形成している。しかし、このように突起40をキャップ本体12の外周面12aから突出させると、キャップ本体12のうち、この突起40を有する部分(突出部42)が、容器取付部18よりも外方に大きくなるため、図11(A)に示すように、キャップ10を把持しようとする場合、この突出部42が障害となり、必要以上に指を拡げなければ容器取付部18を摘みにくくなる。この場合、例えば、目薬の容器2のように比較的小径の容器用キャップ10では一般に指先の指の腹に力を入れて開栓するが、このように指を広げると指先に力を入れにくくなり、開栓が困難となる。
【0010】また、その結果、キャップ10を開栓する場合、図11(B)に示すように、キャップ本体12のうち、指先の指の腹に力を入れて主にこの突出部42のみを摘んで、回転による開栓を行う傾向が生じる。特に、目薬等のように小さい容器2ほど、キャップ10を上方から摘むことが多いため、突出部42が大きいと、その傾向が大きくなる。しかし、これでは、容器取付部18に直接回転力を与えて効率的に開栓することができないため、結局、突出部42にある程度大きな力を加えることが必要となる。
【0011】また、これでは、ひねりのための回転力が与えられる部分(突出部42)と実際に螺旋回転する部分(容器取付部18)とがキャップ本体12の軸線方向で上下にずれるため、特にキャップ10と容器本体3とが液漏れ等により開栓が困難となっている場合等においては、開栓の際にキャップ本体12の突出部42と容器取付部18との間に剪断力が働き、■の従来技術のように金属製のキャップ10であれば問題は少ないが、目薬等の容器用キャップ10のように一般にポリプロピレン等の樹脂から形成されるキャップ10にあっては、無理に開栓しようとするとキャップ10が破損するおそれがある。特に、清涼飲料水等の容器用キャップ10のように使い切りのキャップ10では、キャップ10が破損しても問題は少ないが、目薬等の容器用キャップ10のように繰り返し使用されるキャップ10にあっては、以後使用不能となるおそれがあるので、適切に使用することができない。
【0012】一方、このように、キャップを開栓する場合には、容器本体と螺合するキャップ本体に直接力を加えることが容易であることが望ましい反面、触感による識別に際しては、識別のための突起部分等のみを触った方が、容易に識別し得る点も考慮する必要がある。すなわち、識別のための部分以外の部分(キャップ本体)はほぼ同じ形状に形成されるため、識別の際には、このキャップ本体にも触れると、紛らわしくなり、識別が容易ではなくなる。しかし、上記■から■のいずれの従来技術も、識別のための突起40等がキャップ本体12と一体に形成されていたため、開栓の際には容器本体に螺合されるキャップ本体12自体を摘み易いと同時に、識別の際にはキャップ本体12に触れることなく識別のための突起40部分等にのみ触わり易いキャップは提供されていなかった。
【0013】以上のように、従来は、触感により容易に識別すること及び効率よくトルクを付加して簡易に開栓することと、小型化による取扱いの利便性、容易性の確保や、小さい容器への適用性等の利点とを同時に達成することはできなかった。
【0014】なお、キャップの開栓を容易とすることについては、いわゆるプルリングによるプルトップ方式のものが提案されているが(上記の■実開昭55−117980号公報及び■実開昭55−84244号公報参照)、これらの従来技術は、当該容器における最初の開閉時においては開栓が容易となるという一定の効果を奏するものの、目薬等の容器の如く、開閉を繰り返す容器や、また小径の容器には適用することができない。
【0015】同様に、キャップの頭部に形成された溝に棒材を係合させることにより、大きなトルクを簡易に付加できるようにして、キャップの開栓を容易とすることも提案されているが(■実開昭56−3635号公報及び■実開昭56−14850号公報参照)、棒材という道具が必要となるため開栓作業に手間がかかり、また小さい容器のキャップに適用する場合には開閉作業が容易ではないと同時に成型にも手間がかかる問題がある。
【0016】このように、いずれの従来技術によっても、特に、触感による識別を容易とすることはできなかったため(実願昭60−29792号(実開昭60−163244号)のマイクロフィルム、特開昭58−134865号公報、実公昭44−27754号公報等参照)、単にこれらの従来技術を組合せても、比較的小径の目薬等の容器用キャップにおいて、従来のキャップとほぼ同様の大きさを保持して取扱性に影響を与えることなく、同時に触感による識別及び開栓を容易にすることはできなかった。
【0017】本発明の課題は、上記の問題点を解決するため、異なる収容物を収容した容器を簡易に識別することができると共に、充分なトルクを付加して容易に開栓することができると同時に、全体的に特に大きくすることなく小さい容器にも充分に適用することができる取扱いが容易な容器用キャップ組合せ及びこのような組合せに用いることができる容器用キャップを提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の課題を解決するための手段として、複数の容器本体に各々取付けられる複数のキャップの組合せから成る容器用キャップ組合せにおいて、これらの複数のキャップは、それぞれ、キャップ本体と、識別体とから成り、複数のキャップの識別体の外面は、相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状を有し、かつ、この識別体は、識別体の外面をキャップ本体の外周面よりも凹ませて形成された指当部を有し、この複数のキャップのキャップ本体と相応する識別体とは、別体に成形され、各キャップは、キャップ本体と相応する識別体とを相互に組み付けて形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せを提供するものである。
【0019】このように、容器用キャップ組合せにおいて、複数のキャップに、相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状の外面を有する識別体を設けると、異なる輪郭外形の識別体を有するキャップが取付けられた容器にそれぞれ異なる収容物が収容されていても、このキャップを指で触るだけで触感によりキャップを通じて収容物を識別することができるため、使用の度に目視等により収容物を確認する必要がなくなり、取扱いが容易となる。特に、本発明は、目薬等を収容する容器用キャップ組合せとしては、永年にわたって、医薬の製造、調剤、点眼等の現場において、この識別の困難性が指摘されていながら、現実に実施されたことがないことを考慮すると、その意義は大きく、非常に有益である。
【0020】特に、このように、識別体の外面をキャップ本体の外周面よりも凹ませると、この凹みにより形成される指当部に指の腹を引っ掛けて開栓のためのトルクをキャップ本体にも直接付加することができるので開栓を容易に行うこともできる。
【0021】なお、これらの場合に、キャップ本体と相応する識別体とを、別体に成形した上で、キャップ本体と相応する識別体とを相互に組み付けてキャップを形成すると、キャップ全体を一連の工程で同時に複雑な形状に成形加工する場合に比べて製造が容易となると共に、コストが著しく増大することもなく、特に、キャップ本体自体は、取付けられるべき識別体の形状を問わず、同一の工程で製造することができるため、また、場合によっては既存の製造工程に手を加えることなく、キャップ本体を成形することもできるため、コストの上昇を最小限に抑制することができると共に、識別体の外面の形状の変更にも容易に対応することができる。
【0022】この場合、少なくとも複数のキャップの識別体間で相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状を有すれば、触感によりキャップを識別することができるが、更に、この各識別体の外面を、それぞれ、キャップ本体の外周面とは異なる輪郭形状の外面とすると、より一層、触感による識別を容易とすることができると共に、指当部を形成することができ、開栓も容易とすることができる。
【0023】また、これらの場合において、複数のキャップの各識別体には、その外面をキャップ本体の外周面よりも部分的に凹ませて形成された指当部を設けることが望ましい。
【0024】このように、識別体の外面の一部のみをキャップ本体の外周面よりも凹ませると、識別体の他の外面部分はキャップ本体の外周面よりも小さくすることなく、識別体を識別のために充分な大きさの外形に確保して識別を一層容易としつつ、この凹みにより形成される指当部に指の腹を引っ掛けて開栓のためのトルクをキャップ本体にも直接付加することができるので開栓を容易に行うこともできる。
【0025】また、この場合、複数のキャップの各キャップ本体は、それぞれ、相応する容器本体のキャップ取付部に取付けられ、このキャップ本体に相応する識別体は、キャップ本体の上方に形成することが望ましい。即ち、識別体を、キャップのうち、キャップの開栓のために機能するキャップ本体外周面以外の部分に設けることにより、キャップ本体には、触感による識別のための機能を兼任させることなく開栓(取付)のための機能を付与し、開栓機能(取付機能)と識別機能を分担させることが望ましい。
【0026】このように、識別体を、キャップのキャップ本体外周面以外の部分、具体的にはキャップ本体とは別にキャップ本体の上方に設けると、キャップ本体の外周面に突起等を付する場合に比べ、全体の外形を小さく保持しつつ、識別及び開栓を容易とすることができる。すなわち、容器本体へのキャップの取付はキャップ本体のみによって行うことができるため、キャップ本体においては突起等を付することによりキャップ本体の外径が大きくなり過ぎることを考慮する必要がなく、この容器本体のキャップ取付部及びキャップ本体をトルクの付加に充分な大きさの外径とすることができ、開栓が困難となることがない。一方、識別体は、容器本体のキャップ取付部に対応するキャップ本体の外周面以外の部分、具体的には、キャップ本体とは別に(キャップ本体とは異なる位置に)、好ましくはその上方に形成されているので、容器本体へのキャップの取付、螺合のためのスペース、大きさを考慮する必要がなくなるため、許容される範囲で最大限の大きさの外形を有効に確保することが可能となり、触感による識別及び開栓を一層確実に容易とすることができる。
【0027】なお、この場合、識別体、すなわち、識別のための手段は、複数の容器が保管用ケース内等に密接して収納されている時に、指を挿入しにくいキャップの周側面(キャップ本体の外周面)部ではなく、上面に臨んでいるため人間の手で最も摘み易く、また、摘む際に最初に触わる傾向があるキャップの上方部分に設けられているため、触感による識別が一層容易となる。
【0028】更に、複数のキャップの各識別体の外面は、キャップ本体の最大外径部における外周面よりも突出することがないように形成することが好ましい。
【0029】上述したように、本発明においては、識別体は、容器本体へのキャップ取付機能を有するキャップ本体とは別に形成されているため、識別体は、許容範囲内で最大限の大きさとすることができ、この最大限の許容範囲をこのようにキャップ本体の最大外径部における外周面の範囲内として、識別体の外面をキャップ本体の最大外径部における外周面の範囲内に収まるように形成すると、キャップ全体を特に大きくすることなく、従来とほぼ同様の大きさに抑えて取扱いの容易性を充分に確保しつつ、識別及び開栓の容易性も実現することができる。これにより、特に、目薬等を収容するために用いられる比較的小さい容器用キャップにおいても、これらを実現することができる点で有益である。
【0030】加えて、このように、識別体の外面をキャップ本体の外周面から突出することがないように形成すると、識別体がキャップ本体よりも大きくなってキャップ本体を把持する際に識別体が障害となることがなく、また、指当部を通してキャップ本体及び識別体に指先の指の腹を容易に引っ掛けることができるため、必要以上に指を広げる必要がなくなり、指先の指の腹に容易かつ確実に力を入れて、キャップを容易に開栓することができる。特に、上方から把持する傾向がある小さい容器用キャップであっても、開栓に際して識別体及びキャップ本体の両方を自然に指で摘むことが容易となるため、識別体のみを摘んで開栓することがなく、容器本体に螺合されているキャップ本体に充分なトルクを直接付加することができると共に、識別体の外面、特にその指当部に指を確実に引っ掛けてこの回転を補助することができ、開栓のための力をキャップに効率よく加えることができるため、液漏れ、外気温の変化等の原因によりキャップの開栓が困難となった場合でも、キャップを非常に容易に開栓することができる。
【0031】また、このようにトルクを付加すべきキャップ本体にも直接充分な回転力を加えることができるため、識別体のみに力を加えることによる剪断力が減少し、無理に開栓しようとしてキャップが破損することがなく、容易に開栓できつつ、繰り返しの使用にも充分に耐えることができる。
【0032】一方、キャップ本体と相応する識別体との間に突出部を設け、キャップ本体と相応する識別体との間には突出部により間隔を形成すると、識別体の外面とキャップ本体の外周面とが不連続となるため、識別の際には、識別体のみを摘むことが容易となり、キャップ本体と識別体とが連続して形成されている場合に比べ、識別体の輪郭外形の識別感覚が向上し、触感による容易な識別も同時に確保することができる。
【0033】また、キャップの識別体の外面の輪郭形状を、動物・昆虫・果物・野菜・花等の生物の輪郭形状、陸上の乗物・水上の乗物・空上の乗物等の乗物の輪郭形状、食品の輪郭形状、日用品の輪郭形状、楽器の輪郭形状、生物以外の自然物の輪郭形状、建造物の形状、文字・数字・記号の立体的輪郭形状、三角形状・四角形状・五角形状等の多角形の立体的輪郭形状、円形・楕円形等の円の立体的輪郭形状、花柄形状・ハート形状・星形形状・クローバー形状・スペード形状・ダイヤ形状等の既知の模様の立体的輪郭形状、七福神・招き猫等の架空の想像物の立体的輪郭形状等の、誰でも知っている輪郭形状とすると、触感による識別を非常に容易に行い易くなると共に、特に、小さな子供からお年寄りまで、幅広く、触感によって確実に識別することができる。これにより、更に、容器用キャップ組合せ毎に、例えば、目薬を収容する容器本体に取付けられる容器用キャップ組合せXには生物の輪郭形状を有する識別体を、また、子供用のシロップ薬剤を収容する容器本体に取付けられる容器用キャップ組合せYには乗物の輪郭形状を有する識別体を用いる等することにより、1つの組合せ内における各識別体の識別は勿論、容器用キャップ組合せ単位での識別も容易に行うことができる。また、1つの容器用キャップ組合せ内における複数のキャップの識別体毎に、それぞれ、相互に著しく異なる輪郭形状を有する生物の輪郭形状群、乗物の輪郭形状群、食品の輪郭形状群等の異なる輪郭形状群から選択された輪郭形状を付すると、輪郭形状の大きな違いから、触感による識別をより一層容易に達成することも可能となる。
【0034】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図面を参照して詳細に述べると、図1は本発明の容器用キャップ組合せ1を示し、この容器用キャップ組合せ1は、図1及び図2に示すように、複数の容器本体3に各々取付けられる複数のキャップ10、図示の実施の形態では4つのキャップ10A乃至10Dから成っている。これらの複数のキャップ10A乃至10Dの各々は、図2に示すように、それぞれ容器本体3に取付けられて、容器本体3と共に容器2を構成する。
【0035】これらの複数のキャップ10A乃至10Dは、図1及び図2に示すように、それぞれ、キャップ本体12と、このキャップ本体12の上方に形成された識別体14とから成っている。
【0036】これらの複数のキャップ10A乃至10Dの識別体14A乃至14Dの外面14aは、図1及び図2R>2に示すように、相互に異なる輪郭形状を有している。具体的には、図示の実施の形態では、特に、図1(A)に示すように、各識別体14の外面14aは、キャップ10Aの識別体14Aでは略花柄形状(以下、便宜上、「花柄形状」と称する。)に、キャップ10Bの識別体14Bでは略ハート形状(以下、同様に「ハート形状」と称する。)に、キャップ10Cの識別体14Cでは角が曲面状に形成された略三角形の形状(以下、同様に「三角形状」と称する。)に、キャップ10Dではやはり角が曲面状に形成された略五角形の星形形状(以下、同様に「星形形状」と称する。)に、それぞれ形成され、相互に異なっている。
【0037】このため、図6(A)に示すように、このキャップ10の識別体14を何本かの指等で触れるだけで、キャップ10A乃至10Dのうちの、いずれの輪郭形状の外面14aの識別体14を有するキャップ10か触感により判断することができるため、指で触るだけで各キャップ10を相互に識別することができる。従って、各キャップ10が取付けられた容器2にそれぞれ異なる収容物が収容されていても、使用の度にラベル等を目視等することなく、容器2内の収容物を容易に識別することができる。
【0038】なお、触感のみによって識別できる結果、暗所での作業や、何らかの別の作業に目線を配りながらの作業でも、収容物を容易に識別することができる点で非常に有益である。一方、この識別体14は、特にキャップ10の上方に設けられて目視によっても認識することができるため、使用のためにケース等から取り出す前に一目瞭然に識別することもできる。これにより、例えば、保管ケースから取り出した上で容器2の側面等に付されたラベル表示等を確認して識別する場合のように、使用しようとした収容物と異なる収容物が収容された容器2を取り出したため、再度これを保管ケース内に戻してから別の容器2を取り出して確認するという繰り返しの手間が省け、取扱いが非常に容易となる。
【0039】また、この識別体14は、図示の実施の形態では、図1及び図2に示すように、キャップ本体12の外周面12aとは異なる輪郭形状の外面14aを有する。具体的には、図1及び図2に示すように、キャップ本体12の外周面12aは滑り止め用のローレット16を有する略円筒形の形状を有し、各キャップ10の識別体14の外面14aは、いずれも、この略円筒形状以外の輪郭形状を有している。これにより、より一層、触感による識別を容易とすることができると共に、開栓も容易とすることができる。但し、識別体14の外面14aの形状は、少なくとも複数のキャップ10間で相互に異なれば、触感により識別することができるため、複数のキャップ10のうちの1つは、キャップ本体12の外周面12aと、ほぼ同様の円形の立体的形状(即ち、タブレット形乃至は円筒形:厳密には、ローレット16がないため、ギザギザの外面を有するキャップ本体12とは異なる)とすることもできる。なお、図示の実施の形態では、識別体14は、図3に示すように、キャップ本体12とは別体に形成されている。
【0040】キャップ本体12は、特に図2及び図3に示すように、それぞれ相応する容器本体3に取付けられる。このキャップ本体12は、図示の実施の形態では、図3に示すように、螺合により容器本体3に取付けられるのが示されている。具体的には、キャップ本体12は、図3及び図4に示すように、容器本体3に形成された螺旋ねじ状のキャップ取付部4に螺合される容器取付部18を有し、この容器取付部18は、キャップ本体12の内周面12bに形成された螺旋溝から成っている。キャップ10は、図3に示すように、このキャップ本体12を容器本体3に螺合することにより、容器本体3と共に容器2を構成する。
【0041】また、識別体14は、図1乃至図3に示すように、キャップ10のうち、この容器本体3に螺合するキャップ本体12の外周面12a以外の部分に、図示の実施の形態では具体的には、キャップ本体12自体に設けられるのではなく(即ち、キャップ本体12とは異なる位置に)、キャップ本体12の上方に設けられている。従って、本発明のキャップ10においては、キャップ10の容器本体3への取付、開栓の機能は主にキャップ本体12が担い、また、キャップ10の識別のための機能は識別体14が担い、取付機能と識別機能とが分担されている。
【0042】このため、キャップ本体12は、キャップ10を容器本体3に取付ける機能のみを有すれば足り、識別機能を必要としないため、その外周面12a等に識別用の突起等を付することによりキャップ本体12の外径が大きくなり過ぎることがない。それと同時に、キャップ本体12は、識別のための突起等を付する必要がないため、キャップ本体12の容器取付部18の内径を、開栓のために必要なトルクを付加するのに充分な大きさとすることができ、キャップ10の開栓が困難となることがない。
【0043】一方、識別体14は、容器本体3へのキャップ10の取付機能及びそれに伴うスペースの確保を考慮する必要がなくなるため、許容される範囲で最大限の大きさの外形14aを有効に確保することができる。すなわち、この識別体14は、小さ過ぎると、触感による識別を有効に行うことができなくなるため、識別体14の花柄形状、ハート形状等の輪郭形状は、キャップ10の取扱いに影響を与えない範囲で、できるだけ大柄にすることが望ましく、本発明においては、次に述べるように、これを実現して、キャップ10の触感による容易な識別と、キャップ10の容易な開栓を同時に達成している。
【0044】本発明のキャップ10では、識別体14は、図1及び図3に示すように、その外面14aをキャップ本体12の外周面12aよりも部分的に凹ませて形成された指当部20を有する一方、その他の外面14a部分は、キャップ本体12の最大外径部における外周面12aよりも突出することがないように形成されている。
【0045】この指当部20は、特に図1(A)に示すように、識別体14の外面14aを部分的にのみ凹ませて形成されるため、識別体14の外面14aの他の部分は、キャップ本体12の外周面12aとほぼ同様の大きさとして、識別体14を識別のために充分な大きさの外形に確保することができる。このため、キャップ10の識別を一層確実にすることができる。図示の実施の形態では、この指当部20を形成するために凹んだ外面部分以外の外面部分(以下、最外側面部22と称する。)を、図1(A)、及び図1(B)の特にキャップ10Aの図に示す点線Aに示すように、キャップ本体12の最大外径部における外周面12aと一致して重なるように設定し、キャップ本体12の最大外径部における外周面12aよりも突出することがないように形成している。このため、識別体14の輪郭形状を、キャップ本体12の最大外径部の範囲内で、識別が容易である大きな面積を有する花柄形状、ハート形状、三角形状、星形形状に確保することができる。
【0046】また、このように、本発明のキャップ10は、その識別体14がキャップ本体12の最大外径部における外周面12aを越えることがないため、上述した容器本体3への取付を考慮する必要がないことと併せて、全体を通じて、特に大きくなり過ぎることがない。このため、このキャップ10を整列等させて保存、収納等するに際して、余分なスペースを必要としないと同時に容器2の安定性が低下することがなく、取扱いが容易となり、また、特に目薬等の容器2のように比較的小さい容器用キャップ10として用いるにも適切となる。すなわち、キャップ10全体を従来とほぼ同様の大きさに抑えて取扱いの容易性を充分に確保しつつ、キャップ10の識別及び開栓を容易とすることができる。
【0047】更に、指当部20は、識別体14の外面を部分的に凹ませて形成されているため、キャップ10を開栓する場合、図6(B)に示すように、この指当部20にも指を確実に引っ掛けながらキャップ本体12を摘むことができる。従って、キャップ本体12に開栓のためのトルクを充分に付加することができるため、キャップ10を容易に開栓することができる。なお、この指当部20は、余りに小さいと、確実に指を引っかけることができないため、図1(A)に示すように、指を引っ掛けるのに適切な大きさに設定することが望ましい。
【0048】この場合、特に着目すべきことは、識別体14の外面14aは、図1乃至図3に示すように、キャップ本体12の外周面12aから突出することがないように形成されると共に、指当部20によりキャップ本体12及び識別体14に指先の指の腹を容易に引っ掛けることができるため、図6(B)に示すように、キャップ本体12を把持する際に、識別体14が障害となることがないので、必要以上に指を広げて摘む必要がなくなり、指先の指の腹に容易かつ確実に力を入れて、キャップ10を容易に開栓することができる点である。
【0049】従って、キャップ10の開栓の際に特に上方から把持する傾向がある小さい容器用キャップ10であっても、開栓に際しては、識別体14のみを摘むのではなく、図6(B)に示すように、識別体14及びキャップ本体12の両方を自然に指で摘むことが容易であるため、容器本体3に螺合されているキャップ本体12にも直接充分なトルクを付加することができると同時に、識別体14の外面14a、特にその指当部20にも指を確実に引っ掛けてこの回転を補助することができ、キャップ本体12と識別体14の両方に力を加えて、開栓のための力をキャップ10に効率よく伝達することができるので、液漏れ、堅締め等によりキャップ10の開栓に大きな力が必要となった場合に有利である。
【0050】また、このように、本発明のキャップ10は、トルクを直接付加すべきキャップ本体12に主たる開栓機能(取付機能)を持たせ、識別体14に補助的な開栓機能(取付機能)を持たせているので、例えば、上方の識別体14のみを摘んで力を加えることにより、無理に開栓しようとしてキャップ10を破損することがなく、繰り返し開閉して使用されるキャップ10の容易な開栓にも好適に使用することができる。
【0051】一方、識別機能を有する識別体14は、上述したように、例えば、複数の容器2がケース内等に密接して収納されている時に、人間の手で最も摘み易く、また、摘む際に最初に触れる傾向があるキャップ10の上方部分に設けられている。このため、図6(A)に示すように、キャップ10の識別に際しては、保管ケース内に収納したままで識別体14のみに触れることができるため、触感による識別を容易に行うことができる。
【0052】このように、本発明のキャップ10は、キャップ10の開栓に際しては、キャップ本体12をも摘んでキャップ12に直接力を加えることが望ましい反面、キャップ10の触感による識別に際しては、識別体14のみを容易に摘むことが望ましいという2つの課題を同時に解決することができる点で有益である。
【0053】なお、図1に示すように、識別体14の外面14aには、複数の指当部20を形成することが望ましい。これは、複数の指当部20に複数の指を引っ掛けた方がキャップ本体12に確実にトルクを伝達することができると共に、識別体14の識別のための外面14aの形状の設定を容易に、かつ多様化することができるためである。図1に示す各識別体14の外面14aの輪郭形状は、これらの事項を考慮した結果、花柄形状、ハート形状等の各種の形状に設定される。
【0054】また、図示の実施の形態では、識別体14の外面14aの最外側面部22は、キャップ本体12の外周面12aと一致しているが、キャップ本体12の外周面12aよりも凹んで形成された指当部20を有すれば、キャップ本体12にも指先の指の腹を引っ掛けることができるため、この最外側面部22は、保存や開栓等のキャップ10の取扱いに悪影響を与えない範囲で、キャップ本体12の外周面12aよりも若干突出させてもよい。
【0055】一方、上記の実施の形態では、指当部20のみを、キャップ本体12の外周面12aより凹ませたが、識別体14をキャップ本体12の上方に設け、触感による識別に影響を与えない範囲内であれば、最外側面部22も含め、識別体14の全体をキャップ本体12の外周面12aより内側に形成してもよい。
【0056】更に、本発明のキャップ10は、図1乃至図3に示すように、キャップ本体12と相応する識別体14との間に突出部24を有し、キャップ本体12と識別体14との間には、この突出部24により間隔S(図1R>1(B)参照)が設けられている。
【0057】このため、識別体14は、図1及び図3に示すように、キャップ本体12と離れて配置され、その外面14aがキャップ本体12の外周面12aと不連続の状態になり、触感によるキャップ10の識別の際には、図6(A)に示すように、この識別体14にのみ触れることが一層容易となるため、同一の形状を有するキャップ本体12にも触れて触感が紛らわしくなることがなく、確実に識別体14の輪郭外形を識別することができる。
【0058】なお、図示の実施の形態では、この突出部24の直径d(図4(B)参照)は、図4、図1、図3に示すように、キャップ本体12の容器取付部18の直径や識別体14の外面14aの輪郭外形よりも小さく設定されている。このため、キャップ本体12の上面12cと識別体14との間には、図1及び図3に示すように、周方向に凹んだ環状凹部34が形成される。このように環状凹部34を形成すると、触感による識別の際に、突出部24に触れることなく、識別体14のみに確実に触ることができ、有効にキャップ10を識別することができるので、好ましい。
【0059】次に、本発明のキャップ10(キャップ本体12及び識別体14)の製造方法の一例を説明すると、キャップ10は、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネード等の熱可塑性樹脂を射出成形することにより形成される。この場合、上述したように、キャップ本体12と識別体14とは、図4及び図5に示すように、別体として成形された後、図1及び図3に示すように、相互に組み付けて、超音波融着等の適宜な手段により接続される。
【0060】キャップ本体12は、図4に示すように、その上面12cから突出部24が連続して突出するようにして形成される。また、キャップ本体12のうち、この突出部24以外の部分は、内周面12bに容器取付部18、外周面12aにローレット16有するように成形される。なお、図示の実施の形態では、この突出部24の内部には、図3に示すように、容器本体3の点滴部5を収納する点滴収納部26が成形される。このように、突出部24内に点滴収納部26を形成すると、例えば、目薬等の点滴用の容器用キャップ10に用いることができると同時に、容器本体3の点滴部5を収納するためのスペースを別に確保する必要がなくなり、キャップ10の高さを最低限に抑えることができる。
【0061】一方、識別体14は、特に図5(C)に示すように、突出部24側に中空部30を有する所定の肉厚の冠状壁部28から成っており、この冠状壁部28の側部の外面14aの輪郭形状が、先に述べた花柄形状等の所定の形状となるように成形される。この冠状壁部28は、図5(C)に示すように、キャップ本体12の突出部24が部分的に係合する係合面32を形成するようにして中空部30が形成される。
【0062】このようにして、キャップ本体12と識別体14とを別々に成形した後、図3及び図5(C)に示すように、識別体14の中空部30内に、キャップ本体14の突出部24を嵌合した後、突出部24と、識別体14の冠状壁部28の係合面32とを、超音波融着等により溶融接着する。このように、キャップ本体12のの突出部24は、識別体14のキャップ本体12への取付部としての働きも有するため、この突出部24の直径d(図1(B)及び図4(B)参照)及び識別体14の係合面32は、相互に充分に接することができるような大きさに設定する。
【0063】この場合、突出部24と識別体14との接着強度を高めるため、図5(C)に示すように、点接触又は線接触ではなく、係合面32(図5(C)参照)により、充分な接触面積を確保している。なお、図示の実施の形態では、突出部24を部分的に係合面24に係合させたが、より大きな接触面積を確保するため、係合面32を円形状に形成して突出部24に全周接触させてもよい。また、図5(B)及び(C)に示すように、この係合面32に滑り止め用のローレットを形成して、突出部24を冠状壁部28に固嵌めすることが好ましい。
【0064】また、この突出部24の高さt(図4参照)及び中空部30の深さを適宜に設定することにより、キャップ本体12と識別体14との間の間隔S(図1R>1(B)参照)や、識別体14の厚み及びキャップ10全体の高さを、識別や取扱いに適切なように設定することができる。図1(B)において、特に星形形状を有するキャップ10Dの識別体14Dのみが、他の識別体14A乃至14Cに比べて厚めに形成されているのも、これらの配慮を払った上での適宜な変更の一例である。
【0065】また、このように、キャップ本体12と識別体14とを、別体に形成した上で、組み付けてキャップ10を形成すると、多様な輪郭形状の外面14aを有する多数の異なる識別体14を備えたキャップ10の組合せ1を提供するのに好適である。すなわち、形状が複雑な本発明のキャップ10全体を一体的に1つの工程で製造すると、射出成形等のための金型も複雑となり、金型の成形も困難となるが、キャップ本体12と識別体14とを別々に成形して組み付けると、射出成形等のための金型は、識別体14を成形するもののみ複数用いればよく、キャップ本体12を成形するための金型は1種類で足りるため、キャップ本体12部分も含めてキャップ10全体の形状につき種々の形状の金型を用いる場合に比べて、コストを最小限に抑えることができると共に、識別体14の外面14aの形状の変更にも容易に対応することができる。
【0066】なお、キャップ10の製造方法は、必ずしも、上述した射出成形や超音波融着等に限定されるものではなく、容器2の用途に反しない限り、他の適宜な方法、例えば、直熱成形や圧縮成形等によりを製造してもよいことは勿論である。また、図示の実施の形態では、突出部24を円形状に形成したが、識別体14を一定の間隔S(図1(B)参照)をもって取付けることができれば他の、例えば四角形状等の適宜な形状に形成することもできる。また、この突出部24は、図4に示すように、キャップ本体12と一体的に形成したが、強度や取扱いに影響を与えないように配慮すれば、識別体14と一体に形成して、キャップ本体12の上面12cに取付けてもよい。なお、この場合には、キャップ本体12自体は、従来と同様の製造工程のまま製造することができるため、既存の製造工程に手を加えることなくキャップ本体12を製造することもできる。一方、この突出部24は、識別体14自体が、識別体14のみに触れるのに充分な高さを有する場合には、容易に識別することができるので、必ずしも設けなくてもよい。
【0067】また、識別体14の外面14aの形状についても、図示の実施の形態では、図1に示すように、花柄形状、ハート形状、三角形状、星形形状に設定されているのが示されているが、必ずしもこれらの形状に限定されるものではなく、上述した識別及び開栓が容易でキャップ10の取扱いに影響を与えなければ、他の形状等、例えば、図7(A)(B)に示すように、楕円形の立体的輪郭形状や、図7(C)(D)に示すように、四角と半円を組み合わせてアルファベットの『D』の外形のみを形どったような立体的輪郭形状等に設定してもよいことは勿論である。
【0068】その他の具体的な例を挙げると、まず、(1)生物の形状、即ち、例えば、■多少立体的なアザラシ・アヒル・アライグマ・犬・猪・イルカ・兎・牛・かえる・かめ・カバ・カンガルー・狐・キリン・鯨・熊・コアラ・サイ・猿・鹿・シマウマ・象・ダチョウ・虎・鶏・猫・ネズミ・はりねずみ・パンダ・羊・ひよこ・ふくろう・豚・ペンギン・ライオン・ラクダ・ラッコ・リス・山羊・鷲・鰐等の動物の形状、■かたつむり・かぶと虫・くわがた虫・こがね虫・蝉・蝶・トンボ・バッタ・みつばち等の昆虫の形状、■苺・林檎・オレンジ・さくらんぼ・西洋なし・なし・パイナップル・バナナ・葡萄・マンゴ・みかん・桃・レモン等の果物の形状、カブ・かぼちゃ・胡瓜・キャベツ・さつまいも・西瓜・じゃがいも・大根・玉葱・とうもろこし・トマト・茄子・人参・ねぎ等の野菜の形状、■朝顔・紫陽花・カーネーション・菊・チューリップ・薔薇・ひまわり・牡丹・百合等の植物の花の形状を挙げることができる。
【0069】また、(2)乗物の形状、即ち、■レクリエーショナルビークル用カー(いわゆるRVカー)・カーキャリーカー・観光バス・汽車・耕耘機・高所作業車・ごみ収集車・コンクリートミキサー車・散水車・自動車・自転車・消防車・ショベルカー・白バイ・スポーツカー・清掃車・宅配車・タンクローリー・ダンプカー・テレビ中継車・電車・トラクター・トラック・トラックレーン・はしご車・パトロールカー・フォークリフト・ブルドーザー・ホイルローダー・ボトルカー・ポンブ車・ミニパトロールカー・郵便車・ロードスイーパー等の陸上の乗物の形状、■客船・タンカー・ボート・船・遊覧船・ヨット等の水上の乗物、■ジャンボジェット機・セスナ機・飛行機・ヘリコプター・ロケット等の空上の乗物の形状等とすることもできる。
【0070】その他、(3)食品、例えば、アイスクリーム・キャンディー・牛乳・ケーキ・スープ・卵・ハンバーガー・ラーメン等の形状や、(4)日用品、例えば、鉛筆・カップ・電話・テレビ・ペン等の形状、(5)楽器、例えば、アコーデオン・ギター・クラリネット・シンバルン・太鼓・チェロ・チューバ・トランペット・バイオリン・ピアノ・フルート等の形状、(6)富士山等の上記生物以外の自然物の形状、(7)東京タワー等の建物の形状、(8)1・2・3・4・5等の数字や、あ・い・う・ア・イ・ウ等の平仮名、片仮名、漢字や図7(C)に示す外形のみを形どったD以外のA・B・C等のアルファベッド文字等の文字・記号の立体的形状、(9)上記三角形状以外の、正方形・長方形・台形・菱形等の四角形状、上記星形形状以外の五角形状等の多角形状、(10)前述したように、図7(A)に示す楕円形以外の円形等の円の立体的形状、(11)図面に示したハート形状等以外のクローバー形状・スペード形状・ダイア形状等の既知の模様の立体的形状、(12)七福神・招き猫等の架空の想像物の立体的形状等とすることもできる。
【0071】以上に例示した形状のように、識別体14の外面14aの形状を、誰でも知っている輪郭形状とすると、触感による識別を非常に容易に行い易くなると共に、特に、小さな子供からお年寄りまで、幅広く、触感によって確実に識別することができる。従って、識別体14の外面14aの輪郭形状は、できるだけ、上記の形状のような誰もが知っている輪郭形状とすることが好ましいが、勿論、上記の形状は、あくまで例示にすぎず、相互に又はグループ毎に異なる形状として触感により識別することができれば、これら以外の列挙した形状以外の形状に設定してもよいことは勿論である。また、この識別体14は、触感により認識することができるため、目の不自由な人にとっても容易に識別し得るものではあるが、識別体14の上面14cに、更に、点字等を付すことにより、本発明の社会的意義を一層高めることができる。
【0072】また、この場合、以上のように種々設定される識別体14の外面14aの輪郭形状を、容器用キャップ組合せ1毎に、例えば、目薬を収容する容器本体3に取付けられる容器用キャップ組合せXには生物の輪郭形状を有する識別体14を、また、子供用のシロップ薬剤を収容する容器本体3に取付けられる容器用キャップ組合せYには乗物の輪郭形状を有する識別体14を用いる等することにより、1つの組合せ1内における各識別体14の識別は勿論、容器用キャップ組合せ1単位での識別も容易に行うことができる。また、1つの容器用キャップ組合せ1内における複数のキャップ10の識別体14毎に、それぞれ、相互に著しく異なる輪郭形状を有する生物の輪郭形状群、乗物の輪郭形状群、食品の輪郭形状群等の異なる輪郭形状群から選択された輪郭形状を付すると、輪郭形状の大きな違いから、触感による識別をより一層容易に達成することも可能となる。
【0073】また、識別体14の外面14aの輪郭形状の種類も、図示の実施の形態では、4種類であったが、容器2に収容される収容物の種類の数等に応じて、4種類以外の適宜な数とすることができる。なお、識別体14又はキャップ10全体に特殊な色彩を付すことにより、目視による識別も一層容易にすることができる。
【0074】これらの識別体14の外面14aの輪郭形状を設定するに際しては、その最外側面部22を曲面状に設定することが望ましい。図示の実施の形態でも、図1R>1(A)に示すように、識別体14A乃至14Dは、いずれも最外側面部22が曲面状に形成されているため、識別の際滑らかな指触りを感ずることができ、キャップ10の識別の際に、指に心地よい触感を与えることができる。同様な理由から、図1に示すように、識別体14の上面14cと外面14aとの間も曲面状に形成することが望ましい。
【0075】また、この識別体14の外面14aの輪郭外形は、図示の実施の形態では、4つのキャップ10A乃至10D間で、全て相互に異ならせたが、2つずつ、又は3つずつ等の複数のグループ毎に異なる形状を有している複数の容器用キャップ10の組合せから成る容器用キャップ組合せ1としてもよい。
【0076】なお、本発明のキャップ10の使用方法、特に、開栓する場合の使用方法については、図6(B)に示すキャップ本体12と識別体14(特にその指当部20)の両方に指を引っ掛けて開栓する以外の方法で開栓することを排除するものではなく、通常の使用においては、識別体14のみを摘んで開栓しても、超音波融着等により強度に充分に配慮を払っているため、問題はない。すなわち、本発明のキャップ10は、特に液漏れ等により開栓が困難となった場合等においては、図6(B)に示す使用方法を用いて対応することもできるという点において、幅広い使用に耐え得る利点を有している。
【0077】また、本発明のキャップ10は、図示の実施の形態では、螺合により容器本体3に取付けられるのが示されているが、容器本体3への取付は、必ずしもこの螺合に限定されるものではなく、例えば、他の嵌め込み等により、容器本体3に取付けられるキャップ10として用いてもよい。また、このキャップ10に、容器本体3の中に浸される図示しないスポイトを取付けて、点滴機能をも合わせ持つキャップ10とすることもできる。本発明は、これらの場合にも、収容物を容易に識別することに適用することができる。
【0078】更に、キャップ本体12と識別体14との間に形成された環状凹部34は、キャップ10の整列搬送にも用いることができる。すなわち、製造段階又は出荷段階等においてキャップを整列させる際に、この環状凹部34に対応して配置され環状凹部34のみに入り込める板状の選択部材等を有する通路にキャップ10を通すことにより、上下が逆に配置されたキャップは、この選択部材等が入り込めずに通路から排除されるため、正しく整列されたキャップ10のみを選別することができる。
【0079】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、容器用キャップ組合せにおいて、複数のキャップが、相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状の外面を有する識別体を備えているため、異なる輪郭外形の識別体を有するキャップが取付けられた容器にそれぞれ異なる収容物が収容されていても、このキャップを指で触るだけで触感によりキャップを通じて収容物を識別することができ、従って、使用の度に目視等により収容物を確認する必要がなくなり、取扱いが容易となる実益がある。特に、本発明は、永年にわたって、医薬の製造、調剤、点眼等の現場において、目薬等を収容する容器用キャップ組合せに要求されていた識別の容易性を実現することができる点で有益である。
【0080】この場合、同時に、本発明によれば、上記のように、識別体の外面に指当部を設け、識別体の外面をキャップ本体の外周面よりも凹ませて形成しているため、この凹みにより形成される指当部に指を確実に引っ掛けて開栓のためのトルクをキャップ本体にも付加することができ開栓を容易とすることができる実益がある。
【0081】更に、本発明によれば、上記のように、キャップ本体と識別体を別体として形成して組み付けてるため、キャップ全体を一連の工程で同時に複雑な形状に成形加工する場合に比べて製造が容易となると共に、コストが著しく増大することもなく、特に、キャップ本体自体は、取付けられるべき識別体の形状を問わず、同一の工程で製造することができるため、また、場合によっては既存の製造工程に手を加えることなく、キャップ本体を成形することもできるため、コストの上昇を最小限に止めることもできると共に、識別体の外面の形状の変更にも容易に対応することができる実益がある。
【0082】また、特に、本発明によれば、この各識別体の外面を、それぞれ、キャップ本体の外周面とは異なる輪郭形状の外面としているため、より一層、触感による識別及び開栓が容易となる実益がある。
【0083】また、本発明によれば、上記のように、識別体の外面に指当部を設け、識別体の外面を部分的にキャップ本体の外周面よりも凹ませて形成しているため、識別体の他の外面部分はキャップ本体の外周面よりも小さくすることなく、識別体を識別のために充分な大きさの外形に確保して識別を一層容易としつつ、この凹みにより形成される指当部に指を確実に引っ掛けて開栓のためのトルクをキャップ本体にも付加することができ開栓を容易とすることができる実益がある。
【0084】本発明によれば、上記のように、識別用の形状は、キャップのうちキャップの開栓の際に摘まれるキャップ本体の外周面以外の部分に、具体的には、キャップ本体自体ではなく(即ち、キャップ本体とは異なる位置に)、キャップ本体とは別にその上方の識別体に設けられているため、キャップ本体の外周面に識別形状を直接付する場合に比べ、全体の外形を小さく保持しつつ、識別及び開栓を容易とすることができる実益がある。また、識別体は、複数の容器がケース内等に密接して収納されている時に、指を挿入しにくいキャップの周側面(キャップ本体の外周面)部ではなく、人間の手で最も摘み易く、また、摘む際に最初に触わる傾向があるキャップの上方部分に設けられているため、識別が一層容易となる実益がある。
【0085】この場合に、複数のキャップの各識別体の外面を、キャップ本体の最大外径部における外周面よりも突出することがないように形成しているため、識別体の外面を、キャップの保存等の取扱いに悪影響を与えないキャップ本体の外周面の範囲内で最大限の大きさとすることができるので、キャップ全体の大きさを従来とほぼ同様の大きさに抑えて取扱いの容易性を充分に確保しつつ、識別及び開栓の容易性を実現することができる実益がある。このため、特に、目薬等を収容するために用いられる比較的小さい容器用キャップにおいても、これらを実現することができる点で有益である。
【0086】更に、このように、識別体の外面をキャップ本体の外周面から突出することがないように形成しているため、キャップ本体を把持する際に識別体が障害となることがなく、また、指当部を通してキャップ本体及び識別体に指先の指の腹を容易に引っ掛けることができるため、必要以上に指を広げる必要がなくなり、指先の指の腹に容易かつ確実に力を入れることができるので、キャップを容易に開栓することができる実益がある。
【0087】また、このように、開栓に際して識別体及びキャップ本体の両方を自然に指で摘むことができるため、キャップ本体にも充分なトルクを直接付加することができるので、識別体のみに力を加えることによる剪断力が減少し、無理に開栓しようとしてキャップが破損することがなく、容易に開栓できつつ開閉を繰り返すキャップにも適用することができる実益がある。
【0088】一方、本発明によれば、上記のように、キャップ本体と相応する識別体との間に突出部により間隔を設けているため、識別体の外面がキャップ本体の外周面と不連続となるので、上記のように開栓の際にはキャップ本体自体も摘むことが容易でありながら、識別の際には識別体のみを摘むことが容易であり、触感による容易な識別も同時に確保することができる実益がある。
【0089】加えて、本発明によれば、上記のように、キャップの識別体の外面の輪郭形状を、生物の輪郭形状、乗物の輪郭形状、食品の輪郭形状、日用品の輪郭形状、楽器の輪郭形状、生物以外の自然物の輪郭形状、建造物の形状、文字・数字・記号の立体的輪郭形状、四角形状等の多角形の立体的輪郭形状、楕円形等の円の立体的輪郭形状、花柄形状等の既知の模様の立体的輪郭形状、七福神等の架空の想像物の立体的輪郭形状等の、誰でも知っている輪郭形状に設定しているため、触感による識別を非常に容易に行い易くなると共に、特に、小さな子供からお年寄りまで、幅広く、触感によって確実に識別することができる実益がある。
【0090】また、この場合に、容器用キャップ組合せ毎に、異なる輪郭形状群を付することにより、1つの組合せ内における各識別体の識別は勿論、容器用キャップ組合せ単位での識別も容易に行うことができ、あるいは、1つの容器用キャップ組合せ内における複数のキャップの識別体毎に、それぞれ、相互に著しく異なる輪郭形状を有する生物の輪郭形状群、乗物の輪郭形状群、食品の輪郭形状群等の異なる輪郭形状群から選択された輪郭形状を付すると、輪郭形状の大きな違いから、触感による識別をより一層容易に達成することも可能となる実益がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容器用キャップ組合せを示し、図1(A)はその平面図、同図(B)はその側面図である。
【図2】本発明の容器用キャップ組合せが取付けられた複数の容器の斜視図である。
【図3】本発明の容器用キャップが取付けられた容器の一部破断側面図である。
【図4】本発明に用いられるキャップ本体を示し、図4(A)はその側面図、同図(B)はその平面図である。
【図5】本発明に用いられる識別体を示し、図5(A)はその平面図、同図(B)はその一部破断側面図、同図(C)はその概略底面図である。
【図6】図6(A)は本発明の容器用キャップを触感による識別のために摘む状態を示す概略斜視図であり、同図(B)は本発明の容器用キャップを開栓するために摘む状態を示す概略斜視図である。
【図7】本発明に用いられる識別体を有する容器用キャップの他の実施の形態を示し、同図(A)及び(C)はその平面図、同図(B)は同図(A)の容器用キャップの側面図、同図(D)は同図(C)の容器用キャップの側面図である。
【図8】一般的な容器用キャップの概略斜視図である。
【図9】従来技術の容器用キャップの側面図である。
【図10】他の従来技術の容器用キャップの斜視図である。
【図11】従来の容器用キャップを開栓のために摘む状態を示す概略斜視図である。
【符号の説明】
1 容器用キャップ組合せ
2 容器
3 容器本体
4 容器本体のキャップ取付部
5 容器本体の点滴部
10 容器用キャップ
12 キャップ本体
12a キャップ本体の外周面
12b キャップ本体の内周面
12c キャップ本体の上面
14 識別体
14a 識別体の外面
14c 識別体の上面
16 ローレット
18 キャップの容器取付部
20 指当部
22 最外側面部
24 突出部
26 点滴収納部
28 識別体の冠状壁部
30 識別体の中空部
32 係合面
34 環状凹部
40 突起
40′突条
42 突出部
S キャップ本体と識別体との間の間隔
d 突出部の直径
t 突出部の高さ

【特許請求の範囲】
【請求項1】 複数の容器本体に各々取付けられる複数のキャップの組合せから成る容器用キャップ組合せにおいて、前記複数のキャップは、それぞれ、キャップ本体と、識別体とから成り、前記複数のキャップの識別体の外面は、相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状を有し、かつ、前記識別体は、前記識別体の外面を前記キャップ本体の外周面よりも凹ませて形成された指当部を有し、前記複数のキャップのキャップ本体と相応する識別体とは、別体に成形され、前記各キャップは、前記キャップ本体と相応する識別体とを相互に組み付けて形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項2】 複数の容器本体に各々取付けられる複数のキャップの組合せから成る容器用キャップ組合せにおいて、前記複数のキャップは、それぞれ、キャップ本体と、前記キャップ本体の外周面とは異なる輪郭形状の外面を有する識別体とから成り、前記複数のキャップの識別体の外面は、相互に又はグループ毎に異なる輪郭形状を有し、かつ、前記識別体は、前記識別体の外面を前記キャップ本体の外周面よりも凹ませて形成された指当部を有し、前記複数のキャップのキャップ本体と相応する識別体とは、別体に成形され、前記各キャップは、前記キャップ本体と相応する識別体とを相互に組み付けて形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項3】 請求項1又は請求項2のいずれかに記載の容器用キャップ組合せであって、前記複数のキャップの各識別体は、前記識別体の外面を前記キャップ本体の外周面よりも部分的に凹ませて形成された指当部を有することを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の容器用キャップ組合せであって、前記複数のキャップのキャップ本体は、それぞれ相応する容器本体のキャップ取付部に取付けられ、前記キャップ本体に相応する識別体は、前記キャップ本体の上方に形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項5】 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の容器用キャップ組合せであって、前記複数のキャップの識別体の外面は、前記キャップ本体の最大外径部における外周面よりも突出することがないように形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項6】 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の容器用キャップ組合せであって、前記各キャップは、前記キャップ本体と相応する前記識別体との間に更に突出部を有し、前記キャップ本体と相応する前記識別体との間には前記突出部により間隔が形成されていることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項7】 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の容器用キャップ組合せであって、前記複数のキャップの各識別体の外面は、動物・昆虫・果物・野菜・花等の生物の輪郭形状、陸上の乗物・水上の乗物・空上の乗物等の乗物の輪郭形状、食品の輪郭形状、日用品の輪郭形状、楽器の輪郭形状、前記生物以外の自然物の輪郭形状、建造物の形状、文字・数字・記号の立体的輪郭形状、三角形状・四角形状・五角形状等の多角形の立体的輪郭形状、円形・楕円形等の円の立体的輪郭形状、花柄形状・ハート形状・星形形状・クローバー形状・スペード形状・ダイヤ形状等の既知の模様の立体的輪郭形状、七福神・招き猫等の架空の想像物の立体的輪郭形状を有していることを特徴とする容器用キャップ組合せ。
【請求項8】 容器本体に取付けられるべき容器用キャップにおいて、前記キャップは、前記容器本体のキャップ取付部に取付けられるキャップ本体と、前記キャップの前記キャップ本体外周面以外の部分に設けられた識別体とから成り、前記識別体は、前記識別体の外面を前記キャップ本体の外周面よりも凹ませて形成された指当部を有し、前記キャップのキャップ本体と前記識別体とは、別体に成形され、前記キャップは、前記キャップ本体と前記識別体とを相互に組み付けて形成されていることを特徴とする容器用キャップ。
【請求項9】 容器本体に取付けられるべき容器用キャップにおいて、前記キャップは、前記容器本体のキャップ取付部に取付けられるキャップ本体と、前記キャップ本体の上方に形成され前記キャップ本体の外周面とは異なる形状の外面を有する識別体とから成り、前記識別体は、前記識別体の外面を前記キャップ本体の外周面よりも部分的に凹ませて形成された指当部を有し、前記キャップのキャップ本体と前記識別体とは、別体に成形され、前記キャップは、前記キャップ本体と前記識別体とを相互に組み付けて形成されていることを特徴とする容器用キャップ。
【請求項10】 請求項8又は請求項9のいずれかに記載の容器用キャップであって、前記キャップの識別体の外面は、前記キャップ本体の最大外径部における外周面よりも突出することがないように形成されていることを特徴とする容器用キャップ。
【請求項11】 請求項8乃至請求項10のいずれかに記載の容器用キャップであって、前記キャップは、前記キャップ本体と前記識別体との間に更に突出部を有し、前記キャップ本体と前記識別体との間には前記突出部により間隔が形成されていることを特徴とする容器用キャップ。
【請求項12】 請求項8乃至請求項11のいずれかに記載の容器用キャップあって、前記のキャップの識別体の外面は、動物・昆虫・果物・野菜・花等の生物の輪郭形状、陸上の乗物・水上の乗物・空上の乗物等の乗物の輪郭形状、食品の輪郭形状、日用品の輪郭形状、楽器の輪郭形状、前記生物以外の自然物の輪郭形状、建造物の形状、文字・数字・記号の立体的輪郭形状、三角形状・四角形状・五角形状等の多角形の立体的輪郭形状、円形・楕円形等の円の立体的輪郭形状、花柄形状・ハート形状・星形形状・クローバー形状・スペード形状・ダイヤ形状等の既知の模様の立体的輪郭形状、七福神・招き猫等の架空の想像物の立体的輪郭形状を有していることを特徴とする容器用キャップ。

【図1】
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【図8】
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【図9】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図10】
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【図6】
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【図7】
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【図11】
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【公開番号】特開2000−327010(P2000−327010A)
【公開日】平成12年11月28日(2000.11.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2000−170867(P2000−170867)
【分割の表示】特願平9−154357の分割
【出願日】平成9年5月29日(1997.5.29)
【出願人】(000005072)萬有製薬株式会社 (51)