説明

密閉型絶縁装置

【課題】密閉型絶縁装置の異物の挙動を制御して、密閉型絶縁装置をよりコンパクト化し、絶縁信頼性を向上させる。
【解決手段】密閉型絶縁装置は、軸方向に延びて、軸方向に少なくとも2つに分割可能な高電圧導体1と、端部フランジ部3aによって少なくとも2つに分割可能で、高電圧導体1との間に空隙を保ちながら高電圧導体1を覆って、この空隙に絶縁ガス2が充填された金属容器3と、外周側で端部フランジ部3aに挟み込まれるように固定されて内周側で高電圧導体1を支持し絶縁部材4aを備えたスペーサ4とを有する。金属容器3の内側表面には、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する特性を備えた非線形抵抗材にこの非線形抵抗材と誘電率の異なる充填材が充填された非線形抵抗膜13が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガス封入形開閉器などの密閉型絶縁装置に関する。
【背景技術】
【0002】
絶縁物で支持した高電圧導体が絶縁性ガスを封入した容器内部に密閉された、例えばガス封入形開閉器などの密閉型絶縁装置においては、コスト低減や環境負荷低減のために絶縁設計合理化や三相一括化などによる一層の縮小化が課題となっている。
【0003】
密閉型絶縁装置の金属容器の大きさは、絶縁および熱的設計等によって決められている。絶縁設計のポイントの1つは、金属容器の内側表面に異物が存在(付着)した場合の絶縁性能への影響度を検討することである。
【0004】
高電圧導体を絶縁物で支持して絶縁ガスを封入した密閉金属容器の内部に異物が存在すると、異物に対して金属容器等から供給された電荷と運転電圧との相互作用によって生じる力によって、異物が金属容器の内部を動き回る可能性がある。
【0005】
密閉型絶縁装置を縮小化すると、その金属容器の内側表面の電界が高くなり、金属容器の内部に存在する異物の動きが活発になりやすい。異物が金属容器の内部で過度に動くと、絶縁性能に影響を及ぼす可能性がある。また、異物形状が長尺であるほど、異物の動きが大きくなり絶縁性能への影響が大きくなる可能性が高い。
【0006】
運転電圧が印加された異物の動きを抑制させるために、金属容器の内部に長尺の異物が混入しないように、製造工程で、例えば異物管理工程等において異物除去を行い、異物管理を強化している。さらに、管理しきれない小さな異物が、設計上考慮した高さ以上に浮上して動きまわらないように運転電圧印加時の金属容器の内側表面の電界強度を設計する必要がある。ここで、高さとは、金属容器の内側表面と異物との距離である。
【0007】
金属容器の内側表面の電界強度は、高電圧導体と金属容器の内側表面との距離に依存するため、異物の浮上高さを小さく抑えるためには金属容器を大きくする必要がある。これは、密閉型絶縁装置の縮小化の制約要因となっていた。
【0008】
この異物による設計への制約条件を緩和させる方法として、異物の動きを抑制することによる絶縁性能への影響の無力化技術が知られている。例えば、特許文献1〜3に開示されているように、絶縁材をコーティングして得られる絶縁膜によって異物挙動を不活性化する技術(絶縁コーティング技術)が知られている。
【0009】
絶縁コーティング技術は、密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に絶縁性の高いエポキシ系レジン等でコーティングを行うことによって、金属容器の内側表面から異物に電荷が供給されるのを抑制して動きにくくしている。異物が動きにくくなると、金属容器の内側表面の電界を高くすることができ、密閉容器をコンパクトにすることができる。
【0010】
絶縁性が高く剥離しにくい絶縁膜を形成することが重要でありこれを実現するための方法が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開昭58−111203号公報
【特許文献2】特開平2−79711号公報
【特許文献3】特許第3028975号公報
【特許文献4】特開2004−129343号公報
【特許文献5】特開2007−14149号公報
【特許文献6】特開2004−165355号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、従来上記の絶縁膜に用いる絶縁材(コーティング材)は、以下のような課題を有している。
【0013】
従来提案されているコーティング材では、異物、絶縁ガス、およびコーティング材により構成される部位に電界集中を生じやすい。この電界集中が大きくなると異物周辺で部分放電が生じて異物に電荷を供給する可能性がある。
【0014】
部分放電が生じると、この異物は突然広範囲に動きまわり絶縁性能に影響を与えてしまう。雷サージ等の過電圧が侵入して金属容器の内側表面の電界が大きくなると電界集中部の電界がさらに大きくなる可能性は否定しきれず、確率は非常に低いものの異物が突然大きく動き回る可能性が生じる。この突然に広範囲に動きをまわることを抑制するためには、コーティング材および異物の間の電界集中を緩和して部分放電や電界放射の発生を抑制する必要がある。
【0015】
また、従来実用化されているコーティング材では、上記の課題に関連して以下のような課題も有している。従来のコーティング材では、コーティング材の絶縁性が常に高いために、通常の運転電圧において製造上管理される長さより短い異物の動きを抑制する他に、製造上管理されるべき長さ以上の異物に対しても電界による動きを抑制してしまう。
【0016】
一般に密閉型絶縁装置においては、組立後に運転電圧よりも高い電圧を印加する試験、すなわち健全性確認試験が行われている。その目的には、万一製造上管理すべき長さより長い異物が、異物管理工程で見逃されて金属容器の内部に残存する場合、運転電圧よりも高い電界によって、この異物を見つけて除去できるようにしている。この健全性確認試験によって、異物管理は徹底されている。
【0017】
上述のように、長尺の異物、特に管理長さを越える長さを有する異物は、電界の作用によって動きやすい特性を有している。健全性確認試験のときに運転電圧よりも高い電圧を印加することは、運転電圧で動き回る可能性のある長尺の異物を、確実に動かして見つけるのを促す効果を有している。容器内を動き回る異物は、金属容器の内部に衝撃振動を与えたり、部分放電を発生したりするので、これらを検出することにより見つけて除去することができる。
【0018】
しかしながら、絶縁材によりコーティングして形成された絶縁膜の場合には、異物が動きにくくなり、上記の衝撃振動や部分放電が発生しにくくなる。したがって、金属容器の内部に万一異物が存在しても、この異物を見つけることが困難になる場合が生じる。
【0019】
一方、絶縁膜の表層にあって電荷が供給されにくく運転電圧では動きにくい異物であっても、開閉機器の操作などに伴う機械的衝撃振動などによって、異物が動きだす可能性は否定しきれない。また雷インパルスのようなより高い電圧によって部分放電を生じて動きだす可能性も否定しきれない。
【0020】
仮に、管理長さを超える長尺の異物が一旦動きだすと、異物の周辺で部分放電や電界放射が発生して、この異物に電荷が供給され一層異物の動きが活発になる可能性も考えられる。したがって、健全性確認試験時には、製造上管理すべき長さより大きい異物が存在する場合には、この異物を確実に動かして見つけることが望ましい。
【0021】
しかし、従来実用化されている絶縁膜は、絶縁性が安定して高い絶縁材により形成されていることが多く、異物は動きにくい状態を保持し、健全性確認試験時に電界印加だけで異物を見つけるのを困難にしている。このため、健全性確認試験時に、製造上管理すべき長さより大きい異物を確実に見つけるためには、金属容器に振動を加える等の追加作業を必要とし、密閉型絶縁装置のコンパクト化によるコスト低減を進める上での制約条件となっている。
【0022】
この制約を緩和するためには、健全性確認試験時の高い電界に対しては、異物が動きやすく、万一存在する管理長さよりも大きい異物を見つけて除去しやすくする必要がある。一方、運転電圧に対しては、異物が動きにくく、開閉機器等の絶縁性能を向上させる技術の開発が課題となっていた。
【0023】
コーティング技術としては、特許文献4に開示されているように、絶縁コーティング以外にバリア絶縁物に非線形抵抗コーティングを設ける構造が知られている。これは、高電圧導体に発生する過電圧に対してバリア絶縁物の電位を高電圧導体の電位に近づけることを目的としたものであり、容器内面に存在する異物に対する絶縁信頼性を向上させる機能は有しない。
【0024】
また、非直線抵抗材料を応用する例として、特許文献5および特許文献6などに開示されているように、高電圧導体に取り付ける構造が知られている。これらは、高電圧導体端部の電界を緩和することを目的としたものであり、容器内面に存在する異物に対する絶縁信頼性を向上させる機能は有しない。
【0025】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、密閉型絶縁装置の金属容器内の異物の挙動を制御して、密閉型絶縁装置をよりコンパクト化して且つその絶縁信頼性を向上させることにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
上記目的を達成するための本発明に係る密閉型絶縁装置は、軸方向に延びた高電圧導体と、前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材にこの非線形抵抗材と誘電率の異なる充填材が充填された非線形抵抗膜と、を有することを特徴とする。
【0027】
また、本発明の密閉型絶縁装置は、軸方向に延びた高電圧導体と、前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材が充填された樹脂からなり、前記高電圧導体側の表面に複数の凹凸部が形成された非線形抵抗膜と、を有することを特徴とする。
【0028】
また、本発明の密閉型絶縁装置は、軸方向に延びた高電圧導体と、前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材がエラストマに充填された非線形抵抗膜と、を有することを特徴とする。
【0029】
また、本発明の密閉型絶縁装置は、軸方向に延びた高電圧導体と、前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性が樹脂に充填されて形成された非線形抵抗膜と、前記金属容器の内側表面と前記非線形抵抗膜との間に形成されて、エラストマからなる中間膜と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0030】
本発明によれば、密閉型絶縁装置の金属容器内の異物の挙動を制御して、密閉型絶縁装置をよりコンパクト化して且つその絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明に係る第1の実施形態の密閉型絶縁装置の一部を示す部分切欠概略縦断面図である。
【図2】図1のII部の拡大縦断面図である。
【図3】(a)は図1のIII-III矢視横断面図に漂遊静電容量を示した図、(b)は図2の非線形抵抗膜を流れる電流の電流成分を示す等価回路図である。
【図4】従来の絶縁膜の表層の異物周辺に電界集中の状態を示すモデル図である。
【図5】図2の非線形抵抗膜の表層の異物周辺の電界の状態を示すモデル図である。
【図6】図1の金属容器の内側表面の形成された非線形抵抗膜の特性であって、電流密度と印加電圧との関係を示したグラフである。
【図7】本発明に係る第2の実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に形成された非線形抵抗膜の一部を示す縦断面図である。
【図8】図7の金属容器の内側表面の形成された非線形抵抗膜の特性であって、電流密度と印加電圧との関係を示したグラフである。
【図9】本発明に係る第3の実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に形成された非線形抵抗膜の一部を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係る第4の実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に形成された非線形抵抗膜の一部を示す縦断面図である。
【図11】図10の実施形態の密閉型絶縁装置の一部を示し、非線形抵抗膜に付着している異物の挙動を示す部分切欠概略縦断面図である。
【図12】本発明に係る第5の実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に形成された非線形抵抗膜の一部を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る密閉型絶縁装置の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0033】
[第1の実施形態]
本発明の密閉型絶縁装置に係る第1の実施形態について、図1〜図6を用いて説明する。図1は、本実施形態の密閉型絶縁装置の一部を示す部分切欠概略縦断面図である。図2は、図1のII部の拡大縦断面図である。図3(a)は、図1のIII-III矢視横断面図に漂遊静電容量を示した図で、図3(b)は図2の非線形抵抗膜13を流れる電流の電流成分を示す等価回路図である。図4は、従来の絶縁膜13aの表層の異物5周辺に電界集中の状態を示すモデル図である。図5は、図2の非線形抵抗膜13の表層の異物5周辺の電界の状態を示すモデル図である。図6は、図1の金属容器3の内側表面の形成された非線形抵抗膜13の特性であって、電流密度と印加電圧との関係を示したグラフである。
【0034】
先ず、本実施形態の密閉型絶縁装置の構成について説明する。本実施形態の密閉型絶縁装置は、軸方向に複数に分割可能な金属容器3、高電圧導体1、およびスペーサ4を有する。
【0035】
金属容器3は、略円筒形であって、この円筒の中心軸に垂直な断面で、複数個に分割および接続できるように形成されている。図1に示す金属容器3は、第1金属容器31の両端それぞれに第2金属容器32および第3金属容器33が直列に接続された状態の例であって、これらの第1〜第3金属容器31〜33は分割可能である。
【0036】
複数に分割可能な金属容器3、すなわち第1金属容器31、第2金属容器32、および第3金属容器33それぞれの連結部の外周には、端部フランジ部3aが形成されている。第1〜第3金属容器31〜33を連結するときには、これらの端部フランジ部3a同士が、例えば締結ボルト等の締結手段によって締結されている。
【0037】
金属容器3のほぼ中心部には、円筒部の中心軸方向に沿って高電圧導体1が挿入されている。さらに、この高電圧導体1の外側で金属容器3内側には、例えばSFガス等の絶縁ガス2が封入されている。
【0038】
スペーサ4は、絶縁部材4aを有し、金属容器3内部を円筒の中心軸に垂直な方向に分割するように配置されている。このスペーサ4は、両面側から端部フランジ部3aによって挟み込まれるように固定されている。このとき、金属容器3の気密性を保持するように締結されている。スペーサ4の中心側は、金属容器3の内部に挿入された高電圧導体1を支持するように形成されている。
【0039】
この金属容器3の内側表面には、非線形な電気抵抗特性を有する非線形抵抗膜13が形成されている。この非線形抵抗膜13は、図2に示すように、電流密度が増大すると抵抗値が小さくなる非線形抵抗特性を有するZnO等の非線形抵抗粉末材14と、非線形抵抗粉末材14の誘電率よりも低い中空粒子状部材(中空ビーズ21)が充填された樹脂18が、金属容器3の内側表面に膜状に塗布されることによって形成されている。
【0040】
樹脂18に充填された非線形抵抗粉末材14は、樹脂18の内部で非線形抵抗粉末材14同士が互いに電気的に直列または並列に接続されている。すなわち、この非線形抵抗粉末材14同士が接続されて、樹脂18の内部には漏れ電流の主経路15が形成されて、上記のような非線形な電気抵抗特性を有する直列および並列の電気回路が形成される。
【0041】
これらの電気回路が形成されることによって、所望の非線形な電気抵抗特性を有する非線形抵抗膜13が得られる。この非線形抵抗粉末材14の充填量などの製造条件を調整することによって、この非線形抵抗膜13は所望の電気抵抗特性を得ることできる。
【0042】
図3(a)および図3(b)に示すように、密閉型絶縁装置の例えば高電圧回路(図示せず)に、例えば交流電圧を印加すると、非線形抵抗膜13には、この非線形抵抗膜13と高電圧導体1との漂遊静電容量Cgによってほぼ決まる交流電圧が作用する。これらにより非線形抵抗膜13に流れ込んだ電流、すなわち漂遊容量を通して流れる電流Jは、非線形抵抗膜13の静電容量成分Czと非線形抵抗成分Rzとに分流される。このとき、絶縁ガス2が封入された空隙に作用している電圧をVg、非線形抵抗膜13に作用する電圧をVzとしている。
【0043】
予め、この非線形抵抗成分Rzに流れ込む電流密度に応じて、非線形抵抗膜13の電気抵抗特性を上記調整方法などによって調整しておくとよい。
【0044】
図4に示すように、一般には、密閉された金属容器3の内側表面に形成された膜、例えば従来の絶縁膜13aの表層に異物5が存在すると、異物5の周辺には電界の集中する部分、すなわち等電位線16の間隔が密になる電界集中部10が現れる。この電界集中部10の電界が、例えば絶縁ガス2の電離電界を越えると、部分放電が発生する。異物5の周辺部で部分放電が発生すると、異物5に電荷が供給されて、異物5が金属容器3内を動きやすくなる。なお、この絶縁膜13aの電気抵抗は、無限大として捉えている。
【0045】
異物5が動きやすい状況は、絶縁性能を低下させる可能性がある。さらに、異物5の材質によっては、電界集中部10の電界の大きさが、異物5の材質の電子放射電界の大きさを越えて異物5が帯電して、さらに動きやすくなる場合もある。
【0046】
金属容器3の内面の膜、例えば絶縁膜13aと異物5との間には、主に異物5とこの絶縁膜13aとの電位差、絶縁ガス2の誘電率、および例えば商用周波数を有する印加電圧(交流電圧)などによって決まる密度の電流が流れる。この絶縁膜13aに流れ込んだ電流は、非線形抵抗膜13の容量成分と抵抗成分とに分かれて絶縁膜13a中を流れる。
【0047】
ここで、例えば、絶縁膜13aの電気抵抗特性を、非線形性特性を示す電流密度を絶縁ガス2の電子放射電界または臨界電界と、誘電率とで決まる電流密度の内の抵抗成分よりも低くなるように設定しておく。このように電気抵抗特性を設定すると、図5に示すように、異物5周辺の電界集中を緩和して異物5周辺で電界緩和部17を形成して部分放電が起こりにくくすることができる。すなわち、電界が集中する異物5周辺部分の膜の抵抗を低下させることによって、異物5周辺の膜の電位を異物5の電位に近づける。これにより、異物5周辺の等電位線16の間隔を膜厚方向にほぼ等間隔に広げて電界を緩和し、電界放射や部分放電が生じにくくすることが可能になる。
【0048】
このとき、異物5の周辺の電界集中を緩和して異物5の周辺で電界緩和部17が形成される。この電界緩和部17によって部分放電の発生を抑制することが可能である。すなわち、電界が集中する異物5の周辺部分の非線形抵抗膜13の抵抗を低下させることによって周辺の膜の電位を異物5の電位に近づけて、異物5の周辺の等電位線16の間隔を広げて電界を緩和して、部分放電や電子放射の発生を抑制している。
【0049】
この電界緩和状態では、等電位線16が膜厚方向にほぼ等間隔になるような一様な電界が非線形抵抗膜13に生成される。この一様な電界の大きさは、非線形抵抗膜13の誘電率および膜厚等よって変化する。
【0050】
これは、非線形抵抗膜13に印加される電圧が、非線形抵抗膜13の容量成分Czと抵抗成分Rzからなるインピーダンスと、ガス中の漂遊静電容量Cgからなるインピーダンスとの分圧比(Cg/(Cg+Cz)≒Cg/Cz)によって決まることに起因する。また、非線形抵抗膜13の容量成分Czが、膜の誘電率および膜厚に依存し、非線形抵抗膜13に生成される電界が、非線形抵抗膜13に印加される電圧を膜厚で除した値となることに起因する。すなわち、非線形抵抗膜13の誘電率および膜厚を調整することによって、非線形抵抗膜13に生成される電界を調整することが可能になる。
【0051】
非線形抵抗粉末材14が充填された非線形の抵抗特性を有する樹脂18は、図6に示すように、電流密度が増大するにつれて印加電圧が低下する非直線的な非線形の関係を有している。
【0052】
非線形抵抗膜13が図6に示す特性Bのとき、この一様な電界は、健全性確認試験時電圧V50に対しては、非直線抵抗膜が低抵抗領域となり非線形抵抗膜13上の異物5が動くのに十分な電荷を供給でき、運転時電圧V60に対しては高抵抗領域にあり非線形抵抗膜13上の異物5が動くのに必要な電荷を供給しないようにすることができる。
【0053】
非線形抵抗膜13が図6に示す特性Aのとき、この一様な電界は、健全性確認試験時に健全性確認試験電圧V50では非線形抵抗膜13は高抵抗領域にあり、非線形抵抗膜13上の異物5には、異物5が動くための十分な電荷が供給されない。
【0054】
非線形抵抗膜13を構成する樹脂18中に、図2に示すように、中空ビーズ21などの、非線形抵抗粉末材14よりも誘電率の低い充填材を充填して、非線形抵抗膜13の誘電率を低くすると、同じ膜厚、たとえば作業性の簡易な膜厚でも、非線形抵抗膜13への印加電圧を高く調整することが可能になる。すなわち、健全性確認試験時電圧V51や運転時電圧V61のように設定することが可能になる。
【0055】
このとき、非線形抵抗粉末材14の粒径は、接触面積が大きくなるように数十μmであることが望ましく、また中空ビーズ21等の充填材の粒径は、樹脂18中に充填された非線形抵抗粉末材14同士が接触しやすいように、非線形抵抗粉末材14の粒径と同程度以下となることが望ましい。また、中空ビーズ21の混合割合は、非線形抵抗粉末材14が互いに接触するのを妨げない程度の割合に抑えることが望ましい。
【0056】
この場合、非線形抵抗膜13が特性Aであっても、健全性確認試験時に、非線形抵抗膜13が低抵抗領域となり膜上の異物5が動くのに十分な電荷を供給することでき、運転時には高抵抗領域にあって膜上の異物5が動くのに必要な電荷が供給されることを抑制できる。
【0057】
本実施形態によれば、ZnO等の既存の非線形抵抗粉末材14の特性が健全性確認試験電圧に対して十分な電流を供給できない場合、非線形抵抗粉末材14よりも誘電率の低い充填材を充填することによって、非線形抵抗膜13への印加電圧を高くし、健全性確認試験時に異物5が動くのに十分な電荷を異物5に供給できるよう調整することができる。これにより、健全性確認試験によって異物5を見つけて除去しやすくなる。
【0058】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の密閉型絶縁装置は、よりコンパクト化されて且つ絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【0059】
[第2の実施形態]
本発明に係る密閉型絶縁装置の第2の実施形態について、図7および図8を用いて説明する。図7は、本実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器3の内側表面に形成された非線形抵抗膜13の一部を示す縦断面図である。図8は、図7の金属容器3の内側表面の形成された非線形抵抗膜13の特性であって、電流密度と印加電圧との関係を示したグラフである。
【0060】
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。また、本実施形態の密閉型絶縁装置は、非線形抵抗膜13以外は、図1に示した第1の実施形態の密閉型絶縁装置と同様である。
【0061】
本実施形態の非線形抵抗膜13は、図7に示すように、第1の実施形態と同様の非線形抵抗粉末材14と、例えばアルミナ粉末22等のような、非線形抵抗粉末材14よりも誘電率が高い粉末が充填された樹脂18が、金属容器3の内側表面に膜状に塗布されることによって形成されている。
【0062】
非線形抵抗膜13が、図8に示す特性Cである場合、一様な電界は、運転時電圧V60に対して、非線形抵抗膜13は低抵抗領域にある。このため、非線形抵抗膜13上の異物5が動くのに十分な電荷を供給してしまう。
【0063】
これに対して、図7に示すように、アルミナ粉末22等を充填して、非線形抵抗膜13の誘電率を大きくすると、同じ膜厚、たとえば作業性の簡易な膜厚であっても、非線形抵抗膜13への印加電圧を低く調整することができる。すなわち、健全性確認試験時電圧V52や運転時電圧V62のように設定することが可能になる。
【0064】
このとき、非線形抵抗粉末材14の粒径は、第1の実施形態と同様に、接触面積が大きくなる様に数十μmであることが望ましい。また、アルミナ粉末22は、樹脂18中に充填された非線形抵抗粉末材14同士が接触しやすいように、非線形抵抗粉末材14の粒径と同程度以下となることが望ましい。
【0065】
この場合、非線形抵抗膜13が特性Cであっても、健全性確認試験電界V52に対しては、非線形抵抗膜13が低抵抗領域となり膜上の異物5が動くのに十分な電荷を供給することでき、運転電界V62に対しては時には高抵抗領域にあって膜上の異物5が動くのに必要な電荷が供給されることが抑制される。
【0066】
本実施形態によれば、ZnO等の既存の非線形抵抗粉末材14の特性が運転電圧に対して異物5が動くのに十分な電流を供給してしまう場合、非線形抵抗粉末材14よりも誘電率の高い充填材を充填することによって、非線形抵抗膜13への印加電圧を低くし、運転時の印加電圧で異物5が動くのに十分な電荷を異物5に供給しないように調整することができる。これにより、健全性確認試験で異物5を見つけて除去しやすくし且つ運転時には異物5の影響を小さくすることができる。
【0067】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の密閉型絶縁装置は、よりコンパクト化されて且つ絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【0068】
[第3の実施形態]
本発明に係る密閉型絶縁装置の第3の実施形態について、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器3の内側表面に形成された非線形抵抗膜13の一部を示す縦断面図である。
【0069】
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。また、本実施形態の密閉型絶縁装置は、非線形抵抗膜13以外は、図1に示した第1の実施形態の密閉型絶縁装置と同様である。
【0070】
本実施形態の非線形抵抗膜13は、図9に示すように、第1の実施形態と同様に非線形抵抗粉末材14が充填された樹脂18が、金属容器3の内側表面に膜状に塗布されることによって形成されている。この非線形抵抗膜13の内側表面には、複数の凹凸部23が形成されている。
【0071】
万一、容器内面の非線形抵抗膜13の内側表面上に存在する異物5は、異物5が持つ電荷量によって動きやすさが変化する。
【0072】
図4に示すような従来の絶縁膜13aの場合には、万一、絶縁膜13aの上に存在する異物5に対して、絶縁膜13aの漏れ電流によって供給される電荷量は小さい状態を保持している。このため、漏れ電流によって供給電荷量を変化させることは難しい。
【0073】
一方、非非線形抵抗膜13の場合には、非線形抵抗膜13から異物5へ漏れ電流を通して供給される電荷量は、非線形抵抗膜13の非線形抵抗特性と、非線形抵抗膜13への印加電圧によって変化する。さらにこれら以外にも、異物5と非線形抵抗膜13との接触面積によって変化する。
【0074】
非線形抵抗膜13の内側表面に凹凸部23を形成することによって、異物5と非線形抵抗膜13との接触面積を変化させることが可能になる。本実施形態では、当該接触面積を凹凸部23を形成することによって、小さくしている。これにより、非線形抵抗膜13と異物5との間に形成される漏れ電流経路の多寡を変化させて、異物5への供給電荷を調整することができる。
【0075】
一般的な有害な異物5の大きさは直径が約100μm程度以上である。よって、異物5が凹部に落ち込まないように、互いに隣り合う凸部同士の間隔は100μm以下とすることが望ましい。すなわち、凸部同士や凹部同士の間隔で決まる表面粗さを、当該間隔が100μm以下の範囲で調整することによって、異物5に対する接触面積の多寡を調整することが可能になる。
【0076】
これにより、非線形抵抗膜13から異物5への電荷供給の多寡を調整することができ、運転電界では異物5が動きにくくなり、健全性試験時では異物5を動きやすくさせて発見および除去しやすくなる。
【0077】
以上の説明から明らかなように、本実施形態の密閉型絶縁装置は、よりコンパクト化されて且つ絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【0078】
また、本実施形態の非線形抵抗膜13の樹脂18に、非線形抵抗粉末材14と誘電率の異なる充填材、例えば中空ビーズ21やアルミナ粉末22等を充填してもよい。
【0079】
[第4の実施形態]
本発明に係る密閉型絶縁装置の第4の実施形態について、図10および図11を用いて説明する。図10は、本実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器3の内側表面に形成された非線形抵抗膜13の一部を示す縦断面図である。図11は、本実施形態の密閉型絶縁装置の一部を示し、非線形抵抗膜13に付着している異物5の挙動を示す部分切欠概略縦断面図である。
【0080】
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。
【0081】
本実施形態の非線形抵抗膜13は、図10に示すように、第1の実施形態と同様に非線形抵抗粉末材14が充填されたエラストマ24が、金属容器3の内側表面に膜状に塗布されることによって形成されている。
【0082】
図11に示すように、金属容器3に機械的振動が伝播すること、または、金属容器3が振動することによって、金属容器3内に万一存在する異物5が動き出す可能性がある。
【0083】
これに対して、エラストマ24の層が有する弾性特性の作用によって、金属容器3の機械振動が非線形抵抗膜13の内側表面に伝播することを抑制することができる。これにより、内側表面上の異物5へ振動が伝わりにくくなる。
【0084】
本実施形態によれば、健全性確認試験時に異物5を発見および除去しやすく、且つ運転時には機械的振動に対しても異物5を動きにくくすることが可能になる。したがって、密閉型絶縁装置は、よりコンパクト化されて且つ絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【0085】
また、本実施形態の非線形抵抗膜13のエラストマ24の層に、非線形抵抗粉末材14と誘電率の異なる充填材、例えば中空ビーズ21やアルミナ粉末22等を充填してもよい。
【0086】
[第5の実施形態]
本発明に係る密閉型絶縁装置の第5の実施形態について、図12を用いて説明する。図12は、本実施形態の密閉型絶縁装置の金属容器3の内側表面に形成された非線形抵抗膜13の一部を示す縦断面図である。
【0087】
なお、本実施形態は、第1の実施形態の変形例であって、第1の実施形態と同一部分または類似部分には、同一符号を付して、重複説明を省略する。また、本実施形態の密閉型絶縁装置は、非線形抵抗膜13以外は、図1に示した第1の実施形態の密閉型絶縁装置と同様である。
【0088】
本実施形態の非線形抵抗膜13は、図12に示すように、第1の実施形態と同様に非線形抵抗粉末材14が充填された樹脂18が、金属容器3の内側表面に膜状に塗布されることによって形成されている。
【0089】
この非線形抵抗膜13と金属容器3の内側用面との間には、非線形抵抗膜13よりも電気低効の低いエラストマにより形成されたエラストマ中間膜24aが設けられている。このエラストマ中間膜24aの弾性特性によって、金属容器3に機械的振動が発生しても、非線形抵抗膜13へ振動が伝わりにくくすることが可能になる。
【0090】
異物5は、非線形抵抗膜13と接しているため、非線形抵抗膜13の異物5に対する電界緩和作用や電荷供給特性は維持することができる。また、上記の通り、エラストマ中間膜24aの電気抵抗は、非線形抵抗膜13よりも低く設定してあるため、漏れ電流の大きさはほぼ非線形抵抗膜13の特性に起因している。
【0091】
これにより、健全性確認試験のときに、異物5を発見および除去しやすく、且つ運転時には機械的振動に対しても異物5を動きにくくすることができる。したがって、密閉型絶縁装置は、よりコンパクト化されて且つ絶縁信頼性を向上させることが可能となる。
【0092】
また、本実施形態の非線形抵抗膜13の樹脂18に、非線形抵抗粉末材14と誘電率の異なる充填材、例えば中空ビーズ21やアルミナ粉末22等を充填してもよい。
【0093】
[その他の実施形態]
上記実施形態の説明は、本発明を説明するための例示であって、特許請求の範囲に記載の発明を限定するものではない。また、本発明の各部構成は上記実施形態に限らず、特許請求の範囲に記載の技術的範囲内で種々の変形が可能である。
【0094】
例えば、第1〜第5の実施形態では、非線形抵抗粉末材14として、ZnOを用いた例を説明したが、これに限らない。電流密度に応じて抵抗値が低くなるような特性を有するものであれば、適用することが可能になる。
【0095】
また、第4の実施形態の特徴および第5の実施形態の特徴それぞれに、第3の実施形態の特徴を組み合わせることも可能である。
【符号の説明】
【0096】
1…高電圧導体、2…絶縁ガス、3…金属容器、3a…端部フランジ部、4…スペーサ、4a…絶縁部材、5…異物、10…電界集中部、13…非線形抵抗膜、13a…従来の絶縁膜、14…非線形抵抗粉末材、15…漏れ電流の主経路、16…等電位線、17…電界緩和部、18…樹脂、21…中空ビーズ、22…アルミナ粉末、23…凹凸部、24…エラストマ、24a…エラストマ中間膜、31…第1金属容器、32…第2金属容器、33…第3金属容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びた高電圧導体と、
前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、
前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材にこの非線形抵抗材と誘電率の異なる充填材が充填された非線形抵抗膜と、
を有することを特徴とする密閉型絶縁装置。
【請求項2】
前記充填材の誘電率は、前記非線形抵抗材の誘電率よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項3】
前記充填材は、中空の粒状部材であることを特徴とする請求項2に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項4】
前記充填材の誘電率は、前記非線形抵抗材の誘電率よりも高いことを特徴とする請求項1に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項5】
前記非線形抵抗材はZnOを含み、前記充填材はアルミナを含むことを特徴とする請求項4に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項6】
前記非線形抵抗膜は、前記非線形抵抗材に樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項7】
前記樹脂は、エラストマであることを特徴とする請求項6に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項8】
前記金属容器の内側表面および前記非線形抵抗膜の間に、エラストマにより形成された中間膜を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項9】
前記非線形抵抗膜の前記高電圧導体側の表面に複数の凹凸部が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の密閉型絶縁装置。
【請求項10】
軸方向に延びた高電圧導体と、
前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、
前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材が充填された樹脂からなり、前記高電圧導体側の表面に複数の凹凸部が形成された非線形抵抗膜と、
を有することを特徴とする密閉型絶縁装置。
【請求項11】
軸方向に延びた高電圧導体と、
前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、
前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性を備えた非線形抵抗材がエラストマに充填された非線形抵抗膜と、
を有することを特徴とする密閉型絶縁装置。
【請求項12】
軸方向に延びた高電圧導体と、
前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、
前記金属容器の内側表面に形成されて、電流密度が増大するにつれて抵抗値が低下する非線形抵抗特性が樹脂に充填されて形成された非線形抵抗膜と、
前記金属容器の内側表面と前記非線形抵抗膜との間に形成されて、エラストマからなる中間膜と、
を有することを特徴とする密閉型絶縁装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−207047(P2010−207047A)
【公開日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−52763(P2009−52763)
【出願日】平成21年3月6日(2009.3.6)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】