説明

密閉空間の冷却構造

【課題】本発明は、少なくとも一対の冷却装置を用いて冷風の循環を効率よく行うことを目的とする。
【解決手段】本発明による密閉空間の冷却構造は、第1冷却装置(3)から吹き出された第1冷風(3a)を前部(5)側の第2冷却装置(4)に送り、第2冷却装置(4)から吹き出された第2冷風(4a)は密閉室(1)の天井(9)側へ送られた後に第1冷却装置(3)へ送られて冷風の循環が行われる構成である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、密閉空間の冷却構造に関し、特に、少なくとも一対の冷却装置を用いて冷風の循環を効率よく行うようにするための新規な改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用いられていたこの種の密閉空間の冷却構造としては、社内製作のみで特許出願を行っていないため、特許文献としては特に開示していないが、社内製作の構成としては、図2に示すことができる。
すなわち、図2において符号1で示されるものは長手形状の長方形よりなる密閉室であり、この密閉室1の壁2には、互いに離間して一対の第1、第2冷却装置3、4が取付けられ、各冷却装置3、4は外部電源により冷却部を駆動して第1、第2冷風3a、4aを吹き出すことができるように構成されている。
【0003】
前記密閉室1は、長方形であるため前部5と後部6との間が長手形状に形成され、内部の密閉空間7は、底部8、壁2及び天井9によって形成されている。
【0004】
前述の構成において、前記各冷却装置3、4を作動させると、各冷却装置3、4から吹き出される第1、第2冷風3a、4aは、各冷却装置3、4から真上の天井9へ向けて送風され、密閉空間7内が冷却される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の密閉空間の冷却構造は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。
すなわち、各冷却装置から送風される各冷風は、各冷却装置から真上の天井に向けて送風されるため、各冷風は密閉空間内を循環することはできず、密閉空間全体の冷却効率を向上させることは困難であった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による密閉空間の冷却構造は、前部及び後部を有する長手形状の密閉室内の密閉空間を、前記密閉室の壁に取付けた少なくとも一対の第1、第2冷却装置からの冷風により冷却するようにした密閉空間の冷却構造において、前記第1冷却装置から吹き出された第1冷風を前記前部側の前記第2冷却装置側に送り、前記第2冷却装置から吹き出された第2冷風は前記密閉室の天井側に送られた後に前記第1冷却装置側へ送られる構成であり、また、前記天井の内側には、ファン装置が設けられ、前記第2冷風を前記第1冷却装置側へ送る構成である。
【発明の効果】
【0007】
本発明による密閉空間の冷却構造は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。
すなわち、前部及び後部を有する長手形状の密閉室内の密閉空間を、前記密閉室の壁に取付けた少なくとも一対の第1、第2冷却装置からの冷風により冷却するようにした密閉空間の冷却構造において、前記第1冷却装置から吹き出された第1冷風を前記前部側の前記第2冷却装置側に送り、前記第2冷却装置から吹き出された第2冷風は前記密閉室の天井側に送られた後に前記第1冷却装置側へ送られるため、各冷却装置から出た冷風は、密閉空間内の底部、壁及び天井に沿って四角状に循環し、密閉空間内をムラなくかつ効率良く冷却することができる。
また、前記天井の内側には、ファン装置が設けられ、前記第2冷風を前記第1冷却装置側へ送ることにより、天井に沿って流れる冷風を確実に第1冷却装置側へ送り込むことができ、冷風のより一層の効率の高い循環を達成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明は、少なくとも一対の冷却装置を用いて冷風の循環を効率よく行うようにした密閉空間の冷却構造を提供することを目的とする。
【実施例】
【0009】
以下、図面と共に本発明による密閉空間の冷却構造の好適な実施の形態について説明する。
尚、従来例と同一又は同等部分については同一符号を用いて説明する。
図1において符号1で示されるものは長手形状の長方形よりなる密閉室であり、この密閉室1の壁2には、互いに離間して一対の第1、第2冷却装置3、4が取付けられ、各冷却装置3、4は外部電源により図示しない冷却部を駆動して第1、第2冷風3a、4aを吹き出すことができるように構成されている。
【0010】
前記密閉室1は、長方形であるため前部5と後部6との間が長手形状に形成され、内部の密閉空間7は、底部8、壁2及び天井9によって形成されている。
前記天井9の内面には、ファン装置10が設けられ、一方向に送風するように構成されている。
尚、このファン装置10は、設けた場合の方が送風効率は向上するが、設けられていない場合も冷却作用は得ることができる。
【0011】
前述の構成において、前記第1冷却装置3の側部3Aから吹き出された第1冷風3aは、前部5側の第2冷却装置4側に送られ、第2冷却装置4の上部4Aから吹き出された第2冷風4aは天井9に吹き付けられて水平に曲げられ、ファン装置10で吸い込まれて第1冷却装置3側へ戻されるように到達する。
【0012】
従って、第1、第2冷却装置3、4を差動させると、第1冷却装置3で吹き出された第1冷風3aは、底部8に沿って第2冷却装置4を経て第2冷風4aとして天井9を介して循環し、冷風の流れとしては密閉空間7内で四角状の循環路として形成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による密閉空間の冷却構造を示す構成図である。
【図2】従来構造を示す構成図である。
【符号の説明】
【0014】
1 密閉室
2 壁
3 第1冷却装置
4 第2冷却装置
3a 第1冷風
4a 第2冷風
5 前部
6 後部
7 密閉空間
8 底部
9 天井
10 ファン装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前部(5)及び後部(6)を有する長手形状の密閉室(1)内の密閉空間(7)を、前記密閉室(1)の壁(2)に取付けた少なくとも一対の第1、第2冷却装置(3,4)からの冷風により冷却するようにした密閉空間の冷却構造において、
前記第1冷却装置(3)から吹き出された第1冷風(3a)を前記前部(5)側の前記第2冷却装置(4)側に送り、前記第2冷却装置(4)から吹き出された第2冷風(4a)は前記密閉室(1)の天井(9)側に送られた後に前記第1冷却装置(3)側へ送られることを特徴とする密閉空間の冷却構造。
【請求項2】
前記天井(9)の内側には、ファン装置(10)が設けられ、前記第2冷風(4a)を前記第1冷却装置(3)側へ送ることを特徴とする請求項1記載の密閉空間の冷却構造。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−19466(P2010−19466A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−179243(P2008−179243)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【出願人】(000203634)多摩川精機株式会社 (669)