説明

密閉装置および密閉方法

【課題】電池アセンブリ等に用いられる新規な密閉装置と密閉方法とを提供すること。
【解決手段】密閉装置を作成する方法は、筐体を形成しそれらの間に接触面を有する少なくとも2つの近接した部品で構成される構造体を用意するステップを含む。構造体の少なくとも1つの部品は、肉眼に実質的に不透明に見える、実質的に光透過性の物質で構成される。光硬化性接着剤が接触面に塗布され、光が伝達されて光硬化性接着剤を硬化し、少なくとも2つの近接した部品の間の接触面において気密密閉を形成する。

【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、2011年4月15日出願の米国仮特許出願第61/476,048号の米国特許法119条による優先権を主張し、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【技術分野】
【0002】
本発明は、シーリングの分野に属する。本開示は、密閉された筐体装置と、光硬化性接着剤を使用した複数の筐体部品を互いに付着する密閉方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
機械収容部または筐体を有する装置は、通常は、互いに付着されてその中に装置が機能するのを可能にする機械的または電気的構成要素を封入する2つ以上の部品から形成される。複数部品の筐体を付着する色々な方法の種々の例としては、接着剤および機械的付着メカニズム、例えばOリング、タブ、ラッチ、ボルトのあらゆる組み合わせの使用、部品間の締まりばめの形成、例えば2つの部品間の摩擦を用いて部品を互いに密閉すること、および部品を互いに溶接することがある。
【0004】
1つの特定の例(2010年8月25日出願の米国仮特許出願第61/376,983号および2011年4月15日出願の米国仮特許出願61/476,022号に開示、その全ての内容が参照により本明細書に組み込まれる)は、超音波溶接を使用して2つの収容部の副部品を互いに付着させるというものである。この例で、外科装置の電池アセンブリの外板の2つの半片は超音波で互いに溶接され、電池アセンブリ内の構成要素と周囲の間を気密密閉する。気密密閉は、密閉の一方の側から汚染物質が密閉の他の側に移らないよう、電池アセンブリの内部およびその中に配置される構成要素を、装置が挿入される作動環境の滅菌領域から充分に隔離する。この密閉は少なくともガスタイトで、それによって空気、水分、気相H、などの侵入を防ぐ。例えば、Steris Corporationにより製造され商品名V−PROと呼ばれる滅菌装置、またはJohnson&Johnsonの企業Ethicon,Inc.の部門Advanced Sterilization Products(ASP)により製造され商品名STERRAD(登録商標)と呼ばれる滅菌装置により実行される低温気相過酸化水素(H)を用いて、この電池アセンブリのガスタイト構造が滅菌を可能にする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の電池アセンブリの超音波溶接により形成される気密密閉は、電池アセンブリの滅菌を可能にするという有利な点があるが、気密密閉の維持管理、およびそれによる電池アセンブリ内に収容された構成要素の保存は徐々に低下する可能性がある。滅菌の間に使用されるH、洗浄薬、および消毒液の全ての併用は、気密密閉に負荷を与え、従って電池アセンブリ内の構成要素にも同様に負荷を与える。
【0006】
よって、前述したシステム、設計、およびプロセスのあらゆる潜在する問題を解消するという要請が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、この一般的なタイプの従来公知の装置および方法の前述の欠点を解消する、密閉装置および密閉方法を提供する。
【0008】
前述の目的および他の目的を考慮して、本発明による、筐体を形成しかつそれらの間に接触面を有する少なくとも2つの近接した部品で構成される構造体を用意し、構造体の少なくとも1つの部品が肉眼に実質的に不透明に見え、かつ実質的に光透過性である物質で構成されるステップと、接触面に光硬化性接着剤を塗布するステップと、光を伝達して光硬化性接着剤を硬化し、少なくとも2つの近接した部品間の接触面において気密密閉を形成するステップを含む密閉方法が提供される。
【0009】
本発明の目的を考慮して、第1および第2の接触面をそれぞれ持つ少なくとも第1および第2の収容部部分と、実質的に光透過性である物質で構成されたバンド(帯状体)であって、第1および第2の接触面において第1および第2の収容部部分間に配置されて第1および第2の収容部部分とともに筐体を形成するバンドで構成される構造体を用意するステップと、バンドと第1および第2の収容部部分間の第1および第2の接触面において光硬化性接着剤を塗布するステップと、光を伝達して光硬化性接着剤を硬化し、バンドと第1および第2の収容部部分間の第1および第2の接触面において気密密閉を形成するステップを含む密閉方法も提供される。
【0010】
本発明の目的を考慮して、筐体を形成しかつそれらの間に接触面を有する近接した部品で構成された複数部品の構造体を用意するステップと、筐体の内部に少なくとも1つの光源を配置するステップと、接触面に光硬化性接着剤を塗布するステップと、少なくとも1つの光源に電力を供給して光硬化性接着剤を筐体の内側から硬化するのに十分な光を伝達し、それにより近接した部品間の接触面において気密密閉を形成するステップを含む密閉方法も提供される。
【0011】
本発明の他の様式に従い、光が、肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である構造体の少なくとも1つの部品を通して伝達されることにより、光硬化性接着剤を硬化する。
【0012】
本発明のさらなる様式に従い、肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である構造体の少なくとも1つの部品が、紫外線光透過性であり、光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性があり、伝達される光が紫外線光である。
【0013】
本発明の追加された様式に従い、肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である構造体の少なくとも1つの部品が、可視光透過性であり、光硬化性接着剤が可視光に硬化性があり、伝達される光が可視光である。
【0014】
本発明の付加的な様式に従い、肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である構造体の少なくとも1つの部品が、透明ポリマー素材で構成される。
【0015】
本発明のさらに他の様式に従い、光透過剤を透明ポリマー素材へ添加し透明ポリマー素材が肉眼に不透明な外見を持つよう起因する添加、および拡散剤を透明ポリマー素材へ添加し、光硬化性接着剤の硬化のため接触面に沿って伝達された光を分散する添加のうち少なくとも1つの添加のステップが提供される。
【0016】
本発明のさらなる様式に従い、塗布するステップの後かつ伝達するステップの前に、接触面において構造体の少なくとも2つの近接した部品をともに取り付けることにより閉じられた筐体の形成。
【0017】
本発明の追加された様式に従い、構造体が、さらに実質的に光透過性である物質で構成されたバンドを有し、バンドは接触面において少なくとも第1および第2の収容部部分間に配置されて、第1および第2の収容部部分とともに筐体を形成する。
【0018】
本発明のさらに付加的な様式に従い、光が、バンドを通して伝達されることにより、光硬化性接着剤を硬化する。
【0019】
本発明の重ねて他の様式に従い、バンドが紫外線光透過性であり、光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性があり、伝達される光が紫外線光である。
【0020】
本発明の重ねてさらなる様式に従い、バンドが可視光透過性であり、光硬化性接着剤が可視光に硬化性があり、伝達される光が可視光である。
【0021】
本発明の重ねて追加された様式に従い、バンドが肉眼に実質的に不透明に見える。
【0022】
本発明の重ねて付加的な様式に従い、バンドが肉眼に不透明な外見を持つよう起因する光透過剤、および光硬化性接着剤の硬化のため、少なくとも1つの第1および第2の接触面に沿って伝達された光を分散する拡散剤のうち1つのバンドへの添加のステップが提供される。
【0023】
本発明のなお他の様式に従い、筐体の内部に電池アセンブリを提供するステップと、少なくとも1つの光源に電力を供給するため、電池アセンブリを少なくとも1つの光源に電気的に接続するステップが提供される。
【0024】
本発明のなおさらなる様式に従い、筐体内に回路基板が提供され、回路基板に少なくとも1つの光源が配置され、回路基板は少なくとも1つの光源が光硬化性接着剤を硬化するのに十分な光を伝達するよう起因するため動作可能である。
【0025】
本発明のなお追加された様式に従い、少なくとも1つの光源が少なくとも1つの紫外線光源であり、光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性がある。少なくとも1つの光源が複数の紫外線発光ダイオードである。
【0026】
本発明のなお付加的な様式に従い、少なくとも1つの光源が少なくとも1つの可視光源であり、光硬化性接着剤が可視光に硬化性がある。
【0027】
密閉装置および密閉方法で実施されるように本発明を本明細書に示して記載するが、本発明の趣旨から逸脱することなく請求項の等価物の領域および範囲内でその中に種々の改良および構造の変更がなされうるので、これは示される詳細に限定することを意図するものではない。また、本発明の例示的な実施形態の公知の構成要素は、本発明の関連する詳細を不明瞭にしないように、詳細に記載しないかまたは省略する。
【0028】
本発明の付加的な利点および他の機能、特徴を以下の詳細な記載に述べ、利点および他の機能、特徴は詳細な記載から明らかであるかもしれず、または本発明の例示的な実施形態の実践により分かるかもしれない。本発明のさらに他の利点は、特に請求項で指摘されるあらゆる手段、方法または組み合わせにより理解されるかもしれない。
【0029】
本発明の特徴と考えられる他の機能を、添付の請求項に記載する。
【0030】
添付の図は、同一の参照番号は個々の図全体にわたり同一または機能的類似の構成要素を指し、縮尺を表すものではなく、後述の詳細な記載とともに明細書に包含され部分を形成し、さらに種々の実施形態を示し、本発明による種々の原理および利点を全て説明する。本発明の実施形態の利点はその例示的な実施形態の後述の詳細な記載から明らかとなり、記載は添付の図と併せて検討すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の例示的な実施形態による、電池アセンブリを有する外科装置の部分左立面図である。
【図2】図1の電池アセンブリの前面を上部から見た斜視図である。
【図3】本発明の例示的な実施形態により密閉電池アセンブリの破片の斜視図である。
【図4】本発明の他の例示的な実施形態により密閉電池アセンブリの破片の斜視図である。
【図5】図2の電池アセンブリの内部の構成要素の例示的な実施形態の破片の斜視図である。
【図6】図1の装置の変換発生器アセンブリの側面の斜視図である。
【図7】本発明による変換発生器アセンブリの他の例示的な実施形態の側面の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
必要に応じて、本発明の詳細な実施形態を本明細書中に開示する。しかし、開示された実施形態は単に本発明の例示であり、種々の形で実施可能であることを理解すべきである。従って、本明細書中に開示する特定の構造および機能の詳細は限定と解釈すべきでなく、単に請求項に関する基本、および実質的にあらゆる適切に詳細な構造で本発明を多様に採用するための当業者に対する教示の代表的な基本として解釈すべきである。さらに、本明細書で使用される語および語句は限定を意図せず、むしろ本発明の理解可能な記載の提供を意図する。明細書は新規とみなされる本発明の特徴を定義する請求項で締めくくるが、図と併せて後述の記載を検討することでよりよく理解されると思われる。図では同一の参照番号が繰り返される。
【0033】
別の実施形態が、本発明の趣旨または範囲から逸脱することなく考案されるかもしれない。また、本発明の例示的な実施形態の公知の構成要素は、本発明の当該詳細を不明瞭にしないように、詳細に記載せず、または省略する。
【0034】
本発明を開示および記載する前に、本明細書で使用される用語は特定の実施形態を記載する目的のためだけであり、限定を意図しないことを理解すべきである。本明細書で使用される「1つの」の語は、1つまたは2つ以上として定義される。本明細書で使用される「複数,」の語は2つまたは3つ以上として定義される。本明細書で使用される「他の,」の語は少なくとも第2またはそれ以上として定義される。「を含む」および/または「有する」の語は、本明細書で使用されるように、備えるとして定義される(すなわちオープンランゲージ)。本明細書で使用される「連結される,」の語は接合されると定義されるが、必ずしも直接、および機械的にではない。
【0035】
第1および第2、上部および下部などのような関係を示す語を、そのような存在物またはアクションの間の実際のそのような関係または順序を必ずしも必要とするまたは意味することなく、1つの存在物またはアクションを他の存在物またはアクションから単に区別するために使用するかもしれない。「備える」またはそのあらゆる他の変形の語は、構成要素のリストを有するプロセス、方法、物品または機器がそれらの構成要素のみを有することがないよう、除外しない含有をカバーするため意図されたものであり、明示的に挙げられていない、またはそのようなプロセス、方法、物品または機器に固有の他の構成要素を有してもよい。「を備える」で始まる構成要素は、それ以上の制約なしに、プロセス、方法、物品または機器の付加的な同一の構成要素の存在を除外しない。
【0036】
本明細書で使用される「約」または「およそ」の語は、明確に示されるか否かにかかわらず、全ての数値にあてはまる。これらの語は、通常、当業者が列挙される値に等しい(すなわち同一の機能または結果を持つ)と検討するであろう数の範囲をいう。多くの場合、これらの語は最も近い有意の数字に四捨五入される数を含んでもよい。
【0037】
本明細書に、本発明の種々の実施形態を記載する。多くの異なる実施形態で、特徴は類似する。従って、冗長を避けるため、ある状況ではこれらの類似の特徴の繰り返す記載をしないかもしれない。しかし、最初に表れた特徴の記載は後に記載される類似の特徴およびそれぞれの記載にあてはまり、従ってそのような繰り返しなしにその中に含まれることを理解すべきである。
【0038】
ここで図を詳細に、まず、特に図1を参照すると、コードレス手術アセンブリ300の第1の例示的な実施形態が示され、これは米国仮特許出願番号第61/376,983号および第61/476,022号に詳細に記載されている。アセンブリ300は、3つの主な構成要素部品、(1)電池アセンブリ301、(2)ハンドルアセンブリ302と超音波カットブレード導波アセンブリ304、および(3)変換発生器(“TAG”)アセンブリ303を有する。
【0039】
図2は、外板2802の2つの半片2802aおよび2802bならびに埋め込まれた複数リード電池端末アセンブリ2804が電池アセンブリ301の周囲と内部との間を気密密閉するよう、超音波で溶接され完全に組み立てられた電池アセンブリ301を示す。本発明の例示的な実施形態は、類似の電池およびTAGアセンブリの複数部品の収容部を密閉する発明の方法を提供する。しかし、開示された実施形態は単に本発明の例示であり、その中に種々の機械的または電気的構成要素を封入するともに付着された2つ以上の部品から形成される機械的収容部または筐体を有する、種々の装置で実施可能なことを理解すべきである。いくつかの例示的な装置は、腹腔鏡カメラ、硬性内視鏡、および他の封入装置、例えば腹腔鏡または他の機械的ハンドツールといった必ずしも封入装置でない装置を含む。
【0040】
本明細書で使用される「気密」密閉は、密閉の一方の側から汚染が密閉の他の側に移らないよう、区画(例えば外板の内部)およびその中に配置される構成要素を、装置が挿入される作動環境の滅菌領域から充分に隔離する密閉を示す。この密閉は少なくともガスタイトで、それによって空気、水分、気相H、などの侵入を防ぐ。最初の組み立てで、大気が存在するあらゆる水分とともに筐体内に閉じ込められる。これは、容易に電子筐体内に望ましい量より多くの水分がある可能性がある。従って、例示的な実施形態で、筐体の内部に乾燥システムを備えることが望ましく、2つの目的を提供できる。主要な目的は、装置の寿命にわたり侵入する可能性があるあらゆる水分を吸収することであるが、適切なサイズであれば、乾燥システムは、組み立て中に閉じ込められたあらゆる水分を吸収する機能ももってもよい。従って、乾燥システムは組み立てを単純化し、筐体を特別な環境下で閉じる必要をなくす。
【0041】
本発明の例示的な実施形態を記載する。図3を参照すると、例示的な電池アセンブリ110が示される。電池アセンブリ110は、第1の部分112aおよび第2の部分112bを有する外板または収容部112を有する。この例示的な実施形態で、第1の部分112aおよび第2の部分112bは、外板または収容部112の第1および第2の半片である。しかし、収容部112が2つの半片で提供される必要はない。実際に、収容部112は3つ以上の異なる副部品で構成されてもよい。第1の収容部部分112aおよび第2の収容部部分112bは互いに付着されて、その中に電池アセンブリ110が電源を供給する装置が機能するのを可能にする機械的および電気的構成要素(図示せず)を封入する。紫外線(UV)光硬化性または可視光硬化性接着剤が、収容部部分112a、112bを互いに付着するのに使用される。この例示的な実施形態で、第1および第2の収容部部分112a、112bは、それらの間に接触面114を有し、接着剤が接触面114の対向する片側または両側に塗布され、第1の収容部部分112aと第2の収容部部分112bとの間を気密密閉する。接着剤の位置を考えると、接着剤は図内で容易に示されず、従って図示しない。しかし、第1の収容部部分112aと第2の収容部部分112bとの間の接触面114に沿ってそれらの間に接着剤が配置されることを、当業者は理解するであろう。
【0042】
この例示的な構成で、第1の収容部部分112aと第2の収容部部分112bのそれぞれは、肉眼に不透明に見える物質で形成されるが、光透過性である。言い換えれば、収容部112は光が透過し、2つの収容部部分112a、112bを互いに密閉する接着剤の硬化を可能にするが、それを通して肉眼の可視性を可能にするには十分透過しない。本出願および後述する請求項の目的に関し、「実質的に不透明」および「実質的に透明」の語を、肉眼に不透明に見え、なお光スペクトルの少なくとも部分がそれを通して伝達されることを可能にする物質の特徴付けとしてそれぞれ定義する。よって、この例示的な実施形態で、接着剤を硬化し収容部部分112a、112bを互いに密閉するため、UV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)が収容部部分112a、112bを通して伝達される。
【0043】
図4は他の例示的な電池アセンブリ210を示す。電池アセンブリ210は図3の電池アセンブリ110と類似しており、従って、100を足した類似の参照番号が類似の部品を指す。電池アセンブリ210は、しかし、第1の収容部部分212aと第2の収容部部分212bとの間に配置されたスペーサーバンド220を有する。光硬化性接着剤が使用され、収容部部分212aおよび212b、およびバンド220を一体に付着する。この例示的な実施形態で、第1の収容部部分212aおよびバンド220はそれらの間に接触面214aを有し、第2の収容部部分212bおよびバンド220はそれらの間に接触面214bを有する。接着剤が接触面214a、214bに塗布され、3つの部品212a、212b、220の間を気密密閉し、集合的に図4の収容部212を形成する。接着剤の位置を考えると、接着剤は図内で容易に示されず、従って図示しない。しかし、第1の収容部部分212aおよび第2の収容部部分212bとバンド220との間の接触面214a、214bに沿ってそれらの間に接着剤が配置されることを、当業者は理解するであろう。
【0044】
この例示的な構成で、バンド220は、2つの収容部部分212a、212bおよびバンド220を互いに密閉する接着剤の硬化を可能にする光透過性がある物質から形成される。この物質は、図3の収容部部分112a、112bの製作に使用されるものと同一、すなわち視覚的に不透明だが光を透過するものであってもよい。代わりに、バンド220は第1の収容部部分212aと第2の収容部部分212bとの間に対して収容部212のもっと小さい部分を占めるので、バンド220を光透過性および視覚的に透明の両方の物質で形成してもよい。そのような構成で、収容部212の内部に封入される構成要素のほとんどは、収容部部分212a、212bにより実質的に隠されたままであろう。
【0045】
図4の収容部部分212a、212bは、図3の収容部部分112a、112bと同一の物質で形成してもしなくてもよい。言い換えれば、光がすでにバンド220を通って伝達し接着剤の硬化が可能であるので、この例示的な実施形態で収容部部分212a、212bは光透過性である必要がない。よって、図4の例示的な構成で、UV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)が透過バンド220を通して伝達されて接着剤を硬化し収容部部分212a、212bをともに密閉するが、収容部部分212a、212bはこの光に透過性がある必要はない。収容部部分の特性、例えば潤滑性、固さ、燃焼等級、RFブロッキングを変更する充填剤を使用して、不透明度を生成することができる。
【0046】
図5は、電池アセンブリ410の内部の構成要素の例示的な構成を示す。この例示的な実施形態で、収容部は図示しないが、図3または図4の収容部112、212のどちらかと同様であってもよい。この例示的な実施形態で、収容部をつくる物質は、接着剤を硬化する目的、視覚的に不透明だが光を透過、または光を完全に非透過かどうかとは関連がない。これは、この例示的な構成で、光硬化性接着剤が収容部の内部から硬化され、収容部部分の間を気密密閉するからである。例えば、複数の発光ダイオード(LED)424を、収容部の内部に収容される1つまたは複数の回路基板426に配置してもよい。そのようなLEDは、接着剤を硬化させ収容部部分を互いに密閉するのに十分なUV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)を伝達する動作が可能である。硬化、すなわちLEDの動作は、例えば製造プロセスの間に起こるかもしれない。例示的な構成で、LEDを回路基板の縁部周辺に配置し、結合部全体にわたり均一に照明することが可能である。製造プロセスの間に硬化されるとき、製造者は製造された装置の出荷前に密閉の継続性をテストすることが可能である。
【0047】
ここで図6および図7を参照すると、例示的な密閉装置および例示的な密閉方法を示す付加的な実施形態が示され、今回は図1に示された装置内のTAGアセンブリと類似の変換発生器(“TAG”)アセンブリを使用している。図6のTAGアセンブリ510の例示的な実施形態は、ともに付着され、その中に機械的および電気的構成要素(図示せず)を封入する第1の収容部部分512aおよび第2の収容部部分512bを含む2つの部品の収容部512を有する。UVまたは可視光硬化性接着剤が使用され、収容部部分512a、512bをともに付着する。この例示的な実施形態で、第1の収容部部分512aおよび第2の収容部部分512bはそれらの間に接触面514を有し、接着剤が接触面514に塗布されて第1の収容部部分512aと第2の収容部部分512bとの間を気密密閉する。接着剤の位置を考えると、接着剤は図内で容易に示されず、従って図示しない。しかし、第1の収容部部分512aと第2の収容部部分512bとの間の接触面514の少なくとも半分に沿ってそれらの間に接着剤が配置されることを、当業者は理解するであろう。
【0048】
この例示的な実施形態で、第1および第2の収容部部分512a、512bのそれぞれは、不透明に見えるが光透過性である物質から形成される。言い換えれば、収容部512の少なくとも部分は光が透過し接着剤を硬化させ2つの収容部部分512a、512bをともに密閉することを可能にするが、それを貫く可視性を可能にするのに十分に透過しない。よって、この例示的な実施形態で、UV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)が収容部部分512a、512bを通して伝達されて、接着剤を硬化し収容部部分512a、512bをともに密閉する。
【0049】
図7では、TAGアセンブリ610は図6のTAGアセンブリ510と類似しており、従って、100を足した類似の参照番号が類似の部品を指す。TAGアセンブリ610は、第1の収容部部分612aと第2の収容部部分612bとの間に配置されたスペーサーバンド620を有する。光硬化性接着剤が使用され、収容部部分612a、612bおよびバンド620をともに付着する。この例示的な実施形態で、第1の収容部部分612aおよびバンド620はそれらの間に接触面614aを有し、第2の収容部部分612bおよびバンド620はそれらの間に接触面614bを有する。接着剤が接触面614a、614bに塗布されて、3つの部品612a、612b、620間を気密密閉し、集合的に図7の収容部を形成する。接着剤の位置を考えると、接着剤は図内で容易に示されず、従って図示しない。しかし、第1の収容部部分612aおよび第2の収容部部分612bとバンド620との間の少なくとも1つの接触面614a、614bに沿ってそれらの間に接着剤が配置されることを、当業者は理解するであろう。
【0050】
この例示的な構成で、バンド620は光透過性で接着剤を硬化し2つの収容部部分612a、612bおよびバンド620をともに密閉することを可能にする物質から形成される。この物質は、図6の収容部部分512a、512bの作成に使用されるものと同一、すなわち視覚的に不透明だが光を透過するものであってもよい。代わりに、バンド620は第1の収容部部分612aと第2の収容部部分612bとの間に対して収容部612のもっと小さい部分を占めるので、バンド620を光透過性および視覚的に透明の両方の物質で形成してもよい。そのような構成で、収容部612の内部に封入される構成要素のほとんどは、収容部部分612a、612bにより実質的に隠されたままであろう。
【0051】
図7の収容部部分612a、612bは、図6の収容部部分512a、512bと同一の物質で形成してもしなくてもよい。言い換えれば、光がすでにバンド620を通って伝達し接着剤の硬化が可能であるので、この例示的な実施形態で収容部部分612a、612bは光透過性である必要がない。よって、図7の例示的な構成で、UV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)が透過バンド620を通して伝達されて、接着剤を硬化し収容部部分612a、612bをともに密閉する。
【0052】
他の例示的な実施形態で、TAGアセンブリは、収容部内部から硬化された光硬化性接着剤により密閉された、2つの部品の収容部を有してもよい。例えば、収容部は、その中に封入された1つまたは複数の回路基板と、回路基板上に配置され、接着剤を硬化させ収容部副部品間を密閉するのに十分なUV光(約320から約390nmの間の波長を持つ)または可視光(約435から約500nmの間の波長を持つ)を伝達するよう動作可能な、1つまたは複数のUV LEDを有してもよい。この例示的な実施形態で、収容部を製作する物質は、接着剤を硬化する目的、視覚的に不透明だが光を透過、または光を完全に非透過かどうかとは関連がない。
【0053】
電池アセンブリ内の前述の変形をTAGアセンブリに同等にあてはめることが可能であり、従ってその全体がここに繰り返されることを述べておく。
【0054】
本明細書に記載されたように、収容部部分112a、112b、212a、212b、512a、512b、612a、612b、2802a、2802bのいずれも実質的に不透明にするため、着色剤を使用して、可視光をブロックするがUV光の通過を可能にすることができる。
【0055】
収容部112、212、512、612、2802およびバンド220、620が光を透過するが肉眼に不透明に見える1つの例示的な実施形態で、収容部部分112a、112b、212a、212b、512a、512b、612a、612b、2802a、2802bおよびバンド220、620を形成する物質は、透明ポリマー、例えばポリカーボネート、ポリスルホン、アクリル、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または透明ナイロンを含む。色味剤、拡散剤または他の充填材物質、例えばガラス、鉱物、マイカおよびタルクのあらゆる組み合わせが透明ポリマーに添加されてくもった不透明な外見をつくり、なおそれを通してUVまたは可視光を伝達する能力を保持する。ポリマー物質に添加される拡散剤も、光硬化性接着剤の硬化の間光の分散を補助する光導体としてはたらくかもしれない。
【0056】
例えば、本発明の原理によると、収容部部分112a、112b、212a、212b、512a、512b、612a、612b、2802a、2802bおよびバンド220、620は、その後特定のPANTONE(登録商標)色番号に基いた色で着色された透明なポリカーボネート物質で構成してもよい。また、成分にカーボンブラックを含む拡散剤を、その後ポリカーボネート基材に添加することができる。
【0057】
光硬化性接着剤は、UVまたは可視光硬化性接着剤、例えばDYMAX(登録商標)、LOCTITE(登録商標)、または当業者に公知のあらゆる他の適切な光硬化性接着剤である。光硬化性接着剤は、収容部またはその中に包含される回路のポリマーを腐食または劣化させる遊離ガスを放出する他の接着剤、例えば二液性エポキシ/ウレタン接着剤を越える利点を提供する。電池セルを減圧すること−電池アセンブリ収容部内からアウトガスを排出すること−が電池セルを劣化または破壊する可能性があるので、これは、内部でエポキシ接着剤からのアウトガスが例えば全く排出できない電池アセンブリには特に有益である。
【0058】
例示的な実施形態で、バンド220、620はその内部表面に、電池アセンブリ210またはTAGアセンブリ610内の全ての方向へ光の反射を補助するテクスチャ付加またはレンズ化(例えばフレネル造形)を有する。
【0059】
他の例示的な実施形態で、バンド220、620は、第1および第2の収容部部分212a、612aおよび212b、612b(すなわち溝内に舌状部がある接続)内に形成された対応する溝と結合してバンド220、620を第1および第2の収容部部分に固定する、構成された舌状部を有する。そのような他の例示的な実施形態で、溝の縁部および/または(溝内に配置されるよう構成される)舌状部、またはあらゆる収容部の内部表面が、硬化する光が溝または収容部内部周辺で反射およびはね返り硬化を増強するよう、選択的に透明および/または鏡状であることができる。
【0060】
他の例示的な実施形態で、接着剤内の光開始剤に反応しない不活性カバーガスを使用することにより接着効果が向上される。例えば、硬化が、可能な限り少ない酸素を含む窒素ガス環境で起こる可能性がある。
【0061】
他の例示的な実施形態で、製造プロセスは、硬化されようとしている部品を調べるため、ナローバンドの光フィルタを使用して光の硬化波長をブロックするが、光の非反応の可視波長をブロックしない。
【0062】
さらに他の例示的な実施形態で、より低い強度で反応する可視光を使用して厚い区域を通したより遅い硬化を起こし、接着剤の収縮が基板からの剥離を引き起こしうる前に
接着剤および基板の間の表面で接着を可能にする。
【0063】
収容部部品の内部表面が塗装され、結合部の領域が不透明部分の塗装された境界の外側であれば、外側領域を硬化のためUV光に露出することができる。
【0064】
前述の記載および添付の図は、本発明の原理、例示的な実施形態、および動作モードを示す。しかし、本発明は前述の特定の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。前述の実施形態の付加的な変形が当業者に理解され、前述の実施形態は制限よりむしろ一例としてみなすべきである。従って、後述の請求項により定義されたような本発明の範囲から逸脱することなく、当業者がそれらの実施形態の変形が可能であることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0065】
112,212,512,612…収容部、112a,112b,212a,212b,512a,512b,612a,612b…収容部部分、114,214a,214b,514,614a,614b…接触面、210,301,410…電池アセンブリ、220,620…スペーサーバンド、300…コードレス手術アセンブリ、302…ハンドルアセンブリ、303,510,610…TAGアセンブリ、304…超音波カットブレード導波アセンブリ、426…回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体を形成しかつ間に接触面を有する少なくとも2つの近接した部品で構成される構造体を用意するステップであって、前記構造体の少なくとも1つの部品が肉眼に実質的に不透明に見え、かつ実質的に光透過性である物質で構成される、ステップと、
前記接触面に光硬化性接着剤を塗布する塗布ステップと、
光を伝達して前記光硬化性接着剤を硬化し、前記少なくとも2つの近接した部品間の前記接触面において気密密閉を形成する伝達ステップと、
を含む、密閉方法。
【請求項2】
前記光が、肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である前記構造体の前記少なくとも1つの部品を通して伝達されることにより、前記光硬化性接着剤を硬化する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である前記構造体の前記少なくとも1つの部品が、紫外線光透過性であり、
前記光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性があり、
前記伝達される光が紫外線光である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である
前記構造体の前記少なくとも1つの部品が、可視光透過性であり、
前記光硬化性接着剤が可視光に硬化性があり、
前記伝達される光が可視光である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
肉眼に実質的に不透明で、かつ実質的に光透過性の両方である前記構造体の前記少なくとも1つの部品が、透明ポリマー素材で構成される、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
光透過剤を前記透明ポリマー素材へ添加し前記透明ポリマー素材が肉眼に不透明な外見を持つよう起因する添加、および
拡散剤を前記透明ポリマー素材へ添加し、前記光硬化性接着剤の硬化のため前記接触面に沿って前記伝達された光を分散する添加
のうち少なくとも1つを添加するステップを含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記塗布ステップの後で、前記伝達ステップの前に、前記接触面において前記構造体の前記少なくとも2つの近接した部品を互いに取着することにより閉じられた筐体を形成するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記構造体が、さらに実質的に光透過性である物質で構成されたバンドを有し、前記バンドは前記接触面において前記少なくとも2つの近接した部品間に配置されて前記少なくとも2つの近接した部品とともに前記筐体を形成する、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
第1の接触面および第2の接触面をそれぞれ持つ少なくとも第1の収容部部分および第2の収容部部分と、
実質的に光透過性である物質で構成されたバンドであって、前記第1の接触面および前記第2の接触面において前記第1の収容部部分および前記第2の収容部部分の間に配置されて前記第1の収容部部分および前記第2の収容部部分とともに筐体を形成するバンドと、
で構成される構造体を用意するステップと、
前記バンドと前記第1の収容部部分および前記第2の収容部部分との間の前記第1の接触面および前記第2の接触面において光硬化性接着剤を塗布するステップと、
光を伝達して前記光硬化性接着剤を硬化し、前記バンドと前記第1および第2の収容部部分の間の前記第1および第2の接触面において気密密閉を形成するステップと、
を含む、密閉方法。
【請求項10】
前記光が、前記バンドを通して伝達されることにより前記光硬化性接着剤を硬化する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記バンドが紫外線光透過性であり、
前記光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性があり、
前記伝達される光が紫外線光である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記バンドが可視光透過性であり、
前記光硬化性接着剤が可視光に硬化性があり、
前記伝達される光が可視光である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記バンドが肉眼に実質的に不透明に見える、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
さらに、前記バンドが肉眼に不透明な外見を持つよう起因する光透過剤を前記バンドへ添加するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
さらに、前記光硬化性接着剤の硬化のため、少なくとも前記第1および第2の接触面に沿って前記伝達された光を分散する拡散剤を前記バンドへ添加するステップを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
筐体を形成しかつ間に接触面を有する複数の近接した部品で構成された複数部品構造体を用意するステップと、
前記筐体の内部に少なくとも1つの光源を配置するステップと、
前記接触面に光硬化性接着剤を塗布するステップと、
前記少なくとも1つの光源に電力を供給して前記光硬化性接着剤を前記筐体の内側から硬化するのに十分な光を伝達し、それにより前記近接した部品の間の前記接触面において気密密閉を形成するステップと、
を含む、密閉方法。
【請求項17】
前記筐体の内部に電池アセンブリを設けるステップと、
前記少なくとも1つの光源に電力を供給するため、前記電池アセンブリを前記少なくとも1つの光源に電気的に接続するステップと、
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記筐体内に回路基板を設けるステップと、
前記回路基板に前記少なくとも1つの光源を配置し、前記回路基板は前記少なくとも1つの光源が前記光硬化性接着剤を硬化するのに十分な光を伝達するよう起因するため動作可能なステップと
をさらに含む、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記少なくとも1つの光源が少なくとも1つの紫外線光源であり、
前記光硬化性接着剤が紫外線光に硬化性がある、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記少なくとも1つの光源が複数の紫外線発光ダイオードである、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記少なくとも1つの光源が少なくとも1つの可視光源であり、
前記光硬化性接着剤が可視光に硬化性がある、請求項16に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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