説明

寝具

【課題】自然層、乾燥層、消臭層が積層されて、動物にアレルギーを発症させない。
【解決手段】防水シート2、消臭体4、乾燥層6、自然層7が下から順番に積層される。動物の排泄物、よだれ、汗などが、乾燥層6で速く乾燥され、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。乾燥層6の繊維の隙間または溝内に動物の排泄物、よだれ、汗などが封じ込められ、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。動物の排泄物、よだれ、汗などが、消臭体4の光触媒ビーズで消臭分解されて、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。3列の堤体8…では動物の汚れ、垢、ふけ、毛などが拭き取られ、堤体8…の間の凹部11…内に封じ込められ、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動物用敷具に関し、特にペットなどの動物が休憩したり睡眠したりする敷具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、動物用敷具としては、消臭効果または抗菌効果を有する素材で構成されたものなどがある。また、最近はペットなどの動物がアレルギー症状を発症し、これを防止することが考えられている。
【0003】
【特許文献1】特開平06−014670号公報
【特許文献1】特開平09−172894号公報
【特許文献1】実用新案登録3054168号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、動物がアレルギー症状を発症しない動物用敷具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本件発明は、 農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成・加工された繊維素材よりなり、動物のアレルギー発症因子が除去または防がれた、動物が上に直接乗る透水性の自然層と、 この自然層の下に配置された、繊維に微小な隙間または微小な溝が形成され、この隙間または溝を通じて、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発される乾燥層と、 この乾燥層の下に配置された、消臭機能を有する粒状の素材からなる隙間を有する消臭層とを備えた。
【発明の効果】
【0006】
これにより、動物がアレルギー症状を発症しない。また、動物の排泄物、よだれ、汗などが、乾燥層で速く乾燥され、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。乾燥層の繊維の隙間または溝内に動物の排泄物、よだれ、汗などが封じ込められ、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。動物の排泄物、よだれ、汗などが、消臭層で消臭分解されて、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
(1)動物用敷具1の構造
図1は動物用敷具1の上方からの外観を示し、図2は動物用敷具1の下方からの外観を示し、図3は動物用敷具1の断面を示す。方形シート状の防水シート2(防水層)の下面には複数のすべり止め3…が接着されている。このすべり止め3…は、摩擦の大きい布または素材、または着脱自在または固着性の粘着性の素材からなっている。
【0008】
摩擦の大きい布または素材は、ビロードなど肌理の細かいまたは起毛の多い布などからなったり、接着性の素材は劣化しにくい接着性の弱い接着剤が塗布されたり、他に重量の重い素材であったり、シート状の磁石だったり、これらの複合物だったりする。
【0009】
本動物用敷具1が設置される面が、じゅうたんなどであれば上記摩擦の大きい布または素材または重い素材が選ばれ、畳・板の間などであれば上記接着性の素材または重い素材が選ばれ、金属製の面であれば上記磁石が選ばれる。
【0010】
上記防水シート2は、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの水分を通さない樹脂製のシート、防水加工された布・紙、金属板、これらの複合物などからなる。防水加工された布としては、例えば、水分散型ポリエステル樹脂、例えばバイロンまたはバイロナール(東洋紡績株式会社の商品)を付着・含浸させた糸・繊維からなる不織布または織布がある。
【0011】
このような防水シート2によって、動物の排泄物が漏れたり飛散・拡散されたりすることが防止される。よって、後述する自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0012】
図4は消臭体4(消臭層)の構造を示す。上記防水シート2の上には、消臭機能を有する粒状の素材からなる消臭体4(消臭層)が接着または縫合などによって接合されている。この消臭体4は、網状または布上の袋の中に、消臭機能を有する粒状の素材、例えば多数の光触媒ビーズ5…が内蔵されていて、多くの隙間が形成されている。光触媒ビーズ5は、プラスチックの小玉・小片・小チューブの表面に、光触媒機能を有する塗料・素材が塗布・付着されている。
【0013】
この光触媒機能を有する塗料・素材によって、臭いの原因となる物質が分解され無臭化される。この光触媒機能を有する塗料・素材としては、二酸化チタン、CdS、CdSe、WO3 、Fe2O3 、SrTiO3 、KNbOを光触媒ビーズ5の表面にアパタイトなどのコーティングしたもの、シャインアップ(繊維、布、綿)、ディスメル(東洋紡績株式会社の商品)、エピコモド等を丸くしたものまたは筒状にしたものなどが選択される。
【0014】
また、光触媒ビーズ5の小玉の外形の大きさは、光触媒ビーズ5の小チューブの内径の大きさより大きい。これにより、光触媒ビーズ5の小玉が小チューブの内に入ってしまうことがない。したがって、長く使用しても、また動物用敷具1を洗濯しても、光触媒ビーズ5全体としての体積が減少してしまうことなく、長く快適に使用できる。上記光触媒ビーズ5には、場合によってアパタイト加工シリカゲルが混合される。これにより、光触媒ビーズ5の乾燥作用をより向上させることができる。
【0015】
このような光触媒作用によって、動物の排泄物、汗、唾液、垢などなどの汚れが分解されるので、動物のアレルギーの発症が防止される。よって、後述する自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0016】
この消臭体4の上には、速乾性の素材からなる乾燥層6が接着または縫合などによって接合されている。この乾燥層6の布を構成する繊維には、微小な隙間または微小な溝が形成され、この隙間または溝を通じて、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発・乾燥されて、乾燥が速い。この乾燥層6の布は、不織布、織布いずれでもよい。
【0017】
この乾燥層6には、例えば繊維・糸の表面にT型断面の溝が形成された、ポリエステル短繊維、例えばパナパックまたはパナパックQD(株式会社クラレの商品)が用いられ、このT型断面の溝の毛細管現象によって、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発・乾燥されて、乾燥が速くなる。この溝はT型以外にL型、I型、V型、W型などでもよい。
【0018】
また、乾燥層6には、他に同様の機能を有するウォーターマジック(株式会社クラレの商品)、このウォーターマジック、パナパックまたは/及びパナパックQDの混織が用いられてもよい。ウォーターマジックでは、繊維の断面が扁平にされ、異収縮のヤーンに捻れが持たされる。
【0019】
これにより繊維に無数のランダムな微細な隙間ができ、この隙間の毛細管現象によって、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発・乾燥されて、乾燥が速くなる。この隙間の断面形状は不定形であり、どのような形状でもよい。
【0020】
この乾燥層6の繊維には微小な隙間または微小な溝が形成されているので、動物の排泄物、汗、唾液、垢などがこの隙間または溝に入り込み飛散・拡散されない。したがって、このような動物の排泄物による動物のアレルギー発症が防止される。よって、後述する自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。このような隙間または溝に入り込んだ排泄物は、洗濯によって除去される。これにより、排泄物による動物のアレルギー発症が防止される。
【0021】
この乾燥層6の上には、自然層7が接着または縫合などによって接合されている。この自然層7は、農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成・加工された透水性の繊維素材よりなる。この自然層7の上には、ペットなどの動物が直接乗る。
【0022】
この自然層7には、オーガニックコットンの綿素材の不織布または織布が使用される。このオーガニックコットンは、農薬及び化学肥料などの化学薬品・化学物質を使用しないで育成された綿花から加工されている。これにより、動物のアレルギー発症因子が除去され、上に乗る動物にアレルギーが発症しない。農薬及び化学肥料などの化学薬品・化学物質を使用しないものであれば、麻、絹、羊毛などの植物繊維、動物繊維でもよい。
【0023】
この自然層7の中央付近には、オーガニックコットンの綿素材の別の布シートが一枚または複数枚積層されてもよい。これにより、動物の排泄物が下へ漏れない。このようなオーガニックコットンには化学物質が付着しておらず、自然界の物質のみからなり、アレルギー反応がなく、アトピー対策にも有効である。
【0024】
このような自然層7には、バイオクリン(株式会社クラレの商品)が使用されても良い。このバイオクリンは、天然繊維またはポリエステル短繊維であり、青森ヒバ(ヒノキアスナロ)の材部から抽出されたヒバ油が繊維の芯部に練りこまれたり含浸されたりしている。このヒバ油の成分は徐々に放出され、ダニなどの害虫を寄せ付けず、アトピー性皮膚炎の原因を防ぐことができる。
【0025】
また、このヒバ油によって、カビなどの菌が防がれるし、アンモニア系の悪臭などに対して消臭効果がある。さらに、このヒバ油によって、森林浴効果、リラックス効果も達成される。以上総合すると、このヒバ油によって、動物のアレルギー発症因子が除去されまたは防がれ、上に乗る動物にアレルギーが発症しない。このようなバイオクリンも、農薬及び化学肥料などの化学薬品・化学物質を使用しないで育成されたヒバから加工されている。
【0026】
この自然層7の周囲には複数列例えば3列の堤体8…が方形枠状に形成されている。この堤体8…によって、動物が本動物用敷具1に出入りするときに、動物に接触して動物から汚れ、垢、ふけ、毛などを取って、動物用敷具1の中が汚れないようにできる。このような動物の汚れ、垢、ふけ、毛は、動物にとってもアレルギーの発症因子となるから、このような因子が堤体8…で除去され、上に乗る動物にアレルギーが発症しない。よって、上記自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0027】
この堤体8…によって除去されるのは動物の足、脚、手、腕、腹側の汚れ、垢、ふけ、毛などである。動物の背中側にも汚れ、垢、ふけ、毛などがあるが、腹側に比べて背中側の汚れ、垢、ふけ、毛などは除去されやすく、背中側は腹側に比べて、人間がブラシをかけることが多くてよく除去されるので、この堤体8…によって、アレルギーの発症因子の除去効果は充分に発揮される。
【0028】
むろん、堤体8…が門状、枠状、トンネル状にされ、堤体8…の上にも堤体8…が設けられ、この両堤体8…の間を動物がくぐるようにしてもよい。この堤体8…は、3列になっているので、この3列の堤体8…のいずれかに動物の腹、足、脚、手、腕が必ず接触し、上記汚れなどが確実に除去される。この堤体8…は、2列でも1列でも、4列以上でもよい。
【0029】
この3列の堤体8…の各間は凹状に凹んでおり、上記除去された汚れ、垢、ふけ、毛などが、この凹部11に閉じ込められる。したがって、除去された汚れ、垢、ふけ、毛などが飛散・拡散されず、動物のアレルギー発症が防止される。よって、上記自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0030】
この堤体8…は上記自然層7と同じ素材からなるが、異なる素材からなっていてもよい。この堤体8…の上面または外面には、洋服用ブラシと同じ素材が貼り付けられてもよい。これにより、動物が出入りするときに上記汚れなどの除去がより効率的となる。
【0031】
また、堤体8…は、外側から内側に向かって、徐々に高さが低くなっている。これにより、自然層7の上の動物が堤体8…に持たれることができ頭を載せても安定する。また、堤体8…の外側の方が高ければ、凹部11…内に封じ込められた汚れ、垢、ふけ、毛などが、動物用敷具1の外に飛散・拡散しない。なお、堤体8…は内側の方が高くてもよいし、外側と内側の間が高くてもよい。
【0032】
この堤体8…の内部には、上記自然層7より柔らかく変形しやすい素材、例えば綿10…が内蔵されている。これにより、動物が堤体8…を越えるときに、堤体8…が変形して、堤体8…の動物下面への接触面積が増えて、動物の下面の汚れ、垢、ふけ、毛がより確実に除去される。この綿10…は無くて、堤体8…の内部は空洞であってもよい。これでも同様の効果が発揮される。この綿10は発泡ウレタン、空気の入ったクッション材などでもよい。
【0033】
上記消臭体4と防水シート2との間、上記消臭体4と乾燥層6との間、または上記乾燥層6と自然層7との間のいずれかには、遠赤外線層9が接着または縫合されている。遠赤外線層9には、ロンウェーブ」(株式会社クラレの商品)または「セラムA」(東洋紡株式会社の商品)または「エピコモド」」(登録商標)、「羊毛ゼオライト」または「バイネストセラ」」(登録商標)の素材が用いられる。
【0034】
上記「シャインアップ」は、ポリエステル繊維とナイロン繊維とからなる複合繊維に金属含有セラミックス系の特殊消臭剤が練り込まれており、二酸化チタンによる光触媒反応により消臭と抗菌効果が発揮される。株式会社信州セラミックスから販売されている布などでも同様のものがある。
【0035】
上記「ロンウェーブ」、「セラムA」または「エピコモド」は、アクリル繊維またはその他の繊維に超微粒子セラミックスが内蔵され/練り込まれている。このセラミックスの働きにより、体温近くの摂氏40度前後において、遠赤外線が外部へと放射されて、人体への加温効果が発揮される。摂氏40度前後において、遠赤外線の発生量が最も多い。
【0036】
上記「ロンウェーブ」、「セラムA」または「エピコモド」の発する遠赤外線の波長は、5.0μm以上にわたってほぼまんべんなく多く、上記ゼオライトの発する遠赤外線の波長は、1.5乃至6.0μm付近が非常に多く、「ロンウェーブ」の発する遠赤外線の波長は、8乃至16μm付近が非常に多い。
【0037】
上記「羊毛ゼオライト」または「バイネストセラ」は、天然鉱石であるゼオライトを加工したセラミックスとその微粒子を羊毛などの天然繊維の表面に堅牢に付着させたものである。このセラミックスとその微粒子の働きによって、体温より低温でも遠赤外線が十分に外部へ放射されて、人体への加温効果が発揮される。
【0038】
このような遠赤外線層9からの遠赤外線によって、上記消臭体4の光触媒ビーズ5の光触媒作用が活性化され、上記アレルギー発症の防止効果が高められる。また、このような遠赤外線層9からの遠赤外線によって、上記乾燥層6の乾燥効果が高められ、アレルギー発生因子の飛散・拡散が防止され、上記アレルギー発症の防止効果が高められる。この結果、上記自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0039】
このような遠赤外線層9による効果は、この遠赤外線層9に隣接するほど、各層2、4、6、7の効果が高められる。遠赤外線層9との間に別の層2、4、6、7が入っても、この効果は若干低下するものの達成される。遠赤外線層9が下層になるほど、動物の排泄物、汗、よだれ、垢などによって汚れる可能性が低くなる。
【0040】
上記乾燥層6の下で上記消臭体4の上であれば、上記排泄物は乾燥層6で速く乾燥され、遠赤外線層9はこの排泄物などで汚れる可能性が低くなり、上記光触媒作用を強めて永続でき、上記効果をより強く永続して発揮できる。
【0041】
遠赤外線層9が乾燥層6の上であれば、動物を暖めることができるが、上記排泄物などで汚れやすくなる。遠赤外線層9が消臭体4の下であれば、かなり汚れにくくなる。遠赤外線は浸透性・透過性がよいので、かなり遠赤外線層9が下層に位置しても上部の動物を暖めることができる。
【0042】
上記防水シート2、消臭体4、乾燥層6、自然層7、遠赤外線層9の全部または一部、例えば乾燥層6と自然層7とはキルティング加工で連結される。これにより、各層2、4、6、7、9の内容物が偏在せず、均一の厚さが維持される。
【0043】
本動物用敷具1または上記堤体8…などの幅、奥行き、高さ、寸法、大きさは、上に乗る動物の大きさによって種々変更される。堤体8…の高さ、幅などは、動物の脚の長さ、足から腹までの高さ、前足と後足との間隔などに応じて変更される。
【0044】
本動物用敷具1は洗濯可能であり、上述の動物の排泄物、汗、よだれ、汚れ、垢、ふけ、毛などは、洗濯によって確実に除去される。これにより、本動物用敷具1を長く使用しても、動物のアレルギー発生因子が蓄積されず、動物のアレルギー発症が防止され、上記自然層7のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0045】
(2)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、堤体8…は上記自然層7に対して着脱自在でもよい。これにより、堤体8…が上記動物の上記毛などで汚れたとき、または凹部11に上記毛などが多く溜まってしまったときに、取り外して洗濯・洗浄・清掃でき、アレルギー発生因子を除去できる。この場合、各堤体8…は自然層7に対して面ファスナーなどで着脱自在にされる。
【0046】
そして、各堤体8…同士も、面ファスナーなどで着脱自在にされてもよい。これにより、各堤体8…間の凹部11内の動物の毛などを容易に洗濯・洗浄・清掃でき、アレルギー発生因子を除去できる。
【0047】
上記消臭体4と上記乾燥層6とは上下入れ替わってもよい。これにより、動物の排泄物、よだれ、汗、汚れ、垢、ふけ、毛などがより強く消臭分解される。また上記乾燥層6と上記自然層7とは上下入れ替わってもよい。これにより、動物の排泄物、よだれ、汗などが、より速く乾燥されて、乾燥層の繊維の隙間または溝に封じ込められる。さらに上記消臭体4と上記自然層7とは上下入れ替わってもよい。これにより、動物の排泄物、よだれ、汗、汚れ、垢、ふけ、毛などがより強く消臭分解される。
【0048】
また防水シート2は、消臭体4、乾燥層6、自然層7または遠赤外線層9と入れ替わってもよい。消臭体4は、防水シート2、乾燥層6、自然層7または遠赤外線層9と入れ替わってもよい。乾燥層6は、防水シート2、消臭体4、自然層7または遠赤外線層9と入れ替わってもよい。自然層7は、防水シート2、消臭体4、乾燥層6または遠赤外線層9と入れ替わってもよい。遠赤外線層9は、防水シート2、消臭体4、乾燥層6または自然層7と入れ替わってもよい。
【0049】
上記自然層7には、ヒバ(青森ヒバ)、ヒノキ、ヒヨクヒバ、アスナロ、ヒノキアスナロ、アテなどからの抽出エキスまたは粉砕・切削された木粉が含有されてもよい。
【0050】
この抽出エキス・木粉にはヒノキチオールとシャンメールBが含有され、抗菌性、防腐性、耐水性、ダニ・シロアリなどの防虫性が強く、アレルギー反応がなくアトピー対策にも有効である。この中で、ヒバ(青森ヒバ)は他より、ヒノキチオールとシャンメールBがより多く含まれ、抗菌性、防腐性、耐水性、防虫性、非アレルギー性がより高い。ヒノキはヒバ(青森ヒバ)に比べて消臭効果が高い。
【0051】
本動物用敷具1に乗って使用する動物は、犬・猫・リス・ハムスターなどの哺乳類の小動物、哺乳類の大動物、オウム・インコ・ニワトリなどの鳥類、亀・トカゲ・蛇などの爬虫類、イモリなどの両生類、乳児などの人間でもよい。
【0052】
堤体8…の断面構造は蒲鉾型のほか、円形、楕円形、方形、三角形、多角形、凹凸のある形状などでもよい。堤体8…は自然層7に沿って水平方向に沿って配列されるほか、縦方向・斜め方向に配列されてもよい。堤体8…の一部または全部は省略されても良い。
【0053】
上記防水シート2、消臭体4、乾燥層6、自然層7、遠赤外線層9の全部または一部は省略されて良いし数が増えてもよい。すべり止め3…の全部または一部は省略されて良いし数が増えてもよい。光触媒ビーズ5の全部または一部は省略されて良いし数が増えてもよい。凹部11の全部または一部は省略されて良いし数が増えてもよい。綿10の全部または一部は省略されて良いし数が増えてもよい。
【0054】
消臭体4は光触媒によるもののほか、活性炭などの臭い吸着剤や、エントラント、バイロンまたは/及びサニター30などの抗菌作用を有する素材からなっていてもよい。これにより、排泄物や褥瘡からの剥離片などの汚物や雑菌・細菌などが付着してもこれらが分解され、雑菌の繁殖を押さえるかまたは繁殖を押さえ、抗菌・消臭の効果を発揮し、清潔に保たれる。
【0055】
上記消臭体4は、他に、シャインアップ、バンブー繊維、キチンキトサン繊維、ディスメルなどでもよい。このシャインアップは、ポリエステル繊維とナイロン繊維とからなる複合繊維に金属含有セラミックス系の特殊消臭剤が練り込まれており、二酸化チタンによる光触媒反応により消臭と抗菌効果が発揮される。株式会社信州セラミックスから販売されている布などでも同様のものがある。
【0056】
上記バンブー繊維(竹繊維)は、竹からつくられた繊維であり、抗菌、消臭、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の自動調整)、放湿(湿気の排出)、遠赤外線発生、静電気が発生しにくいなどの性質を有する。またバンブー繊維は、光沢性、発色性、熱の放射性にも優れている。さらに、バンブー繊維は、染色性、発色性に優れ、着心地、肌触りもよい。調湿作用は内側の湿度が上がると湿気を外に排出し、内側の湿度が下がると外気の湿気を吸収する作用であって、内側の湿度を一定に保つ作用である。
【0057】
上記キチンキトサン繊維は、キチンキトサンの成分を繊維表面にコーティングまたは繊維内部に練り込まれている。この繊維表面のコーティングまたは繊維内部の練り込みは、後述するバイオゼストセラまたはセラムAにおけるセラムックスのコーティングまたは練り込みと同様の手法によって行われる。
【0058】
このキチンキトサンの成分は、カニや海老の甲羅から周波数出された成分である。キチンキトサン繊維の布は、水虫の菌またはメチシリン耐性黄色ブドウ球菌に対する抗菌性、殺菌性が非常に強く、他に抗カビ性、防臭性も有している。また、キチンキトサン繊維の布は、水なじみがよく、夏涼しく、冬暖かく感じ、吸湿(湿気の吸収)、調湿(湿気/湿度の調整)、放湿(湿気の排出)の性質を有する。さらに、キチンキトサン繊維の布は、天然繊維なので皮膚へのなじみもよく、静電気が発生しにくく、洗濯耐性もよく、染色性、光沢性に優れている。
【0059】
このディスメルは、東洋紡績株式会社から販売されている。この布については、有限会社高研他が権利者となっている実用新案権第3056573号、又は第3061324号の公報内に記載されており、これらのものが購入されて本考案の内布2及び外布などに使用される。
【0060】
このディスメルは、アクリレート系繊維のアンモニア消臭及び抗菌素材である。すなわち、pH緩衝能(pH変化を緩和する能力)を有する架橋アクリル系繊維が配合されている不織布にカルボン基が付着されており、このカルボン基(COOH)にアンモニア(NH3)が作用するとイオン結合により無臭のカルボン酸アンモニウム塩(COOHNH4)が生成されることで、アンモニア臭が除去され、アンモニアによる雑菌繁殖を押さえる。これにより、ディスメルは、消臭作用及び抗菌作用を有する。このディスメルはふんわりとした綿状であり、保温作用がある。
【0061】
(3)他の発明の効果
[1]農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成・加工された繊維素材よりなり、動物のアレルギー発症因子が除去または防がれた、動物が上に直接乗る透水性の自然層と、 この自然層の下に配置された、繊維に微小な隙間または微小な溝が形成され、この隙間または溝を通じて、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発される乾燥層と、 この乾燥層の下に配置された、消臭機能を有する粒状の素材からなる隙間を有する消臭層とを備えたことを特徴とする動物用敷具。
【0062】
[2]上記消臭層の下、消臭層と乾燥層との間、または乾燥層と自然層との間には、遠赤外線を発する繊維素材からなる遠赤外線層を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の動物用敷具。これにより、上記乾燥層の乾燥効果、消臭層の消臭効果がより強くなり、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0063】
[3]上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体には出入りする動物の足または腹が接触してアレルギー発生因子が除去されることを特徴とする請求項1または2記載の動物用敷具。これにより、動物のアレルギー発生因子の飛散・拡散が防止され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0064】
[4]上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体のうち、内側の堤体は外側の堤体より低いことを特徴とする請求項1、2または3記載の動物用敷具。これにより、自然層の上の動物が堤体に持たれることができ頭を載せても安定する。また、堤体で取られた汚れ、垢、ふけ、毛などが、動物用敷具の外に飛散・拡散しにくい。
【0065】
[5]上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体の間には凹部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の動物用敷具。この凹部内に動物の汚れ、垢、ふけ、毛などが閉じ込められ、動物のアレルギー発生因子の飛散・拡散が防止され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0066】
[6]上記堤体の中は変形しやすい素材または空洞であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の動物用敷具。これにより、堤体が変形して、堤体の動物下面への接触面積が増えて、動物の下面の汚れ、垢、ふけ、毛などがより確実に取り除かれ、動物のアレルギー発生因子が除去され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0067】
[7]上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この堤体は上記自然層に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の動物用敷具。これにより、堤体に付着した動物の汚れ、垢、ふけ、毛などを容易に清掃でき、動物のアレルギー発生因子が除去され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0068】
[8]上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この堤体は互いに着脱自在であることを特徴とする請求項7記載の動物用敷具。これにより、堤体の間に入り込んだ動物の汚れ、垢、ふけ、毛などを容易に清掃でき、動物のアレルギー発生因子が除去され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0069】
[9]上記消臭層の下には水分を通さない防水層が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の動物用敷具。これにより、動物の排泄物、汗、よだれなどが本動物用敷具の下まで拡散せず、動物のアレルギー発生因子の飛散・拡散が防止され、上記自然層のアレルギー発症防止効果が相乗的に高められる。
【0070】
[10]上記消臭層と上記乾燥層とは上下入れ替わる、または上記乾燥層と上記自然層とは上下入れ替わる、または上記消臭層と上記自然層とは上下入れ替わることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の動物用敷具。
【0071】
消臭層と上記乾燥層とが上下入れ替わると、動物の排泄物、よだれ、汗、汚れ、垢、ふけ、毛などがより強く消臭分解される。また乾燥層と上記自然層とが上下入れ替わると、動物の排泄物、よだれ、汗などが、より速く乾燥されて、乾燥層の繊維の隙間または溝に封じ込められる。さらに消臭層と自然層とが上下入れ替わると、動物の排泄物、よだれ、汗、汚れ、垢、ふけ、毛などがより強く消臭分解される。
【産業上の利用可能性】
【0072】
自然層、乾燥層、消臭層が積層されて、動物にアレルギーを発症させない。防水シート2、消臭体4、乾燥層6、自然層7が下から順番に積層される。動物の排泄物、よだれ、汗などが、乾燥層6で速く乾燥され、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。乾燥層6の繊維の隙間または溝内に動物の排泄物、よだれ、汗などが封じ込められ、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。
【0073】
動物の排泄物、よだれ、汗などが、消臭体4の光触媒ビーズ5で消臭分解されて、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。3列の堤体8…では動物の汚れ、垢、ふけ、毛などが拭き取られ、堤体8…の間の凹部11…内に封じ込められ、アレルギー発症因子が飛散・拡散しない。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】動物用敷具1の断面を示す。
【図2】動物用敷具1の上方からの外観を示す。
【図3】動物用敷具1の下方からの外観を示す。
【図4】消臭体4(消臭層)の構造を示す。
【符号の説明】
【0075】
1…動物用敷具、2…防水シート(防水層)、
3…すべり止め、4…消臭体(消臭層)、
5…光触媒ビーズ、6…乾燥層、
7…自然層、8…堤体、9…遠赤外線層、
10…綿、11…凹部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
農薬または/及び化学肥料などの化学物質を使用しないで育成・加工された繊維素材よりなり、動物のアレルギー発症因子が除去または防がれた、動物が上に直接乗る透水性の自然層と、
この自然層の下に配置された、繊維に微小な隙間または微小な溝が形成され、この隙間または溝を通じて、水分がよく吸収され、この吸収された水分がよく拡散されて、この拡散された水分がよく蒸発される乾燥層と、
この乾燥層の下に配置された、消臭機能を有する粒状の素材からなる隙間を有する消臭層とを備えたことを特徴とする動物用敷具。
【請求項2】
上記消臭層の下、消臭層と乾燥層との間、または乾燥層と自然層との間には、遠赤外線を発する繊維素材からなる遠赤外線層を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の動物用敷具。
【請求項3】
上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体には出入りする動物の足または腹が接触してアレルギー発生因子が除去されることを特徴とする請求項1または2記載の動物用敷具。
【請求項4】
上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体のうち、内側の堤体は外側の堤体より低いことを特徴とする請求項1、2または3記載の動物用敷具。
【請求項5】
上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この複数の堤体の間には凹部が形成されていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の動物用敷具。
【請求項6】
上記堤体の中は変形しやすい素材または空洞であることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の動物用敷具。
【請求項7】
上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この堤体は上記自然層に対して着脱自在であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の動物用敷具。
【請求項8】
上記自然層の周囲には複数列の堤体が形成され、この堤体は互いに着脱自在であることを特徴とする請求項7記載の動物用敷具。
【請求項9】
上記消臭層の下には水分を通さない防水層が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7または8記載の動物用敷具。
【請求項10】
上記消臭層と上記乾燥層とは上下入れ替わる、または上記乾燥層と上記自然層とは上下入れ替わる、または上記消臭層と上記自然層とは上下入れ替わることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の動物用敷具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−254287(P2009−254287A)
【公開日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−107324(P2008−107324)
【出願日】平成20年4月16日(2008.4.16)
【出願人】(300011999)ブルネエズ株式会社 (14)
【Fターム(参考)】