説明

対局観戦機

【目 的】 将棋や囲碁の対局の棋譜記号からその将棋や囲碁の対局の運びの盤面を電子映像的に映し出してそれを観戦する目的の装置である。
【構 成】 将棋や囲碁の対局の棋譜の記号を記録した棋譜記号記録媒体からその棋譜記号を取り出して対局の駒や碁石の運びの盤面を電子映像的に映し出す棋譜記号映像化装置とから成る将棋や囲碁の電子観戦機。

【考案の詳細な説明】
本考案は、将棋や囲碁の対局の棋譜記号から電子映像的にその対局の盤面の進行を映し出す装置すなわち将棋や囲碁の対局観戦機である。
従来将棋や囲碁の棋譜は新聞や雑誌や書籍などで情報化されていた。したがってその着手を一手一手追って行くにはどうしても将棋盤や碁盤を出して駒や石を並べて見る以外になかった。したがって通勤の電車の中とかオフイスの小休などで手軽に将棋や囲碁の対局を棋譜から観戦し楽しむことはできなかった。
携帯便利に場所を選ばず何処でも何時でも手軽に将棋や囲碁の対局の観戦を棋譜から楽しむに何か好ましい方法はないかと考案したものが本考案である。
本考案は、(イ)将棋や囲碁の対局の棋譜の記号を駒並べや石置きの局面から記録した電子集積回路で成る棋譜記号記録媒体(1)と(ロ)棋譜記号記録媒体(1)を装着して電源スイッチを入れると、電子表示板に将棋盤や碁盤を表示し、着手を進めるスイッチを入れる度にその将棋盤や碁盤に駒並べや石置きの局面からの着手が一手づつ進み、その間の持ち駒や上げ石も電子表示板に表示して、棋譜記号記録媒体(1)の棋譜記号を将棋や囲碁の対局の駒や碁石の運びに電子的に映像化する装置(2)とから成る、棋譜記号記録媒体(1)を着脱自在に棋譜記号映像化装置(2)に装着して将棋や囲碁の対局の盤面の進行を棋譜記号から電子映像的に観戦する装置である。
本考案の中で電子集積回路というのは半導体メモリーROMなどを言う。また電子表示板というのは液晶パネルなどを言う。私は発光トランジスタというものを考えているので、将来はそういうパネルも開発されるかも判らない。
本考案の構成から解るように、本考案は、将棋や囲碁の電子対局観戦機といったもので、将来実用化されると、将棋や囲碁の愛好家には大変楽しい重宝なものとなろう。そこで本考案の実用化に際しては本考案は将棋や囲碁に特化してもよいし、またはこれら両方に共用したものでもよい。
古今の名対局を歌におけるCDのように次から次に本考案の棋譜記号記録媒体(メモリー・チップ)化して行き、書店やキオスクなどで販売するようになれば、それは大変な普及を見ることになろう。勿論その普及は外国にも及び、世界的な一大市場を形成することになろう。
今日電子集積回路は各種莫大に開発されている。しかしその割りには利用分野が有用に考案されていない。何か大市場が出現しないかと待望されていた。本考案はその要望にいささかなりと応えうるものである。
そして電子機器の分野でもその殆どが普及率的に天井を打っており、何か新しいものは考案されないかと鵜の目鷹の目で待望されている。しかしこれはというものは考案されず、今や子供を白痴化させる恐れのあるゲーム機にその活路を求めている。
本考案も一見その線を行くもののように思えるが、決してそうではない。本考案は大人にも子供にも身を助ける芸を身に付けさすもので、単なる瞬間的享楽に浸らすだけのものではない。将棋や囲碁は人と人とのふれ合いの媒介となるもので、生きた人生航路の潤滑油の一つである。職場などで多くの同僚に囲まれて対局する一時を想ってみても単なるゲーム機で孤独に一時を過ごすよりは遥かに為になることが解る。本考案は電子工業界に単に楽しいばかりでなく為になる娯楽機器の開発を誘導するものとなるに違いない。
本考案と同じものがチェスにおいても開発できることも判っているし、同じ目的のものが棋譜記号記録媒体にCDやフロッピー・ディスクなどを用いてもできることも判っている。また本考案において電子表示部のない、家庭テレビに接続して視るものも開発できることも判っている。共に此許に記して著作権を主張しておきたい。
将棋や囲碁の棋譜は日本における偉大な知的財産の一つである。その棋譜が本考案によって広く世界に普及することになる。今や転換が求め初められているハードの輸出からソフトの輸出への尖兵と本考案がなってほしい。そうなればソフトは必らずハードを連れて出る。こゝが電子産業の自動車産業などにない特色である。勿論自動車はその体にデザインというソフトを背負っているのではあるが。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の棋譜記号記録媒体(1)の簡単な斜視図である。
【図2】本考案の棋譜記号映像化装置(2)の簡単な斜視図である。
【符号の説明】
1は棋譜記号記録媒体
2は棋譜記号映像化装置

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】(イ) 将棋や囲碁の対局の棋譜の記号を駒並べや石置きの局面から記録した電子集積回路で成る棋譜記号記録媒体(1)。
(ロ) 棋譜記号記録媒体(1)を装着して電源スイッチを入れると、電子表示板に将棋盤や碁盤を表示し、着手を進めるスイッチを入れる度にその将棋盤や碁盤に駒並べや石置きの局面からの着手が一手づつ進み、その間の持ち駒や上げ石も電子表示板に表示して、棋譜記号記録媒体(1)の棋譜記号を将棋や囲碁の対局の駒や碁石の運びに電子的に映像化する装置(2)。
以上、棋譜記号記録媒体(1)を着脱自在に棋譜記号映像化装置(2)に装着して将棋や囲碁の対局の盤面の進行を棋譜記号から電子映像的に観戦する装置。

【図1】
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【図2】
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【登録番号】第3011646号
【登録日】平成7年(1995)3月22日
【発行日】平成7年(1995)5月30日
【考案の名称】対局観戦機
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平6−16269
【出願日】平成6年(1994)11月28日
【出願人】(594052526)