説明

対象物を解析するための画像化方法及び装置

本発明は、対象物を解析するための画像化システム及び方法に関する。対象物の第1の画像が、画像記録ユニットを用いて作成され、必要とされる追加的な処理及び/又は解析される対象物の特性を決定するのに使用される。解析される対象物から情報を得るための追加的な画像化処理は、画像から得られる初期情報に基づき実行される。そのシステム及び方法は、例えば医療用テストストリップの解析において使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報収集デバイス及び情報を収集する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医療研究室環境において使用される情報収集デバイスは、独国特許出願公開第DE 198 57 426 A1号より知られる。この情報収集デバイスでは、体内の液体の解析に使用される、色が変化するバー(bar)の付いたテストストリップ(test strip)が、運搬デバイスを用いることによりデバイスに供給される。テストストリップにおける色変化バーの色値(color value)は、測光装置(photometric arrangement)を用いて収集される。測定の結果は、プリンタを介して出力される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上述の装置における不都合点は、その装置が単一のタイプのテストストリップに限定されることである。しかしながら、特に医療環境においては、様々なテストストリップが使用される。
【0004】
従って、本発明の目的は、複数の用途に対応することのできる情報収集デバイスを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本目的は、画像領域に存在する少なくとも1つの情報担体の画像を作成する画像記録ユニットと、情報担体に関する分類情報に基づき、情報担体に示される情報をその画像から決定するようデザインされる画像処理ユニットとを有する画像収集デバイスを用いて実現される。
【0006】
分類情報の使用は、ここでは、最も多様性のある情報担体を使用することを可能にする。従来技術と比べると、情報担体に示される真に(actually)重要な情報の決定が、ここでは、分類情報に基づき実現される。分類情報は、情報担体のタイプを示し、画像処理ユニットは、特にその情報担体に適合される適切な処理ステップを使用することができる。情報担体は、例えば、色変化バー付きの異なるテストストリップ、例えばCDディスプレイに測定結果を数値として表示する自律デバイス、蛍光カートリッジ、バーコードストリップ等とすることができる。
【0007】
上述の情報収集デバイスの実施形態において、分類情報は、情報担体の画像から決定される。これは、如何なる種類の情報担体による場合でも完全に自動的な情報収集を可能にする。情報担体は、その分類情報により一意に規定される。分類情報は、ここでは例えば、情報担体の外形により、又は情報担体に配置されるバーコードを用いて決定されることができる。
【0008】
情報収集デバイスの別の実施形態において、画像記録ユニットは、画像パラメタを変化させる機能を具備する。これは、例えば、距離、画像記録ユニットと情報担体との間の相対的な位置、及び画像の解像度といった幾何学的な画像パラメタに特に関連する。例えば、第1の画像の後、調整された画像パラメタで別の画像が記録されることができる。そのことが、例えば画像断面及び解像度を調整することにより、情報の決定を簡単なものにする。
【0009】
情報収集デバイスの別の実施形態において、そのデバイスは、補助データが格納されるメモリユニットを持つ。それは、情報担体からの情報の決定を簡略化する、又は可能にする。補助情報は、その分類情報を用いて規定される情報担体が重要な情報を示す相対位置に関するデータとすることができる。
【0010】
低解像度の第1の画像を用いて、画像処理ユニットが多かれ少なかれ情報担体の形状を発見し、従って分類情報を決定した後、情報が示される情報担体の領域がズームインされ、より高い解像度で画像が記録される。情報が示される領域は、格納された補助情報により規定される。
【0011】
情報収集デバイスの別の実施形態は入力ユニットを持ち、その入力ユニットを用いて、分類情報が情報収集デバイスに与えられる。情報担体が情報担体のタイプを示すバーコードを持つ場合、このバーコードが入力デバイスとして機能するバーコードリーダにより読み出され、分類情報として画像処理ユニットに供給されることができる。しかしながら入力ユニットは、分類情報が直接入力されるのに使用されるキーボードであってもよい。また、タッチスクリーンを用いて、現在の情報が可能な情報担体の選択候補(selection)から選択されることもできる。
【0012】
別の実施形態において、情報収集デバイスは、データベースユニットに接続される。通常、医療又は診療環境における情報収集デバイスにより決定される情報は、患者に割り当てられるものである。すると、情報収集デバイスは、現在の例でいえば患者データベースといったデータベースユニットにおけるレコードに特定の情報を割り当てるよう構成される。すると、データベースユニットに結合される他のデバイスでの他のユーザもまた、既に正確なレコードに割り当て済みの情報にデータベースユニットを介してアクセスすることができる。
【0013】
更に別の実施形態において、情報収集デバイスは、情報担体を画像記録ユニットに供給する運搬ユニットを持つ。更に、情報収集デバイスは、画像記録ユニットに対する情報担体の相対位置を変化させることができる位置操作ユニットを持つことができる。位置操作ユニットは、情報担体及び/又は画像記録ユニットを、その絶対位置において変化させることができる。
【0014】
情報収集デバイスの実施形態において、信号送信機が与えられる。この送信機は、例えば、情報担体に示される情報の決定が成功して完了した場合、光学又は音響信号を与えることができる。すると、ユーザは、他の情報担体が情報収集デバイスに与えられることができることを知る。信号送信機は、例えば、示された情報が認識できないほどに情報担体が変形又は傾いていることが原因で、情報収集デバイスが情報を決定することができない場合には、別の信号を与えることができる。
【0015】
別の実施形態において、情報収集デバイスの画像記録ユニットは、自律的な較正を実行するよう構成される。これは、色バランス、ホワイトバランス、各画素のゲイン係数の修正及びオフセット信号等に関する。この目的のため、ある基準が、現在の画像が格納された基準画像と比較される画像記録ユニットに与えられることができる。
【0016】
別の実施形態において、情報収集デバイスは、アクティベーションユニットを持つ。アクティベーションユニットを用いて、情報担体は、情報が示されていないインアクティブ状態からアクティブ状態にされる。情報担体が例えば、調査結果が蛍光成分の蛍光を介して表現される蛍光カートリッジである場合、アクティベーションユニットは、蛍光を励起するレーザダイオードのような光源とすることができる。情報担体のアクティベーションの後、アクティベートされた情報担体の画像が作成される;こうして、現在の場合において蛍光分布の画像が蛍光カートリッジにおいて作成される。
【0017】
本発明は、情報担体に示される情報を収集する方法にも関し、その方法は:
・情報担体を画像領域に与えるステップと、
・その情報担体の画像を作成するステップと、
・分類情報に基づき、情報担体に示される情報を決定するステップとを有する。
【0018】
別の実施形態において、その方法は、画像から分類情報を決定するステップにより特徴付けられる。別の実施形態において、その方法は、変更された画像パラメタを用いて情報担体の第2の画像を作成するステップにより特徴付けられる。更に別の実施形態においては、その方法は、決定された情報をデータベースにおけるレコードに割り当てるステップを有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明のこれら及び他の側面が、非限定的な例示を介して、以下に説明される実施形態より明らかとなり、及びそれらの実施形態を参照して詳細に説明されることになる。
【0020】
病院、医療研究所及び医療診療所といった医療環境において、患者の体からのサンプル(血液、尿、検便、細胞サンプル等)に関する測定を実行可能とするのに用いられる測定手段が増加的に使用される。特に、特定の分子要素の存在、又は体からのサンプルにおけるその濃度が測定される。例えば、患者のベッド上で測定が直接実行されると、測定結果は非常に短時間で(秒から分で)利用可能となる。一方で、伝統的な研究所での検査はしばしば、時間又は日の単位での時間を必要とする。特に、集中治療環境において斯かる測定が実行される。そこでは、時間要素が致命的な要素であり、迅速に測定結果が利用可能になることは、明示的に良好な処置をもたらす。
【0021】
しばしば、患者データを得るために、最も多様性のある、相互に互換性のない測定手段が使用される。例えば、グルコース測定ユニット又は色変化バー付きのテストストリップ(斯かるストリップで最も良く知られたものはおそらく、尿内のHCGホルモンの存在が抗体への特定の結合(link)により証明される妊娠検査薬であろう)である。そこでは、患者のレコードへ測定結果を自動的に転送することはできない。測定結果は、手動で入力される。つまり、アシスタントが、患者に関して得られた情報を、電子的な患者ファイルのレコードにキー入力(keying)することになる。これは、ミスタイプ又は情報の格納場所を誤るといった、多くの種類のエラーをもたらす場合がある。患者に対する投薬又は注入の管理といった他の情報は、しばしばバーコードストリップを用いて入力される。これは、再度エラーを含む場合がある。患者に対する緊急的な注意を払う必要性から、斯かる情報は、後になって電子的な患者ファイルに入力されるだけである。これは、投薬の時間という観点からエラーをもたらす場合がある。また、バーコードストリップが単純に置き忘れられる場合がある。
【0022】
上述された測定デバイス、テストストリップ及びバーコードストリップは、1つの共通する要素を持つ;レコード(電子的な患者ファイル)に与えられると考えられる重要な情報が、個別の情報担体(測定デバイス、テストストリップ、バーコードストリップ)上で、光学的に認識可能な形式で示されることである。
【0023】
本発明は、情報担体のデジタル画像を作成し、画像処理を介してこの画像を解析することにより、情報担体に示される個別の情報が決定されるような情報収集デバイスを提供することで、上述された問題を解決する。ここで実行される画像処理は、情報担体のタイプを表す分類情報に依存する。こうして、最も多様性のある情報担体を使用することが可能になる。
【0024】
本発明による情報収集デバイスの実施形態及び動作方法が、以下に説明される。斯かる情報収集デバイスは、病院、なかでも測定結果の迅速な処理が患者へのサポートの質に対する重要な要素である集中治療環境といった、医療環境において特に使用される。しかしながら、斯かる情報収集デバイスは、医療診療所又は研究所においても使用されることができる。研究所という単語の意味は、ここでは、医療研究所に限定されず、食品研究所といった他のタイプの研究所も含む。
【0025】
図1は、実施形態による情報収集デバイスを概略的に示す。情報担体1は、運搬ユニット9に載せられる(rely on)。その情報担体は、表示領域2を持ち、その表示領域を介して、1つ又は複数の測定結果を表示することができる。典型的な情報担体が、図2aから図2dまでに示される。例として、運搬ユニット9がここではコンベヤベルトとして描かれ、それは情報担体1を情報収集デバイスのケース12へと矢印Rの方向に運ぶ。コンベヤベルトの代わりに、例えばロボットアーム等のようなレール上の移動可能なプレートとして運搬ユニットがデザインされることもできる。運搬ユニットにより情報担体がすべての空間方向に及びすべての空間軸の周りを移動されるよう、運搬ユニットがデザインされることもできる。画像記録ユニット3は、ケース12内に配置される。画像記録ユニット3は、画像処理ユニット4に接続される。画像処理ユニット4は、処理ユニット41とメモリユニット42とを持つ。更に、画像処理ユニット4は、信号送信機7、表示ユニット6、入力ユニット10、例えば、スキャナとすることができる追加的な入力ユニット8、及びデータベースユニット5に接続される。この実施形態において、画像処理ユニット4は、また、情報収集デバイスのための制御ユニットでもある。入力ユニット10又は8は、例えば制御データ(例えば:情報決定処理の開始又は緊急オフコマンド)及び割り当てデータ(例えば:現在供給されている情報担体に関する患者データ又は情報)といったデータの入力又は供給のために使用される。患者データは、入力ユニット10、例えばキーボードを介して入力されることができる。入力ユニットを用いることで、接続されたデータベースユニット5から患者に割り当てられるレコードが選択され、より多くの情報がこのレコードに供給されることができる。患者レコードにおけるキー入力の代わりに、例えば、患者のベッドに配置される一意なバーコードをスキャンすることにより、バーコードスキャナである入力ユニット8を介して患者データが入力されることもできる。その後、割り当てられたレコードがデータベースユニット5から取得されることができる。バーコードの形式の代わりに、例えば、患者が身に付ける高周波識別リストバンド(HF-ID-band)の形式で、患者情報が利用可能になることもできる。そして、入力ユニット8は、HF受信デバイスとして構成されることができる。示される実施形態においては、例えばテストストリップとして一度だけ使用され、かつ、患者の血液で汚染される情報担体1が、ユーザからの追加的な対話を必要とすることなく容易に廃棄されることができることを確実にするのに使用される除去可能な廃棄ユニット11が存在する。その廃棄ユニットは、機械的にケース12にドッキングされる。
【0026】
情報担体1に示される患者に関する情報を電子的な患者ファイルに追加したいユーザが、情報担体1を運搬ユニット9に置く。入力ユニット8を用いて、ユーザは、患者のベッドに配置されるバーコードストリップをスキャンする。この一意な患者情報を用いることにより、情報収集デバイスはデータベースユニット5における電子的な患者ファイルにアクセスするか、又は、必要な場合には電子患者ファイルから例えば一部をダウンロードすることができる。医療環境において、データベースユニット5は、特に病院情報システム(HIS)である。情報収集デバイスの情報決定処理は、入力ユニット10で開始ボタンを押すことにより開始され、情報担体1の表示領域2に表示される情報が、図3及び図4を用いて説明されるようにして決定される。
【0027】
図2aは、情報担体1の例を示す。それは、ここではグルコース測定デバイスとして構成される。斯かる情報担体1は、何度か使用されることができる。測定ストリップ51には、測定フィールド50が存在し、それは、ここでは、血糖含有量を測定するセンサである。測定ストリップ51は、グルコース測定デバイスとして構成される情報担体1にスライド挿入されることができる。測定フィールド50は、接点を介して電気的に接触される。測定結果が、光学的に読み取り可能な表示パネル2に表示される。こうして情報が、LCDスクリーンに数字の形式で示される。情報担体1は、動作要素70を持つことができる。動作要素を用いると、測定が開始されることができるか、又は、情報担体1が再度スイッチオフにされることができる。ここで示される実施形態において、情報担体1はバーコード60も持つ。斯かるバーコード60が情報担体1を一意に識別する(characterize)ことを可能にする。情報担体1が情報収集デバイスの運搬ユニット9に置かれる前に、ユーザは、スキャナとして構成される入力ユニット8を用いて情報担体1のバーコード60を読み出すことができる。入力ユニット8は、画像処理ユニット4にその結果を供給する。画像処理ユニットでは、例えば、メモリユニット42に格納されるバーコードストリップテーブルを用いて、現在供給されている情報担体1をテーブルに格納された(tabulated)値へ一意に割り当てることが実行されることができる。こうして画像処理ユニット4は、ここではグルコース測定デバイスとして示される情報担体1について言えば、供給されたバーコード情報から分類情報を決定する。分類情報に基づき、対応するプログラムが、処理ユニット41でアクティベートされる。そのプログラムは特定のタイプのグルコース測定デバイスにおける測定結果の抽出に特に適したものである。バーコードをスキャンインする代わりに、このバーコードが情報担体の画像から決定されることもできる。以下に追加的に説明されるように、画像処理ユニット4は、供給されている情報担体1にバーコード60が配置されていること、及びバーコード情報が決定されること、それにより同様に分類情報が決定されることを認識する。
【0028】
図2bは、別の情報担体1の例を示し、それは、ここでは妊娠検査薬のタイプである。妊娠検査薬は、測定フィールド50と、この実施形態においては、2つの窓から構成される表示領域2とを持つ。斯かる情報担体は、通常、単一使用の担体であり、図1に示される情報収集デバイスにおいて廃棄ユニット11において自動的に廃棄されることができる(この内容に関しては、図4も参照されたい)。
【0029】
図2cは、蛍光カートリッジ70として構成される情報担体を概略的に示す。カートリッジ内には様々な測定フィールド70、71が存在する。各フィールドは、蛍光マーキングを具備する様々なたんぱく質が結合されることができる、特定の結合モジュールを含む。蛍光の励起の後、様々な測定フィールド71、72における蛍光強度の分布が、サンプル流体中のたんぱく質のタイプ及び濃度の評価を提供する。図2cは、非蛍光状態の測定フィールド71及び蛍光状態の測定フィールド72を用いて、蛍光分布及び強度を概略的に示す。測定フィールドは、蛍光カートリッジの表示領域2を形成する。
【0030】
図2dは、情報担体の別の例を示し、それは、ここではバーコードストリップとして構成される。バーコード情報付きの紙ストリップは、患者により管理される投薬又は注入に関して使用される。紙ストリップは、注入ボトルから取られ、情報収集デバイスに供給されることができる。バーコードストリップの場合、実際のバーコードがプリントされる領域は表示領域2である。
【0031】
情報収集デバイスの動作方法が、図3及び図4を用いて以下詳細に説明される。
【0032】
図3は、主に情報担体1がケース12の内部の位置へ運搬ユニット9により移動されることができる点で図1とは異なる。図1において、情報担体1は、ユーザにより運搬ユニット9上へ置かれる。データ処理ルーチンの先頭は、例えば、ここではトラックボール及び緊急オフスイッチといった追加的な動作要素を備えるキーボードとして構成される入力ユニット10を用いてユーザにより開始される。すると、画像記録ユニット3は、外部の情報担体1の画像を記録する。画像記録ユニット3は、ここでは運搬ユニット9の下の重みセンサ(図示省略)により始動される。運搬ユニットは、ここではコンベヤベルトとして構成される。別の実施形態において、光電子ガード(photoelectric guard)(図示省略)が情報担体1の正確な位置を示すことができる。画像処理ユニット4が、運搬ユニット9を用いる情報担体1の追加的な運搬を中止し、画像記録ユニット3を始動するような態様で、光電子ガード(又は重み検出器)は画像処理ユニット4に結合される。画像領域30は、点線で描かれる三角形により示される。光電子ガード又は重み検出器の代わりに、供給される情報担体の正確な位置決めが、連続的に画像を生成することにより認識されることもできる。各画像は、画像処理ユニット4に与えられ、それは、運搬ユニット上にいずれかの情報担体が存在するか否かをチェックする。情報担体が、画像領域へと動く場合、画像処理ユニット4を用いてその位置が制御される。
【0033】
画像記録ユニット3は、情報担体1のデジタル画像を生成し、そのデジタル画像データを画像処理ユニット4に供給する。画像記録ユニット3は、2次元解像画像が単一の記録を用いて生成されるデジタルカメラとして構成されることができるか、又は、画像記録ユニット3は、単一の画像センサを用いる2次元スキャンにより、若しくは行状の画像センサを用いる単一次元スキャンにより、2次元解像画像が生成されるスキャナとして構成されることができる。
【0034】
外部画像ユニットが、一意に割り当てられることのできるバーコードストリップを持たない場合、現在記録されている外部情報担体1のタイプは、デジタル画像の助けを借りて画像処理ユニット4において決定される。これは、例えば、処理ユニット41における現在の画像を、メモリユニット42に格納される様々な情報担体からの基準記録と比較することによりなされることができる。基準記録との比較のために、現在記録された外部情報担体の傾いた位置は、比較パラメタを最適化することにより基準記録として決定されることができる。情報担体のタイプは、分類情報により規定される。現在の情報担体のタイプ及びその位置が決定されると、メモリユニット42に格納され、分類情報を介してアクセスされることができる表に格納された(tabulated)値が、情報担体1の表示領域2が発見されることができる場所を規定する。位置及び位置揃えが、情報担体の基準記録との比較により以前に規定されているので、表示領域の絶対位置は、表に格納された相対位置の値を用いて、現在の画像において計算されることができる。分類情報により規定される評価プログラムが、ここでプロセッサ41にロードされることができ、情報担体1の表示領域2に対応する画像領域が解析され、表示領域に示される情報が規定される。図2aに示されるグルコース測定デバイスに対する評価プログラムは、特にLCDディスプレイ上における数字の認識に適しているよう適合される。例えば、斯かる外部情報担体1の表示領域2に表示される数字の基準記録を現在の記録と比較することにより、この認識は実行されることができる。図2bに示される情報担体1が存在する場合、人目を引く細長い線が表示領域2において認識されることができるかどうかだけがチェックされる必要がある。他のテストストリップにおいては、示される情報を抽出するため、色変化バーの色が決定されなければならない場合がある。
【0035】
情報担体1の表示領域に示される情報の解析をすでに記録された画像上で実行する代わりに、画像処理ユニット4は、別の画像が表示領域2からのみ記録されるような態様で、画像記録ユニット3を始動することができる。バーコードが表示領域にマップされる場合、必要があれば、より高解像度の更に拡大された画像を用いることにより、精細なバーコード線を解析することができる。このため、画像記録ユニット3は、表示領域がズームインされることができるよう、例えば、制御可能な光学部品(optics)を用いて画像パラメタを変化するよう構成される。画像記録ユニット3としてCCDカメラが使用される場合、個別のピクセルは、結合されるか、又は個別に読み出されることができるかのいずれかである。その結果、画像は、より低いか又はより高い解像度で記録される。高速な処理のため、例えば、情報担体1が画像領域30へと完全に(at all)移動するかどうかをチェックするとき、低解像度及び大きな画像フィールドを備える画像モードが選択されることができる。
【0036】
更に、図3は、位置操作ユニット90を示す。それは、情報担体1において、画像記録ユニット3に対して担体の位置を変化させるものとして動作する。位置操作ユニット90は、例えば、情報担体1が埋め込まれるホルダとして、運搬ユニットの一部とすることができる。また、ロボティック・ピックアップ・アームのようなケースの内部で情報担体1をつかむ独立したユニットとすることもできる。基準記録における情報担体の位置(基準位置)と比較した現在の情報担体1の位置を画像解析から決定する画像処理ユニット4が、示される情報の抽出を容易にする基準位置に情報担体1がもたらされるような態様で、位置操作ユニット90の上で動作する。なぜなら、変位及び傾きは、画像解析において考慮される必要がないからである。このため、画像処理ユニット4は、情報担体1が基準位置にある場合、別の画像が記録されるような態様で、画像記録ユニット3を始動する。基準位置に到達するため、又は画像領域30における外部情報担体1の好適な位置を実現するため、画像処理ユニット4は、運搬ユニット9も始動することができる。その結果、情報担体1が両方向矢印(double arrow)Rの方向へ前進又は後退移動される。代替的又は追加的に、画像記録ユニット3が、位置操作ユニット91を具備することもできる。位置操作ユニット91は、情報担体1に対して画像記録ユニット3を傾け、移動させ、ひねることができるか、又は弧を描くように、情報担体1の周りで画像記録ユニット3を動かすことができる。
【0037】
図4は、後の時点での情報収集デバイスを示す。ここでは光学信号送信機としてデザインされる信号発生ユニット7は、現在の情報担体1の画像から情報が成功裏に抽出されたことをユーザに示すため、スイッチオンする(信号発生ユニット7が黒くなっていることで示される)。光学信号送信機7の代わりに、音響信号送信機が使用されることもできる。この実施形態において、示される例では、患者の血糖レベル値を示す情報が、表示ユニット6に表示され("194.0")、どのタイプの情報担体1が認識されたかも表示される(文字"グルコース"が表示されることで示される)。するとユーザは、入力ユニット10を用いて結果を確認することができる。入力ユニットを介して、抽出された測定結果がメモリユニット42に格納されるか、又はデータベースユニット5に供給される(そこでは電子的な患者ファイルに記録される)。情報担体1のタイプに基づき、繰り返し使用するため運搬ユニット9を用いて再度情報収集デバイスが駆動されるか、又は廃棄されるため廃棄ユニット11の方へ情報担体1が移動される。図4は、再使用不可能な情報担体(例えば、テストストリップ)が、廃棄ユニット11へ動かされる様子を示す。測定結果の抽出が可能かどうかを示すのに、信号送信機7が使用されることもできる。測定結果の抽出が不可能な場合は、例えば、下方を向く表示領域を伴う情報担体が運搬ユニットに配置される場合に生じうる。すると、ユーザは再度運搬を実行し、手動で位置を修正することができる。
【0038】
更に、図4は、別の情報担体1を示す。それは、蛍光カートリッジである。蛍光カートリッジは、そのようなものとして認識され、アクティベーションユニット31は、分類情報に基づき、蛍光カートリッジの上を動かされる。この例では、アクティベーションユニット31は、光源であり、それは、蛍光カートリッジの測定フィールドにおける蛍光マーカの蛍光を励起する。蛍光が励起されると、アクティベーションユニット31は、再度片側に駆動され、画像記録ユニット3は、蛍光カートリッジの表示領域の長持続記録を実行する。それは、数分にわたり続く場合がある。その後、情報担体の通常の記録に使用される光源はスイッチオフされる。
【0039】
例えば画像記録ユニット3の中核としてCCDカメラが使用される場合、画像記録ユニットは、ホワイトバランス、色バランス、ゲイン係数及び/又はオフセット値が、CCDカメラ又はCCDカメラの各個別の画素に対して実行されるような自律的較正を実行するよう構成されることができる。また、基準対象物が較正目的のため記録されることができる。すると、その現在の記録が、格納された基準記録と比較される。その結果、出荷時設定が較正の後リストアされることができる。
【0040】
図5は、本発明による情報収集デバイスの簡単な実施形態に対するデザインを示す。それは、画像記録ユニット3、画像処理ユニット4及び情報担体1用の格納スペース15を有する。情報担体1が格納スペース15に配置された後、情報担体1からの画像を記録するため、画像記録ユニット3が自動又は手動でアクティベートされる。その後、生成された画像は、処理ユニット41で解析される;分類情報が決定され、情報担体の表示領域2に示される情報が、記録された画像又は幾つかの他の画像から抽出される。処理ユニットでデジタル画像を解析するとき、位置修正が行われることができ、その結果、情報担体の修正された画像が、基準位置に対応する。そのことが、追加的な解析を簡略化する。簡単な実施形態における情報収集デバイスが情報担体の位置における機械的な変化に対するスコープ(scope)を持たない場合、位置修正が特に推奨される。
【0041】
図6は、例示を介して、情報を収集する方法のフローをフローチャートを用いて示す。上述された方法は、図5に示される情報収集デバイスに関連する。第1に、その方法は開始される。このため、情報担体1は、格納スペース15に配置される。その結果、情報担体1の表示領域2は、画像領域30の中にある。その後、方法のステップS1において、画像記録ユニット3によりデジタル画像が記録される。この画像は、ステップS2において、画像処理アルゴリズムを介した解析の対象となる。画像処理アルゴリズムは、画像処理ユニット4で実行される。分類情報CIが、情報担体の形状から決定され、それは、例えば、エッジの検出から、又は情報担体に配置されるバーコードストリップの認識により決定される。その後ステップS3において、例えば、分類情報CIから知られる情報担体表示領域2にズームインすることにより、分類情報CIに基づき、1つ又は複数の画像が記録される。その後ステップS4において、新たな画像が解析の対象となり、そこでは、示された情報が抽出される。その後特殊なアルゴリズムが、分類情報CIに基づきメモリ42からダウンロードされ、画像解析のために使用される。ステップS5において、その後、抽出された情報Iが、データベースにおけるレコードに供給される。その後、その方法は終了する。更に言えば、例えば、図1に示されるデバイスで実行されることができる、上述されるよりも更に多くの方法ステップが追加されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0042】
【図1】運搬ユニット上に情報担体を伴う、本発明による情報収集デバイスの概略的な表現を示す図である。
【図2a】情報を示す光学表示を伴う例示的な情報担体を示す図である。
【図2b】情報を示す簡単な光学表示を伴う別の例示的な情報担体を示す図である。
【図2c】別の例示的な情報担体として、アクティブ状態において蛍光分布を用いて情報を示す蛍光カートリッジを概略的に描く図である。
【図2d】情報がバーコードとして示される別の例示的な情報担体を示す。
【図3】画像記録ユニットの画像領域において情報担体を備える、図1と同じ情報収集デバイスの概略的な表現を与える図である。
【図4】放出位置にある情報担体を備える、図1と同じ情報収集デバイスの概略的な表現を与える図である。
【図5】簡単なデザインの情報収集デバイスの概略的な表現を与える図である。
【図6】情報を収集する例示的な方法のフローチャートを示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像領域に配置される少なくとも1つの情報担体の画像を作成する画像記録ユニットと、
前記情報担体に関する分類情報に基づき、前記画像から前記情報担体に示される情報を決定する画像処理ユニットとを有する、情報収集デバイス。
【請求項2】
前記画像処理ユニットが、前記情報担体の前記画像から前記分類情報を決定する、請求項1に記載の情報収集デバイス。
【請求項3】
前記画像記録ユニットが、画像パラメタを変化させるよう構成される、請求項1又は2に記載の情報収集デバイス。
【請求項4】
前記画像処理ユニットが、前記情報担体に示される前記情報を決定するための補助データが格納されるメモリユニットを持つ、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項5】
前記デバイスが、前記分類情報を入力するための、前記画像処理ユニットに接続される入力ユニットを持つ、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項6】
前記デバイスが、データベースユニットに接続され、前記データベースユニットの所定のレコードへ前記情報を割り当てるよう構成される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項7】
前記デバイスが、前記情報担体を前記画像記録ユニットへ運搬する運搬ユニットを持つ、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項8】
前記デバイスが、前記画像記録ユニットに対する前記情報担体の位置を操作する位置操作ユニットを持つ、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項9】
前記デバイスが、前記画像処理ユニットに接続される信号発生ユニットを持つ、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項10】
前記画像記録ユニットが、自律的較正を実行するよう構成される、請求項1乃至9のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項11】
前記デバイスが、前記情報が示されていないインアクティブ状態からアクティブ状態へと前記情報担体を変化させるよう構成されるアクティベーションユニットを持つ、請求項1乃至10のいずれか一項に記載の情報収集デバイス。
【請求項12】
情報担体に示される情報を収集する方法において、
前記情報担体を画像領域に与えるステップと、
前記情報担体の画像を作成するステップと、
分類情報に基づき、前記情報担体に示される前記情報を決定するステップとを有する、方法。
【請求項13】
前記画像から分類情報を決定するステップを更に有する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
変化された画像パラメタを用いて、前記情報担体の第2の画像を作成するステップを更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
データベースにおける所定のレコードに前記情報を割り当てるステップを更に含む、請求項12乃至14のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図2c】
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【図2d】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2008−513873(P2008−513873A)
【公表日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531903(P2007−531903)
【出願日】平成17年9月12日(2005.9.12)
【国際出願番号】PCT/IB2005/052971
【国際公開番号】WO2006/030367
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】