対面式硬貨処理装置
【課題】
本発明の目的は、対面式硬貨処理装置における左右の設置位置に適合して自動的にその位置に対応する硬貨選別装置に設定されるようにすることである。
【解決手段】
左右の硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれ左右の硬貨選別装置に投入され、真偽及び金種判別がなされ、左硬貨選別装置及び右硬貨選別装置の下面及び側面に設けられた硬貨出口から排出される。左硬貨選別装置及び右硬貨選別装置の硬貨出口は異なる金種に設定される。
左右の硬貨保留装置は同一構造であって、左硬貨選別装置の位置にセットされた場合、硬貨処理装置の制御装置からの位置信号によって左硬貨選別装置として制御され、右硬貨選別装置の位置にセットされた場合、硬貨処理装置の制御装置からの位置信号によって右硬貨処理装置として制御される。
本発明の目的は、対面式硬貨処理装置における左右の設置位置に適合して自動的にその位置に対応する硬貨選別装置に設定されるようにすることである。
【解決手段】
左右の硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれ左右の硬貨選別装置に投入され、真偽及び金種判別がなされ、左硬貨選別装置及び右硬貨選別装置の下面及び側面に設けられた硬貨出口から排出される。左硬貨選別装置及び右硬貨選別装置の硬貨出口は異なる金種に設定される。
左右の硬貨保留装置は同一構造であって、左硬貨選別装置の位置にセットされた場合、硬貨処理装置の制御装置からの位置信号によって左硬貨選別装置として制御され、右硬貨選別装置の位置にセットされた場合、硬貨処理装置の制御装置からの位置信号によって右硬貨処理装置として制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する対面式硬貨処理装置に関する。
特に、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する硬貨処理装置において、受け入れた硬貨の経路を単純化することにより硬貨ジャムを生じないようにした対面式硬貨処理装置に関する。
詳しくは、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する硬貨処理装置において、同一の部品を使用できるようにしてコストを低減することができる対面式硬貨処理装置に関する。
さらに詳しくは、同一の硬貨選別装置を使用しても特別な設定作業をすることなく単純化した硬貨経路に対応する硬貨出口に設定されるようにした対面式硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、各接客手段に硬貨入金部と硬貨出金部と、前記各硬貨入金部から夫々延びる専用硬貨搬送部と、各専用硬貨搬送部により搬送されてきた硬貨の真贋、金種、数量を識別する共通の硬貨識別計数部と、硬貨識別計数部により真正と容認された硬貨を金種別に振り分けて共通の硬貨金庫に送り込むと共に、偽貨として識別された硬貨をリジェクトする共通の硬貨振分け部と、硬貨振分け部によりリジェクトされた硬貨、及び、硬貨金庫から払い出された硬貨を受け取って各硬貨出金部に排出する払出し硬貨共通搬送部と、これらを制御する共通の制御装置とを備え、前記硬貨共通搬送部は、少なくとも2つのローラによりエンドレスに張設されると共に駆動部によって正逆双方向に切替え走行可能に構成され且つ両端部を前記各硬貨出金部に近接させた排出ベルトと、排出ベルトをシーソー式に上下揺動可能に支持すると共に排出ベルトの搬送面が何れか一方の硬貨出金部に向けて下向きに傾斜するように交互に各端部を降下させる傾動部と、を備えている対面式硬貨取扱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術として、硬貨処理装置の技術分野において、硬貨処理装置の処理内容の設定を変更する場合、ディップスイッチ等の設定条件の入力手段により設定変更する必要があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4323850号(図7〜図9、段落番号0024〜0028)
【特許文献2】特開平10-162196(図4及び6、段落番号0048〜0054)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術においては、硬貨の識別計数部が対面する外面に対してそれぞれ設けられた硬貨入金部に対して共通であるため、一方の硬貨入金部に投入された硬貨を識別計数している間、他方の硬貨入金部に硬貨が投入されないよう、硬貨シャッタによって閉止する。
換言すれば、一方の硬貨入金部が使用中である場合、他方の硬貨入金部は使用することが出来ない。
すなわち、他方の硬貨入金部を使用しようとする顧客は、一方の硬貨入金部の使用が終了するまで待たねばならない問題がある。
【0006】
第1の従来技術の問題を解決するため、硬貨投入口、検銭機、振分け部、一時保留部、ホッパ、シュート及びベルトコンベアを対向する外面に対してそれぞれ設けることができる。
このように第1の従来技術を対向する両面に対しそれぞれ配置した場合、投入硬貨の識別は各検銭機において出来るので、第1の従来技術のように他方の利用者が待たされることはない。
しかし、硬貨選別装置及び硬貨通路を2セット設けるので、コスト高になる問題がある。
コスト低減のため、同一の硬貨選別装置及び硬貨通路を2セット設けることが考えられる。
この場合、同一の硬貨通路を使用するためには、硬貨選別装置の金種別の硬貨出口を変更しなければならない。
金種別の硬貨出口を変更する場合、硬貨選別装置に内蔵される硬貨の振分装置の制御を変更せねばならない。
振分装置の制御を変更するには、通常、第2の従来技術に開示されるように、ディップスイッチ等によって設定変更する必要がある。例えば、硬貨選別装置が故障した場合、新たな硬貨選別装置に交換する場合、当該新たな硬貨選別装置にその設置位置に応じた設定作業をする必要があり、当該作業が繁雑であり、また、失念する問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。
本発明の第1の目的は、同一の硬貨選別装置を使用できる対面式硬貨処理装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、特段の設定をせずとも同一の硬貨選別装置を使用でき、かつ、硬貨ジャムが可求的に生ぜず、さらに、安価な対面式硬貨処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的を達成するため、本発明は以下のように構成されている。
対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させて金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、前記一対の硬貨選別装置は同一構造であり、前記金種別出口が前記一対の硬貨選別装置の中間点に対して点対称に設置され、対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号IDを出力し、前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号IDに基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにし、前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されることを特徴とする対面式硬貨処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、対面する外面にそれぞれ配置された硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれに対応して設けられた同一構成の硬貨選別装置によって真偽及び金種を判別される。
偽貨と判別された投入硬貨は、硬貨選別装置から返却通路を通って硬貨出金口へ戻される。
正貨は、硬貨選別装置に配置された金種別の硬貨出口へ振り分けられる。
硬貨選別装置の下面の硬貨出口から落下した硬貨は、その下方において垂立状態に配置された垂立通路部により案内されて、その下方に配置された金種別の硬貨保留装置に保留される。
側面に配置された硬貨出口から落下した硬貨は、前下がりに延在する通路部によって相対する硬貨選別装置の下側に配置されている金種別の転動通路部へ案内された後、金種別の硬貨保留装置に保留される。
したがって、本発明を採用することにより同一の硬貨選別装置を使用できるので、安価に構成することができる。
また、硬貨選別装置は、対面式処理機からの位置信号IDに基づいて、振分装置の制御を変更し、金種別の硬貨出口を変更する。換言すれば、硬貨出口は、硬貨選別装置の取り付け位置によって自動的に当該位置に適合した硬貨出口が設定される。よって、振分装置の制御を設定する煩雑さ及び設定忘れを防止して使い勝手のよい対面式硬貨処理装置を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置が設置されるセルフ式ガソリンスタンドの一部平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置が内蔵される精算機の正面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置に内蔵される硬貨処理装置の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例の硬貨処理装置の概要構成図である。
【図5】図5は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる揚送装置であって、(A)は正面図、(B)はB-B線断面図、(C)はC-C線断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の概要図である。
【図8】図8は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨選別装置の硬貨通路説明のための説明図である。
【図9】図9は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる右硬貨選別装置の概要図である。
【図10】図10は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左側の第1振分装置の作用説明図である。
【図11】図11は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の硬貨通路の概要図である。
【図12】図12は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨通路装置の正面図である。
【図13】図13は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨通路装置の平面図である。
【図14】図14は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の分解斜視図である。
【図16】図16は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の底面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨保留払出装置の平面図である。
【図18】図18は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨保留払出装置たる硬貨ホッパの概略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられるオーバーフロー金庫の斜視図である。
【図20】図20は、本発明の実施例の硬貨処理装置の硬貨の共通シュートの分解斜視図である。
【図21】図21は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる振分装置の概要図である。
【図22】図22は、本発明の実施例の硬貨処理装置の制御装置のブロック図である。
【図23】図23は、本発明の実施例の硬貨処理装置の左硬貨選別装置の作用説明用の概要図である。
【図24】図24は、本発明の実施例の硬貨処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【図25】図25は、本発明の実施例の硬貨処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させて金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、前記一対の硬貨選別装置は同一構造であって、前記金種別出口が前記硬貨選別装置の下面及び側面に配置され、前記一対の硬貨選別装置間の中間点に対して点対称に設置され、前記対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号IDを出力し、前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号IDに基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにして前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されるようにし、相対する出口から異なる金種の硬貨が排出されることを特徴とする対面式硬貨処理装置である。
【実施例】
【0012】
本実施例は、本発明に係る対面式硬貨処理装置100を、セルフ式ガソリンスタンド102において使用される自動精算機104に用いた例である。
セルフ式ガソリンスタンド102の楕円形の島106には給油機108及び自動精算機104が隣接状態に設置される。
本自動精算機104は、日本円仕様であるため、対面式硬貨処理装置100の処理対象硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6金種である。
しかし、処理対象硬貨は取捨選択できる。例えば、1円及び5円硬貨を除外することができる。
また、処理対象硬貨は、ユーロ、米ドル、中国元等世界中の硬貨を対象にすることができる。
【0013】
これら給油機108及び自動精算機104は島106の両側において操作できるように構成されている。すなわち、図2に示すように自動精算機104は箱形の筐体112の対向する第1壁面112A、第2壁面112Bにはそれぞれ硬貨投入口等が配置されている。
第1壁面112A及び第2壁面112Bとも同一構成であるので、左側の第1壁面112Aを例に図2を参照して説明する。
左紙幣投入口114L、左紙幣返却口116L、の組が上下関係に配置され、左硬貨投入口118L、左硬貨出金口122L、クレジットカード・電子マネー等のリーダーライタ124Lが配置されている。
紙幣投入口114L及び紙幣返却口116Lは、自動精算機104に内蔵されたリサイクル式の紙幣処理機126から突出し、自動精算機104の第1壁面(外面)112A、第2壁面(外面)112Bの外方に突出している。
硬貨投入口118L及び硬貨出金口122Lは、自動精算機104に内蔵された対面式の硬貨処理装置(対面式硬貨処理装置)120から突出し、自動精算機104の第1壁面112A、第2壁面112Bの外方に突出している。
【0014】
次に硬貨処理装置120が図3〜図17を参照して説明される。
硬貨処理装置120は、箱形の筐体112内に配置された箱形の硬貨筐体123に組み込まれている。
図3に示すように、硬貨筐体123内には、右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lが内蔵されている。右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lは、右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lにそれぞれ格別に設けられた左個別部分132L及び右個別部分132R並びに右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128L共通の共通部分134が内蔵されている。
硬貨筐体123の下端123Uは地上から1メートル以上になるように設置される。
説明の便宜上、第1壁面112A側を左側硬貨釣銭機128L、第2壁面112B側を右側硬貨釣銭機128Rとして説明する。
右側硬貨釣銭機128Rと左側硬貨釣銭機128Lとは、個別に設けられている左個別部分132L、右個別部分132R及び共通に用いられる共通部分134とにより構成されている。
【0015】
まず、右個別部分132R及び左個別部分132Lを説明する。
右個別部分132R、及び左個別部分132Lの構成は、左右対称に配置されること以外大凡同一であるので、左個別部分132Lを代表して説明し、右個別部分132Rは同一数字に付した「L」を「R」に変更して表示し、説明を省略する。
【0016】
左個別部分132Lは、大まかには左硬貨投入口118L、左揚送装置138L、左硬貨選別装置142L、左リジェクト通路144L、左硬貨通路装置146L、及び左硬貨出金口122Lを有する。
【0017】
まず図3を参照して左硬貨投入口118Lを説明する。
本実施例の左硬貨投入口118Lは、硬貨を一枚ずつ受け入れる機能を有する。
左硬貨投入口118Lは、大凡大人の男性の平均的腰部の高さ位置に配置され、縦長スリット形である。
左硬貨投入口118Lは、その高さ及び幅が最大直径である500円硬貨の直径及び厚みよりも僅かに大きく形成されている。
【0018】
次に左揚送装置138Lが図5を参照して説明される。
左揚送装置138Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを上方の左硬貨選別装置142Lの左受入口152Lへ投入するよう一枚ずつ区分けして持ち上げる機能を有している。
したがって、左硬貨投入口118Lが左受入口152Lよりも上方に配置される場合、左揚送装置138Lを設ける必要はない。
本実施例において左揚送装置138Lは、左螺旋装置154L、一枚分離装置156L及び左投入シュート158Lを含んでいる。
【0019】
図5に示すように、左螺旋装置154Lは、左硬貨センサ160L、円筒状の左ガイド体162L、円柱状の左螺旋体164L及び左螺旋体164Lを回転させるための左揚送駆動モータ166Lを含んでいる。
左硬貨センサ160Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを検知する機能を有する。
左硬貨センサ160Lは、例えば磁気センサによって構成され、硬貨Cを検出した場合、左硬貨信号CSLを後述の制御装置174に出力する。
【0020】
左ガイド体162Lは、透明の樹脂にて成型することが好ましい。内部を上昇される硬貨Cの姿勢を観察することにより異常を早期に発見できるからである。
左螺旋体164Lは、円柱状の左芯体168Lの外周面に螺旋状の左螺旋突条172Lが一体的に形成されて構成されている。
左螺旋体164Lは、左ガイド体162L内に挿入され、左螺旋突条172Lの外周が左ガイド体162Lの内面に密に接した状態で左ガイド体162L内において同一軸線回りに回転できるように配置される。
図5(B)に示すように、硬貨Cが回転されず、かつ上方へ移動可能なように硬貨Cを保持する左案内溝170Lが左ガイド体162Lと一体に形成されている。
左案内溝170Lは断面矩形であり、その先端部は、平面視左螺旋突条172Lと重ね逢わされる。
したがって、左案内溝170Lに保持される硬貨Cは、左案内溝170Lによって両側面及び周面を案内されつつ、下側の周面を左螺旋突条172Lによって押し上げられることができる。
【0021】
左揚送駆動モータ166Lは、制御装置174によって選択的に駆動又は停止され、左芯体168L、したがって、左螺旋体164Lを所定方向に回転し、左螺旋突条172Lによって硬貨Cを上方へ移動させる。
すなわち、左硬貨投入口118Lに投入され、一枚分離装置156Lを通過した硬貨Cは、左螺旋突状172L上に載る。
左螺旋突状172L上に載った硬貨Cは、左案内溝170Lに規制されるため、左螺旋体164Lに対し横方向に移動できず、上下方向のみ移動可能である。
このため、左螺旋突状172Lが回転した場合、その傾斜角によって硬貨Cは左螺旋突状172Lによって押し上げられる。
制御装置174は左硬貨信号CSLを受信した場合、逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送駆動モータ166Lを回転駆動する。
逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送駆動モータ166Lは、左螺旋装置154L内の硬貨Cが全て無くなった場合、制御装置174によって停止される。
【0022】
左螺旋突状172Lの間隔は、最大直径の500円硬貨が一枚収まる間隔より僅かに大きく設定され、硬貨Cは一枚ずつ左投入シュート158L側へ揚送される。
なお、左芯体168Lを所定長さに設定し、軸線方向に所定数接続して一体回転可能にすることにより、左螺旋体164Lの長さを段階的に設定することができる。
換言すれば、左芯体168Lの連続数を任意に設定することにより、任意の揚送量を得ることができる。
【0023】
次に一枚分離装置156Lが図5(C)を参照して説明される。
一枚分離装置156Lは、左硬貨投入口118Lに連続的に投入された硬貨Cが団子状に左螺旋装置154Lの入口に到達することによる、硬貨ジャムを防止する機能を有する。
詳述すれば、後述の左投入通路180Lにおいて、硬貨Cが周面を接するように近接せずに転動させる機能を有する。
左螺旋突条172Lによって1つずつ硬貨Cを揚送するためである。
【0024】
一枚分離装置156Lは、例えば、図5(C)に示すように左第1固定壁176L及び左第2固定壁178Lにより構成した前下がりの直状左投入通路180L、左逆転ローラ182L及び左逆転ローラ駆動モータ184Lにより構成される。
左投入通路180Lは、左硬貨投入口118Lから左螺旋装置154Lに向かって前下がりに傾斜する断面縦長スリット状の通路であり、左投入口118Lに投入された硬貨Cが左投入通路180Lの下面を構成する左ガイドレール186L上を立った状態で転動可能である。
【0025】
左逆転ローラ182Lは、左大直径部188Lと左小直径部192Lとを有し、左大直径部188Lは左第2固定壁178Lに形成した左開口部181Lから左投入通路180Lに進入可能であり、進入した際、左第1固定壁176Lと左大直径部188Lとの間隔は最薄の硬貨Cの厚みよりも小さい。換言すれば、左大直径部188Lが左投入通路180Lに位置する場合、硬貨Cは左螺旋装置154L側へ通過することができない。
左逆転ローラ182Lは左逆転ローラ駆動モータ184Lによって左大直径部188Lが硬貨Cの転動方向の下流側から上流側へ向かって回転する。
換言すれば、左大直径部188Lが左螺旋装置154L側から左硬貨投入口118L側へ移動する。
よって、左硬貨通路180Lにおいて、左大直径部188Lよりも左硬貨投入口118L側に位置する硬貨Cは、左硬貨投入口118L側へ押し戻され、左螺旋体164L側へ転動することができない。
【0026】
また、左逆転ローラ182Lは左螺旋突条172Lの移動と連動して回転され、前位の硬貨Cが所定位置まで左螺旋突条172Lによって押し上げられた後、後位の硬貨Cが左螺旋突条172Lに達するよう連動して回転される。
換言すれば、左投入通路180Lを転動して来た最大直径硬貨Cが、左螺旋突状172Lの周面に当接しない位相において、左螺旋装置154Lに到達するよう、左螺旋体164Lと左逆転ローラ182Lの左大直径部188Lとの回転位相並びに左逆転ローラ182Lと左螺旋装置164Lとの距離が設定される。
硬貨Cが左螺旋突状172Lと左ガイド体162Lとの間に噛み込まれることによる揚送不良、及び、複数の硬貨Cが左案内溝170Lに位置することによる硬貨ジャムを防止するためである。
さらに換言すれば、左大直径部188Lが左投入通路180Lに進入した場合、硬貨Cは左螺旋突条172L側へ向かって転動できず、いわば待機状態になる。
左小径部192Lが左投入通路180Lに相対した場合、硬貨Cは左投入通路180Lを転動し、左螺旋突条172Lへ向かって再び転動を開始する。
左逆転ローラ駆動モータ184Lは、制御装置174によって選択的に回転又は停止される。
【0027】
次に左投入シュート158Lを説明する。
左投入シュート158Lは、左螺旋装置154Lによって揚送された硬貨Cを左受入口152Lへ案内する機能を有する。
左投入シュート158Lは、縦長スリット状の通路であり、左案内溝170Lの上端部に連通し、左螺旋装置154Lによって揚送された硬貨Cが立った状態で左受入口152Lへ向かって転動するよう下壁が前下がりの左転動レール194Lによって構成される。
換言すれば、左螺旋突状172Lによって揚送された硬貨Cは、左螺旋突状172Lの傾斜によって自重により左投入シュート158L側へ転動し、左転動レール194L上を左受入口152Lへ向かって転動する。
【0028】
次に左硬貨選別装置142Lを図6乃至図10を参照して説明する。
本実施例は日本円仕様であり、1円から500円の6金種の真偽及び金種を選別する。しかし、1円及び5円硬貨を処理不対象とし、返却するようにしてもよい。
ユーロ硬貨仕様の場合、左硬貨選別装置142Lは8金種を選別する。しかし、必要に応じて選択された一部の金種のみを受入れ、その他の金種は左硬貨出金口122Lに返却するようにしてもよい。
左硬貨選別装置142Lは、左受入口152Lに投入された硬貨Cが所定の左転動通路190Lを転動する過程において、硬貨Cの物理的性質を左物理センサ196Lにより検知して当該硬貨Cの真偽及び金種を判別し、さらに転動する過程において判別結果に応じて所定の出口へ振り分けする機能を有している。
左硬貨選別装置142Lは、硬貨処理装置120の筐体に固定された縦向きチャンネル形の左ホルダ200L(図4参照)によって垂立状態であって、かつ、当該ホルダ200Lに容易に着脱可能に取り付けられている。
【0029】
次に左硬貨選別装置142Lの金種別に設けられた硬貨出口の概略を図7及び図8を参照して説明する。
金種別の出口としては、左返却口198L、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lであり、それぞれスリットに形成されている。
図8に示すように、左返却口198Lは、硬貨選別装置142Lの下面142LUに配置され、返却硬貨RCは自然落下により後述の左返却通路樋329Lを経由して左リジェクト通路144L(図4参照)を通って、左硬貨出金口122Lに返却される。
左硬貨選別装置142Lの左下面142LUには、その他、例えば、左50円口208L、左100円口212L及び左500円口214Lが配置されている。
硬貨選別装置142Lの左背面142LBの下部に左オーバーフロー口216Lが開口され、背面に沿って下方へ落下するので、左オーバーフロー口216Lは実質的に左下面142LUに開口されている。
残りの左1円口202L、左5円口204L、及び左10円口206Lは右硬貨選別装置142Lに対面する右側面142LRに配置される。
しかし、各硬貨Cの金種別の出口はこれに限られず、任意に設定できる。
【0030】
右硬貨選別装置142Rの硬貨出口の概略を図9を参照して説明する。
図8に示すように、右硬貨選別装置142Rは左硬貨選別装置142Lと同一構成であって、平面視反対向きにそれらの左背面142LB及び右背面142RBが第1直線L1上に位置するように配置してある。換言すれば、各硬貨出口は第1直線L1の中間点M1に対し左右対称に配置されているが、設定されている金種は異なる。
図8に示すように、右返却口198Rは、右硬貨選別装置142Rの下面142RUに配置され、返却硬貨RCは自然落下により右リジェクト通路144Rを通って、右硬貨出金口122Rに返却される。
右硬貨選別装置142Rの下面142RUには、その他、例えば、右1円口202R、右5円口204R、及び右10円口206Rが配置され、右オーバーフロー口216Rは右硬貨選別装置142Rの右背面142RBに開口し、当該背面142RBに沿って下方へ落下する。
残りの右50円口208R、右100円口212R、及び右500円口214Rは左硬貨選別装置142Rの右側面142LRに対面する左側面142RLに配置される。
硬貨出口の配置を換言すれば、左硬貨選別装置142Lの左下面142LUに配置されている左50円口208L、左100円口212L及び左500円口214Lに相対する右50円口208R、右100円口212R及び右500円口214Rは、対の右硬貨選別装置142Rの相対する左側面142RLに配置されている。
他方、右硬貨選別装置142Rの右下面142RUには、中間点M1に対し対象位置に、左500円口214Lと右1円口202R、左100円口212Lと右5円口204R、左50円口208Lと右10円口206R、及び左返却口198Lと右返却口198Rとが配置されている。
また、左硬貨選別装置142Lの右側面142LRと、対面する右硬貨選別装置142Rの左側面142RLには中間点M1に対し対象位置に、左10円口206Lと右500円口214R、左5円口204Lと右100円口212R、左1円口202Lと右50円口208Rが配置されている。
さらに換言すれば、左硬貨選別装置142Lの左下面142LUに配置されている硬貨出口と、右硬貨選別装置142Rの左側面142RLに配置されている硬貨出口とは同一金種である。
更にまた、右硬貨選別装置142Rの右下面142RUに配置されている硬貨出口と、左硬貨選別装置142Lの右側面142LRに配置されている硬貨出口とは同一金種である。
【0031】
次に左硬貨選別装置142Lの構造の概略が図7及び図11を参照して説明される。
左硬貨選別装置142Lは、大まかには左転動通路190L、左物理センサ196L、左第1振分装置236L、左第2振分装置238L、及び左第3振分装置292Lを含んでいる。
【0032】
まず左転動通路190Lを図6及び図7を参照して説明する。
左転動通路190Lは、矩形の左本体224Lと、当該左本体224Lの上部中間に位置する左斜軸226Lを支点に回転自在に取り付けられ、最大厚み硬貨の厚みよりも僅かに大きい間隔で平行に配置された、台形状の左ドア228Lによって形成されている。
左ドア228Lの下端部には彎曲した左ガイドレール232Lが横向きに突出されている。
左ドア228Lは、付勢手段(図示せず)によって左本体224Lに近づくよう付勢され、下端部の左ガイドレール232の側端は左本体224Lに実質的に密着し、左本体224Lと左ドア228Lとによって両側の垂立側壁、左ガイドレール232Lによって底板を画定された平板状の左転動通路190Lを構成する。
左リジェクター230Lを押し下げた場合、左ドア228Lが左斜軸226Lを支点に回動し、左ガイドレール232Lが左本体224Lから離れることにより、左転動通路190Lの下端部が開口する。
これにより、左転動通路190Lにおいてジャムした硬貨Cを左転動通路190Lから落下させ、左返却通路330Lを経由して左返却口198Lに返却することができる。
左転動通路190Lは、上向き漏斗形の左受入口152Lに連続して垂下した後、右下方へ前下がりに指向する硬貨Cの転動通路である。
左ドア228Lが左斜軸226Lを支点に左本体224Lから離れる方向に回転された場合、左ガイドレール232Lが横向きに傾き、硬貨Cは左ガイドレール232Lから左返却口198Lへ返却することができる。
左転動通路190Lの下流端部に第1振分装置236Lが配置されている。
【0033】
次に左物理センサ196Lを説明する。
左物理センサ196Lは、左転動通路190Lを挟んで左本体224Lと左ドア228Lに相対して固定された励磁コイルを巻き付けて高周波電流を印可した複数のフェライトにより構成され、当該励磁コイルの出力からの高周波電流を用いて左転動通路190Lを転動する硬貨Cの直径、厚み及び材質等に関する物理的性質を非接触により検知する公知の物理センサである。
【0034】
次に左第1振分装置236Lを説明する。
左第1振分装置236Lは、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cを左500円口214L、左100円口212L、及び左返却口198Lに振り分け、及び1円、5円、10円、50円及びオーバーフロー金種硬貨を左第2振分装置238Lへ振り分ける機能を有する。
したがって、左第1振分装置236Lは同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
左第1振分装置236Lは、左第1振分体240L及び左第2振分体242L、左第1移動レール244L、及び左第1ストッパ246Lを含んでいる。
【0035】
左第1振分体240Lは、板状であって、全体として横長矩形に形成され、左転動通路190Lに対し下流側に位置し、僅かに傾斜配置され、縦向きの軸線回りに往復回動可能な左第1縦軸248Lから左転動通路190Lの上流側に向かって横向きに固定されている。
左第1振分体240Lは、先端が左本体224Lの裏側に向かって折り曲げられ、櫛歯状の左第1櫛歯部252Lに形成されている。
左第1振分体240Lの中間には、円形の左第1透孔254Lが形成されている。
左第1縦軸248Lに対し平行に、硬貨の厚みよりも大きな間隔で左第2縦軸256Lがその軸線回りに往復回動可能に配置されている。
左第2縦軸256Lから左転動通路190Lに向かって板状であって横長矩形の左第2振分体242Lが固定されている。
左第2振分体242Lは、左第1振分体240Lとほぼ同様の形状に形成され、先端には左第2櫛歯部273Lが、中間には円形の左第2透孔264Lが形成されている。
【0036】
左第1振分体240Lは、図11において時計方向に弾性的に付勢され、図示しないストッパによって左第1静止位置LSP1に静止される。左第1振分体240Lが静止位置LSP1に位置する場合、左転動通路190Lを構成する一方の左第1側壁266L1の延長線上に位置し、左第1櫛歯部252Lは左第1側壁266L1よりも裏側に位置している。
左第1側壁266L1の裏側には左第1振分通路268Lが形成され、下流に配置された左第2振分装置238L、その下流に配置された左第3振分装置292Lに選択的に連通される。
左第1振分体240Lは、左第3アクチュエータ247Lによって図11において反時計方向に回動された左第1移動位置LMP1(図10参照)に位置することができる。
左第1移動位置LMP1において、左第1振分体240Lの左第1櫛歯部252Lの先端は左ドア228Lによって構成される左第2側壁266L2の延長線上に位置する。
左第1振分体240Lが 左第1移動位置LMP1に位置する場合、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第1振分体240Lの裏面によって左第1振分通路268Lに案内される。
【0037】
左第2振分体242Lも図示しない付勢手段によって図11において時計方向に弾性的に付勢され、図示しないストッパによって左第1櫛歯部252Lに左第2櫛歯部273Lが噛み合った左第2静止位置LSP2において静止される。
【0038】
左第1縦軸248Lと左第2縦軸256Lとは、最大厚み硬貨Cの厚みよりも離れて平行に配置され、左第2振分体242Lは左第2静止位置LSP2と左第2移動位置LMP2に選択的に位置される。
左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に位置する場合、左第2振分体242Lの表側(図10、11における下側)には500円硬貨も通過可能な左返却通路330Lに連通される。
換言すれば、左第1振分体240L及び左第2振分体242Lが左第1静止位置LSP1及び左第2静止位置LSP2に位置する場合、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第2振分体242Lによって図11において下方へ案内され、左返却通路330Lを通って、左返却口198Lへ案内される。
また、左第2振分体242Lは、左第5アクチュエータ249Lによって回動され、左第2移動位置LMP2に位置する場合、先端の左第2櫛歯部273Lは左第2側壁266L2の延長上よりも奥(図10において下側)に位置し、左転動通路190Lから転動してくる硬貨Cを左第1振分体240Lと左第2振分体242Lとの間の左第2振分通路260Lに案内する。
【0039】
左第1振分体240Lは、通常は左第1静止位置LSP1に静止され、左第3アクチュエータ247Lによって図11において反時計方向に回動された場合、図示しないストッパによって係止されて左第1移動位置LMP1において静止され、左第2側壁266L2の延長上よりも奥側(図10(c)において下側)に左第1櫛歯部252Lの先端272L1が位置する(図10(c)参照)。
この状態において、通常は、左第1移動レール244Lが、左第1振分体240Lと左第2振分体242Lとの下方に位置せずに、左第1ストッパ246Lが左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを横断している。
これにより、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第1振分体240Lの裏面によってその裏側の左第1振分通路268Lへ案内される。
左第1振分通路268Lの左第1ストッパ246Lの上流側は、垂下方向に延在する左50円硬貨通路262Lが連続している。
この左50円硬貨通路262Lには、左第1ストッパ246Lによって移動を阻止された左50円硬貨50Cが落下し、左50円口208Lへ案内される。
【0040】
次に左第1移動レール244Lを説明する。
左第1移動レール244Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lに転動してきた硬貨Cを更に、横方向に転動させて案内、又は案内せずに下方へ自重によって落下させる機能を有する。
左第1移動レール244Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下方に選択的に配置され、横向きかつ硬貨Cの転動方向に前下がりに傾斜する細長板状体である。
換言すれば、左第1移動レール244Lは、左第1振分体240L及び左第2振分体242Lの直下に選択的に配置され、左第1振分通路268Lにおいては左第1移動レール244Lが下壁を構成し、かつ、左本体224Lの壁面及び左第1振分体240Lの裏面が左右の側壁を構成している。
左第2振分通路260Lにおいては、左第1移動レール244Lが下壁を構成し、かつ、左第1振分体240Lの表面及び左第2振分体242Lの裏面が左右の側壁を構成している。
本実施例において、左第1移動レール244Lは横向きに配置された左第1横軸278Lに中間を固定された左第1揺動板282Lの下端部を横向きに折り曲げて形成されている。
左第1移動レール244Lが左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下側に位置する場合、前述のようにそれら通路の下壁を構成する。換言すれば、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを転動する硬貨Cは、左第1移動レール244L上を転動する。
【0041】
次に左第1ストッパ246Lを説明する。
左第1ストッパ246Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lに進行した硬貨Cの更なる転動を許すか、又は、硬貨Cの転動を阻止し、重力によって下方へ落下させる機能を有する。
左第1ストッパ246Lは、左第1揺動板282Lの左第1横軸278Lの反対側の上端部に横向きに固定された左第1棒状体284Lである。
左第1棒状体284Lは、通常状態において、左第1透孔254L及び左第2透孔264Lを貫通し、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを横断する左第1阻止位置LIP1をとることができる。
【0042】
左第1横軸278Lは、左第2アクチュエータ279Lによって選択的に回動されるが、通常状態においては図示しないスプリングによって付勢され、左第1透孔254L及び左第2透孔264Lを貫通した左第1阻止位置LIP1において静止される。この状態において、左第1移動レール244Lは左第2振分通路260Lの下方には位置しない左第1通過位置LTP1に位置する。
左第2アクチュエータ279Lによって左第1揺動板282Lが回動された場合、左第1移動レール244Lは左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下方の左第1案内位置LGP1に位置し、左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lに達した硬貨Cは左第1移動レール244L上を転動してさらに横方向へ案内される。
【0043】
左第2振分通路260Lの下壁を構成する左第1移動レール244Lの下方には左100円口212Lに連なる左100円硬貨通路286Lが形成されている。
本実施例において、左第1移動レール244Lと左第1ストッパ246Lは一体化され、一の左第2アクチュエータ279Lによって反対位相で移動されるようになっているが、それぞれ別体に構成し、各別のアクチュエータによって反対位相で移動するようにしても良い。しかし、本実施例のように一体化した場合、設置スペース、コスト及び制御面において有利である。
【0044】
次に左第1振分装置236Lの作用を図10を参照して説明する。
通常状態において、左第1振分装置236Lの左第1振分体240Lは左第1静止位置LSP1に静止され、左第2振分体242Lは左第2静止位置LSP2に静止され、左第1ストッパ246Lは左第1阻止位置LIP1に静止され、左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に静止される(図10(A))。
この状態において、硬貨Cが左受入口152に投入された場合、左転動通路190Lを転動した後、左第2振分体242Lによって逸らされて左返却通路330Lへ案内され、左返却口198Lから落下し、後述する左転動通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを介して左硬貨出金口122Lへ戻される。この状態は、左第1振分装置236Lが選別可能状態に無い状態、換言すれば電源が入っていない状態、又は左物理センサ196Lが偽貨FCを判別した場合に構成される。
【0045】
左第2振分体242Lのみが左第2移動位置LMP2へ移動された場合(図10(B))、硬貨Cは左第2振分通路260Lへ転動するが、左第1阻止位置LIP1に位置する左第1ストッパ246Lによって横方向への転動を阻止され、また、左第1移動レール244Lが左第1通過位置LTP1に位置することから、左100円硬貨通路286Lを落下し、左100円口212Lから落下する。
左第2振分体242Lが移動位置LMP2へ移動され、さらに、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1に位置する場合(図10(C))、硬貨Cは左第1振分体240Lによって第1振分通路268Lに案内され、かつ、第1ストッパ246Lによって横方向への進行が阻止されるので、垂下方向に延在する左50円硬貨通路262Lによって、左50円口208Lへ案内される。
【0046】
次に左第1揺動板282Lが左第1案内位置LGP1に移動された場合、左第1移動レール244Lが左第1振分通路268Lおよび左第2振分通路260Lの下壁を構成し、かつ、左第1ストッパ246Lは左第1振分通路268Lおよび左第2振分通路260Lから退出する。
この状態において、第2振分体242Lが第2移動位置LMP2に移動した場合(図10(D)参照)、硬貨Cは左転動通路190Lを転動した後、左第2振分通路260Lを転動する。すなわち、左第1移動レール244L上を転動し、さらに横方向下流に位置する左10円口206L又は左1円口202Lへ案内される。
換言すれば、左第2振分通路260Lは、1円、5円、10円、500円の各硬貨C及び該当する金種の保留金庫が満杯時のオーバーフロー硬貨OCが転動する。
【0047】
さらに、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1、及び左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2へ移動された場合(図10(E)参照)、硬貨Cは左第1振分体240Lによって左第1振分体240Lの裏側の左第1振分通路268Lを経由して、左第2振分装置238Lへ案内される。
【0048】
次に左第2振分装置238Lを説明する。
左第2振分装置238Lは、左第1移動レール244L上を転動した硬貨Cをさらに金種別の通路又は出口に振り分ける機能を有する。換言すれば、第1振分通路268L又は第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cをさらに横方向に案内、又は案内せずに自重により落下可能にする機能を有する。
左第2振分装置238Lは、左第2移動レール272L及び左第2ストッパ274Lを含んでいる。
本実施例において、左第2移動レール272Lは横向きに配置された左第2横軸276Lに中間を固定された左第2揺動板283Lの下端部を横向きに折り曲げて形成されている。
【0049】
左第2ストッパ274Lは、左第2横軸276Lから左第2揺動板283Lの反対側である上方に突出する左第2棒体282Lの上端から横向きに突出している棒体である。
左第2揺動板283Lは、常時スプリング等の付勢手段(図示せず)によって付勢され、左第3静止位置LSP3において静止している。
この状態において、左第2ストッパ274Lは左第2静止位置SP2Lに位置して左1円口202L及び左10円口206Lを塞がない。
左第2移動レール272Lが左第3静止位置LSP3に位置する場合、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの延長上の硬貨転動通路の底板を構成する。これにより、左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは当該左第2移動レール272L上を転動し、さらに横方向に到達する。
そして、左1円口202Lから転がりでる。
また、左第2振分通路268Lを転動してきた硬貨Cは、第2移動レール272L上を転動した後、左10円口206Lから転がり出る。
【0050】
左第2移動レール272Lが左第1アクチュエータ239Lによって左第3静止位置LSP3から左第3移動位置LMP3(図11)に移動された場合、左第2移動レール272Lは左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lの延長上の通路の底板を構成しない位置へ退避し、左第2ストッパ274Lは左第2静止位置SP2Lから左10円口206L及び左1円口202Lを塞ぐ左第2阻止位置LIP2へ移動する。
この状態において、まず左第2振分体242Lのみが左第2移動位置LMP2に移動された場合(図10(B))、左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは、左第2ストッパ274Lによって阻止されて左10円口206Lから出ることが出来ず、かつ、左第2移動レール272Lが存在しないので、その下方において垂下方向に延在する500円硬貨通路289Lに落下し、左500円口214Lから落下する。
この状態において、左第1振分体240Lも左第1移動位置LMP1へ移動された場合(図10(C))、左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは、左第2ストッパ274Lによって阻止されて左10円口206Lから転がり出ることが出来ず、かつ、左第2移動レール272Lが存在しないので、その下方において垂下方向に延在する第3振分通路294Lをさらに落下し第3振分装置292Lに達する。
【0051】
次に左第3振分装置292Lを説明する。
左第3振分装置292Lは、左第1振分通路268Lに振り分けられた硬貨Cであって、左10円口206Lへの移動を左第2ストッパ274Lによって阻止され、左第3振分通路294Lを落下する硬貨Cを振り分ける機能、換言すれば、上下方向に延在する通路に配置され、左物理センサ196Lによって検知された金種に基づいて左5円硬貨通路288L又は金庫通路304Lに振り分ける機能を有する。
左第3振分装置292Lは、ほぼ水平状態において時計又は反時計方向に回動可能な左第3横軸296L、当該左第3横軸296Lに下端部が固定され、上方に向かって延在する左第3揺動板298L、及び第4アクチュエータ299Lを含んでいる。
【0052】
左第3揺動板298Lは弾性的に一方向に回動力を付与され、第4アクチュエータ299Lが作動されない場合、弾性的に垂下方向に延在する5円硬貨通路288Lに連なるよう位置される。
この状態において、硬貨Cは左5円硬貨通路288Lを落下して、その下端の左5円口204Lから転がり出る。
第4アクチュエータ299Lが作動された場合、左第3揺動板298Lは垂下方向に延在する金庫通路304Lに接続するよう回動される。
この状態において、硬貨Cは金庫通路304Lへ案内され、左本体224Lの下部背面の左オーバーフロー口216Lから金庫(図示せず)へ落下する。
【0053】
次に左返却通路330Lを図6を参照して説明する。
左返却通路330Lは、左ドア228Lの下方に配置され、硬貨Cが自重によって自然落下(転動を含む)できるよう縦向きに形成された、断面スリット状の通路である。
即ち、スリットの寸法は、最大硬貨である500円が自由落下できる寸法に形成されている。
左返却通路330Lの下端の一部は左下向き斜面306Lに形成され、リジェクトされた硬貨Cを左返却口198Lに案内する。
これにより、左返却通路330Lを落下した硬貨Cは左返却口198Lから左第2返却通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを経由して左硬貨出金口122Lに戻される。
【0054】
次に硬貨通路装置146を図12乃至図16を参照して説明する。
硬貨通路装置146は左硬貨選別装置142L又は右硬貨選別装置142Rによって金種別出口に振り分けられた硬貨を、金種別の硬貨保留装置312に重力によって転動させつつ案内する機能を有する。
したがって、硬貨通路装置146は左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rによって構成されている。
本実施例においては、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは同一構成であり、左右対称に配置される。
換言すれば、図13に示すように、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは中間点M1に対し点対称に配置されている。
そして、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rが共同して硬貨通路装置146を構成する。
左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは同一構成なので、左硬貨通路装置146Lを代表して説明する。
【0055】
左硬貨通路装置146Lは、左硬貨選別装置142Lの金種別出口である左500円口214L、左100円口212L、左50円口208L、左10円口206L、左5円口204L、左1円口202L及び左オーバーフロー口216Lから排出された各硬貨Cを硬貨保留装置312に重力により金種別に案内する機能を有する。
換言すれば、各硬貨出口から排出された硬貨Cは、左硬貨通路装置146Lを自然落下(転動を含む)して硬貨保留装置312に達する。
左硬貨通路装置146Lは、硬貨Cが大凡垂直に落下する左垂立シュート部314L及び断面U形の樋状であり、硬貨Cが立った状態で自重により転動可能である左転動シュート部316L及び左ホルダ200Lにより構成されている。
具体的には、左ホルダ200Lの下側に左垂立シュート部314L、左ホルダ200Lの右側側面、すなわち、左硬貨選別装置142Lの右側面142LR、換言すれば、もう一方の右硬貨選別装置142Rに相対する面に左転動シュート部316Lの一端が固定されている。
しかし、左ホルダ200Lは必須の構成要件ではなく、左垂立シュート部314L及び左転動シュート部316Lを一体化可能であればよい。換言すれば、左垂立シュート部314L及び左転動シュート部316Lを一体的に固定レイアウト状態にするもの、例えば、ブラケットであってもよい。
更には、左垂立シュート部314Lが無くとも硬貨Cが金種別の保留装置に落下する場合には、左転動シュート部316Lのみ設けることで足りる。
【0056】
まず左垂立シュート部314Lが図13を参照して説明される。
左垂立シュート部314Lは、左硬貨選別装置142Lの下面に配置された左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lから落下した硬貨Cをその下方に配置された硬貨保留装置312の対応する金種別の保留装置312へ案内する機能を有する。
左垂立シュート部314Lは、上下方向、すなわち、垂直に延在する4つの断面矩形の左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2及び左オーバーフロー通路326Lを含み、相対する右硬貨選別装置142R側から順に遠ざかる方向に並設された左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2、左100円通路322L及び左50円通路318Lが隣接並置されている。
左オーバーフロー通路326Lは左500円通路第1324L1と左500円通路第2324L2との間にサンドイッチされている。
換言すれば、左第一500円通路324L1の上面全体に対し左硬貨選別装置142Lの右側端部が相対し、左50円通路318L及び左100円通路322Lの中間に対し左硬貨選別装置142Lが相対する。
【0057】
また、これら左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2の側方、換言すれば図13において上側には、各通路の一部を構成する、左50円通路突出部319L、左100円通路突出部323L及び左第二500円通路324L2が形成されている。
したがって、左50円通路突出部319Lを含んだ左500円通路318L、左100円通路突出部323Lを含んだ左100円通路322L及び左第二500円通路324L2を含んだ左500円通路324Lは平面視縦長矩形に形成され、突出量は、左第二500円通路324L2、左100円通路突出部323L及び左50円通路突出部319Lの順に大きい。換言すれば、各突出部及び左第一500円通路2324L2は段階的に突出している。
【0058】
左50円通路318Lは、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における左50円突出部319Lの図13において上端部に左50円落下口318LMが構成され、その他の底面は50円硬貨50Cが重力により滑り落ちるように前下がりの斜面に形成された左50円傾斜面346Lが形成される。
左100円通路322Lは板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左100円落下口322LMが形成され、その他の底面は100円硬貨100Cが重力によって滑り落ちるよう前下がりの左100円傾斜面348Lに形成されている。
左500円通路324Lは、本実施例では左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2により構成されている。
左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2は板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、所定の間隔で並列されている。
換言すれば、左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2は断面矩形の垂立通路である。
本実施例においては、二つの垂立通路によって左500円通路342Lを構成したが、他の通路と同様に一つにすることができ、また、底面を前下がりの斜面にすることができる。
左オーバーフロー通路326Lは、本実施例において左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2の間に配置され、平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、底面を前下がりの斜面にし、図13において右横方向側面にオーバーフロー落下口326LMが形成され、底面を滑り落ちてきた硬貨が当該口から後述のオーバーフロー金庫424に落下する。
【0059】
左50円通路318Lは、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における左50円突出部319Lの上端部に左500円落下口318LMが形成され、その他の底面は50円硬貨50Cが重力により滑り落ちる左50円傾斜面346Lが形成される。
左100円通路322Lは板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の中間部に左100円落下口322LMが形成され、その他の底面は100円硬貨100Cが重力によって滑り落ちる左100円傾斜面348Lが形成されている。
左第一500円通路325L1は、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左第一500円落下口324LM1が形成されている。
左第二500円通路325L2は、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左第二500円落下口324lm2が形成されている。
【0060】
左50円通路318Lは奥行きが長さ50d、幅が長さ50Wの縦長矩形に形成されている。
左100円通路322Lは奥行きが左50円通路318Lの50dよりも短い長さ100dに、幅が長さ50Wよりも大きい100Wの縦長矩形に形成されている。
左第一500円通路324L1及び左第二500円通路324L2は、奥行きが100dよりも小さい500dに、幅は幅50Wよりも小さい500Wに形成されている。
詳細には、奥行きdは、左50円通路318Lが最も長く、続いて左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2の順に長い。
左50円通路318L、左100円通路322L及び左第一500円通路324L1は、それらの一側壁が第2直線L2上に配置され、対面する側壁は左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1の順に第2直線L2に近づくように設定されている。
【0061】
前述したように左硬貨選別装置142Lにおける、左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1及びオーバーフロー通路326Lの上面開口は、左硬貨選別装置142Lの下面に配置された左50円口214L、左100円口212L、左第一500円口214L1の一部に面している。したがって、左50円通路突出部319L、左100円通路突出部323L及び左第ニ500円通路324L2の上面開口は左硬貨選別装置142Lの下面に面していない。
左オーバーフロー口216Lは左本体224Lの下部背面に配置されているので、物理的にはオーバーフロー通路326Lに面していないが、左オーバーフロー口216Lから落下した硬貨Cが左オーバーフロー通路326Lに落下するよう配置されている。
【0062】
左垂立シュート部314Lの正面(図13において下側)に左返却通路樋330Lが配置されている。
詳述すれば、左垂立シュート部314Lの正面側壁に断面U形であって、左硬貨出金口122L側に向かって前下がりの左返却通路樋330Lが固定されている。
これにより、左返却口198Lから落下した硬貨Cは、左返却通路樋330Lを転動した後、左リジェクト通路144Lを落下して左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0063】
次に右垂立シュート部314Rが図13を参照して説明される。
図13において、右垂立シュート部314Rは一点鎖線により表示してある。
右垂立シュート部314Rは基本的構造は左垂立シュート部314Lと同一であるが、各通路毎に設定される金種が右硬貨選別装置142Rの設定に適合するように設定される。
具体的には、左50円通路318Lに相対する通路は右1円通路318R、左100円通路322Lに相対する通路は右5円通路322R、及び左500円通路324Lに相対する通路は右10円通路324R及び左オーバーフロー通路326Lに相対する通路は右オーバーフロー通路326Rに設定されている。
【0064】
次に右硬貨選別装置142Rにおける硬貨出口が図8を参照して説明される。
右硬貨選別装置142Rは、構造的には左硬貨選別装置142Lと同一であるが、裏返しに配置され、かつ硬貨出口の金種は異なって設定されている。左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rの構造を簡単化し、硬貨ジャム発生防止、小型化及び低コスト化のためである。
換言すれば、右硬貨選別装置142Rは、中間点M1に対し左硬貨選別装置142Lと点対称をなしている。
詳述すれば、右硬貨選別装置142Rの下面142RUにおける左50円口208Lに相当する出口が右1円口202R、左100円口212Lに相当する出口が右5円口204R、左500円口208Lに相当する出口が右10円口206Rに設定され、左返却口198Lに相当する出口は同様に右返却口198Rに、及び左オーバーフロー口216Lに相当する出口が右オーバーフロー口216Rに設定されている。
左硬貨選別装置142Lの右側面142LRの左10円口206Lに相当する出口が右500円口214R、左5円口204Lに相当する出口が右100円口212R、及び左1円口202Lに相当する出口が右50円口208Rに設定されている。
【0065】
次に左転動シュート部316Lを説明する。
左転動シュート部316Lは、左硬貨選別装置142Lの側面に配置された左1円口202L、左5円口204L及び左10円口206Lから転がり出た硬貨Cが転動して対面する右硬貨選別装置142Rの右垂立シュート部314Rの真上に案内する機能を有する。
左転動シュート部316Lは、左1円転動シュート332L、左5円転動シュート334L及び左10円転動シュート336Lを含んでいる。
【0066】
左1円転動シュート332L、左5円転動シュート334L及び左10円転動シュート336Lは、硬貨Cが転動可能な断面スリット形の前下がりに傾斜する通路である。
本実施例において、これらシュートは図15に図示するように、大まかには4枚の板状体である左第1シュート板354L、左第2シュート板356L、左第3シュート板358L、左第4シュート板362L及び左垂立ガイド364Lによって構成される。
詳述すれば、左第1シュート板354Lは横方向に長く形成され、直角に折り曲げられた第1タブ366Lが左ホルダ200Lの側面に固定される。
左第1シュート板354Lの側方の上側に下端に長手方向に延在する左第1ガイドレール368Lを形成した左第2シュート板356Lをあてがうことにより、左第1ガイドレール368L、左第1シュート板354L及び左第2シュート板356Lにより囲まれ、下流端の下側に左第1落下口368Lに連なる前下がりの左第1シュート通路372Lが形成される。
左第2シュート板356Lにおいて直角に折り曲げられた左第2タブ370Lも左ホルダ200Lの側面に固定される。
【0067】
左第1シュート板354Lの他側の下側に断面チャンネル形の左第3シュート板358Lが固定される。
左第3シュート板358Lの上縁と下縁は直角に折り曲げられ、上縁は左第2ガイドレール374L、下縁は左第3ガイドレール376Lに形成してある。
左第3シュート板358Lの先端部上縁は、左第2ガイドレール374Lの延長線の下方において、左第4シュート板362側に向かって下向きの左傾斜面378Lに形成されている。
左第3シュート板358Lの背面に左第4シュート板362Lがあてがわれている。
換言すれば、左第2ガイドレール372L、左第1シュート板354Lの上部及び左第4シュート板362Lの上部で囲われた断面スリット形の左第2シュート通路382L、及び左第3ガイドレール376L、左第1シュート板354Lの下部及び左第3シュート板358Lで囲われた断面スリット形の左第3シュート通路384Lが形成される。
【0068】
左第4シュート板362Lの左第3タブ380Lも左ホルダ200Lの側面に固定される。
左傾斜面378Lに相対して断面チャンネル形の左垂立ガイド364Lが第1シュート板354Lの先端部に固定され、上下方向に延在する左第1垂下通路383Lが形成される。
したがって、左第3シュート通路384Lの下流端に連続して左第1垂下通路383Lが形成される。左第1垂下通路383Lは、左第3シュート通路384Lの一部である。
左第2シュート通路382Lの出口は、左傾斜面378Lの上流側上方に形成される。そして、左傾斜面378Lの下流側端面に密接して左垂立ガイド364Lの左側壁365Lが配置される。また、左第4シュート板362Lの下流端に直角をなすよう左第4タブ387Lを形成する。これら左側壁365L、左第4タブ387L及び左第3シュート板358Lによって、片面が解放された上下方向に垂立して延在する左第2垂下通路388Lを形成する。左第2垂下通路388Lの下端が左第2落下口386Lである。
左第1垂下通路383Lの下端が左第3落下口389Lである。
【0069】
左第1シュート通路372Lの上流側端面は、左1円口202Lに相対配置され、左第2シュート通路382Lの上流側端面は左10円口206Lに相対配置され、左第3シュート通路384Lの上流側端面は左5円口204Lに相対配置され、左ホルダ200Lの側面に固定される。詳細には、左ホルダ200Lに左1円口202L、左10円口206L及び左5円口204Lに相対して形成されたスリット開口を介して連通される。
換言すれば、本実施例において、左第1シュート通路372Lは1円硬貨1Cが転動し、左第1落下口387Lから落下する。
左第2シュート通路382Lは10円硬貨が転動し、左第2落下口386Lから落下する。
左第3シュート通路384Lは5円硬貨が転動し、左第3落下口385Lから落下する。
これら落下口は右垂立シュート部314Rの対応する金種通路の上方に配置される。
【0070】
換言すれば、左第1落下口387Lは右1円通路318Rの直上に配置され、左第1シュート通路372Lを転動した1円硬貨1Cは、左第1落下口387Lの真下に位置する右1円通路318Rに落下し、最終的に右1円落下口318RMから後述の1円硬貨ホッパ410-1に落下する。
左第2落下口386Lは右10円通路342R1の真上に配置され、左第2シュート通路382Lを転動した10円硬貨10Cは、左第2落下口383Lの真下に位置する右10円通路342Rに落下し、最終的に右10円落下口342RMから10円硬貨ホッパ410-10に落下する。
左第3落下口385Lは右5円通路322Rの真上に配置され、左第3シュート通路384Lを転動した5円硬貨5Cは、左第3落下口385Lの真下に位置する右第一5円通路322R1から5円硬貨ホッパ410-5に落下する。
【0071】
一方、右第1シュート通路372Rの入口は、右50円口208Rに相対配置され、右第2シュート通路382Rの入口は右500円口214Rに相対配置され、右第3シュート通路384Rの出口は右100円口212Rに相対配置される。
右第1シュート通路372Rの下流端に位置する右第1落下口368Rは、左50円通路318Lの真上に配置され、右第2シュート通路382Rの下流端に位置する右第2落下口386Rは、左第二500円通路324L2の真上に配置され、右第3シュート通路384Rの下流端に位置する右第3落下口389Lは左100円通路322Lの真上に配置される。
換言すれば、本実施例において、右第1シュート通路372Rは50円硬貨50Cが転動し、右第1落下口368Rから左50円通路318Lに落下し、最終的に左50円落下口318LMから50円硬貨ホッパ410-50に落下する。
右第2シュート通路382Rは500円硬貨500Cが転動し、右第2落下口386Rから左第二500円通路324L2に落下し、そして500円硬貨ホッパ410-500に落下する。
右第3シュート通路384Rは100円硬貨が転動し、右第3落下口389Rから左100円通路322Lに落下し、最終的に左100円落下口322LMから100円硬貨ホッパ410-100に落下する。
【0072】
これにより、左右一対の左硬貨選別装置142L及び右硬貨選別装置142Rの対面する側面に形成された硬貨出口から転動してくる硬貨Cは、前下がりに直線的に傾斜する各シュート通路を転動して対面する硬貨選別装置の下方に配置されている左垂立シュート部314L又は右垂立シュート部314Rによって金種別に集約され、それら左垂立シュート部314L又は右垂立シュート部314Rの真下に配置されている硬貨保留装置312に金種毎にバラ済み状態で保留される。
【0073】
次に共通部分134を説明する。
共通部分134は、左個別部分132L及び右個別部分132Rに対し共通という意味であり、硬貨保留装置312、共通シュート392、振分装置394及び出金ベルト396を含んでいる。
まず硬貨保留装置312を図17及び図18を参照して説明する。
硬貨保留装置312は、硬貨Cを金種別に保留すると共に保留した硬貨Cを一枚ずつ区分けして払出す機能を有する。
硬貨保留装置312は、例えば、筒形の保留ボウル402、保留ボウル402の底孔403に配置した通孔404を有する回転ディスク406、回転ディスク406によってその周方向に押し出される硬貨Cの弾き出し装置407、弾き出された硬貨Cを検知するカウントセンサ408、カウントセンサ408を通過した硬貨Cのための払い出し口409を含む硬貨ホッパ410である。
【0074】
詳述すれば、図17に示すように1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500が用いられる。これら硬貨ホッパは、基本的に同一構成であるが、保留する硬貨の直径に適合するよう通孔404の直径がそれぞれ異なる。
そして、上記ホッパは所定の間隔で二列に並列配置されている。
詳述すれば、1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10が右硬貨選別装置142Rの下方に右ホッパ列412Rとして直線L4に沿って一列に、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500が左硬貨選別装置142Lの下方に左ホッパ列412Lとして直線L3に沿って一列に配置されている。
【0075】
1円用硬貨ホッパ410-1〜500円用硬貨ホッパ410-500は、図3に示すように出金装置ボックス414上に固定されている。
出金装置ボックス414は対面式硬貨処理装置100の硬貨筐体123内からスライドレール416によって引き出し可能に配置される。硬貨ホッパ410-1〜410-500等のメンテナンスや交換の便宜のためである。
【0076】
左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rは対向するホッパ列に向かって硬貨Cを払い出すよう弾き出し装置407が所定の間隔で向かい合って設定される。
これら左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rとの間には、オーバーフロー保留装置422たる箱形のオーバーフロー金庫424が着脱自在又はそれらの間から引き出し可能に配置される。オーバーフロー金庫424内の硬貨Cを回収し易くするためである。
【0077】
次にオーバーフロー金庫424が図17及び図19を参照して説明される。
オーバーフロー金庫424は矩形箱形であり、上面426の全面が開口されている。オーバーフロー金庫424の端部に取扱用のハンドル428が取り付けられている。オーバーフロー金庫424の、引き出しの便宜のためである。
左オーバーフロー口216Lから落下する硬貨Cは、左オーバーフロー通路326Lの底面上を滑落して、図13において右側端面の硬貨出口から及び右オーバーフロー口216Rから落下する硬貨Cは右オーバーフロー通路326Rの底面上を滑落して図13において左側端面の硬貨出口からオーバーフロー金庫424に落下する。
左右のオーバーフロー通路326L、236Rは、1円〜500円硬貨1C〜500Cを案内するので、何れの硬貨Cも硬貨ジャムを生じないようにその大きさが設定される。
【0078】
次に共通シュート392が図20を参照して説明される。
共通シュート392は、漏斗形に形成され、1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500から払い出された硬貨1C〜500Cを所定位置に、具体的にはその下方に配置された振分装置394に案内する機能を有する。
本実施例において、共通シュート392は、第1サイドプレート432、第2サイドプレート434、第3サイトプレート436、第4サイドプレート438、第1傾斜板442、第2傾斜板444、及びトップカバ446によって構成されている。
【0079】
横長T形の第1サイドプレート432と第2サイドプレート434の間に、傾斜面が対面配置され、かつ、中間から下方が幅W2(第2傾斜板444のみ図示)の狭幅部448に形成された第1傾斜板442及び第2傾斜板444の狭幅部448をそれらで挟み込んでサンドイッチし、かつ、前記傾斜下端が所定の間隔で配置されることにより漏斗部454を構成し、当該傾斜下端間に落下口456が構成された漏斗体458を構成する。
第1傾斜板442及び第2傾斜板444の上端部の第1垂立部474及び第2垂立部476は第1サイドプレート432及び第2サイドプレート434の上方に突出している。
トップカバ446は、下面が解放された矩形箱形に形成され、第1短辺部478及び第2短辺部482を第1垂立部474及び第2垂立部476の外側に位置させて着脱可能に被せる。
【0080】
漏斗体458にトップカバ446を被せた状態が共通シュート392である。
トップカバ446の長手方向の側面下部に所定間隔で下向きの第1凹溝484、第2凹溝486及び第3凹溝488が形成され、図示されていないが対面する側面にも三つの凹溝が形成されている。
共通シュート392は、左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rとの間であって、かつ、オーバーフロー金庫424の下方に配置される。
【0081】
具体的には、横長であってその長手方向において所定間隔で横長の第1開口492、第2開口494、及び第3開口496が形成された第3サイドプレート436、及び、第3サイドプレート436と同様に第4開口493、第5開口495、及び第6開口497が形成された第4サイドプレート438が出金装置ボックス414の上面に所定の間隔で平行に固定される。
第1開口492、第2開口494、及び第3開口496には左ホッパ列412Lの硬貨ホッパ410-50、410-500、410-100のための給電及び通信用コネクタが装着される。
第4開口493、第5開口495、及び第6開口497には、右ホッパ列412Rの硬貨ホッパ410-5、410-10、410-1のための給電及び通信用コネクタが装着される。
共通シュート392は、その第1サイドプレート432が第3サイドプレート436に、第2サイドプレート434が第4サイドプレート438に挟まれて所定の取付位置に保持される。
【0082】
共通シュート392が取付位置に保持された場合、第1凹溝484は、右ホッパ列412Rの1円硬貨ホッパ410-1の払い出し口409、第2凹溝486は10円硬貨ホッパ410-10の払い出し口409、及び第3凹溝488は5円硬貨ホッパ410-5の払い出し口409に相対している。
第1凹溝484、第2凹溝486及び第3凹溝488に相対して形成された他側の凹溝は、左ホッパ列412Lの100円硬貨ホッパ410-100の払い出し口409、500円硬貨ホッパ410―500の払い出し口409、及び50円硬貨ホッパ410-50の払い出し口409に相対配置されている。
したがって、1円硬貨ホッパ410-1〜500円硬貨ホッパ410-500から払い出される硬貨1C〜500Cは、漏斗部454へ払い出され、第1傾斜板442又は第2傾斜板444上を滑り落ちる過程で集約されて落下口456から振分装置394に落下する。
【0083】
次に振分装置394を図4及び図21を参照して説明する。
振分装置394は、共通シュート392の落下口456から落下する硬貨Cを滑り台式に払い出すべき左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122R側へ案内する機能を有する。出金ベルト396の走行のみよって、硬貨Cを左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122Rへ速やかに出金できる場合、振分装置394は必須の装置ではない。しかし、振分装置394を設けた場合、一層速やかに出金できることが実験により確認されている。
振分装置394は、振分板502、スプリング504、アクチュエータ506及び第1ストッパ508、第2ストッパ512を含んでいる。
【0084】
振分板502は、矩形板状であり、中間から左ホッパ列412L及び右ホッパ列412Rに沿って回動軸514が突出している。
回動軸514は、出金ベルト396の上方において、水平、かつ、回転自在に軸受(図示せず)に支持されている。
回動軸514に対し横方向に延在してレバー516が固定され、当該レバー516には一端を固定部に係止されたスプリング504が係止され、振分板502が所定方向に回転するよう弾性的に付勢されている。
本実施例においては、図21において反時計方向、換言すれば、左硬貨出金口122L側に下向き傾斜するよう付勢されている。
振分板502は第1ストッパ508によってその左側先端502Lが出金ベルト396の上側ベルト396Uの上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい隙間を有するよう係止される。
【0085】
アクチュエータ506は、右硬貨出金口122Rに硬貨Cを搬送する場合に作動され、振分板502をスプリング504の付勢力に反して回動軸514回りに回動させる。
この回動は、第2ストッパ512によって、振分板502の右側先端502Rが出金ベルト396の上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい間隔を有するよう係止される。
しがたって、アクチュエータ506の作動が中止された場合、スプリング504の付勢力によって振分板502が回動され、第1ストッパ508によって係止された待機状態になる。
アクチュエータ506は、制御装置174によって選択的に作動される。
【0086】
次に出金ベルト396が説明される。
出金ベルト396は、共通シュート392から落下した硬貨Cを左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122Rへ選択的に搬送する機能を有する。
出金ベルト396は左硬貨出金口122L及び右硬貨出金口122Rの近傍に配置された左ローラ518Lと右ローラ518Rとの間に張設された平ベルトである。
出金ベルト396の上側ベルト396Uの下側中間にガイドローラ520を配置し、上側ベルト396Uが中央において最も高くなるようにしている。
換言すれば、上側ベルト396Uは、その頂部が回動軸514の真下に位置するよう山形に設けられる。
【0087】
上側ベルト396Uの直下には板金製板状の左ベルトガイド522L、右ベルトガイド522Rがそれぞれ配置され、上側ベルト396Uの撓みを防止している。上側ベルト396Uの撓みによって、硬貨Cがバウンドして出金が迅速に行われないことを防止するためである。
右ローラ518Rに正逆転モータ524が駆動連結され、制御装置174によって選択的に正転、逆転又は停止される。
正逆転モータ524が正転された場合、例えば上側ベルト396Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行し、逆転された場合右硬貨出金口122Rへ向かって進行するよう設定される。
【0088】
さらに、アクチュエータ506が作動されない場合、正逆転モータ524は正転される。
換言すれば、共通シュート392から落下した硬貨Cが振分板502上を左硬貨出金口122Lに向かって滑り落ちた場合、出金ベルト396の上側ベルト396Uは左硬貨出金口122L側へ進行する。
アクチュエータ506が作動された場合、振分板502は右硬貨出金口122R側へ傾斜し、共通シュート392から落下した硬貨Cは、右硬貨出金口122R側へ滑り落ち、さらに上側ベルト396Uは右硬貨出金口122R側へ進行する。
振分装置394及び出金ベルト396は、出金装置ボックス414内に内臓される。
【0089】
次に左硬貨出金口122Lが図4を参照して説明される。
左硬貨出金口122Lは、左リジェクト通路144L又は出金ベルト396によって送り出された硬貨Cを受入れて、保留する機能を有する。
左硬貨出金口122Lは、例えば、左側硬貨釣銭機128Lの筐体の垂立前面が解放された洞穴形に形成され、顧客が当該開口から手先を左硬貨出金口122Lに挿入して取り出し易いように配置されている。
右硬貨出金口122Rも左硬貨出金口122Lと同様に構成されている。
【0090】
次に制御装置174を説明する。
制御装置174は、硬貨処理装置120のための制御装置であって、自動精算機104の上位制御装置(図示せず)からの制御信号、左硬貨センサ160Lからの左硬貨センサ160Lからの検知信号CSL、右硬貨センサ160Rからの検知信号CSRを受け、左逆転ローラ駆動モータ184L、右逆転ローラ駆動モータ184R、左揚送駆動モータ166L、右揚送駆動モータ166R、硬貨ホッパ410-1〜410-500の駆動モータ、アクチュエータ506及び正逆転モータ524等の回転・停止を制御することによって前記のように各機器に所定の機能を発揮させる機能有し、例えばマイクロプロセッサによって構成される。
【0091】
次に図22を参照して硬貨処理装置120の制御装置174と左硬貨選別装置142Lの左制御装置532L及び右硬貨選別装置142Rの右制御装置532Rとの制御システムについて説明する。
まず左右の制御装置532L、532Rを説明する。左制御装置532Lと右制御装置532Rは同一構成であるので、左制御装置532Lを代表して説明し、右制御装置532Rには同一符号のLをRに替えて付し、詳細説明を省略する。
【0092】
左制御装置532Lは左マイクロプロセッサ534L、左ROM536L、左RAM538L、左入力インターフェース542L、及び左出力インターフェース574Lを含んでいる。
左マイクロプロセッサ534Lは、左ROM536Lに記憶されたプログラムに基づいて、左物理センサ196L、左正貨通過センサ546L、左1円通過センサ548L、左5円通過センサ552L、左10円通過センサ554L、左50円通過センサ556L、左100円通過センサ558L、左500円通過センサ562L及び左オーバーフロー通過センサ563Lからの出力を受けて左RAM538Lに一時的に記憶しつつ所定の処理を行い、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299L及び左第5アクチュエータ249Lを制御する。
【0093】
左物理センサ196Lは前述したので、まず、左正貨通過センサ546Lを説明する。
左正貨通過センサ546Lは、左物理センサ196Lを通過し、左第1振分装置236Lの直前の左転動通路190Lを通過する硬貨Cを検出して左正貨通過信号LTPSを出力し、左返却通路330Lに案内される硬貨は検知しない機能を有する。
左正貨通過センサ546Lは、本実施例において透過形光電センサであって、左本体224L側に左第1投光体562L1及び左第1受光体564L1を配置し、左ドア228L側に左第1プリズム566L1を配置し、左第1投光体562L1から左第1プリズム566L1及び左第1プリズム566L1から左第1受光体564L1への光軸が左第1振分体240L及び左第2振分体242Lの先端下方の左転動通路190Lを横断するように配置されている。
したがって、硬貨Cが左転動通路190Lを転動して左第1振分装置236Lに到達する直前に前記光軸を遮断するため、左正貨通過センサ546Lは正貨通過信号LTPSを出力する。
【0094】
次に左1円通過センサ548Lを説明する。
左1円通過センサ548Lは、透過形光電センサであって、左1円口202Lの直前の硬貨通路を光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左1円通過センサ548Lは左本体224L側に配置した左第2投光体562L2及び左第2受光体564L2を配置し、反対側に左第2プリズム566L2を配置して構成されている。左1円通過センサ548Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、1円硬貨1Cによって光軸を遮断された場合、左1円通過信号L1PSを出力する。
【0095】
次に左5円通過センサ552L、左10円通過センサ554L及び左500円通過センサ562Lを説明する。
本実施例において、これらセンサは共通の左共通通過センサ568Lが用いられる。
即ち、左共通通過センサ568Lは、透過形光電センサであって、左第1振分通路268Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左共通通過センサ568Lは左第3投光体548L3及び左第3受光体552L3を配置し、反対側に左第3プリズム554L3を配置して構成されている。左共通通過センサ568Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、硬貨Cによって光軸を遮断された場合、落下信号LCPSを出力する。
【0096】
次に左50円通過センサ556Lを説明する。
左50円通過センサ556Lは、透過形光電センサであって、左50円口208Lの直前の左50円硬貨通路262Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左50円通過センサ556Lは左第4投光体562L4及び左第4受光体564L4を配置し、反対側に左第4プリズム566L4を配置して構成されている。左50円通過センサ556Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、50円硬貨50Cによって光軸を遮断された場合、左50円落下信号L50PSを出力する。
【0097】
次に左100円通過センサ558Lを説明する。
左100円通過センサ558Lは、透過形光電センサであって、左100円口212Lの直前の左100円硬貨通路286Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左100円通過センサ558Lは左第5投光体562L5及び左第5受光体564L5を配置し、反対側に左第5プリズム566L5を配置して構成されている。左100円通過センサ558Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、100円硬貨100Cによって光軸を遮断された場合、左100円落下信号L100PSを出力する。
【0098】
次に左オーバーフロー通過センサ563Lを説明する。
左オーバーフロー通過センサ563Lは、透過形光電センサであって、左オーバーフロー口216Lの直前のオーバーフロー硬貨通路304Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左オーバーフロー通過センサ563Lは第6投光体562L6及び第6受光体564L6を配置し、反対側に第6プリズム566L6を配置して構成されている。左オーバーフロー通過センサ563Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、オーバーフロー硬貨OCによって光軸を遮断された場合、左オーバーフロー落下信号LOPSを出力する。
【0099】
上記各通過センサは、本実施例では何れも透過形の光電センサである。しかし、同機能を有する、反射型光電センサ又は機械式センサ等に変更することができる。
左物理センサ196L、左正貨通過センサ546L、左1円通過センサ548L、共通通過センサ568L、左50円通過センサ556L、左100円通過センサ558L、及び左オーバーフロー通過センサ563Lからの出力信号は、左入力インターフェース542Lを経由して左マイクロプロセッサ534Lに読み込まれる。
【0100】
硬貨処理装置120の制御装置174からの左位置信号ライン573Lからの位置信号IDは「左」を意味する「0」が左入力インターフェースを介して左マイクロプロセッサ534Lに出力される。
また、左シリアル通信ライン572Lを介して左主制御信号LCSも、左入力インターフェース542Lを経由して左マイクロプロセッサ534Lに読み込まれる。
位置信号ID、すなわち左位置信号IDたる「0」は、制御装置174が左硬貨選別装置142Lであることを指定するための信号であって、制御装置174は左位置信号IDの「0」を連続して出力している。
本実施例の場合、位置信号IDは左が「0」(ゼロ)であり、右が「1」に設定されている。
換言すれば、左硬貨選別装置142Lの位置信号IDは、「0」(ゼロ)であり、右硬貨選別装置142Rの位置信号IDは、「1」である。
【0101】
左制御装置532Lが左位置信号IDである「0」を受信した場合、左マイクロプロセッサ534Lは左ROM536Lに記憶されているプログラムに基づいて左硬貨選別装置142Lとして機能するように制御する。換言すれば、位置信号IDが「0」の場合、左硬貨選別装置142Lとして機能するよう左マイクロプロセッサ534Lは制御し、位置信号IDが「1」の場合、右硬貨選別装置142Rとして機能するよう右マイクロプロセッサ534Lは制御する。
さらに換言すれば、金種別の硬貨出口が前述した硬貨出口になるように、左第1アクチュエータ239L〜左第5アクチュエータ249Lを制御する。すなわち、左第1振分装置236L、左第2振分装置238L及び左第3振分装置292Lを、左硬貨選別装置142Lとして設定された金種別の硬貨出口から所定の金種が排出されるように制御する。
要するに、一の硬貨選別装置を左側硬貨釣銭機128Lに装着した場合、左硬貨選別装置142Lとして機能し、右側硬貨釣銭機128Rに装着した場合、右側硬貨選別装置142Lとして機能する。
【0102】
左制御装置532Lが硬貨処理装置120の制御装置174から左主制御信号LCSを受信した場合、左マイクロプロセッサ534Lは左硬貨選別装置142Lに受け入れた硬貨Cを全て返却する処理を行う。具体的には、左第5アクチュエータ249Lを作動させず、第2振分体242Lを第2静止位置LSP2に保持する(図10(A)の状態)機能を有する。
したがって、制御装置174から左シリアル通信ライン572Lから左主制御信号LCSが出力されている場合、左受入口152Lに投入された硬貨Cは、第2振分体242Lが第2静止位置LSP2に位置するため、正貨であっても左返却口198Lを経由して左硬貨出金口122Lへ戻される。
例えば、オーバーフロー金庫424が満杯の場合、左主制御信号LCSが出力され、新たに投入された硬貨Cは正貨であっても受け入れられない。満杯による不測の不利益を防止するためである。
【0103】
次に左出力インターフェース574Lを説明する。
左出力インターフェース574Lは、左マイクロプロセッサ534Lからの指令を受けて左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299L及び左第5アクチュエータ249Lの作動を選択的に制御し、硬貨処理装置120において必要な左情報LNIを左出力通信ライン576Lを介して制御装置174に出力する。
換言すれば、左マイクロプロセッサ534Lから作動指令を受けた場合、各左アクチュエータが選択的に作動され、それによって各振分体等は選択的に移動される。
【0104】
次に正貨が投入された場合の左第1アクチュエータ239L〜左第5アクチュエータ249L及び左正貨通過センサ546L、左共通通過センサ568L、左1円センサ548L、100円通貨センサ558L及びオーバーフロー通過センサ578Lの作用を図23を参照して説明する。
【0105】
左物理センサ196Lが1円硬貨1Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249Lが作動され、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第2振分通路260Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第2振分通路260Lから退出するので、1円硬貨1Cは左第2振分通路260Lを転動して左1円口202Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは1円硬貨1Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰させられる。
また、左1円通過センサ548Lが1円硬貨1Cの通過を検知し、1円通過信号L1TPを出力し、この信号に基づいて、左第2アクチュエータ279Lが不作動にされ、左第1移動レール244L1が左第1通過位置LTP1に、左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左1円通過信号L1TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0106】
左物理センサ196Lが5円硬貨5Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第2振分通路260Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第2振分通路260Lから退出するので、5円硬貨5Cは左第1振分通路268Lを転動する。
さらに、左第1アクチュエータ239Lが作動して左第2移動レール272Lが、左第3移動位置LMP3に移動して左第1振分通路268Lの底板を外れ、かつ、左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2へ移動して左10円口206Lを閉止する。しかし、左第4アクチュエータ299Lは作動されないので左5円硬貨通路288Lを転動して左5円口204Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは5円硬貨5Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが5円硬貨5Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力し、この信号に基づいて左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L及び左第3アクチュエータ247Lが非作動にされ、左第1振分体240L、左第2振分体242L、左第2移動レール272L及び左第2ストッパ274Lが、それぞれ待機状態に戻される。また、共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨額の加算を行う。
【0107】
左物理センサ196Lが10円硬貨10Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第1振分通路268Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第1振分通路268Lから退出するので、10円硬貨10Cは左第1振分通路268Lを転動する。
そして、左第2移動レール272L上を転動し、左10円口206Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは10円硬貨10Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが10円硬貨10Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力する。この信号LCTPに基づいて、左第3アクチュエータ247L及び左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、左第1振分体240Lが左第1静止位置LSP1に、左第1移動レール244L1が左第1通過位置LTP1に、左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左共通通貨センサ568Lからの左共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0108】
左物理センサ196Lが50円硬貨50Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動される。しかし左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に、かつ左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に位置するので、50円硬貨50Cは左50円硬貨通路262Lに案内され、左50円口208Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは50円硬貨50Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左50円通過センサ556Lが50円硬貨50Cの通過を検知すると、左50円通貨センサ556Lが左50円通過信号L50TPを出力する。この信号L50TPに基づいて、左第3アクチュエータ247Lが非作動にされ、左第1振分体240Lが左第1静止位置LSP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左50円通過信号L50TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0109】
左物理センサ196Lが100円硬貨100Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249Lが作動され、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動される。しかし左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に、かつ左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に位置するので、100円硬貨100Cは左100円硬貨通路286Lに案内され、左100円口212Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは100円硬貨100Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左100円通過センサ558Lが100円硬貨100Cの通過を検知すると、左100円通過信号L100TPを出力する。左100円通過信号L100TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0110】
左物理センサ196Lが500円硬貨500Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L、左第2アクチュエータ279L及び左第1アクチュエータ239Lが作動され、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1に、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動され、さらに左第1移動レール244Lが左第1案内位置LGP1に移動されて振分通路260Lの底板を構成し、かつ、左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2へ移動し、左10円口206Lを塞ぐ。これにより、500円硬貨500Cは左第1移動レール244L1上を転動した後、左500円硬貨通路324Lを通って、左500円口214Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは500円硬貨500Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが500円硬貨500Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力し、この信号に基づいて、左第1アクチュエータ239L及び左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、それぞれ待機状態に戻される。また、左共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0111】
左マイクロプロセッサ534Lは、制御装置174の指令により、左出力通信ライン576Lを介して受入金種別の数量等の情報を出力する。換言すれば、受け入れた硬貨の総額を出力する。
【0112】
制御装置174は、右位置信号ライン573Rを介して右制御装置532Rのための位置信号IDたる「1」を出力する。
右制御装置532Rにおいては、位置信号IDの「1」に基づいて、第1アクチュエータ239L、第2アクチュエータ279L、第3アクチュエータ247L、第4アクチュエータ299L及び第5アクチュエータ249Lを作動させ、右投入口152Rに投入された硬貨Cを前述の右硬貨選別装置142Rにおける金種毎の硬貨出口に案内する。
【0113】
次に本実施例の作用を図24及び図25のフローチャートをも参照して説明する。
まず、第1壁面112A側の左側硬貨釣銭機128Lを使用するケースを説明する。
セルフ式ガソリンスタンド102に来場した顧客は、所定位置に車を停止させた後、精算機104の左側硬貨釣銭機128L側の左紙幣投入口114L又は左硬貨投入口118Lに紙幣又は硬貨Cを投入する。
その後、顧客は給油量を決定し、例えば「満タン」を指定し、給油を開始する。
満タンになると、給油量に応じた対価が計算され、投入額との差額が、釣銭として左紙幣返却口116L又は左硬貨出金口122Lに払い出される。
【0114】
まず、左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合を説明する。
左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合、左硬貨センサ160Lが硬貨Cを検知し、検知信号CSLを硬貨処理装置120の制御装置174へ出力する。
制御装置174は、逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送電動モータ166Lに対し駆動信号を出力する。
これにより、左逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送電動モータ166Lは所定方向に所定の速度で回転を開始する。
【0115】
硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、左逆転ローラ182Lの回転によって一枚の硬貨Cが通過した後、二枚目の硬貨Cは左大径部188Lによって左硬貨投入口118L側へ押し戻され、次に左小径部192Lが左投入通路180Lに相対したときに左螺旋装置154L側へ向けて通過する。
したがって、硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、時間的に所定の間隔を空けられる。
よって、硬貨Cは左螺旋突条172Lの間に一枚ずつ保持されて順次揚送される。
【0116】
左螺旋突条172Lによって揚送された硬貨Cが左投入シュート158Lの入口に相対した場合、左螺旋突条172Lの傾斜によって左投入シュート158Lへ転動し、その先端から左受入口152Lへ落下する。
【0117】
左受入口152Lへ落下した硬貨Cは、左転動通路190Lを転動する過程において、左物理センサ196Lによって物理的性質が検知される。
そしてステップS1において受け入れ可否の判別を行い、受け入れしない場合、すぐさま処理を終了し、受け入れる場合、ステップS2へ進む。受け入れしない場合とは、制御装置174から左シリアル通信ライン572Lを介して受け入れしない指令を受けている場合である。例えば、オーバーフロー金庫424が満杯の場合、制御装置174は満杯によるトラブルを防止するため、新たな硬貨Cを受け付けない。これにより、第5アクチュエータ249Lが作動されないので、左第1振分装置236Lの左第1振分体240L及び左第2振分体242Lは左第1静止位置LSP1及び左第2静止位置LSP2に静止した状態であるので、硬貨Cは左第2振分体242Lによって、左返却通路330Lに案内されて左返却口198Lから落下し、左返却通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを自然落下して左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0118】
ステップS1において投入硬貨Cを受け入れる場合、ステップS2において正貨TCであるか偽貨FCであるか判別し、偽貨FCである場合、ステップS3へ進み、正貨TCである場合ステップS4へ進む。
ステップS3において、非受け入れ信号RJSを出力し、ステップS5へ進む。
ステップS5において所定時間T1経過したか判別し、所定時間T1を経過した場合処理を終了し、所定時間T1を経過しない場合ループする。これにより、第5アクチュエータ249Lが作動されないので、所定時間T1の間、前述のように偽貨FCは左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0119】
正貨TCに判別された場合、ステップS4において、左第5アクチュエータ249Lが作動された後、ステップS6へ進む。これにより、左第2振分体242が左第2移動位置LMP2に移動されるので、正貨TCは返却されることはなく、判別された金種に対応して選択的に各アクチュエータが作動され、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L又は左500円口214Lに案内される。
【0120】
すなわち、ステップS6において1円であるか判別され、1円でない場合、ステップS7へ進み、1円である場合ステップS8へ進む。
ステップS8において、1円用硬貨ホッパ410-1が満杯であるか判別し、満杯でない場合ステップS9へ進み、満杯の場合ステップS10へ進む。
ステップS9において、制御装置174から左位置信号ライン573Lを介して左制御装置532Lに対する位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」でない場合、ステップS10へ進み、「1」である場合、ステップS12へ進む。すなわち、ステップS9において、位置情報IDに基づいて、右硬貨選別装置142R又は左硬貨選別装置142Lとして機能させるかを判別している。
本実施例においては、位置信号IDが「0」であるので、左硬貨選別装置142Lになるよう、各アクチュエータが作動される。
本実施例においては、左位置信号ライン573Lに出力される位置信号IDは「0」であるので、各アクチュエータは、左硬貨選別装置142Lとして機能するよう制御される。
【0121】
ステップS11において第2アクチュエータ279Lを作動して後ステップS12へ進む。第2アクチュエータ279Lの作動によって第1移動レール244Lが第左第1案内位置LGP1へ移動されると共に左第1ストッパ246Lが第2振分通路260Lから退出する。これにより、1円硬貨1Cは第2振分通路260Lを転動し、さらに左第2移動レール272L上を転動して左1円口202Lから転がり出る。
【0122】
ステップS13において、左正貨通過センサ546Lから左正貨通過信号LTPSが出力されたか判別し、左正貨通過信号LTPSが出力された場合、ステップS14へ進み、出力されない場合、ステップS15へ進む。換言すれば、ステップS13において硬貨Cが第1振分装置236Lを通過したか判別する。左第2振分体242Lを待機位置たる左第2静止位置LSP2に戻し、連続して転動してくる硬貨Cを返却するためである。
【0123】
ステップS15において、左物理センサ196Lの出力後所定時間T2内であるか判別し、所定時間T2以内である場合、ステップS13へ戻る。
ステップS15において、所定時間T2を超えた場合、ステップS16へ進む。
ステップS16において、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例においては、作動している左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2の待機位置に戻して処理を終了する。換言すれば、左物理センサ196Lからの金種判別後、所定時間T2内に左正貨通過信号LTPSが出力されない場合、1円硬貨1Cが左転動通路190Lにおいて停止してしまった(ジャム)ものと判断し、処理を終了する。すなわち、ステップS15は異常発生を判別しており、第1異常処理EP1をしているといえる。
【0124】
ステップS14において、左第5アクチュエータ249Lを非作動にした後、ステップS17へ進む。左第5アクチュエータ249Lが非作動にされることにより、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に戻され、連なって転動してくる後続の硬貨Cを左返却通路330Lへ戻し、同一の硬貨出口から転がり出ないようにする。
【0125】
ステップS17において、オーバーフロー金庫424が指定されているか判別し、指定されている場合、ステップS18へ進み、指定されていない場合、ステップS19へ進む。
ステップS19において500円硬貨500Cであるか判別され、500円硬貨500Cである場合、ステップS20へ進み、500円硬貨500Cでない場合ステップS21へ進む。
ステップS21において100円硬貨100Cであるか判別され、100円硬貨100Cである場合、ステップS22へ進み、100円硬貨100Cでない場合、ステップS23へ進む。
ステップS23において、50円硬貨50Cであるか判別され、50円硬貨50Cである場合、ステップS24へ進み、50円硬貨50Cである場合、ステップS25へ進む。
【0126】
ステップS25において、10円硬貨10Cであるか判別され、10円硬貨10Cである場合、ステップS26へ進み、10円硬貨10Cでない場合、ステップS27へ進む。
ステップS27において、5円硬貨5Cであるか判別され、5円硬貨5Cである場合、ステップS28へ進み、5円硬貨5Cでない場合、ステップS29へ進む。
ステップS29において、位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」である場合ステップS30へ進み、「1」でない場合ステップS31へ進む。
本事例では、1円硬貨1Cであるので、ステップS19、S21、S23、S25及びS27の何れの金種にも該当せず、かつ、ステップS29における位置信号IDは、「0」であるから何れにも該当せず、ステップS31の処理がなされる。
すなわち、ステップS31において、左共通通過センサ568Lからの共通通過信号LCPSがない場合、ステップS32へ進み、共通通過信号LCPSがある場合、ステップS33へ進む。
【0127】
ステップS33において、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例では1円硬貨1Cであるので、左第2アクチュエータ279Lを非作動にした後、ステップS34へ進む。ステップS33の処理は、各アクチュエータを待機状態にする処理であり、待機処理SPである。
【0128】
ステップS33において、1円カウンタを「1」にしてカウントアップして処理を終了する。
換言すれば、1円硬貨1Cが投入された場合、ステップS1、S2、S4、S6、S8、S9、S11、S13、S14、S17、S19、S21、S23、S25、S27、S29、S31及びS33の処理によって、左1円口202から転がり出る。
【0129】
ステップS32において左物理センサ196Lの出力から所定時間T3を超えたか判別し、超えない場合、ステップS17へ戻り、所定時間T3を超えた場合、ステップS16へ進み、前述のように左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例においては、作動している左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2の待機位置に戻されて処理を終了する。換言すれば、左物理センサ196Lからの金種判別後、所定時間T3内に左1円通過信号L1PSが出力されない場合、1円硬貨1Cが左転動通路190Lにおいて停止してしまった(ジャム)ものと判断し、処理を終了する。すなわち、ステップS32は異常発生を判別しており、第2異常処理EP2をしているといえる。
【0130】
上記から明らかなように、ステップS19、S20、S21、S22、S23、S24、S25、S26、S27、S28及びS29は、左硬貨選別装置142L又は右硬貨選別装置142Rとして作動させるかを位置信号IDによって判別する、左右判別処理DS1をしている。
硬貨通過信号、本事例ではステップS31及びステップS34によって、受け入れた硬貨Cのカウントアップ処理CPを行っている。
【0131】
ステップS12において、位置信号IDが「1」である場合、換言すれば右硬貨選別装置142Rに設定される場合、ステップS35へ進み、左第3アクチュエータ247Rを作動させ、右第2振分通路260Rに案内して右50円口208Rから転がり出させる。
【0132】
ステップS8において、1円硬貨ホッパ410-1が満杯である場合、ステップS36へ進んで左第1アクチュエータ239Lを作動させて後、ステップS37へ進んで左第2アクチュエータ279Lを作動させて後、ステップS38へ進んで左第3アクチュエータ247Lを作動させて左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させて後、ステップS39へ進んで左第4アクチュエータ299Lを作動させて左第3振分体298Lを移動させて後、ステップS13へ進む。
左第2アクチュエータ279Lの作動によって、左第1移動ガイドレール244Lが左第1案内位置LGP1に移動されると共に左第1ストッパ246Lが第1振分通路268Lから退出し、左第1アクチュエータ239Lの作動によって左第2移動レール272Lが左第3移動位置LMP3に位置すると共に左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2に移動し、さらに、左第4アクチュエータ299Lが作動して左第3振分体298Lが左5円通路288Lを遮蔽して左金庫通路304Lに連通させるので、1円硬貨1Cは左第1振分通路268Lに案内された後、左第1移動レール244L上を転動し、次いで左第3振分体298Lによって左金庫通路304Lに案内されて左オーバーフロー口216Lから落下する。
換言すれば、ステップS36〜S39は1円硬貨ホッパ410-1〜500円硬貨ホッパ410-500が満杯である場合のオーバーフロー処理OPを行っているといえる。
【0133】
次に投入硬貨Cが左物理センサ196Lによって5円硬貨5Cと判別されたケースを説明する。正貨である場合、ステップS1〜S4は同一であるから異なる作用を説明する。
ステップS6において、1円硬貨1CではないのでステップS7に進む。
ステップS7において5円硬貨5Cであるので、ステップS40へ進み、5円硬貨5Cでない場合ステップS41へ進む。
ステップS40において、5円硬貨ホッパ410-1が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進みオーバーフロー処理OPを行い、満杯でない場合ステップS42へ進む。
【0134】
ステップS42において、位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」でない場合、換言すれば「0」である場合ステップS43に進み左第1アクチュエータ239Lを作動し、左第2移動レール272Lを左第3移動位置LMP3へ移動させる。
次いでステップS44に進み、左第2アクチュエータ279Lを作動させ、左第1移動レール244Lを左第1案内位置LGP1へ移動させ、左第1ストッパ246Lを第1振分通路268Lから退避させる。
次いでステップS45に進み、左第3アクチュエータ247Lを作動させ、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させる。
これにより、5円硬貨5Cは左5円硬貨通路288Lに案内されて左5円口204Lから転がり出る。
【0135】
次いでステップS13へ進んで後、ステップS19からS29までの左右判別処理DS1を行って後、ステップS31及びS34のカウント処理CPを行う。
具体的には、ステップS28において位置信号IDが「1」であるか判別し、本事例では5円硬貨5Cと認識されているので位置信号IDが「0」であるから、ステップS31へ進み、位置信号IDが「1」である場合ステップS46へ進む。
ステップS46において、共通通過センサ568Rから共通通過信号RCPSがあるか判別し、存在する場合ステップS33へ進む。換言すれば、左硬貨選別装置142Lに設定された場合、共通通過センサ568Lから共通通過信号LCPSが出力された場合、ステップS34へ進み、5円硬貨5Cのカウントアップ処理CPを行う。
ステップS34において位置信号IDが「1」である場合、100円硬貨100Cのカウント処理CPを行う。
共通通過信号RCPSが存在しない場合ステップS32へ進み、第2異常処理EP2をおこなう。
【0136】
次に10円硬貨10Cの場合を説明する。
ステップS41において10円硬貨10Cである場合、ステップS47へ進み、10円硬貨10Cでない場合、ステップS48へ進む。
【0137】
ステップS47において10円硬貨ホッパ410-10が満杯であるか判別し、満杯でない場合ステップS49へ進み、満杯である場合ステップS36へ進み、オーバーフロー処理OPを行う。
満杯でない場合、ステップS49において位置信号IDが「1」であるか判別し、「0」である場合、ステップS50へ進み、「1」である場合ステップS52へ進む。
【0138】
ステップS50において第2アクチュエータ279Lを作動して左第1移動レール244Lを左第1案内位置LGP1に、左第1ストッパ246Lを左第1振分通路268Lから退出させる。
次いでステップS51において左第3アクチュエータ247Lを作動させて左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させる。
これにより、10円硬貨10Cは第1振分通路268Lに案内されて左第1移動レール244L上を転動し、次いで左第2移動レール272L上を転動した後、左10円硬貨通路268Lに案内されて左10円口206Lから転がりでる。
ステップS51の後、ステップS13へ進んだ後、10円硬貨10Cのカウントアップ処理CPを行う。
カウントアップ処理CPにおける、ステップS25において、10円硬貨10CであるからステップS26へ進む。
【0139】
ステップS26において、位置情報IDが「1」である場合、ステップS53へ進み、「0」である場合ステップステップS31へ進む。
ステップS53において共通通貨センサ568Lから共通通過信号LCPSが存在するか判別する。共通通過信号LCPSが存在する場合、ステップS33へ進み、存在しない場合ステップS32へ進んで第2異常処理EP2を行う。
【0140】
ステップS52において、右第1アクチュエータ238Lを作動させて右第2移動レール272Rを右第3移動位置RMP3へ移動させ、右第2振分通路260Rを構成した後、ステップS54へ進む。
ステップS54において、左第2アクチュエータ279Rを作動させて右第1移動レール244Lを右第1移動位置RMP1へ移動させ、右第1ストッパ246Rを右第2通路260Rから退避させる。
これにより硬貨Cは右10円硬貨通路268Lを転動して後、右100円口206Rから転がりでる。
換言すれば、位置情報IDが「1」である場合、右硬貨処理装置142Rとして硬貨を振り分ける。
【0141】
次に50円硬貨50Cの場合を説明する。
ステップS48において50円硬貨50Cである場合、ステップS55へ進み、50円硬貨50Cでない場合、ステップS56へ進む。
【0142】
ステップS55において、50円硬貨ホッパ500-50が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進み、オーバーフロー処理OPを行う。
満杯でない場合、ステップS12へ進み位置信号IDが「1」であるか判別する。
本実施例では位置信号IDが「0」であるから、ステップS35へ進み、第2アクチュエータ247Lを作動した後、ステップS13へ進む。
左第2アクチュエータ247Lの作動によって、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させ、左第2振分体242Lも連れ動きさせて、左第2移動位置LMP2に移動させる(図10(C))。
しかし、第2左アクチュエータ279Lは非作動であるので、左第1振分通路268Lへ案内された50円硬貨50Cは左第1ストッパ246Lに衝突して左50円通路262Lへ案内され、左50円口208Lから落下する。
【0143】
その後、左右判別処理DS1を行って後、カウント処理CPを行う。
左右判別処理DS1におけるステップS23おいて、50円硬貨50Cであるから、ステップS24へ進む。
ステップS24において、位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS59へ進み、「1」である場合、ステップS30へ進む。
ステップ30において、左50円通過センサ568Lが50円通過信号L50PSを出力したか判別する。50円通過信号L50PSを判別した場合、ステップS33へ進み、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左再3アクチュエータ247L及び左第4アクチュエータ299Lを待機状態に戻して後、50円をカウントアップ処理CPを行う。
位置情報IDが「1」である場合、ステップS31へ進み、右共通通過センサ568Rから共通通過信号RCPSが出力された場合、ステップS33へ進み、待機処理SPをした後、ステップS34において10円硬貨10Cのカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
【0144】
次に100円硬貨100Cである場合を説明する。
ステップS56において100円硬貨100Cであるので、ステップS57へ進み、100円硬貨100Cでない場合、ステップS58へ進む。
ステップS57において、100硬貨ホッパ410-100が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進んでオーバーフロー処理OPを行い、満杯でない場合ステップS59へ進む。
ステップS59において位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS13へ進み、「1」である場合、即ち5円硬貨5Cである場合、右第1アクチュエータ238Rを作動させて右第2移動レール272Rを右第3移動位置RMP3へ移動させ、次いでステップS44において右第2アクチュエータ279Rを作動させて右第1移動レール244Rを右第1案内位置RGP1へ移動させ、右第1ストッパ246Rを第1振分通路268Lから退避させ、次いでステップS45に進み、右第3アクチュエータ247Rを作動させ、右第1振分体240Lを右第1移動位置RMP1へ移動させる。
これにより、右硬貨選別装置142Rにおいて5円硬貨5Cは、右5円硬貨通路288Rに案内されて右5円口204Rから落下する。
【0145】
左硬貨選別装置142Lにおいては、ステップS13に進んだ後、100円硬貨100Cのカウントアップ処理CPを行う。
カウントアップ処理CPにおけるステップS21において、100円硬貨100CであるからステップS22へ進み、位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS46へ進み、左100円通過センサ558Lが100円通過信号L100PSを出力したか判別する。
ステップS22において位置情報IDが「1」である場合、ステップS31へ進む。 ステップS46において通過信号が出力されている場合、ステップS33へ進み、待機処理SPに次いで100円のカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
ステップS31において、右5円通過信号R5PSが出力されていない場合、ステップS32へ進み、異常処理EP2を行う。
ステップS31において、右5円通過信号R5PSが出力されている場合、ステップS33へ進み、待機処理SPに次いで100円のカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
【0146】
次に500円硬貨500Cである場合を説明する。
500円硬貨500Cの場合、ステップS6、S7、S41、S48及びS56の何れにも該当しないので、500円硬貨500Cであると特定できる。このため、ステップS58において500円硬貨ホッパ410-500が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進んでオーバーフロー処理OPを行う。満杯でない場合、ステップS60へ進み、位置信号IDが「1」であるか判別する。
位置信号IDが「0」である場合、ステップS52へ進み、左第1アクチュエータ239Lを作動させて左第2移動レール272Lを左第3移動位置へ移動させ、左第2ストッパ274Lを左第2阻止位置へ移動させてステップS53へ進む。
【0147】
ステップS53において左第2アクチュエータ279Lを作動させて、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1に移動させる。これにより、500円硬貨500Cは左第1振分通路268Lに案内されて後、第1移動レール244L上を転動した後、500円硬貨通路289Lへ案内され、500円口214Lから落下させる。
ステップS53の後、ステップS13に進んだ後、待機処理SP及びカウントアップ処理CPを行って、処理を終了する。
左右判別処理DS1におけるステップS19において、ステップS20へ進む。
ステップS20において位置情報IDが「1」であるか判別する。「0」である場合、ステップS54へ進み、500円通過信号L500PSが出力されたか判別し、500円通過信号L500PSがある場合、ステップS33へ進んで待機処理SP、次いでステップS34においてカウントアップ処理CPを行う。
ステップS54において、500円通過信号L500PSが出力されていない場合、ステップS32へ進んで第2異常処理EP2を行う。
【0148】
左硬貨投入口118Lと同時に右硬貨投入口118Rに硬貨Cが投入された場合、前述と同様に右揚送装置138Rによって揚送され、右硬貨選別装置142Rによって真偽及び金種が判別され、硬貨保留装置312に保留され、又は右返却シュート144Rを介して右硬貨出金口122Rへ戻される。
換言すれば、左右の硬貨投入口118L及び118Rに同時に硬貨Cを投入することができる。
【0149】
次に硬貨の払い出し、換言すれば、つり銭払い出しについて説明する。
まず、払出方向の指令が制御装置174から出力される。
すなわち、出金方向が左硬貨出金口122Lである場合、アクチュエータ506は作動されず、振分板502は左硬貨出金口122L側に前下がり状態を維持する。
正逆転モータ524が正転され、上側ベルト396Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行する。
【0150】
次いで、制御装置174から該当する金種の硬貨ホッパ410-1〜410-500へ払出数が指令される。
釣銭が666円である場合、各硬貨ホッパ410-1〜410-500へ一枚ずつの払出が指令される。
これにより、各硬貨ホッパ410-1〜410-500から回転ディスク406の回転によって各金種の硬貨を一枚ずつ払い出す。
払い出された硬貨Cは、各硬貨ホッパのカウントセンサ408によって検知され、各硬貨ホッパ410-1〜410-500はこの検知信号が払い出し指令数になった場合、停止される。
各硬貨ホッパ410-1〜410-500から払い出された硬貨Cは共通シュート392によって案内されて落下口456から振分板502上に落下し、その傾斜によって左硬貨出金口122Lへ向かって滑落し、出金ベルト396上に落下する。
【0151】
出金ベルト396上に落下した硬貨Cは上側ベルト396Uが左硬貨出金口122Lへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、左硬貨出金口122L内に落下して払出が終了する。
【0152】
右硬貨出金口122Rへ出金する場合、硬貨ホッパ410-1〜410-500からの払出に先立って、アクチュエータ506が作動され、振分板502が図4及び図21において時計方向に回動され、右硬貨出金口122Rへ傾斜した鎖線示位置に静止される。
また、正逆転モータ524が逆転され、上側ベルト396Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行する。
【0153】
この後、前述同様に各硬貨ホッパ410-1〜410-500から回転ディスク406の回転によって一枚ずつ硬貨Cを払い出す。
払い出された硬貨Cは、各硬貨ホッパのカウントセンサ408によって検知され、各硬貨ホッパ410-1〜410-500はこの検知信号に基づいて停止される。
各硬貨ホッパ410-1〜410-500から払い出された硬貨Cは共通シュート392によって案内されて落下口456から振分板502上に落下し、その傾斜によって右硬貨出金口122Rへ向かって滑落し、出金ベルト396上に落下する。
【0154】
出金ベルト396上に落下した硬貨Cは上側ベルト396Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、右硬貨出金口122R内に落下して払出が終了する。
【0155】
次に左側硬貨釣銭機128L及び右側硬貨釣銭機128Rが同時に釣銭払出処理を行う場合を説明する。
釣銭の払い出しは、制御装置174から釣銭払出指令が出力された順に行う。例えば、左側硬貨釣銭機128Lに先に釣銭払い出しが指令出力された場合、前述のようにアクチュエータ506は作動されずに正逆転モータ524が正転されて左硬貨出金口122L側へ出金処理される。
左硬貨出金口122L側へ出金処理後直ぐに右側硬貨釣銭機128Rにつり銭払出指令が出力され、前述のようにアクチュエータ506が作動され、かつ、正逆転モータ524が逆転されて右硬貨出金口122R側へ出金処理される。
【0156】
左側硬貨釣銭機128Lと右側硬貨釣銭機128Rとに同時につり銭払出指令が同時に出力されるタイミングの場合、制御装置174は、予め優先順位を設定された左側硬貨釣銭機128L又は右側硬貨釣銭機128Rに対し先につり銭払出指令を出力し、つり銭を払い出す。
【0157】
本自動精算機104は、ガソリンスタンドの他、駐車場の精算機、有料道路の精算機等に使用することができる。
なお、振分装置394は必要がなければ配置する必要がない。
【符号の説明】
【0158】
1C、5C、10C、50C、100C、500C 硬貨
112L、112R 外面
118L、118R 硬貨投入口
122L、122R 硬貨出金口
142L、142R 硬貨選別装置
142LU,142RU 下面
142LR,142RL 側面
146L,146R 硬貨通路部
198L,202L,204L,206L,208L,212L,214L,216L 金種別出口
314L,314R 垂立通路部
316L,316R 転動通路部
410-1,410-5,410-10,410-50,410-100,410-500 硬貨保留装置
L3、L4 整列直線
M1 点
ID 位置信号
【技術分野】
【0001】
本発明は、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する対面式硬貨処理装置に関する。
特に、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する硬貨処理装置において、受け入れた硬貨の経路を単純化することにより硬貨ジャムを生じないようにした対面式硬貨処理装置に関する。
詳しくは、対向する外面に硬貨投入口が配置され、受け入れた正貨を金種別に保留する硬貨処理装置において、同一の部品を使用できるようにしてコストを低減することができる対面式硬貨処理装置に関する。
さらに詳しくは、同一の硬貨選別装置を使用しても特別な設定作業をすることなく単純化した硬貨経路に対応する硬貨出口に設定されるようにした対面式硬貨処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1の従来技術として、各接客手段に硬貨入金部と硬貨出金部と、前記各硬貨入金部から夫々延びる専用硬貨搬送部と、各専用硬貨搬送部により搬送されてきた硬貨の真贋、金種、数量を識別する共通の硬貨識別計数部と、硬貨識別計数部により真正と容認された硬貨を金種別に振り分けて共通の硬貨金庫に送り込むと共に、偽貨として識別された硬貨をリジェクトする共通の硬貨振分け部と、硬貨振分け部によりリジェクトされた硬貨、及び、硬貨金庫から払い出された硬貨を受け取って各硬貨出金部に排出する払出し硬貨共通搬送部と、これらを制御する共通の制御装置とを備え、前記硬貨共通搬送部は、少なくとも2つのローラによりエンドレスに張設されると共に駆動部によって正逆双方向に切替え走行可能に構成され且つ両端部を前記各硬貨出金部に近接させた排出ベルトと、排出ベルトをシーソー式に上下揺動可能に支持すると共に排出ベルトの搬送面が何れか一方の硬貨出金部に向けて下向きに傾斜するように交互に各端部を降下させる傾動部と、を備えている対面式硬貨取扱装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
第2の従来技術として、硬貨処理装置の技術分野において、硬貨処理装置の処理内容の設定を変更する場合、ディップスイッチ等の設定条件の入力手段により設定変更する必要があった(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4323850号(図7〜図9、段落番号0024〜0028)
【特許文献2】特開平10-162196(図4及び6、段落番号0048〜0054)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
第1の従来技術においては、硬貨の識別計数部が対面する外面に対してそれぞれ設けられた硬貨入金部に対して共通であるため、一方の硬貨入金部に投入された硬貨を識別計数している間、他方の硬貨入金部に硬貨が投入されないよう、硬貨シャッタによって閉止する。
換言すれば、一方の硬貨入金部が使用中である場合、他方の硬貨入金部は使用することが出来ない。
すなわち、他方の硬貨入金部を使用しようとする顧客は、一方の硬貨入金部の使用が終了するまで待たねばならない問題がある。
【0006】
第1の従来技術の問題を解決するため、硬貨投入口、検銭機、振分け部、一時保留部、ホッパ、シュート及びベルトコンベアを対向する外面に対してそれぞれ設けることができる。
このように第1の従来技術を対向する両面に対しそれぞれ配置した場合、投入硬貨の識別は各検銭機において出来るので、第1の従来技術のように他方の利用者が待たされることはない。
しかし、硬貨選別装置及び硬貨通路を2セット設けるので、コスト高になる問題がある。
コスト低減のため、同一の硬貨選別装置及び硬貨通路を2セット設けることが考えられる。
この場合、同一の硬貨通路を使用するためには、硬貨選別装置の金種別の硬貨出口を変更しなければならない。
金種別の硬貨出口を変更する場合、硬貨選別装置に内蔵される硬貨の振分装置の制御を変更せねばならない。
振分装置の制御を変更するには、通常、第2の従来技術に開示されるように、ディップスイッチ等によって設定変更する必要がある。例えば、硬貨選別装置が故障した場合、新たな硬貨選別装置に交換する場合、当該新たな硬貨選別装置にその設置位置に応じた設定作業をする必要があり、当該作業が繁雑であり、また、失念する問題がある。
【0007】
本発明は、上記問題を解決することを目的とする。
本発明の第1の目的は、同一の硬貨選別装置を使用できる対面式硬貨処理装置を提供することである。
本発明の第2の目的は、特段の設定をせずとも同一の硬貨選別装置を使用でき、かつ、硬貨ジャムが可求的に生ぜず、さらに、安価な対面式硬貨処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的を達成するため、本発明は以下のように構成されている。
対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させて金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、前記一対の硬貨選別装置は同一構造であり、前記金種別出口が前記一対の硬貨選別装置の中間点に対して点対称に設置され、対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号IDを出力し、前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号IDに基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにし、前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されることを特徴とする対面式硬貨処理装置である。
【発明の効果】
【0009】
この構成によれば、対面する外面にそれぞれ配置された硬貨投入口に投入された硬貨は、それぞれに対応して設けられた同一構成の硬貨選別装置によって真偽及び金種を判別される。
偽貨と判別された投入硬貨は、硬貨選別装置から返却通路を通って硬貨出金口へ戻される。
正貨は、硬貨選別装置に配置された金種別の硬貨出口へ振り分けられる。
硬貨選別装置の下面の硬貨出口から落下した硬貨は、その下方において垂立状態に配置された垂立通路部により案内されて、その下方に配置された金種別の硬貨保留装置に保留される。
側面に配置された硬貨出口から落下した硬貨は、前下がりに延在する通路部によって相対する硬貨選別装置の下側に配置されている金種別の転動通路部へ案内された後、金種別の硬貨保留装置に保留される。
したがって、本発明を採用することにより同一の硬貨選別装置を使用できるので、安価に構成することができる。
また、硬貨選別装置は、対面式処理機からの位置信号IDに基づいて、振分装置の制御を変更し、金種別の硬貨出口を変更する。換言すれば、硬貨出口は、硬貨選別装置の取り付け位置によって自動的に当該位置に適合した硬貨出口が設定される。よって、振分装置の制御を設定する煩雑さ及び設定忘れを防止して使い勝手のよい対面式硬貨処理装置を提供できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置が設置されるセルフ式ガソリンスタンドの一部平面図である。
【図2】図2は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置が内蔵される精算機の正面図である。
【図3】図3は、本発明の実施例の対面式硬貨処理装置に内蔵される硬貨処理装置の斜視図である。
【図4】図4は、本発明の実施例の硬貨処理装置の概要構成図である。
【図5】図5は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる揚送装置であって、(A)は正面図、(B)はB-B線断面図、(C)はC-C線断面図である。
【図6】図6は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の正面図である。
【図7】図7は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の概要図である。
【図8】図8は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨選別装置の硬貨通路説明のための説明図である。
【図9】図9は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる右硬貨選別装置の概要図である。
【図10】図10は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左側の第1振分装置の作用説明図である。
【図11】図11は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨選別装置の硬貨通路の概要図である。
【図12】図12は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨通路装置の正面図である。
【図13】図13は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨通路装置の平面図である。
【図14】図14は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の斜視図である。
【図15】図15は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の分解斜視図である。
【図16】図16は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる左硬貨転動通路の底面図である。
【図17】図17は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨保留払出装置の平面図である。
【図18】図18は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる硬貨保留払出装置たる硬貨ホッパの概略斜視図である。
【図19】図19は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられるオーバーフロー金庫の斜視図である。
【図20】図20は、本発明の実施例の硬貨処理装置の硬貨の共通シュートの分解斜視図である。
【図21】図21は、本発明の実施例の硬貨処理装置に用いられる振分装置の概要図である。
【図22】図22は、本発明の実施例の硬貨処理装置の制御装置のブロック図である。
【図23】図23は、本発明の実施例の硬貨処理装置の左硬貨選別装置の作用説明用の概要図である。
【図24】図24は、本発明の実施例の硬貨処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【図25】図25は、本発明の実施例の硬貨処理装置の作用説明用のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明は、対向する外面に対しそれぞれ硬貨投入口及び硬貨出金口を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させて金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、前記一対の硬貨選別装置は同一構造であって、前記金種別出口が前記硬貨選別装置の下面及び側面に配置され、前記一対の硬貨選別装置間の中間点に対して点対称に設置され、前記対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号IDを出力し、前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号IDに基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにして前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されるようにし、相対する出口から異なる金種の硬貨が排出されることを特徴とする対面式硬貨処理装置である。
【実施例】
【0012】
本実施例は、本発明に係る対面式硬貨処理装置100を、セルフ式ガソリンスタンド102において使用される自動精算機104に用いた例である。
セルフ式ガソリンスタンド102の楕円形の島106には給油機108及び自動精算機104が隣接状態に設置される。
本自動精算機104は、日本円仕様であるため、対面式硬貨処理装置100の処理対象硬貨は、1円、5円、10円、50円、100円及び500円の6金種である。
しかし、処理対象硬貨は取捨選択できる。例えば、1円及び5円硬貨を除外することができる。
また、処理対象硬貨は、ユーロ、米ドル、中国元等世界中の硬貨を対象にすることができる。
【0013】
これら給油機108及び自動精算機104は島106の両側において操作できるように構成されている。すなわち、図2に示すように自動精算機104は箱形の筐体112の対向する第1壁面112A、第2壁面112Bにはそれぞれ硬貨投入口等が配置されている。
第1壁面112A及び第2壁面112Bとも同一構成であるので、左側の第1壁面112Aを例に図2を参照して説明する。
左紙幣投入口114L、左紙幣返却口116L、の組が上下関係に配置され、左硬貨投入口118L、左硬貨出金口122L、クレジットカード・電子マネー等のリーダーライタ124Lが配置されている。
紙幣投入口114L及び紙幣返却口116Lは、自動精算機104に内蔵されたリサイクル式の紙幣処理機126から突出し、自動精算機104の第1壁面(外面)112A、第2壁面(外面)112Bの外方に突出している。
硬貨投入口118L及び硬貨出金口122Lは、自動精算機104に内蔵された対面式の硬貨処理装置(対面式硬貨処理装置)120から突出し、自動精算機104の第1壁面112A、第2壁面112Bの外方に突出している。
【0014】
次に硬貨処理装置120が図3〜図17を参照して説明される。
硬貨処理装置120は、箱形の筐体112内に配置された箱形の硬貨筐体123に組み込まれている。
図3に示すように、硬貨筐体123内には、右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lが内蔵されている。右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lは、右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128Lにそれぞれ格別に設けられた左個別部分132L及び右個別部分132R並びに右側硬貨釣銭機128R及び左側硬貨釣銭機128L共通の共通部分134が内蔵されている。
硬貨筐体123の下端123Uは地上から1メートル以上になるように設置される。
説明の便宜上、第1壁面112A側を左側硬貨釣銭機128L、第2壁面112B側を右側硬貨釣銭機128Rとして説明する。
右側硬貨釣銭機128Rと左側硬貨釣銭機128Lとは、個別に設けられている左個別部分132L、右個別部分132R及び共通に用いられる共通部分134とにより構成されている。
【0015】
まず、右個別部分132R及び左個別部分132Lを説明する。
右個別部分132R、及び左個別部分132Lの構成は、左右対称に配置されること以外大凡同一であるので、左個別部分132Lを代表して説明し、右個別部分132Rは同一数字に付した「L」を「R」に変更して表示し、説明を省略する。
【0016】
左個別部分132Lは、大まかには左硬貨投入口118L、左揚送装置138L、左硬貨選別装置142L、左リジェクト通路144L、左硬貨通路装置146L、及び左硬貨出金口122Lを有する。
【0017】
まず図3を参照して左硬貨投入口118Lを説明する。
本実施例の左硬貨投入口118Lは、硬貨を一枚ずつ受け入れる機能を有する。
左硬貨投入口118Lは、大凡大人の男性の平均的腰部の高さ位置に配置され、縦長スリット形である。
左硬貨投入口118Lは、その高さ及び幅が最大直径である500円硬貨の直径及び厚みよりも僅かに大きく形成されている。
【0018】
次に左揚送装置138Lが図5を参照して説明される。
左揚送装置138Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを上方の左硬貨選別装置142Lの左受入口152Lへ投入するよう一枚ずつ区分けして持ち上げる機能を有している。
したがって、左硬貨投入口118Lが左受入口152Lよりも上方に配置される場合、左揚送装置138Lを設ける必要はない。
本実施例において左揚送装置138Lは、左螺旋装置154L、一枚分離装置156L及び左投入シュート158Lを含んでいる。
【0019】
図5に示すように、左螺旋装置154Lは、左硬貨センサ160L、円筒状の左ガイド体162L、円柱状の左螺旋体164L及び左螺旋体164Lを回転させるための左揚送駆動モータ166Lを含んでいる。
左硬貨センサ160Lは、左硬貨投入口118Lに投入された硬貨Cを検知する機能を有する。
左硬貨センサ160Lは、例えば磁気センサによって構成され、硬貨Cを検出した場合、左硬貨信号CSLを後述の制御装置174に出力する。
【0020】
左ガイド体162Lは、透明の樹脂にて成型することが好ましい。内部を上昇される硬貨Cの姿勢を観察することにより異常を早期に発見できるからである。
左螺旋体164Lは、円柱状の左芯体168Lの外周面に螺旋状の左螺旋突条172Lが一体的に形成されて構成されている。
左螺旋体164Lは、左ガイド体162L内に挿入され、左螺旋突条172Lの外周が左ガイド体162Lの内面に密に接した状態で左ガイド体162L内において同一軸線回りに回転できるように配置される。
図5(B)に示すように、硬貨Cが回転されず、かつ上方へ移動可能なように硬貨Cを保持する左案内溝170Lが左ガイド体162Lと一体に形成されている。
左案内溝170Lは断面矩形であり、その先端部は、平面視左螺旋突条172Lと重ね逢わされる。
したがって、左案内溝170Lに保持される硬貨Cは、左案内溝170Lによって両側面及び周面を案内されつつ、下側の周面を左螺旋突条172Lによって押し上げられることができる。
【0021】
左揚送駆動モータ166Lは、制御装置174によって選択的に駆動又は停止され、左芯体168L、したがって、左螺旋体164Lを所定方向に回転し、左螺旋突条172Lによって硬貨Cを上方へ移動させる。
すなわち、左硬貨投入口118Lに投入され、一枚分離装置156Lを通過した硬貨Cは、左螺旋突状172L上に載る。
左螺旋突状172L上に載った硬貨Cは、左案内溝170Lに規制されるため、左螺旋体164Lに対し横方向に移動できず、上下方向のみ移動可能である。
このため、左螺旋突状172Lが回転した場合、その傾斜角によって硬貨Cは左螺旋突状172Lによって押し上げられる。
制御装置174は左硬貨信号CSLを受信した場合、逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送駆動モータ166Lを回転駆動する。
逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送駆動モータ166Lは、左螺旋装置154L内の硬貨Cが全て無くなった場合、制御装置174によって停止される。
【0022】
左螺旋突状172Lの間隔は、最大直径の500円硬貨が一枚収まる間隔より僅かに大きく設定され、硬貨Cは一枚ずつ左投入シュート158L側へ揚送される。
なお、左芯体168Lを所定長さに設定し、軸線方向に所定数接続して一体回転可能にすることにより、左螺旋体164Lの長さを段階的に設定することができる。
換言すれば、左芯体168Lの連続数を任意に設定することにより、任意の揚送量を得ることができる。
【0023】
次に一枚分離装置156Lが図5(C)を参照して説明される。
一枚分離装置156Lは、左硬貨投入口118Lに連続的に投入された硬貨Cが団子状に左螺旋装置154Lの入口に到達することによる、硬貨ジャムを防止する機能を有する。
詳述すれば、後述の左投入通路180Lにおいて、硬貨Cが周面を接するように近接せずに転動させる機能を有する。
左螺旋突条172Lによって1つずつ硬貨Cを揚送するためである。
【0024】
一枚分離装置156Lは、例えば、図5(C)に示すように左第1固定壁176L及び左第2固定壁178Lにより構成した前下がりの直状左投入通路180L、左逆転ローラ182L及び左逆転ローラ駆動モータ184Lにより構成される。
左投入通路180Lは、左硬貨投入口118Lから左螺旋装置154Lに向かって前下がりに傾斜する断面縦長スリット状の通路であり、左投入口118Lに投入された硬貨Cが左投入通路180Lの下面を構成する左ガイドレール186L上を立った状態で転動可能である。
【0025】
左逆転ローラ182Lは、左大直径部188Lと左小直径部192Lとを有し、左大直径部188Lは左第2固定壁178Lに形成した左開口部181Lから左投入通路180Lに進入可能であり、進入した際、左第1固定壁176Lと左大直径部188Lとの間隔は最薄の硬貨Cの厚みよりも小さい。換言すれば、左大直径部188Lが左投入通路180Lに位置する場合、硬貨Cは左螺旋装置154L側へ通過することができない。
左逆転ローラ182Lは左逆転ローラ駆動モータ184Lによって左大直径部188Lが硬貨Cの転動方向の下流側から上流側へ向かって回転する。
換言すれば、左大直径部188Lが左螺旋装置154L側から左硬貨投入口118L側へ移動する。
よって、左硬貨通路180Lにおいて、左大直径部188Lよりも左硬貨投入口118L側に位置する硬貨Cは、左硬貨投入口118L側へ押し戻され、左螺旋体164L側へ転動することができない。
【0026】
また、左逆転ローラ182Lは左螺旋突条172Lの移動と連動して回転され、前位の硬貨Cが所定位置まで左螺旋突条172Lによって押し上げられた後、後位の硬貨Cが左螺旋突条172Lに達するよう連動して回転される。
換言すれば、左投入通路180Lを転動して来た最大直径硬貨Cが、左螺旋突状172Lの周面に当接しない位相において、左螺旋装置154Lに到達するよう、左螺旋体164Lと左逆転ローラ182Lの左大直径部188Lとの回転位相並びに左逆転ローラ182Lと左螺旋装置164Lとの距離が設定される。
硬貨Cが左螺旋突状172Lと左ガイド体162Lとの間に噛み込まれることによる揚送不良、及び、複数の硬貨Cが左案内溝170Lに位置することによる硬貨ジャムを防止するためである。
さらに換言すれば、左大直径部188Lが左投入通路180Lに進入した場合、硬貨Cは左螺旋突条172L側へ向かって転動できず、いわば待機状態になる。
左小径部192Lが左投入通路180Lに相対した場合、硬貨Cは左投入通路180Lを転動し、左螺旋突条172Lへ向かって再び転動を開始する。
左逆転ローラ駆動モータ184Lは、制御装置174によって選択的に回転又は停止される。
【0027】
次に左投入シュート158Lを説明する。
左投入シュート158Lは、左螺旋装置154Lによって揚送された硬貨Cを左受入口152Lへ案内する機能を有する。
左投入シュート158Lは、縦長スリット状の通路であり、左案内溝170Lの上端部に連通し、左螺旋装置154Lによって揚送された硬貨Cが立った状態で左受入口152Lへ向かって転動するよう下壁が前下がりの左転動レール194Lによって構成される。
換言すれば、左螺旋突状172Lによって揚送された硬貨Cは、左螺旋突状172Lの傾斜によって自重により左投入シュート158L側へ転動し、左転動レール194L上を左受入口152Lへ向かって転動する。
【0028】
次に左硬貨選別装置142Lを図6乃至図10を参照して説明する。
本実施例は日本円仕様であり、1円から500円の6金種の真偽及び金種を選別する。しかし、1円及び5円硬貨を処理不対象とし、返却するようにしてもよい。
ユーロ硬貨仕様の場合、左硬貨選別装置142Lは8金種を選別する。しかし、必要に応じて選択された一部の金種のみを受入れ、その他の金種は左硬貨出金口122Lに返却するようにしてもよい。
左硬貨選別装置142Lは、左受入口152Lに投入された硬貨Cが所定の左転動通路190Lを転動する過程において、硬貨Cの物理的性質を左物理センサ196Lにより検知して当該硬貨Cの真偽及び金種を判別し、さらに転動する過程において判別結果に応じて所定の出口へ振り分けする機能を有している。
左硬貨選別装置142Lは、硬貨処理装置120の筐体に固定された縦向きチャンネル形の左ホルダ200L(図4参照)によって垂立状態であって、かつ、当該ホルダ200Lに容易に着脱可能に取り付けられている。
【0029】
次に左硬貨選別装置142Lの金種別に設けられた硬貨出口の概略を図7及び図8を参照して説明する。
金種別の出口としては、左返却口198L、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lであり、それぞれスリットに形成されている。
図8に示すように、左返却口198Lは、硬貨選別装置142Lの下面142LUに配置され、返却硬貨RCは自然落下により後述の左返却通路樋329Lを経由して左リジェクト通路144L(図4参照)を通って、左硬貨出金口122Lに返却される。
左硬貨選別装置142Lの左下面142LUには、その他、例えば、左50円口208L、左100円口212L及び左500円口214Lが配置されている。
硬貨選別装置142Lの左背面142LBの下部に左オーバーフロー口216Lが開口され、背面に沿って下方へ落下するので、左オーバーフロー口216Lは実質的に左下面142LUに開口されている。
残りの左1円口202L、左5円口204L、及び左10円口206Lは右硬貨選別装置142Lに対面する右側面142LRに配置される。
しかし、各硬貨Cの金種別の出口はこれに限られず、任意に設定できる。
【0030】
右硬貨選別装置142Rの硬貨出口の概略を図9を参照して説明する。
図8に示すように、右硬貨選別装置142Rは左硬貨選別装置142Lと同一構成であって、平面視反対向きにそれらの左背面142LB及び右背面142RBが第1直線L1上に位置するように配置してある。換言すれば、各硬貨出口は第1直線L1の中間点M1に対し左右対称に配置されているが、設定されている金種は異なる。
図8に示すように、右返却口198Rは、右硬貨選別装置142Rの下面142RUに配置され、返却硬貨RCは自然落下により右リジェクト通路144Rを通って、右硬貨出金口122Rに返却される。
右硬貨選別装置142Rの下面142RUには、その他、例えば、右1円口202R、右5円口204R、及び右10円口206Rが配置され、右オーバーフロー口216Rは右硬貨選別装置142Rの右背面142RBに開口し、当該背面142RBに沿って下方へ落下する。
残りの右50円口208R、右100円口212R、及び右500円口214Rは左硬貨選別装置142Rの右側面142LRに対面する左側面142RLに配置される。
硬貨出口の配置を換言すれば、左硬貨選別装置142Lの左下面142LUに配置されている左50円口208L、左100円口212L及び左500円口214Lに相対する右50円口208R、右100円口212R及び右500円口214Rは、対の右硬貨選別装置142Rの相対する左側面142RLに配置されている。
他方、右硬貨選別装置142Rの右下面142RUには、中間点M1に対し対象位置に、左500円口214Lと右1円口202R、左100円口212Lと右5円口204R、左50円口208Lと右10円口206R、及び左返却口198Lと右返却口198Rとが配置されている。
また、左硬貨選別装置142Lの右側面142LRと、対面する右硬貨選別装置142Rの左側面142RLには中間点M1に対し対象位置に、左10円口206Lと右500円口214R、左5円口204Lと右100円口212R、左1円口202Lと右50円口208Rが配置されている。
さらに換言すれば、左硬貨選別装置142Lの左下面142LUに配置されている硬貨出口と、右硬貨選別装置142Rの左側面142RLに配置されている硬貨出口とは同一金種である。
更にまた、右硬貨選別装置142Rの右下面142RUに配置されている硬貨出口と、左硬貨選別装置142Lの右側面142LRに配置されている硬貨出口とは同一金種である。
【0031】
次に左硬貨選別装置142Lの構造の概略が図7及び図11を参照して説明される。
左硬貨選別装置142Lは、大まかには左転動通路190L、左物理センサ196L、左第1振分装置236L、左第2振分装置238L、及び左第3振分装置292Lを含んでいる。
【0032】
まず左転動通路190Lを図6及び図7を参照して説明する。
左転動通路190Lは、矩形の左本体224Lと、当該左本体224Lの上部中間に位置する左斜軸226Lを支点に回転自在に取り付けられ、最大厚み硬貨の厚みよりも僅かに大きい間隔で平行に配置された、台形状の左ドア228Lによって形成されている。
左ドア228Lの下端部には彎曲した左ガイドレール232Lが横向きに突出されている。
左ドア228Lは、付勢手段(図示せず)によって左本体224Lに近づくよう付勢され、下端部の左ガイドレール232の側端は左本体224Lに実質的に密着し、左本体224Lと左ドア228Lとによって両側の垂立側壁、左ガイドレール232Lによって底板を画定された平板状の左転動通路190Lを構成する。
左リジェクター230Lを押し下げた場合、左ドア228Lが左斜軸226Lを支点に回動し、左ガイドレール232Lが左本体224Lから離れることにより、左転動通路190Lの下端部が開口する。
これにより、左転動通路190Lにおいてジャムした硬貨Cを左転動通路190Lから落下させ、左返却通路330Lを経由して左返却口198Lに返却することができる。
左転動通路190Lは、上向き漏斗形の左受入口152Lに連続して垂下した後、右下方へ前下がりに指向する硬貨Cの転動通路である。
左ドア228Lが左斜軸226Lを支点に左本体224Lから離れる方向に回転された場合、左ガイドレール232Lが横向きに傾き、硬貨Cは左ガイドレール232Lから左返却口198Lへ返却することができる。
左転動通路190Lの下流端部に第1振分装置236Lが配置されている。
【0033】
次に左物理センサ196Lを説明する。
左物理センサ196Lは、左転動通路190Lを挟んで左本体224Lと左ドア228Lに相対して固定された励磁コイルを巻き付けて高周波電流を印可した複数のフェライトにより構成され、当該励磁コイルの出力からの高周波電流を用いて左転動通路190Lを転動する硬貨Cの直径、厚み及び材質等に関する物理的性質を非接触により検知する公知の物理センサである。
【0034】
次に左第1振分装置236Lを説明する。
左第1振分装置236Lは、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cを左500円口214L、左100円口212L、及び左返却口198Lに振り分け、及び1円、5円、10円、50円及びオーバーフロー金種硬貨を左第2振分装置238Lへ振り分ける機能を有する。
したがって、左第1振分装置236Lは同様の機能を有する他の装置に変更することができる。
左第1振分装置236Lは、左第1振分体240L及び左第2振分体242L、左第1移動レール244L、及び左第1ストッパ246Lを含んでいる。
【0035】
左第1振分体240Lは、板状であって、全体として横長矩形に形成され、左転動通路190Lに対し下流側に位置し、僅かに傾斜配置され、縦向きの軸線回りに往復回動可能な左第1縦軸248Lから左転動通路190Lの上流側に向かって横向きに固定されている。
左第1振分体240Lは、先端が左本体224Lの裏側に向かって折り曲げられ、櫛歯状の左第1櫛歯部252Lに形成されている。
左第1振分体240Lの中間には、円形の左第1透孔254Lが形成されている。
左第1縦軸248Lに対し平行に、硬貨の厚みよりも大きな間隔で左第2縦軸256Lがその軸線回りに往復回動可能に配置されている。
左第2縦軸256Lから左転動通路190Lに向かって板状であって横長矩形の左第2振分体242Lが固定されている。
左第2振分体242Lは、左第1振分体240Lとほぼ同様の形状に形成され、先端には左第2櫛歯部273Lが、中間には円形の左第2透孔264Lが形成されている。
【0036】
左第1振分体240Lは、図11において時計方向に弾性的に付勢され、図示しないストッパによって左第1静止位置LSP1に静止される。左第1振分体240Lが静止位置LSP1に位置する場合、左転動通路190Lを構成する一方の左第1側壁266L1の延長線上に位置し、左第1櫛歯部252Lは左第1側壁266L1よりも裏側に位置している。
左第1側壁266L1の裏側には左第1振分通路268Lが形成され、下流に配置された左第2振分装置238L、その下流に配置された左第3振分装置292Lに選択的に連通される。
左第1振分体240Lは、左第3アクチュエータ247Lによって図11において反時計方向に回動された左第1移動位置LMP1(図10参照)に位置することができる。
左第1移動位置LMP1において、左第1振分体240Lの左第1櫛歯部252Lの先端は左ドア228Lによって構成される左第2側壁266L2の延長線上に位置する。
左第1振分体240Lが 左第1移動位置LMP1に位置する場合、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第1振分体240Lの裏面によって左第1振分通路268Lに案内される。
【0037】
左第2振分体242Lも図示しない付勢手段によって図11において時計方向に弾性的に付勢され、図示しないストッパによって左第1櫛歯部252Lに左第2櫛歯部273Lが噛み合った左第2静止位置LSP2において静止される。
【0038】
左第1縦軸248Lと左第2縦軸256Lとは、最大厚み硬貨Cの厚みよりも離れて平行に配置され、左第2振分体242Lは左第2静止位置LSP2と左第2移動位置LMP2に選択的に位置される。
左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に位置する場合、左第2振分体242Lの表側(図10、11における下側)には500円硬貨も通過可能な左返却通路330Lに連通される。
換言すれば、左第1振分体240L及び左第2振分体242Lが左第1静止位置LSP1及び左第2静止位置LSP2に位置する場合、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第2振分体242Lによって図11において下方へ案内され、左返却通路330Lを通って、左返却口198Lへ案内される。
また、左第2振分体242Lは、左第5アクチュエータ249Lによって回動され、左第2移動位置LMP2に位置する場合、先端の左第2櫛歯部273Lは左第2側壁266L2の延長上よりも奥(図10において下側)に位置し、左転動通路190Lから転動してくる硬貨Cを左第1振分体240Lと左第2振分体242Lとの間の左第2振分通路260Lに案内する。
【0039】
左第1振分体240Lは、通常は左第1静止位置LSP1に静止され、左第3アクチュエータ247Lによって図11において反時計方向に回動された場合、図示しないストッパによって係止されて左第1移動位置LMP1において静止され、左第2側壁266L2の延長上よりも奥側(図10(c)において下側)に左第1櫛歯部252Lの先端272L1が位置する(図10(c)参照)。
この状態において、通常は、左第1移動レール244Lが、左第1振分体240Lと左第2振分体242Lとの下方に位置せずに、左第1ストッパ246Lが左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを横断している。
これにより、左転動通路190Lを転動してきた硬貨Cは、左第1振分体240Lの裏面によってその裏側の左第1振分通路268Lへ案内される。
左第1振分通路268Lの左第1ストッパ246Lの上流側は、垂下方向に延在する左50円硬貨通路262Lが連続している。
この左50円硬貨通路262Lには、左第1ストッパ246Lによって移動を阻止された左50円硬貨50Cが落下し、左50円口208Lへ案内される。
【0040】
次に左第1移動レール244Lを説明する。
左第1移動レール244Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lに転動してきた硬貨Cを更に、横方向に転動させて案内、又は案内せずに下方へ自重によって落下させる機能を有する。
左第1移動レール244Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下方に選択的に配置され、横向きかつ硬貨Cの転動方向に前下がりに傾斜する細長板状体である。
換言すれば、左第1移動レール244Lは、左第1振分体240L及び左第2振分体242Lの直下に選択的に配置され、左第1振分通路268Lにおいては左第1移動レール244Lが下壁を構成し、かつ、左本体224Lの壁面及び左第1振分体240Lの裏面が左右の側壁を構成している。
左第2振分通路260Lにおいては、左第1移動レール244Lが下壁を構成し、かつ、左第1振分体240Lの表面及び左第2振分体242Lの裏面が左右の側壁を構成している。
本実施例において、左第1移動レール244Lは横向きに配置された左第1横軸278Lに中間を固定された左第1揺動板282Lの下端部を横向きに折り曲げて形成されている。
左第1移動レール244Lが左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下側に位置する場合、前述のようにそれら通路の下壁を構成する。換言すれば、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを転動する硬貨Cは、左第1移動レール244L上を転動する。
【0041】
次に左第1ストッパ246Lを説明する。
左第1ストッパ246Lは、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lに進行した硬貨Cの更なる転動を許すか、又は、硬貨Cの転動を阻止し、重力によって下方へ落下させる機能を有する。
左第1ストッパ246Lは、左第1揺動板282Lの左第1横軸278Lの反対側の上端部に横向きに固定された左第1棒状体284Lである。
左第1棒状体284Lは、通常状態において、左第1透孔254L及び左第2透孔264Lを貫通し、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lを横断する左第1阻止位置LIP1をとることができる。
【0042】
左第1横軸278Lは、左第2アクチュエータ279Lによって選択的に回動されるが、通常状態においては図示しないスプリングによって付勢され、左第1透孔254L及び左第2透孔264Lを貫通した左第1阻止位置LIP1において静止される。この状態において、左第1移動レール244Lは左第2振分通路260Lの下方には位置しない左第1通過位置LTP1に位置する。
左第2アクチュエータ279Lによって左第1揺動板282Lが回動された場合、左第1移動レール244Lは左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの下方の左第1案内位置LGP1に位置し、左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lに達した硬貨Cは左第1移動レール244L上を転動してさらに横方向へ案内される。
【0043】
左第2振分通路260Lの下壁を構成する左第1移動レール244Lの下方には左100円口212Lに連なる左100円硬貨通路286Lが形成されている。
本実施例において、左第1移動レール244Lと左第1ストッパ246Lは一体化され、一の左第2アクチュエータ279Lによって反対位相で移動されるようになっているが、それぞれ別体に構成し、各別のアクチュエータによって反対位相で移動するようにしても良い。しかし、本実施例のように一体化した場合、設置スペース、コスト及び制御面において有利である。
【0044】
次に左第1振分装置236Lの作用を図10を参照して説明する。
通常状態において、左第1振分装置236Lの左第1振分体240Lは左第1静止位置LSP1に静止され、左第2振分体242Lは左第2静止位置LSP2に静止され、左第1ストッパ246Lは左第1阻止位置LIP1に静止され、左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に静止される(図10(A))。
この状態において、硬貨Cが左受入口152に投入された場合、左転動通路190Lを転動した後、左第2振分体242Lによって逸らされて左返却通路330Lへ案内され、左返却口198Lから落下し、後述する左転動通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを介して左硬貨出金口122Lへ戻される。この状態は、左第1振分装置236Lが選別可能状態に無い状態、換言すれば電源が入っていない状態、又は左物理センサ196Lが偽貨FCを判別した場合に構成される。
【0045】
左第2振分体242Lのみが左第2移動位置LMP2へ移動された場合(図10(B))、硬貨Cは左第2振分通路260Lへ転動するが、左第1阻止位置LIP1に位置する左第1ストッパ246Lによって横方向への転動を阻止され、また、左第1移動レール244Lが左第1通過位置LTP1に位置することから、左100円硬貨通路286Lを落下し、左100円口212Lから落下する。
左第2振分体242Lが移動位置LMP2へ移動され、さらに、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1に位置する場合(図10(C))、硬貨Cは左第1振分体240Lによって第1振分通路268Lに案内され、かつ、第1ストッパ246Lによって横方向への進行が阻止されるので、垂下方向に延在する左50円硬貨通路262Lによって、左50円口208Lへ案内される。
【0046】
次に左第1揺動板282Lが左第1案内位置LGP1に移動された場合、左第1移動レール244Lが左第1振分通路268Lおよび左第2振分通路260Lの下壁を構成し、かつ、左第1ストッパ246Lは左第1振分通路268Lおよび左第2振分通路260Lから退出する。
この状態において、第2振分体242Lが第2移動位置LMP2に移動した場合(図10(D)参照)、硬貨Cは左転動通路190Lを転動した後、左第2振分通路260Lを転動する。すなわち、左第1移動レール244L上を転動し、さらに横方向下流に位置する左10円口206L又は左1円口202Lへ案内される。
換言すれば、左第2振分通路260Lは、1円、5円、10円、500円の各硬貨C及び該当する金種の保留金庫が満杯時のオーバーフロー硬貨OCが転動する。
【0047】
さらに、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1、及び左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2へ移動された場合(図10(E)参照)、硬貨Cは左第1振分体240Lによって左第1振分体240Lの裏側の左第1振分通路268Lを経由して、左第2振分装置238Lへ案内される。
【0048】
次に左第2振分装置238Lを説明する。
左第2振分装置238Lは、左第1移動レール244L上を転動した硬貨Cをさらに金種別の通路又は出口に振り分ける機能を有する。換言すれば、第1振分通路268L又は第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cをさらに横方向に案内、又は案内せずに自重により落下可能にする機能を有する。
左第2振分装置238Lは、左第2移動レール272L及び左第2ストッパ274Lを含んでいる。
本実施例において、左第2移動レール272Lは横向きに配置された左第2横軸276Lに中間を固定された左第2揺動板283Lの下端部を横向きに折り曲げて形成されている。
【0049】
左第2ストッパ274Lは、左第2横軸276Lから左第2揺動板283Lの反対側である上方に突出する左第2棒体282Lの上端から横向きに突出している棒体である。
左第2揺動板283Lは、常時スプリング等の付勢手段(図示せず)によって付勢され、左第3静止位置LSP3において静止している。
この状態において、左第2ストッパ274Lは左第2静止位置SP2Lに位置して左1円口202L及び左10円口206Lを塞がない。
左第2移動レール272Lが左第3静止位置LSP3に位置する場合、左第1振分通路268L及び左第2振分通路260Lの延長上の硬貨転動通路の底板を構成する。これにより、左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは当該左第2移動レール272L上を転動し、さらに横方向に到達する。
そして、左1円口202Lから転がりでる。
また、左第2振分通路268Lを転動してきた硬貨Cは、第2移動レール272L上を転動した後、左10円口206Lから転がり出る。
【0050】
左第2移動レール272Lが左第1アクチュエータ239Lによって左第3静止位置LSP3から左第3移動位置LMP3(図11)に移動された場合、左第2移動レール272Lは左第1振分通路268L又は左第2振分通路260Lの延長上の通路の底板を構成しない位置へ退避し、左第2ストッパ274Lは左第2静止位置SP2Lから左10円口206L及び左1円口202Lを塞ぐ左第2阻止位置LIP2へ移動する。
この状態において、まず左第2振分体242Lのみが左第2移動位置LMP2に移動された場合(図10(B))、左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは、左第2ストッパ274Lによって阻止されて左10円口206Lから出ることが出来ず、かつ、左第2移動レール272Lが存在しないので、その下方において垂下方向に延在する500円硬貨通路289Lに落下し、左500円口214Lから落下する。
この状態において、左第1振分体240Lも左第1移動位置LMP1へ移動された場合(図10(C))、左第2振分通路260Lを転動してきた硬貨Cは、左第2ストッパ274Lによって阻止されて左10円口206Lから転がり出ることが出来ず、かつ、左第2移動レール272Lが存在しないので、その下方において垂下方向に延在する第3振分通路294Lをさらに落下し第3振分装置292Lに達する。
【0051】
次に左第3振分装置292Lを説明する。
左第3振分装置292Lは、左第1振分通路268Lに振り分けられた硬貨Cであって、左10円口206Lへの移動を左第2ストッパ274Lによって阻止され、左第3振分通路294Lを落下する硬貨Cを振り分ける機能、換言すれば、上下方向に延在する通路に配置され、左物理センサ196Lによって検知された金種に基づいて左5円硬貨通路288L又は金庫通路304Lに振り分ける機能を有する。
左第3振分装置292Lは、ほぼ水平状態において時計又は反時計方向に回動可能な左第3横軸296L、当該左第3横軸296Lに下端部が固定され、上方に向かって延在する左第3揺動板298L、及び第4アクチュエータ299Lを含んでいる。
【0052】
左第3揺動板298Lは弾性的に一方向に回動力を付与され、第4アクチュエータ299Lが作動されない場合、弾性的に垂下方向に延在する5円硬貨通路288Lに連なるよう位置される。
この状態において、硬貨Cは左5円硬貨通路288Lを落下して、その下端の左5円口204Lから転がり出る。
第4アクチュエータ299Lが作動された場合、左第3揺動板298Lは垂下方向に延在する金庫通路304Lに接続するよう回動される。
この状態において、硬貨Cは金庫通路304Lへ案内され、左本体224Lの下部背面の左オーバーフロー口216Lから金庫(図示せず)へ落下する。
【0053】
次に左返却通路330Lを図6を参照して説明する。
左返却通路330Lは、左ドア228Lの下方に配置され、硬貨Cが自重によって自然落下(転動を含む)できるよう縦向きに形成された、断面スリット状の通路である。
即ち、スリットの寸法は、最大硬貨である500円が自由落下できる寸法に形成されている。
左返却通路330Lの下端の一部は左下向き斜面306Lに形成され、リジェクトされた硬貨Cを左返却口198Lに案内する。
これにより、左返却通路330Lを落下した硬貨Cは左返却口198Lから左第2返却通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを経由して左硬貨出金口122Lに戻される。
【0054】
次に硬貨通路装置146を図12乃至図16を参照して説明する。
硬貨通路装置146は左硬貨選別装置142L又は右硬貨選別装置142Rによって金種別出口に振り分けられた硬貨を、金種別の硬貨保留装置312に重力によって転動させつつ案内する機能を有する。
したがって、硬貨通路装置146は左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rによって構成されている。
本実施例においては、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは同一構成であり、左右対称に配置される。
換言すれば、図13に示すように、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは中間点M1に対し点対称に配置されている。
そして、左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rが共同して硬貨通路装置146を構成する。
左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rは同一構成なので、左硬貨通路装置146Lを代表して説明する。
【0055】
左硬貨通路装置146Lは、左硬貨選別装置142Lの金種別出口である左500円口214L、左100円口212L、左50円口208L、左10円口206L、左5円口204L、左1円口202L及び左オーバーフロー口216Lから排出された各硬貨Cを硬貨保留装置312に重力により金種別に案内する機能を有する。
換言すれば、各硬貨出口から排出された硬貨Cは、左硬貨通路装置146Lを自然落下(転動を含む)して硬貨保留装置312に達する。
左硬貨通路装置146Lは、硬貨Cが大凡垂直に落下する左垂立シュート部314L及び断面U形の樋状であり、硬貨Cが立った状態で自重により転動可能である左転動シュート部316L及び左ホルダ200Lにより構成されている。
具体的には、左ホルダ200Lの下側に左垂立シュート部314L、左ホルダ200Lの右側側面、すなわち、左硬貨選別装置142Lの右側面142LR、換言すれば、もう一方の右硬貨選別装置142Rに相対する面に左転動シュート部316Lの一端が固定されている。
しかし、左ホルダ200Lは必須の構成要件ではなく、左垂立シュート部314L及び左転動シュート部316Lを一体化可能であればよい。換言すれば、左垂立シュート部314L及び左転動シュート部316Lを一体的に固定レイアウト状態にするもの、例えば、ブラケットであってもよい。
更には、左垂立シュート部314Lが無くとも硬貨Cが金種別の保留装置に落下する場合には、左転動シュート部316Lのみ設けることで足りる。
【0056】
まず左垂立シュート部314Lが図13を参照して説明される。
左垂立シュート部314Lは、左硬貨選別装置142Lの下面に配置された左50円口208L、左100円口212L、左500円口214L及び左オーバーフロー口216Lから落下した硬貨Cをその下方に配置された硬貨保留装置312の対応する金種別の保留装置312へ案内する機能を有する。
左垂立シュート部314Lは、上下方向、すなわち、垂直に延在する4つの断面矩形の左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2及び左オーバーフロー通路326Lを含み、相対する右硬貨選別装置142R側から順に遠ざかる方向に並設された左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2、左100円通路322L及び左50円通路318Lが隣接並置されている。
左オーバーフロー通路326Lは左500円通路第1324L1と左500円通路第2324L2との間にサンドイッチされている。
換言すれば、左第一500円通路324L1の上面全体に対し左硬貨選別装置142Lの右側端部が相対し、左50円通路318L及び左100円通路322Lの中間に対し左硬貨選別装置142Lが相対する。
【0057】
また、これら左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2の側方、換言すれば図13において上側には、各通路の一部を構成する、左50円通路突出部319L、左100円通路突出部323L及び左第二500円通路324L2が形成されている。
したがって、左50円通路突出部319Lを含んだ左500円通路318L、左100円通路突出部323Lを含んだ左100円通路322L及び左第二500円通路324L2を含んだ左500円通路324Lは平面視縦長矩形に形成され、突出量は、左第二500円通路324L2、左100円通路突出部323L及び左50円通路突出部319Lの順に大きい。換言すれば、各突出部及び左第一500円通路2324L2は段階的に突出している。
【0058】
左50円通路318Lは、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における左50円突出部319Lの図13において上端部に左50円落下口318LMが構成され、その他の底面は50円硬貨50Cが重力により滑り落ちるように前下がりの斜面に形成された左50円傾斜面346Lが形成される。
左100円通路322Lは板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左100円落下口322LMが形成され、その他の底面は100円硬貨100Cが重力によって滑り落ちるよう前下がりの左100円傾斜面348Lに形成されている。
左500円通路324Lは、本実施例では左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2により構成されている。
左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2は板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、所定の間隔で並列されている。
換言すれば、左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2は断面矩形の垂立通路である。
本実施例においては、二つの垂立通路によって左500円通路342Lを構成したが、他の通路と同様に一つにすることができ、また、底面を前下がりの斜面にすることができる。
左オーバーフロー通路326Lは、本実施例において左第一500円通路342L1及び左第ニ500円通路342L2の間に配置され、平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、底面を前下がりの斜面にし、図13において右横方向側面にオーバーフロー落下口326LMが形成され、底面を滑り落ちてきた硬貨が当該口から後述のオーバーフロー金庫424に落下する。
【0059】
左50円通路318Lは、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における左50円突出部319Lの上端部に左500円落下口318LMが形成され、その他の底面は50円硬貨50Cが重力により滑り落ちる左50円傾斜面346Lが形成される。
左100円通路322Lは板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の中間部に左100円落下口322LMが形成され、その他の底面は100円硬貨100Cが重力によって滑り落ちる左100円傾斜面348Lが形成されている。
左第一500円通路325L1は、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左第一500円落下口324LM1が形成されている。
左第二500円通路325L2は、板金により平面視矩形筒形に形成され、上面は全面が開口され、下面は図13における上下方向の下端部に左第二500円落下口324lm2が形成されている。
【0060】
左50円通路318Lは奥行きが長さ50d、幅が長さ50Wの縦長矩形に形成されている。
左100円通路322Lは奥行きが左50円通路318Lの50dよりも短い長さ100dに、幅が長さ50Wよりも大きい100Wの縦長矩形に形成されている。
左第一500円通路324L1及び左第二500円通路324L2は、奥行きが100dよりも小さい500dに、幅は幅50Wよりも小さい500Wに形成されている。
詳細には、奥行きdは、左50円通路318Lが最も長く、続いて左100円通路322L、左第一500円通路324L1、左第二500円通路324L2の順に長い。
左50円通路318L、左100円通路322L及び左第一500円通路324L1は、それらの一側壁が第2直線L2上に配置され、対面する側壁は左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1の順に第2直線L2に近づくように設定されている。
【0061】
前述したように左硬貨選別装置142Lにおける、左50円通路318L、左100円通路322L、左第一500円通路324L1及びオーバーフロー通路326Lの上面開口は、左硬貨選別装置142Lの下面に配置された左50円口214L、左100円口212L、左第一500円口214L1の一部に面している。したがって、左50円通路突出部319L、左100円通路突出部323L及び左第ニ500円通路324L2の上面開口は左硬貨選別装置142Lの下面に面していない。
左オーバーフロー口216Lは左本体224Lの下部背面に配置されているので、物理的にはオーバーフロー通路326Lに面していないが、左オーバーフロー口216Lから落下した硬貨Cが左オーバーフロー通路326Lに落下するよう配置されている。
【0062】
左垂立シュート部314Lの正面(図13において下側)に左返却通路樋330Lが配置されている。
詳述すれば、左垂立シュート部314Lの正面側壁に断面U形であって、左硬貨出金口122L側に向かって前下がりの左返却通路樋330Lが固定されている。
これにより、左返却口198Lから落下した硬貨Cは、左返却通路樋330Lを転動した後、左リジェクト通路144Lを落下して左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0063】
次に右垂立シュート部314Rが図13を参照して説明される。
図13において、右垂立シュート部314Rは一点鎖線により表示してある。
右垂立シュート部314Rは基本的構造は左垂立シュート部314Lと同一であるが、各通路毎に設定される金種が右硬貨選別装置142Rの設定に適合するように設定される。
具体的には、左50円通路318Lに相対する通路は右1円通路318R、左100円通路322Lに相対する通路は右5円通路322R、及び左500円通路324Lに相対する通路は右10円通路324R及び左オーバーフロー通路326Lに相対する通路は右オーバーフロー通路326Rに設定されている。
【0064】
次に右硬貨選別装置142Rにおける硬貨出口が図8を参照して説明される。
右硬貨選別装置142Rは、構造的には左硬貨選別装置142Lと同一であるが、裏返しに配置され、かつ硬貨出口の金種は異なって設定されている。左硬貨通路装置146L及び右硬貨通路装置146Rの構造を簡単化し、硬貨ジャム発生防止、小型化及び低コスト化のためである。
換言すれば、右硬貨選別装置142Rは、中間点M1に対し左硬貨選別装置142Lと点対称をなしている。
詳述すれば、右硬貨選別装置142Rの下面142RUにおける左50円口208Lに相当する出口が右1円口202R、左100円口212Lに相当する出口が右5円口204R、左500円口208Lに相当する出口が右10円口206Rに設定され、左返却口198Lに相当する出口は同様に右返却口198Rに、及び左オーバーフロー口216Lに相当する出口が右オーバーフロー口216Rに設定されている。
左硬貨選別装置142Lの右側面142LRの左10円口206Lに相当する出口が右500円口214R、左5円口204Lに相当する出口が右100円口212R、及び左1円口202Lに相当する出口が右50円口208Rに設定されている。
【0065】
次に左転動シュート部316Lを説明する。
左転動シュート部316Lは、左硬貨選別装置142Lの側面に配置された左1円口202L、左5円口204L及び左10円口206Lから転がり出た硬貨Cが転動して対面する右硬貨選別装置142Rの右垂立シュート部314Rの真上に案内する機能を有する。
左転動シュート部316Lは、左1円転動シュート332L、左5円転動シュート334L及び左10円転動シュート336Lを含んでいる。
【0066】
左1円転動シュート332L、左5円転動シュート334L及び左10円転動シュート336Lは、硬貨Cが転動可能な断面スリット形の前下がりに傾斜する通路である。
本実施例において、これらシュートは図15に図示するように、大まかには4枚の板状体である左第1シュート板354L、左第2シュート板356L、左第3シュート板358L、左第4シュート板362L及び左垂立ガイド364Lによって構成される。
詳述すれば、左第1シュート板354Lは横方向に長く形成され、直角に折り曲げられた第1タブ366Lが左ホルダ200Lの側面に固定される。
左第1シュート板354Lの側方の上側に下端に長手方向に延在する左第1ガイドレール368Lを形成した左第2シュート板356Lをあてがうことにより、左第1ガイドレール368L、左第1シュート板354L及び左第2シュート板356Lにより囲まれ、下流端の下側に左第1落下口368Lに連なる前下がりの左第1シュート通路372Lが形成される。
左第2シュート板356Lにおいて直角に折り曲げられた左第2タブ370Lも左ホルダ200Lの側面に固定される。
【0067】
左第1シュート板354Lの他側の下側に断面チャンネル形の左第3シュート板358Lが固定される。
左第3シュート板358Lの上縁と下縁は直角に折り曲げられ、上縁は左第2ガイドレール374L、下縁は左第3ガイドレール376Lに形成してある。
左第3シュート板358Lの先端部上縁は、左第2ガイドレール374Lの延長線の下方において、左第4シュート板362側に向かって下向きの左傾斜面378Lに形成されている。
左第3シュート板358Lの背面に左第4シュート板362Lがあてがわれている。
換言すれば、左第2ガイドレール372L、左第1シュート板354Lの上部及び左第4シュート板362Lの上部で囲われた断面スリット形の左第2シュート通路382L、及び左第3ガイドレール376L、左第1シュート板354Lの下部及び左第3シュート板358Lで囲われた断面スリット形の左第3シュート通路384Lが形成される。
【0068】
左第4シュート板362Lの左第3タブ380Lも左ホルダ200Lの側面に固定される。
左傾斜面378Lに相対して断面チャンネル形の左垂立ガイド364Lが第1シュート板354Lの先端部に固定され、上下方向に延在する左第1垂下通路383Lが形成される。
したがって、左第3シュート通路384Lの下流端に連続して左第1垂下通路383Lが形成される。左第1垂下通路383Lは、左第3シュート通路384Lの一部である。
左第2シュート通路382Lの出口は、左傾斜面378Lの上流側上方に形成される。そして、左傾斜面378Lの下流側端面に密接して左垂立ガイド364Lの左側壁365Lが配置される。また、左第4シュート板362Lの下流端に直角をなすよう左第4タブ387Lを形成する。これら左側壁365L、左第4タブ387L及び左第3シュート板358Lによって、片面が解放された上下方向に垂立して延在する左第2垂下通路388Lを形成する。左第2垂下通路388Lの下端が左第2落下口386Lである。
左第1垂下通路383Lの下端が左第3落下口389Lである。
【0069】
左第1シュート通路372Lの上流側端面は、左1円口202Lに相対配置され、左第2シュート通路382Lの上流側端面は左10円口206Lに相対配置され、左第3シュート通路384Lの上流側端面は左5円口204Lに相対配置され、左ホルダ200Lの側面に固定される。詳細には、左ホルダ200Lに左1円口202L、左10円口206L及び左5円口204Lに相対して形成されたスリット開口を介して連通される。
換言すれば、本実施例において、左第1シュート通路372Lは1円硬貨1Cが転動し、左第1落下口387Lから落下する。
左第2シュート通路382Lは10円硬貨が転動し、左第2落下口386Lから落下する。
左第3シュート通路384Lは5円硬貨が転動し、左第3落下口385Lから落下する。
これら落下口は右垂立シュート部314Rの対応する金種通路の上方に配置される。
【0070】
換言すれば、左第1落下口387Lは右1円通路318Rの直上に配置され、左第1シュート通路372Lを転動した1円硬貨1Cは、左第1落下口387Lの真下に位置する右1円通路318Rに落下し、最終的に右1円落下口318RMから後述の1円硬貨ホッパ410-1に落下する。
左第2落下口386Lは右10円通路342R1の真上に配置され、左第2シュート通路382Lを転動した10円硬貨10Cは、左第2落下口383Lの真下に位置する右10円通路342Rに落下し、最終的に右10円落下口342RMから10円硬貨ホッパ410-10に落下する。
左第3落下口385Lは右5円通路322Rの真上に配置され、左第3シュート通路384Lを転動した5円硬貨5Cは、左第3落下口385Lの真下に位置する右第一5円通路322R1から5円硬貨ホッパ410-5に落下する。
【0071】
一方、右第1シュート通路372Rの入口は、右50円口208Rに相対配置され、右第2シュート通路382Rの入口は右500円口214Rに相対配置され、右第3シュート通路384Rの出口は右100円口212Rに相対配置される。
右第1シュート通路372Rの下流端に位置する右第1落下口368Rは、左50円通路318Lの真上に配置され、右第2シュート通路382Rの下流端に位置する右第2落下口386Rは、左第二500円通路324L2の真上に配置され、右第3シュート通路384Rの下流端に位置する右第3落下口389Lは左100円通路322Lの真上に配置される。
換言すれば、本実施例において、右第1シュート通路372Rは50円硬貨50Cが転動し、右第1落下口368Rから左50円通路318Lに落下し、最終的に左50円落下口318LMから50円硬貨ホッパ410-50に落下する。
右第2シュート通路382Rは500円硬貨500Cが転動し、右第2落下口386Rから左第二500円通路324L2に落下し、そして500円硬貨ホッパ410-500に落下する。
右第3シュート通路384Rは100円硬貨が転動し、右第3落下口389Rから左100円通路322Lに落下し、最終的に左100円落下口322LMから100円硬貨ホッパ410-100に落下する。
【0072】
これにより、左右一対の左硬貨選別装置142L及び右硬貨選別装置142Rの対面する側面に形成された硬貨出口から転動してくる硬貨Cは、前下がりに直線的に傾斜する各シュート通路を転動して対面する硬貨選別装置の下方に配置されている左垂立シュート部314L又は右垂立シュート部314Rによって金種別に集約され、それら左垂立シュート部314L又は右垂立シュート部314Rの真下に配置されている硬貨保留装置312に金種毎にバラ済み状態で保留される。
【0073】
次に共通部分134を説明する。
共通部分134は、左個別部分132L及び右個別部分132Rに対し共通という意味であり、硬貨保留装置312、共通シュート392、振分装置394及び出金ベルト396を含んでいる。
まず硬貨保留装置312を図17及び図18を参照して説明する。
硬貨保留装置312は、硬貨Cを金種別に保留すると共に保留した硬貨Cを一枚ずつ区分けして払出す機能を有する。
硬貨保留装置312は、例えば、筒形の保留ボウル402、保留ボウル402の底孔403に配置した通孔404を有する回転ディスク406、回転ディスク406によってその周方向に押し出される硬貨Cの弾き出し装置407、弾き出された硬貨Cを検知するカウントセンサ408、カウントセンサ408を通過した硬貨Cのための払い出し口409を含む硬貨ホッパ410である。
【0074】
詳述すれば、図17に示すように1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500が用いられる。これら硬貨ホッパは、基本的に同一構成であるが、保留する硬貨の直径に適合するよう通孔404の直径がそれぞれ異なる。
そして、上記ホッパは所定の間隔で二列に並列配置されている。
詳述すれば、1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10が右硬貨選別装置142Rの下方に右ホッパ列412Rとして直線L4に沿って一列に、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500が左硬貨選別装置142Lの下方に左ホッパ列412Lとして直線L3に沿って一列に配置されている。
【0075】
1円用硬貨ホッパ410-1〜500円用硬貨ホッパ410-500は、図3に示すように出金装置ボックス414上に固定されている。
出金装置ボックス414は対面式硬貨処理装置100の硬貨筐体123内からスライドレール416によって引き出し可能に配置される。硬貨ホッパ410-1〜410-500等のメンテナンスや交換の便宜のためである。
【0076】
左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rは対向するホッパ列に向かって硬貨Cを払い出すよう弾き出し装置407が所定の間隔で向かい合って設定される。
これら左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rとの間には、オーバーフロー保留装置422たる箱形のオーバーフロー金庫424が着脱自在又はそれらの間から引き出し可能に配置される。オーバーフロー金庫424内の硬貨Cを回収し易くするためである。
【0077】
次にオーバーフロー金庫424が図17及び図19を参照して説明される。
オーバーフロー金庫424は矩形箱形であり、上面426の全面が開口されている。オーバーフロー金庫424の端部に取扱用のハンドル428が取り付けられている。オーバーフロー金庫424の、引き出しの便宜のためである。
左オーバーフロー口216Lから落下する硬貨Cは、左オーバーフロー通路326Lの底面上を滑落して、図13において右側端面の硬貨出口から及び右オーバーフロー口216Rから落下する硬貨Cは右オーバーフロー通路326Rの底面上を滑落して図13において左側端面の硬貨出口からオーバーフロー金庫424に落下する。
左右のオーバーフロー通路326L、236Rは、1円〜500円硬貨1C〜500Cを案内するので、何れの硬貨Cも硬貨ジャムを生じないようにその大きさが設定される。
【0078】
次に共通シュート392が図20を参照して説明される。
共通シュート392は、漏斗形に形成され、1円用の硬貨ホッパ410-1、5円用の硬貨ホッパ410-5、10円用の硬貨ホッパ410-10、50円用の硬貨ホッパ410-50、100円用の硬貨ホッパ410-100及び500円用の硬貨ホッパ410-500から払い出された硬貨1C〜500Cを所定位置に、具体的にはその下方に配置された振分装置394に案内する機能を有する。
本実施例において、共通シュート392は、第1サイドプレート432、第2サイドプレート434、第3サイトプレート436、第4サイドプレート438、第1傾斜板442、第2傾斜板444、及びトップカバ446によって構成されている。
【0079】
横長T形の第1サイドプレート432と第2サイドプレート434の間に、傾斜面が対面配置され、かつ、中間から下方が幅W2(第2傾斜板444のみ図示)の狭幅部448に形成された第1傾斜板442及び第2傾斜板444の狭幅部448をそれらで挟み込んでサンドイッチし、かつ、前記傾斜下端が所定の間隔で配置されることにより漏斗部454を構成し、当該傾斜下端間に落下口456が構成された漏斗体458を構成する。
第1傾斜板442及び第2傾斜板444の上端部の第1垂立部474及び第2垂立部476は第1サイドプレート432及び第2サイドプレート434の上方に突出している。
トップカバ446は、下面が解放された矩形箱形に形成され、第1短辺部478及び第2短辺部482を第1垂立部474及び第2垂立部476の外側に位置させて着脱可能に被せる。
【0080】
漏斗体458にトップカバ446を被せた状態が共通シュート392である。
トップカバ446の長手方向の側面下部に所定間隔で下向きの第1凹溝484、第2凹溝486及び第3凹溝488が形成され、図示されていないが対面する側面にも三つの凹溝が形成されている。
共通シュート392は、左ホッパ列412Lと右ホッパ列412Rとの間であって、かつ、オーバーフロー金庫424の下方に配置される。
【0081】
具体的には、横長であってその長手方向において所定間隔で横長の第1開口492、第2開口494、及び第3開口496が形成された第3サイドプレート436、及び、第3サイドプレート436と同様に第4開口493、第5開口495、及び第6開口497が形成された第4サイドプレート438が出金装置ボックス414の上面に所定の間隔で平行に固定される。
第1開口492、第2開口494、及び第3開口496には左ホッパ列412Lの硬貨ホッパ410-50、410-500、410-100のための給電及び通信用コネクタが装着される。
第4開口493、第5開口495、及び第6開口497には、右ホッパ列412Rの硬貨ホッパ410-5、410-10、410-1のための給電及び通信用コネクタが装着される。
共通シュート392は、その第1サイドプレート432が第3サイドプレート436に、第2サイドプレート434が第4サイドプレート438に挟まれて所定の取付位置に保持される。
【0082】
共通シュート392が取付位置に保持された場合、第1凹溝484は、右ホッパ列412Rの1円硬貨ホッパ410-1の払い出し口409、第2凹溝486は10円硬貨ホッパ410-10の払い出し口409、及び第3凹溝488は5円硬貨ホッパ410-5の払い出し口409に相対している。
第1凹溝484、第2凹溝486及び第3凹溝488に相対して形成された他側の凹溝は、左ホッパ列412Lの100円硬貨ホッパ410-100の払い出し口409、500円硬貨ホッパ410―500の払い出し口409、及び50円硬貨ホッパ410-50の払い出し口409に相対配置されている。
したがって、1円硬貨ホッパ410-1〜500円硬貨ホッパ410-500から払い出される硬貨1C〜500Cは、漏斗部454へ払い出され、第1傾斜板442又は第2傾斜板444上を滑り落ちる過程で集約されて落下口456から振分装置394に落下する。
【0083】
次に振分装置394を図4及び図21を参照して説明する。
振分装置394は、共通シュート392の落下口456から落下する硬貨Cを滑り台式に払い出すべき左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122R側へ案内する機能を有する。出金ベルト396の走行のみよって、硬貨Cを左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122Rへ速やかに出金できる場合、振分装置394は必須の装置ではない。しかし、振分装置394を設けた場合、一層速やかに出金できることが実験により確認されている。
振分装置394は、振分板502、スプリング504、アクチュエータ506及び第1ストッパ508、第2ストッパ512を含んでいる。
【0084】
振分板502は、矩形板状であり、中間から左ホッパ列412L及び右ホッパ列412Rに沿って回動軸514が突出している。
回動軸514は、出金ベルト396の上方において、水平、かつ、回転自在に軸受(図示せず)に支持されている。
回動軸514に対し横方向に延在してレバー516が固定され、当該レバー516には一端を固定部に係止されたスプリング504が係止され、振分板502が所定方向に回転するよう弾性的に付勢されている。
本実施例においては、図21において反時計方向、換言すれば、左硬貨出金口122L側に下向き傾斜するよう付勢されている。
振分板502は第1ストッパ508によってその左側先端502Lが出金ベルト396の上側ベルト396Uの上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい隙間を有するよう係止される。
【0085】
アクチュエータ506は、右硬貨出金口122Rに硬貨Cを搬送する場合に作動され、振分板502をスプリング504の付勢力に反して回動軸514回りに回動させる。
この回動は、第2ストッパ512によって、振分板502の右側先端502Rが出金ベルト396の上面との距離が最薄硬貨Cの厚みよりも小さい間隔を有するよう係止される。
しがたって、アクチュエータ506の作動が中止された場合、スプリング504の付勢力によって振分板502が回動され、第1ストッパ508によって係止された待機状態になる。
アクチュエータ506は、制御装置174によって選択的に作動される。
【0086】
次に出金ベルト396が説明される。
出金ベルト396は、共通シュート392から落下した硬貨Cを左硬貨出金口122L又は右硬貨出金口122Rへ選択的に搬送する機能を有する。
出金ベルト396は左硬貨出金口122L及び右硬貨出金口122Rの近傍に配置された左ローラ518Lと右ローラ518Rとの間に張設された平ベルトである。
出金ベルト396の上側ベルト396Uの下側中間にガイドローラ520を配置し、上側ベルト396Uが中央において最も高くなるようにしている。
換言すれば、上側ベルト396Uは、その頂部が回動軸514の真下に位置するよう山形に設けられる。
【0087】
上側ベルト396Uの直下には板金製板状の左ベルトガイド522L、右ベルトガイド522Rがそれぞれ配置され、上側ベルト396Uの撓みを防止している。上側ベルト396Uの撓みによって、硬貨Cがバウンドして出金が迅速に行われないことを防止するためである。
右ローラ518Rに正逆転モータ524が駆動連結され、制御装置174によって選択的に正転、逆転又は停止される。
正逆転モータ524が正転された場合、例えば上側ベルト396Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行し、逆転された場合右硬貨出金口122Rへ向かって進行するよう設定される。
【0088】
さらに、アクチュエータ506が作動されない場合、正逆転モータ524は正転される。
換言すれば、共通シュート392から落下した硬貨Cが振分板502上を左硬貨出金口122Lに向かって滑り落ちた場合、出金ベルト396の上側ベルト396Uは左硬貨出金口122L側へ進行する。
アクチュエータ506が作動された場合、振分板502は右硬貨出金口122R側へ傾斜し、共通シュート392から落下した硬貨Cは、右硬貨出金口122R側へ滑り落ち、さらに上側ベルト396Uは右硬貨出金口122R側へ進行する。
振分装置394及び出金ベルト396は、出金装置ボックス414内に内臓される。
【0089】
次に左硬貨出金口122Lが図4を参照して説明される。
左硬貨出金口122Lは、左リジェクト通路144L又は出金ベルト396によって送り出された硬貨Cを受入れて、保留する機能を有する。
左硬貨出金口122Lは、例えば、左側硬貨釣銭機128Lの筐体の垂立前面が解放された洞穴形に形成され、顧客が当該開口から手先を左硬貨出金口122Lに挿入して取り出し易いように配置されている。
右硬貨出金口122Rも左硬貨出金口122Lと同様に構成されている。
【0090】
次に制御装置174を説明する。
制御装置174は、硬貨処理装置120のための制御装置であって、自動精算機104の上位制御装置(図示せず)からの制御信号、左硬貨センサ160Lからの左硬貨センサ160Lからの検知信号CSL、右硬貨センサ160Rからの検知信号CSRを受け、左逆転ローラ駆動モータ184L、右逆転ローラ駆動モータ184R、左揚送駆動モータ166L、右揚送駆動モータ166R、硬貨ホッパ410-1〜410-500の駆動モータ、アクチュエータ506及び正逆転モータ524等の回転・停止を制御することによって前記のように各機器に所定の機能を発揮させる機能有し、例えばマイクロプロセッサによって構成される。
【0091】
次に図22を参照して硬貨処理装置120の制御装置174と左硬貨選別装置142Lの左制御装置532L及び右硬貨選別装置142Rの右制御装置532Rとの制御システムについて説明する。
まず左右の制御装置532L、532Rを説明する。左制御装置532Lと右制御装置532Rは同一構成であるので、左制御装置532Lを代表して説明し、右制御装置532Rには同一符号のLをRに替えて付し、詳細説明を省略する。
【0092】
左制御装置532Lは左マイクロプロセッサ534L、左ROM536L、左RAM538L、左入力インターフェース542L、及び左出力インターフェース574Lを含んでいる。
左マイクロプロセッサ534Lは、左ROM536Lに記憶されたプログラムに基づいて、左物理センサ196L、左正貨通過センサ546L、左1円通過センサ548L、左5円通過センサ552L、左10円通過センサ554L、左50円通過センサ556L、左100円通過センサ558L、左500円通過センサ562L及び左オーバーフロー通過センサ563Lからの出力を受けて左RAM538Lに一時的に記憶しつつ所定の処理を行い、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299L及び左第5アクチュエータ249Lを制御する。
【0093】
左物理センサ196Lは前述したので、まず、左正貨通過センサ546Lを説明する。
左正貨通過センサ546Lは、左物理センサ196Lを通過し、左第1振分装置236Lの直前の左転動通路190Lを通過する硬貨Cを検出して左正貨通過信号LTPSを出力し、左返却通路330Lに案内される硬貨は検知しない機能を有する。
左正貨通過センサ546Lは、本実施例において透過形光電センサであって、左本体224L側に左第1投光体562L1及び左第1受光体564L1を配置し、左ドア228L側に左第1プリズム566L1を配置し、左第1投光体562L1から左第1プリズム566L1及び左第1プリズム566L1から左第1受光体564L1への光軸が左第1振分体240L及び左第2振分体242Lの先端下方の左転動通路190Lを横断するように配置されている。
したがって、硬貨Cが左転動通路190Lを転動して左第1振分装置236Lに到達する直前に前記光軸を遮断するため、左正貨通過センサ546Lは正貨通過信号LTPSを出力する。
【0094】
次に左1円通過センサ548Lを説明する。
左1円通過センサ548Lは、透過形光電センサであって、左1円口202Lの直前の硬貨通路を光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左1円通過センサ548Lは左本体224L側に配置した左第2投光体562L2及び左第2受光体564L2を配置し、反対側に左第2プリズム566L2を配置して構成されている。左1円通過センサ548Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、1円硬貨1Cによって光軸を遮断された場合、左1円通過信号L1PSを出力する。
【0095】
次に左5円通過センサ552L、左10円通過センサ554L及び左500円通過センサ562Lを説明する。
本実施例において、これらセンサは共通の左共通通過センサ568Lが用いられる。
即ち、左共通通過センサ568Lは、透過形光電センサであって、左第1振分通路268Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左共通通過センサ568Lは左第3投光体548L3及び左第3受光体552L3を配置し、反対側に左第3プリズム554L3を配置して構成されている。左共通通過センサ568Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、硬貨Cによって光軸を遮断された場合、落下信号LCPSを出力する。
【0096】
次に左50円通過センサ556Lを説明する。
左50円通過センサ556Lは、透過形光電センサであって、左50円口208Lの直前の左50円硬貨通路262Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左50円通過センサ556Lは左第4投光体562L4及び左第4受光体564L4を配置し、反対側に左第4プリズム566L4を配置して構成されている。左50円通過センサ556Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、50円硬貨50Cによって光軸を遮断された場合、左50円落下信号L50PSを出力する。
【0097】
次に左100円通過センサ558Lを説明する。
左100円通過センサ558Lは、透過形光電センサであって、左100円口212Lの直前の左100円硬貨通路286Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左100円通過センサ558Lは左第5投光体562L5及び左第5受光体564L5を配置し、反対側に左第5プリズム566L5を配置して構成されている。左100円通過センサ558Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、100円硬貨100Cによって光軸を遮断された場合、左100円落下信号L100PSを出力する。
【0098】
次に左オーバーフロー通過センサ563Lを説明する。
左オーバーフロー通過センサ563Lは、透過形光電センサであって、左オーバーフロー口216Lの直前のオーバーフロー硬貨通路304Lを光軸が横断するように配置されている。
本実施例において、左オーバーフロー通過センサ563Lは第6投光体562L6及び第6受光体564L6を配置し、反対側に第6プリズム566L6を配置して構成されている。左オーバーフロー通過センサ563Lの作用は左正貨通過センサ546Lと同一であるが、オーバーフロー硬貨OCによって光軸を遮断された場合、左オーバーフロー落下信号LOPSを出力する。
【0099】
上記各通過センサは、本実施例では何れも透過形の光電センサである。しかし、同機能を有する、反射型光電センサ又は機械式センサ等に変更することができる。
左物理センサ196L、左正貨通過センサ546L、左1円通過センサ548L、共通通過センサ568L、左50円通過センサ556L、左100円通過センサ558L、及び左オーバーフロー通過センサ563Lからの出力信号は、左入力インターフェース542Lを経由して左マイクロプロセッサ534Lに読み込まれる。
【0100】
硬貨処理装置120の制御装置174からの左位置信号ライン573Lからの位置信号IDは「左」を意味する「0」が左入力インターフェースを介して左マイクロプロセッサ534Lに出力される。
また、左シリアル通信ライン572Lを介して左主制御信号LCSも、左入力インターフェース542Lを経由して左マイクロプロセッサ534Lに読み込まれる。
位置信号ID、すなわち左位置信号IDたる「0」は、制御装置174が左硬貨選別装置142Lであることを指定するための信号であって、制御装置174は左位置信号IDの「0」を連続して出力している。
本実施例の場合、位置信号IDは左が「0」(ゼロ)であり、右が「1」に設定されている。
換言すれば、左硬貨選別装置142Lの位置信号IDは、「0」(ゼロ)であり、右硬貨選別装置142Rの位置信号IDは、「1」である。
【0101】
左制御装置532Lが左位置信号IDである「0」を受信した場合、左マイクロプロセッサ534Lは左ROM536Lに記憶されているプログラムに基づいて左硬貨選別装置142Lとして機能するように制御する。換言すれば、位置信号IDが「0」の場合、左硬貨選別装置142Lとして機能するよう左マイクロプロセッサ534Lは制御し、位置信号IDが「1」の場合、右硬貨選別装置142Rとして機能するよう右マイクロプロセッサ534Lは制御する。
さらに換言すれば、金種別の硬貨出口が前述した硬貨出口になるように、左第1アクチュエータ239L〜左第5アクチュエータ249Lを制御する。すなわち、左第1振分装置236L、左第2振分装置238L及び左第3振分装置292Lを、左硬貨選別装置142Lとして設定された金種別の硬貨出口から所定の金種が排出されるように制御する。
要するに、一の硬貨選別装置を左側硬貨釣銭機128Lに装着した場合、左硬貨選別装置142Lとして機能し、右側硬貨釣銭機128Rに装着した場合、右側硬貨選別装置142Lとして機能する。
【0102】
左制御装置532Lが硬貨処理装置120の制御装置174から左主制御信号LCSを受信した場合、左マイクロプロセッサ534Lは左硬貨選別装置142Lに受け入れた硬貨Cを全て返却する処理を行う。具体的には、左第5アクチュエータ249Lを作動させず、第2振分体242Lを第2静止位置LSP2に保持する(図10(A)の状態)機能を有する。
したがって、制御装置174から左シリアル通信ライン572Lから左主制御信号LCSが出力されている場合、左受入口152Lに投入された硬貨Cは、第2振分体242Lが第2静止位置LSP2に位置するため、正貨であっても左返却口198Lを経由して左硬貨出金口122Lへ戻される。
例えば、オーバーフロー金庫424が満杯の場合、左主制御信号LCSが出力され、新たに投入された硬貨Cは正貨であっても受け入れられない。満杯による不測の不利益を防止するためである。
【0103】
次に左出力インターフェース574Lを説明する。
左出力インターフェース574Lは、左マイクロプロセッサ534Lからの指令を受けて左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299L及び左第5アクチュエータ249Lの作動を選択的に制御し、硬貨処理装置120において必要な左情報LNIを左出力通信ライン576Lを介して制御装置174に出力する。
換言すれば、左マイクロプロセッサ534Lから作動指令を受けた場合、各左アクチュエータが選択的に作動され、それによって各振分体等は選択的に移動される。
【0104】
次に正貨が投入された場合の左第1アクチュエータ239L〜左第5アクチュエータ249L及び左正貨通過センサ546L、左共通通過センサ568L、左1円センサ548L、100円通貨センサ558L及びオーバーフロー通過センサ578Lの作用を図23を参照して説明する。
【0105】
左物理センサ196Lが1円硬貨1Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249Lが作動され、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第2振分通路260Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第2振分通路260Lから退出するので、1円硬貨1Cは左第2振分通路260Lを転動して左1円口202Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは1円硬貨1Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰させられる。
また、左1円通過センサ548Lが1円硬貨1Cの通過を検知し、1円通過信号L1TPを出力し、この信号に基づいて、左第2アクチュエータ279Lが不作動にされ、左第1移動レール244L1が左第1通過位置LTP1に、左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左1円通過信号L1TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0106】
左物理センサ196Lが5円硬貨5Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第2振分通路260Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第2振分通路260Lから退出するので、5円硬貨5Cは左第1振分通路268Lを転動する。
さらに、左第1アクチュエータ239Lが作動して左第2移動レール272Lが、左第3移動位置LMP3に移動して左第1振分通路268Lの底板を外れ、かつ、左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2へ移動して左10円口206Lを閉止する。しかし、左第4アクチュエータ299Lは作動されないので左5円硬貨通路288Lを転動して左5円口204Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは5円硬貨5Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが5円硬貨5Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力し、この信号に基づいて左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L及び左第3アクチュエータ247Lが非作動にされ、左第1振分体240L、左第2振分体242L、左第2移動レール272L及び左第2ストッパ274Lが、それぞれ待機状態に戻される。また、共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨額の加算を行う。
【0107】
左物理センサ196Lが10円硬貨10Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動され、かつ、左第2アクチュエータ279Lが作動されて第1移動レール244Lが左第1振分通路268Lの底板を構成し、左第1ストッパ246Lが左第1振分通路268Lから退出するので、10円硬貨10Cは左第1振分通路268Lを転動する。
そして、左第2移動レール272L上を転動し、左10円口206Lから転がり出る。
左正貨通過センサ546Lは10円硬貨10Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが10円硬貨10Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力する。この信号LCTPに基づいて、左第3アクチュエータ247L及び左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、左第1振分体240Lが左第1静止位置LSP1に、左第1移動レール244L1が左第1通過位置LTP1に、左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左共通通貨センサ568Lからの左共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0108】
左物理センサ196Lが50円硬貨50Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L及び左第3アクチュエータ247Lが作動され、左第2振分体242L及び左第1振分体240Lが左第2移動位置LMP2及び左第1移動位置LMP1に移動される。しかし左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に、かつ左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に位置するので、50円硬貨50Cは左50円硬貨通路262Lに案内され、左50円口208Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは50円硬貨50Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左50円通過センサ556Lが50円硬貨50Cの通過を検知すると、左50円通貨センサ556Lが左50円通過信号L50TPを出力する。この信号L50TPに基づいて、左第3アクチュエータ247Lが非作動にされ、左第1振分体240Lが左第1静止位置LSP1に移動され、待機状態に復帰する。また、左50円通過信号L50TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0109】
左物理センサ196Lが100円硬貨100Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249Lが作動され、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動される。しかし左第1移動レール244Lは左第1通過位置LTP1に、かつ左第1ストッパ246Lが左第1阻止位置LIP1に位置するので、100円硬貨100Cは左100円硬貨通路286Lに案内され、左100円口212Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは100円硬貨100Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249L、が非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に移動され、待機状態に復帰する。
また、左100円通過センサ558Lが100円硬貨100Cの通過を検知すると、左100円通過信号L100TPを出力する。左100円通過信号L100TPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0110】
左物理センサ196Lが500円硬貨500Cを判別した場合、左第5アクチュエータ249L、左第2アクチュエータ279L及び左第1アクチュエータ239Lが作動され、左第1振分体240Lが左第1移動位置LMP1に、左第2振分体242Lが左第2移動位置LMP2に移動され、さらに左第1移動レール244Lが左第1案内位置LGP1に移動されて振分通路260Lの底板を構成し、かつ、左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2へ移動し、左10円口206Lを塞ぐ。これにより、500円硬貨500Cは左第1移動レール244L1上を転動した後、左500円硬貨通路324Lを通って、左500円口214Lから落下する。
左正貨通過センサ546Lは500円硬貨500Cを検知し、左通過信号LTPSを出力する。左通過信号LTPSから所定時間後に左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に復帰する。
また、左共通通過センサ568Lが500円硬貨500Cの通過を検知すると、共通通過信号LCTPを出力し、この信号に基づいて、左第1アクチュエータ239L及び左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、それぞれ待機状態に戻される。また、左共通通過信号LCTPに基づいて、左マイクロプロセッサ534Lは入金硬貨の加算を行う。
【0111】
左マイクロプロセッサ534Lは、制御装置174の指令により、左出力通信ライン576Lを介して受入金種別の数量等の情報を出力する。換言すれば、受け入れた硬貨の総額を出力する。
【0112】
制御装置174は、右位置信号ライン573Rを介して右制御装置532Rのための位置信号IDたる「1」を出力する。
右制御装置532Rにおいては、位置信号IDの「1」に基づいて、第1アクチュエータ239L、第2アクチュエータ279L、第3アクチュエータ247L、第4アクチュエータ299L及び第5アクチュエータ249Lを作動させ、右投入口152Rに投入された硬貨Cを前述の右硬貨選別装置142Rにおける金種毎の硬貨出口に案内する。
【0113】
次に本実施例の作用を図24及び図25のフローチャートをも参照して説明する。
まず、第1壁面112A側の左側硬貨釣銭機128Lを使用するケースを説明する。
セルフ式ガソリンスタンド102に来場した顧客は、所定位置に車を停止させた後、精算機104の左側硬貨釣銭機128L側の左紙幣投入口114L又は左硬貨投入口118Lに紙幣又は硬貨Cを投入する。
その後、顧客は給油量を決定し、例えば「満タン」を指定し、給油を開始する。
満タンになると、給油量に応じた対価が計算され、投入額との差額が、釣銭として左紙幣返却口116L又は左硬貨出金口122Lに払い出される。
【0114】
まず、左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合を説明する。
左硬貨投入口118Lに硬貨Cが投入された場合、左硬貨センサ160Lが硬貨Cを検知し、検知信号CSLを硬貨処理装置120の制御装置174へ出力する。
制御装置174は、逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送電動モータ166Lに対し駆動信号を出力する。
これにより、左逆転ローラ駆動モータ184L及び左揚送電動モータ166Lは所定方向に所定の速度で回転を開始する。
【0115】
硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、左逆転ローラ182Lの回転によって一枚の硬貨Cが通過した後、二枚目の硬貨Cは左大径部188Lによって左硬貨投入口118L側へ押し戻され、次に左小径部192Lが左投入通路180Lに相対したときに左螺旋装置154L側へ向けて通過する。
したがって、硬貨Cが連続して転動してきた場合であっても、時間的に所定の間隔を空けられる。
よって、硬貨Cは左螺旋突条172Lの間に一枚ずつ保持されて順次揚送される。
【0116】
左螺旋突条172Lによって揚送された硬貨Cが左投入シュート158Lの入口に相対した場合、左螺旋突条172Lの傾斜によって左投入シュート158Lへ転動し、その先端から左受入口152Lへ落下する。
【0117】
左受入口152Lへ落下した硬貨Cは、左転動通路190Lを転動する過程において、左物理センサ196Lによって物理的性質が検知される。
そしてステップS1において受け入れ可否の判別を行い、受け入れしない場合、すぐさま処理を終了し、受け入れる場合、ステップS2へ進む。受け入れしない場合とは、制御装置174から左シリアル通信ライン572Lを介して受け入れしない指令を受けている場合である。例えば、オーバーフロー金庫424が満杯の場合、制御装置174は満杯によるトラブルを防止するため、新たな硬貨Cを受け付けない。これにより、第5アクチュエータ249Lが作動されないので、左第1振分装置236Lの左第1振分体240L及び左第2振分体242Lは左第1静止位置LSP1及び左第2静止位置LSP2に静止した状態であるので、硬貨Cは左第2振分体242Lによって、左返却通路330Lに案内されて左返却口198Lから落下し、左返却通路樋329L及び左リジェクト通路144Lを自然落下して左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0118】
ステップS1において投入硬貨Cを受け入れる場合、ステップS2において正貨TCであるか偽貨FCであるか判別し、偽貨FCである場合、ステップS3へ進み、正貨TCである場合ステップS4へ進む。
ステップS3において、非受け入れ信号RJSを出力し、ステップS5へ進む。
ステップS5において所定時間T1経過したか判別し、所定時間T1を経過した場合処理を終了し、所定時間T1を経過しない場合ループする。これにより、第5アクチュエータ249Lが作動されないので、所定時間T1の間、前述のように偽貨FCは左硬貨出金口122Lへ戻される。
【0119】
正貨TCに判別された場合、ステップS4において、左第5アクチュエータ249Lが作動された後、ステップS6へ進む。これにより、左第2振分体242が左第2移動位置LMP2に移動されるので、正貨TCは返却されることはなく、判別された金種に対応して選択的に各アクチュエータが作動され、左1円口202L、左5円口204L、左10円口206L、左50円口208L、左100円口212L又は左500円口214Lに案内される。
【0120】
すなわち、ステップS6において1円であるか判別され、1円でない場合、ステップS7へ進み、1円である場合ステップS8へ進む。
ステップS8において、1円用硬貨ホッパ410-1が満杯であるか判別し、満杯でない場合ステップS9へ進み、満杯の場合ステップS10へ進む。
ステップS9において、制御装置174から左位置信号ライン573Lを介して左制御装置532Lに対する位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」でない場合、ステップS10へ進み、「1」である場合、ステップS12へ進む。すなわち、ステップS9において、位置情報IDに基づいて、右硬貨選別装置142R又は左硬貨選別装置142Lとして機能させるかを判別している。
本実施例においては、位置信号IDが「0」であるので、左硬貨選別装置142Lになるよう、各アクチュエータが作動される。
本実施例においては、左位置信号ライン573Lに出力される位置信号IDは「0」であるので、各アクチュエータは、左硬貨選別装置142Lとして機能するよう制御される。
【0121】
ステップS11において第2アクチュエータ279Lを作動して後ステップS12へ進む。第2アクチュエータ279Lの作動によって第1移動レール244Lが第左第1案内位置LGP1へ移動されると共に左第1ストッパ246Lが第2振分通路260Lから退出する。これにより、1円硬貨1Cは第2振分通路260Lを転動し、さらに左第2移動レール272L上を転動して左1円口202Lから転がり出る。
【0122】
ステップS13において、左正貨通過センサ546Lから左正貨通過信号LTPSが出力されたか判別し、左正貨通過信号LTPSが出力された場合、ステップS14へ進み、出力されない場合、ステップS15へ進む。換言すれば、ステップS13において硬貨Cが第1振分装置236Lを通過したか判別する。左第2振分体242Lを待機位置たる左第2静止位置LSP2に戻し、連続して転動してくる硬貨Cを返却するためである。
【0123】
ステップS15において、左物理センサ196Lの出力後所定時間T2内であるか判別し、所定時間T2以内である場合、ステップS13へ戻る。
ステップS15において、所定時間T2を超えた場合、ステップS16へ進む。
ステップS16において、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例においては、作動している左第5アクチュエータ249Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2の待機位置に戻して処理を終了する。換言すれば、左物理センサ196Lからの金種判別後、所定時間T2内に左正貨通過信号LTPSが出力されない場合、1円硬貨1Cが左転動通路190Lにおいて停止してしまった(ジャム)ものと判断し、処理を終了する。すなわち、ステップS15は異常発生を判別しており、第1異常処理EP1をしているといえる。
【0124】
ステップS14において、左第5アクチュエータ249Lを非作動にした後、ステップS17へ進む。左第5アクチュエータ249Lが非作動にされることにより、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2に戻され、連なって転動してくる後続の硬貨Cを左返却通路330Lへ戻し、同一の硬貨出口から転がり出ないようにする。
【0125】
ステップS17において、オーバーフロー金庫424が指定されているか判別し、指定されている場合、ステップS18へ進み、指定されていない場合、ステップS19へ進む。
ステップS19において500円硬貨500Cであるか判別され、500円硬貨500Cである場合、ステップS20へ進み、500円硬貨500Cでない場合ステップS21へ進む。
ステップS21において100円硬貨100Cであるか判別され、100円硬貨100Cである場合、ステップS22へ進み、100円硬貨100Cでない場合、ステップS23へ進む。
ステップS23において、50円硬貨50Cであるか判別され、50円硬貨50Cである場合、ステップS24へ進み、50円硬貨50Cである場合、ステップS25へ進む。
【0126】
ステップS25において、10円硬貨10Cであるか判別され、10円硬貨10Cである場合、ステップS26へ進み、10円硬貨10Cでない場合、ステップS27へ進む。
ステップS27において、5円硬貨5Cであるか判別され、5円硬貨5Cである場合、ステップS28へ進み、5円硬貨5Cでない場合、ステップS29へ進む。
ステップS29において、位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」である場合ステップS30へ進み、「1」でない場合ステップS31へ進む。
本事例では、1円硬貨1Cであるので、ステップS19、S21、S23、S25及びS27の何れの金種にも該当せず、かつ、ステップS29における位置信号IDは、「0」であるから何れにも該当せず、ステップS31の処理がなされる。
すなわち、ステップS31において、左共通通過センサ568Lからの共通通過信号LCPSがない場合、ステップS32へ進み、共通通過信号LCPSがある場合、ステップS33へ進む。
【0127】
ステップS33において、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例では1円硬貨1Cであるので、左第2アクチュエータ279Lを非作動にした後、ステップS34へ進む。ステップS33の処理は、各アクチュエータを待機状態にする処理であり、待機処理SPである。
【0128】
ステップS33において、1円カウンタを「1」にしてカウントアップして処理を終了する。
換言すれば、1円硬貨1Cが投入された場合、ステップS1、S2、S4、S6、S8、S9、S11、S13、S14、S17、S19、S21、S23、S25、S27、S29、S31及びS33の処理によって、左1円口202から転がり出る。
【0129】
ステップS32において左物理センサ196Lの出力から所定時間T3を超えたか判別し、超えない場合、ステップS17へ戻り、所定時間T3を超えた場合、ステップS16へ進み、前述のように左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左第3アクチュエータ247L、左第4アクチュエータ299Lを非作動にする。本事例においては、作動している左第2アクチュエータ279Lが非作動にされ、左第2振分体242Lが左第2静止位置LSP2の待機位置に戻されて処理を終了する。換言すれば、左物理センサ196Lからの金種判別後、所定時間T3内に左1円通過信号L1PSが出力されない場合、1円硬貨1Cが左転動通路190Lにおいて停止してしまった(ジャム)ものと判断し、処理を終了する。すなわち、ステップS32は異常発生を判別しており、第2異常処理EP2をしているといえる。
【0130】
上記から明らかなように、ステップS19、S20、S21、S22、S23、S24、S25、S26、S27、S28及びS29は、左硬貨選別装置142L又は右硬貨選別装置142Rとして作動させるかを位置信号IDによって判別する、左右判別処理DS1をしている。
硬貨通過信号、本事例ではステップS31及びステップS34によって、受け入れた硬貨Cのカウントアップ処理CPを行っている。
【0131】
ステップS12において、位置信号IDが「1」である場合、換言すれば右硬貨選別装置142Rに設定される場合、ステップS35へ進み、左第3アクチュエータ247Rを作動させ、右第2振分通路260Rに案内して右50円口208Rから転がり出させる。
【0132】
ステップS8において、1円硬貨ホッパ410-1が満杯である場合、ステップS36へ進んで左第1アクチュエータ239Lを作動させて後、ステップS37へ進んで左第2アクチュエータ279Lを作動させて後、ステップS38へ進んで左第3アクチュエータ247Lを作動させて左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させて後、ステップS39へ進んで左第4アクチュエータ299Lを作動させて左第3振分体298Lを移動させて後、ステップS13へ進む。
左第2アクチュエータ279Lの作動によって、左第1移動ガイドレール244Lが左第1案内位置LGP1に移動されると共に左第1ストッパ246Lが第1振分通路268Lから退出し、左第1アクチュエータ239Lの作動によって左第2移動レール272Lが左第3移動位置LMP3に位置すると共に左第2ストッパ274Lが左第2阻止位置LIP2に移動し、さらに、左第4アクチュエータ299Lが作動して左第3振分体298Lが左5円通路288Lを遮蔽して左金庫通路304Lに連通させるので、1円硬貨1Cは左第1振分通路268Lに案内された後、左第1移動レール244L上を転動し、次いで左第3振分体298Lによって左金庫通路304Lに案内されて左オーバーフロー口216Lから落下する。
換言すれば、ステップS36〜S39は1円硬貨ホッパ410-1〜500円硬貨ホッパ410-500が満杯である場合のオーバーフロー処理OPを行っているといえる。
【0133】
次に投入硬貨Cが左物理センサ196Lによって5円硬貨5Cと判別されたケースを説明する。正貨である場合、ステップS1〜S4は同一であるから異なる作用を説明する。
ステップS6において、1円硬貨1CではないのでステップS7に進む。
ステップS7において5円硬貨5Cであるので、ステップS40へ進み、5円硬貨5Cでない場合ステップS41へ進む。
ステップS40において、5円硬貨ホッパ410-1が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進みオーバーフロー処理OPを行い、満杯でない場合ステップS42へ進む。
【0134】
ステップS42において、位置信号IDが「1」であるか判別し、「1」でない場合、換言すれば「0」である場合ステップS43に進み左第1アクチュエータ239Lを作動し、左第2移動レール272Lを左第3移動位置LMP3へ移動させる。
次いでステップS44に進み、左第2アクチュエータ279Lを作動させ、左第1移動レール244Lを左第1案内位置LGP1へ移動させ、左第1ストッパ246Lを第1振分通路268Lから退避させる。
次いでステップS45に進み、左第3アクチュエータ247Lを作動させ、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させる。
これにより、5円硬貨5Cは左5円硬貨通路288Lに案内されて左5円口204Lから転がり出る。
【0135】
次いでステップS13へ進んで後、ステップS19からS29までの左右判別処理DS1を行って後、ステップS31及びS34のカウント処理CPを行う。
具体的には、ステップS28において位置信号IDが「1」であるか判別し、本事例では5円硬貨5Cと認識されているので位置信号IDが「0」であるから、ステップS31へ進み、位置信号IDが「1」である場合ステップS46へ進む。
ステップS46において、共通通過センサ568Rから共通通過信号RCPSがあるか判別し、存在する場合ステップS33へ進む。換言すれば、左硬貨選別装置142Lに設定された場合、共通通過センサ568Lから共通通過信号LCPSが出力された場合、ステップS34へ進み、5円硬貨5Cのカウントアップ処理CPを行う。
ステップS34において位置信号IDが「1」である場合、100円硬貨100Cのカウント処理CPを行う。
共通通過信号RCPSが存在しない場合ステップS32へ進み、第2異常処理EP2をおこなう。
【0136】
次に10円硬貨10Cの場合を説明する。
ステップS41において10円硬貨10Cである場合、ステップS47へ進み、10円硬貨10Cでない場合、ステップS48へ進む。
【0137】
ステップS47において10円硬貨ホッパ410-10が満杯であるか判別し、満杯でない場合ステップS49へ進み、満杯である場合ステップS36へ進み、オーバーフロー処理OPを行う。
満杯でない場合、ステップS49において位置信号IDが「1」であるか判別し、「0」である場合、ステップS50へ進み、「1」である場合ステップS52へ進む。
【0138】
ステップS50において第2アクチュエータ279Lを作動して左第1移動レール244Lを左第1案内位置LGP1に、左第1ストッパ246Lを左第1振分通路268Lから退出させる。
次いでステップS51において左第3アクチュエータ247Lを作動させて左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させる。
これにより、10円硬貨10Cは第1振分通路268Lに案内されて左第1移動レール244L上を転動し、次いで左第2移動レール272L上を転動した後、左10円硬貨通路268Lに案内されて左10円口206Lから転がりでる。
ステップS51の後、ステップS13へ進んだ後、10円硬貨10Cのカウントアップ処理CPを行う。
カウントアップ処理CPにおける、ステップS25において、10円硬貨10CであるからステップS26へ進む。
【0139】
ステップS26において、位置情報IDが「1」である場合、ステップS53へ進み、「0」である場合ステップステップS31へ進む。
ステップS53において共通通貨センサ568Lから共通通過信号LCPSが存在するか判別する。共通通過信号LCPSが存在する場合、ステップS33へ進み、存在しない場合ステップS32へ進んで第2異常処理EP2を行う。
【0140】
ステップS52において、右第1アクチュエータ238Lを作動させて右第2移動レール272Rを右第3移動位置RMP3へ移動させ、右第2振分通路260Rを構成した後、ステップS54へ進む。
ステップS54において、左第2アクチュエータ279Rを作動させて右第1移動レール244Lを右第1移動位置RMP1へ移動させ、右第1ストッパ246Rを右第2通路260Rから退避させる。
これにより硬貨Cは右10円硬貨通路268Lを転動して後、右100円口206Rから転がりでる。
換言すれば、位置情報IDが「1」である場合、右硬貨処理装置142Rとして硬貨を振り分ける。
【0141】
次に50円硬貨50Cの場合を説明する。
ステップS48において50円硬貨50Cである場合、ステップS55へ進み、50円硬貨50Cでない場合、ステップS56へ進む。
【0142】
ステップS55において、50円硬貨ホッパ500-50が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進み、オーバーフロー処理OPを行う。
満杯でない場合、ステップS12へ進み位置信号IDが「1」であるか判別する。
本実施例では位置信号IDが「0」であるから、ステップS35へ進み、第2アクチュエータ247Lを作動した後、ステップS13へ進む。
左第2アクチュエータ247Lの作動によって、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1へ移動させ、左第2振分体242Lも連れ動きさせて、左第2移動位置LMP2に移動させる(図10(C))。
しかし、第2左アクチュエータ279Lは非作動であるので、左第1振分通路268Lへ案内された50円硬貨50Cは左第1ストッパ246Lに衝突して左50円通路262Lへ案内され、左50円口208Lから落下する。
【0143】
その後、左右判別処理DS1を行って後、カウント処理CPを行う。
左右判別処理DS1におけるステップS23おいて、50円硬貨50Cであるから、ステップS24へ進む。
ステップS24において、位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS59へ進み、「1」である場合、ステップS30へ進む。
ステップ30において、左50円通過センサ568Lが50円通過信号L50PSを出力したか判別する。50円通過信号L50PSを判別した場合、ステップS33へ進み、左第1アクチュエータ239L、左第2アクチュエータ279L、左再3アクチュエータ247L及び左第4アクチュエータ299Lを待機状態に戻して後、50円をカウントアップ処理CPを行う。
位置情報IDが「1」である場合、ステップS31へ進み、右共通通過センサ568Rから共通通過信号RCPSが出力された場合、ステップS33へ進み、待機処理SPをした後、ステップS34において10円硬貨10Cのカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
【0144】
次に100円硬貨100Cである場合を説明する。
ステップS56において100円硬貨100Cであるので、ステップS57へ進み、100円硬貨100Cでない場合、ステップS58へ進む。
ステップS57において、100硬貨ホッパ410-100が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進んでオーバーフロー処理OPを行い、満杯でない場合ステップS59へ進む。
ステップS59において位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS13へ進み、「1」である場合、即ち5円硬貨5Cである場合、右第1アクチュエータ238Rを作動させて右第2移動レール272Rを右第3移動位置RMP3へ移動させ、次いでステップS44において右第2アクチュエータ279Rを作動させて右第1移動レール244Rを右第1案内位置RGP1へ移動させ、右第1ストッパ246Rを第1振分通路268Lから退避させ、次いでステップS45に進み、右第3アクチュエータ247Rを作動させ、右第1振分体240Lを右第1移動位置RMP1へ移動させる。
これにより、右硬貨選別装置142Rにおいて5円硬貨5Cは、右5円硬貨通路288Rに案内されて右5円口204Rから落下する。
【0145】
左硬貨選別装置142Lにおいては、ステップS13に進んだ後、100円硬貨100Cのカウントアップ処理CPを行う。
カウントアップ処理CPにおけるステップS21において、100円硬貨100CであるからステップS22へ進み、位置情報IDが「1」であるか判別し、「0」である場合ステップS46へ進み、左100円通過センサ558Lが100円通過信号L100PSを出力したか判別する。
ステップS22において位置情報IDが「1」である場合、ステップS31へ進む。 ステップS46において通過信号が出力されている場合、ステップS33へ進み、待機処理SPに次いで100円のカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
ステップS31において、右5円通過信号R5PSが出力されていない場合、ステップS32へ進み、異常処理EP2を行う。
ステップS31において、右5円通過信号R5PSが出力されている場合、ステップS33へ進み、待機処理SPに次いで100円のカウントアップ処理CPを行い、処理を終了する。
【0146】
次に500円硬貨500Cである場合を説明する。
500円硬貨500Cの場合、ステップS6、S7、S41、S48及びS56の何れにも該当しないので、500円硬貨500Cであると特定できる。このため、ステップS58において500円硬貨ホッパ410-500が満杯であるか判別し、満杯である場合ステップS36へ進んでオーバーフロー処理OPを行う。満杯でない場合、ステップS60へ進み、位置信号IDが「1」であるか判別する。
位置信号IDが「0」である場合、ステップS52へ進み、左第1アクチュエータ239Lを作動させて左第2移動レール272Lを左第3移動位置へ移動させ、左第2ストッパ274Lを左第2阻止位置へ移動させてステップS53へ進む。
【0147】
ステップS53において左第2アクチュエータ279Lを作動させて、左第1振分体240Lを左第1移動位置LMP1に移動させる。これにより、500円硬貨500Cは左第1振分通路268Lに案内されて後、第1移動レール244L上を転動した後、500円硬貨通路289Lへ案内され、500円口214Lから落下させる。
ステップS53の後、ステップS13に進んだ後、待機処理SP及びカウントアップ処理CPを行って、処理を終了する。
左右判別処理DS1におけるステップS19において、ステップS20へ進む。
ステップS20において位置情報IDが「1」であるか判別する。「0」である場合、ステップS54へ進み、500円通過信号L500PSが出力されたか判別し、500円通過信号L500PSがある場合、ステップS33へ進んで待機処理SP、次いでステップS34においてカウントアップ処理CPを行う。
ステップS54において、500円通過信号L500PSが出力されていない場合、ステップS32へ進んで第2異常処理EP2を行う。
【0148】
左硬貨投入口118Lと同時に右硬貨投入口118Rに硬貨Cが投入された場合、前述と同様に右揚送装置138Rによって揚送され、右硬貨選別装置142Rによって真偽及び金種が判別され、硬貨保留装置312に保留され、又は右返却シュート144Rを介して右硬貨出金口122Rへ戻される。
換言すれば、左右の硬貨投入口118L及び118Rに同時に硬貨Cを投入することができる。
【0149】
次に硬貨の払い出し、換言すれば、つり銭払い出しについて説明する。
まず、払出方向の指令が制御装置174から出力される。
すなわち、出金方向が左硬貨出金口122Lである場合、アクチュエータ506は作動されず、振分板502は左硬貨出金口122L側に前下がり状態を維持する。
正逆転モータ524が正転され、上側ベルト396Uは左硬貨出金口122Lへ向かって進行する。
【0150】
次いで、制御装置174から該当する金種の硬貨ホッパ410-1〜410-500へ払出数が指令される。
釣銭が666円である場合、各硬貨ホッパ410-1〜410-500へ一枚ずつの払出が指令される。
これにより、各硬貨ホッパ410-1〜410-500から回転ディスク406の回転によって各金種の硬貨を一枚ずつ払い出す。
払い出された硬貨Cは、各硬貨ホッパのカウントセンサ408によって検知され、各硬貨ホッパ410-1〜410-500はこの検知信号が払い出し指令数になった場合、停止される。
各硬貨ホッパ410-1〜410-500から払い出された硬貨Cは共通シュート392によって案内されて落下口456から振分板502上に落下し、その傾斜によって左硬貨出金口122Lへ向かって滑落し、出金ベルト396上に落下する。
【0151】
出金ベルト396上に落下した硬貨Cは上側ベルト396Uが左硬貨出金口122Lへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、左硬貨出金口122L内に落下して払出が終了する。
【0152】
右硬貨出金口122Rへ出金する場合、硬貨ホッパ410-1〜410-500からの払出に先立って、アクチュエータ506が作動され、振分板502が図4及び図21において時計方向に回動され、右硬貨出金口122Rへ傾斜した鎖線示位置に静止される。
また、正逆転モータ524が逆転され、上側ベルト396Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行する。
【0153】
この後、前述同様に各硬貨ホッパ410-1〜410-500から回転ディスク406の回転によって一枚ずつ硬貨Cを払い出す。
払い出された硬貨Cは、各硬貨ホッパのカウントセンサ408によって検知され、各硬貨ホッパ410-1〜410-500はこの検知信号に基づいて停止される。
各硬貨ホッパ410-1〜410-500から払い出された硬貨Cは共通シュート392によって案内されて落下口456から振分板502上に落下し、その傾斜によって右硬貨出金口122Rへ向かって滑落し、出金ベルト396上に落下する。
【0154】
出金ベルト396上に落下した硬貨Cは上側ベルト396Uが右硬貨出金口122Rへ向かって進行しているため、同方向へ運ばれ、右硬貨出金口122R内に落下して払出が終了する。
【0155】
次に左側硬貨釣銭機128L及び右側硬貨釣銭機128Rが同時に釣銭払出処理を行う場合を説明する。
釣銭の払い出しは、制御装置174から釣銭払出指令が出力された順に行う。例えば、左側硬貨釣銭機128Lに先に釣銭払い出しが指令出力された場合、前述のようにアクチュエータ506は作動されずに正逆転モータ524が正転されて左硬貨出金口122L側へ出金処理される。
左硬貨出金口122L側へ出金処理後直ぐに右側硬貨釣銭機128Rにつり銭払出指令が出力され、前述のようにアクチュエータ506が作動され、かつ、正逆転モータ524が逆転されて右硬貨出金口122R側へ出金処理される。
【0156】
左側硬貨釣銭機128Lと右側硬貨釣銭機128Rとに同時につり銭払出指令が同時に出力されるタイミングの場合、制御装置174は、予め優先順位を設定された左側硬貨釣銭機128L又は右側硬貨釣銭機128Rに対し先につり銭払出指令を出力し、つり銭を払い出す。
【0157】
本自動精算機104は、ガソリンスタンドの他、駐車場の精算機、有料道路の精算機等に使用することができる。
なお、振分装置394は必要がなければ配置する必要がない。
【符号の説明】
【0158】
1C、5C、10C、50C、100C、500C 硬貨
112L、112R 外面
118L、118R 硬貨投入口
122L、122R 硬貨出金口
142L、142R 硬貨選別装置
142LU,142RU 下面
142LR,142RL 側面
146L,146R 硬貨通路部
198L,202L,204L,206L,208L,212L,214L,216L 金種別出口
314L,314R 垂立通路部
316L,316R 転動通路部
410-1,410-5,410-10,410-50,410-100,410-500 硬貨保留装置
L3、L4 整列直線
M1 点
ID 位置信号
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する外面(112L、112R)に対しそれぞれ硬貨投入口(118L、118R)及び硬貨出金口(122L、122R)を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨(C)の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置(142L、142R)によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させてして金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、
前記一対の硬貨選別装置は同一構造であり、前記金種別出口が前記一対の硬貨選別装置の中間点に対して点(M)対称に設置され、
対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号(ID)を出力し、
前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号に基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにし、前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されることを特徴とする対面式硬貨処理装置。
【請求項1】
対向する外面(112L、112R)に対しそれぞれ硬貨投入口(118L、118R)及び硬貨出金口(122L、122R)を配置し、前記各硬貨投入口に投入された硬貨(C)の真偽及び金種を一対の硬貨選別装置(142L、142R)によって選別し、当該選別金種に基づいて振分装置を選択作動させてして金種別に設けた硬貨出口から排出するようにした対面式硬貨処理装置において、
前記一対の硬貨選別装置は同一構造であり、前記金種別出口が前記一対の硬貨選別装置の中間点に対して点(M)対称に設置され、
対面式硬貨処理装置の制御装置は所定位置の前記硬貨選別装置に対して所定の位置信号(ID)を出力し、
前記硬貨選別装置の制御装置は、前記位置信号に基づいて前記所定位置の硬貨選別装置の振分装置を制御するようにし、前記硬貨出口からの排出硬貨金種が設定されることを特徴とする対面式硬貨処理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2012−113483(P2012−113483A)
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−261321(P2010−261321)
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月14日(2012.6.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月24日(2010.11.24)
【出願人】(000116987)旭精工株式会社 (210)
【Fターム(参考)】
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