説明

封筒内への個別物品の挿入装置ならびに関連する方法

ペーパーあるいはフィルム物品(120)あるいはそうした物品(120)のスタックを封筒(130)内に挿入するための装置(100)。供給装置(110)は、物品(120)を挿入ステーションに向かって移動させ、そして真空ドラム(150)は、封筒(130)と係合すると共に挿入ステーションに向かって、それを移動させるよう構成された面(170)を有する。傾斜要素(210)が、真空ドラム(150)に対して組み合わされており、そして、それは、封筒(130)が真空ドラム(150)と共に動くとき封筒(130)の先端部分(130f)を支持するよう構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、加工設備に、さらに詳しくはペーパーをシートに加工し、配列を点検し、そして自動で封筒を装填する作業のための装置に関する。
【0002】
本出願は、概して、以下の同時係属米国特許出願、すなわちシリアルNo.12/231,739(整理番号KERI-05)、名称「Apparatus for Guiding and Cutting Web Products and Related Methods」;シリアルNo.12/231,755(整理番号KERI-06)、名称「Envelope Conveying and Positioning Apparatus and Related Methods」;シリアルNo.12/231,754(整理番号KERI-08)、名称「Transporting Apparatus for Discrete Sheets into Envelopes and Related Methods」;シリアルNo.12/231,730(整理番号KERI-09)、名称「Conveying Apparatus for Envelopes and Related Methods」;ならびにシリアルNo.12/231,749(整理番号KERI-10)、名称「Transporting Apparatus for Web Products and Related Methods」に関するものであり、これら全ては同日付で出願されたものであり、この引用によって明らかにその全体が本明細書中に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
自動的に封筒に装填するための加工設備は公知である。そうした設備は、ペーパーの事前印刷されたウェブを供給し、そうしたウェブを一つ以上の個別のシートへと裁断し、シートを照合し、そしてそうした個別のシートコレーションを封筒内へと送り込むためのコンポーネントを含んでいる。そうした設備はさらに、特定の場所へ詰め込まれた封筒を輸送するためのコンポーネントを含む。この産業は、上記およびその他の機能を達成する公知のデバイスを備える。だが、改良が求められており、信頼性精度および最終製品の品質を犠牲にすることなく、大量のペーパー片カウントおよび高い速度が必要とされる。
【0004】
さらに詳しく言うと、ペーパーの大型ロールには、個別の領域に、区画特定情報が印刷される。すなわち、ペーパーの初期ロールは、既に印刷された表示特定情報の膨大な数の個別の領域を備えるが、各個別の領域は、結果的に表示特定情報の単一のページあるいはシートを構成することになるものを形成している。プロセスを複雑にするために、ある封筒の内容物が、シートカウントによって、そして、もちろん、包含されたシート上の特定の表示によって、他の内容物とは異なるように、関連する表示を備えた変更可能な数のシートを封筒内に配置する必要がある。一例として、多数の顧客の財務レポートあるいは口座明細は、さまざまな数の顧客あるいは口座明細シートを裁断し、それぞれ照合し、詰め込み、そして配達のために排出されることを要する。したがって、各封筒の内容物は、単一のシートあるいは2枚以上のシートからの「コレーション」を含み、各「コレーション」は受取人に対する郵送に固有である。
【0005】
そうした代表的作業において、財務会社はその顧客のそれぞれにビリングあるいはインボイス情報を発送する。ある顧客用のビリング情報すなわち「表示」は、一つの最終シートと、照合され続いて顧客の封筒内に配置される必要がある多数のシートとの間のどこかを必要とする。これらの情報の全ては単一ロール上のシートサイズの個別の領域内に印刷できるが、これらの領域は注意深く画定され、裁断され、同じアドレスあるいは送付先のためにシートへと同化させられすなわちコレートされ、封筒内に挿入され、処理され、排出される必要がある。したがって、このプロセスを実施するためのシステムは、これまで、ある典型的なコンポーネント、たとえばペーパーロールスタンド、駆動部、シートカッター、組み合わせユニット、集積あるいはコレートユニット、フォルダー、封筒フィーダー、封筒挿入機、ならびに完成・排出ユニットを備えていた。正確なシートが照合されそして正確な仕向封筒内に配置されるように機能を相互連係させるべくシステムを作動させるために電子制御が使用される。
【0006】
そうしたマルチコンポーネントシステムにおいては、ペーパーロールから完成した封筒へのパススルー速度は、各コンポーネントの速度に依存し、かつ、全体生産速度は最も遅いかあるいは最も弱いリンクコンポーネントの関数である。全体的な信頼性は同様に制限される。さらに、機能障害あるいは故障を修理するための平均停止時間は、最も修理されがちな、最もメンテナンス消費的なコンポーネントによって制限される。そうしたシステムは資本集約的であって、大きな床面積あるいはフットプリントを要し、しかも多大な労力、原料およびメンテナンス能力ならびに設備を必要とする。
【0007】
そうしたシステムにおいては、封筒内に、素材の単一の別個のシートあるいはそうしたシートのスタックを挿入するための挿入装置が知られている。この種のある従来システムは真空ドラムを使用する。この種のシステムにおいては、連続的に作動および非作動させられるバルブなどのコンポーネントのための高いレベルのメンテナンスが必要とされる。同様に、この種のシステムにおいては、瞬間的ではなく、ある期間にわたって、挿入作業中の吸引コンポーネントの非作動状態の機能低下が確認されるが、これによって、たとえば封筒に、意図しない力が加えられる。これは、今度は、挿入作業の制御性を低下させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
したがって、高速ハンドリングマシンにおける封筒内への別個のペーパーあるいはフィルム物体の挿入のための改良された挿入装置を提供することが望まれる。さらに、従来の加工装置に見られる固有の問題を解決する加工装置および関連する方法を提供することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このために、本発明のある実施形態では、封筒が挿入ステーションに向かって二つのローラー間に供給され、インサートがそこに挿入され、そして封筒は、その後、上記ローラーの一方と、挿入ステーションから離れた他方のローラー間との間に供給される。封筒が挿入ステーションに向かう二つのローラー間に供給されると、その後端は二つのローラーを通過し、そして封筒の動きが逆転される。封筒内へのインサートの動きは、封筒の後端を一方のローラーに向かって押し戻すが、その軸線の反対側においては、同じ角度方向への当該ローラーの連続回転は、挿入ステーションから離れるように封筒を押しやる。
【0010】
すなわち、封筒と係合し、そしてまず挿入ステーションに向かい続いてそこから離れるように封筒を移動させるローラーは、同じ方向に連続的に回転し続け、一方、封筒と係合する少なくとも共通ローラーは、挿入ステーションに向かって封筒を押しやるように、そして、その後、封筒がローラーを通過したとき、挿入ステーションから離れる別の方向に、挿入後の当該封筒を押しやるように機能する。これは、まず封筒の後縁部あるいはその端部がその回転軸線の一方の側でローラーを最初に通過し、続いて、その軸線の他方の側で同じローラーに抗するインサートの動きによって押し戻されることによって達成される。
【0011】
本発明は、個別の加工片あるいはインサートをそれらが挿入ステーションに供給されるときに、そして装填された封筒をそれが挿入ステーションを離れるときに、能動的に制御し、これによって装置の信頼性を高める装置および方法を提供する。さらに詳しく言うと、封筒内にインサートなどの物品を挿入するための装置は、封筒と係合すると共にそれを移動させる真空ドラムと、真空ドラムから封筒を分離させるために真空ドラムに対して概ね接線をなす表面を有する傾斜要素とを含む。さらに詳しく言うと、ある実施形態では、封筒内にペーパーあるいはフィルム物体あるいはそうした物体のスタックを挿入するための装置が提供される。本装置は、封筒に向かって物品を移動させるための供給装置と、封筒と係合すると共に物品に向かってそれを移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムとを含む。傾斜要素は、真空ドラムに対して作用的に方向付けられており、かつ、真空ドラムに対して接線をなすと共に封筒が真空ドラムと共に移動するとき封筒の先端部分を支持するよう構成された略平坦面を含む。
【0012】
真空ドラムは、サーボ制御されてもよく、そして、封筒の係合のための表面を形成する複数の孔、ならびにこの複数の孔の一つ以上を介して圧力を選択的に加えるための複数の孔と流体連通状態となった真空源を含んでいてもよい。真空ドラムは、この真空ドラムの表面において負圧すなわち吸引作用を連続的に発生させる真空源を含んでいてもよい。傾斜要素は真空ドラムに対して静止状態であってもよい。第1の回転要素は、物品に向かって第1の進行方向に封筒を移動させるために第1の回転方向に回転可能であってもよい。第1の回転方向への第1の回転要素の回転は、続いて、第1の進行方向と反対の第2の進行方向に封筒を移動させることができる。第2の回転可能要素は、第2の進行方向に封筒を移動させるために、第1の回転要素と協働可能である。供給装置は、複数のフィンガーを有することができるが、フィンガーのそれぞれは、第2の進行方向に封筒を移動させるために第1の回転要素と協働する。フィンガーのそれぞれは、封筒の後端に当接させて物品を移動させ、これによって第2の進行方向に封筒を移動させることができる。傾斜要素に対する真空ドラムの回転は、真空ドラムの表面から離れるように封筒を持ち上げるよう構成されてもよい。
【0013】
他の実施形態では、封筒内にペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを挿入するための装置が提供される。当該装置は、封筒に向かって物体を移動させるための供給装置と、封筒と係合すると共に物体に向かってそれを移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムと、この表面において負圧を連続的に発生させる真空源とを含む。傾斜要素が真空ドラムに対して組み付けられかつこれは真空ドラムに対して静止状態であり、傾斜要素は、真空ドラムに対して接線をなす概ね平坦な表面を含み、かつ、真空ドラムと共に封筒が移動するとき封筒を支持するよう構成される。
【0014】
さらに他の実施形態では、自動封筒装填装置が提供される。本装置は、ペーパーのロールの送給と関連付けられた第1の端部と、このペーパーのロールを別個のシートへと加工するための処理装置とを含む。本装置はまた、ペーパーの別個のシートを封筒内へ挿入すると共にための封筒に向かってペーパーの別個のシートを挿入するための供給装置と、封筒と係合すると共に別個のシートに向かって封筒を移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムと、傾斜要素とを含む。傾斜要素は、真空ドラムに対して作用的に方向付けられており、かつ、真空ドラムに対して接線をなすと共に封筒が真空ドラムと共に移動するときに封筒を支持するよう構成された概ね平坦な表面を含む。
【0015】
他の実施形態では、封筒内にペーパーあるいはフィルム物体あるいはそうした物体のスタックを挿入するための方法が提供される。本方法は、封筒に向かって物体を移動させること、回転面に対して封筒を係合させるために封筒に対して負圧を作用させることと、物体に対して封筒を移動させるために回転面を移動させることを含む。封筒の先端部分は、回転面と共に封筒が移動するとき、相対的に静止した面によって支持される。
【0016】
本方法は、回転面から離れるように封筒の先頭部分を持ち上げることを含んでいてもよい。これに代えて、あるいはこれに加えて、本方法は、物体に向かって第1の進行方向に封筒を移動するために第1の回転方向に第1の回転要素を回転させることを含んでいてもよい。本方法は、第1の進行方向とは反対の第2の進行方向に封筒を移動させるために第1の回転方向に第1の回転要素を回転させることを含んでいてもよい。本方法は、回転面に対して負圧を連続的に作用させることを含んでいてもよい。本方法は、回転面の選択された部分において負圧を選択的に発生させるために真空源に対する回転面の動きを電気的に制御することを含んでいてもよい。本方法は、回転面に対して概ね接線をなす平面内で封筒を移動させることを含んでいてもよい。
【0017】
そうした装置および方法は、モジュラーベースで、かつ改良されたペーパーハンドリング装置、サーボ駆動コンポーネント、改良されたセンサー密度およびシステム動作を制御する改良された制御コンセプトを有する、改良されたペーパー加工およびシート挿入装置および方法を予期した、ペーパー加工および封筒詰め込みシステムにおいて特に有用である。本発明の実施形態の一つ以上は、モジュラーペーパー加工およびシート挿入システムのモジュールとして使用できる改良された輸送装置の提供を予期しており、人的資本、必要スペース、必要環境、メンテナンス、労働力および原料ならびに設備は、それゆえ、同じ処理能力の従来システムに比べて低減される。
【0018】
さらに詳しく言うと、そうした改良された装置ならびに方法は、同様のあるいは特定のモジュールが多機能である異なるモジュールからなる一連のモジュールにおいて以下の機能を実現する複数の機能モジュールを予期している。この機能には、
・印刷されたペーパーロールハンドリング/巻き戻し;
・ペーパー断片化および裁断;
・シートコレーションおよび集積;
・シート折り込み;
・インサートとの連係のための輸送
・封筒の供給;
・コレーション連係および挿入;
・封筒処理および排出
が含まれる。
【0019】
さらに詳しく言うと、本発明の一つ以上の態様は、限定を伴うことなく、
(a)カッター装置内への、印刷された表示を含むペーパーあるいはフィルムのウェブの案内;
(b)断片化および横方向裁断によるウェブの処理;
(c)インサートの個別片の輸送および差し込み;
(d)インサートの個別片の既定のスタックの集積;
(e)封筒装填ステーションに向かうインサートの個別片のスタックのガイドおよび輸送;
(f)封筒装填ステーションに向かう個々の封筒の輸送;
(g)封筒装填プロセスに先立つ封筒のスタックの形成および処理;ならびに
(h)封筒のスタックからの、そして封筒装填ステーションを経た、個々の封筒の処理
のための新規でかつ独特の装置および方法を、予期し得る。
【0020】
特定のモジュールにおける特定の機能の組み合わせは独特の組み合わせであるが、本発明は、主として、本明細書中で説明するペーパー輸送装置および方法に見出される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】封筒に選択されたペーパーあるいはフィルム物品を装填するための加工機の一部を示す斜視図である。
【図2】図1の加工機の装填あるいは挿入装置の一部の側面図であり、さらに詳しくは図1の丸で囲んだ領域2に関連する。
【図3】図2の挿入装置の真空ドラムおよびメインローラーの斜視図である。
【図4A】図3と類似の図であり、さらに図2の挿入装置のシート挿入アセンブリを示している。
【図4B】図4Aに示すそれとは異なるポジションで封筒を示す図4Aと類似の図である。
【図4C】さらに異なるポジションでその封筒を示す図4A、4Bと類似の図である。
【図4D】図4A〜4Cとはさらに異なるポジションでその封筒を示す図4A〜4Cと類似の図である。
【図5】挿入プロセスのある段階を示す図2と類似の図である。
【図6】封筒搬送装置の一部を示す図2および図5と類似の図である。
【図7】図6の封筒搬送装置の一部を示す斜視図である。
【図8】封筒を搬送するためのプロセスにおけるある段階を示す図6と類似の図である。
【図8A】図8に示す段階ににて封筒搬送装置の一部を示す図7と類似の図である。
【図9】封筒を搬送するためのプロセスにおける異なる段階を示す図7および図8Aと類似の図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図面を、特に図1を参照すると、ペーパーあるいはフィルムのウェブ12を処理するための代表的加工機10の一部が示されている。図示していないが、加工機10によって処理されるウェブ12は、たとえば、そうしたウェブを含む素材のロール(図示せず)から供給される。このロールは、概して、加工機10の第1の端部14と関係付けられ、かつ、従来公知の方式で、たとえば、ロールのコアを受けるスピンドルを駆動することによって、あるいはベルトまたは類似のデバイスとロールの表面を接触させることによって、巻き戻される。通常、ウェブ12は、別個の領域に表示が事前に印刷されている。
【0023】
ウェブ12は、したがって、加工機10を形成している複数のモジュールを経て、概して矢印15で示す加工方向に移動する。図1の代表的実施形態においては、加工機10は、ウェブ素材を、素材の(「領域」に対応する)別個のシート(「インサート」)へと裁断し、そしてそれを、概して加工機10の逆側端部16から供給される封筒内に送り込む。加工機10は、さらに、その後の処理すなわち配列のために、インサートを収容した封筒を加工機10の図示する部分から離れるように搬送する。代表的加工機10は、上記のとおり、封筒の処理だけでなく、ウェブおよびそれに由来するインサートの処理に関する異なるステップを実施するための複数のモジュールを含む。当業者にとって、加工機10が、ここに示すものに加えてあるいはそれに代えて、他のモジュールを含んでいてもよいことは明白である。
【0024】
たとえば、図示するモジュールの第1のものは、加工機10の第1の端部14に相対的に近い裁断モジュール30であり、これは、その後の処理のために、ウェブ12をインサート(図示せず)などの別個の物品へと裁断する。搬送モジュール40は、裁断モジュールから受け取った別個のインサートを制御および輸送し、そしてそれを折り込みおよびバッファリングモジュール50へと供給する。モジュール50は、必要ならば、たとえば、意図された製品が二つ以上の別個のシートによって形成されるインサートを封筒に詰め込むことを要する場合、その後の処理のために別個のインサートのスタックを形成することができる。モジュール50は、意図された製品が必要とする場合、別個のインサートを、概ね加工方向に沿って配置された別個のインサートの長手方向軸線に沿って折り込む。さらに、モジュール50は、特定の製品がそれを必要とする場合、別個のシートのセットを個々に取り扱われるスタックへと集積し、配列を点検し、あるいは緩衝処理する。
【0025】
図1をさらに参照すると、取り込みモジュール60は、折り込みおよびバッファリングモジュール50からのインサートを受け取り、そして、それは、インサートを輸送すると共にそれを封筒内へと供給するために詰め込みモジュール70のコンポーネントと協働する。一方、封筒は、封筒コンベア80によって取り扱われ、詰め込みモジュール70へと供給される。その後の処理すなわち配列のために加工機10の図示する部分から離れるように、詰め込まれたすなわち装填された封筒を輸送するために、輸送アセンブリ90が詰め込みモジュール70および封筒コンベア80と作用的に連結されている
【0026】
図2を参照すると、代表的な詰め込みモジュール70が詳しく示されている。モジュール70は挿入システムすなわち装置100を支持するフレーム72を含むが、これは、封筒に向かって別個のシートすなわちインサートを供給し、別個のシートに向かって封筒を供給し、封筒内に別個のシートを挿入し、そして、輸送アセンブリ90に向かって詰め込まれた封筒を移動させる(図1)。このために、装置100は、閉ループ(一部のみを示す)状に回転可能でありかつ歯付きホイール114によって駆動されるベルトアセンブリ112の形態の供給装置110を含む。複数のフィンガー116がベルトアセンブリ112から延在しており、かつ、ベルトアセンブリ112の長さに沿って離間している。フィンガー116はインサート120の後端縁部と係合し、これによって、封筒130が概ね矢印138の方向にインサート120に向かって移動させられる間に、概ね矢印134の方向に封筒130に向かって、それらを移動させる。この代表的実施形態では、剛毛140の形態の複数の可撓要素が、供給装置110の支持要素142の一部を形成する。剛毛140は、それが封筒130に向かって移動するとき、インサート120と係合する。
【0027】
上述したように、封筒130はまずインサート120に向かって概ね矢印138の方向に移動する。封筒130のこの動きは、各封筒130を挟み込む、回転する真空ドラム150と回転するメインローラー156との協働作用によって実現される。真空ドラム150とメインローラー156は、詰め込みモジュール70の(図3に仮想線で示す)フレーム158によって支持されている。真空ドラム150とメインローラー156は互いに反対方向に回転するとき、それらの間に配置された封筒130との係合によって、挿入あるいは詰め込みステーションにおいてインサート120に向かう封筒130の動きが生じる。さらに詳しく言うと、真空ドラム150は矢印160で示す方向(反時計回り)に回転し、一方、メインローラー156は矢印166で示す方向(時計回り)に回転する。真空ドラム150とメインローラー156との間の距離は、両者間で封筒130を効果的に挟み込むために適当に選定される。これに関して、それゆえ、この距離は、これに限定されるわけではないが、封筒130の所定の厚みを含む要因に基づいて選定される。図示していないが、真空ドラム150およびメインローラー156の一方または両方は調整可能であってもよく、これによって、その間の距離の調整が可能となる。
【0028】
真空ドラム150およびメインローラー156の素材は、封筒の係合および矢印138の方向へのその移動を可能とするように適当に選択される。たとえば、限定ではないが、メインローラー156の、かなりの部分ではないにしても、少なくとも外面が、ラバー、ウレタンあるいは封筒130に対して所定のレベルの摩擦をもたらす、その他の素材から形成できる。同様に、真空ドラム150の少なくとも表面170はステンレススチールなどの金属から形成されるが、これは、さらに、たとえば表面170上に接着剤あるいはその他の物質が堆積するのを防止するために、リリースタイプ表面材すなわち織物で被覆することができる。
【0029】
真空ドラム150およびメインローラー156は、封筒130をガイドする対向配置されたレール182a,182bによって形成されたガイド180(図2では一つしか示していない)から各封筒を受け取る。さらに詳しくは、レール182a,182bは、各封筒130の側方部分130a(図4)を受けるスペースを、その間に形成する。被駆動二次ローラー190a,190bの二つの対(一方のみを図示する)が、ガイド180によってガイドされた封筒の移動を促進するためにガイド180間に配置される。さらに詳しくは、ローラー190a,190bは互いに反対の方向(矢印192a,192b)に回転し、そして封筒130の中央部分を挟み込むように配置され、これによって封筒130はインサート120に向かって移動させられる。
【0030】
引き続き図2を参照し、さらに図3を参照すると、真空ドラム150は、表面170に複数の孔200を有し、そしてその回転によって封筒130の移動を実現するよう構成されている。さらに詳しく言うと、孔200は、真空ドラム150の表面170に負圧を発生させるために、大まかに示す真空源204と流体連通状態である。負圧は封筒130を吸引し、これによって、真空ドラム150が回転するとき、封筒130を保持し、そして真空ドラム150に対する封筒130の移動を阻止するか最小限に抑える。
【0031】
この代表的実施形態では、真空源204は連続的に作動し、すなわちそれは、常時、「ON」状態である。さらに、真空ドラム150は、孔200の選択された群に、したがって真空ドラム150の表面170の選択された部分に対する負圧の選択的適用を容易にするために、電気的に制御され、たとえばサーボ制御される。それに対して真空源204が負圧を提供する孔200の選択は、たとえば、封筒130のピッチすなわち長さ130Lに基づいてなされる。これに関して、真空ドラム150は、真空源204を、特定のタイプの封筒130および/または封筒130の選択された部分の、回転面170による係合を可能とする孔200の所望の群と整列させるために、真空源204に対して回転させることができる。たとえば、真空ドラム150は、負圧が封筒130の後端部分には作用しないように、真空源204に対して回転させることができるが、これによって、真空源204からの封筒130のリリースが容易になる。
【0032】
真空ドラム150は、類似の構造を有すると共に共通の中心コア150cから回転可能な二つの側方部分150a,150bを有する。孔200は、これに関して、側方部分150a,150bの両方に配置され、これによって封筒130の均等な係合が可能となる。したがって、この実施形態における代表的配置によって、それが真空ドラム150の回転に伴って移動するとき、封筒130の捩れが阻止され、あるいは少なくともそれが最小限に抑えられる。
【0033】
図2および図3をさらに参照すると、傾斜要素210が、真空ドラム150の表面170からの封筒130のリリースを可能とするために、真空ドラム150に組み付けられている。さらに詳しく言うと、傾斜要素210は真空ドラム150に対して静止状態であり、かつ、真空ドラム150の二つの側方部分150a,150b間に配置されている。傾斜要素210は、真空ドラム150の表面170に対して概ね接線方向の表面を有する中実ブロックの形態である。動作中、封筒130が真空ドラム150の回転に伴って移動するとき(矢印150)、封筒130の先端部分130fは傾斜要素210の上に載り上がり、これによって真空ドラム150の表面170から離れるように先端部分130fが分離させられる。
【0034】
これに代えて、それが真空ドラム150の表面170に対して概ね接線をなすように配置される限り、傾斜要素210が、その他の形態をとることができることは、当業者にとって明白である。同様に、傾斜要素210は、それが真空ドラム150に対して静止状態である限り、完全静止ではなく、動く要素であってもよい。たとえば、限定ではないが、代替実施形態は、真空ドラム150に対して静止した傾斜要素を形成するために、真空ドラム150と同じかあるいはそれと反対方向に動く傾斜要素を含んでいてもよい。
【0035】
図4A〜4Dを参照すると、代表的挿入処理が図示されている。図4Aは、真空ドラム150の回転(矢印160)に伴って移動する封筒130を示している。孔200は、封筒130の長さのほとんどと係合状態である。封筒130の向きは、その先端部分130fが封筒のフラップであるようなものである。さらに、この向きは、封筒130のフラップを形成するペーパーの基体130gが真空ドラム150に面し、一方で、対向する基体130h(図4B)がメインローラー156に面するようなものである。この向きが単なる例であり、代わりに、その他の向きを採用可能であることは当業者にとって自明である。
【0036】
図4Aはまた、封筒130の先端部分130fが傾斜要素210と係合し始めていることを示している。さらに、封筒130が、輸送装置220の一対の外側延在要素216および中央延在要素218に向かって移動している状態が示されている。輸送装置220は、インサート120(図4B)を封筒130に向かって輸送し、かつ、上述した供給装置110および支持要素142(図2)を含んでいる。この代表的実施形態では、さらに、輸送装置220は、装置220のフレーム(仮想線で示す)から延在する一対のクリップ232(一方のみを示す)を含んでいる。輸送装置220はまた、この実施形態では、封筒130内へのインサート120の案内を容易にする一対のガイド要素242を含んでいる。クリップ232のポジションは、ジャッキネジ(図示せず)を介してクリップ232に作用的に接続された大まかに示すモーター232a(一方のみを示す)によって制御され、そして、それは、封筒130の長さ130Lに応じたクリップ232のポジションの自動調整を可能とする。さらに詳しく言うと、モーター232aは、メインローラー156に向かうかあるいはそこから離れるクリップ232のポジションの調整を容易なものとする。モーター232aは、たとえば、独国WaldkirchのSick AGグループのメンバー、Sick Stegmann GmbHから入手可能なモデルHRA08Cなどの、ステップモーターであってもよい。
【0037】
特に図4Bを参照すると、延在要素216,218が封筒130の内部130n内に突出するように延在要素216,218と部分的に係合した状態で封筒130が示されている。挿入プロセスのこの段階では、そして、図4Aに示す段階に対して、封筒130の長さ130L(図2)のより大きな部分が傾斜要素210と係合しており、したがって、真空ドラム150の表面170から分離させられる(図4A)。この段階では、同様に、封筒130の内部130nに向かって、矢印250の方向に移動するインサート120が示されている。インサート120は、その先端縁部120Lが内部130nに向けられた状態で示されている。
【0038】
特に図4Cを参照すると、挿入プロセスのあるステージが示されているが、ここでは、封筒130は、真空ドラム150の表面170から、完全に、あるいは少なくともほとんど分離させられている(図4A)。これに関して、真空ドラム150の回転は、封筒130がシャフト150の回転動作に対してスリップするようなものである。クリップ232(一方のみを示す)は、インサート120に向かう封筒130の移動(矢印138)に関して停止面あるいは制限面を提供するように、封筒130と係合した状態で示されている。フィンガー116(仮想線で示す)は、インサート120の後端縁部120tと係合し、これによって封筒130の内部130nに向かってインサート120(矢印250)を移動させている状態で示されている。クリップ232は、さらに、矢印138の方向に封筒130がさらに移動するとき、図4Dに示すごとく、封筒130の後端縁部130tが上方(矢印260)に、そしてメインローラー156の上に押しやられるように、封筒130のための持ち上げ作用を提供する。本明細書中で使用しているように、「上方」、「上側」、「下側」、「〜の上」、「前方」、「前」、「後」およびその派生語は、限定を意図したものではなく、単に図に示す向きを表しているに過ぎない。
【0039】
特に図4Dを参照すると、挿入プロセスのある段階が示されているが、この段階では、フィンガー116の前方移動(矢印250)によって、詰め込まれた封筒130のさらなる配列のために、概して、挿入すなわち詰め込みステーションにおける輸送装置220から離れかつ輸送装置90(図1)に向かう同じ方向(矢印264)への封筒の移動が生じる。さらに詳しく言うと、図4Dに示すプロセスの段階においては、インサート120の先頭縁部120Lが封筒130の後端縁部130tに達する。したがって、フィンガー116の前方移動は、インサート120を介して、封筒130の後端縁部130tに力を加え、これによって矢印264の方向への装填された封筒130の移動が生じる。
【0040】
引き続き図4Dを参照し、そしてさらに図5を参照すると、メインローラー156の回転(矢印166)は、矢印264の方向に装填された封筒130を移動させるために協働する。さらに詳しく言うと、回転輸送ローラー288が、この輸送ローラー288とメインローラー156との間に小さなスペースを形成するために配置される。輸送ローラー288は、これに代えて、たとえば、不規則な形状の回転要素などの、その他の回転要素の形態であってもよく、本実施形態において示すような円形の回転要素には限定されない。輸送ローラー288は、メインローラー156のそれとは逆の方向(矢印290)に回転する。輸送ローラー288のポジション、ならびにメインローラー156の回転の方向(矢印166)に対するその回転の方向(矢印290)によって、詰め込まれた封筒130の挟み込み係合ならびに矢印264の方向へのその輸送が可能となる。この特定の実施形態では、輸送ローラー288は反時計周りに回転するが、これは限定ではなく例証を意図したものである。したがって、矢印166の方向におけるメインローラー156の回転は、第1の方向(矢印138)とは逆の第2の方向(矢印250)への、そしてプロセスの異なる段階中のメインローラー156の回転の軸線156aの反対側での封筒130の移動を可能としながら、挿入プロセスの段階中に第1の方向(矢印138)への封筒130の移動を可能とする。
【0041】
図6〜8、8Aおよび9を参照すると、上述したように、二次ローラー190a,190bは各封筒130の中央部分と係合し、これによって、ガイド180に沿って封筒130を移動させる。これに関して、封筒130は、この封筒130のそれぞれの、先端部分130fと係合する回転ピックアップ要素320の作用によってガイド180に入る。さらに詳しく言うと、ピックアップ要素320は、中央部分322および外側部分324を有する不規則な形状の回転構造体であり、その両方が封筒130と係合するためのそれぞれの周方向面322a,324aを含む。
【0042】
中央部分322は、その回転の方向(矢印352)に対して、外側部分324の前方に周方向に配置されている。さらに、この代表的実施形態の中央部分322は、ピックアップ要素320のこれら二つの部分322,324のポジションが互いに調整可能であるように、外側部分324に対して別個に動作可能である。たとえば、異なる長さ130Lを有する封筒に対応するために、調整が望ましいであろう。ピックアップ要素320は、封筒輸送装置350を協働で形成するために、封筒スタック支持装置に隣接して配置されるが、その細部について以下で詳しく説明する。
【0043】
ピックアップ要素320は、この代表的実施形態では、そして上述したように、矢印352の方向に回転する。これに関して、そして、特に図6に示すプロセスの段階を参照すると、この実施形態では、封筒130のスタックの第1の封筒131のフラップ121fの形態の先端部分は、ピックアップ要素320によるその係合前の状態で示されている。さらに、第1の封筒131は、フラップ131fが概ね矢印360の方向に折り曲げ変形可能であるように配置された状態で示されている。
【0044】
特に図7を参照すると、ピックアップ要素320が、封筒131と部分的に係合した状態で示されている。さらに詳しく言うと、ピックアップ320の中央部分322は第1の封筒131のフラップ131fと係合するのに十分な程度回転した状態で示されており、これによって矢印360の方向にフラップ131fが折り込まれる。さらに、外側部分324が第1の封筒131と係合する前の状態で示されている。
【0045】
特に、図8および8Aを参照すると、ピックアップ要素320は、中央部分322および外側部分324が第1の封筒131のフラップ131fと係合するように、矢印352の方向にさらに回転(矢印376,378)した状態で示されている。これに関して、外側部分324の回転は、たとえばそして限定ではなく、ラバーあるいはウレタンからなるフォロアローラー380のセットと外側部分324との係合を生じる。外側部分324に対するフォロアローラー380のポジションは、それらが協働でフラップ131fを挟み込み、フォロアローラー380の回転(矢印388)および矢印382の方向への封筒131の前方移動を引き起こすようなものである。図8および8Aはまた、封筒131の離散部分131mの、ピックアップ要素32による、部分的係合を示している。フラップ131fではなく、離散部分131mの係合は、ガイド180に向かう封筒131のスムーズな輸送を促進する。
【0046】
特に図9を参照すると、ピックアップ要素320が、図8Aおよび8Aに対して、さらに回転(矢印390)した状態で示されている。封筒131は、その側方部分131aがガイド180(仮想線で示す)に収容されたポジションで示されている。これに関して、ガイド180のレール182a,182bは、レール182a,182b間に形成されるスペース内への側方部分131aの移動を容易にするために、ガイド180の入口部分180eにおいて互いに傾斜している。図では、さらに、ピックアップ要素の中央部分322は封筒131ともはや係合しておらず、一方、外側部分324は封筒131から離れるように回転しており、これによって封筒131から分離している。図示していないが、ピックアップ要素320が回転(矢印390)し続けるとき、それは封筒130のスタックからの新しい第1の封筒131と係合する。
【0047】
再度図6を参照すると、ピックアップ要素320は、連続的に封筒130を供給する封筒輸送システム420によって支持された封筒のスタックから第1の封筒131を取り出す。封筒輸送システム420は、フレーム構造体424上に設けられかつそれに対して静止した支持プレート422を含む。支持プレートは、それぞれが略直立向きの封筒130の略水平スタックを支持するよう構成された概ね平坦な面422aを含む。さらに、この代表的実施形態では、支持プレート422は、封筒130を受け取るのを容易にするための斜面423を含む。本明細書で用いているように、「直立」および「略水平」との用語は、封筒130あるいはそのスタックの完全な垂直あるいは水平向きにそれぞれ限定されるものではなく、むしろ、それらが端と端とが接した状態で支持される向きを意味する。これに関して、それゆえ、図6に示すように、封筒130は、支持プレート面422aに対して鋭角をなすが、略直立向きで(下側縁部130eに沿って)端と端とが接した状態で支持される。
【0048】
封筒輸送システム420の停止部材428は、フレーム構造体424から同様に支持され、かつ、支持プレート422に対して固定された向きで取り付けられている。停止部材428は、封筒130のスタックの第1の封筒131の前面すなわち前方を面する面131wを支持する前方部分428aを含む。停止部材428の上端部分428bは封筒130の上側縁部130uを支持する。これに関して、停止部材428は、異なるピッチすなわち長さ130Lの封筒130に対応するために垂直方向に調整可能(矢印429)である。大まかに示すモーター430は、長さ130Lに応じて停止部材428の垂直ポジションの自動的な調整を容易にするために、停止部材428に作用的に接続されている。たとえば、限定はなく、独国WaldkirchのSick AGグループのメンバー、Sick Stegmann GmbHから入手可能なステップモーターモデルHRA08Cとすることができる。協働で、停止部材428および支持プレート422は、図6に示す略直立向きで封筒130を支持する。
【0049】
引き続き図6を参照すると、封筒輸送システム420の圧力検出レバー434は支持プレート422に対して概ね交差するように向けられており、かつ、フレーム構造体424に対して固定的に連結されたピボット440を中心として回動可能である。圧力検出レバー434は、封筒130のスタックの第1の封筒131と係合する検出面434aを含む。圧力検出レバー434は、検出面434aを含むと共にピボット440から延在する第1の部分436を有する。圧力検出レバー434の第2の部分438がまた、ピボット440から、そして第1の部分436から離れるように延在している。この実施形態では、第1の部分436は第2の部分438よりも短い。稼働中、第1の封筒131は送りポジションにあり、かつ、第1の封筒131のフラップ131fが検出面434aの下流側(すなわち後方)領域内へと延在するように向けられている。
【0050】
大まかに示すセンサー450は、封筒輸送システム420の供給装置460を制御するための第2の部分438に対して作用的に接続されているか、あるいはそれを検出するためのポジションにある。供給装置460は、図6に示す封筒供給ポジションに向かってスタックを付勢する送り力を封筒120のスタックに加える。センサー450は、この実施形態では、赤外線型センサーであり、これは、圧力検出レバー434の第2の部分438に接続された延在部462に向けて配置され、かつ、この延在部462の動きを検出するよう構成されている。この代表的実施形態では、延在部462は、矢印470の方向に沿って延在部462の動きをガイドするために、そして所定のスプリング付勢力によって第1の(すなわち先頭)封筒131に当接した状態で検出レバー434を保持するために、スプリングおよびフックアセンブリ463(仮想線で示す)によってフレーム構造体424に接続されている。これに関して、延在部462の動き(矢印470)は、圧力検出レバー434の第1の部分436の対応する動作に起因し、そして、これは、検出面434aに対して封筒130のスタックによって加えられる送り力によって引き起こされる。
【0051】
さらに詳しく言うと、検出面434aに封筒130のスタックによって加えられる力は、供給装置460によってスタックに対して加えられる送り力すなわち付勢力に起因する。この送り力すなわち付勢力は、今度は、スタックの他の封筒130と停止部材428の前方部分428aとの間で保持された第1の封筒131に作用する圧力の大きさを決定する。第1の封筒131に作用する圧力は、今度は、封筒130のスタックから、第1の封筒131を取り出すのに必要な力を決定する。
【0052】
この実施形態では、供給装置460はセンサー450と作用的に接続されている。これに関して、センサー450が延在部462の動き(矢印470)を検出したとき、センサー450は、供給装置460に対応する信号を送る。この信号に応答して、供給装置460は、それが封筒130のスタックに対して加える送り力の大きさを、したがって圧力検出レバー434および停止部材428に作用する圧力を増大あるいは減少させる。したがって、供給装置460は、封筒130のスタックの第1の封筒131に作用する圧力を制御することができ、こうして、スタックから第1の封筒130の取り出しを容易にするために予め決定される所望のレベルでそれが維持される。たとえば、限定ではないが、供給装置は、稼働中、第1の送り力ならびに停止部材428の前方部分428aに対して加えられる対応する圧力を伴って封筒130を供給できる。この第1の力によって、圧力検出レバー434の回転動作が生じる。センサー450は、第1の力と関係付けられた延在部462の動きを検出する。センサー450は、今度は、対応する信号を供給装置460に送るが、これは、この信号に応答して、それが封筒130に供給する送り力を、たとえばより小さな、第2の送り力へと調整する。このより小さな第2の送り力によって、停止部材428の前方部分428aに対して加えられるより小さな圧力を生じるが、これが、今度は、圧力検出レバー434のより小さな偏りを生じる。
【0053】
本発明についてさまざまな実施形態を例に挙げて説明し、そしてこれらの実施形態を詳しく説明してきたが、これは、そうした具体例に本発明の範囲を制限することあるいは確定することを意図するものではない。さらなる利点ならびに変更は当業者にとって自明である。本発明はそれゆえ、その広範な態様に関して、特定の細部、代表的装置および方法、ならびに図示説明した実例に限定されない。したがって、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、さらなる展開が可能である。
【符号の説明】
【0054】
10 加工機
12 ウェブ
30 裁断モジュール
40 搬送モジュール
50 折り込みおよびバッファリングモジュール
60 取り込みモジュール
70 詰め込みモジュール
72 フレーム
80 封筒コンベア
90 輸送アセンブリ
100 挿入システムすなわち装置
110 供給装置
112 ベルトアセンブリ
114 歯付きホイール
116 フィンガー
120 インサート
130 封筒
140 剛毛
142 支持要素
150 真空ドラム
150a,150b 側方部分
156 メインローラー
158 フレーム
170 表面
180 ガイド
182a,182b レール
190a,190b 被駆動二次ローラー
200 孔
204 真空源
210 傾斜要素
216 外側延在要素
218 中央延在要素
220 輸送装置
232 クリップ
232a モーター
242 ガイド要素

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを封筒内に挿入するための装置であって、
前記封筒に向かって前記物品を移動させるための供給装置と、
前記封筒と係合すると共に前記物品に向かって前記封筒を移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムと、
前記真空ドラムに組み合わされた傾斜要素であって、前記封筒が前記真空ドラムと共に移動するとき前記封筒を支持するよう構成された前記真空ドラムに対して接線をなす略平坦な表面を含む傾斜要素と、
を具備してなることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記真空ドラムは、サーボ制御され、かつ、前記封筒の係合のための表面を画定する複数の孔と、前記複数の孔の一つ以上を介して負圧を選択的に作用させるために前記複数の孔と流体連通状態にある真空源と、を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記真空ドラムは、この真空ドラムの表面において負圧を連続的に発生させる真空源を含むことを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記斜面要素は、前記真空ドラムに対して静止状態であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記物品に向かう第1の進行方向に前記封筒を移動させるために第1の回転方向に回転可能な第1の回転可能要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1の回転可能要素は、前記第1の進行方向と反対の第2の進行方向に前記封筒を移動させるために前記第1の回転方向に回転可能であることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第2の進行方向に前記封筒を移動させるために前記第1の回転要素と協働する第2の回転要素をさらに具備してなることを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の回転可能要素は、前記第1および第2の進行方向に前記封筒をそれぞれ移動させるために、前記第1の回転可能要素の回転の軸線の第1および第2の側において前記封筒に接触するよう構成されていることを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記供給装置は複数のフィンガーを備え、この複数のフィンガーのそれぞれは、前記第2の進行方向に前記封筒を移動させるために前記第1の回転要素と協働することを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記複数のフィンガーのそれぞれは、前記封筒の後端に抗して前記物品を移動させ、これによって前記第2の進行方向に前記封筒を移動させるようになっていることを特徴とする請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記傾斜要素に対する前記真空ドラムの回転が、前記真空ドラムの前記表面から離れるように前記封筒を持ち上げるよう構成されていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項12】
前記物品に向かう前記封筒の移動を制限するための少なくとも一つのクリップをさらに具備してなることを特徴とする請求項1に記載の装置。
【請求項13】
前記封筒の長さに応じて前記クリップのポジションを自動的に調整するために前記少なくとも一つのクリップに対して作用的に接続されたモーターをさらに具備してなることを特徴とする請求項12に記載の装置。
【請求項14】
ペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを封筒内に挿入するための装置であって、
前記封筒に向かって前記物品を移動させるための供給装置と、
前記封筒と係合すると共に前記物品に向かって前記封筒を移動させるよう構成された表面と、前記表面において負圧を連続的に発生させる真空源と、を有する真空ドラムと、
前記真空ドラムに組み合わされかつそれに対して静止状態である傾斜要素であって、この傾斜要素は、前記封筒が前記真空ドラムと共に移動するとき前記封筒を支持するよう構成された前記真空ドラムに対して接線をなす略平坦な表面を含む傾斜要素と、
を具備してなることを特徴とする装置。
【請求項15】
ペーパーのロールの送給と関連付けられた第1の端部と、別個のシートへとペーパーのロールを加工するための処理装置と、を有する自動封筒装填装置であって、前記封筒装填装置はさらに、
封筒内にペーパーの前記別個のシートを挿入するための装置を具備してなり、前記装置は、
(a)前記封筒に向かって前記ペーパーの別個のシートを挿入するための供給装置と、
(b)前記封筒と係合すると共に前記別個のシートに向かって前記封筒を移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムと、
(c)前記真空ドラムに組み合わされた傾斜要素であって、前記真空ドラムに対して接線をなすと共に前記封筒が前記真空ドラムと共に移動するとき前記封筒を支持するよう構成された略平坦な表面を含む傾斜要素と、
を含むことを特徴とする装置。
【請求項16】
前記真空ドラムは、サーボ制御され、かつ、前記封筒の係合のための表面を画定する複数の孔と、前記複数の孔の一つ以上を介して負圧を選択的に作用させるために前記複数の孔と流体連通状態にある真空源と、を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項17】
前記真空ドラムは、この真空ドラムの表面において負圧を連続的に発生させる真空源を含むことを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項18】
前記斜面要素は、前記真空ドラムに対して静止状態であることを特徴とする請求項15に記載の装置。
【請求項19】
ペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを封筒内に挿入するための方法であって、
挿入ステーションに向かって前記物品を移動させることと、
回転面に対して前記封筒を係合させるために前記封筒に対して負圧を作用させることと、
前記挿入ステーションに向かって前記封筒を移動させるために前記回転面を移動させることと、
前記封筒が前記回転面と共に移動するとき、相対的に静止した面によって、前記封筒の先端部を支持することと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項20】
前記封筒の前記先端部を前記回転面から離れるように持ち上げることをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記物品に向かって第1の進行方向に前記封筒を移動させるために第1の回転方向に第1の回転要素を回転させることをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項22】
前記第1の進行方向と反対の第2の進行方向に前記封筒を移動させるために第1の回転方向に第1の回転要素を回転させることをさらに具備することを特徴とする請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記回転面に対して負圧を連続的に作用させることをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項24】
前記回転面の選択された部分に選択的に負圧を発生させるために、真空源に対する、前記回転面の移動を電気的に制御することをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項25】
前記回転面に対して略接線方向の平面内で前記封筒を移動させることをさらに具備することを特徴とする請求項19に記載の方法。
【請求項26】
封筒、ならびに前記封筒内に挿入されるペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを処理するための装置であって、
フレーム構造体と、
前記フレーム構造体に取り付けられかつそれに対して概ね静止状態のサポートプレートであって、概ね直立な向きで前記封筒のスタックを支持するための概ね平坦な面を有するサポートプレートと、
前記フレーム構造体に取り付けられかつ前記サポートプレートと交差するように方向付けられた検出面を有する圧力検出レバーであって、この圧力検出レバーは、前記封筒の前記スタックによって加えられる圧力に応じて回転動作可能であり、前記圧力検出レバーは、前記スタックの第1の封筒の先端部分が前記検出面の後方の領域内に突出することを可能とするために前記サポートプレートに対して配置されている圧力検出レバーと、
前記封筒のスタックの中の封筒に向かって前記物品を移動させるための供給装置と、
前記フレーム構造体から支持され、かつ、前記封筒と係合すると共に前記物品に向かって前記封筒を移動させるよう構成された表面を有する真空ドラムと、
前記真空ドラムに組み合わされ、かつ、前記封筒が前記真空ドラムと共に移動するとき前記封筒を支持するよう構成された前記真空ドラムに対して接線をなす略平坦な表面を含む傾斜要素と、
を具備してなることを特徴とする装置。
【請求項27】
封筒、ならびに前記封筒内に挿入されるペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを処理するための方法であって、
挿入ステーションに向かって前記物品を移動させることと、
回転表面に対して前記封筒を係合させるために前記封筒に対して負圧を作用させることと、
前記挿入ステーションに向かって前記封筒を移動させるために前記回転面を移動させることと、
前記封筒が前記回転面と共に移動するとき、前記封筒の先端部分を相対的に静止した表面によって支持することと、
前記封筒のスタックに対して、それらを前記挿入ステーションに向かって移動させるために第1の力を作用させることと、
前記スタックの第1の封筒を回転動作可能な面によって係合させることと、
前記第1の力に反応して前記可動面を回転移動させることと、
前記第1の力とは異なる第2の力を前記封筒のスタックに対して作用させることと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項28】
封筒、ならびに前記封筒内に挿入されるペーパーあるいはフィルム物品あるいはそうした物品のスタックを処理するための方法であって、
挿入ステーションに向かって前記物品を移動させることと、
回転表面に対して前記封筒を係合させるために前記封筒に対して負圧を作用させることと、
前記挿入ステーションに向かって前記封筒を移動させるために前記回転面を移動させることと、
封筒供給ポジションに向かって前記封筒のスタックを付勢することと、
前記付勢に起因する前記供給ポジションにおける先頭の封筒への圧力を検出することと、
前記検出に応答して前記付勢を制御することと、
を具備することを特徴とする方法。
【請求項29】
前記封筒のスタックから前記先頭の封筒を取り出すことと、
前記挿入ステーションに向かって前記先頭の封筒を移動させることと、
をさらに具備することを特徴とする請求項28に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図7】
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【図8A】
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【図9】
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【図3】
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【図4A】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【公表番号】特表2012−501881(P2012−501881A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526067(P2011−526067)
【出願日】平成21年1月9日(2009.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2009/030538
【国際公開番号】WO2010/027522
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(511058431)ケルン・インターナショナル・インコーポレーテッド (5)