説明

封緘容器

【課題】 容器内が密封状態に保たれた容器であることを消費者が知り得、しかも消費者使用時にあっても外気が容器内へ入り難く、外気流入による収納物変質を防止可能とした容器を提案する。
【解決手段】 容器体口頸部4上端面を密閉させて口頸部に嵌合させた蓋体11の頂壁12前部からノズル15を起立すると共に、ノズル孔上端面を密閉する摘み板17を破断可能な薄肉部18を介してノズル上面から起立し、又頂壁12後部から起立させた支持板19上端へ、肉薄ヒンジ20を介して、上記ノズル孔内へ密嵌可能な栓21を有する蓋板22を付設し、上記支持板および周壁13後面を垂直壁面23として、該垂直壁面へ蓋板上面を重ねて垂下させた蓋板からフック24を突設して、該フックを周壁13後部下端内面へ着脱自在に係合させた。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は封緘容器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来封緘容器として多数知られているが、例えば実開平6-78262 号にあっては、容器体口頸部外面に開設した第1係合突条下面へ、口頸部外面へ嵌合するキャップ周壁の下部内面へ周設した第2係合突条を離脱不能に係合させ、第2係合突条上方のキャップ周壁中間部分を破断帯で形成し、該破断帯除去により上方キャップ部分を口頸部上部に対する、着脱可能なキャップとして使用可能としている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】化粧液においては、外気に触れると変質し易いために比較的短期間に使い終ることを必要とするものがあり、このような液体収納容器は、外気が容器体内へ入ることを少くするために収納物流出口を小とすることが望まれ、又販売店においても客が蓋体を外さないようにすることが必要となり、更に消費者がその容器購入後は、密封保管することが容易であることを要する。本発明は、このような必要ないし要望を満たすべく発明したものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】第1の手段として口頸部4外面に第1係合突条5を周設した容器体1と、上記口頸部上端面を密閉する頂壁12外周から周壁13を垂下して該周壁内面に、上記第1係合突条下面へ抜出し不能に係合する第2係合突条14を周設する、合成樹脂製の蓋体11とからなり、該蓋体は、頂壁前部から収納物流出用のノズル15を起立すると共に、該ノズル上面から、ノズル孔16上端面を密閉する摘み板17を、破断可能な薄肉部18を介して起立し、又頂壁後部から支持板19を起立して、該支持板上端へ、肉薄ヒンジ20を介して上記ノズル孔内へ密嵌可能な栓21を有する蓋板22を付設し、上記支持板19および周壁13後面を連続する垂直壁面23に形成して、該垂直壁面へ支持板19後方へ垂下させた蓋板22の上面を重ね、該上面前部から突設したフック24を周壁13の後部下端内面へ着脱可能に嵌合させた。
【0005】第2の手段として、上記第1の手段を有すると共に、容器体胴部2を弾性圧搾可能に形成すると共に口頸部4内面に内向きフランジ6を付設し、短筒31下端面一部から弾性部32を介して弁板33を突出する合成樹脂製の弁部材34を設けて、内向きフランジ上方の口頸部部分内面へ短筒31を固着させ、弁板33を内向きフランジの上面へ圧接させてフランジ孔6a上面を密閉させ、これ等内向きフランジと弁板33とで吐出弁35を形成した。
【0006】
【発明の実施の形態】まず、図1から図4が示す実施形態について説明すると、本発明封緘容器は容器体と蓋体とからなる。容器体1は、胴部2上端から肩部3を介して口頸部4を起立し、該口頸部の中間部外面に第1係合突条5を周設している。該突条は上面をテーパ状に下外方へ拡開し、又その下面は水平として、後述蓋体が有する第2係合突条との係合を確実としている。該容器体は合成樹脂材で形成してもよく、又硝子等で成形したものでもよい。
【0007】蓋体11は合成樹脂材で一体成形したものであり、上記口頸部の上端面を密閉する頂壁12外周から、周壁13を垂下して、該周壁内面に、上記第1係合突条下面へ抜出し不能に係合する第2係合突条14を周設している。該第2係合突条は下面を上部小径のテーパ面とし、かつ上面を水平面状とするとよい。又該蓋体は、頂壁12前部から収納物流出用のノズル15を起立すると共に、該ノズル上面から、ノズル孔16上端面を密閉する摘み板17を、破断可能な薄肉部18を介して起立する。
【0008】更に頂壁12後部から支持板19を起立して、該支持板上端に、肉薄ヒンジ20を介して、上記ノズル孔16内へ密栓可能な栓21を有する蓋板22を付設する。上記支持板19および周壁13の後面は、連続する垂直壁面23に形成し、図1が示すように支持板19後方へ垂設した蓋板22の上面をその垂直壁面に重ね、該蓋板上面前部から突設したフック24を、周壁13後部の下端内面へ着脱自在に嵌合させている。
【0009】図示実施形態においては、頂壁12の左右両側部上面を、斜下外方へ下降する傾斜面12a、12aとし、かつ該頂壁の左右方向中間部を、前後方向に長い平面部12bとしている。又蓋板11は図2が最も明確に示すように、その蓋板の左右両側および前部から、後部だけ開放の周壁状部25を垂下させて、図4が示すように、既述摘み板17を除去してノズル孔16内へ栓21を嵌合させたとき、その周壁状部25下面が上記平面部12bの左右および前部上面へ載置されるよう設けている。尚このとき周壁状部25後面は支持板19が閉塞するよう設けている。更に図示例にあっては蓋体11からノズル15外面へ嵌合させる短周壁26を垂下する。
【0010】図5と図6とは第2実施形態を示す。該実施形態は容器体1を弾性圧搾可能な胴部2を有する合成樹脂製のチューブ容器体としたもので、口頸部4の中間部内面に内向きフランジ6を付設し、又短筒31下端面一部から弾性部32を介して弁板33を突出する合成樹脂製の弁部材34を設けて、該弁部材の短筒31を、内向きフランジ上方の口頸部部分内面へ嵌合固着させ、弁板33を、その内向きフランジのフランジ孔6aの外周部上面へ圧接密閉させて、これ等内向きフランジ6と弁板33とで吐出弁35を形成している。尚図5は胴部下端面開口状態を示し、該図の状態から容器体内へクリーム状等の収納物充填後、胴部下端を図6のように熱溶着等してシール36する。
【0011】その他部分は同一符号を付けて示すように第1実施形態の場合と同様でよい。図1が示すように、摘み板17でノズル孔を密閉し、かつ蓋板22上面を垂直壁面23に重ね、更にフック24を周壁後部下端内面へ係合させた状態で、別に設けた外箱ないしケース等内へ容器を入れ、市場流通させる。消費者は容器取出し後、摘み板17を捻り、ないしは押し倒す等して除去した後、蓋板22を起し、図4のように栓21をノズル孔16内へ嵌合させて密閉する。
【0012】第2実施形態の場合は、蓋板を開き、胴部2を圧搾すると弁板33が押上げられ、ノズル孔16を通って押出され、胴部押圧を解放すると、胴部の弾性復元で容器内収納物は胴部内へ引き戻され、よって弁板33も弾性復元して吐出弁35を閉じる。
【0013】
【発明の効果】本発明は既述構成とするものであり、容器体口頸部上端面を密閉する、蓋体頂壁12の前部から収納物流出用のノズル15を起立すると共にそのノズル上面からノズル孔上端面を密閉する摘み板17を破断可能な薄肉部18を介して起立したから、その摘み板除去までは容器体内は密封状態が保てることとなり、よって消費者は、流通過程時、外気流入していないことが保証された容器を購入できる安心感を持つことが出来、又収納物は容器体口頸部に比して極めて小径のノズル孔から取出すこととなるから、蓋板22を閉め忘れても容器体内へ入る外気を少くでき、又蓋板は支持板19後方へ垂下し、それ等支持板および周壁の後面に設けた垂直壁面23へ蓋板上面を重ね、かつ蓋板上面前部から突設したフック24を周壁13の後端下端内面へ係合させたから、該容器をケースないし外箱等内へ収納させる際、その蓋板が邪魔とならない。
【0014】容器体胴部を弾性圧搾可能とすると共に、容器体口頸部内へ嵌合した弁部材34の弁板33を内向きフランジ上面へ圧接させてそのフランジ孔6a上面を密閉させ、これ等内向きフランジと弁板33とで吐出弁35を形成したから、胴部圧搾によりノズル孔から収納物が出た後、胴部圧搾解放で直ちに上記吐出弁35は閉塞し、従って吐出弁とノズルとの間に蓋体締め忘れ等で外気が流入することがあったとしても吐出弁下方の収納室内へ外気が入ることは全くなく、外気流入による収納物変質を防止する事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 一部を切欠いて示す、本発明容器の側面図である。
【図2】 蓋板を蓋体周壁から外した状態で示す斜視図である。
【図3】 蓋体成形時の形状を示す、断面図である。
【図4】 摘み板を除去し、かつ蓋板の栓をノズル孔内へ嵌合させた状態で示す、図1容器の一部切欠き側面図である。
【図5】 実施形態を異にし、かつ容器体下端面開口状態で示す、縦断面図である。
【図6】 蓋板を蓋体周壁から外した状態で示す、図5容器の斜視図である。
【符号の説明】
1…容器体 11…蓋体
17…摘み板 21…栓
24…フック 33…弁板
35…吐出弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】 口頸部4外面に第1係合突条5を周設した容器体1と、上記口頸部上端面を密閉する頂壁12外周から周壁13を垂下して該周壁内面に、上記第1係合突条下面へ抜出し不能に係合する第2係合突条14を周設する、合成樹脂製の蓋体11とからなり、該蓋体は、頂壁前部から収納物流出用のノズル15を起立すると共に、該ノズル上面から、ノズル孔16上端面を密閉する摘み板17を、破断可能な薄肉部18を介して起立し、又頂壁後部から支持板19を起立して、該支持板上端へ、肉薄ヒンジ20を介して上記ノズル孔内へ密嵌可能な栓21を有する蓋板22を付設し、上記支持板19および周壁13後面を連続する垂直壁面23に形成して、該垂直壁面へ支持板19後方へ垂下させた蓋板22の上面を重ね、該上面前部から突設したフック24を周壁13の後部下端内面へ着脱可能に嵌合させたことを特徴とする封緘容器。
【請求項2】 容器体胴部2を弾性圧搾可能に形成すると共に口頸部4内面に内向きフランジ6を付設し、短筒31下端面一部から弾性部32を介して弁板33を突出する合成樹脂製の弁部材34を設けて、内向きフランジ上方の口頸部部分内面へ短筒31を固着させ、弁板33を内向きフランジの上面へ圧接させてフランジ孔6a上面を密閉させ、これ等内向きフランジと弁板33とで吐出弁35を形成したことを特徴とする、請求項1記載の封緘容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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