導光板
【課題】、光が入射される入光部付近で生じる輝度ムラを低減することが可能な導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法を提供する。
【解決手段】導光板は、光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドット12を備える。光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域Aには、複数の仮想格子gが規則的に二次元配列されており、複数の仮想格子のうち所定の仮想格子に、光反射ドットが形成されており、複数の仮想領域のうちの一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の光反射ドットは、ドット形成面上に形成されている。
【解決手段】導光板は、光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドット12を備える。光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域Aには、複数の仮想格子gが規則的に二次元配列されており、複数の仮想格子のうち所定の仮想格子に、光反射ドットが形成されており、複数の仮想領域のうちの一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の光反射ドットは、ドット形成面上に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等の透過型画像表示装置は、一般に、導光板により面状の光を供給する面光源装置をバックライトとして有している。面光源装置の方式としては、導光板の背面側に光源が設けられる直下式と、導光板の側面に沿って光源が設けられるエッジライト方式とがある。エッジライト方式は画像表示装置の薄型化の観点で有利である。
【0003】
エッジライト方式の面光源装置では、導光板の側面から入射した光が、導光板の背面側に設けられた配光パターン(例えば、光反射ドットからなる配光パターン)の作用により反射及び拡散(散乱)し、臨界角度以上の角度成分の光が導光板の出射面から出射することによって、面状の光を供給する。その発光面の輝度を均一にするために、特許文献1及び2に記載の導光板では、光源から離れるに従い配光パターンの密度を粗から密にしたグラデーションを施している。
【0004】
また、特許文献1には、この種のドット状の配光パターンを液滴吐出(例えば、インクジェット印刷)によって形成する手法も開示されている。例えば、インクジェット印刷手法では、印刷タクトを短縮するために、インクジェットヘッドを複数配列させて印刷することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−240294号公報
【特許文献2】特開2008−27609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、より画像表示装置を薄型化した場合、導光板内での光の反射回数が増えるため、光源付近をより低被覆率、例えば、0.1%以上30%以下として印刷する必要がある。
【0007】
また、コスト削減のためにLEDを短辺方向に配列させる、一辺方向からのみ入光させるなどすると、光路長が長くなるため、薄型化と同様に、光源付近をより低被覆率として印刷する必要がある。
【0008】
しかしながら、光源からの光が入射される入光部付近をより低被覆率として光反射ドットを印刷する場合、光反射ドットが小さいため、印刷領域と非印刷領域での明暗差が大きく、入光部付近でモヤのような輝度ムラが生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、光が入射される入光部付近で生じる輝度ムラを低減することが可能な導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る導光板は、光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットを備える。この導光板において、複数の光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域の各々には、印刷目標としての複数の仮想格子が規則的に二次元配列されており、二次元配列された複数の仮想格子のうち所定の仮想格子に、光反射ドットが形成されている。複数の仮想領域から選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の光反射ドットはドット形成面上に形成されている。
【0011】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンは、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるという規則性を有する。そのため、光源付近をより低い被覆率で光反射ドットを形成した場合であっても、光反射ドットの印刷領域(光反射ドットが形成された領域)と非印刷領域(光反射ドットが形成されていない領域)での明暗差が低減される。その結果、導光板において光が入射される入光部近傍における輝度ムラが抑制される。
【0012】
一実施形態において、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域の周囲の24個の仮想領域うちの6個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称とし得る。
【0013】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が向上するので、入光部近傍での輝度ムラが抑制される。
【0014】
一実施形態において、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域に隣接する8個の仮想領域のうちの4個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称であり得る。
【0015】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が更に向上するので、入光部近傍での輝度ムラがより低減される。
【0016】
一実施形態での複数の仮想領域の各々において、仮想領域内に形成された複数の光反射ドットの直径のうち最大直径をD(μm)とし、二次元配列における第1の配列方向の上記仮想格子の数をL1(個)とし、二次元配列における第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)としたとき、
10μm<D≦300μmであり、
2<L1≦200且つ2<L2≦200、
であり得る。
【0017】
一実施形態における複数の仮想領域の各々において、仮想領域は、複数の小領域に分割され得る。この場合、小領域は、
仮想領域内の光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
二次元配列における第1の配列方向の仮想格子の数をL1(個)とし、
二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)とし、
L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
N1及びN2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin,N2eminとし、
小領域の第1の配列方向の仮想格子の数をM1(個)とし、
小領域の第2の配列方向の仮想格子の数をM2(個)としたとき、
M1は、L1/N1eminであり、
M2は、L2/N2eminである、
領域であり得る。この形態では、複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合は、75%以下であってもよい。
【0018】
複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下であると、仮想領域内に光反射ドットが均一に配置されやすい。その結果、入光部近傍での輝度ムラがより低減される。
【0019】
一実施形態において、ドット形成面上に形成される複数の光反射ドットは、大きさが異なる2種類以上の光反射ドットを含み得る。
【0020】
本発明の他の側面は、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットからなる配光パターンの設計方法に係る。この設計方法は、導光板基材において光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の領域に分割すると共に、仮想領域毎に被覆率を設定する被覆率設定工程と、仮想領域毎に、印刷目標のための仮想格子であって、規則的に二次元配列された仮想格子を設定する仮想格子設定工程と、仮想領域毎に、被覆率に基づいて仮想格子上に形成する光反射ドットの大きさ及び光反射ドットの数を設定する光反射ドット条件設定工程と、複数の仮想領域から選択した一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの仮想領域のうちの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称になるように、各仮想領域において光反射ドットを仮想格子に配置することによって、配光パターンを得る光反射ドット配置工程と、を備える。
【0021】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンは、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるという規則性を有する。そのため、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近において、光反射ドットの被覆率を低被覆率としても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0022】
一実施形態において、光反射ドット配置工程では、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域の周囲の24個の仮想領域うちの6個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるように、光反射ドットを仮想格子に配置してもよい。
【0023】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が向上するので、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0024】
一実施形態において、上記光反射ドット配置工程では、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域に隣接する8個の仮想領域のうちの4個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるように、光反射ドットを仮想格子に配置してもよい。
【0025】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が更に向上するので、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラがより低減される。
【0026】
一実施形態において、仮想格子設定工程の後に、複数の仮想領域の各々において、仮想領域を小領域に分割する仮想領域分割工程を更に備えてもよい。
この場合、小領域は、
仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
二次元配列における第1の配列方向の仮想格子の数をL1(個)とし、
二次元配列における第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)とし、
L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
N1及びN2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
M1がL1/N1eminであり、M2がL2/N2eminである、
領域であり得る。
【0027】
このように、仮想領域を上記小領域に分割することによって、導光板において入光部付近における輝度ムラをより低減可能な複数の光反射ドットの配光パターンの設計が容易になる。
【0028】
一実施形態では、光反射ドット配置工程では、各仮想領域において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下となるように、光反射ドットを仮想格子に配置し得る。
【0029】
この場合、複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下となるので、仮想領域内に光反射ドットが均一に配置されやすい。そのため、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラがより低減される。
【0030】
一実施形態において、光反射ドット条件設定工程では、光反射ドットの大きさを2種類以上設定してもよい。この場合、光反射ドット配置工程では、大きさの異なる2種類以上の光反射ドットを配置してもよい。
【0031】
本発明の更に他の側面は、印刷を行うための印刷部位が複数配列されているユニットを2つ以上備え、印刷部位の配列方向にユニットが並んでいる印刷装置を用いて、導光板基材の少なくとも一方の面に、複数の光反射ドットからなる配光パターンが形成された導光板を製造する方法に係る。この方法は、本発明に係る上記設計方法によって所定の配光パターンを設計する配光パターン設計工程と、導光板基材に対して上記ユニットを相対移動しながら、ユニットの印刷部位により導光板基材に上記配光パターンに従って光反射ドットを印刷する光反射ドット印刷工程と、を備える。
【0032】
この導光板を製造する方法によれば、導光板基材には、複数の光反射ドットが、本発明に係る設計方法で設計された配光パターンで形成される。そのため、上記製造方法によって製造された導光板では、入光部付近における光反射ドットの被覆率が低被覆率であっても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0033】
一実施形態では、上記印刷部位は、ノズルであり、上記ユニットは、ノズルを複数配列したインクジェットヘッドであり、上記光反射ドットは、導光板用紫外線硬化型インクジェットインクであってもよい。
【0034】
本発明の更に他の側面は、本発明に係る上記設計方法で、設計された配光パターンを備える導光板に係る。また、本発明の更に他の側面は、本発明に係る上記導光板の製造方法によって製造された導光板に係る。
【0035】
本発明の更に他の側面は、本発明に係る導光板と、導光板の側面に光を供給する光源と、
を備える、エッジライト型の面光源装置に係る。
【0036】
この面光源装置では、本発明に係る導光板を備えているので、入光部付近における輝度ムラが低減される。入光部付近における光反射ドットの被覆率が低被覆率であっても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、より輝度の均一な光を出射できる。
【0037】
本発明の更に他の側面は、上記本発明に係る面光源装置と、面光源装置の出射面と対向して配置された透過型画像表示部と、を備える透過型画像表示装置に係る。
【0038】
この透過型画像表示装置では、本発明に係る面光源装置を備えているので、透過型画像表示部を均一に照明できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、光が入射される入光部付近で生じる輝度ムラを低減することが可能な導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る導光板の一実施形態を備える透過型画像表示装置を示す断面図である。
【図2】導光板を背面側からみた場合の平面図である。
【図3】導光板の背面の一部拡大図である。
【図4】仮想領域の模式図である。
【図5】本発明に係る導光板の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】光反射ドットの印刷に用いられる印刷装置を含む導光板1の製造装置を示す模式図である。
【図7】インクジェットヘッドを液滴の吐出側からみた図面である。
【図8】(a)は、実施例2における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例3における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(c)実施例4における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(d)実施例5における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図9】(a)実施例6における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例7における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図10】(a)実施例8における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例9における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図11】実施例10における複数の光反射ドットの配光パターンを示す図面である。
【図12】(a)〜(e)は、実施例11における仮想領域内の光反射ドットの配置例を示す図面である。
【図13】実施例11の配光パターン内における図12に示した各仮想領域の配置の一例を示す図面である。
【図14】実施例1〜5及び比較例1の評価結果を示す図表である。
【図15】実施例6,7及び比較例2の評価結果を示す図表である。
【図16】実施例8,9及び比較例3の評価結果を示す図表である。
【図17】実施例10,11の評価結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0042】
図1は、本発明に係る導光板の一実施形態を備える透過型画像表示装置を示す断面図である。図1に示す透過型画像表示装置100は、面光源装置20と、透過型画像表示部30とから主として構成される。面光源装置20は、導光板基材11を有する導光板1と、導光板1の側方に設けられており導光板1に光を供給する光源3とを備えるエッジライト型面光源装置である。
【0043】
導光板基材11は略直方体形状を呈しており、出射面S1と、出射面S1の反対側の背面S2と、出射面S1及び背面S2に交差する4つの側面S31〜S34(図2参照)とを有する。本実施形態において、4つの側面S31〜S34は、出射面S1及び背面S2に略直交する。導光板基材11の平面視形状は、長方形に限らず、正方形でもよい。
【0044】
導光板基材11は、透光性材料からなり、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂シート、ポリスチレンシート又はポリカーボネート系樹脂シートであることが好ましく、これらのなかでも、ポリメチルメタクリレート樹脂シート(PMMA樹脂シート)が好ましい。導光板基材11は拡散粒子を含んでいてもよい。導光板基材11の光反射ドット12が形成される表面(背面S2)と反対側の表面(出射面S1)は、本実施形態のように平坦面であってもよいが、凹凸形状を有していてもよい。なお、導光板基材11の厚みは1.0mm以上4.5mm以下であることが好ましい。
【0045】
導光板基材11の背面(ドット形成面)S2は、背面S2のほぼ全面に撥液処理が施された面であってもよい。背面S2に施す撥液処理は、背面S2に水滴を滴下した際の接触角が80度〜130度となるような撥液処理であり、好ましくは接触角が85度〜120度、より好ましくは接触角が90度〜110度となるような撥液処理である。本実施形態において、接触角とは、静的接触角である。
【0046】
この導光板基材11の背面S2側には複数の光反射ドット12が形成されている。すなわち、導光板1は、背面S2側に設けられた複数の光反射ドット12を更に有する。各光反射ドット12の最大厚さは、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
【0047】
複数の光反射ドット12は、図2に示すように、背面S2上に互いに離間して配置されている。隣接する2つの光反射ドット12のピッチP(例えば、光反射ドット12の頂部と頂部との間の距離)は、光反射ドット12の直径より大きい。隣接する2つの光反射ドット12のピッチの例は、10μm以上1000μm以下であり、好ましくは、25μm以上500μm以下であり、より好ましくは、50μm以上100μm以下である。図2は、導光板を背面側からみた場合の平面図である。図2では、説明の便宜のため、光源3も一緒に示している。図2に示すように、光反射ドット12は、均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように、光源3に近い入光部側では小さく、光源3から離れるに従って大きくなる。光反射ドット12は、背面S2の全面にわたって規則的に二次元配列された仮想格子に形成されているので、光反射ドット12の被覆率は、光源3に近い入光部側では低く、光源3から離れるに従って高くなる。光反射ドット12同士は連結しないことが好ましい。図2では、光反射ドット12の大きさや個数などは説明の便宜のために変更されており、後述するように、光反射ドット12の個数及び配光パターンは、均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように調整される。ここで、光反射ドット12の配向パターンは、複数の光反射ドット12の配置パターンに対応する。
【0048】
光源3は、互いに対向する一対の側面S31,S32の側方に配置される。光源3は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)等の線状光源であってもよいが、LED等の点状光源であることが好ましい。この場合、図2に示すように、導光板基材11の例えば矩形の背面S2を構成する4辺のうち互いに対向する2辺に沿って、複数の点状光源が配列される。後述のインクジェットインクにより形成される光反射ドット12とLEDとを組み合わせることが、自然な色調の光を得るために特に有利である。
【0049】
図1に示すように、透過型画像表示部30は、導光板1の出射面S1側において導光板1と対向配置されている。透過型画像表示部30は、出射面S1から出射される面状の光で照明されることによって、画像を表示する。透過型画像表示部30の例は、液晶セルを有する液晶表示部である。
【0050】
上記構成において、光源3から出力された光は、側面S31,S32から導光板基材11に入射する。導光板基材11に入射した光は、光反射ドット12において乱反射することにより、主として出射面S1から出射される。出射面S1から出射した光は透過型画像表示部30に供給される。均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように、光反射ドット12の個数及び配光パターンは調整されている。
【0051】
次に、複数の光反射ドット12からなる配光パターンについて説明する。図3は、配光パターンを説明するための図面である。図3は、背面S2を一部拡大している。図3では、光反射ドット12を明確に示すために光反射ドット12を便宜的に黒丸で示している。
【0052】
図3に示すように、背面S2を等間隔で仮想的に複数の仮想領域Aに分割する。本実形態では、図3に示すように、互いに直交する第1の方向(第1の配列方向)x及び第2の方向(第2の配列方向)yに等間隔で背面S2を分割することによって、背面S2が複数の仮想領域Aに分割されている。図3は、背面S2を分割した複数の仮想領域Aのうち3個×3個の仮想領域Aを抜粋して示している。図3において太実線で区切られる領域が仮想領域Aである。他の図面においても同様とする。
【0053】
複数の仮想領域Aの形状は同一である。本実施形態では、仮想領域Aの形状は正方形として説明する。ただし、仮想領域Aの形状は長方形でもよいし、平行四辺形や菱形でもよい。
【0054】
図4は、仮想領域を説明するための図面である。図4は、図3における仮想領域Aの一つを抜粋して示している。各仮想領域Aには、印刷目標としての複数の仮想格子g(破線で囲まれる領域)が規則的に二次元配列されている。二次元配列された複数の仮想格子gのうち所定の仮想格子gに、光反射ドット12が形成されている。図3では、仮想格子gが、第1の方向xと、第1の方向xに直交する第2の方向yにそれぞれ配列されることによって、複数の仮想格子gが二次元配列を構成している場合を例示している。仮想格子gの形状の一例は、図3及び図4に示すように正方形であるが、長方形でもよいし、平行四辺形や菱形でもよい。第1の方向xと第2の方向yとは直交している場合に限らず、第1の方向xと第2の方向yとは交差していればよい。
【0055】
複数の光反射ドット12は、次の条件1を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件1)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、複数の仮想領域Aのうちの残りのうちの少なくとも一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となっている。
【0056】
好ましくは、複数の光反射ドット12は、次の条件2を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件2)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、その仮想領域Aの周囲の24個の仮想領域Aのうちの6個以上の仮想領域A内の反射ドット12の配置と並進対称である。仮想領域Aの周囲の24個の仮想領域Aとは、一つの仮想領域Aを2つの仮想領域Aの幅で取り囲む24個の仮想領域Aである。
【0057】
更に好ましくは、複数の光反射ドット12は、次の条件3を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件3)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aのうちの4個以上の仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称である。
【0058】
上記並進対称とは、着目する(又は選択した)仮想領域Aを第1の方向x又は第2の方向yに平行移動させた場合に、他の仮想領域Aと重なることを意味する。以下の説明では、着目する仮想領域Aに対して並進対称な仮想領域Aの個数を並進対称数とも称す。このように並進対称数を定義すると、条件2は、5×5で2次元配列された25個の仮想領域Aにおいて、中央の仮想領域Aを着目した仮想領域Aとし、2次元配列された25個の仮想領域Aにおいて着目した仮想領域Aに対する並進対称数が6個以上であることに対応する。同様に、条件3は、3×3で2次元配列された9個の仮想領域Aにおいて、中央の仮想領域Aを着目した仮想領域Aとし、2次元配列された9個の仮想領域Aのうち着目した仮想領域Aに対する並進対称数が4個以上であることに対応する。
【0059】
図3では、複数の光反射ドット12は、仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、他のすべての仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となるように配置されている。その結果、上記条件3を満たしている。よって、図3では、条件1,2も満たす。
【0060】
仮想領域Aの大きさと光反射ドット12の大きさとの関係の一例は、次の通りである。
【0061】
すなわち、一実施形態において、仮想領域A内に形成された複数の光反射ドット12の直径のうち最大直径をD(μm)とし、二次元配列における第1の方向xの仮想格子gの数をL1(個)とし、二次元配列における第2の方向yの仮想格子gの数をL2(個)としたとき、光反射ドット12の大きさ及び仮想領域Aの大きさは次の3つの式(1a),(1b),(1c)を満たす。
【数1】
なお、上記Dは、好ましくは、20μm以上200μm以下であり、より好ましくは、30μm以上100μm以下である。
【0062】
一実施形態において、複数の小領域Bに仮想領域Aを分割した場合、小領域Bに光反射ドット12が形成されていない割合が75%以下とし得る。ここで、小領域Bは、仮想領域Aを構成する要素領域である。小領域Bは次のように設定される領域である。
【0063】
仮想領域A内の光反射ドット12の個数をn個(n>1)とし、第1の方向xの仮想格子gの数をL1(個)とし、第2の方向yの仮想格子gの数をL2(個)とし、L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、N1及びN2を構成する要素をN1e,N2eとしたとき、XをN1e×N2e―nと定義すると共に、YをN1e+N2eと定義する。そして、Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin,N2eminとし、小領域Bの第1の方向xの仮想格子gの数をM1(個)とし、小領域Bの第2の方向yの仮想格子gの数をM2(個)としたとき、M1が、L1/N1eminであって、M2は、L2/N2eminである。従って、小領域Bは、第1の方向xの仮想格子gの数がM1個で、第2の方向yの仮想格子gの数がM2個の領域である。
【0064】
図4に例示した仮想領域Aの場合について小領域Bの構成を具体的に説明する。図4では、小領域Bは細い実線で囲まれる領域である。仮想領域Aにおいて、n=9、L1=L2=6である。よって、N1=N2={1,2,3,6}である。N1の要素N1eは1,2,3,6から選択される数であり、N2の要素N2eは1,2,3,6から選択される数である。{1,2,3,6}から選択されるN1eとN2eとの組み合わせにおいて、Xが0以上という条件の下で、XとYが最小であるN1eとN2eとの組み合わせは、N1e=N2e=3である。すなわち、N1emin及びN2eminは3である。この場合、M1及びM2は2である。従って、小領域Bは、第1の方向x及び第2の方向yの仮想格子gがそれぞれ2個である領域である。図4に例示した仮想領域Aでは、小領域Bの大きさを示すために、一つの小領域Bにハッチングを施して示しており、仮想領域Aは、9個の小領域Bを含む。図4に例示した仮想領域Aでは、各小領域Bが光反射ドット12を含むので、小領域Bに光反射ドット12が形成されていない割合は0%である。
【0065】
次に、本実施形態の導光板を製造する方法の一例について説明する。図5は、導光板の製造方法のフローチャートである。図5に示すように、導光板を製造する場合には、導光板に形成する複数の光反射ドットの配光パターンを設計する配光パターン設計工程S10と、配光パターン設計工程S10で設計された配光パターンで導光板基材11に複数の光反射ドット12を形成する光反射ドット印刷工程S20とを含む。まず、配光パターン設計工程S10について説明する。
【0066】
導光板1において、光反射ドット12が形成されるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の仮想領域Aに分割すると共に、仮想領域A毎に被覆率を設定する(被覆率設定工程S11)。本実施形態では、ドット形成面は、前述したように、互いに直交する第1の方向x及び第2の方向yを等間隔に分割することによって、複数の仮想領域Aに分割される。本実施形態において、ドット形成面は、背面S2に対応する。仮想領域Aの数及び被覆率は、出射面S1から均一な光が出射されるように設定する。
【0067】
次に、仮想領域A毎に、印刷目標のための仮想格子gであって、規則的に二次元配列された仮想格子gを設定する(仮想格子設定工程S12)。本実施形態では、仮想領域Aを第1の方向x及び第2の方向yに更に等間隔に分割することによって、設定され得る。
【0068】
続いて、仮想領域A毎に、被覆率に基づいて仮想格子g上に形成する光反射ドット12の大きさ及び光反射ドット12の数を設定する(光反射ドット条件設定工程S13)。光反射ドット12の大きさとの例は、光反射ドット12の直径である。
【0069】
次いで、複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、複数の仮想領域Aのうちの残りの仮想領域Aのうちの少なくとも一つにおける光反射ドット12の配置と並進対称になるように、各仮想領域Aにおいて光反射ドット12を仮想格子gに配置することによって、配光パターンを得る(光反射ドット配置工程S14)。すなわち、上述した条件1を満たすように、各仮想領域Aにおいて光反射ドット12を仮想格子gに配置する。この際、好ましくは、上述した条件2を満たすように、光反射ドット12を配置する。更に好ましくは、上述した条件3を満たすように、光反射ドット12を配置する。
【0070】
一実施形態において、仮想格子設定工程S12の後に、複数の仮想領域Aの各々において、仮想領域Aを小領域Bに分割する仮想領域分割工程を更に備えてもよい。小領域Bは、前述したように、第1の方向xの仮想格子gの数がM1個であり、第2の方向の仮想格子の数がM2個である領域である。このように、仮想領域Aを更に小領域Bに分割した場合には、光反射ドット配置工程S14において、仮想領域A内において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合が75%以下となるように、光反射ドット12を配置してもよい。なお、仮想領域分割工程は、仮想格子設定工程S12の後であれば特に限定されない。例えば、光反射ドット配置工程内で実施されてもよい。
【0071】
一実施形態において、光反射ドット12の大きさ及び仮想領域Aの大きさは、式(1a)〜式(1c)を満たすように設計され得る。
【0072】
上記光反射ドット条件設定工程S13では、光反射ドット12の大きさを2種類(2パターン)以上設定してもよい。この場合、光反射ドット配置工程S14では、大きさの異なる2種類以上の光反射ドット12を規則的に配置してもよいし、不規則に配置してもよい。
【0073】
次に、配光パターン設計工程S10で得られた配光パターンに従って、複数の光反射ドット12をドット形成面S2に印刷する。図6は、光反射ドットの印刷に用いられる印刷装置を含む導光板1の製造装置を示す模式図である。
【0074】
製造装置200は、導光板基材11を搬送する搬送手段40と、インクジェットヘッド部5と、UVランプ7と、検査装置9とから構成される。インクジェットヘッド部5、UVランプ7及び検査装置9は、導光板基材11の移動方向Uにおいて上流側からこの順に配置される。インクジェットヘッド部5とUVランプ7が、光反射ドット12の印刷装置に対応する。
【0075】
導光板基材11は、搬送手段40によって、方向Uに沿って連続的又は間欠的に搬送される。導光板基材11は、製造される導光板のサイズに合わせて予め裁断されていてもよいし、長尺の導光板基材11上に光反射ドット12を形成し、その後、導光板基材11を裁断してもよい。本実施形態における搬送手段40はテーブルシャトルであるが、搬送手段はこれに限られるものではなく、例えばベルトコンベア、コロ、又はエア浮上移送であってもよい。
【0076】
導光板基材11の光反射ドット12を形成する表面であるドット形成面S0に、支持部41に支持されたインクジェットヘッド部5により液滴状のインクジェットインクが、設計工程S10で設計された配光パターンでドット状にパターン印刷される。このとき、パターン印刷は、ドット形成面S0に滴下する液滴状のインクジェットインクが互いに離間するように行う。
【0077】
インクジェットヘッド部5は、導光板基材11のドット形成面S0における光反射ドット12が形成される領域の幅方向(方向Uに対して垂直な方向)全体にわたって、導光板基材11のドット形成面S0(背面S2)と対向して配列固定された1列又は2列以上の複数のノズルを有している。これら複数のノズルのうち所定のノズルからインクジェット方式により吐出された液滴状のインクが、導光板基材11の幅方向全体において同時に一括して印刷される。好ましくは、導光板基材11を一定の速度で連続的に移動させながら、インクが印刷される。或いは、導光板基材11を停止した状態でインクを印刷することと、導光板基材11を次の印刷位置まで移動させてから停止することとを繰り返して、複数列のドットから構成されるパターンでインクを効率的に印刷することもできる。インクを吐出する上記所定のノズルは、配光パターンに応じて制御される。
【0078】
導光板基材11の移動速度は、インクが適切に印刷されるように調整される。本実施形態の場合、図6及び図7に示すように、インクジェットヘッド部5は、それぞれ複数のノズル51を有する複数のインクジェットヘッド(ユニット)5a〜5cから構成される。図7は、インクジェットヘッドをインクの吐出側からみた図面である。図7では、インクジェットヘッド5aを例示しているが、インクジェットヘッド5b,5cについても同様である。これら複数のインクジェットヘッド5a〜5cは、導光板基材11が搬送される方向Uに直交する方向に配列され、搬送方向Uにおいて互いの端部が重なるように固定部材52(図6参照)を介して連結されている。
【0079】
本実施形態の場合、インクジェットヘッド部5の複数のノズルを固定した状態で、インクを導光板基材11の幅方向全体にわたって一括して印刷することができる。これにより、可動式のノズルを導光板基材11の幅方向に沿って移動させながらインクを順次印刷する場合と比較して、導光板1の生産性が飛躍的に向上する。
【0080】
特に、導光板基材11の短辺の長さが200mm以上1000mm以下であるような大型の導光板1を製造する場合、本実施形態の方法による生産性向上の効果が大きい。さらに、インクジェット法によれば、例えば最大径が100μm以下であるような微小な光反射ドット12であっても、容易にかつ正確に形成することができる。導光板基材11が薄い場合、出射面S1側から光反射ドット12が透けて見える可能性があるが、光反射ドット12を小さくすることによりこれを防ぐことができる。
【0081】
インクジェットヘッド部5のノズルは、導管55を介してインク供給ユニット50と連結されている。インク供給ユニット50は、例えば、インクが収容されたインクタンクと、インクを送り出すためのポンプとを有している。複数の導管55が単一のインクタンクに連結されていてもよいし、複数のインクタンクにそれぞれ連結されていてもよい。
【0082】
光反射ドット12を形成するためにインクジェット印刷に用いられるインクジェットインクは、顔料と、光重合性成分と、光重合開始剤とを含有する紫外線硬化型のインクであってもよいし、水系インクや溶剤系インク等であってもよい。なお、インクジェットインクには、顔料が必ずしも含まれていなくともよい。
【0083】
顔料は、好ましくは炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子の少なくとも何れか一つである。炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子それぞれの累積50%粒子径D50は、50〜3000nm、より好ましくは、100〜1500nm、更に好ましくは300〜600nmである。累積50%粒子径D50が50〜3000nmの範囲内にある炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子は、市販品から粒度分布に基づいて適宜選択することにより入手が可能である。顔料のインクにおける含有割合は、通常、インクの全体質量を基準として0.5〜15.0質量%程度である。炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子の少なくとも一つである顔料を利用したインクは、無機物を利用したインクである。このような無機物を利用したインクの保存安定性、すなわち、無機顔料沈降性を考慮した場合、3つの粒子のうち一番比重の小さい炭酸カルシウム粒子を顔料として利用することがインクとしてより好ましい。
【0084】
50±10℃におけるインクジェットインクの粘度は、好ましくは5.0〜15.0mPa・s、より好ましくは8.0〜12.0mPa・sである。インクジェットインクの粘度は、例えば、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量及び/又は含有割合により調整することができる。脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量及び含有割合が大きくなると、インクの粘度が大きくなる傾向がある。
【0085】
25.0℃におけるインクジェットインクの表面張力は、好ましくは25.0〜45.0mJ/m2、より好ましくは25.0〜37.0mJ/m2である。インクジェットインクの表面張力は、例えば、シリコン系及びフッ素系等の界面活性剤をインクに配合することにより調整することができる。
【0086】
印刷されたインクは、支持部42に支持されたUVランプ7により、領域70において硬化される。これにより、硬化したインクからなる光反射ドット12が形成される。すなわち、光反射ドット12がドット形成面S0に印刷される。
【0087】
その後、形成された光反射ドット12の状態を、支持部43に支持された検査装置9によって検査する工程を経て、導光板1が得られる。導光板1は必要により所望のサイズに裁断される。本実施形態のように、インクジェットヘッド部5の下流側に設けられた検査装置9により導光板1が連続的に検査される必要は必ずしもなく、別途準備された検査装置によりオフラインで導光板を検査することもできる。あるいは、検査装置による導光板1の検査が省略されることもあり得る。
【0088】
図1及び図2に示した導光板1が有する複数の光反射ドット12は、配光パターン設計工程S10で設計された配光パターンで背面S2に配置されている。そのため、図3を利用して説明したように、背面S2を複数の仮想領域Aに分割すると条件1を満たす配光パターンで複数の光反射ドット12が配置されている。
【0089】
すなわち、複数の光反射ドット12は、複数の仮想領域Aから任意に選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、残りの仮想領域Aの少なくとも一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となるという一定の規則性を有するような配光パターンで背面S2上に形成されている。
【0090】
出射面S1からの出射光の輝度を均一にする観点から、通常、導光板1において、光源3からの光が入射する入光部付近において光反射ドット12の被覆率は例えば5%程度のように低く設定される。そのため、図2に例示したように、一般に、側面S31,S32近傍(入光部付近)の光反射ドット12の径は小さい。これは、径をより小さくできるインクジェット印刷を利用して光反射ドット12を形成する場合により顕著である。
【0091】
このように被覆率が低く、光反射ドット12の径がより小さい光源3付近であっても、上記のように一定の規則性を備えて光反射ドット12が配置されている場合、光反射ドット12が印刷されている印刷領域と非印刷領域の大きさの差が低減される。そのため、上記印刷領域と非印刷領域の明暗差が小さくなり、結果として、光源3からの光が入射する光入光部付近でのモヤのような輝度ムラが抑制される。
【0092】
複数の光反射ドット12が配置されるパターンである配光パターンが条件2及び条件3を満たす場合には、配光パターン内における規則性が増加する。そのため、印刷領域と非印刷領域の明暗差がより低減される。条件2と条件3では条件3を満たす配光パターンの方が、配光パターン内における規則性が向上している。その結果、条件2の場合より、条件3を満たす配光パターンによって、複数の光反射ドット12が形成された導光板1の方が光源付近での輝度ムラを抑制できる。
【0093】
仮想領域Aを複数の小領域Bに更に分割した場合であって、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合が75%以下である形態では、仮想領域A内に光反射ドット12が均一に配置されやすい。その結果、導光板1において光源3からの光が入射される入光部付近での輝度ムラがより低減される。
【0094】
配光パターン設計工程S10において、仮想領域Aを小領域Bに分割する工程を備える場合には、上記のように、導光板1において入光部付近における輝度ムラをより低減可能な複数の光反射ドット12の配光パターンの設計が容易になる。
【0095】
また、光反射ドット12の大きさが2種類以上である場合には、光反射ドット12による階調変化を小さくすることができる。その結果、光源3近傍のように低被覆率の領域における輝度ムラをより抑制できる。
【0096】
上記のように導光板1では、入光部近傍の輝度ムラが低減されるので、図1に示した面光源装置20では、より輝度の均一な光を出射できる。そのため、透過型画像表示装置1では、透過型画像表示部30をより均一に照明できる。
【実施例】
【0097】
本発明の実施形態に係る導光板1を実施例として試作し、比較例の導光板との対比評価を行った。実施例及び比較例の導光板は以下の通りである。
【0098】
(実施例1)
923mm×540mmのPMMA樹脂シートを透光性樹脂シートとして準備し、顔料として炭酸カルシウムを含有する紫外線硬化型インクジェットインクを用いて導光板を製造した。
【0099】
具体的には、図5に示したフローチャートに従って、配光パターンを設計した。被覆率設定工程S11では、背面S2を一辺が507μmの正方形の複数の仮想領域Aに分割すると共に、各仮想領域Aの被覆率を3.4%に設定した。次に、格子設定工程S12において、光反射ドット12の印刷目標のための仮想格子gを、仮想領域A毎に6×6個に設定した。この工程では、36個の仮想格子gを、規則的に二次元配列した。仮想領域Aにおいて第1の方向xの仮想格子gの数(L1)は6個であり、仮想領域Aにおいて第2の方向yの仮想格子gの数(L2)も6個とした。続いて、光反射ドット条件設定工程S13において、被覆率3.4%に基づいて、光反射ドット12の直径を35μmに設定すると共に、仮想領域A毎に、光反射ドット12の個数を9個に設定した。次いで、光反射ドット配置工程S14において、各仮想領域A内の光反射ドット12が図4に示した状態になるように、仮想領域Aに光反射ドット12を配置した。この場合、実施例1において設計された複数の光反射ドット12からなる配光パターンは、図3に示された複数の反射ドット12からなる配光パターンに対応する。
【0100】
実施例1では、全ての仮想領域Aにおいて、光反射ドット12は、図4に示されたように配置されている。従って、一つの仮想領域Aに着目した場合に、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aにおける並進対称数は8である。また、着目した仮想領域Aを取り囲む24個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aに対する並進対称数は24である。
【0101】
図4を利用して説明したように、実施例1において仮想領域Aを更に分割する小領域Bの概念を導入した場合、L1=L2=6であり、光反射ドット12の個数(n)が9個であることから、N1emin=N2emin=3である。なお、N1emin,N2eminは、前述したように、L1及びL2の約数からなる集合N1,N2を構成する要素N1e,N2eのうち、X(=N1e×N2e−n)が0以上という条件の下で、Xと、Y(=N1e+N2e)とが最小となるN1e及びN2eである。L1=L2=6であり、N1emin=N2emin=3であることから、小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は2個であり、小領域Bを構成する第2の方向yの仮想格子gの数(M2)も2個である。実施例1では、すべての小領域Bに光反射ドット12が形成されている。その結果、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合をR(%)とすると、R=0であった。上記「割合」は、以下では、割合Rとも称される。
【0102】
次に、PMMA樹脂シートからマスキングフィルムを剥離し、剥離した面に、得られた配光パターンを、紫外線硬化型インクジェットインクによってインクジェット印刷した。インクジェットヘッドとしては、ノズル間距離d1が約84.5μmのものを使用した(図6参照)。配光パターンは、PMMA樹脂シートが有する923mm×540mmの面のうち60mm×500mmの領域に印刷した。
【0103】
次に、印刷したインクジェットインクに紫外線を照射し、インクを光硬化させた。具体的には、紫外線硬化型インクジェットインクをPMMA樹脂シートにパターン印刷した後、6秒後に紫外線を照射してインクを光硬化させた。その結果、光反射ドット12が規則的に配置された配光パターンが形成された実施例1の導光板を得た。
【0104】
(実施例2〜5)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5の導光板を得た。
【0105】
図8(a)〜図8(d)は、それぞれ実施例2〜5における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例2〜5における実施例1との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。図8(a)〜図8(d)では、小領域Bの大きさを示すために、図4の場合と同様に、一つの小領域Bにはハッチングを付している。他の図面でも同様である。
【0106】
実施例2では、小領域B内での光反射ドット12の配置を図8(a)に示したように変更した。実施例2では、仮想領域A内のすべての小領域Bに光反射ドット12を配置した。従って、実施例1と同様に、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは0%であった。
【0107】
実施例3では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(b)に示したように変えた。実施例3において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、33.3%であった。
【0108】
実施例4では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(c)に示したように変えた。実施例4では、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、55.6%であった。
【0109】
実施例5では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(d)に示したように変えた。実施例5では、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、66.7%であった。
【0110】
(比較例1)
図5に示したフローチャートにおいて、実施例1と同様に、被覆率設定工程S11、格子設定工程S12、光反射ドット条件設定工程S13を実施した。その後、仮想格子gに、乱数を利用してランダムに光反射ドットを割り当てることによって、光反射ドットの配光パターンを設計した。このようにして設計した光反射ドットの配光パターンを利用した点以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。
【0111】
(実施例6)
実施例6では、被覆率を1.9%とすると共に、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数(n)を5個にした。光反射ドット12の個数(n)の変更に伴って、仮想領域A内の光反射ドット12の配置を、図9(a)に示すように変更した。図9(a)は、実施例6における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例6では、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数(n)を5個であり、L1及びL2は実施例1と同様に6であることから、N1eminとN2eminとの組みは、(2,3)又は(3,2)である。実施例6では、N1emin=2とし、N2emin=3とした。よって、実施例1と同様に小領域Bの概念を導入すると、実施例6における小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は3個であり、第2の方向yの仮想格子gの数(M2)は2個である。実施例6において、光反射ドットが形成されていない小領域Bの割合Rは、16.7%であった。
【0112】
(実施例7)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例6と同様にして実施例7の導光板を得た。実施例6との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。
【0113】
実施例7では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドット12の配置を図9(b)に示したように変えた。図9(b)は、実施例7における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例7において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、83.3%であった。
【0114】
(比較例2)
実施例1に対する比較例1の場合と同様に、仮想領域A内における5個の光反射ドット12の配置を、乱数を用いてランダムに配置した点以外は、実施例6と同様にして比較例2の導光板を得た。
【0115】
(実施例8)
実施例8では、被覆率を1.5%とすると共に、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数を4個にした。光反射ドット12の個数に伴って、光反射ドット12の配光パターンを、図10(a)に示すように変更した。図10(a)は、実施例8における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例8では、N1emin=N2emin=2である。実施例1と同様に小領域Bの概念を導入した場合、実施例8における小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は3個であり、第2の方向yの仮想格子gの数(M2)も3個である。実施例8において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、0%であった。上記のように被覆率及び配光パターンを変更した点以外は、実施例1と同様にして実施例8の導光板を得た。
【0116】
(実施例9)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例8と同様にして実施例9の導光板を得た。実施例8との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。実施例9では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドット12の配置を図10(b)に示したように変えた。図10(b)は、実施例9における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例9において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、75.0%であった。
【0117】
(比較例3)
実施例1に対する比較例1の場合と同様に、仮想領域A内における4個の光拡散ドットの配置を、乱数を用いてランダムに配置した点以外は、実施例8と同様にして比較例3の導光板を得た。
【0118】
(実施例10)
実施例10では、図11に示した9個の仮想領域Aを一つのユニットとして、そのユニットを2次元配列した配光パターンを利用した点以外は、実施例1の場合と同様にして導光板を得た。図11において、左上の仮想領域Aを基準にして、9個の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域Ai,j(1≦i≦3,1≦j≦3)と称す。仮想領域A1,1,A1,3,A2,2,A3,1,A3,3は、実施例1における仮想領域Aと同じである。他の仮想領域A1,2,A2,1,A2,3,A3,2は、光反射ドット12の配置を変更している点以外は、実施例1の仮想領域Aと同様の条件で設計された仮想領域である。図11に示したユニットにおいて、中央の仮想領域A2,2に着目すると、仮想領域A2,2は、4個の仮想領域A1,1,A1,3,A3,1,A3,3と並進対称である。図11に示した9個の仮想領域Aからなるユニットが2次元的に配列されている実施例10の導光板では、図11に示した仮想領域A2,2に着目した場合、仮想領域A2,2を取り囲む24個の仮想領域Aのうち、仮想領域A2,2は、16個の仮想領域Aと並進対称である。
【0119】
(実施例11)
実施例11では、図12(a)〜図12(e)に示すように仮想領域Aを設計した。図12(a)の仮想領域Aは、実施例1の仮想領域Aと同様である。図12(b)〜図12(e)にそれぞれ示した仮想領域Aは、光反射ドット12の配置が異なる点以外は、実施例1の仮想領域Aと同様の条件で設計されている。説明の便宜のため、図12(a)〜図12(e)の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域A1,A2,A3,A4,A5と称す。実施例11の導光板では、第1の方向x及び第2の方向yにそれぞれ3個の仮想領域Aを配置して構成される領域を単位領域とし、その単位領域が2次元配列された配光パターンを有する。実施例11の導光板の配光パターンにおいて、各単位領域内には、1個の仮想領域A1と、2個の仮想領域A2と、2個の仮想領域A3と,3個の仮想領域A4と、1個の仮想領域A5とがランダムに配置されている。
【0120】
図13は、複数の単位領域のうちの一つの単位領域を示す図面である。図11の場合と同様に、左上の仮想領域Aを基準にして、9個の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域Ai,j(1≦i≦3,1≦j≦3)と称す。
【0121】
図13に示した単位領域の9個の仮想領域Aと図12(a)〜図12(e)に示した仮想領域A1〜A5との対応関係は次の通りである。仮想領域A1,1は、仮想領域A5に対応する。仮想領域A1,2,A3,2は、仮想領域A2に対応する。仮想領域A1,3,A2,3,A3,1は、仮想領域A4に対応する。仮想領域A2,1,A3,3は、仮想領域A3に対応する。仮想領域A2,2は、仮想領域A1に対応する。
【0122】
各単位領域内には、仮想領域A1〜A5が前述した個数でランダムに配置されているので、例えば、図13に示した単位領域に隣接する他の単位領域内の配光パターンは、図13に示した単位領域内の配光パターンとは異なる。
【0123】
(評価方法及び評価結果)
本評価では、光源としてLEDを用いたテレビユニット<ソニー株式会社製BRAVIA(KDL−40EX700)>において、そのテレビユニット搭載の導光板に代えて、実施例1〜11及び比較例1〜3の導光板をそれぞれ組み込んだ。そして、テレビユニットに搭載されている拡散フィルム1枚を導光板上に設けた状態で、テレビユニットを点灯させ、光源近傍(入光部)の輝度ムラを目視評価すると共に、輝度測定を行った。
【0124】
輝度測定は、コニカミノルタ製のCA−2000を拡散フィルムに対向して配置し、400×300ピクセルの範囲で測定を行った。この測定により、測定点が400点である輝度プロファイルが300ライン得られた。それぞれの輝度プロファイルに対して、一次関数の近似曲線を算出した。この近似曲線は、傾きが一定であることから輝度ムラのない理想輝度プロファイルに対応する。実施例1〜11及び比較例1〜3の評価では、算出した近似曲線と測定結果としての輝度プロファイルとのズレを以下の式で評価した。
【数2】
式(2)中、kは、測定点の番号である。Qkは、k番目の測定点の測定値である。qkは、k番目の測定点の近似曲線からの推測値である。ズレを式(2)で定義した場合、ズレが大きいほど、輝度ムラが大きい
【0125】
実施例1〜5及び比較例1の評価結果を図14に示す。実施例6,7及び比較例2の評価結果を図15に示す。実施例8,9及び比較例3の評価結果を図16に示す。実施例10,11の評価結果を図17に示す。図14〜図17に示した図表では、前述した実施例1〜11及び比較例1〜3の光反射ドットの配向パターンの設計条件も一緒に示している。
【0126】
図14〜図17の図表における「n(個)」は、仮想領域A中の光反射ドット12の個数である。図14〜図17の図表における「N1emin」及び「N2emin」並びに「M1」及び「M2」は、小領域Bの概念を導入した場合に説明した「N1emin」及び「N2emin」並びに「M1」及び「M2」と同様である。図14〜図17の図表における「N8」は、一つの仮想領域Aに着目し、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aと並進対称な仮想領域Aの数を示す。図14〜図17の図表における「N24」は、一つの仮想領域Aに着目し、その仮想領域Aを取り囲む24個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aと並進対称な仮想領域Aの個数を示す。実施例11では、複数の単位領域の各々において、図8(a)〜図8(e)に示した仮想領域A1〜A5が前述した個数でランダムに配置されているので、N8,N24の記載は省略した。図14〜図17の図表における「割合R(%)」は、光反射ドットが形成されていない小領域Bの割合を示す。図14〜図17の図表における「ズレ」は、式(2)で定義されるズレである。
【0127】
図14〜図17に示した目視結果では、導光板の入光部近傍においてモヤ状の輝度ムラが目視されない場合を○とし、輝度ムラが目視された場合を×とした。
【0128】
図14〜図17に示す評価結果のように、実施例1〜11ではモヤ状の輝度ムラは目視されなかったが、比較例1〜3では明らかに輝度ムラが生じていた。また、光反射ドット12の配光パターンの異なる実施例1〜11においては、比較例1〜3の場合と比較して、近似曲線からのズレが小さかった。よって、図5の配光パターン設計工程S10によって設計される配光パターンで光反射ドット12を配置することにより、入光部近傍でのモヤ状の輝度ムラを低減できることがわかる。
【0129】
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されない。例えば、光反射ドットは、インクジェット印刷の他に、スクリーン印刷によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0130】
1…導光板、3…光源、5a,5b,5c…インクジェットヘッド、11…導光板基材、12…光反射ドット、20…面光源装置、30…透過型画像表示部、51…ノズル、100…透過型画像表示装置、A…仮想領域、B…小領域、g…仮想格子、S0,S2…ドット形成面。
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置等の透過型画像表示装置は、一般に、導光板により面状の光を供給する面光源装置をバックライトとして有している。面光源装置の方式としては、導光板の背面側に光源が設けられる直下式と、導光板の側面に沿って光源が設けられるエッジライト方式とがある。エッジライト方式は画像表示装置の薄型化の観点で有利である。
【0003】
エッジライト方式の面光源装置では、導光板の側面から入射した光が、導光板の背面側に設けられた配光パターン(例えば、光反射ドットからなる配光パターン)の作用により反射及び拡散(散乱)し、臨界角度以上の角度成分の光が導光板の出射面から出射することによって、面状の光を供給する。その発光面の輝度を均一にするために、特許文献1及び2に記載の導光板では、光源から離れるに従い配光パターンの密度を粗から密にしたグラデーションを施している。
【0004】
また、特許文献1には、この種のドット状の配光パターンを液滴吐出(例えば、インクジェット印刷)によって形成する手法も開示されている。例えば、インクジェット印刷手法では、印刷タクトを短縮するために、インクジェットヘッドを複数配列させて印刷することがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−240294号公報
【特許文献2】特開2008−27609号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、より画像表示装置を薄型化した場合、導光板内での光の反射回数が増えるため、光源付近をより低被覆率、例えば、0.1%以上30%以下として印刷する必要がある。
【0007】
また、コスト削減のためにLEDを短辺方向に配列させる、一辺方向からのみ入光させるなどすると、光路長が長くなるため、薄型化と同様に、光源付近をより低被覆率として印刷する必要がある。
【0008】
しかしながら、光源からの光が入射される入光部付近をより低被覆率として光反射ドットを印刷する場合、光反射ドットが小さいため、印刷領域と非印刷領域での明暗差が大きく、入光部付近でモヤのような輝度ムラが生じてしまう。
【0009】
そこで、本発明は、光が入射される入光部付近で生じる輝度ムラを低減することが可能な導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る導光板は、光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットを備える。この導光板において、複数の光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域の各々には、印刷目標としての複数の仮想格子が規則的に二次元配列されており、二次元配列された複数の仮想格子のうち所定の仮想格子に、光反射ドットが形成されている。複数の仮想領域から選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の光反射ドットはドット形成面上に形成されている。
【0011】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンは、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるという規則性を有する。そのため、光源付近をより低い被覆率で光反射ドットを形成した場合であっても、光反射ドットの印刷領域(光反射ドットが形成された領域)と非印刷領域(光反射ドットが形成されていない領域)での明暗差が低減される。その結果、導光板において光が入射される入光部近傍における輝度ムラが抑制される。
【0012】
一実施形態において、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域の周囲の24個の仮想領域うちの6個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称とし得る。
【0013】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が向上するので、入光部近傍での輝度ムラが抑制される。
【0014】
一実施形態において、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域に隣接する8個の仮想領域のうちの4個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称であり得る。
【0015】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が更に向上するので、入光部近傍での輝度ムラがより低減される。
【0016】
一実施形態での複数の仮想領域の各々において、仮想領域内に形成された複数の光反射ドットの直径のうち最大直径をD(μm)とし、二次元配列における第1の配列方向の上記仮想格子の数をL1(個)とし、二次元配列における第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)としたとき、
10μm<D≦300μmであり、
2<L1≦200且つ2<L2≦200、
であり得る。
【0017】
一実施形態における複数の仮想領域の各々において、仮想領域は、複数の小領域に分割され得る。この場合、小領域は、
仮想領域内の光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
二次元配列における第1の配列方向の仮想格子の数をL1(個)とし、
二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)とし、
L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
N1及びN2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin,N2eminとし、
小領域の第1の配列方向の仮想格子の数をM1(個)とし、
小領域の第2の配列方向の仮想格子の数をM2(個)としたとき、
M1は、L1/N1eminであり、
M2は、L2/N2eminである、
領域であり得る。この形態では、複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合は、75%以下であってもよい。
【0018】
複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下であると、仮想領域内に光反射ドットが均一に配置されやすい。その結果、入光部近傍での輝度ムラがより低減される。
【0019】
一実施形態において、ドット形成面上に形成される複数の光反射ドットは、大きさが異なる2種類以上の光反射ドットを含み得る。
【0020】
本発明の他の側面は、導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットからなる配光パターンの設計方法に係る。この設計方法は、導光板基材において光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の領域に分割すると共に、仮想領域毎に被覆率を設定する被覆率設定工程と、仮想領域毎に、印刷目標のための仮想格子であって、規則的に二次元配列された仮想格子を設定する仮想格子設定工程と、仮想領域毎に、被覆率に基づいて仮想格子上に形成する光反射ドットの大きさ及び光反射ドットの数を設定する光反射ドット条件設定工程と、複数の仮想領域から選択した一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、複数の仮想領域のうちの残りの仮想領域のうちの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称になるように、各仮想領域において光反射ドットを仮想格子に配置することによって、配光パターンを得る光反射ドット配置工程と、を備える。
【0021】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンは、複数の仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるという規則性を有する。そのため、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近において、光反射ドットの被覆率を低被覆率としても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0022】
一実施形態において、光反射ドット配置工程では、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域の周囲の24個の仮想領域うちの6個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるように、光反射ドットを仮想格子に配置してもよい。
【0023】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が向上するので、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0024】
一実施形態において、上記光反射ドット配置工程では、上記選択された一つの仮想領域内の光反射ドットの配置が、その選択された一つの仮想領域に隣接する8個の仮想領域のうちの4個以上の仮想領域内の光反射ドットの配置と並進対称となるように、光反射ドットを仮想格子に配置してもよい。
【0025】
この場合、複数の光反射ドットからなる上記配光パターンにおける規則性が更に向上するので、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラがより低減される。
【0026】
一実施形態において、仮想格子設定工程の後に、複数の仮想領域の各々において、仮想領域を小領域に分割する仮想領域分割工程を更に備えてもよい。
この場合、小領域は、
仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
二次元配列における第1の配列方向の仮想格子の数をL1(個)とし、
二次元配列における第1の配列方向と交差する第2の配列方向の仮想格子の数をL2(個)とし、
L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
N1及びN2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
M1がL1/N1eminであり、M2がL2/N2eminである、
領域であり得る。
【0027】
このように、仮想領域を上記小領域に分割することによって、導光板において入光部付近における輝度ムラをより低減可能な複数の光反射ドットの配光パターンの設計が容易になる。
【0028】
一実施形態では、光反射ドット配置工程では、各仮想領域において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下となるように、光反射ドットを仮想格子に配置し得る。
【0029】
この場合、複数の仮想領域の各々において、光反射ドットが形成されていない小領域の割合が75%以下となるので、仮想領域内に光反射ドットが均一に配置されやすい。そのため、導光板基材に複数の光反射ドットが上記配光パターンで形成された導光板では、入光部付近における輝度ムラがより低減される。
【0030】
一実施形態において、光反射ドット条件設定工程では、光反射ドットの大きさを2種類以上設定してもよい。この場合、光反射ドット配置工程では、大きさの異なる2種類以上の光反射ドットを配置してもよい。
【0031】
本発明の更に他の側面は、印刷を行うための印刷部位が複数配列されているユニットを2つ以上備え、印刷部位の配列方向にユニットが並んでいる印刷装置を用いて、導光板基材の少なくとも一方の面に、複数の光反射ドットからなる配光パターンが形成された導光板を製造する方法に係る。この方法は、本発明に係る上記設計方法によって所定の配光パターンを設計する配光パターン設計工程と、導光板基材に対して上記ユニットを相対移動しながら、ユニットの印刷部位により導光板基材に上記配光パターンに従って光反射ドットを印刷する光反射ドット印刷工程と、を備える。
【0032】
この導光板を製造する方法によれば、導光板基材には、複数の光反射ドットが、本発明に係る設計方法で設計された配光パターンで形成される。そのため、上記製造方法によって製造された導光板では、入光部付近における光反射ドットの被覆率が低被覆率であっても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、入光部付近における輝度ムラが低減される。
【0033】
一実施形態では、上記印刷部位は、ノズルであり、上記ユニットは、ノズルを複数配列したインクジェットヘッドであり、上記光反射ドットは、導光板用紫外線硬化型インクジェットインクであってもよい。
【0034】
本発明の更に他の側面は、本発明に係る上記設計方法で、設計された配光パターンを備える導光板に係る。また、本発明の更に他の側面は、本発明に係る上記導光板の製造方法によって製造された導光板に係る。
【0035】
本発明の更に他の側面は、本発明に係る導光板と、導光板の側面に光を供給する光源と、
を備える、エッジライト型の面光源装置に係る。
【0036】
この面光源装置では、本発明に係る導光板を備えているので、入光部付近における輝度ムラが低減される。入光部付近における光反射ドットの被覆率が低被覆率であっても、光反射ドットの印刷領域と非印刷領域での明暗差が低減される。その結果、より輝度の均一な光を出射できる。
【0037】
本発明の更に他の側面は、上記本発明に係る面光源装置と、面光源装置の出射面と対向して配置された透過型画像表示部と、を備える透過型画像表示装置に係る。
【0038】
この透過型画像表示装置では、本発明に係る面光源装置を備えているので、透過型画像表示部を均一に照明できる。
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、光が入射される入光部付近で生じる輝度ムラを低減することが可能な導光板、面光源装置、透過型画像表示装置、導光板用配光パターンの設計方法、及び、導光板の製造方法を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本発明に係る導光板の一実施形態を備える透過型画像表示装置を示す断面図である。
【図2】導光板を背面側からみた場合の平面図である。
【図3】導光板の背面の一部拡大図である。
【図4】仮想領域の模式図である。
【図5】本発明に係る導光板の製造方法の一実施形態を示すフローチャートである。
【図6】光反射ドットの印刷に用いられる印刷装置を含む導光板1の製造装置を示す模式図である。
【図7】インクジェットヘッドを液滴の吐出側からみた図面である。
【図8】(a)は、実施例2における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例3における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(c)実施例4における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(d)実施例5における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図9】(a)実施例6における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例7における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図10】(a)実施例8における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。(b)実施例9における仮想領域内の光反射ドットの配置を示す図面である。
【図11】実施例10における複数の光反射ドットの配光パターンを示す図面である。
【図12】(a)〜(e)は、実施例11における仮想領域内の光反射ドットの配置例を示す図面である。
【図13】実施例11の配光パターン内における図12に示した各仮想領域の配置の一例を示す図面である。
【図14】実施例1〜5及び比較例1の評価結果を示す図表である。
【図15】実施例6,7及び比較例2の評価結果を示す図表である。
【図16】実施例8,9及び比較例3の評価結果を示す図表である。
【図17】実施例10,11の評価結果を示す図表である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。同一の要素には同一符号を付する。重複する説明は省略する。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。説明中、「上」、「下」等の方向を示す語は、図面に示された状態に基づいた便宜的な語である。
【0042】
図1は、本発明に係る導光板の一実施形態を備える透過型画像表示装置を示す断面図である。図1に示す透過型画像表示装置100は、面光源装置20と、透過型画像表示部30とから主として構成される。面光源装置20は、導光板基材11を有する導光板1と、導光板1の側方に設けられており導光板1に光を供給する光源3とを備えるエッジライト型面光源装置である。
【0043】
導光板基材11は略直方体形状を呈しており、出射面S1と、出射面S1の反対側の背面S2と、出射面S1及び背面S2に交差する4つの側面S31〜S34(図2参照)とを有する。本実施形態において、4つの側面S31〜S34は、出射面S1及び背面S2に略直交する。導光板基材11の平面視形状は、長方形に限らず、正方形でもよい。
【0044】
導光板基材11は、透光性材料からなり、ポリ(メタ)アクリル酸アルキル樹脂シート、ポリスチレンシート又はポリカーボネート系樹脂シートであることが好ましく、これらのなかでも、ポリメチルメタクリレート樹脂シート(PMMA樹脂シート)が好ましい。導光板基材11は拡散粒子を含んでいてもよい。導光板基材11の光反射ドット12が形成される表面(背面S2)と反対側の表面(出射面S1)は、本実施形態のように平坦面であってもよいが、凹凸形状を有していてもよい。なお、導光板基材11の厚みは1.0mm以上4.5mm以下であることが好ましい。
【0045】
導光板基材11の背面(ドット形成面)S2は、背面S2のほぼ全面に撥液処理が施された面であってもよい。背面S2に施す撥液処理は、背面S2に水滴を滴下した際の接触角が80度〜130度となるような撥液処理であり、好ましくは接触角が85度〜120度、より好ましくは接触角が90度〜110度となるような撥液処理である。本実施形態において、接触角とは、静的接触角である。
【0046】
この導光板基材11の背面S2側には複数の光反射ドット12が形成されている。すなわち、導光板1は、背面S2側に設けられた複数の光反射ドット12を更に有する。各光反射ドット12の最大厚さは、好ましくは20μm以下、より好ましくは15μm以下である。
【0047】
複数の光反射ドット12は、図2に示すように、背面S2上に互いに離間して配置されている。隣接する2つの光反射ドット12のピッチP(例えば、光反射ドット12の頂部と頂部との間の距離)は、光反射ドット12の直径より大きい。隣接する2つの光反射ドット12のピッチの例は、10μm以上1000μm以下であり、好ましくは、25μm以上500μm以下であり、より好ましくは、50μm以上100μm以下である。図2は、導光板を背面側からみた場合の平面図である。図2では、説明の便宜のため、光源3も一緒に示している。図2に示すように、光反射ドット12は、均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように、光源3に近い入光部側では小さく、光源3から離れるに従って大きくなる。光反射ドット12は、背面S2の全面にわたって規則的に二次元配列された仮想格子に形成されているので、光反射ドット12の被覆率は、光源3に近い入光部側では低く、光源3から離れるに従って高くなる。光反射ドット12同士は連結しないことが好ましい。図2では、光反射ドット12の大きさや個数などは説明の便宜のために変更されており、後述するように、光反射ドット12の個数及び配光パターンは、均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように調整される。ここで、光反射ドット12の配向パターンは、複数の光反射ドット12の配置パターンに対応する。
【0048】
光源3は、互いに対向する一対の側面S31,S32の側方に配置される。光源3は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL)等の線状光源であってもよいが、LED等の点状光源であることが好ましい。この場合、図2に示すように、導光板基材11の例えば矩形の背面S2を構成する4辺のうち互いに対向する2辺に沿って、複数の点状光源が配列される。後述のインクジェットインクにより形成される光反射ドット12とLEDとを組み合わせることが、自然な色調の光を得るために特に有利である。
【0049】
図1に示すように、透過型画像表示部30は、導光板1の出射面S1側において導光板1と対向配置されている。透過型画像表示部30は、出射面S1から出射される面状の光で照明されることによって、画像を表示する。透過型画像表示部30の例は、液晶セルを有する液晶表示部である。
【0050】
上記構成において、光源3から出力された光は、側面S31,S32から導光板基材11に入射する。導光板基材11に入射した光は、光反射ドット12において乱反射することにより、主として出射面S1から出射される。出射面S1から出射した光は透過型画像表示部30に供給される。均一な面状の光が効率的に出射面S1から出射されるように、光反射ドット12の個数及び配光パターンは調整されている。
【0051】
次に、複数の光反射ドット12からなる配光パターンについて説明する。図3は、配光パターンを説明するための図面である。図3は、背面S2を一部拡大している。図3では、光反射ドット12を明確に示すために光反射ドット12を便宜的に黒丸で示している。
【0052】
図3に示すように、背面S2を等間隔で仮想的に複数の仮想領域Aに分割する。本実形態では、図3に示すように、互いに直交する第1の方向(第1の配列方向)x及び第2の方向(第2の配列方向)yに等間隔で背面S2を分割することによって、背面S2が複数の仮想領域Aに分割されている。図3は、背面S2を分割した複数の仮想領域Aのうち3個×3個の仮想領域Aを抜粋して示している。図3において太実線で区切られる領域が仮想領域Aである。他の図面においても同様とする。
【0053】
複数の仮想領域Aの形状は同一である。本実施形態では、仮想領域Aの形状は正方形として説明する。ただし、仮想領域Aの形状は長方形でもよいし、平行四辺形や菱形でもよい。
【0054】
図4は、仮想領域を説明するための図面である。図4は、図3における仮想領域Aの一つを抜粋して示している。各仮想領域Aには、印刷目標としての複数の仮想格子g(破線で囲まれる領域)が規則的に二次元配列されている。二次元配列された複数の仮想格子gのうち所定の仮想格子gに、光反射ドット12が形成されている。図3では、仮想格子gが、第1の方向xと、第1の方向xに直交する第2の方向yにそれぞれ配列されることによって、複数の仮想格子gが二次元配列を構成している場合を例示している。仮想格子gの形状の一例は、図3及び図4に示すように正方形であるが、長方形でもよいし、平行四辺形や菱形でもよい。第1の方向xと第2の方向yとは直交している場合に限らず、第1の方向xと第2の方向yとは交差していればよい。
【0055】
複数の光反射ドット12は、次の条件1を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件1)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、複数の仮想領域Aのうちの残りのうちの少なくとも一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となっている。
【0056】
好ましくは、複数の光反射ドット12は、次の条件2を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件2)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、その仮想領域Aの周囲の24個の仮想領域Aのうちの6個以上の仮想領域A内の反射ドット12の配置と並進対称である。仮想領域Aの周囲の24個の仮想領域Aとは、一つの仮想領域Aを2つの仮想領域Aの幅で取り囲む24個の仮想領域Aである。
【0057】
更に好ましくは、複数の光反射ドット12は、次の条件3を満たすような配光パターンで背面S2に配置されている。
(条件3)
複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aのうちの4個以上の仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称である。
【0058】
上記並進対称とは、着目する(又は選択した)仮想領域Aを第1の方向x又は第2の方向yに平行移動させた場合に、他の仮想領域Aと重なることを意味する。以下の説明では、着目する仮想領域Aに対して並進対称な仮想領域Aの個数を並進対称数とも称す。このように並進対称数を定義すると、条件2は、5×5で2次元配列された25個の仮想領域Aにおいて、中央の仮想領域Aを着目した仮想領域Aとし、2次元配列された25個の仮想領域Aにおいて着目した仮想領域Aに対する並進対称数が6個以上であることに対応する。同様に、条件3は、3×3で2次元配列された9個の仮想領域Aにおいて、中央の仮想領域Aを着目した仮想領域Aとし、2次元配列された9個の仮想領域Aのうち着目した仮想領域Aに対する並進対称数が4個以上であることに対応する。
【0059】
図3では、複数の光反射ドット12は、仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、他のすべての仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となるように配置されている。その結果、上記条件3を満たしている。よって、図3では、条件1,2も満たす。
【0060】
仮想領域Aの大きさと光反射ドット12の大きさとの関係の一例は、次の通りである。
【0061】
すなわち、一実施形態において、仮想領域A内に形成された複数の光反射ドット12の直径のうち最大直径をD(μm)とし、二次元配列における第1の方向xの仮想格子gの数をL1(個)とし、二次元配列における第2の方向yの仮想格子gの数をL2(個)としたとき、光反射ドット12の大きさ及び仮想領域Aの大きさは次の3つの式(1a),(1b),(1c)を満たす。
【数1】
なお、上記Dは、好ましくは、20μm以上200μm以下であり、より好ましくは、30μm以上100μm以下である。
【0062】
一実施形態において、複数の小領域Bに仮想領域Aを分割した場合、小領域Bに光反射ドット12が形成されていない割合が75%以下とし得る。ここで、小領域Bは、仮想領域Aを構成する要素領域である。小領域Bは次のように設定される領域である。
【0063】
仮想領域A内の光反射ドット12の個数をn個(n>1)とし、第1の方向xの仮想格子gの数をL1(個)とし、第2の方向yの仮想格子gの数をL2(個)とし、L1及びL2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、N1及びN2を構成する要素をN1e,N2eとしたとき、XをN1e×N2e―nと定義すると共に、YをN1e+N2eと定義する。そして、Xが0以上の条件の下で、XとYが最小となるN1e,N2eをN1emin,N2eminとし、小領域Bの第1の方向xの仮想格子gの数をM1(個)とし、小領域Bの第2の方向yの仮想格子gの数をM2(個)としたとき、M1が、L1/N1eminであって、M2は、L2/N2eminである。従って、小領域Bは、第1の方向xの仮想格子gの数がM1個で、第2の方向yの仮想格子gの数がM2個の領域である。
【0064】
図4に例示した仮想領域Aの場合について小領域Bの構成を具体的に説明する。図4では、小領域Bは細い実線で囲まれる領域である。仮想領域Aにおいて、n=9、L1=L2=6である。よって、N1=N2={1,2,3,6}である。N1の要素N1eは1,2,3,6から選択される数であり、N2の要素N2eは1,2,3,6から選択される数である。{1,2,3,6}から選択されるN1eとN2eとの組み合わせにおいて、Xが0以上という条件の下で、XとYが最小であるN1eとN2eとの組み合わせは、N1e=N2e=3である。すなわち、N1emin及びN2eminは3である。この場合、M1及びM2は2である。従って、小領域Bは、第1の方向x及び第2の方向yの仮想格子gがそれぞれ2個である領域である。図4に例示した仮想領域Aでは、小領域Bの大きさを示すために、一つの小領域Bにハッチングを施して示しており、仮想領域Aは、9個の小領域Bを含む。図4に例示した仮想領域Aでは、各小領域Bが光反射ドット12を含むので、小領域Bに光反射ドット12が形成されていない割合は0%である。
【0065】
次に、本実施形態の導光板を製造する方法の一例について説明する。図5は、導光板の製造方法のフローチャートである。図5に示すように、導光板を製造する場合には、導光板に形成する複数の光反射ドットの配光パターンを設計する配光パターン設計工程S10と、配光パターン設計工程S10で設計された配光パターンで導光板基材11に複数の光反射ドット12を形成する光反射ドット印刷工程S20とを含む。まず、配光パターン設計工程S10について説明する。
【0066】
導光板1において、光反射ドット12が形成されるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の仮想領域Aに分割すると共に、仮想領域A毎に被覆率を設定する(被覆率設定工程S11)。本実施形態では、ドット形成面は、前述したように、互いに直交する第1の方向x及び第2の方向yを等間隔に分割することによって、複数の仮想領域Aに分割される。本実施形態において、ドット形成面は、背面S2に対応する。仮想領域Aの数及び被覆率は、出射面S1から均一な光が出射されるように設定する。
【0067】
次に、仮想領域A毎に、印刷目標のための仮想格子gであって、規則的に二次元配列された仮想格子gを設定する(仮想格子設定工程S12)。本実施形態では、仮想領域Aを第1の方向x及び第2の方向yに更に等間隔に分割することによって、設定され得る。
【0068】
続いて、仮想領域A毎に、被覆率に基づいて仮想格子g上に形成する光反射ドット12の大きさ及び光反射ドット12の数を設定する(光反射ドット条件設定工程S13)。光反射ドット12の大きさとの例は、光反射ドット12の直径である。
【0069】
次いで、複数の仮想領域Aから選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、複数の仮想領域Aのうちの残りの仮想領域Aのうちの少なくとも一つにおける光反射ドット12の配置と並進対称になるように、各仮想領域Aにおいて光反射ドット12を仮想格子gに配置することによって、配光パターンを得る(光反射ドット配置工程S14)。すなわち、上述した条件1を満たすように、各仮想領域Aにおいて光反射ドット12を仮想格子gに配置する。この際、好ましくは、上述した条件2を満たすように、光反射ドット12を配置する。更に好ましくは、上述した条件3を満たすように、光反射ドット12を配置する。
【0070】
一実施形態において、仮想格子設定工程S12の後に、複数の仮想領域Aの各々において、仮想領域Aを小領域Bに分割する仮想領域分割工程を更に備えてもよい。小領域Bは、前述したように、第1の方向xの仮想格子gの数がM1個であり、第2の方向の仮想格子の数がM2個である領域である。このように、仮想領域Aを更に小領域Bに分割した場合には、光反射ドット配置工程S14において、仮想領域A内において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合が75%以下となるように、光反射ドット12を配置してもよい。なお、仮想領域分割工程は、仮想格子設定工程S12の後であれば特に限定されない。例えば、光反射ドット配置工程内で実施されてもよい。
【0071】
一実施形態において、光反射ドット12の大きさ及び仮想領域Aの大きさは、式(1a)〜式(1c)を満たすように設計され得る。
【0072】
上記光反射ドット条件設定工程S13では、光反射ドット12の大きさを2種類(2パターン)以上設定してもよい。この場合、光反射ドット配置工程S14では、大きさの異なる2種類以上の光反射ドット12を規則的に配置してもよいし、不規則に配置してもよい。
【0073】
次に、配光パターン設計工程S10で得られた配光パターンに従って、複数の光反射ドット12をドット形成面S2に印刷する。図6は、光反射ドットの印刷に用いられる印刷装置を含む導光板1の製造装置を示す模式図である。
【0074】
製造装置200は、導光板基材11を搬送する搬送手段40と、インクジェットヘッド部5と、UVランプ7と、検査装置9とから構成される。インクジェットヘッド部5、UVランプ7及び検査装置9は、導光板基材11の移動方向Uにおいて上流側からこの順に配置される。インクジェットヘッド部5とUVランプ7が、光反射ドット12の印刷装置に対応する。
【0075】
導光板基材11は、搬送手段40によって、方向Uに沿って連続的又は間欠的に搬送される。導光板基材11は、製造される導光板のサイズに合わせて予め裁断されていてもよいし、長尺の導光板基材11上に光反射ドット12を形成し、その後、導光板基材11を裁断してもよい。本実施形態における搬送手段40はテーブルシャトルであるが、搬送手段はこれに限られるものではなく、例えばベルトコンベア、コロ、又はエア浮上移送であってもよい。
【0076】
導光板基材11の光反射ドット12を形成する表面であるドット形成面S0に、支持部41に支持されたインクジェットヘッド部5により液滴状のインクジェットインクが、設計工程S10で設計された配光パターンでドット状にパターン印刷される。このとき、パターン印刷は、ドット形成面S0に滴下する液滴状のインクジェットインクが互いに離間するように行う。
【0077】
インクジェットヘッド部5は、導光板基材11のドット形成面S0における光反射ドット12が形成される領域の幅方向(方向Uに対して垂直な方向)全体にわたって、導光板基材11のドット形成面S0(背面S2)と対向して配列固定された1列又は2列以上の複数のノズルを有している。これら複数のノズルのうち所定のノズルからインクジェット方式により吐出された液滴状のインクが、導光板基材11の幅方向全体において同時に一括して印刷される。好ましくは、導光板基材11を一定の速度で連続的に移動させながら、インクが印刷される。或いは、導光板基材11を停止した状態でインクを印刷することと、導光板基材11を次の印刷位置まで移動させてから停止することとを繰り返して、複数列のドットから構成されるパターンでインクを効率的に印刷することもできる。インクを吐出する上記所定のノズルは、配光パターンに応じて制御される。
【0078】
導光板基材11の移動速度は、インクが適切に印刷されるように調整される。本実施形態の場合、図6及び図7に示すように、インクジェットヘッド部5は、それぞれ複数のノズル51を有する複数のインクジェットヘッド(ユニット)5a〜5cから構成される。図7は、インクジェットヘッドをインクの吐出側からみた図面である。図7では、インクジェットヘッド5aを例示しているが、インクジェットヘッド5b,5cについても同様である。これら複数のインクジェットヘッド5a〜5cは、導光板基材11が搬送される方向Uに直交する方向に配列され、搬送方向Uにおいて互いの端部が重なるように固定部材52(図6参照)を介して連結されている。
【0079】
本実施形態の場合、インクジェットヘッド部5の複数のノズルを固定した状態で、インクを導光板基材11の幅方向全体にわたって一括して印刷することができる。これにより、可動式のノズルを導光板基材11の幅方向に沿って移動させながらインクを順次印刷する場合と比較して、導光板1の生産性が飛躍的に向上する。
【0080】
特に、導光板基材11の短辺の長さが200mm以上1000mm以下であるような大型の導光板1を製造する場合、本実施形態の方法による生産性向上の効果が大きい。さらに、インクジェット法によれば、例えば最大径が100μm以下であるような微小な光反射ドット12であっても、容易にかつ正確に形成することができる。導光板基材11が薄い場合、出射面S1側から光反射ドット12が透けて見える可能性があるが、光反射ドット12を小さくすることによりこれを防ぐことができる。
【0081】
インクジェットヘッド部5のノズルは、導管55を介してインク供給ユニット50と連結されている。インク供給ユニット50は、例えば、インクが収容されたインクタンクと、インクを送り出すためのポンプとを有している。複数の導管55が単一のインクタンクに連結されていてもよいし、複数のインクタンクにそれぞれ連結されていてもよい。
【0082】
光反射ドット12を形成するためにインクジェット印刷に用いられるインクジェットインクは、顔料と、光重合性成分と、光重合開始剤とを含有する紫外線硬化型のインクであってもよいし、水系インクや溶剤系インク等であってもよい。なお、インクジェットインクには、顔料が必ずしも含まれていなくともよい。
【0083】
顔料は、好ましくは炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子の少なくとも何れか一つである。炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子それぞれの累積50%粒子径D50は、50〜3000nm、より好ましくは、100〜1500nm、更に好ましくは300〜600nmである。累積50%粒子径D50が50〜3000nmの範囲内にある炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、二酸化チタン粒子は、市販品から粒度分布に基づいて適宜選択することにより入手が可能である。顔料のインクにおける含有割合は、通常、インクの全体質量を基準として0.5〜15.0質量%程度である。炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子及び二酸化チタン粒子の少なくとも一つである顔料を利用したインクは、無機物を利用したインクである。このような無機物を利用したインクの保存安定性、すなわち、無機顔料沈降性を考慮した場合、3つの粒子のうち一番比重の小さい炭酸カルシウム粒子を顔料として利用することがインクとしてより好ましい。
【0084】
50±10℃におけるインクジェットインクの粘度は、好ましくは5.0〜15.0mPa・s、より好ましくは8.0〜12.0mPa・sである。インクジェットインクの粘度は、例えば、脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量及び/又は含有割合により調整することができる。脂肪族ウレタン(メタ)アクリレートの重量平均分子量及び含有割合が大きくなると、インクの粘度が大きくなる傾向がある。
【0085】
25.0℃におけるインクジェットインクの表面張力は、好ましくは25.0〜45.0mJ/m2、より好ましくは25.0〜37.0mJ/m2である。インクジェットインクの表面張力は、例えば、シリコン系及びフッ素系等の界面活性剤をインクに配合することにより調整することができる。
【0086】
印刷されたインクは、支持部42に支持されたUVランプ7により、領域70において硬化される。これにより、硬化したインクからなる光反射ドット12が形成される。すなわち、光反射ドット12がドット形成面S0に印刷される。
【0087】
その後、形成された光反射ドット12の状態を、支持部43に支持された検査装置9によって検査する工程を経て、導光板1が得られる。導光板1は必要により所望のサイズに裁断される。本実施形態のように、インクジェットヘッド部5の下流側に設けられた検査装置9により導光板1が連続的に検査される必要は必ずしもなく、別途準備された検査装置によりオフラインで導光板を検査することもできる。あるいは、検査装置による導光板1の検査が省略されることもあり得る。
【0088】
図1及び図2に示した導光板1が有する複数の光反射ドット12は、配光パターン設計工程S10で設計された配光パターンで背面S2に配置されている。そのため、図3を利用して説明したように、背面S2を複数の仮想領域Aに分割すると条件1を満たす配光パターンで複数の光反射ドット12が配置されている。
【0089】
すなわち、複数の光反射ドット12は、複数の仮想領域Aから任意に選択した一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置が、残りの仮想領域Aの少なくとも一つの仮想領域A内の光反射ドット12の配置と並進対称となるという一定の規則性を有するような配光パターンで背面S2上に形成されている。
【0090】
出射面S1からの出射光の輝度を均一にする観点から、通常、導光板1において、光源3からの光が入射する入光部付近において光反射ドット12の被覆率は例えば5%程度のように低く設定される。そのため、図2に例示したように、一般に、側面S31,S32近傍(入光部付近)の光反射ドット12の径は小さい。これは、径をより小さくできるインクジェット印刷を利用して光反射ドット12を形成する場合により顕著である。
【0091】
このように被覆率が低く、光反射ドット12の径がより小さい光源3付近であっても、上記のように一定の規則性を備えて光反射ドット12が配置されている場合、光反射ドット12が印刷されている印刷領域と非印刷領域の大きさの差が低減される。そのため、上記印刷領域と非印刷領域の明暗差が小さくなり、結果として、光源3からの光が入射する光入光部付近でのモヤのような輝度ムラが抑制される。
【0092】
複数の光反射ドット12が配置されるパターンである配光パターンが条件2及び条件3を満たす場合には、配光パターン内における規則性が増加する。そのため、印刷領域と非印刷領域の明暗差がより低減される。条件2と条件3では条件3を満たす配光パターンの方が、配光パターン内における規則性が向上している。その結果、条件2の場合より、条件3を満たす配光パターンによって、複数の光反射ドット12が形成された導光板1の方が光源付近での輝度ムラを抑制できる。
【0093】
仮想領域Aを複数の小領域Bに更に分割した場合であって、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合が75%以下である形態では、仮想領域A内に光反射ドット12が均一に配置されやすい。その結果、導光板1において光源3からの光が入射される入光部付近での輝度ムラがより低減される。
【0094】
配光パターン設計工程S10において、仮想領域Aを小領域Bに分割する工程を備える場合には、上記のように、導光板1において入光部付近における輝度ムラをより低減可能な複数の光反射ドット12の配光パターンの設計が容易になる。
【0095】
また、光反射ドット12の大きさが2種類以上である場合には、光反射ドット12による階調変化を小さくすることができる。その結果、光源3近傍のように低被覆率の領域における輝度ムラをより抑制できる。
【0096】
上記のように導光板1では、入光部近傍の輝度ムラが低減されるので、図1に示した面光源装置20では、より輝度の均一な光を出射できる。そのため、透過型画像表示装置1では、透過型画像表示部30をより均一に照明できる。
【実施例】
【0097】
本発明の実施形態に係る導光板1を実施例として試作し、比較例の導光板との対比評価を行った。実施例及び比較例の導光板は以下の通りである。
【0098】
(実施例1)
923mm×540mmのPMMA樹脂シートを透光性樹脂シートとして準備し、顔料として炭酸カルシウムを含有する紫外線硬化型インクジェットインクを用いて導光板を製造した。
【0099】
具体的には、図5に示したフローチャートに従って、配光パターンを設計した。被覆率設定工程S11では、背面S2を一辺が507μmの正方形の複数の仮想領域Aに分割すると共に、各仮想領域Aの被覆率を3.4%に設定した。次に、格子設定工程S12において、光反射ドット12の印刷目標のための仮想格子gを、仮想領域A毎に6×6個に設定した。この工程では、36個の仮想格子gを、規則的に二次元配列した。仮想領域Aにおいて第1の方向xの仮想格子gの数(L1)は6個であり、仮想領域Aにおいて第2の方向yの仮想格子gの数(L2)も6個とした。続いて、光反射ドット条件設定工程S13において、被覆率3.4%に基づいて、光反射ドット12の直径を35μmに設定すると共に、仮想領域A毎に、光反射ドット12の個数を9個に設定した。次いで、光反射ドット配置工程S14において、各仮想領域A内の光反射ドット12が図4に示した状態になるように、仮想領域Aに光反射ドット12を配置した。この場合、実施例1において設計された複数の光反射ドット12からなる配光パターンは、図3に示された複数の反射ドット12からなる配光パターンに対応する。
【0100】
実施例1では、全ての仮想領域Aにおいて、光反射ドット12は、図4に示されたように配置されている。従って、一つの仮想領域Aに着目した場合に、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aにおける並進対称数は8である。また、着目した仮想領域Aを取り囲む24個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aに対する並進対称数は24である。
【0101】
図4を利用して説明したように、実施例1において仮想領域Aを更に分割する小領域Bの概念を導入した場合、L1=L2=6であり、光反射ドット12の個数(n)が9個であることから、N1emin=N2emin=3である。なお、N1emin,N2eminは、前述したように、L1及びL2の約数からなる集合N1,N2を構成する要素N1e,N2eのうち、X(=N1e×N2e−n)が0以上という条件の下で、Xと、Y(=N1e+N2e)とが最小となるN1e及びN2eである。L1=L2=6であり、N1emin=N2emin=3であることから、小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は2個であり、小領域Bを構成する第2の方向yの仮想格子gの数(M2)も2個である。実施例1では、すべての小領域Bに光反射ドット12が形成されている。その結果、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合をR(%)とすると、R=0であった。上記「割合」は、以下では、割合Rとも称される。
【0102】
次に、PMMA樹脂シートからマスキングフィルムを剥離し、剥離した面に、得られた配光パターンを、紫外線硬化型インクジェットインクによってインクジェット印刷した。インクジェットヘッドとしては、ノズル間距離d1が約84.5μmのものを使用した(図6参照)。配光パターンは、PMMA樹脂シートが有する923mm×540mmの面のうち60mm×500mmの領域に印刷した。
【0103】
次に、印刷したインクジェットインクに紫外線を照射し、インクを光硬化させた。具体的には、紫外線硬化型インクジェットインクをPMMA樹脂シートにパターン印刷した後、6秒後に紫外線を照射してインクを光硬化させた。その結果、光反射ドット12が規則的に配置された配光パターンが形成された実施例1の導光板を得た。
【0104】
(実施例2〜5)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例1と同様にして実施例2〜5の導光板を得た。
【0105】
図8(a)〜図8(d)は、それぞれ実施例2〜5における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例2〜5における実施例1との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。図8(a)〜図8(d)では、小領域Bの大きさを示すために、図4の場合と同様に、一つの小領域Bにはハッチングを付している。他の図面でも同様である。
【0106】
実施例2では、小領域B内での光反射ドット12の配置を図8(a)に示したように変更した。実施例2では、仮想領域A内のすべての小領域Bに光反射ドット12を配置した。従って、実施例1と同様に、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは0%であった。
【0107】
実施例3では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(b)に示したように変えた。実施例3において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、33.3%であった。
【0108】
実施例4では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(c)に示したように変えた。実施例4では、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、55.6%であった。
【0109】
実施例5では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドットの配置を図8(d)に示したように変えた。実施例5では、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、66.7%であった。
【0110】
(比較例1)
図5に示したフローチャートにおいて、実施例1と同様に、被覆率設定工程S11、格子設定工程S12、光反射ドット条件設定工程S13を実施した。その後、仮想格子gに、乱数を利用してランダムに光反射ドットを割り当てることによって、光反射ドットの配光パターンを設計した。このようにして設計した光反射ドットの配光パターンを利用した点以外は、実施例1と同様にして導光板を得た。
【0111】
(実施例6)
実施例6では、被覆率を1.9%とすると共に、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数(n)を5個にした。光反射ドット12の個数(n)の変更に伴って、仮想領域A内の光反射ドット12の配置を、図9(a)に示すように変更した。図9(a)は、実施例6における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例6では、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数(n)を5個であり、L1及びL2は実施例1と同様に6であることから、N1eminとN2eminとの組みは、(2,3)又は(3,2)である。実施例6では、N1emin=2とし、N2emin=3とした。よって、実施例1と同様に小領域Bの概念を導入すると、実施例6における小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は3個であり、第2の方向yの仮想格子gの数(M2)は2個である。実施例6において、光反射ドットが形成されていない小領域Bの割合Rは、16.7%であった。
【0112】
(実施例7)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例6と同様にして実施例7の導光板を得た。実施例6との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。
【0113】
実施例7では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドット12の配置を図9(b)に示したように変えた。図9(b)は、実施例7における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例7において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、83.3%であった。
【0114】
(比較例2)
実施例1に対する比較例1の場合と同様に、仮想領域A内における5個の光反射ドット12の配置を、乱数を用いてランダムに配置した点以外は、実施例6と同様にして比較例2の導光板を得た。
【0115】
(実施例8)
実施例8では、被覆率を1.5%とすると共に、仮想領域Aにおける光反射ドット12の個数を4個にした。光反射ドット12の個数に伴って、光反射ドット12の配光パターンを、図10(a)に示すように変更した。図10(a)は、実施例8における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例8では、N1emin=N2emin=2である。実施例1と同様に小領域Bの概念を導入した場合、実施例8における小領域Bを構成する第1の方向xの仮想格子gの数(M1)は3個であり、第2の方向yの仮想格子gの数(M2)も3個である。実施例8において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、0%であった。上記のように被覆率及び配光パターンを変更した点以外は、実施例1と同様にして実施例8の導光板を得た。
【0116】
(実施例9)
仮想領域Aにおける光反射ドット12の配置を変えた点以外は、実施例8と同様にして実施例9の導光板を得た。実施例8との相違点について、小領域Bの概念を利用して説明する。実施例9では、仮想領域Aにおける小領域Bの光反射ドット12の配置を図10(b)に示したように変えた。図10(b)は、実施例9における仮想領域A内の光反射ドット12の配置を示す図面である。実施例9において、光反射ドット12が形成されていない小領域Bの割合Rは、75.0%であった。
【0117】
(比較例3)
実施例1に対する比較例1の場合と同様に、仮想領域A内における4個の光拡散ドットの配置を、乱数を用いてランダムに配置した点以外は、実施例8と同様にして比較例3の導光板を得た。
【0118】
(実施例10)
実施例10では、図11に示した9個の仮想領域Aを一つのユニットとして、そのユニットを2次元配列した配光パターンを利用した点以外は、実施例1の場合と同様にして導光板を得た。図11において、左上の仮想領域Aを基準にして、9個の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域Ai,j(1≦i≦3,1≦j≦3)と称す。仮想領域A1,1,A1,3,A2,2,A3,1,A3,3は、実施例1における仮想領域Aと同じである。他の仮想領域A1,2,A2,1,A2,3,A3,2は、光反射ドット12の配置を変更している点以外は、実施例1の仮想領域Aと同様の条件で設計された仮想領域である。図11に示したユニットにおいて、中央の仮想領域A2,2に着目すると、仮想領域A2,2は、4個の仮想領域A1,1,A1,3,A3,1,A3,3と並進対称である。図11に示した9個の仮想領域Aからなるユニットが2次元的に配列されている実施例10の導光板では、図11に示した仮想領域A2,2に着目した場合、仮想領域A2,2を取り囲む24個の仮想領域Aのうち、仮想領域A2,2は、16個の仮想領域Aと並進対称である。
【0119】
(実施例11)
実施例11では、図12(a)〜図12(e)に示すように仮想領域Aを設計した。図12(a)の仮想領域Aは、実施例1の仮想領域Aと同様である。図12(b)〜図12(e)にそれぞれ示した仮想領域Aは、光反射ドット12の配置が異なる点以外は、実施例1の仮想領域Aと同様の条件で設計されている。説明の便宜のため、図12(a)〜図12(e)の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域A1,A2,A3,A4,A5と称す。実施例11の導光板では、第1の方向x及び第2の方向yにそれぞれ3個の仮想領域Aを配置して構成される領域を単位領域とし、その単位領域が2次元配列された配光パターンを有する。実施例11の導光板の配光パターンにおいて、各単位領域内には、1個の仮想領域A1と、2個の仮想領域A2と、2個の仮想領域A3と,3個の仮想領域A4と、1個の仮想領域A5とがランダムに配置されている。
【0120】
図13は、複数の単位領域のうちの一つの単位領域を示す図面である。図11の場合と同様に、左上の仮想領域Aを基準にして、9個の仮想領域Aをそれぞれ仮想領域Ai,j(1≦i≦3,1≦j≦3)と称す。
【0121】
図13に示した単位領域の9個の仮想領域Aと図12(a)〜図12(e)に示した仮想領域A1〜A5との対応関係は次の通りである。仮想領域A1,1は、仮想領域A5に対応する。仮想領域A1,2,A3,2は、仮想領域A2に対応する。仮想領域A1,3,A2,3,A3,1は、仮想領域A4に対応する。仮想領域A2,1,A3,3は、仮想領域A3に対応する。仮想領域A2,2は、仮想領域A1に対応する。
【0122】
各単位領域内には、仮想領域A1〜A5が前述した個数でランダムに配置されているので、例えば、図13に示した単位領域に隣接する他の単位領域内の配光パターンは、図13に示した単位領域内の配光パターンとは異なる。
【0123】
(評価方法及び評価結果)
本評価では、光源としてLEDを用いたテレビユニット<ソニー株式会社製BRAVIA(KDL−40EX700)>において、そのテレビユニット搭載の導光板に代えて、実施例1〜11及び比較例1〜3の導光板をそれぞれ組み込んだ。そして、テレビユニットに搭載されている拡散フィルム1枚を導光板上に設けた状態で、テレビユニットを点灯させ、光源近傍(入光部)の輝度ムラを目視評価すると共に、輝度測定を行った。
【0124】
輝度測定は、コニカミノルタ製のCA−2000を拡散フィルムに対向して配置し、400×300ピクセルの範囲で測定を行った。この測定により、測定点が400点である輝度プロファイルが300ライン得られた。それぞれの輝度プロファイルに対して、一次関数の近似曲線を算出した。この近似曲線は、傾きが一定であることから輝度ムラのない理想輝度プロファイルに対応する。実施例1〜11及び比較例1〜3の評価では、算出した近似曲線と測定結果としての輝度プロファイルとのズレを以下の式で評価した。
【数2】
式(2)中、kは、測定点の番号である。Qkは、k番目の測定点の測定値である。qkは、k番目の測定点の近似曲線からの推測値である。ズレを式(2)で定義した場合、ズレが大きいほど、輝度ムラが大きい
【0125】
実施例1〜5及び比較例1の評価結果を図14に示す。実施例6,7及び比較例2の評価結果を図15に示す。実施例8,9及び比較例3の評価結果を図16に示す。実施例10,11の評価結果を図17に示す。図14〜図17に示した図表では、前述した実施例1〜11及び比較例1〜3の光反射ドットの配向パターンの設計条件も一緒に示している。
【0126】
図14〜図17の図表における「n(個)」は、仮想領域A中の光反射ドット12の個数である。図14〜図17の図表における「N1emin」及び「N2emin」並びに「M1」及び「M2」は、小領域Bの概念を導入した場合に説明した「N1emin」及び「N2emin」並びに「M1」及び「M2」と同様である。図14〜図17の図表における「N8」は、一つの仮想領域Aに着目し、その仮想領域Aに隣接する8個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aと並進対称な仮想領域Aの数を示す。図14〜図17の図表における「N24」は、一つの仮想領域Aに着目し、その仮想領域Aを取り囲む24個の仮想領域Aのうち、着目した仮想領域Aと並進対称な仮想領域Aの個数を示す。実施例11では、複数の単位領域の各々において、図8(a)〜図8(e)に示した仮想領域A1〜A5が前述した個数でランダムに配置されているので、N8,N24の記載は省略した。図14〜図17の図表における「割合R(%)」は、光反射ドットが形成されていない小領域Bの割合を示す。図14〜図17の図表における「ズレ」は、式(2)で定義されるズレである。
【0127】
図14〜図17に示した目視結果では、導光板の入光部近傍においてモヤ状の輝度ムラが目視されない場合を○とし、輝度ムラが目視された場合を×とした。
【0128】
図14〜図17に示す評価結果のように、実施例1〜11ではモヤ状の輝度ムラは目視されなかったが、比較例1〜3では明らかに輝度ムラが生じていた。また、光反射ドット12の配光パターンの異なる実施例1〜11においては、比較例1〜3の場合と比較して、近似曲線からのズレが小さかった。よって、図5の配光パターン設計工程S10によって設計される配光パターンで光反射ドット12を配置することにより、入光部近傍でのモヤ状の輝度ムラを低減できることがわかる。
【0129】
以上、本発明の実施形態及び実施例を説明したが、本発明は上記実施形態及び実施例に限定されない。例えば、光反射ドットは、インクジェット印刷の他に、スクリーン印刷によって形成してもよい。
【符号の説明】
【0130】
1…導光板、3…光源、5a,5b,5c…インクジェットヘッド、11…導光板基材、12…光反射ドット、20…面光源装置、30…透過型画像表示部、51…ノズル、100…透過型画像表示装置、A…仮想領域、B…小領域、g…仮想格子、S0,S2…ドット形成面。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、
前記導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットを備え、
複数の前記光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域の各々には、印刷目標としての複数の仮想格子が規則的に二次元配列されており、
二次元配列された複数の前記仮想格子のうち所定の仮想格子に、前記光反射ドットが形成されており、
複数の前記仮想領域から選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、複数の前記仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の前記光反射ドットは、前記ドット形成面上に形成されている、
導光板。
【請求項2】
前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域を取り囲む24個の前記仮想領域うちの6個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称である、
請求項1記載の導光板。
【請求項3】
前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域に隣接する8個の前記仮想領域のうちの4個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称である、
請求項1又は2記載の導光板。
【請求項4】
複数の前記仮想領域の各々において、
前記仮想領域内に形成された複数の前記光反射ドットの直径のうち最大直径をD(μm)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)としたとき、
10μm<D≦300μmであり、
2<L1≦200且つ2<L2≦200、
である請求項1〜3の何れか一項記載の導光板。
【請求項5】
複数の前記仮想領域の各々において、
前記仮想領域は、複数の小領域に分割されており、
前記小領域は、
前記仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)とし、
前記L1及び前記L2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
前記N1及び前記N2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、前記Xと前記Yが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
前記小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
前記小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
前記M1は、L1/N1eminであり、
前記M2は、L2/N2eminである、
領域であり、
複数の前記仮想領域の各々において、前記光反射ドットが形成されていない前記小領域の割合が75%以下である、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導光板。
【請求項6】
前記ドット形成面に形成される複数の前記光反射ドットは、大きさが異なる2種類以上の前記光反射ドットを含む、
請求項1〜5の何れか一項記載の導光板。
【請求項7】
導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットからなる配光パターンの設計方法において、
導光板基材において前記光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の領域に分割すると共に、前記仮想領域毎に被覆率を設定する被覆率設定工程と、
前記仮想領域毎に、印刷目標のための仮想格子であって、規則的に二次元配列された前記仮想格子を設定する仮想格子設定工程と、
前記仮想領域毎に、前記被覆率に基づいて前記仮想格子上に形成する前記光反射ドットの大きさ及び前記光反射ドットの数を設定する光反射ドット条件設定工程と、
複数の前記仮想領域から選択した一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、複数の前記仮想領域のうちの残りの前記仮想領域のうちの少なくとも一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称になるように、各前記仮想領域において前記光反射ドットを前記仮想格子に配置することによって、前記配光パターンを得る光反射ドット配置工程と、
を備える導光板用配光パターンの設計方法。
【請求項8】
前記光反射ドット配置工程では、前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域を取り囲む24個の前記仮想領域うちの6個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7記載の設計方法。
【請求項9】
前記光反射ドット配置工程では、前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域に隣接する8個の前記仮想領域のうちの4個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7又は8記載の設計方法。
【請求項10】
仮想格子設定工程の後に、複数の前記仮想領域の各々において、前記仮想領域を小領域に分割する仮想領域分割工程を更に備え、
前記小領域は、
前記仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)とし、
前記L1及び前記L2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
前記N1及び前記N2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、前記Xと前記Yが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
前記小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
前記小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
前記M1がL1/N1eminであり、
前記M2がL2/N2eminである、
領域である、
請求項8記載の設計方法。
【請求項11】
前記光反射ドット配置工程では、各前記仮想領域において、前記光反射ドットが形成されていない前記小領域の割合が75%以下となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7〜9の何れか一項記載の設計方法。
【請求項12】
前記光反射ドット条件設定工程では、前記光反射ドットの大きさを2種類以上設定し、
前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する前記工程では、大きさの異なる2種類以上の前記光反射ドットを配置する、
請求項7〜11の何れか一項記載の設計方法。
【請求項13】
請求項7〜12の何れか一項に記載の設計方法によって設計された配光パターンを備える導光板。
【請求項14】
印刷を行うための印刷部位が複数配列されているユニットを2つ以上備え、前記印刷部位の配列方向に前記ユニットが並んでいる印刷装置を用いて、導光板基材の少なくとも一方の面に、複数の光反射ドットが形成された導光板を製造する方法において、
請求項7〜12の何れか一項に記載の設計方法によって複数の前記光反射ドットの配光パターンを設計する配光パターン設計工程と、
前記導光板基材に対して前記ユニットを相対移動しながら、前記ユニットの印刷部位により前記導光板基材に前記配光パターンに従って前記光反射ドットを印刷する光反射ドット印刷工程と、
を備える導光板の製造方法。
【請求項15】
前記印刷部位が、ノズルであり、
前記ユニットが、ノズルを複数配列したインクジェットヘッドであり、
前記光反射ドットは、導光板用紫外線硬化型インクジェットインクである、
請求項14に記載の導光板の製造方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の導光板の製造方法によって製造された導光板。
【請求項17】
請求項1〜6、請求項13、及び請求項16の何れか一項に記載の導光板と、
前記導光板の側面に光を供給する光源と、
を備える、エッジライト型の面光源装置。
【請求項18】
請求項17に記載の面光源装置と、
前記面光源装置の出射面と対向して配置された透過型画像表示部と、
を備える透過型画像表示装置。
【請求項1】
光を伝搬する導光板基材を含む導光板であって、
前記導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットを備え、
複数の前記光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔に仮想的に複数に分割されてなる複数の仮想領域の各々には、印刷目標としての複数の仮想格子が規則的に二次元配列されており、
二次元配列された複数の前記仮想格子のうち所定の仮想格子に、前記光反射ドットが形成されており、
複数の前記仮想領域から選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、複数の前記仮想領域のうちの残りの少なくとも一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となる配光パターンで、複数の前記光反射ドットは、前記ドット形成面上に形成されている、
導光板。
【請求項2】
前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域を取り囲む24個の前記仮想領域うちの6個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称である、
請求項1記載の導光板。
【請求項3】
前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域に隣接する8個の前記仮想領域のうちの4個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称である、
請求項1又は2記載の導光板。
【請求項4】
複数の前記仮想領域の各々において、
前記仮想領域内に形成された複数の前記光反射ドットの直径のうち最大直径をD(μm)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)としたとき、
10μm<D≦300μmであり、
2<L1≦200且つ2<L2≦200、
である請求項1〜3の何れか一項記載の導光板。
【請求項5】
複数の前記仮想領域の各々において、
前記仮想領域は、複数の小領域に分割されており、
前記小領域は、
前記仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)とし、
前記L1及び前記L2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
前記N1及び前記N2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、前記Xと前記Yが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
前記小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
前記小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
前記M1は、L1/N1eminであり、
前記M2は、L2/N2eminである、
領域であり、
複数の前記仮想領域の各々において、前記光反射ドットが形成されていない前記小領域の割合が75%以下である、
請求項1〜4の何れか一項に記載の導光板。
【請求項6】
前記ドット形成面に形成される複数の前記光反射ドットは、大きさが異なる2種類以上の前記光反射ドットを含む、
請求項1〜5の何れか一項記載の導光板。
【請求項7】
導光板基材の少なくとも一方の面に形成される複数の光反射ドットからなる配光パターンの設計方法において、
導光板基材において前記光反射ドットが形成される面であるドット形成面を等間隔で仮想的に複数の領域に分割すると共に、前記仮想領域毎に被覆率を設定する被覆率設定工程と、
前記仮想領域毎に、印刷目標のための仮想格子であって、規則的に二次元配列された前記仮想格子を設定する仮想格子設定工程と、
前記仮想領域毎に、前記被覆率に基づいて前記仮想格子上に形成する前記光反射ドットの大きさ及び前記光反射ドットの数を設定する光反射ドット条件設定工程と、
複数の前記仮想領域から選択した一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、複数の前記仮想領域のうちの残りの前記仮想領域のうちの少なくとも一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称になるように、各前記仮想領域において前記光反射ドットを前記仮想格子に配置することによって、前記配光パターンを得る光反射ドット配置工程と、
を備える導光板用配光パターンの設計方法。
【請求項8】
前記光反射ドット配置工程では、前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域を取り囲む24個の前記仮想領域うちの6個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7記載の設計方法。
【請求項9】
前記光反射ドット配置工程では、前記選択された一つの前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置が、前記選択された一つの前記仮想領域に隣接する8個の前記仮想領域のうちの4個以上の前記仮想領域内の前記光反射ドットの配置と並進対称となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7又は8記載の設計方法。
【請求項10】
仮想格子設定工程の後に、複数の前記仮想領域の各々において、前記仮想領域を小領域に分割する仮想領域分割工程を更に備え、
前記小領域は、
前記仮想領域内の前記光反射ドットの個数をn個(n>1)とし、
前記二次元配列における第1の配列方向の前記仮想格子の数をL1(個)とし、
前記二次元配列における前記第1の配列方向と交差する第2の配列方向の前記仮想格子の数をL2(個)とし、
前記L1及び前記L2の約数からなる集合をそれぞれN1,N2とし、
前記N1及び前記N2を構成する要素をそれぞれN1e,N2eとし、
XをN1e×N2e―nと定義し、
YをN1e+N2eと定義し
Xが0以上の条件の下で、前記Xと前記Yが最小となるN1e,N2eをN1emin ,N2eminとし、
前記小領域の前記第1の配列方向の前記仮想格子の数をM1(個)とし、
前記小領域の前記第2の配列方向の前記仮想格子の数をM2(個)としたとき、
前記M1がL1/N1eminであり、
前記M2がL2/N2eminである、
領域である、
請求項8記載の設計方法。
【請求項11】
前記光反射ドット配置工程では、各前記仮想領域において、前記光反射ドットが形成されていない前記小領域の割合が75%以下となるように、前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する、
請求項7〜9の何れか一項記載の設計方法。
【請求項12】
前記光反射ドット条件設定工程では、前記光反射ドットの大きさを2種類以上設定し、
前記光反射ドットを前記仮想格子に配置する前記工程では、大きさの異なる2種類以上の前記光反射ドットを配置する、
請求項7〜11の何れか一項記載の設計方法。
【請求項13】
請求項7〜12の何れか一項に記載の設計方法によって設計された配光パターンを備える導光板。
【請求項14】
印刷を行うための印刷部位が複数配列されているユニットを2つ以上備え、前記印刷部位の配列方向に前記ユニットが並んでいる印刷装置を用いて、導光板基材の少なくとも一方の面に、複数の光反射ドットが形成された導光板を製造する方法において、
請求項7〜12の何れか一項に記載の設計方法によって複数の前記光反射ドットの配光パターンを設計する配光パターン設計工程と、
前記導光板基材に対して前記ユニットを相対移動しながら、前記ユニットの印刷部位により前記導光板基材に前記配光パターンに従って前記光反射ドットを印刷する光反射ドット印刷工程と、
を備える導光板の製造方法。
【請求項15】
前記印刷部位が、ノズルであり、
前記ユニットが、ノズルを複数配列したインクジェットヘッドであり、
前記光反射ドットは、導光板用紫外線硬化型インクジェットインクである、
請求項14に記載の導光板の製造方法。
【請求項16】
請求項14又は15に記載の導光板の製造方法によって製造された導光板。
【請求項17】
請求項1〜6、請求項13、及び請求項16の何れか一項に記載の導光板と、
前記導光板の側面に光を供給する光源と、
を備える、エッジライト型の面光源装置。
【請求項18】
請求項17に記載の面光源装置と、
前記面光源装置の出射面と対向して配置された透過型画像表示部と、
を備える透過型画像表示装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2013−97927(P2013−97927A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237790(P2011−237790)
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年10月28日(2011.10.28)
【出願人】(000002093)住友化学株式会社 (8,981)
【出願人】(000107907)セーレン株式会社 (462)
【Fターム(参考)】
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