説明

導光部材

【課題】複数の点光源と組み合せて使用した場合においても、入光部近傍における輝度ムラ(ホットスポット)の発生がほとんどなく、出光面のほぼ全域において均一な輝度分布を有する導光部材を提供すること。少ない数の点光源の光を広範囲から出光することができる導光部材を提供すること。
【解決手段】出光面と、少なくとも1つの入光部を有する導光部材であって、前記少なくとも1つの入光部が、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有する、導光部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光部材に関し、例えば、いわゆるエッジライト方式の面光源装置や、ヘッドライトやテールランプ等の車両用信号灯具や車内を照明する車両用室内灯などの車載照明装置等の各種照明装置に用いることのできる導光部材に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置では、エッジライト方式の面光源装置が多く用いられている。このようなエッジライト方式の面光源装置は、一般的には、光源からの光を液晶表示パネル側に出射させる導光板と、その側部に配置されたLED(発光ダイオード)やCCFL(冷陰極管)等の光源と、導光板から出射した光を液晶表示パネル側の方向に向けるプリズムシート等から構成される。上記導光板は、一般に、出光面、該出光面と対向する対向面、前記出光面と前記対向面に挟まれた少なくとも1つの入光部を有し、その側部(入光部)から入射する光を板内部で繰り返し反射させて導光し、導光した光を対向面に設けた光出射機構によって出光面から液晶表示パネル側に出射させる。
【0003】
このような導光板を複数の点光源と組み合わせて用いた場合、出光面の中心部(光源からある程度離れた場所)では均一な輝度が得られるものの、光源に近い入光部近傍においては、光源間にあたる部分は暗い一方、光源直前部には極端に明るい所謂ホットスポットが出現し、輝度ムラが生じてしまうという欠点がある。
そのため、光源として複数の点光源を用いた面光源装置においては、実質的に、導光板の出光面の中心部しか利用できないという問題がある。
【0004】
このような輝度ムラを防止する導光板として、特許文献1には、出光面と対向する対向面に、入射した光の光線の進行方向に対して斜め方向で相互に交差する複数の溝を設けた導光板が開示されている。
【0005】
また、特許文献2には、入光部に、対称性を有した三角形形状を貫欠した台形状の凹凸構造を設けた導光板が、特許文献3には、入光部に、開口部が略四角形で底部に円弧状の角部を有する窪みを設けた導光板がそれぞれ開示されている。
【0006】
さらに、特許文献4には、対向面にローレットカットを施すと共に、入光部にレンチキュラー形状等の周期的な微細なカットを施した導光板が開示され、特許文献5には、入光部に、粘着剤と針状フィラーとからなる異方性光拡散粘着層を設けた導光板が開示されている。
【0007】
また、点光源(発光ダイオード(LED)、半導体レーザーダイオード(LD)、電界発光素子(EL)等の固体発光素子)は、低電力で高輝度の光が得られることから、車両用の照明の光源としても使用されている。
車両用灯具は広い面積を照らす必要があるところ、点光源は発光面積が小さいため、通常、導光部材と組み合せて使用される。車両用灯具において使用される導光部材としては、前述の面光源装置において使用される導光板と同様の側部を入光部とするもの(入光部が出光面の脇(出光面と接する面)に存在するもの)や、入光部が出光面と対向する面に存在するもの等がある。
前者としては、特許文献6に、複数個のLEDを導光板の側端面(入光面)に並べて車両用室内灯として用いることが開示されている。このような車両用室内灯においては、前述したエッジライト方式の面光源装置の場合と同様に輝度ムラが生じてしまうという欠点があり、特許文献6に開示されている技術においては、導光板の出光面と対向する反射面に断面が半円の複数の溝を設けることで輝度ムラの改善を図っている。
後者としては、特許文献7に、点光源を、前面レンズに沿って配設された導光インナレンズの背後に配設してサイドターンシグナルランプ等の車両用信号灯として用いることが開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1〜6に開示されている導光部材では、複数個の点光源と組み合せて使用したときの輝度ムラの改善が十分でなく、入光部近傍のホットスポットを消すことができない。
さらに、特許文献2、3に開示されている技術は、入光部に形成する凹凸や窪みの構造が複雑であるので、近年使用されている発光面の幅が5mm以下の小型のLEDに対応させる(発光面に十分な数の凹凸や窪みを設ける)ことは困難である。また、特許文献4に開示されている技術は、導光部材の対向面にローレットカットを施す必要があるため、大型の液晶テレビに使用する導光部材に適用するのは困難であり、コストもかかる。また、特許文献5に開示されている技術における異方性光拡散粘着層は、針状フィラーが粘着剤中に分散されている構成を有するため、異方性の精度が低く、導光部材入光直後の光漏れが激しく表示装置に用いるに足る品質が得られない。
【0009】
また、特許文献7に開示されている車両用灯具においては、導光インナレンズの出光面全域を発光させることができないという別の問題もある。
【0010】
このように、導光部材においては、複数個の点光源と組み合せて使用した場合には入光部近傍における輝度ムラ(ホットスポット)の発生という問題が、また、少ない数の点光源と組み合せて使用した場合には広い発光面積を得るのが難しいという問題がある。
【0011】
また、導光部材を使用する際の一般的な課題としては、入光部での反射(光が導光部材に入射するときの空気と導光部材を構成する材料との屈折率の違いに由来する表面反射)を低減して入射光を効率よく利用することが挙げられる。一般的な反射低減(単に「反射防止」ともいう。)の技術としては、反射が問題となる部位に反射防止加工を施すことが知られており(例えば、非特許文献1)、導光部材の入光部に反射防止加工を施すことも提案されている(特許文献8、9)。しかしながら、特許文献2〜5に開示されている技術のように輝度ムラ防止のために入光部に加工を施す場合には、これらの輝度ムラ防止加工に重ねて入光部にさらに反射防止加工を施すということは困難であり、輝度ムラ防止と反射防止の両立は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開2003−107247号公報
【特許文献2】特開2002−169034号公報
【特許文献3】特開2003−215346号公報
【特許文献4】特開2006−49286号公報
【特許文献5】特開2008−34234号公報
【特許文献6】特開2000−127847号公報
【特許文献7】特開2010−52566号公報
【特許文献8】特開2006−147444号公報
【特許文献9】特開2006−156061号公報
【非特許文献】
【0013】
【非特許文献1】「Blu−ray Disc技術を応用したRoll−to−RollモスアイARフィルム」、月刊ディスプレイ、2010年、7月号、p.51−58
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、以上のような点に鑑みてなされたものであり、入光部での反射を低減し入射光を効率よく利用しながら、複数個の点光源と組み合せて使用した場合において、入光部近傍における輝度ムラ(ホットスポット)の発生がほとんどなく、出光面のほぼ全域において均一な輝度分布を実現できる導光部材を提供することを目的とする。
また、入光部での反射を低減し入射光を効率よく利用しながら、少ない数の点光源と組み合せて使用した場合において、広い発光面積が得られる導光部材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明者らは、導光部材について鋭意検討した結果、導光部材の入光部に表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を設けると、入光部での反射が低減できると共に入射光を広角拡散することが可能となること、そしてその結果、ホットスポットやその他の複数個の点光源に由来する輝度ムラが解消でき、また、少ない点光源でも広い発光面積が得られることを見出した。
【0016】
すなわち、本発明は以下のとおりである。 出光面と、少なくとも1つの入光部を有する導光部材であって、
前記少なくとも1つの入光部が、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有する、導光部材。
【発明の効果】
【0017】
本発明の導光部材を用いれば、入光部での反射が低減でき効率よく入射光を利用でき、光源として点光源を用いた場合でも、輝度ムラがほとんどなく、導光部材の出光面と略同じ面積の表示エリアを有する面光源装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の導光部材の一例の概略図である。
【図2】本発明の導光部材の入光部に形成する複数の凹部又は凸部の一例(溝構造)を示す表面プロファイル図である。
【図3】本発明の導光部材の入光部に形成する複数の凹部又は凸部の一例(溝構造)を示す表面プロファイル図である。
【図4】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部の製造方法の具体例の説明図である。
【図5】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成した導光部材製造用多層フィルムの断面図である。
【図6】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成した導光部材製造用多層フィルム(シール)のシールシートの概略図である。
【図7】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成した導光部材製造用多層フィルム(テープ)の製造方法の具体例の説明図である。
【図8】拡散角度の説明図。
【図9】本発明の面光源装置の正面概略図である。
【図10】本発明の面光源装置、車両照明装置に利用できる点光源(LED)の概略図である。
【図11】本発明の導光部材を用いた液晶表示パネルの正面概略図である。
【図12】本発明のテレビ受信装置の構成を示す図である。
【図13】本発明の導光部材が入光部に有する凹部のピッチ及び深さの説明図である。
【図14】本発明の導光部材の入光部に形成する凹部の一例を示す顕微鏡写真。
【図15】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部が形成された導光部材製造用多層フィルム(シール)に、その法線方向から入射した光の、凹部の開口部の長径に垂直な方向の透過光強度の角度分布図である。
【図16】モスアイ構造の具体例の写真である。
【図17】表面にモスアイ構造を有する複数の凹部の具体例の写真である。
【図18】実施例における表面に微細な凹凸構造を有する複数本の溝の写真である。
【図19】実施例における表面に微細な凹凸構造を有する複数本の溝の写真である。
【図20】実施例における微細な凹凸構造の写真である。
【図21】TACフィルムの波長380〜780nmの光の反射率を示すグラフである。
【図22】TACフィルム上にモスアイ構造を形成した場合の波長380〜780nmの光の反射率を示すグラフである。
【図23】標準リファレンスB、実施例B、比較例B及び参考例Bの面内平均輝度の比較を示すグラフである。
【図24A】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24B】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24C】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24D】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24E】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24F】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24G】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24H】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24I】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図24J】複数の凹部又は凸部の一例を示す表面プロファイル図である。
【図25】表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成した導光板製造用フィルム(テープ)の製造に使用できるリールの具体例の写真である。
【図26】実施例A及び比較例A1〜A3の輝度分布を示す図である。
【図27】対向面の好ましい光散乱パターンの一例を示す図である。
【図28】本発明の導光部材の一例の概略断面図である。
【図29】車載照明装置の一例の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の導光部材の実施形態について、本発明の導光部材の一例の概略図を示す図1を用いて以下に具体的に説明する。
本発明の導光部材1は、出光面11と、少なくとも1つの入光部12を有する。
図1の導光部材においては、近傍に配置された光源の光を入光部12から導光部材内に入射させ、部材内部で繰り返し反射させて導光し、導光した光を出光面と対向する対向面(図示せず)によって出光面11に向け、出光面11から外部に出射させる。
なお、図1の導光部材は、平板状であって、入光部が出光面の脇(出光面と接する面)に存在するものであるが、導光部材の形状や入光部の存在位置(出光面との位置関係)はこのとおりである必要はなく、例えば、図28に示すような、照明装置本体の外形に沿って湾曲した形状を有し、入光部281a、281bが出光面282と対向する対向面283側に存在するようなものであってもよい。
【0020】
本発明の導光部材は入光部12に、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部13を有する。
図1の導光部材1においては、複数の凹部又は凸部は、導光部材の厚み方向14に平行(略平行)な(言い換えると、出光面11の長軸方向15と垂直(略垂直)な)溝である。
【0021】
本発明の導光部材は、その入光部に複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)を有し、さらに、これらの複数の凹部又は凸部の表面に微細な凹凸構造(第二の凹凸)を有している。すなわち、本発明の導光部材は、入光部に凹凸構造が二重に設けられた構造を有している。
入光部に設けられた複数の凹部又は凸部は、入射光を広角拡散する役割を果し、また、その表面にさらに設けられた微細な凹凸構造は、入光部に入射する光の反射を防止(低減)し、入射光の利用効率を高める役割を果している。
【0022】
まず、入光部に設ける(表面に微細な凹凸構造を有する)複数の凹部(凸部)(第一の凹凸)について説明する。
入光部に設ける複数の凹部(凸部)の各凹部(凸部)の形状、大きさ(深さ、高さ)は互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。また、各凹部(凸部)は、周期的に配置されていてもよいし、ランダムに配置されていてもよい。しかし、輝度ムラ防止の観点からは、複数の凹部(凸部)は、周期的な構造であるよりは、その形状、大きさ(深さ、高さ)、出光面の長軸方向に平行な方向15のピッチ、及び入光部の長軸方向に平行な方向のピッチのうち少なくとも1つがランダム(不規則)に異なっているランダムな構造であることが好ましい。
ここで、大きさ(又はピッチ)が異なっているとは、複数の大きさ(又はピッチ)を測定したときに標準偏差を3倍した値(3シグマ)が平均値の10%を超えることをいう。また、出光面(入光部)の長軸方向とは、出光面(入光部)を図形として捉えた場合のその重心を通って出光面(入光部)を横切ったときにできる線分のうち最も短いものと直交する軸の方向をいう。なお、出光面(入光部)が曲面である場合は、その長軸方向とは、長軸と出光面(入光部)との交点を直接(曲面の外で最短距離で)結んだ直線の方向をいうものとする。
【0023】
各凹部(凸部)の形状に限定はなく、例えば、(逆)半球、(逆)半楕円球、(逆)多角柱、(逆)多角錐、(逆)多角錐台等の形状であってもよし、不定形状であってもよい。また、各凹部(凸部)を溝又は畝とすることができる。溝(畝)の場合、その断面形状にも限定はなく、例えば、(逆)V字形状や(逆)U字形状とすることができ、断面形状や幅が溝(畝)の延在方向に沿って変化していてもよい。
【0024】
各凹部(凸部)が、その開口部(底面)が一方向に長い異方性形状を有すると共に、複数の凹部(凸部)が、その開口部(底面)の長径が同一方向(具体的には、点光源から照射される光を拡散させたい(広げたい)方向と垂直な方向)に略平行となるような向きで配置されていると、すなわち、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)が、特定の一方向に長い異方性形状を有するものであると、入射光が該特定の一方向と直交する方向に拡散しやすくなり、輝度ムラ低減効果が向上するため好ましい。ここで、開口部(底面)の長径とは、開口部(底面)に外接する面積が最小となる外接長方形の長辺をいう。
なお、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)の長径どうしのなす角が40度以下である場合には(0度でなくても)、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)は“特定の一方向に長い異方性形状を有している”ものとするが、複数の凹部(凸部)の長径どうしのなす角は10度以下であることが好ましく、8度以下であることがより好ましく、6度以下であることがより好ましく、4度以下であることがより好ましく、最も好ましくは0度である。
【0025】
この場合、入光部に、それ以外の形状・配置の凹部(凸部)(例えば、開口部(底面)が円等の等方形状であるものや、開口部(底面)は異方性形状を有するが異なる向きで配置されているもの)が存在していても構わない。ただし、開口部(底面)が特定の一方向に長い異方性形状を有する凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計が、それ以外の凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計を上回っていることが好ましい。
【0026】
一般に、点光源と組み合わせて用いられる導光部材において光を拡散させたい方向は出光面の長軸方向や入光部の長軸方向であることが多いので、前記「特定の一方向」は、出光面又は入光部の長軸方向と垂直な方向であることが好ましい。すなわち、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)は、出光面又は入光部の長軸の方向と垂直な方向に長い異方性形状であることが好ましい。
【0027】
前記異方性形状の長径と短径の比(長径/短径)に限定はないが、好ましくは2以上であり、より好ましくは10以上である。ここで、短径、長径とは、それぞれ、外接する面積が最小となる外接長方形の短辺、長辺をいう。
前記異方性形状の具体例としては、例えば、図1に示すような直線(溝)や、図13に示すような略楕円形状が挙げられる。
凹部(凸部)の形状は、入光部の任意の箇所を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察することによって決定することができる。
【0028】
凹部(凸部)の出光面/入光部の長軸方向に平行な方向のピッチに限定はない。
ここで、凹部(凸部)の出光面/入光部の長軸方向に平行な方向のピッチとは、入光部の出光面の長軸方向又は入光部の長軸方向に平行な任意の断面における隣合う谷底(凹部の場合)又は山頂(凸部の場合)の間の水平距離(入光部に平行な方向の距離)をいう(図13参照)。なお、谷底(山頂)が平坦である場合には、その中心を谷底(山頂)としてピッチを決定する。
凹部(凸部)の出光面/入光部の長軸方向に平行な方向のピッチは、入光部の出光面の長軸方向又は入光部の長軸方向に平行な任意の断面を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察・測定することによって決定することができる。
【0029】
各凹部(凸部)の大きさ(深さ・高さ)にも限定はない。例えば、その開口部(底面)の短径(等方性形状の場合は直径)は580nm〜50μmであってもよく、780nm〜20μmであってもよく、1〜10μmであってもよい。また、その開口部(底面)の長径は、例えば5μm以上2cm以下であってもよい。また、深さ(高さ)は、例えば、500nm〜50μmであってもよく、700nm〜30μmであってもよく、5〜10μmであってもよい。
ここで、凹部(凸部)の深さ(高さ)は、入光部の任意の断面における各凹部を構成する両側の山のうち高い方の山の山頂と凹部の谷底の間の(各凸部を構成する両側の谷のうち低い方の谷の谷底と凸部の山頂の間の)垂直距離(入光面に垂直な方向の距離)(山頂と谷底の標高差)をいう。(図13参照)
凹部(凸部)の大きさは、入光部の任意の箇所を顕微鏡(走査型電子顕微鏡やレーザー共焦点顕微鏡等)により観察・測定することによって決定することができる。
ただし、凹部(凸部)の形状が溝(畝)である場合、その長さは、点光源の発光面の(導光部材が図1に示す形状の場合、導光部材の厚み方向の)長さよりも大きいことが好ましい。つまり、溝(畝)の長さは点光源の発光面の大きさ以上で、かつ、導光部材の厚さ以下であることが好ましい。なお、図1においては、溝は入光部を導光部材の厚さ方向に横断(出光面から対向面まで)する長さを有しているが、溝(畝)の長さは必ずしも入光部を横断するものでなくてもよい。
【0030】
入光部上の凹部又は凸部が配置される領域については特に限定はなく、導光部材と組み合せて使用する光源の出光分布や配置等にあわせて適宜決定することができる。すなわち、本発明の導光部材においては、入光部に凹部又は凸部が無い部分(領域)を有しても良い。もっとも、凹部又は凸部は、少なくとも、光源の発光面と対向する領域には配置されていることが好ましい。
また、凹部又は凸部の密度には限定はないが、導光部材の入光部のうち、光源の発光面に対向する領域については、凹部(凸部)の開口部(底面)の面積の合計がその領域の25%以上(より好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上)を占めることが好ましい。
【0031】
複数の凹部又は凸部の具体例を図2、図3及び図24A〜Jに示す。なお、図2、3及び24においては、複数の凹部又は凸部自体の構造の説明を簡単にするために、その表面の微細な凹凸構造を省略している。
図2、図3の例は、凹部又は凸部が溝であるものである。図2の複数本の溝(溝構造)は、溝と垂直な方向への拡散角度(後述)が60度、溝と平行な方向への拡散角度が1度の異方性の拡散特性を有する。図3の溝構造は、溝と垂直な方向への拡散角度が30度、溝と平行な方向への拡散角度が1度の異方性の拡散特性を有する。
図24A〜Jの拡散角度、平均ピッチ(凹部の開口部の長径の方向(溝)に垂直な方向の平均ピッチ)、平均深さについては表1に示す。なお、表1において、「横」とは、凹部の開口部の長径の方向に垂直な(溝に垂直な)方向をいい、「縦」とは凹部の開口部の長径の方向に平行な(溝に平行な)方向をいう。
【0032】
【表1】

【0033】
複数の凹部又は凸部の出光面/入光部の長軸方向と垂直な方向の平均ピッチは20μm以下であることが好ましく、より好ましくは15μm以下、さらに好ましくは10μm以下である。また、平均ピッチは580nm(可視光の中心波長)以上であることが好ましく、より好ましくは780nm(可視光全域)以上である。
一般に使用される点光源の発光面サイズ(幅)は数mm程度であるので、平均ピッチをこのような値に設定すれば、十分な数の凹部又は凸部を点光源の発光面に割り当てることができ、光源と導光部材の位置あわせの精度を厳格に求める必要がなくなる。また、平均ピッチをこのような値に設定すれば、取り扱い時に凹部又は凸部に爪などが引掛かることも少なく、ハンドリング性が向上する。さらに、本発明の導光部材によって拡散する光は可視光線(380nm〜780nmの電磁波)であるので、凹部又は凸部による拡散効果を十分に発揮するためには平均ピッチは上記のような値であることが好ましい。
凹部又は凸部の平均深さ(高さ)は、500nm〜50μmであることが好ましく、より好ましくは700nm〜30μm、更に好ましくは5〜10μmである。
なお、凹部又は凸部の出光面/入光部の長軸方向と垂直な方向の平均ピッチは、入光部の出光面の長軸方向又は入光部の長軸方向と平行な任意の垂直断面から任意に抽出した100μmに存在する凹部(凸部)のピッチの平均値とする。また、凹部又は凸部の平均深さ(高さ)は、入光部の任意の垂直断面から任意に抽出した100μmに存在する凹部(凸部)の深さ(高さ)の平均値とする。
【0034】
次に、複数の凹部又は凸部の表面に設けられる微細な凹凸構造(第二の凹凸)について説明する。
ここで、「微細な凹凸構造」とは、その平均高さが、複数の凹部(凸部)(第一の凹凸)の平均深さ(高さ)の1/10以下である凹凸をいう。
凹凸構造は、複数の凸部からなることが好ましい。各凸部の形状に限定はなく、例えば、テント型、円錐型、釣鐘型、多角錐型、半球型等が挙げられ、その平均高さは1μm以下であることが好ましい。
【0035】
微細な凹凸構造は、モスアイ構造であることが好ましい。ここで、「モスアイ構造」とは、高さが1μm以下の略同一形状の凸部が略周期的に設けられた凹凸構造をいう。その高さは50〜500nmとしてもよいし、100〜300nmとしてもよい。
この場合、凸部は、例えば、正方格子状、長方格子状、平方四辺形格子状、三角格子状(ハニカム)、六角格子状に配置することができ、そのピッチは、例えば、50〜500nmとしてもよいし、100〜300nmとしてもよい。
モスアイ構造の具体例、及び、表面にモスアイ構造を有する複数の凹部(拡散特性:33°等方拡散)の具体例を、それぞれ、図16、図17に示す。
【0036】
微細な凹凸構造は、複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)の表面の少なくとも一部に設けられていればよいが、複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)の表面全体に設けられていることが好ましい。
また、微細な凹凸構造は、入光部の複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)以外の領域に設けられていてもよく、入光部全体に設けられていることが好ましい。
【0037】
微細な凹凸構造は、複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)と同じ材料で形成されていてもよいし、別の材料で形成されていてもよい。微細な凹凸構造を複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)と同じ材料で形成する場合には、簡易に製造することができる。
【0038】
本発明の導光部材の入光部に表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成する方法に限定はない。本発明者らが種々検討したところ、微細な凹凸構造(第二の凹凸)は、その構造の微細さゆえに、その全体に対して多少の圧力(第一の凹凸を転写するのに必要な程度の圧力)を加えても壊れることはないことが分かった。そのため、予め、入光部の表面に第二の凹凸を有する導光部材を製造した後、その表面上にその第一の凹凸を転写により賦型することにより形成することができる。
具体的には、(1)表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部に対応する凹凸パターンを有する金型を用いて導光部材を射出成型する方法、(2)第一及び第二の凹凸に対応する凹凸パターンを有する2種類の転写型を用いて導光部材の入光部上に凹凸を転写する方法、及び、(3)表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有するフィルムを透光性の粘着剤等を用いて導光部材に貼り合せる方法等を用いることができる。
【0039】
(1)の方法として、例えば、導光部材を成形する金型の入光部に相当する位置に表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部に対応する凹凸パターンを有するスタンパーを配置し、当初から表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有する導光部材を射出成形することができる。この方法は、比較的小型(32型以下程度)の画像表示装置に用いる面光源装置用の導光部材や車載照明装置用の導光部材を製造するのに適している。
【0040】
(2)の方法として、例えば、凹凸構造を一切有していない導光部材(導光部材製造用原反シート)を押出成形やキャスト成形等により成形した後、入光部(入光部となる面)の表面に第二の凹凸に対応する凹凸パターンを有する転写型を用いて第二の凹凸を転写し、次いで、第二の凹凸が形成された入光部の表面に、第一の凹凸に対応する凹凸パターンを有する転写型を用いて第一の凹凸を転写することにより、本発明の導光部材を製造することができる。
図4にこの方法の具体例を示す。図4の方法においては、所定のサイズにカットした透明基板41を複数枚重ね、その表面4aに第二の凹凸に対応する凹凸パターンを有する転写ローラー42aを加熱しながら透明基板の入光部となる面に押し付けて第二の凹凸を転写し、続いて、この第二の凹凸が形成された表面4bに第一の凹凸(ここでは溝構造)に対応する凹凸パターンを有する転写ローラー42bを加熱しながら透明基板の入光部となる面に押し付けて第一凹凸を転写する。この方法によれば、複数枚の導光部材にまとめて転写ができるので、大量生産が可能であり、品質も向上する。
【0041】
なお、前述のとおり、第二の凹凸は非常に微細であるため壊れにくいので、その全体に対して、第一の凹凸を転写するのに必要な程度の圧力を加えても壊れることはない。しかし、第一の凹凸を転写するための転写ローラー42bの温度が非常に高く、第二の凹凸を構成する材料を完全に軟化させしまうような場合には、第二の凹凸の形状を維持することはできない。したがって、第一の凹凸を転写する際の転写ローラー42bの加熱温度は、第二の凹凸を転写した際の転写ローラー42aの加熱温度よりも若干低くすることが好ましい。
また、同様の観点から、前記透明基板41の入光部となる面に、第二の凹凸形成用として、透明基板41本体を構成する材料よりも軟化温度の高い材料からなり、第二の凹凸の高さより大きい厚みを有する層を予め形成しておき、この層に、比較的高い温度で第二の凹凸を形成した後、より低い温度で第一の凹凸を形成することも好ましい。
【0042】
(3)の方法の具体例として、以下に説明するa.シール型、及び、b.テープ型の2種類の方法が挙げられる。
a.シール型
ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリスチレン等からなる透明なベースフィルム上に、前述の(2)で述べた方法や、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部に対応する凹凸パターンを有する転写型を利用するなどして、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成する。具体的には、例えば、ベースフィルム上に紫外線硬化性樹脂層を塗布し、転写型を用いて、この紫外線硬化性樹脂層に表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を形成する。ベースフィルムの厚さに限定はないが、例えば、20〜250μm、好ましくは50〜125μmとすることができる。
次いで、上記ベースフィルムの凹凸構造を形成した面とは反対側の面に、粘着剤を塗布すると共にその上にポリエチレンテレフタレート等からなる剥離フィルムを貼り合わせるか、又は、剥離フィルム付きの粘着フィルムの粘着層を貼り合わせる等して、粘着剤側が剥離フィルムでカバーされた多層フィルムを製造する。このような多層フィルムの層構成の具体例を図5に示す。図5の5a、5bは、共に、剥離フィルムを片側に設けた多層フィルムである。多層フィルム5aにおいては、下から順に、剥離フィルム51、粘着層52、ベースフィルム53及び表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部(ここでは複数本の溝)が形成された層54が積層されている。また、多層フィルム5bにおいては、凹凸構造が形成された層54の上にさらに、粘着層及び台紙フィルム層が設けられ、下から順に、剥離フィルム51、粘着層52、ベースフィルム53、凹凸構造が形成された層54、粘着層55及び台紙フィルム56が積層されている。なお、剥離フィルム51及び台紙フィルム56は、導光部材の製造中、シール台紙又は保護フィルムの役割を果たすものであり、その厚みに限定はなく、例えば(その材質にもよるが)、20〜100μmとすることができる。ただし、ハーフカット処理の加工をより容易に行うためには、台紙フィルムは50μm以上が好ましく、75μm以上がさらに好ましい。また、粘着層の厚さは、例えば10〜100μmとすることができる。性能とコストのバランスを考慮した場合は、15〜50μm程度が好ましく、20〜25μm程度がさらに好ましい。
【0043】
次に、この多層フィルムを導光部材の入光部の長さ(幅)に合わせて切断し、次いで、多層フィルム5aの場合は剥離フィルム51のみを残して、多層フィルム5bの場合は台紙フィルム56と粘着層55を残して、残りの層を入光部の厚みと同じ幅に切断する(ハーフカットする)ことによって、導光部材の入光部と同じサイズを有する表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を剥離フィルム51(多層フィルム5aの場合)又は台紙フィルム56(多層フィルム5bの場合)上に複数枚形成したシールシートを製造する。なお、以上のように、多層フィルム5aの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が凹凸構造が形成された層の側から入るので、凹凸構造が壊れる危険が少ないという利点があり、一方、多層フィルム5bの場合は、ハーフカット処理の際、切断手段の刃が粘着層52の側から入るので、粘着層を確実に切断でき、粘着剤どうしが再度くっついてしまう所謂「糸引き」という不具合が発生しにくいという利点がある。ハーフカットの方法としては、例えば、トムソン刃を切断方向に入れる方法、ロール刃を切断方向に転がす方法、及び、レーザーを用いて所望の深さまで焼き切る方法等が挙げられるがこれらに限定されない。なお、レーザーを用いると切断屑が発生しないという利点がある。このようにして作成されたシールシートの正面概略図を図6に示す。図6において、各縦線は溝61を示す。
そして、導光部材の製造工程や導光部材を有する各種照明装置の組立工程において、多層フィルム5aの場合は上記表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を剥離フィルム51から1枚ずつ剥がして粘着層52を介して導光部材の入光部に貼り合せる。多層フィルム5bの場合は、上記凹凸構造が形成されたフィルム(凹凸構造シール)を粘着層55から1枚ずつ剥がし、次いで剥離フィルム51を剥がして粘着層52を介して入光部に貼り合わせる。最後に、必要に応じてフィルムと入光部との間の空気をローラー等により抜くことにより密着させてもよい。
なお、貼り合わせに先立ち、粘着層52及び/又は入光部にエキシマUV処理やコロナ処理等の表面処理を施すことによって表面の分子結合を切断した後、直ちに粘着層と入光部とを密着させることによって、貼り合わせ強度を向上させることもできる。さらに、このような表面処理を利用すれば、粘着剤を使用せずに表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有するフィルムのベースフィルムと導光部材とを貼り合せることも可能であり、低コスト化、信頼性向上を図ることができる。
このシール型の方法によれば、入光部への貼り合わせ作業が容易になり、使用した(貼り合わせた)シールの枚数の管理も容易になるので、導光部材の製造が容易になる。さらに導光部材製造用材料の輸送も容易になる。
なお、シールシートを製造する際、多層フィルム(5a、5b)を導光部材の入光部の長さ(幅)より短く切断し、面光源装置や照明装置の組立の際、2枚以上の多層フィルム(シール)を入光部に貼り合わせてもよい。このとき、入光部の光源の発光面に対向する領域より(上下左右)2mm以上外側までが各多層フィルム(シール)によって覆われるよう(フィルムどうしの隙間や継ぎ目が発光面に対向する領域にかからないよう)、位置決めして貼り合わせることが好ましい。
【0044】
b.テープ型
b.テープ型の方法について、図7を用いて説明する。
a.シール型の場合と同様にして、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成された層を有する多層フィルム71を製造する。次いで、これを入光部の厚みと同じ幅に切断することによって複数本のテープ状にし、それぞれリール(図示せず)に捲回してロール72に加工する。リールの具体例を図25に示す。このとき図25のように、巻き取ったテープが軸ズレを起こさないように、二枚の円盤に挟まれるような構造のリールで巻き取ることが好ましい。また巻き取られたテープの径は円盤の外径より小さいことが好ましい。
そして、導光部材の製造工程や導光部材を有する面光源装置や照明装置の組立工程において、ロール72から、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成された層を有するテープ(テープ状フィルム)を繰り出して、導光部材の入光部の長さに切断した後入光部に貼り合せるか、入光部に貼り合わせた後入光部の長さに切断する。貼り合わせには、a.シール型の方法において述べたのと同様の方法が採用できる。
この方法によれば、テープを切断する長さは導光部材に貼り合わせる際に決定すればよいので、1種類のロール(表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成された層を有するテープ状フィルムのロール)を様々な大きさを有する導光部材の製造に兼用することができ、ロールの汎用性が高い。また多層フィルム71を導光部材に貼り合せる工程の自動化・高速化が容易となる。
【0045】
(3)の方法で使用する粘着剤としては、光学用途に対応した粘着剤を用いることが好ましい。具体的には、粘着層の全光線透過率が90%以上であり、ヘーズが1.0以下となるように粘着剤の種類と厚さを選定することが好ましい。
市販の粘着剤では、CS9621、HJ9150W(日東電工製)、DH425A(サンエー化研製)、ZACROS TR−1801A(藤森工業製)、PD−S1(パナック製)、MO−3006C,MO−3012C(リンテック製)等を用いることができる。
また、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成された多層フィルムは、導光部材に貼り付けられ面光源装置や照明装置等に組み込まれた際には、光源近傍に配置されることになるので、光源による熱の影響に耐えうる粘着剤を使用して貼り付けることが好ましい。このような条件を満たす粘着剤は、ベースフィルムの材質によって異なる。例えば、フィルム基材がポリエチレンテレフタレート、導光部材の材料がポリメタクリル酸メチル樹脂で、85℃の環境下で使用する場合には、上述した粘着剤のうち、ZACROS TR−1801A、PD−S1、MO−3006Cが好ましい。また、100℃の高温環境化でも耐える粘着剤は、PD−S1、ZACROS TR−1801Aである。
尚、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成された多層フィルムは、粘着剤等で入光部に貼り付けられ導光部材と一体化していなければ、本発明の効果は発揮されない。すなわち、導光部材の入光部と光源との間に上記表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部が形成されたフィルムを単に配置しただけでは、導光部材内部での入射光を広角に拡散させること(さらには、ホットスポットやその他の点光源に由来する輝度ムラを解消すること)はできない。
【0046】
また、(3)の方法における表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有する層には、光学性能を上げるため、例えば平均粒径2μm程度のシリコン微粒子を混入し、内部拡散性能を付与することも有用である。尚、実施例においては、このようなシリコン微粒子を有していない紫外線硬化樹脂からなる層を用いている。
【0047】
上述の(1)、(2)の方法で使用する金型(スタンパー)、転写型(転写ローラー)や(3)の方法で使用するフィルム等に、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部に対応する凹凸パターンを形成する方法に限定はなく、例えば、切削、サンドブラスト等の機械加工によって形成してもよいし、ナノインプリント技術により形成してもよいし、レーザーのスペックルパターン露光により形成することもできる。スペックルパターン露光を利用する方法は、機械加工では困難な10μm程度以下の微細な3次元構造の形成に適しており、また適度な不規則性を得ることも容易であるので、第一の凹凸の形成に特に適している。また、第二の凹凸に対応する凹凸パターンとしては、市販されているモスアイのマスター(原型)を利用してもよい。
【0048】
スペックルパターン露光を利用する場合には、具体的には次のようにしてランダムな凹凸構造を形成することができる。
例えば、レーザー光を用いた干渉露光によりランダムな斑点模様や縞模様のスペックルパターンを発生させ、これをフォトレジスト等の感光性材料に照射する。次いで、露光した感光性材料を公知の方法によって現像すると、感光性材料に上記スペックルパターンに対応したランダムな凹凸が形成される。
なお、ランダムな斑点模様や縞模様のスペックルパターンは、例えば、レーザー光を異方性の強い拡散部材で拡散させることによって発生させることができる。通常、レーザー光を拡散部材で拡散させて露光面に照射すると、スペックルは円形ムラとして発生するが、拡散部材を異方性の強いものとすると、スペックルを斑点模様や縞模様状にすることができる。さらに、レーザー光の波長やレーザー光を拡散させる条件等を適宜変更することにより、所望のランダム斑点/縞模様を得ることが可能となる。具体的には、特表2004−508585号公報の段落0047〜0057に開示される方法等によって発生させることができる。
(2)の方法で使用する転写型は、さらに、上記のようにして作製した凹凸構造を有する露光した感光性材料をサブマスタ型とし、このサブマスタ型を利用して電鋳等の当業者に周知の方法で金属を被着してこの金属に上記凹凸構造に対応する凹凸パターンを転写した上で該サブマスタ型から剥離し、場合によりロール状に加工すること等によって作製することができる。
また、(1)の方法で使用する金型や(3)の方法におけるテープ・フィルムの製造に用いる転写型(表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部に対応する凹凸パターンを有する金型・転写型)の場合は、以上のようにして作製した転写型と別途ナノインプリント等により作製しておいた第二の凹凸の転写型を用いて、前述の(2)で述べた方法により、熱可塑性樹脂層等に表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を作成し、次いで、これをサブマスタ型として利用し、前述と同様にして金属マスタを作製することができる。
【0049】
なお、干渉露光によるスペックルパターンを用いた微細な凹凸パターンの作製方法は周知であり、例えば、特許第3413519号、特表2003−525472号公報及び特表2004−508585号公報等に開示されている。
【0050】
本発明の導光部材の形状(外形)は、出光面と入光部を有していれば、その形状や出光面と入光部の位置関係に特に限定はない。また、入光部は少なくとも1つあればよく、2つまたはそれ以上あってもよい。
導光部材の厚さ(出光面とこれに対向する対向面との間の距離)に限定はないが、例えば、2.0〜5.0mm程度とすることができる。
【0051】
本発明の導光部材を面光源装置や車両用室内灯に用いる場合には、入光部は出光面の脇(出光面と交わる面)に位置していることが好ましい。具体的には、導光部材は、図1に例示したもののように、出光面とこれに対向する対向面とを主面とする平板形状を有し、入光部が出光面と対向面との間に挟まれた側面に位置することが好ましい。
この場合において、導光部材が入光部を2つ有する場合、導光部材の形状は出光面と対向面を主面とする平板状の直方体であることが好ましく、さらに、2つの入光部が対向していることが好ましい。この場合、対向する二つの入光部は長さが同じであるため、点光源の数や種類を同一にし、部品の共通化を図ることができるというメリットがある。
【0052】
車両用信号灯に用いる場合には、入光部は出光面と対向するところに位置していることが好ましい。具体的には、導光部材は、図28にその概略断面図を示したもののように、出光面282側を凸とする湾曲板形状を有し、入光部281が出光面に対向する対向面283側(特に、対向面283上に設けられた、対向面の長軸方向に垂直で断面がV字状又はコの字状の溝の(一方又は両方の)側面若しくは底面)に位置することが好ましい。
【0053】
本発明の導光部材の材質は、透光性のものであれば特に限定はなく、例えば、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、メチルメタクリレート−スチレン系共重合体等の光学部品の材料として一般に使用されている透明性の高い高分子材料やガラス等の無機材料を用いることができる。
また、本発明の導光部材は、必要に応じて有機や無機の染料や顔料、艶消し剤、熱安定剤、難燃剤、帯電防止剤、消泡剤、整色剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、不純物の捕捉剤、増粘剤、表面調整剤及び離型剤等の添加剤を本発明の目的を損なわない範囲で含有していてもよい。
【0054】
本発明の導光部材における第一の凹凸(複数の凹部又は凸部)は、複数の凹部(凸部)の開口部(底面)が特定の一方向に長い異方形状を有するものである場合には、前記特定の一方向(すなわち凹部(凸部)の開口部(底面)の長径の方向)に垂直な方向への拡散角度が最大で、前記特定の一方向に平行な方向への拡散角度が最小である異方性の拡散特性を示し、これはその表面に微細な凹凸構造(第二の凹凸)を有しているか否かは支配的ではない。 拡散角度(入光部に垂直に光線を入射させたときの出射光の拡散角度(FWHM))の具体的な値に限定はないが、出光面の長軸方向に平行な方向への拡散角度又は入光部の長軸方向に平行な方向への拡散角度が30°〜120°であることが好ましく、より好ましくは40°〜100°、さらに好ましくは50〜90°である。一方、出光面の長軸方向に垂直な方向への拡散角度又は入光部の長軸方向に垂直な方向への拡散角度は、20°以下であることが好ましい。
前記出光面/入光部の長軸方向に垂直な方向、平行な方向への拡散角度は、共に、第一の凹凸構造を構成する各凹部(凸部)の形状や深さ・高さ及びピッチ等を適宜変更することによって調整することができ、スペックルパターンを利用して第一の凹凸構造を形成する場合、これらはレーザー光を拡散させる条件等を適宜変更することによって調整できる。
また、拡散特性は入光部の第一の凹凸が形成された全領域において略一定であることが好ましい。
【0055】
ここで、「拡散角度」とは、透過光強度がピーク強度の半分に減衰する角(半値角)の2倍の角度(FWHM:Full Width Half Maximum)をいう(図8参照)。この拡散角度は、例えば、Photon Inc.製のPhotonや日本電色工業株式会社製のGC5000L等の変角色差計を用いて、第一の凹凸が形成された面の法線方向から、凹凸に入射した光の透過光強度の角度分布(透過光の強度の出射角度に対する分布)を測定することによって求めることができる。ここで、第一の凹凸が形成された面の法線方向とは、図1の16に示す方向を指す。
【0056】
尚、拡散角度は理論(スネルの法則)上、基材が内部拡散性能を持たない場合であれば、基材の屈折率の影響は受けず、凹凸構造が形成された面を形成する材料の屈折率に依存する。このため、導光部材の入光部に表面に微細な凹凸構造を有する凹部又は凸部を形成する方法として上記(3)の製法を採用する場合であれば、表面に微細な凹凸構造を有する凹部又は凸部を有するフィルム単独で拡散角度を測定しても、これを導光部材に貼り合わせた最終形態の状態で拡散角度を測定しても、測定結果は変わらない。また、上記(1)(2)の製法を採用する場合であれば、入光部と平行な面で切断した薄片を作製して、その拡散角度を測定してもよい。 なお、測定対象である第一の凹凸構造が形成された面(入光部)と対向する面が平滑でない場合には、その面を切断する等して対向面を平滑面とするか、或は測定対象である面の表面形状をその面を形成する材料と同じ屈折率を有する材料に転写しこれを用いることにより測定することができる(凹凸が反転しても、透過光強度の角度分布は変化しないので、拡散角度も変化しない)。
【0057】
また、入光部の第一の凹凸が形成された領域に、その法線方向から、光線を入射したときに、出射角度=0°において、光の透過光強度がピーク強度の90%以上となることが好ましい。
具体的な例を図15(A)(B)に示す。図15(A)(B)は日本電色工業株式会社製のGC5000Lを用いて測定した、凹凸構造を有するフィルム単独の透過光強度の角度分布である。
図中の◇(白抜き)部分の透過光強度は、ピーク強度の90%以上である。どちらの角度分布でも、出射角度=0°において透過光強度はピーク強度の90%以上である。
このように、入光部の第一の凹凸が形成された領域の表面形状は、その法線方向から光線を入射したときの光の透過光強度の角度分布が、複数のピークを持たず、なだらかに変化するようなものであることが好ましい。
【0058】
上述のような第一の凹凸の形状の異方性に由来する異方性の拡散特性もまた、入射光の広角拡散(ホットスポット等の輝度ムラの低減)に寄与すると推測される。
なお、特許文献5に開示されている技術においても異方性の拡散特性が利用されているが、フィラーを分散させる手法では精度の高い異方性を得ることは困難で、必ずしも導光部材の一方向への拡散角度を最大にすることはできない。そのような異方性の精度の低い部材を入光部に設けると導光効率が悪くなる。さらに、異方性不足から導光部材入光直後の光漏れも激しくなり、表示装置や照明装置に適した品質が得られない。加えて、特許文献5に開示されている技術においては、粘着剤とフィラーとの間の屈折を利用して異方性を与えるところ、両者の屈折率差は小さいので、導光部材の一方向への拡散角度を十分に大きな値とすることができない。
これに対して、第一の凹凸の形状により異方性の拡散特性を実現する場合には、その表面形状を制御することによって、精度の高い異方性拡散特性を安定的に得ることができる。更に、この場合には、異方性拡散をもたらす屈折は、空気(屈折率ほぼ1)と凹凸を構成する材料(樹脂又は樹脂組成物)(屈折率約1.3〜1.6)との間で起きるので、粘着剤とフィラーとの間の屈折を利用する特許文献5に開示の技術と比較して、凹部(凸部)の開口部(底面)の長径の方向に垂直な方向への拡散角度を大きな値とすることができる。
【0059】
本発明の導光部材の出光面と対向する面(対向面)には、出光面における出光分布を均一にするために、入光部(或は入光部に正対する位置)から遠ざかる方向に向かって密になるグラデーションを有する光散乱パターンを形成することができる。なお、表示装置用の面光源装置の場合、出光分布の均一性を高めつつも、画面中央の輝度が最も高い一様な山型の出光分布とすることが視認しやすく好ましいとされているので、対向面の中央部分の光散乱パターンの密度をより高くするようにしてもよい。
光散乱パターンとしては、例えば、対向面に反射性あるいは拡散性の材料を積層(印刷)した部分や凹凸形状を形成した部分(以下まとめて「ドット」という。)を、入光部から離れるに従って徐々に面積が広くなるようなグラデーションパターン(印刷の場合は、徐々に濃くなるグラデーションパターンにしてもよい)にしたものや、同一大のドットや凹凸形状を光源から離れるに従ってピッチが狭くなるようにしたグラデーションパターンが挙げられる。この場合のドットの形状には円形、四角形などが挙げられ、その大きさは例えば、0.1〜2.0mm程度とすることができる。
【0060】
本発明のような入光部に凹凸構造を持つ導光部材は、入光部と垂直な方向(光の伝播方向)への光の到達度が、入光部が平滑であるものと若干異なる。すなわち、入光部に水平な方向への光の到達度は入光部が平滑面である導光部材に比べて高くなる一方、入光部と垂直な方向への光の到達度は入光部が平滑面である導光部材に比べて低くなる傾向にある。従って、対向面の入光部に近い(正対する)部分の光散乱パターンを、入光部が平滑面である導光部材が対向面に有する光散乱パターンよりもさらに散乱しにくい形状(例えばドットの面積をより小さくしたもの)にするか、或いは密度を疎にすることが好ましい。
もっとも、出光面からの出光量の光の伝播方向の変化が大きすぎる場合は、グラデーションを有する光散乱パターンによる対応では限界がある(例えば、ドットの面積を変更する場合は、面積が0%以上100%以下の範囲までしか変化させることができない。
本発明の導光部材においては、出光面上の各位置の輝度が、入光部が平滑である場合の値と比較して、50%以上150%以下の範囲内にあることが好ましい。より好ましくは60%以上140%以下、さらに好ましくは70%以上130%以下である。
出光面上の各位置の輝度が、入光部が平滑である場合の値と比較して、上記のような範囲にあれば、対向面の光散乱パターンを設計変更することで上記の光の到達度を好ましい範囲に制御できる。
本発明の導光部材が面光源装置に含まれる場合において、対向面に上述のような光散乱パターンを設ける場合、輝度ムラをさらに低減するために、図27のように、入光部のごく近傍及び点光源と対面する位置においては、ドットを形成しないか、或は、ドットの密度を小さくしたり、各ドットを小さく(薄く)することが好ましい。このようにすることによって輝度ムラをさらに低減することができるため、後述のP/Gをさらに大きくすることができる。
【0061】
また、本発明の導光部材が表示装置用の面光源装置用である場合、その出光面及び/又は対向面には、入光面に垂直なランダムな複数本の溝を設けても良い。出光面及び/又は対向面にこのような溝構造を設けると、出光面から出る光の広がりを押さえることができるので、導光部材をローカルディミングに適したものとすることができる。
【0062】
次に、本発明の面光源装置について説明する。
図9に本発明の面光源装置の一例の概略図を示す。
本発明の面光源装置9は、本発明の導光部材91と、導光部材の入光部の近傍に配置された複数の点光源92とを有する。
導光部材は、前述のとおり、図1に例示したもののように、その形状が出光面とこれに対向する対向面とを主面とする平板形状であって、入光部が出光面と対向面との間に挟まれた側面にあるものが好ましい。
点光源に限定はないが、LED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。LEDは低消費電力で高輝度の光が得られ、温度が低い場合でも明るく発光するので、点灯直後から十分な照度を有する面光源装置、照明装置を提供することができる。LEDの種類に限定はなく、例えば、青色LEDにより緑色、赤色蛍光体を励起するワンチップタイプの擬似白色LED、赤色/緑色/青色LEDを組み合わせて白色光を作るマルチチップタイプ、更には近紫外LEDと赤色/緑色/青色蛍光体を組み合わせたワンチップタイプの擬似白色LED等が挙げられる。
図10に本発明で使用できる箱型のLED10の一例の概略図を示す。なお、LEDの外形や発光面のサイズに限定はないが、外形が5.6mm(幅)×3.0mm(高さ)×1.0mm(厚み)程度で、発光面101の横幅102が5mm以下のものが一般的に使用されている。
【0063】
点光源の発光面と導光部材の入光部の距離は、0.1mm以上1.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは0.3mm以上1.0mm以下である。導光部材と発光面の距離を離すと、導光部材に入射する光の量は、逆2乗の法則により減少し、結果的に出光面からでる光の総量も減少してしまう。従って、点光源の発光面と本発明の導光部材の入光部の距離は近いことが好ましい。一方、点光源の周辺では熱が発生し、導光部材が膨張するため、膨張に耐えうる隙間を残しておく必要がある。
【0064】
点光源の配置方法に限定はないが、導光部材の入光部に沿って(出光面に平行に)一直線上に等間隔(「等間隔」には±10%の誤差を含むものとする)に配置することが好ましい。この場合、点光源の配列ピッチPは、例えば、点光源の幅(外形)〜200mm程度にするのが一般的である。輝度ムラ防止の観点からは、点光源はなるべく密に配置されている方がよく、基板上への実装制約の観点ではある程度距離が開いている方が良い。点光源の配列ピッチは、好ましくは5mm〜200mm、より好ましくは10〜100mmである。
もっとも、本発明の面光源装置においては、導光部材として、出光面における入光部近傍の輝度ムラが低減された本発明の導光部材を使用するので、点光源の配列ピッチが多少大きくても、ホットスポットのない出光面を実現することができる。具体的には、例えば、表示装置に使用する場合であれば、20mm〜50mm、30mm〜50mm、又は40mm〜50mm程度、また、車内室内灯等に使用する場合であれば、80mm〜200mm、100mm〜200mm、又は120mm〜200mm程度であれば輝度ムラを許容できる範囲内に抑えることができる。
【0065】
本発明の面光源装置においては、導光部材及び点光源に加え、拡散シートや反射シート等の、所謂エッジライト方式の面光源装置において一般に採用される光学要素をさらに含むことができる。具体的には、拡散シートを導光部材の出光面上方に配置したり、反射シートを導光部材の対向面下方に配置することができる。さらに、導光部材の出光面上方には、拡散シート以外にも、プリズムシートや、レンチキュラーレンズシート、マイクロレンズシートなどの集光シートや、液晶パネルの偏光板での光学損失を回避するための偏光反射シートなどを配置することもできる。また、上記の点光源に電力を供給する電源を有し、電流量やオンオフをコントロールする制御回路を有していてもよい。
【0066】
次に、本発明の表示装置について説明する。
本発明の表示装置は、面光源装置の光の透過を調整することによって表示をする表示エリアを有する表示パネルと、表示パネルの背面に配置された前述の面光源装置とを有する。
【0067】
導光部材の入光部近傍では輝度ムラが発生し十分な表示品質を保証できないので、表示パネルの表示エリア(アクティブエリア)は、導光部材の入光部よりも内側から始まるように設計されることが好ましい。
すなわち、導光部材91の入光部93と表示エリアとの間の水平距離G(導光部材91上に表示エリアに相当する領域94を投影したときのその領域94と入光部93との距離(図9参照))を一定以上確保するように設計されることが好ましい。
【0068】
もっとも、本発明の表示装置において使用する本発明の導光部材は、入光部近傍の輝度ムラが低減されているので、従来の導光部材を用いた場合ほど表示エリアを内側に形成する必要はない(Gを大きくする必要はない)。
具体的には、本発明の表示装置においては、導光部材の入光部と表示エリアとの間の水平距離Gを、点光源の配列ピッチPに対して、G<P(P/G>1)とすることができ、さらにはG<P/2(P/G>2)とすることもできる。
PとGの関係を上記のように設計することができると、額縁と呼ばれる表示パネルに形成される表示エリアの外枠部が薄い、スタイリッシュな表示装置を実現することができ、また、使用する点光源の数を減らすこともできるので省電力化も図れる。なお、従来の表示装置におけるPとGの関係は、せいぜいP/G≦0.7程度である。なお、Gの大きさは、上述のとおりPとの兼ね合いで決まるが、例えば、0.1〜30mm、0.1〜20mm又は0.1〜10mmとすることができる。
なお、後述する実施例にて示すように、点光源の配列ピッチPを変化させても、導光部材の入光部と表示エリアとの間の水平距離Gを変化させても、P/Gが同じ値ならば、同じ輝度ムラ低減性能を示す。
【0069】
本発明の導光部材が入光部を2つ有する場合、第一の入光部の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP1、第二の入光部の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP2、前記第一の入光部と前記表示エリアとの間の水平距離をG1、前記第二の入光部と前記表示エリアとの間の水平距離をG2としたときに、P1/G1:P2/G2=100:90〜100:110の範囲内であることが好ましく、P1/G1:P2/G2=100:95〜100:105の範囲内であることがより好ましい。
また、G1とG2は必ずしも同一にする必要はない。例えば、表示装置の下辺部にはスピーカー等を設ける場合もあるので、スペース確保のために下辺部の方のみGを小さくするなどということも可能である。
【0070】
表示パネルは、液晶表示パネルであることが好ましい。液晶表示パネルとしては従来使用されているものを使用することができるが、その構成の一例の概略を図11に示すと共に、以下に説明する。
図11は液晶表示パネル11の一例の正面概略図である。点線111の内側が表示エリア112であり、表示エリア112の外側には、光漏れ防止のブラックマトリックス113が設けられ、その裏側にパネル配線(図示せず)等が存在する。図11において、114、115は、それぞれ、ソースライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるソースチップ、ゲートライン(後述、図示せず)に電圧を印加するためのドライバICであるゲートチップである。
【0071】
透過型の液晶表示パネルでは、一般に、透明基板上にマトリクス状に配置された多数の画素電極が、透明基板上に配置されたアクティブマトリクス素子によって駆動される。透明基板上にアクティブマトリクス素子および画素電極が設けられたアクティブマトリクス基板には、液晶層が積層状態で設けられており、この液晶層を挟んでアクティブマトリクス基板と対向するように対向基板が配置されている。対向基板は、対向電極が設けられた透明基板であり、この対向電極が液晶層における表示領域に対向している。
【0072】
アクティブマトリクス基板に設けられたアクティブマトリクス素子には、各画素電極にそれぞれ接続されたアクティブ素子としてのTFT(薄膜トランジスタ)が設けられている。また、アクティブマトリクス素子には、行方向に沿って相互に平行に配置された複数のゲートラインと、各ゲートラインと直交する列方向に沿って相互に平行に配置された複数のソースラインとが設けられており、各ゲートラインと各ソースラインとの交差部近傍に各TFTがそれぞれが配置されている。そして、各TFTは、近接する交差部をそれぞれ形成するゲートラインおよびソースラインのそれぞれに接続されている。
【0073】
各TFTは、それぞれが接続されたゲートラインから供給されるゲート信号によってオンして、それぞれが接続されたソースラインから供給されるソース信号を、それぞれに接続された画素電極に供給するように構成されている。
【0074】
このような液晶表示パネルにおいては、通常、1フレーム毎に、アクティブマトリクス基板において行方向に沿って配置された各ゲートラインに対して、列方向に沿った順番に線順次にゲート信号(水平同期信号)が供給されるようになっており、列方向に隣接するゲートラインに対して連続してゲート信号が供給される。
【0075】
また、本発明の表示装置121を、スピーカー1221の設けられた前キャビネット122;テレビチューナー回路基板123、電源回路基板124、制御回路基板125等の各種回路基板;裏キャビネット126及びスタンド127等と組み合せることにより、テレビ受信装置を製造することができる。図12にこのようなテレビ受信装置12の構成の一例を示す。
【0076】
次に、本発明の導光部材を車載照明装置(車両用信号灯)に適用する場合について説明する。
図29に車載照明装置(車両用信号灯)の一例である車幅灯29の断面図を示す。
図29の車載照明装置29は、入光部281a、281bと出光面282とを有する導光部材28と、入光部の近傍(入光部に対向するように)に配置された点光源291a、291bとを有し、これらが前面レンズ292と灯具ボディ293とからなる灯室空間内に収められている。
導光部材は、前述のとおり、出光面側を凸とする湾曲板形状を有し、入光部が出光面に対向する対向面に位置するものであることが好ましく、さらに詳細には、対向面にその長軸方向に垂直で断面がV字状又はコの字状(逆台形状も含む)の溝が形成されており、入光部がそのV字状の溝の側面(一方又は両方の側面)か、又は、コの字状の溝の側面(一方又は両方の側面)及び/又は底面に位置することが好ましい。
【0077】
点光源に限定はないが、面光源装置と同様にLED(発光ダイオード)を用いることが好ましい。LEDの種類に限定はなく、面光源装置の説明のところで例示した白色LEDや、赤色LED、黄色LED等を用いることができる。LEDの外形や発光面のサイズにも限定はなく、面光源装置において用いることができるものと同様のものを使用することができる。点光源と導光部材の入光部との距離についても、面光源装置と同程度にすることができる。
本発明の導光部材は、入射光の広角拡散が可能であるので、点光源の数が少なくても、出光面全体を発光させることができる。したがって、点光源は数多く配置する必要はなく、少なくとも1つあればよい。
また、車載照明装置においても、面光源装置と同様に各種光学要素をさらに含むことができる。
【実施例】
【0078】
続いて、本発明の実施例を示す。なお、以下の実施例、比較例は、本発明の導光部材を面光源装置に適用した場合の例であり、使用する導光部材は、図1に示すような、出光面と、出光面と対向する対向面と、出光面と対向面に挟まれた入光面(入光部)を有する導光板である。
【0079】
[標準リファレンスA]
LEDの配列ピッチPが10.5mm、導光部材(材質:ポリメチルメタクリレート、厚み:4mm)の入光面(入光部)と表示エリアとの間の水平距離Gが16.5mm(P/G=0.64)である市販のLEDテレビ(ソニー株式会社製 BRAVIA KDL−32EX700)から、面光源装置部のみを取り出し、LEDの配列ピッチが約42mm(P/G=2.55)となるようにLEDを再配置し、導光部材の出光面の入光面側端部から16.5mm内側(表示エリア開始部に相当)から、さらに10mm内側の位置(入光面側端部から26.5mm内側)における輝度をコニカミノルタ製 二次元色彩輝度計(CA−2000)を使用して測定した。なお、導光部材の入光部は鏡面であった。
【0080】
[実施例A]
上記の面光源装置において、導光部材の入光面に、表面に微細な凹凸構造を有する複数本の溝を形成した紫外線硬化樹脂層を有する平均厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を、透明両面接着シート(日東電工株式会社製CS9621T)を用いて貼り付け、出光面の入光面側端部から26.5mm内側の位置における輝度を測定した。本実施例において採用した表面に微細な凹凸構造を有する複数本の溝の写真を図18及び19に示す。
上記複数本の溝の形状はスペックルパターン露光により製造したものであり、平均ピッチは約10μm、平均深さは約5μmである。
また、複数本の溝の表面に形成した微細な凹凸構造は、ナノインプリントにより製造した図20に示すモスアイ構造であり、高さ300nmの釣鐘型の凸部を、ピッチ250nmでハニカム状に配置しものである。このモスアイ構造の反射低減効果を図21、22に示す。図21は、対照である鏡面を有するトリアセチルセルロース(TAC)フィルムに波長380nm〜780nmの光を入射角8°で入射させたときの反射率であり、図22は、該TACフィルム表面に、図20に示すモスアイ構造を形成した場合の反射率である。図21、22を比較すると、図20に示すモスアイ構造を形成した場合には、反射率が4%弱低減されることが確認できる。
なお、表面にモスアイ構造を有する複数本の溝を形成した紫外線硬化樹脂層は、上述のスペックルパターン露光により作製した複数本の溝を有する型とナノインプリントにより作製したモスアイ構造を有する型を用い、まず、熱可塑性樹脂に表面にモスアイ構造を有する複数本の溝を形成し、これをサブマスタとしてロール状の金属転写型を作製し、そのパターンをPETフィルム上に塗布した紫外線硬化樹脂層に押し付け、PETフィルムの側から紫外線を照射して紫外線硬化樹脂層を硬化させることにより作製した。
【0081】
[比較例A1〜A3]
上記の面光源装置において、導光部材を以下のものに差し替えて、出光面の入光面側端部から26.5mm内側の位置における輝度を測定した。なお、いずれの導光部材も、実施例の導光部材と同様に、所定の微細構造を形成した平均厚さが125μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを標準レファレンスの導光部材の入光面に両面接着シートを用いて貼り付けることによって製造した。
比較例A1:入光面に表面に微細な凹凸構造を有さない90度頂角のプリズム(ピッチ:約50μm)が周期的に形成されている導光部材
比較例A2:入光面に表面に微細な凹凸構造を有さないレンチキュラーレンズ(ピッチ:約120μm)が周期的に形成されている導光部材
比較例A3:入光面に表面に微細な凹凸構造を有さない頂角Rのプリズム(ピッチ:約50μm)が周期的に形成されている導光部材。
【0082】
実施例A、比較例A1〜A3及び標準リファレンスAの導光部材を用いた面光源装置の輝度の変動を図26に示す。図26において、縦軸は出光面の入光面側端部から26.5mm内側の位置における輝度、横軸は導光部材の入光面の幅方向の位置を示す。
本発明の導光部材を用いた実施例Aの面光源装置においては、輝度が場所によらずほぼ一定で、ホットスポットは出現しなかった。これに対し、市販のテレビで使用されている導光部材(標準リファレンスA)や、先行技術文献に開示されている導光部材に相当する導光部材(比較例A1〜A3)を用いた場合には、輝度が一定せず、ホットスポット(極大部)が出現し、輝度ムラが解消できなかった。
【0083】
[標準リファレンスB]
市販のLEDテレビ(ソニー株式会社製 BRAVIA KDL−32EX710)から面光源装置部のみを取り出し、LEDの配置を変更することなくそのまま、出光面の面内平均輝度をコニカミノルタ製 二次元色彩輝度計(CA−2000)を使用して測定した。
【0084】
[実施例B]
上記の面光源装置の導光部材の入光面に、実施例Aで使用したものと同一のポリエチレンテレフタレートフィルム(表面に微細な凹凸構造を有する複数本の溝を形成したフィルム)を、実施例Aと同様にして貼り付け、出光面の面内平均輝度を測定した。
【0085】
[比較例B]
導光部材の入光面に貼り付けるテープを、複数本の溝のみを形成した(表面に微細な凹凸構造を有していない複数本の溝を形成した)ポリエチレンテレフタレートフィルムに替えた以外は実施例Bと同様にして、出光面の面内平均輝度を測定した。
[参考例B]
導光部材の入光面に貼り付けるテープを、微細な凹凸構造(モスアイ構造)のみを形成したポリエチレンテレフタレートフィルムに替えた以外は実施例Bと同様にして、出光面の面内平均輝度を測定した。
【0086】
標準リファレンスB、実施例B、比較例B及び参考例Bの面内平均輝度及び投入電力のばらつきを補正するために面内平均輝度を投入電力で除した値(輝度効率)を表2に示す。
また、その比較を図23に示す。なお、図23において縦軸は、標準リファレンスBの面内平均輝度を100%としたとき、各サンプルの面内平均輝度の割合を表している。
【表2】

【0087】
実施例Bにおいては、標準リファレンスB(鏡面)や、複数の凹部又は凸部(第一の凹凸)のみが形成された比較例B(第一の凹凸のみ、モスアイ構造なし)と比較して高い面内平均輝度が得られた。この面内平均輝度は、入光面にモスアイ構造(第二の凹凸)のみが形成された参考例B(第二の凹凸(モスアイ構造)のみ)に相当するものであった。
以上より、入光部に表面に微細な凹凸構造を設けることによる反射低減効果は、その表面が平らである場合だけではなく、その表面に起伏(凹凸)がある場合にもおいても同様に得られることが確認できた。
【産業上の利用可能性】
【0088】
本発明の導光部材は、点光源からの光を広角に拡散できるので、複数の点光源を用いて出光面の側面側から光を入射させた場合の入光部近傍の輝度ムラ(ホットスポット)をなくすことができる。そのため、LED等の点光源を用いる車両用室内灯(例:白色)やエッジライト方式の面光源装置、とりわけ、薄型液晶表示装置用の面光源装置に好適に利用できる。
また、本発明の導光部材は、点光源からの光を広角に拡散できるので、少ない数の点光源の光を広範囲から出光することができる。そのため、法令等により所定の値以上の発光面積を確保する必要のある車両用信号灯、例えば、メーターパネル等を照明する表示灯(例:白色);制動灯(例:赤色)、後方又は前方車幅灯(例:赤色、白色)、方向指示灯(例:黄色)等に好適に使用できる。
【符号の説明】
【0089】
1 導光部材
11 出光面
12 入光部
13 溝
14 導光部材の厚さ方向
15 入光部の出光面の長軸方向に平行な方向
16 入光部の法線方向
41 透明基板
4a 透明基板の表面
4b 第二の凹凸が形成された表面
42a 転写ローラー
42b 転写ローラー
5a 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
5b 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
51 剥離フィルム
52 粘着層
53 ベースフィルム
54 溝構造が形成された層
55 粘着層
56 台紙フィルム
61 溝
71 溝構造が形成された層を有する多層フィルム
72 ロール
9 面光源装置
91 導光部材
92 点光源
93 入光部
94 表示エリアに相当する領域
10 LED
101 発光面
102 発光面の横幅
11 液晶表示パネル
112 表示エリア
113 ブラックマトリックス
114 ソースチップ
115 ゲートチップ
12 テレビ受信装置
121 表示装置
122 前キャビネット
1221 スピーカー
123 テレビチューナー回路基板
124 電源回路基板
125 制御回路基板
126 裏キャビネット
127 スタンド
28 導光部材
281a入光部
281b入光部
282 出光面
283 導光面
29 車載照明装置
291a点光源
291b点光源
292 前面レンズ
293 灯具ボディ
G 導光部材の入光部と表示エリアとの間の水平距離
P 点光源の配列ピッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出光面と、少なくとも1つの入光部を有する導光部材であって、
前記少なくとも1つの入光部が、表面に微細な凹凸構造を有する複数の凹部又は凸部を有する、導光部材。
【請求項2】
前記微細な凹凸構造がモスアイ構造である、請求項1に記載の導光部材。
【請求項3】
前記複数の凹部又は凸部の形状、深さ又は高さ、出光面の長軸方向に平行な方向のピッチ、及び入光部の長軸方向に平行な方向のピッチのうち少なくとも1つが不規則に異なっている、請求項1又は2に記載の導光部材。
【請求項4】
前記複数の凹部又は凸部の開口部又は底面が、特定の一方向に長い異方形状を有する、請求項1〜3いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項5】
前記特定の一方向が、前記出光面の長軸方向と垂直な方向又は前記入光部の長軸方向と垂直な方向である、請求項4に記載の導光部材。
【請求項6】
前記複数の凹部又は凸部の前記出光面の長軸方向に平行な方向の平均ピッチ又は前記入光部の長軸方向に平行な方向の平均ピッチが20μm以下である、請求項1〜5いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項7】
前記複数の凹部又は凸部の平均深さ又は高さが1〜50μmである、請求項1〜6いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項8】
前記凹部が溝である、請求項1〜7いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項9】
前記微細な凹凸構造/モスアイ構造の平均ピッチが500nm以下である、請求項1〜8いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項10】
前記入光部にその法線方向から光線を入射したときの、前記出光面の長軸方向に平行な方向の拡散角度又は前記入光部の長軸方向に平行な方向の拡散角度が30°以上120°以下である、請求項1〜9いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項11】
前記入光部にその法線方向から光線を入射させたときの透過光強度の出射角度に対する分布において、出射角度=0°における透過光強度がピーク強度の90%以上である、請求項1〜10いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項12】
前記複数の凹部又は凸部が、スペックルパターン露光により形成されたものである、請求項1〜11いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項13】
前記出光面と、該出光面と対向する対向面とを主面とする平板形状を有し、
前記少なくとも1つの入光部が、前記出光面と前記対向面との間に挟まれた側面にある、
請求項1〜12いずれか1項に記載の導光部材。
【請求項14】
請求項13に記載の導光部材と、
該導光部材の前記少なくとも1つの入光部の近傍に配置された複数の点光源と、
を有する面光源装置。
【請求項15】
光の透過を調整することによって表示をする表示エリアを有する表示パネルと、
該表示パネルの背面に配置された請求項14に記載の面光源装置と、
を有する表示装置。
【請求項16】
前記複数の点光源が等間隔に配置され、その配列ピッチPと、前記少なくとも1つの入光部と前記表示エリアとの間の水平距離Gが以下の条件(1)を満たす、請求項15に記載の表示装置。
(1)P/G>1
【請求項17】
前記導光部材が、前記出光面と前記対向面との間に挟まれた入光部を2つ有し、
前記複数の点光源が2つの入光部それぞれの近傍に等間隔に配置され、
第一の入光部の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP1、第二の入光部の近傍に配置された点光源の配列ピッチをP2、前記第一の入光部と前記表示エリアとの間の水平距離をG1、前記第二の入光部と前記表示エリアとの間の水平距離をG2としたときに、以下の条件(2)を満たす、請求項15又は16に記載の表示装置。
(2)P1/G1:P2/G2=100:90〜100:110
【請求項18】
さらに以下の条件(3)を満たす、請求項17に記載の表示装置。
(3)G1≠G2
【請求項19】
前記表示パネルが液晶表示パネルである、請求項15〜18いずれか1項に記載の表示装置。
【請求項20】
請求項15〜18いずれか1項に記載の表示装置と、
放送映像信号を受信するチューナーと、
を有するテレビ受信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【図24C】
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【図24D】
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【図24E】
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【図24F】
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【図24G】
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【図24H】
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【図24I】
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【図24J】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【公開番号】特開2012−79676(P2012−79676A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29881(P2011−29881)
【出願日】平成23年2月15日(2011.2.15)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】