導波管接続金具
【課題】導波管の先端に接続用のフランジを設けることなく、複数の導波管を接続可能な導波管接続金具を提供する。
【解決手段】導波管接続金具1は、接続金具本体10と蓋体30とから構成される。接続金具本体10の中心部分には、一対の開口端11が導波管2の導波路4と同形状に形成された導波空間12が設けられており、各開口端11側には、導波管2を嵌入可能な嵌入空間14と、接続金具本体10の外壁に向けて拡開するように形成された案内空間16が順に形成されている。また、各嵌入空間14の側壁には、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を外から確認するための窓部18が形成されており、蓋体30には、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13に挿入されて、導波管2を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【解決手段】導波管接続金具1は、接続金具本体10と蓋体30とから構成される。接続金具本体10の中心部分には、一対の開口端11が導波管2の導波路4と同形状に形成された導波空間12が設けられており、各開口端11側には、導波管2を嵌入可能な嵌入空間14と、接続金具本体10の外壁に向けて拡開するように形成された案内空間16が順に形成されている。また、各嵌入空間14の側壁には、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を外から確認するための窓部18が形成されており、蓋体30には、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13に挿入されて、導波管2を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導波管を接続するための導波管接続金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの導波管同士を接続する場合には、それぞれの導波管の端部にフランジを設け、各フランジ同士を所定の連結具(例えば、ボルトとナット、金属カバー等)を介して連結するようにしていた(例えば、特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−320201号公報
【特許文献2】特開2004−253982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、各導波管のフランジ同士を連結することで、各導波管の開口端を密着させて、各導波管の導波路同士を連続的に結合させるためであるが、導波管の端部にフランジを形成するにはコストがかかり、しかも、導波管の端部にフランジを形成すると、フランジ部分だけが外に張り出すので、導波管の運搬時や配管時の取り扱いが面倒であるという問題があった。
【0005】
また、導波管を配管する場合、その配管の長さを調整したり、導波路を曲げたりするには、フランジを有する長さ調整用或いは曲折用の導波管を準備しておく必要があるため、配管に用いる導波管のコストアップを招くという問題もある。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、導波管の先端に接続用のフランジを設けることなく、複数の導波管を接続可能な導波管接続金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、複数の導波管を接続するための導波管接続金具であって、
前記各導波管の導波路と同形状の開口端を複数備え、前記各導波管の導波路同士を結合するための導波空間と、
該導波空間の各開口端側に前記各導波管を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管の導波路と前記導波空間とを連続的に結合させる嵌入空間と、
前記嵌入空間から当該導波管接続金具の外壁に向けて拡開するように形成され、前記各導波管を当該導波管接続金具の外側から前記嵌入空間へと案内する案内空間と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導波管接続金具において、前記嵌入空間の側壁には、当該嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を当該導波管接続金具の外側から確認するための窓部が形成されると共に、前記窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の導波管接続金具において、前記窓部から見て、前記嵌入空間の幅は前記導波管の幅より大きくなっており、前記蓋体には、前記窓部の閉塞時に、前記嵌入空間に嵌入された導波管と前記嵌入空間の内壁との間に挿入されて前記導波管の先端を前記嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されていることを特徴とする。
【0010】
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の導波管接続金具においては、接続対象となる導波管を、各案内空間から嵌入空間へと挿入して、その導波管の先端を、導波空間と嵌入空間との間に形成される段差部に当接させれば、導波管の導波路から導波空間へと連続的な導波路が形成されることになり、導波空間を介して、導波管の導波路同士を連続的に結合することができる。
【0014】
また、各導波管は、その先端を各案内空間から挿入して嵌入空間に嵌入させれば、導波管の外壁と嵌入空間の内壁との摩擦によってその状態が保持され、導波管接続金具から抜けることはない。
【0015】
よって、本発明の導波管接続金具を利用すれば、極めて簡単な作業で導波管同士を接続することができるようになり、しかも、導波管の先端にフランジを設ける必要がないので、導波管のコストを低減できると共に、導波管の運搬時や配管時の取り扱いを簡単にすることができる。
【0016】
次に、請求項2に記載の導波管接続金具においては、嵌入空間の側壁に窓部が設けられているため、嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を導波管接続金具の外側から確認することができる。このため、使用者は、導波管を嵌入空間に挿入した際、その挿入が充分であるか否かを、窓部を使って確認することができ、導波管の導波路と導波空間との間に径の大きな空間が形成されて、高周波信号の伝送特性が劣化するのを防止できる。
【0017】
また、請求項2に記載の導波管接続金具には、窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体が備えられているので、導波管の接続後は、この蓋体を使って窓部を閉塞することで、導波管先端部分を保護することができる。
【0018】
また次に、請求項3に記載の導波管接続金具においては、窓部から見て、嵌入空間の幅は導波管の幅より大きくなっている。そして、窓部を閉塞する蓋体には、嵌入空間に嵌入された導波管と嵌入空間の内壁との間に挿入されて導波管の先端を嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されている。
【0019】
従って、請求項3に記載の導波管接続金具によれば、各嵌入空間に嵌入された導波管を、蓋体に設けられた固定用突起によってしっかりと固定することができ、各導波管が導波管接続金具から抜けるのをより確実に防止することができる。
【0020】
次に、請求項4に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されているので、2本の導波管を真っ直ぐ連結することができる。
【0021】
また、請求項5に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されているので、2本の導波管を所定角度で連結することができる。
【0022】
また、請求項6に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されているので、3本の導波管をT字状若しくはY字状に連結することができ、伝送する信号を2分配(若しくは混合)する分配器(若しくは混合器)として利用することができる。
【0023】
よって、請求項4〜請求項6に記載の導波管接続金具を適宜組み合わせて利用すれば、建造物内等で導波管を所望経路で配管することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図2】第1実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す説明図である。
【図3】第1実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図4】第1実施形態の導波管接続金具への導波管の接続手順を説明する説明図である。
【図5】第2実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図6】第2実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図7】第2実施形態の導波管接続金具への導波管の接続手順を説明する説明図である。
【図8】第3実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図9】第3実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図10】第3実施形態の導波管接続金具への導波管の接続状態を表す説明図である。
【図11】変形例1の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図12】変形例2の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図13】変形例3の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図14】導波管接続金具の通過損失を測定した実験例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図3は、第1実施形態の導波管接続金具1の構成を表す説明図であり、図1は、導波管接続金具1の外観を表す斜視図、図2は、導波管接続金具1の内部空間を表す説明図、図3は導波管接続金具1の内部空間を表す断面図である。また、図4は、導波管接続金具1への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0026】
本実施形態の導波管接続金具1は、断面矩形形状の2つの導波管2を、導波路が直線になるように接続するためのものであり、接続金具本体10と、接続金具本体10の側壁に形成された窓部18に嵌合される蓋体30とから構成されている。
【0027】
図2、図3から明らかなように、接続金具本体10の内部中心部分には、導波管2の導波路4と同形状の開口端11を各導波管2の挿入方向両側に備えた導波空間12が形成されている。
【0028】
また、接続金具本体10において、導波空間12の各開口端11側には、各導波管2を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管2の導波路4と導波空間12とを連続的に結合させる嵌入空間14が形成されており、更に、この嵌入空間14の導波空間12と反対側(つまり接続金具本体10の外側)には、接続金具本体10の外壁に向けて拡開するように形成された案内空間16が形成されている。
【0029】
つまり、接続金具本体10は、導波管2の挿入方向に沿って細長い矩形形状になっており、導波管2の挿入方向に沿った軸方向両側から、内壁がテーパ状に形成された一対の案内空間16、嵌入空間14が形成され、その中心部分に、2つの導波管2の導波路4同士を連続的に結合する導波空間12が形成されている。
【0030】
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。
【0031】
また、図4(a)から明らかなように、この窓部18からみて、各嵌入空間14の幅(図では高さ)は導波管2の幅(図では高さ)より大きくなっている。
そして、窓部18に嵌合される蓋体30には、窓部18に嵌合されて窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13(図4(b)参照)に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0032】
このように構成された本実施形態の導波管接続金具1においては、接続対象となる2つの導波管2を、各案内空間16から嵌入空間14へと挿入して、その導波管2の先端を、導波空間12と嵌入空間14との間(つまり導波空間12の各開口端11側)に形成される段差部に当接させれば、導波管2の導波路4から導波空間12へと連続的な導波路が形成されることになり、導波空間12を介して、導波管2の導波路4同士を連続的に結合することができる。
【0033】
このため、本実施形態の導波管接続金具1を利用すれば、極めて簡単な作業で導波管2同士を接続することができるようになり、しかも、導波管2の先端にフランジを設ける必要がないので、導波管2のコストを低減できる。また、導波管2の運搬時や配管時の取り扱いを簡単にすることができる。
【0034】
また、本実施形態の接続金具本体10には、嵌入空間14の側壁に窓部18が設けられているため、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができる。このため、使用者は、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、その挿入が充分であるか否かを、窓部18を使って確認することができ、導波管2の導波路4と導波空間12との間に径の大きな空間が形成されて、高周波信号の伝送特性が劣化するのを防止できる。
【0035】
また、本実施形態の導波管接続金具1には、接続金具本体10の窓部18を閉塞するために、接続金具本体10とは別体で構成された蓋体30が備えられているので、導波管2の接続後は、図4(c)に示すように、この蓋体30を使って窓部18を閉塞することで、導波管2の先端部分を保護することができる。
【0036】
また、各導波管2は、その先端を各案内空間16から挿入して嵌入空間14に嵌入させれば、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との摩擦によってその状態を保持することができるが、本実施形態では、更に、各嵌入空間14の幅(図では高さ)を導波管2の幅(図では高さ)よりも大きくしておき、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間にできる隙間13に、蓋体30に形成された固定用突起32を嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内にしっかりと固定できるようにされているので、導波管2を接続した後、導波管が導波管接続金具1から抜けるのを防止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0037】
図5は、第2実施形態の導波管接続金具7の外観を表す斜視図、図6は、導波管接続金具7の内部空間を表す断面図、図7は、導波管接続金具7への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0038】
本実施形態の導波管接続金具7は、断面矩形形状の2つの導波管2を、導波路が直交するように接続するためのものであり、第1実施形態の導波管接続金具1と異なる点は、接続金具本体10がL字状に形成され、導波空間12がそのL字の角部から外側に向けてL字状に形成されている点である。
【0039】
つまり、第1実施形態の導波管接続金具1においては、導波空間12の2つの開口端11を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう、導波空間12が直線状に形成されているのに対し、第2実施形態の導波管接続金具7においては、導波空間12の2つの開口端11を接続する導波路の中心軸が略直角に屈曲するよう、導波空間12がL字状に形成されている。
【0040】
そして、導波空間12の2つの開口端11には、上記実施形態と同様、嵌入空間14及び案内空間16がそれぞれ形成されている。
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。なお、図7(b)に示すように、この窓部18から見て、各嵌入空間14の幅(図では高さ)は、第1実施形態と同様、導波管2の幅(図では高さ)より大きくなっている。
【0041】
また、接続金具本体10はL字状に形成されており、窓部18はL字の外側の面(つまり異なる面)に形成されていることから、窓部18を閉塞する蓋体30は、各窓部18に対応して2つ備えられている。
【0042】
そして、この蓋体30にも、各窓部18に嵌合されて各窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13(図7(b)参照)に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0043】
従って、本実施形態の導波管接続金具7によれば、図7(b)に示すように、L字の両端部分に形成された案内空間16から各嵌入空間14へと導波管2を挿入して、その導波管2の先端を、開口面が90°異なる方向を向くよう形成された導波空間12の各開口端側に形成される段差部に当接させれば、導波管2の導波路4から導波空間12へと連続的なL字状の導波路が形成されることになる。
【0044】
また、嵌入空間14の側壁には窓部18が設けられており、その窓部18は蓋体30にて閉塞できるので、上記実施形態と同様、使用者は、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができ、導波管2の接続後は、この蓋体30を使って導波管2の先端部分を保護することができる。
【0045】
また、蓋体30には、固定用突起32が形成されているため、蓋体30にて窓部18を閉塞した際、固定用突起32にて、導波管2の先端を嵌入空間14内にしっかりと固定し、導波管2が導波管接続金具7から抜けるのを防止できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0046】
図8は、第3実施形態の導波管接続金具9の外観を表す斜視図、図9は、導波管接続金具9の内部空間を表す断面図、図10は、導波管接続金具9への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0047】
本実施形態の導波管接続金具9は、断面矩形形状の3つの導波管2を、T字状に接続するためのものであり、第1、第2実施形態の導波管接続金具1,7と異なる点は、接続金具本体10がT字状に形成され、導波空間12がそのT字の中心部分から外側に向けてT字状に形成されている点である。
【0048】
つまり、本実施形態の導波管接続金具9においては、導波空間12に3つの開口端11が備えられており、各開口端11を接続する導波路の中心軸がT字状を呈するように、導波空間12が形成されている。
【0049】
そして、導波空間12の3つの開口端11には、上記実施形態と同様、嵌入空間14及び案内空間16がそれぞれ形成されている。
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。
【0050】
窓部18は、T字の中心部分から外方向に直線状に延びる直線部分に2つ、その直線部分から分岐した部分に一つ、形成されることから、窓部18を閉塞する蓋体30は、直線部分に形成された2つの窓部18を同時に閉塞する第1実施形態と略同形状の蓋体30と、分岐部分に形成された一つの窓部18を閉塞する第2実施形態と略同形状の蓋体30との2種類のものが用意されている。
【0051】
そして、これら各蓋体30にも、各窓部18に嵌合されて各窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0052】
従って、本実施形態の導波管接続金具9によれば、図10(a)に示すように、T字の各端部に形成された案内空間16から各嵌入空間14へと導波管2を挿入して、その導波管2の先端を、導波空間12の各開口端11側に形成される段差部に当接させれば、3つの導波管2の導波路4をT字状に連続的に接続することができる。
【0053】
また、上記各実施形態と同様、嵌入空間14の側壁には窓部18が設けられており、その窓部18は蓋体30にて閉塞できる(図10(b)参照)ので、使用者は、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができ、導波管2の接続後は、この蓋体30を使って導波管2の先端部分を保護することができる。
【0054】
また、蓋体30には、固定用突起32が形成されているため、蓋体30にて窓部18を閉塞した際、固定用突起32を導波管2と嵌入空間14との間の隙間13に挿入して、導波管2を嵌入空間14内にしっかりと固定し、導波管2が導波管接続金具9から抜けるのを防止できる。
【0055】
そして、上記のように、第1実施形態の導波管接続金具1においては、開口面が180°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端11を有し、直線状の導波路を形成する導波空間12を備え、第2実施形態の導波管接続金具7においては、開口面が90°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端11を有し、L字状の導波路を形成する導波空間12を備え、第3実施形態の導波管接続金具9においては、開口面が180°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端と、これら各開口端に対し開口面が90°異なる方向を向くよう形成された1つの開口端と、を有し、T字状の導波路を形成する導波空間12を備えることから、これら各実施形態の導波管接続金具1,7,9を適宜組み合わせて利用すれば、建造物内等で導波管を所望経路で配管することができるようになる。
[変形例1]
上記各実施形態では、導波管接続金具1,7,9は、断面矩形形状(詳しくは長方形)の導波管2を接続するものとして説明したが、本発明の導波管接続金具は、導波管の断面が正方形であっても、或いは、円形若しくは楕円形であっても、その断面形状に応じて案内空間16、嵌入空間14、導波空間12を形成することで、上記実施形態と同様に構成して、同様の効果を得ることができる。
【0056】
例えば、図11は、第1実施形態の直線状の導波管接続金具1を、断面円形の導波管2を接続するものに改良したものを表しているが、この図から明らかなように、案内空間16、嵌入空間14、導波空間12を導波管2の断面形状に対応して円形にすれば、円形導波管接続用の導波管接続金具1を構成することができる。
【0057】
なお、この場合、導波管接続金具1の外形は、第1実施形態のように矩形にしてもよいが、図11では、導波管接続金具1の外形についても、導波管2に対応して円筒状にしている。そして、このように導波管接続金具1の外形を円筒状にした際には、図11に示すように、蓋体30の外壁についても、接続金具本体10の形状に合わせて断面円弧状にすればよい。
[変形例2]
上記各実施形態では、窓部18から見て、嵌入空間14の幅が導波管2の幅よりも大きくなるように形成することで、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との対向部分の一方に隙間13ができるようにし、その隙間13に、蓋体30に形成された固定用突起32を嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内に固定できるようにしている。
【0058】
しかし、例えば、図12に示すように、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との対向部分の両側に隙間13ができるようにし、その2つの隙間13に、蓋体30の両端に形成された一対の固定用突起32をそれぞれ嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内に固定するようにしてもよい。
【0059】
なお、図12は、第1実施形態の直線状の導波管接続金具1を改良したものを表しているが、このような改良は第2、第3実施形態の導波管接続金具7、9、或いは、変形例1の導波管接続金具1でも同様に行うことができる。
[変形例3]
また次に、蓋体30に設けられた固定用突起32は、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に嵌入されることで、導波管2を嵌入空間14内に位置決め固定するためのものであるが、寸法誤差や経時変化等によって導波管2に対し充分圧力を加えることができず、導波管2が抜けやすくなることも考えられる。
【0060】
そこで、嵌入空間14に挿入される導波管2の先端部分の外壁と、この外壁に当接される固定用突起32の壁面とには、固定用突起32を導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に挿入した際に、互いに嵌合して両者を位置決め固定する凹・凸部を設けるようにしてもよい。
【0061】
例えば、図13(a)は、変形例2の蓋体30と、この蓋体30に設けられた一対の固定用突起32にて、接続金具本体10の嵌入空間14内に固定される導波管2を表しているが、この図に示すように、導波管2において一対の固定用突起32にて挟持される上下の壁面に1又は複数(図では2個)の凹部2aを設け、一対の固定用突起32の対向面にそれぞれこの凹部2aに嵌合可能な凸部32aを設けるのである。
【0062】
そして、このようにすれば、導波管2を接続金具本体10の嵌入空間14に挿入して、固定用突起32を、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に挿入すれば、図13(b)に示すように、凸部32aが凹部2aに嵌入されて、固定用突起32と導波管2とが嵌入空間14内でしっかりと連結され、これらが嵌入空間14から抜けるのを防止できる。
【0063】
なお、変形例1の接続金具1のように、断面円形の導波管2を蓋体30の固定用突起32で固定する場合には、導波管2が中心軸周りに回転可能であるので、導波管2に凹部2aを形成しても、凹部2aを固定用突起32に設けた凸部32aとの対応位置に位置決めするのは難しい。従って、この場合には、図13(c)に示すように、固定用突起32にだけ凸部32aを設け、この凸部32aにて導波管2を固定するようにしてもよい。
[実験例]
次に、第1実施形態の接続金具1を用いて断面矩形形状の2本の導波管2を連結した際に生じる通過損失を測定したので、本発明の実験例として説明する。
【0064】
本実験例では、図14(a)に示すように、58GHz〜66GHzのミリ波帯の信号を伝送する導波管2として、外寸4mm×6mm、内寸2mm×4mm、長さ50mmの導波管2を用意し、これを接続する接続金具1として、全長25mm、導波空間12の導波路の長さ5mmの接続金具1を使用した。なお、導波空間12の内寸、蓋体30を含めた案内空間14の内寸は、導波管2の内寸及び外寸に対応する。
【0065】
そして、一方の導波管2の開放端から、他方の導波管2の開放端に至る58GHz〜66GHzの信号の通過損失を測定した。その測定結果を、図14(b)に実線で示す。
図14(b)から明らかなように、第1実施形態の接続金具1によれば、接続金具を使用しない導波管2単体の通過損失(点線で示す)と略同じであり、ミリ波帯の導波路2の接続金具として充分利用できることが判った。
【0066】
なお、図14(b)に点線で示す接続金具を使用しない導波管2単体の通過損失は、導波管2の長さを105mmにして、ミリ波帯の信号の伝送路の長さを、接続金具1を使用した場合と一致させた。
【0067】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様を採ることができる。
【0068】
例えば、接続金具本体10及び蓋体30は、全て電磁波を遮断可能な導電性金属にて構成することが望ましいが、軽量化・低コスト化を図るために、合成樹脂にて形成して、その表面を金属メッキすることにより構成してもよい。
【0069】
また、上記各実施形態では、導波路を形成する導波空間12を直線状、L字状、若しくはT字状に形成したものについて説明したが、導波空間12にて形成される導波路の屈曲角度や形状は適宜変更してもよく、例えば、3つの開口端を備える導波空間12を形成する場合には、導波路の形状をT字状ではなく、Y字状にしてもよい。
【0070】
そして、導波空間12をどのような形状にしても、その開口端11側に、嵌入空間14、案内空間16を設けるようにすれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、窓部18やこれを閉塞する蓋体30は、必ずしも設ける必要はなく、これらを設けなくても、本発明の導波管接続金具は実現できる。また、窓部18を設ける場合、嵌入空間14の断面形状を導波管2の外形形状と一致させ、嵌入空間14に導波管2を嵌入するだけで、導波管2を導波管接続金具1,7,9に固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,7,9…導波管接続金具、2…導波管、2a…凹部、4…導波路、10…接続金具本体、11…開口端、12…導波空間、13…隙間、14…嵌入空間、16…案内空間、18…窓部、30…蓋体、32…固定用突起、32a…凸部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の導波管を接続するための導波管接続金具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、2つの導波管同士を接続する場合には、それぞれの導波管の端部にフランジを設け、各フランジ同士を所定の連結具(例えば、ボルトとナット、金属カバー等)を介して連結するようにしていた(例えば、特許文献1、2等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−320201号公報
【特許文献2】特開2004−253982号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これは、各導波管のフランジ同士を連結することで、各導波管の開口端を密着させて、各導波管の導波路同士を連続的に結合させるためであるが、導波管の端部にフランジを形成するにはコストがかかり、しかも、導波管の端部にフランジを形成すると、フランジ部分だけが外に張り出すので、導波管の運搬時や配管時の取り扱いが面倒であるという問題があった。
【0005】
また、導波管を配管する場合、その配管の長さを調整したり、導波路を曲げたりするには、フランジを有する長さ調整用或いは曲折用の導波管を準備しておく必要があるため、配管に用いる導波管のコストアップを招くという問題もある。
【0006】
本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、導波管の先端に接続用のフランジを設けることなく、複数の導波管を接続可能な導波管接続金具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、複数の導波管を接続するための導波管接続金具であって、
前記各導波管の導波路と同形状の開口端を複数備え、前記各導波管の導波路同士を結合するための導波空間と、
該導波空間の各開口端側に前記各導波管を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管の導波路と前記導波空間とを連続的に結合させる嵌入空間と、
前記嵌入空間から当該導波管接続金具の外壁に向けて拡開するように形成され、前記各導波管を当該導波管接続金具の外側から前記嵌入空間へと案内する案内空間と、
を備えたことを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の導波管接続金具において、前記嵌入空間の側壁には、当該嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を当該導波管接続金具の外側から確認するための窓部が形成されると共に、前記窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体を備えたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の導波管接続金具において、前記窓部から見て、前記嵌入空間の幅は前記導波管の幅より大きくなっており、前記蓋体には、前記窓部の閉塞時に、前記嵌入空間に嵌入された導波管と前記嵌入空間の内壁との間に挿入されて前記導波管の先端を前記嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されていることを特徴とする。
【0010】
次に、請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されていることを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具において、前記導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の導波管接続金具においては、接続対象となる導波管を、各案内空間から嵌入空間へと挿入して、その導波管の先端を、導波空間と嵌入空間との間に形成される段差部に当接させれば、導波管の導波路から導波空間へと連続的な導波路が形成されることになり、導波空間を介して、導波管の導波路同士を連続的に結合することができる。
【0014】
また、各導波管は、その先端を各案内空間から挿入して嵌入空間に嵌入させれば、導波管の外壁と嵌入空間の内壁との摩擦によってその状態が保持され、導波管接続金具から抜けることはない。
【0015】
よって、本発明の導波管接続金具を利用すれば、極めて簡単な作業で導波管同士を接続することができるようになり、しかも、導波管の先端にフランジを設ける必要がないので、導波管のコストを低減できると共に、導波管の運搬時や配管時の取り扱いを簡単にすることができる。
【0016】
次に、請求項2に記載の導波管接続金具においては、嵌入空間の側壁に窓部が設けられているため、嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を導波管接続金具の外側から確認することができる。このため、使用者は、導波管を嵌入空間に挿入した際、その挿入が充分であるか否かを、窓部を使って確認することができ、導波管の導波路と導波空間との間に径の大きな空間が形成されて、高周波信号の伝送特性が劣化するのを防止できる。
【0017】
また、請求項2に記載の導波管接続金具には、窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体が備えられているので、導波管の接続後は、この蓋体を使って窓部を閉塞することで、導波管先端部分を保護することができる。
【0018】
また次に、請求項3に記載の導波管接続金具においては、窓部から見て、嵌入空間の幅は導波管の幅より大きくなっている。そして、窓部を閉塞する蓋体には、嵌入空間に嵌入された導波管と嵌入空間の内壁との間に挿入されて導波管の先端を嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されている。
【0019】
従って、請求項3に記載の導波管接続金具によれば、各嵌入空間に嵌入された導波管を、蓋体に設けられた固定用突起によってしっかりと固定することができ、各導波管が導波管接続金具から抜けるのをより確実に防止することができる。
【0020】
次に、請求項4に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されているので、2本の導波管を真っ直ぐ連結することができる。
【0021】
また、請求項5に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されているので、2本の導波管を所定角度で連結することができる。
【0022】
また、請求項6に記載の導波管接続金具によれば、導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されているので、3本の導波管をT字状若しくはY字状に連結することができ、伝送する信号を2分配(若しくは混合)する分配器(若しくは混合器)として利用することができる。
【0023】
よって、請求項4〜請求項6に記載の導波管接続金具を適宜組み合わせて利用すれば、建造物内等で導波管を所望経路で配管することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図2】第1実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す説明図である。
【図3】第1実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図4】第1実施形態の導波管接続金具への導波管の接続手順を説明する説明図である。
【図5】第2実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図6】第2実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図7】第2実施形態の導波管接続金具への導波管の接続手順を説明する説明図である。
【図8】第3実施形態の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図9】第3実施形態の導波管接続金具の内部空間を表す断面図である。
【図10】第3実施形態の導波管接続金具への導波管の接続状態を表す説明図である。
【図11】変形例1の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図12】変形例2の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図13】変形例3の導波管接続金具の構成を表す斜視図である。
【図14】導波管接続金具の通過損失を測定した実験例を表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
[第1実施形態]
図1〜図3は、第1実施形態の導波管接続金具1の構成を表す説明図であり、図1は、導波管接続金具1の外観を表す斜視図、図2は、導波管接続金具1の内部空間を表す説明図、図3は導波管接続金具1の内部空間を表す断面図である。また、図4は、導波管接続金具1への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0026】
本実施形態の導波管接続金具1は、断面矩形形状の2つの導波管2を、導波路が直線になるように接続するためのものであり、接続金具本体10と、接続金具本体10の側壁に形成された窓部18に嵌合される蓋体30とから構成されている。
【0027】
図2、図3から明らかなように、接続金具本体10の内部中心部分には、導波管2の導波路4と同形状の開口端11を各導波管2の挿入方向両側に備えた導波空間12が形成されている。
【0028】
また、接続金具本体10において、導波空間12の各開口端11側には、各導波管2を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管2の導波路4と導波空間12とを連続的に結合させる嵌入空間14が形成されており、更に、この嵌入空間14の導波空間12と反対側(つまり接続金具本体10の外側)には、接続金具本体10の外壁に向けて拡開するように形成された案内空間16が形成されている。
【0029】
つまり、接続金具本体10は、導波管2の挿入方向に沿って細長い矩形形状になっており、導波管2の挿入方向に沿った軸方向両側から、内壁がテーパ状に形成された一対の案内空間16、嵌入空間14が形成され、その中心部分に、2つの導波管2の導波路4同士を連続的に結合する導波空間12が形成されている。
【0030】
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。
【0031】
また、図4(a)から明らかなように、この窓部18からみて、各嵌入空間14の幅(図では高さ)は導波管2の幅(図では高さ)より大きくなっている。
そして、窓部18に嵌合される蓋体30には、窓部18に嵌合されて窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13(図4(b)参照)に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0032】
このように構成された本実施形態の導波管接続金具1においては、接続対象となる2つの導波管2を、各案内空間16から嵌入空間14へと挿入して、その導波管2の先端を、導波空間12と嵌入空間14との間(つまり導波空間12の各開口端11側)に形成される段差部に当接させれば、導波管2の導波路4から導波空間12へと連続的な導波路が形成されることになり、導波空間12を介して、導波管2の導波路4同士を連続的に結合することができる。
【0033】
このため、本実施形態の導波管接続金具1を利用すれば、極めて簡単な作業で導波管2同士を接続することができるようになり、しかも、導波管2の先端にフランジを設ける必要がないので、導波管2のコストを低減できる。また、導波管2の運搬時や配管時の取り扱いを簡単にすることができる。
【0034】
また、本実施形態の接続金具本体10には、嵌入空間14の側壁に窓部18が設けられているため、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができる。このため、使用者は、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、その挿入が充分であるか否かを、窓部18を使って確認することができ、導波管2の導波路4と導波空間12との間に径の大きな空間が形成されて、高周波信号の伝送特性が劣化するのを防止できる。
【0035】
また、本実施形態の導波管接続金具1には、接続金具本体10の窓部18を閉塞するために、接続金具本体10とは別体で構成された蓋体30が備えられているので、導波管2の接続後は、図4(c)に示すように、この蓋体30を使って窓部18を閉塞することで、導波管2の先端部分を保護することができる。
【0036】
また、各導波管2は、その先端を各案内空間16から挿入して嵌入空間14に嵌入させれば、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との摩擦によってその状態を保持することができるが、本実施形態では、更に、各嵌入空間14の幅(図では高さ)を導波管2の幅(図では高さ)よりも大きくしておき、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間にできる隙間13に、蓋体30に形成された固定用突起32を嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内にしっかりと固定できるようにされているので、導波管2を接続した後、導波管が導波管接続金具1から抜けるのを防止できる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
【0037】
図5は、第2実施形態の導波管接続金具7の外観を表す斜視図、図6は、導波管接続金具7の内部空間を表す断面図、図7は、導波管接続金具7への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0038】
本実施形態の導波管接続金具7は、断面矩形形状の2つの導波管2を、導波路が直交するように接続するためのものであり、第1実施形態の導波管接続金具1と異なる点は、接続金具本体10がL字状に形成され、導波空間12がそのL字の角部から外側に向けてL字状に形成されている点である。
【0039】
つまり、第1実施形態の導波管接続金具1においては、導波空間12の2つの開口端11を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう、導波空間12が直線状に形成されているのに対し、第2実施形態の導波管接続金具7においては、導波空間12の2つの開口端11を接続する導波路の中心軸が略直角に屈曲するよう、導波空間12がL字状に形成されている。
【0040】
そして、導波空間12の2つの開口端11には、上記実施形態と同様、嵌入空間14及び案内空間16がそれぞれ形成されている。
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。なお、図7(b)に示すように、この窓部18から見て、各嵌入空間14の幅(図では高さ)は、第1実施形態と同様、導波管2の幅(図では高さ)より大きくなっている。
【0041】
また、接続金具本体10はL字状に形成されており、窓部18はL字の外側の面(つまり異なる面)に形成されていることから、窓部18を閉塞する蓋体30は、各窓部18に対応して2つ備えられている。
【0042】
そして、この蓋体30にも、各窓部18に嵌合されて各窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13(図7(b)参照)に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0043】
従って、本実施形態の導波管接続金具7によれば、図7(b)に示すように、L字の両端部分に形成された案内空間16から各嵌入空間14へと導波管2を挿入して、その導波管2の先端を、開口面が90°異なる方向を向くよう形成された導波空間12の各開口端側に形成される段差部に当接させれば、導波管2の導波路4から導波空間12へと連続的なL字状の導波路が形成されることになる。
【0044】
また、嵌入空間14の側壁には窓部18が設けられており、その窓部18は蓋体30にて閉塞できるので、上記実施形態と同様、使用者は、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができ、導波管2の接続後は、この蓋体30を使って導波管2の先端部分を保護することができる。
【0045】
また、蓋体30には、固定用突起32が形成されているため、蓋体30にて窓部18を閉塞した際、固定用突起32にて、導波管2の先端を嵌入空間14内にしっかりと固定し、導波管2が導波管接続金具7から抜けるのを防止できる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
【0046】
図8は、第3実施形態の導波管接続金具9の外観を表す斜視図、図9は、導波管接続金具9の内部空間を表す断面図、図10は、導波管接続金具9への導波管の接続手順を表す説明図である。
【0047】
本実施形態の導波管接続金具9は、断面矩形形状の3つの導波管2を、T字状に接続するためのものであり、第1、第2実施形態の導波管接続金具1,7と異なる点は、接続金具本体10がT字状に形成され、導波空間12がそのT字の中心部分から外側に向けてT字状に形成されている点である。
【0048】
つまり、本実施形態の導波管接続金具9においては、導波空間12に3つの開口端11が備えられており、各開口端11を接続する導波路の中心軸がT字状を呈するように、導波空間12が形成されている。
【0049】
そして、導波空間12の3つの開口端11には、上記実施形態と同様、嵌入空間14及び案内空間16がそれぞれ形成されている。
また、接続金具本体10において、各嵌入空間14の側壁には、接続金具本体10の外側から、各嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を確認するための窓部18が形成されている。
【0050】
窓部18は、T字の中心部分から外方向に直線状に延びる直線部分に2つ、その直線部分から分岐した部分に一つ、形成されることから、窓部18を閉塞する蓋体30は、直線部分に形成された2つの窓部18を同時に閉塞する第1実施形態と略同形状の蓋体30と、分岐部分に形成された一つの窓部18を閉塞する第2実施形態と略同形状の蓋体30との2種類のものが用意されている。
【0051】
そして、これら各蓋体30にも、各窓部18に嵌合されて各窓部18を閉塞した際、嵌入空間14に嵌入された導波管2と嵌入空間14の内壁との間に形成される隙間13に挿入されて、導波管2の先端を嵌入空間14内に固定する固定用突起32が形成されている。
【0052】
従って、本実施形態の導波管接続金具9によれば、図10(a)に示すように、T字の各端部に形成された案内空間16から各嵌入空間14へと導波管2を挿入して、その導波管2の先端を、導波空間12の各開口端11側に形成される段差部に当接させれば、3つの導波管2の導波路4をT字状に連続的に接続することができる。
【0053】
また、上記各実施形態と同様、嵌入空間14の側壁には窓部18が設けられており、その窓部18は蓋体30にて閉塞できる(図10(b)参照)ので、使用者は、嵌入空間14に嵌入された導波管2の先端位置を接続金具本体10の外側から確認することができ、導波管2の接続後は、この蓋体30を使って導波管2の先端部分を保護することができる。
【0054】
また、蓋体30には、固定用突起32が形成されているため、蓋体30にて窓部18を閉塞した際、固定用突起32を導波管2と嵌入空間14との間の隙間13に挿入して、導波管2を嵌入空間14内にしっかりと固定し、導波管2が導波管接続金具9から抜けるのを防止できる。
【0055】
そして、上記のように、第1実施形態の導波管接続金具1においては、開口面が180°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端11を有し、直線状の導波路を形成する導波空間12を備え、第2実施形態の導波管接続金具7においては、開口面が90°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端11を有し、L字状の導波路を形成する導波空間12を備え、第3実施形態の導波管接続金具9においては、開口面が180°異なる方向を向くよう形成された2つの開口端と、これら各開口端に対し開口面が90°異なる方向を向くよう形成された1つの開口端と、を有し、T字状の導波路を形成する導波空間12を備えることから、これら各実施形態の導波管接続金具1,7,9を適宜組み合わせて利用すれば、建造物内等で導波管を所望経路で配管することができるようになる。
[変形例1]
上記各実施形態では、導波管接続金具1,7,9は、断面矩形形状(詳しくは長方形)の導波管2を接続するものとして説明したが、本発明の導波管接続金具は、導波管の断面が正方形であっても、或いは、円形若しくは楕円形であっても、その断面形状に応じて案内空間16、嵌入空間14、導波空間12を形成することで、上記実施形態と同様に構成して、同様の効果を得ることができる。
【0056】
例えば、図11は、第1実施形態の直線状の導波管接続金具1を、断面円形の導波管2を接続するものに改良したものを表しているが、この図から明らかなように、案内空間16、嵌入空間14、導波空間12を導波管2の断面形状に対応して円形にすれば、円形導波管接続用の導波管接続金具1を構成することができる。
【0057】
なお、この場合、導波管接続金具1の外形は、第1実施形態のように矩形にしてもよいが、図11では、導波管接続金具1の外形についても、導波管2に対応して円筒状にしている。そして、このように導波管接続金具1の外形を円筒状にした際には、図11に示すように、蓋体30の外壁についても、接続金具本体10の形状に合わせて断面円弧状にすればよい。
[変形例2]
上記各実施形態では、窓部18から見て、嵌入空間14の幅が導波管2の幅よりも大きくなるように形成することで、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との対向部分の一方に隙間13ができるようにし、その隙間13に、蓋体30に形成された固定用突起32を嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内に固定できるようにしている。
【0058】
しかし、例えば、図12に示すように、導波管2を嵌入空間14に挿入した際、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との対向部分の両側に隙間13ができるようにし、その2つの隙間13に、蓋体30の両端に形成された一対の固定用突起32をそれぞれ嵌入することで、導波管2を嵌入空間14内に固定するようにしてもよい。
【0059】
なお、図12は、第1実施形態の直線状の導波管接続金具1を改良したものを表しているが、このような改良は第2、第3実施形態の導波管接続金具7、9、或いは、変形例1の導波管接続金具1でも同様に行うことができる。
[変形例3]
また次に、蓋体30に設けられた固定用突起32は、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に嵌入されることで、導波管2を嵌入空間14内に位置決め固定するためのものであるが、寸法誤差や経時変化等によって導波管2に対し充分圧力を加えることができず、導波管2が抜けやすくなることも考えられる。
【0060】
そこで、嵌入空間14に挿入される導波管2の先端部分の外壁と、この外壁に当接される固定用突起32の壁面とには、固定用突起32を導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に挿入した際に、互いに嵌合して両者を位置決め固定する凹・凸部を設けるようにしてもよい。
【0061】
例えば、図13(a)は、変形例2の蓋体30と、この蓋体30に設けられた一対の固定用突起32にて、接続金具本体10の嵌入空間14内に固定される導波管2を表しているが、この図に示すように、導波管2において一対の固定用突起32にて挟持される上下の壁面に1又は複数(図では2個)の凹部2aを設け、一対の固定用突起32の対向面にそれぞれこの凹部2aに嵌合可能な凸部32aを設けるのである。
【0062】
そして、このようにすれば、導波管2を接続金具本体10の嵌入空間14に挿入して、固定用突起32を、導波管2の外壁と嵌入空間14の内壁との間の隙間に挿入すれば、図13(b)に示すように、凸部32aが凹部2aに嵌入されて、固定用突起32と導波管2とが嵌入空間14内でしっかりと連結され、これらが嵌入空間14から抜けるのを防止できる。
【0063】
なお、変形例1の接続金具1のように、断面円形の導波管2を蓋体30の固定用突起32で固定する場合には、導波管2が中心軸周りに回転可能であるので、導波管2に凹部2aを形成しても、凹部2aを固定用突起32に設けた凸部32aとの対応位置に位置決めするのは難しい。従って、この場合には、図13(c)に示すように、固定用突起32にだけ凸部32aを設け、この凸部32aにて導波管2を固定するようにしてもよい。
[実験例]
次に、第1実施形態の接続金具1を用いて断面矩形形状の2本の導波管2を連結した際に生じる通過損失を測定したので、本発明の実験例として説明する。
【0064】
本実験例では、図14(a)に示すように、58GHz〜66GHzのミリ波帯の信号を伝送する導波管2として、外寸4mm×6mm、内寸2mm×4mm、長さ50mmの導波管2を用意し、これを接続する接続金具1として、全長25mm、導波空間12の導波路の長さ5mmの接続金具1を使用した。なお、導波空間12の内寸、蓋体30を含めた案内空間14の内寸は、導波管2の内寸及び外寸に対応する。
【0065】
そして、一方の導波管2の開放端から、他方の導波管2の開放端に至る58GHz〜66GHzの信号の通過損失を測定した。その測定結果を、図14(b)に実線で示す。
図14(b)から明らかなように、第1実施形態の接続金具1によれば、接続金具を使用しない導波管2単体の通過損失(点線で示す)と略同じであり、ミリ波帯の導波路2の接続金具として充分利用できることが判った。
【0066】
なお、図14(b)に点線で示す接続金具を使用しない導波管2単体の通過損失は、導波管2の長さを105mmにして、ミリ波帯の信号の伝送路の長さを、接続金具1を使用した場合と一致させた。
【0067】
以上、本発明の実施形態及び変形例について説明したが、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内にて、種々の態様を採ることができる。
【0068】
例えば、接続金具本体10及び蓋体30は、全て電磁波を遮断可能な導電性金属にて構成することが望ましいが、軽量化・低コスト化を図るために、合成樹脂にて形成して、その表面を金属メッキすることにより構成してもよい。
【0069】
また、上記各実施形態では、導波路を形成する導波空間12を直線状、L字状、若しくはT字状に形成したものについて説明したが、導波空間12にて形成される導波路の屈曲角度や形状は適宜変更してもよく、例えば、3つの開口端を備える導波空間12を形成する場合には、導波路の形状をT字状ではなく、Y字状にしてもよい。
【0070】
そして、導波空間12をどのような形状にしても、その開口端11側に、嵌入空間14、案内空間16を設けるようにすれば、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、窓部18やこれを閉塞する蓋体30は、必ずしも設ける必要はなく、これらを設けなくても、本発明の導波管接続金具は実現できる。また、窓部18を設ける場合、嵌入空間14の断面形状を導波管2の外形形状と一致させ、嵌入空間14に導波管2を嵌入するだけで、導波管2を導波管接続金具1,7,9に固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0071】
1,7,9…導波管接続金具、2…導波管、2a…凹部、4…導波路、10…接続金具本体、11…開口端、12…導波空間、13…隙間、14…嵌入空間、16…案内空間、18…窓部、30…蓋体、32…固定用突起、32a…凸部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の導波管を接続するための導波管接続金具であって、
前記各導波管の導波路と同形状の開口端を複数備え、前記各導波管の導波路同士を結合するための導波空間と、
該導波空間の各開口端側に前記各導波管を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管の導波路と前記導波空間とを連続的に結合させる嵌入空間と、
前記嵌入空間から当該導波管接続金具の外壁に向けて拡開するように形成され、前記各導波管を当該導波管接続金具の外側から前記嵌入空間へと案内する案内空間と、
を備えたことを特徴とする導波管接続金具。
【請求項2】
前記嵌入空間の側壁には、当該嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を当該導波管接続金具の外側から確認するための窓部が形成されると共に、
前記窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の導波管接続金具。
【請求項3】
前記窓部から見て、前記嵌入空間の幅は前記導波管の幅より大きくなっており、
前記蓋体には、前記窓部の閉塞時に、前記嵌入空間に嵌入された導波管と前記嵌入空間の内壁との間に挿入されて前記導波管の先端を前記嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の導波管接続金具。
【請求項4】
前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【請求項5】
前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【請求項6】
前記導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【請求項1】
複数の導波管を接続するための導波管接続金具であって、
前記各導波管の導波路と同形状の開口端を複数備え、前記各導波管の導波路同士を結合するための導波空間と、
該導波空間の各開口端側に前記各導波管を嵌入可能に形成され、その嵌入された導波管の導波路と前記導波空間とを連続的に結合させる嵌入空間と、
前記嵌入空間から当該導波管接続金具の外壁に向けて拡開するように形成され、前記各導波管を当該導波管接続金具の外側から前記嵌入空間へと案内する案内空間と、
を備えたことを特徴とする導波管接続金具。
【請求項2】
前記嵌入空間の側壁には、当該嵌入空間に嵌入された導波管の先端位置を当該導波管接続金具の外側から確認するための窓部が形成されると共に、
前記窓部を閉塞するために当該導波管接続金具本体とは別体で構成された蓋体を備えたことを特徴とする請求項1に記載の導波管接続金具。
【請求項3】
前記窓部から見て、前記嵌入空間の幅は前記導波管の幅より大きくなっており、
前記蓋体には、前記窓部の閉塞時に、前記嵌入空間に嵌入された導波管と前記嵌入空間の内壁との間に挿入されて前記導波管の先端を前記嵌入空間内に固定する固定用突起が形成されていることを特徴とする請求項2に記載の導波管接続金具。
【請求項4】
前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が直線をなすよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【請求項5】
前記導波空間は、2つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸が所定角度で屈曲するよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【請求項6】
前記導波空間は、3つの開口端を有し、各開口端を接続する導波路の中心軸がT字状若しくはY字状を呈するよう形成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の導波管接続金具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2011−211356(P2011−211356A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−75202(P2010−75202)
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年3月29日(2010.3.29)
【出願人】(000113665)マスプロ電工株式会社 (395)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【Fターム(参考)】
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