説明

導火線付き蝋燭、自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭及びキャンドルスタンド

【目的】導火線と蝋燭の灯芯とを固着する蝋材の溶融で蝋燭の灯芯を確実且つ容易に着火できる導火線付き蝋燭を提供する。自動着火装置によって導火線を自動的に燃焼して蝋燭の灯芯を自動的に着火できる自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭を提供する。スタンド本体に複数の自動着火装置と導火線付き蝋燭を設置して、蝋燭の各灯芯を同時又は略同時に着火できるキャンドルスタンドを提供する。
【構成】蝋燭6の灯芯7が導火線8を蝋材9と接着剤10で固着され、導火線8の燃焼によって蝋材9を溶融して灯芯7を着火する。電気プラグ3からなる自動着火装置によって導火線8が自動的に燃焼されて蝋燭6の灯芯を着火する。スタンド本体18に複数設けられた受具15に蝋燭6を設置すると共に受具15に取付けられた保持部材16で電気プラグ3を保持し、制御装置5によって電気プラグ3で導火線8を同時に燃焼して各蝋燭6の灯芯7を同時又は略同時に着火する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蝋燭から露出した灯芯に導火線の端部が固着された導火線付き蝋燭と、導火線付き蝋燭の導火線を自動着火装置によって燃焼させるようにした自動着火装置付き導火線付き蝋燭と、導火線付き蝋燭をスタンド本体に複数配置したキャンドルスタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
図7は特開2002−13067(特許文献1)により開示された従来技術のキャンドル用点火装置の使用例を示す斜視図である。図7によって説明すると、この従来技術のキャンドル用点火装置は、複数のキャンドル107からなるキャンドル群の各キャンドル燃焼芯106がニトロセルロース系接着剤によってキャンドル用導火線105で連結されたキャンドル装置112を点火する。このキャンドル用点火装置は、電気抵抗部(図示略)を含み、電源コントローラ回路103に接続され、電気抵抗部には発火部材104が接するか又は近接状態で配置されて発火部101を形成している。電源オンの状態で電気抵抗部を発熱させ、この発熱により発火部材104を発火させてキャンドル用導火線105を燃焼させ、接着剤を着火させることによって各キャンドル燃焼芯を点火させるようにしている。
【特許文献1】特開2002−130673号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、キャンドル用導火線105はキャンドル燃焼芯106に点接触しており、キャンドル用導火線105の燃焼によってキャンドル燃焼芯106が着火し難いという問題があった。また、接着剤としては、ニトロセルロース系接着剤を使用しているから、瞬時に爆発することによりキャンドル燃焼芯106に着火し難いという問題があった。更に、このニトロセルロース系接着剤は火薬を含むものであり爆発性を有するものであるから、非常に危険性を伴うという問題があった。特に、パーティー等に使用された場合、大勢の人の集まる場所では、人の着衣している化繊などの服に点火したり、目に入ったりする場合があり、非常に危険であるという問題があった。
【0004】
更に、キャンドル用導火線105は各キャンドル燃焼芯106に接着剤で連続して連結されており、キャンドル用導火線105の燃焼によってキャンドル燃焼芯106が連続的に点火される構成となっている。従って、各キャンドル燃焼芯106を同時又は略同時に点火することができないものであった。更に、各キャンドル燃焼芯106がキャンドル用導火線105で連結されているために、キャンドル用導火線105が各キャンドル燃焼芯106間に連続して露出された状態となり、外観が悪いという問題があった。
【0005】
本出願人らは、上記問題に鑑みて種々研究した結果、蝋材が溶融すると燃え易いということに着目して、蝋材で導火線と蝋燭の灯芯とを固着し、導火線の燃焼で蝋材を溶融して着火させることによって、蝋燭の灯芯が着火し易いということを見い出した。
【0006】
本発明は、蝋材で導火線と蝋燭の灯芯とを固着することにより、導火線の燃焼で蝋材を溶融して蝋燭の灯芯を確実且つ安全に着火させることができる導火線付き蝋燭を提供することを目的とする。また、自動着火装置により、導火線付き蝋燭の灯芯を自動的に着火することができる自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭を提供することを目的とする。更に、スタンド本体に複数配置された導火線付き蝋燭の各灯芯を同時に又は略同時に着火することができ、外観が良いキャンドルスタンドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために提案されたものであって、本発明の第1の形態は、蝋燭から露出した灯芯に導火線の端部が添設され、前記灯芯に前記導火線の端部が蝋材と接着剤で固着されて構成され、前記導火線の燃焼により前記蝋材を溶融させて前記灯芯が着火するようにした導火線付き蝋燭である。
【0008】
本発明の第2の形態は、第1の形態において、前記接着剤は燃焼性を有する接着剤であり、前記導火線の燃焼により前記接着剤を燃焼させると共に前記蝋材を溶融させて前記灯芯が着火する導火線付き蝋燭である。
【0009】
本発明の第3の形態は、第2の形態において、前記接着剤は爆発性物質を含有しない接着剤からなる導火線付き蝋燭である。
【0010】
本発明の第4の形態は、第2又は第3の形態において、前記接着剤は溶剤型接着剤からなる導火線付き蝋燭である。
【0011】
本発明の第5の形態は、第1〜第4のいずれかの形態において、前記導火線の端部は、前記灯芯に略平行に添設されている導火線付き蝋燭である。
【0012】
本発明の第6の形態は、第1〜第5のいずれかの形態において、前記導火線の先端は、前記蝋燭に形成された穿孔に挿入されている導火線付き蝋燭である。
【0013】
本発明の第7の形態は、第1〜第6のいずれかの形態の導火線付き蝋燭に自動着火装置が付設され、前記自動着火装置の着火部に前記導火線が接触又は近接して配置されており、前記着火部で前記導火線が燃焼されることにより前記蝋燭の灯芯が着火される自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭である。
【0014】
本発明の第8の形態は、第7の形態において、前記自動着火装置は電気着火装置からなる自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭である。
【0015】
本発明の第9の形態は、第7の形態において、前記自動着火装置はガス着火装置からなる自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭である。
【0016】
本発明の第10の形態は、第6〜第9のいずれかの形態の自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭がスタンド本体に複数配置され、前記各導火線付き蝋燭の灯芯を個別的に又は統一的に着火制御する制御装置を設けたキャンドルスタンドである。
【0017】
本発明の第11の形態は、第10の形態において、前記スタンド本体に複数設置された受具に前記導火線付き蝋燭を配置し、前記受具の側部に取付けられた保持部材に前記自動着火装置が保持されているキャンドルスタンドである。
【0018】
本発明の第12の形態は、第10又は第11の形態において、前記制御装置は、送信部と受信部とスイッチ部とを備え、前記送信部から受信部に送信された信号によって、前記スイッチ部がオンされて前記各自動着火装置の着火部で前記各導火線が燃焼されるようにしたキャンドルスタンドである。
【0019】
本発明の第13の形態は、第12の形態において、前記受信部とスイッチ部は、前記各自動着火装置に個別的に配置され、前記送信部からの信号が前記各受信部に同時に送られて前記各スイッチ部を介して前記各自動着火装置の着火部により前記各導火線が同時に燃焼されて前記各蝋燭の灯芯が同時又は略同時に着火されるようにしたキャンドルスタンドである。
【0020】
本発明の第14の形態は、第12の形態において、前記受信部とスイッチ部は一箇所に配置され、このスイッチ部から前記各自動着火装置にそれぞれ配線されており、前記送信部からの信号を前記受信部で受信してスイッチ部がオンされ、前記各配線を介して前記各自動着火装置の着火部で前記各導火線が同時に燃焼されて前記各蝋燭の灯芯が同時又は略同時に着火されるようにしたキャンドルスタンドである。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1の形態によれば、導火線の燃焼により蝋材が溶融して着火することにより、蝋燭の灯芯を確実且つ容易に着火することができる。即ち、蝋材が導火線の燃焼により溶融してこの蝋成分が酸化して発熱し、この発熱によって蝋燭の灯芯を確実に着火させることができる。更に、接着剤が燃焼性のあるものでは、この接着剤が導火線の燃焼により蒸発して、この蒸発成分が酸化して発熱することにより発熱温度が高くなり蝋材をより一層確実に溶融させることができる。従って、灯芯の着火速度を速めることができ、灯芯を確実に着火させることができる。従来のように、接着剤だけで導火線を蝋燭の灯芯に固定したものでは、接着剤の燃焼力が弱く、灯芯が着火しない場合があるが、本発明では、蝋材を用いたことにより、灯芯の着火を確実に行うことができるようになった。
【0022】
蝋燭の灯芯に導火線の端部を添設させることは、蝋燭の灯芯に導火線を接触させて添設させることだけではなく、蝋燭の灯芯と接触せずに近接して添設させることも含むものである。蝋材は蝋燭の灯芯の端部近傍に位置することが好ましく、蝋材が溶融して蝋燭の灯芯の端部を迅速に着火させることができる。また、蝋燭を青色、赤色、黄色等に着色させることによって、種々の色の炎を発生することもできる。接着剤としては、弱燃性、中燃性、強燃性のあるものを使用すれば、接着剤も燃焼させて蝋材を効率良く溶融して灯芯を着火できる効果を有する。また、接着剤だけで導火線の端部を蝋燭の灯芯に固着するだけでなく、蝋材でも固着するようにしたから、導火線の端部を灯芯に強固に固着することができる。
【0023】
本発明の第2の形態によれば、蝋燭の灯芯と導火線を固着する接着剤が燃焼性を有するから、導火線の燃焼によって接着剤を燃焼させ、この接着剤の燃焼で蝋材をより一層溶融させることができ、蝋燭の灯芯を一層確実に着火させることができる。更に、接着剤の燃焼により蝋材の溶融を加速させることができ、蝋燭の灯芯の着火を促進することができる。
【0024】
本発明の第3の形態によれば、接着剤が爆発性物質を含有しない接着剤であるから、人が着衣している化繊などからなる服に点火する虞がなく、また、人の目などに入る虞がなく危険性を全く伴わず安全である。特に、パーティー等の大勢の人が居る場所でも安全に使用することができる。また、従来使用されていたニトロセルロース系接着剤に比して、爆発性が全くないから、本発明に使用される接着剤は安全性に優れているという効果を有する。
【0025】
本発明の第4の形態によれば、溶剤型接着剤は、接着剤が溶剤中に分散して溶解された状態であり、溶剤が蒸発することにより接着剤が導火線と蝋燭の灯芯を接着するものである。接着剤としては、遅乾性の接着剤だけでなく速乾性の接着剤であっても燃焼性のある接着剤であればよい。溶剤は導火線の燃焼により蒸発し、ガス化して酸化させることによって発熱し、この発熱により燃焼温度が高くなり、蝋材を迅速に溶融して灯芯をより一層確実に着火させることができる。溶剤型接着剤としては、例えば、市販されている商標名セメダインや住友スリーエム株式会社製の商標名スコッチなどの接着剤を使用することができる。商標名セメダインは、有機溶剤にセルロース、酢酸ビニル樹脂、アセトン、エタノール、イソプロパノール、酢酸ブチルを含有したものである。商標名スコッチは、有機溶剤に合成樹脂、塩化ビニル樹脂、ウレタン樹脂、メチルエチルケトンを含有したものである。
【0026】
本発明の第5の形態によれば、導火線の端部が蝋燭の灯芯に略平行に添設されているから、導火線の燃焼及び導火線の燃焼による蝋材の溶融発熱を灯芯のほぼ全体に行き届かせることができる。従って、熱の伝達を良くすることができて灯芯をより一層確実に着火させることができる。従来のように、導火線を蝋燭の灯芯に略垂直や斜め向きに固定したものは、導火線と灯芯が点接触となって導火線の燃焼が灯芯に着火しにくい。これに比して、本発明では、導火線を灯芯に略平行に添設したので、導火線の燃焼により蝋材を確実に溶融して灯芯を確実に着火することができる。
【0027】
本発明の第6の形態によれば、導火線の先端を蝋燭の穿孔に挿入させることができるから、導火線と灯芯を固着させるときに導火線の位置決めを行い易く、導火線を蝋燭の灯芯に添設する作業を容易に行うことができる。また、導火線の先端を穿孔に挿入してこの部分を溶融することにより、導火線の先端が蝋燭に固定されることになり、導火線が外れることを防止することができる。
【0028】
本発明の第7の形態によれば、導火線を自動着火装置により自動的に着火することができ、導火線の着火時の手間を省くことができる。また、着火部に導火線が接触又は近接して配置されているから、着火部の発熱により導火線を確実に着火することができる。
【0029】
本発明の第8の形態によれば、自動着火装置が電気着火装置からなるものであるから、電気的に発熱させることにより、導火線を確実且つ容易に着火することができる。また、電気着火装置であるから、構造を簡単化することができる。この電気着火装置としては、その一例として電気プラグがあり、この電気プラグの電気ヒーターを発熱させることにより、導火線を着火することができる。
【0030】
本発明の第9の形態によれば、自動着火装置はガス着火装置からなるものであるから、ガスを燃やして導火線に着火することにより、導火線に確実に着火することができる。このガス着火装置としては、小型のガスバーナーやガスライター式のものがある。
【0031】
本発明の第10の形態によれば、スタンド本体に複数配置された導火線付き蝋燭のそれぞれに対応して設けた自動着火装置を制御装置により制御する。従って、これら導火線付き蝋燭の灯芯の着火を個別的又は統一的に制御して、多彩な着火での表示状態を演出することができる。即ち、蝋燭の灯芯を時間的に間隔をおいて個別的に着火することができ、また、蝋燭の灯芯を同時又は略同時に統一的に着火することができる。制御装置としては、配線を介して自動着火装置を自動的に着火するものや、リモコンなどを用いて無線で着火することもできる。無線で着火するものは、送信する者の場所が限定されず、いかなる位置にいても送信できる利点がある。尚、このキャンドルスタンドは、結婚披露宴、パーティー、屋内外でのイベント、祭り、寺院・神社・協会での宗教行事などに使用することが可能である。
【0032】
本発明の第11の形態によれば、スタンド本体に複数設置された受具に導火線付き蝋燭が配置されているから、複数の導火線付き蝋燭を安定した状態で支持することができる。また、受具の側部の保持部材に自動着火装置が保持されているから、複数の自動着火装置を安定して保持できる。更に、保持部材が受具の側部に取付けられているから、自動着火装置から蝋燭までの距離が近いことになり、導火線の長さを短くすることができ、コストダウンを図ることができる。
【0033】
本発明の第12の形態によれば、送信部から受信部に送信するとスイッチ部がオンされて、各自動着火装置の着火部を発熱することができ、この着火部の発熱によって各導火線を自動的に燃焼することができる。従って、リモコン等の送信部を遠隔操作するだけで、各自動着火装置で導火線を燃焼することができ、この導火線の燃焼によって各蝋燭の灯芯を自動的に着火することができる。
【0034】
本発明の第13の形態によれば、送信部から各自動着火装置に個別的に配置された送信部に信号を同時に送信することによって、各スイッチ部がオンされて各自動着火装置の着火部で各導火線を同時に燃焼させることができる。これらの導火線の同時の燃焼により、各導火線付き蝋燭の灯芯を同時又は略同時に着火させることができる。従って、華やかな蝋燭の灯芯の着火を演出することができる。
【0035】
本発明の第14の形態によれば、送信部から一箇所に配置された受信部に送信することによって、同様に一箇所に配置されたスイッチ部がオンされ、各配線を介して各自動着火装置の着火部で各導火線を同時に燃焼させることができる。この各導火線を同時に着火させることにより、導火線付き蝋燭の灯芯を略同時に着火させることができ、華やかな着火効果を得ることができる。また、受信部とスイッチ部が一箇所だけに配置されているから、受信部とスイッチ部は一つだけでよくコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明に係る導火線付き蝋燭、自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭及びキャンドルスタンドの実施の形態を、添付する図1〜図6に基づいて詳細に説明する。
図1は本発明に係る自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた実施形態を示す概略斜視図である。図1に示すように、この自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭1は、導火線付き蝋燭2と電気プラグ3からなる自動着火装置とを有し、電気自動着火装置3の配線4に制御装置5を接続している。導火線付き蝋燭2は、平坦な上面6aと平坦な下面6bとを形成した略球状の蝋燭6から上側に露出した灯芯7に導火線8が接触状態で略平行に添設されている。更に、蝋燭6の灯芯7と導火線8の一端部とが蝋材9と接着剤10とで固着されている。この接着剤10としては燃焼性を有する溶剤型接着剤が使用されている。また、電気プラグ3には電気ヒーター11からなる着火部が設けられ、導火線8の他端部がこの電気ヒーター11に接触されている。電気ヒーター11としては、ニクロム線が使用されているが、タングステン線などを使用してもよい。
【0037】
制御装置5は送信部12と受信部13とスイッチ部14とが備えられ、スイッチ部14と電気プラグ3とが配線4で接続されている。蝋燭6は皿状の受具15に配置されており、この受具15の外周面に円弧状の取付板16aと筒状部16bとを有する保持部材16が取付けられており、電気プラグ3はこの保持部材16の筒状部16bに上側から挿入されて保持されている。即ち、電気プラグ3は筒状に形成され、軸方向中途部の外周面に鍔状部3aが設けられており、筒状部分の下部が保持部材16の筒状部16aに挿入されて鍔状部3aで係止されている。
【0038】
図2は図1における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭の断面図である。図2に示すように、蝋燭6の上面6aにおける灯芯7の近傍に穿孔6cが形成されており、この穿孔6cに導火線8の先端が挿入されている。また、電気プラグ3の下端に一方の配線4aが接続され、軸方向上部に電気ヒーター11に接続される他方の配線4bが接続されている。
【0039】
図3は図2における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭の導火線を燃焼して蝋燭の灯芯に着火した状態を示す断面図である。図3に示すように、スイッチ部14(図1参照)がオンされると配線4を介して電気ヒーター11が発熱し、導火線8が燃焼して導火線8と灯芯7を固着している蝋材9が溶融されると共に接着剤10が燃焼して灯芯7が着火される。
【0040】
図4は図1における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた例の着火過程を示すフローチャートである。図4のフローチャートによって着火過程を説明すると、先ず制御装置5の送信部12から受信部13に送信されてスイッチ部14がオンされる(S1〜S3)。このスイッチ部14がオンされると、着火装置(電気プラグ3)の着火部(電気ヒーター11)が着火され、導火線8が燃焼される(S4、S5)。次に、導火線8の炎が接着剤10が着火されると共に蝋材9が溶融して灯芯7が着火し、蝋燭6の炎が発生する(S6)。続いて所定時間蝋燭6の炎が点灯され、所定時間経過した時点で炎を消火する(S7、S8)。
【0041】
図5は本発明に係るキャンドルスタンドの概略正面図である。図5に示すように、キャンドルスタンド17のハート形状のフレームからなるスタンド本体18に複数の皿状の受具15が一体に取り付けられ、この受具15の裏側に保持部材16(図1参照)が取付けられて、この保持部材16に電気プラグ3が保持されている。これらの電気プラグ3から配線4(図1参照)が一箇所に配置された制御装置5のスイッチ部14(図1参照)に接続されている。従って、制御装置5の送信部12(図1参照)から受信部13(図1参照)に送信され、スイッチ部14がオンされると、配線4を介して各電気プラグ3の電気ヒーター11が発熱し、各導火線8が同時に燃焼される。各導火線8の燃焼によって、各蝋燭6の灯芯7が同時又は略同時に着火される。尚、ハート形状のスタンド本体18は、基台19に立設された前部支柱20と2本の後部支柱21、21によって支持されている。
【0042】
図6は本発明に係る自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた別例を示す概略斜視図である。図6に示すように、蝋燭6が台錐形状に形成され、この台錐形状の蝋燭の上面に灯芯7が露出されており、この灯芯7に導火線8の端部が添設されており、蝋材9と接着剤10で灯芯7と導火線8が固着されている。このように、蝋燭6は円柱形のものなどの各種の形状にすることが可能である。
【0043】
本発明は、上記実施形態や変形例に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種々変形例、設計変更などをその技術的範囲内に包含するものであることは云うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0044】
この発明に係る導火線付き蝋燭は、自動着火装置を付設してキャンドルスタンドに設置することによって、結婚式場の披露宴会場や、誕生日パーティー会場、クリスマスパーティー等、各種祝い事のパーティー会場、寺院・神社・教会などの祭壇、その他各種設備で好ましく使用される。また、スタンド本体を設置してある場所においては、導火線付き蝋燭を取り換えて販売することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明に係る自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた実施形態を示す概略斜視図である。
【図2】図1における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭の断面図である。
【図3】図2における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭の導火線を燃焼して蝋燭の灯芯に着火した状態を示す断面図である。
【図4】図1における自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた例の着火過程を示すフローチャートである。
【図5】本発明に係るキャンドルスタンドの概略正面図である。
【図6】本発明に係る自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭に制御装置を設けた別例を示す概略斜視図である。
【図7】従来のキャンドル用点火装置の使用例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0046】
1 自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭
2 導火線付き蝋燭
3 電気プラグ
3a 鍔状部
4 配線
5 制御装置
6 蝋燭
6a 上面
6b 下面
7 灯芯
8 導火線
9 蝋材
10 接着剤
11 電気ヒーター
12 送信部
13 受信部
14 スイッチ部
15 受具
16 保持部材
16a 取付板
16b 筒状部
17 キャンドルスタンド
18 スタンド本体
19 基台
20 前部支柱
21 後部支柱

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝋燭から露出した灯芯に導火線の端部が添設され、前記灯芯に前記導火線の端部が蝋材と接着剤で固着されて構成され、前記導火線の燃焼により前記蝋材を溶融させて前記灯芯が着火するようにしたことを特徴とする導火線付き蝋燭。
【請求項2】
前記接着剤は燃焼性を有する接着剤であり、前記導火線の燃焼により前記接着剤を燃焼させると共に前記蝋材を溶融させて前記灯芯が着火する請求項1に記載の導火線付き蝋燭。
【請求項3】
前記接着剤は爆発性物質を含有しない接着剤からなる請求項2に記載の導火線付き蝋燭。
【請求項4】
前記接着剤は溶剤型接着剤からなる請求項2又は3に記載の導火線付き蝋燭。
【請求項5】
前記導火線の端部は、前記灯芯に略平行に添設されている請求項1〜4のいずれかに記載の導火線付き蝋燭。
【請求項6】
前記導火線の先端は、前記蝋燭に形成された穿孔に挿入されている請求項1〜5のいずれかに記載の導火線付き蝋燭。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の導火線付き蝋燭に自動着火装置が付設され、前記自動着火装置の着火部に前記導火線が接触又は近接して配置されており、前記着火部で前記導火線が燃焼されることにより前記蝋燭の灯芯が着火されることを特徴とする自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭。
【請求項8】
前記自動着火装置は電気着火装置からなる請求項7に記載の自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭。
【請求項9】
前記自動着火装置はガス着火装置からなる請求項7に記載の自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭。
【請求項10】
請求項6〜9のいずれかに記載の自動着火装置を備えた導火線付き蝋燭がスタンド本体に複数配置され、前記各導火線付き蝋燭の灯芯を個別的に又は統一的に着火制御する制御装置を設けたことを特徴とするキャンドルスタンド。
【請求項11】
前記スタンド本体に複数設置された受具に前記導火線付き蝋燭を配置し、前記受具の側部に取付けられた保持部材に前記自動着火装置が保持されている請求項10に記載のキャンドルスタンド。
【請求項12】
前記制御装置は、送信部と受信部とスイッチ部とを備え、前記送信部から受信部に送信された信号によって、前記スイッチ部がオンされて前記各自動着火装置の着火部で前記各導火線が燃焼されるようにした請求項10又は11に記載のキャンドルスタンド。
【請求項13】
前記受信部とスイッチ部は、前記各自動着火装置に個別的に配置され、前記送信部からの信号が前記各受信部に同時に送られて前記各スイッチ部を介して前記各自動着火装置の着火部により前記各導火線が同時に燃焼されて前記各蝋燭の灯芯が同時又は略同時に着火されるようにした請求項12に記載のキャンドルスタンド。
【請求項14】
前記受信部とスイッチ部は一箇所に配置され、このスイッチ部から前記各自動着火装置にそれぞれ配線されており、前記送信部からの信号を前記受信部で受信してスイッチ部がオンされ、前記各配線を介して前記各自動着火装置の着火部で前記各導火線が同時に燃焼されて前記各蝋燭の灯芯が同時又は略同時に着火されるようにした請求項12に記載のキャンドルスタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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