説明

小便器用放尿目標体及び小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器

【課題】尿の跳ね返りを、より少なくし、跳ね返った尿により小便器の周りの床が汚れることを防止する放尿目標体、及びその放尿目標体が取り付けられている小便器を提供する。
【解決手段】本発明の小便器用放尿目標体100は、小便器本体10の鉢内部に設置され、用便者1が放尿の目標にする。用便者1から放出される尿を先端部102で受けて分割する棒状体101を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は小便器用放尿目標体及び小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1の図4に小便器の鉢面に取り付けられる従来の放尿目標体が開示されている。この放尿目標体は、小便器の鉢面に貼り付けられる接着部にバネ等の弾性体を介して取り付けられる亀等の形状を模した立体物からなるものや、小便器の鉢面に直接貼り付けられるV字溝が施された立体形状からなるものである。
【0003】
このような構成である放尿目標体は、バネ等の弾性体を介して小便器の鉢面に貼り付けられた接着部に取り付けられているため、尿が当たると揺動して、用便者の興味を引くことができる。また、V字溝が施されている立体形状からなるものであれば、V字溝により尿の跳ねを防止することができる。
【0004】
【特許文献1】特開2002−322724号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記従来の放尿目標体では、亀等の形状を模した立体物に当たった尿は任意の方向へ跳ね返ってしまう。また、V字溝によって跳ねを防止することができてもV字溝以外の部分に当たった尿は任意の方向へ跳ね返ってしまう。このため、跳ね返った尿が小便器の周りの床を汚していた。
【0006】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、尿の跳ね返りをより少なくし、跳ね返った尿により小便器の周りの床が汚れることを防止する小便器用放尿目標体を提供することを解決すべき課題としている。そして、本発明は、その小便器用放尿目標体が取り付けられている小便器も提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の小便器用放尿目標体は、小便器の鉢内部に設置され、用便者が放尿の目標にする小便器用放尿目標体であって、
放出される尿を先端で受けて分割する突出部を備えていることを特徴とする。
【0008】
このような構成である本発明の小便器用放尿目標体において、用便者から放出される尿は、突出部の先端で受けられ、分割される。このため、放出された尿の殆どは、突出部の先端で跳ね返されることなく、小便器の鉢面方向へ飛散することになる。また、突出部の側面に直接当たった尿も、小便器の鉢面方向へ飛散することになる。
【0009】
したがって、本発明の小便器用放尿目標体は、尿の跳ね返りを少なくし、跳ね返った尿によって小便器の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0010】
本発明の小便器用放尿目標体としては、複数の突出部を備えているものを採用することができる。この場合、突出部の先端及び側面で受け、小便器の鉢面方向へ飛散する尿は、他の突出部の側面に当たり勢いが減衰される。このため、尿の跳ね返りをより少なくすることができる。
【0011】
また、突出部近傍の鉢面に直接尿が当たり尿の跳ね返りが生じた場合でも、跳ね返った尿は突出部に衝突する。このため、小便器の周りに尿が飛散することが少なくなり、床が汚れることを防止することができる。
【0012】
突出部としては、先端部が斜め上向きになるように傾斜しているものを採用することができる。この場合、突出部の突出方向が用便者から放出される尿の方向に沿ったものとなり、突出部の先端で確実に尿を受けることができる。このため、尿の跳ね返りをより少なくすることができる。
【0013】
本発明の小便器用放尿目標体としては、抗菌剤を混入したもの若しくは表面処理により抗菌性を持たせたものを採用することができる。この場合、小便器用放尿目標体のぬめり汚れを軽減でき、清潔に保つことができる。
【0014】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部は、複数の棒状体からなることが好ましい。
【0015】
この場合、放出された尿は、複数の棒状体の中の任意の棒状体の先端で受けられて分割される。このため、複数の棒状体が設けられている広い範囲で尿の跳ね返りを少なくすることができる。また、棒状体の先端で分割された尿は、棒状体同士の隙間に飛散するため、分割された後、他の棒状体と衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りは、さらに少なくなる。また、棒状体の隙間を通り鉢面や棒状体側面に直接当たり飛散する尿も、棒状体の隙間に飛散して他の棒状体と衝突するため、尿の跳ね返りは少なくなる。
【0016】
棒状体としては、ボウリングピンを模したものを採用することができる。こうであれば、用便者の興味を引くため、用便者は小便器用放尿目標体に尿が届くように小便器に近づいて放尿する。このため、小便器の周りの床に直接、尿が垂れることも防止することができる。
【0017】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部は、前面に複数の開口をもつ箱体からなることが好ましい。
【0018】
この場合、放出された尿は、複数の開口の先端で受けられて分割され、箱体内部に向けて拡散される。拡散された尿は、箱体の内面と衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りは、さらに少なくなる。また、開口内部に直接当たり飛散する尿も、箱体の内面に飛散し他の内面と衝突するため、尿の跳ね返りは少なくなる。
【0019】
箱体の開口部内面に用便者から視認できるように数字等を表示することができる。こうであれば、用便者の興味を引き、用便者はそれぞれの開口部に向けて放尿する。
【0020】
本発明の小便器用放尿目標体において、箱体は、内部に洗浄水を通水する通水孔を有していることが好ましい。
【0021】
この場合、小便器用放尿目標体が取り付けられる小便器が洗浄水により鉢面を洗浄する水洗式小便器であれば、鉢面の洗浄と同時に箱体の内部も洗浄されるため、尿の乾燥、付着による汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0022】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部は、複数の板体からなることが好ましい。
【0023】
この場合、放出された尿は、板体の先端で受けられて分割され、板体同士の隙間に向けて飛散される。このため、複数の板体が設けられている広い範囲で尿の跳ね返りを少なくすることができる。また、板体の先端で分割された尿は、板体同士の隙間に向けて拡散されるため、他の板体と衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りは、さらに少なくなる。また、板体の隙間を通り鉢面や板体平面部に直接当たり飛散する尿も、板体の隙間に飛散し他の板体と衝突するため、尿の跳ね返りは少なくなる。
【0024】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部は、尿を受けることにより駆動されるように構成されていることが好ましい。
【0025】
この場合、放出された尿は、突出部の先端で受けられて分割され、拡散される一方で、突出部の駆動力とされる。突出部が駆動すると、用便者の興味を引き、用便者は突出部が駆動するように放尿する。このため、放出された尿の多くが突出部の先端で分割され、拡散されるため、尿の跳ね返りを少なくすることができる。
【0026】
また、突出部の駆動力を発電機に伝達し、突出部に設けたLED等を点灯させることができる。こうであれば、用便者の興味を引くため、用便者は小便器用放尿目標体に尿が届くように小便器に近づいて放尿する。このため、小便器の周りの床に直接、尿が垂れることも防止することができる。
【0027】
尿を受けることにより駆動される突出部としては、鉢面と直交する回転軸回りに回転可能なもの、鉢面と直交する揺動軸回りに揺動可能なもの、鉢面と平行かつ水平な回転軸回りに回転可能なもの、鉢面と平行かつ垂直な回転軸回りに回転可能なものを採用することができる。
【0028】
この場合、回転駆動される突出部が用便者の興味を引き、用便者は突出部が回転駆動するように放尿する。このため、放出された尿の多くが突出部の先端で分割され拡散されるため、尿の跳ね返りを少なくすることができる。
【0029】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部は、網製の容器を有することが好ましい。
【0030】
この場合、放出された尿は、網製の容器の網部で受けられて分割され、容器内部に向けて拡散する。このため、尿の跳ね返りを少なくすることができる。
【0031】
本発明の小便器用放尿目標体において、網製の容器の内部には、尿を受けて駆動する駆動体が収納されていることが好ましい。
【0032】
この場合、駆動体が用便者の興味を引き、用便者は駆動体に向けて放尿する。放出された尿の多くは、網製の容器の網部で分割されて拡散される。このため、尿の跳ね返りを少なくすることができる。また、駆動体は、尿石除去剤や芳香剤等からなる球体であっても良い。
【0033】
本発明の小便器用放尿目標体において、突出部の上方には、突出部に洗浄水を導水する洗浄水導水部を備えていることが好ましい。
【0034】
この場合、小便器用放尿目標体が取り付けられる小便器が洗浄水により鉢面を洗浄する水洗式小便器であれば、鉢面の洗浄と同時に突出部も洗浄されるため、突出部に尿が乾燥し、付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0035】
本発明の小便器は、前記小便器用放尿目標体が鉢面に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0036】
この小便器は、小便器用放尿目標体が鉢面から着脱自在に取り付けられているため、小便器用放尿目標体の取替えが容易にできる。このため、小便器用放尿目標体自身を容易に洗浄することができ、尿による汚れや臭いの発生を防止することができる。また、新しい小便器用放尿目標体に容易に交換することもできる。
【0037】
また、小便器用放尿目標体の突出部の形状が相違するものを複数用意しておけば、それらを順次交換して小便器の鉢面に取り付けることができる。用便者は飽きることなく小便器用放尿目標体に向けて放尿する。このため、継続的に尿の跳ね返りを少なくし、跳ね返った尿により小便器の周りの床が汚れることを防止することができる。さらに、用便者は小便器用放尿目標体に尿が届くように小便器に近づいて放尿するため、小便器の周りの床に直接、尿が垂れることも防止することができる。
【0038】
本発明の小便器は、前記小便器用放尿目標体が目皿を介して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする。
【0039】
この小便器は、目皿に小便器用放尿目標体が固定されているため、容易に小便器用放尿目標体を取り付けることができる。目皿が汎用のものであれば、既存の小便器に対しても小便器用放尿目標体を取り付けることができる。
【0040】
小便器に本発明の小便器用放尿目標体を複数取り付けることができる。こうであれば、用便者の興味を引き、用便者は夫々の小便器用放尿目標体に向けて放尿する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0041】
以下、本発明を具体化した実施例1〜11を図面を参照しつつ説明する。
【実施例1】
【0042】
図1〜4に示すように、実施例1の小便器用放尿目標体100は、小便器本体10の鉢面11に取り付けられるものである。小便器本体10は、上部に鉢面11へ洗浄水を供給する洗浄水供給装置12と、下部に洗浄水を貯留してなる水封部13と、水封部を形成する目皿14とを備えている。
【0043】
小便器用放尿目標体100は、基板103と、基板103の前面に形成されたボウリングピンを模した複数本の棒状体101とからなる。各棒状体101は、先端部102が斜め上向きになるように傾斜して突出している。また、全棒状体101は、ボウリングゲームにおける10本のボウリングピンの配列と同様に配置されている。
【0044】
小便器用放尿目標体100は、取付けプレート120を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。取付けプレート120は、上端に位置し、洗浄水を棒状体101に導水するための庇部122と、両側端に位置し、小便器用放尿目標体100の基板103の両端部が挿入される挿入部121とを有する。取付けプレート120は、接着剤等により小便器本体10の鉢面11に帖着固定されている。
【0045】
このような構成である実施例1の小便器用放尿目標体100において、用便者1から放出される尿は、各棒状体101の先端部102で受けられて分割される。分割された尿の殆どは、先端部102で跳ね返されることなく、鉢面11方向に飛散する。また、各棒状体101の側面で直接受けられる尿も鉢面11方向に飛散する。飛散した尿は、棒状体101同士の隙間に入り込み、他の棒状体101と衝突して勢いが減衰する。また、棒状体101同士の隙間を通り鉢面11や棒状体101の側面に直接当たり飛散する尿も、棒状体101の隙間に入り込み、他の棒状体101と衝突して勢いが減衰する。また、10本の棒状体101が配置されているため、広い範囲で棒状体101の先端部102で尿を受けて分割することができる。このため、尿の跳ね返りをなくすことができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0046】
各棒状体101の近傍であって、基板103、取付けプレート120又は鉢面11に直接当たって跳ね返る尿は、跳ね返った後、各棒状体101に衝突する。このため、跳ね返った尿が小便器本体10の周りに尿が飛散することが少なくなり、床が汚れることを防止することができる。
【0047】
また、棒状体101がボウリングピンを模した形状とされているため、用便者1の興味を引き、用便者1は積極的に棒状体101に向けて放尿する。このため、用便者1は、小便器用放尿目標体100が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、直接、尿が鉢面11に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体100に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0048】
また、洗浄水供給装置12から小便器本体10の鉢面11に洗浄水が供給されると、取付けプレート120の上方から鉢面11に沿って流下する洗浄水は、棒状体101の全体が洗浄されるように庇部122で斜め手前方向に向けて流下する。このため、鉢面11の洗浄と同時に棒状体101も洗浄され、尿が乾燥して付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0049】
また、小便器用放尿目標体100は、小便器本体10の鉢面11に帖着された取付けプレート120の挿入部121に上方からスライド挿入して取り付けられている。このため、小便器用放尿目標体100を上方へスライドさせれば、容易に取り外しもでき、小便器用放尿目標体100を取り外して洗浄したり、新しいものに交換したりすることが容易にできる。
【0050】
また、後述する他の実施例に示すように、小便器用放尿目標体の突出部の形状が異なるものへ容易に交換することもできる。これにより、用便者1は飽きることなく小便器用放尿目標体に向けて放尿することができ、継続的に尿の跳ね返りを少なくし、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止できる。さらに、用便者1は小便器用放尿目標体に尿が届くように小便器本体1に近づいて放尿するため、小便器本体1の周りの床に直接、尿が垂れることも防止することができる。
【実施例2】
【0051】
図5〜7に示すように、実施例2の小便器用放尿目標体200は、基板203と、基板203の前面に設けられ、9個の方形状の開口204をもつ箱体201とからなる。夫々の開口204の内部は、底面が奥側から前側に向かって下り勾配の傾斜面213を有し、傾斜面213には1〜9までの数字が付されている。箱体201は、傾斜面213の開口204側及び裏側の空間に洗浄水が通水されるように上壁に通水孔210、211、212を有している。
【0052】
小便器用放尿目標体200は、取付けプレート220を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。取付けプレート220は、上端に位置し、洗浄水を箱体201の通水孔210に導水するための傾斜面222と、両側端に位置し、小便器用放尿目標体200の基板203の両端部を挿入する挿入部221とを有する。取付けプレート220は、接着剤等により小便器本体10の鉢面11に帖着固定される。
【0053】
このような構成である実施例2の小便器用放尿目標体200において、用便者1から放出される尿は、箱体201の先端部202で受けられて分割される。分割された尿の殆どは、先端部202で跳ね返されることなく、箱体201の内部方向に飛散する。飛散した尿は、開口204の内部の傾斜面213に沿って奥側上方に向かうに従い内面と衝突して勢いが減衰する。また、開口204内部に直接当たり飛散する尿も、他の内面と衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りをなくすことができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0054】
また、傾斜面213には1〜9の数字が付されているため、用便者1の興味を引き、用便者1は積極的に開口204に向けて放尿する。このため、用便者1は、小便器用放尿目標体200が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、直接、尿が鉢面に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体200に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0055】
また、洗浄水供給装置12から小便器本体10の鉢面11に洗浄水が供給されると、取付けプレート220の上方から鉢面11に沿って流下する洗浄水は、傾斜面222で手前方向に向けて流下する。箱体201の通水孔210等を通じて傾斜面213の開口204側及び裏側の空間にも洗浄水が通水される。このため、鉢面11の洗浄と同時に箱体201全体も洗浄され、尿が乾燥して付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0056】
また、開口204内の底面は傾斜面213であるため、尿や洗浄水が箱体201の内部に滞留することがない。このため、尿や洗浄水が滞留することにより生じる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0057】
また、図示はしないが、各開口204を形成する内部上面214を、前方上向きの傾斜面とすることができる。このようにすれば、傾斜面213に付された1〜9までの数字が用便者1から見えやすくなるため、用便者は開口204に向けて放尿する。さらに、箱体201の上面も前方上向きの傾斜面とすることにより、箱体201の上面に尿や洗浄水が滞留することがなくなる。また、開口204の内面に凹凸をつけることができる。このようにすれば、尿の跳ね返りをさらに少なくすることができる。
【0058】
また、小便器用放尿目標体200が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【実施例3】
【0059】
図8に示すように、実施例3の小便器用放尿目標体300は、基板303と、基板303の前面に設けられ、複数の六角形状の開口304をもつ箱体301とからなる。夫々の開口304の内部は、開口304と同じ六角形状の空間が形成されている。箱体300の上壁及び側壁は、内部に洗浄水が通水されるように通水孔310を有している。
【0060】
小便器用放尿目標体300は、実施例2で説明した取付けプレート220を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。
【0061】
このような構成である実施例3の小便器用放尿目標体300は、用便者1から放出される尿は、実施例2と同様に、箱体300の先端部302で受けられて分割され、箱体301の内部方向に飛散し、開口304の内面と衝突して勢いが減衰する。また、開口304の内面に直接当たり飛散する尿も、他の内面と衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りをなくすことができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。また、鉢面11の洗浄と同時に箱体301の内部も洗浄され、尿が乾燥し付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0062】
また、図示はしないが、用便者1から放出される尿の方向に沿って開口304が上向きとすることができる。また、一部の開口304の内部に目標となる目印を設けることができる。このようにすれば、用便者1が目印に興味を引き、用便者1は積極的に開口304に向けて放尿する。このため、用便者1は、小便器用放尿目標体300が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、直接、尿が鉢面に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体300に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。また、開口304の内面に凹凸をつけることができる。このようにすれば、尿の跳ね返りをさらに少なくすることができる。
【0063】
また、小便器用放尿目標体300が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1等と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【実施例4】
【0064】
図9に示すように、実施例4の小便器用放尿目標体400は、基板403と、基板403の前面に平行に設けられた複数の板体401とからなる。各板体401は、上辺部404が前方に向けた下り勾配になっている。また、各板体401の周辺部には、板体401の厚さ方向の中央部を尖らせて、先端部402が形成されている。
【0065】
小便器用放尿目標体400は、実施例1又は2で説明した取付けプレート120、220を介して小便器本体100の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。
【0066】
このような構成である実施例4の小便器用放尿目標体400において、用便者1から放出される尿は、各板体401の先端部402で受けられて分割され、板体401同士の隙間に入り込み、他の板体401と衝突して勢いが減衰する。また、各板体401の隙間を通り鉢面11や板体401の平面部に直接当たり飛散する尿も、各板体401の隙間に飛散し、他の板体401に衝突して勢いが減衰する。このため、尿の跳ね返りをなくすことができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。また、鉢面11の洗浄と同時に板体401も洗浄され、尿が乾燥し付着する事による汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0067】
また、上辺部404が前方に向けた下り勾配であり尖っているため、用便者1から放出される尿は、分割され、板体401の隙間に飛散する。また、尿が各板体401の上辺部404に滞留することなく、前方側及び側方側に流下する。このため、尿の跳ね返りを少なくすることができるとともに、尿の滞留による汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0068】
また、小便器用放尿目標体400が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1等と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0069】
また、図示はしないが、各板体401の間に芳香剤や尿石除去剤等の薬剤を取り付けることができる。このようにすれば、さわやかな香りを漂わせることができ、尿石発生を防ぐこともできる。また、各板体401の間に目標となる目印を設けることができる。このようにすれば、用便者1が目印に興味を引き、用便者1は積極的に目印に向けて放尿する。このため、用便者1は、小便器用放尿目標体400が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、直接、尿が鉢面に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体400に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。また、各板体401の形状を上面視S字形若しくは波形にしたり、各板体401に開孔を多数設けたりすることができる。このようにすれば、尿の跳ね返りをさらに少なくすることができる。
【実施例5】
【0070】
図10、11に示すように、実施例5の小便器用放尿目標体500は、基板503と、基板503の前面と直交する方向に突出した回転軸505と、回転軸505を軸として回転可能な回転体501とからなる。基板503は、断面が三角形状で横方向に延びる突条504を前面に有する。回転体501は、回転軸505を中心とし同一円周上に配置された複数の三角形状の羽根506を有する。
【0071】
小便器用放尿目標体500は、取付けプレート520を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。取付けプレート520は、上端の一側方に洗浄水を回転体501の羽根506に導水するため庇部522aを有し、庇部522aを除く上端には、洗浄水を基板503に導水するための傾斜面522bを有する。また、取付けプレート520は、小便器用放尿目標体500の基板503の両端部を挿入する挿入部521を両側端に有する。取付けプレート520は、接着剤等により小便器本体10の鉢面11に帖着固定される。
【0072】
このような構成である実施例5の小便器用放尿目標体500において、用便者1から放出される尿は、回転体501の先端部502で受けられて分割される。分割された尿は、先端部502で跳ね返されることなく、羽根506同士の隙間に入り込み、羽根506等と衝突して勢いが減衰する。また、用便者1から放出される尿は、羽根506に直接当たると、回転体501の回転駆動力を生じ、回転体501を回転させるため、尿の跳ね返りが少なくなる。また、回転体501は、小便器本体10の鉢面11と平行に回転するため、回転体501の回転により小便器本体10の外部に尿が飛散することはない。このため、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0073】
また、回転体501が尿を受けて回転するため、用便者1の興味を引き、用便者1は積極的の回転体501の羽根506に向けて放尿する。このため、用便者1が小便器用放尿体500が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、直接、尿が鉢面11に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体500に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0074】
また、洗浄水供給装置12から小便器本体10の鉢面11に洗浄水が供給されると、取付けプレート520の上方から鉢面11に沿って流下する洗浄水は、回転体501と基板503とが洗浄されるように庇部522a及び傾斜面522bで手前方向に向けて流下する。また、基板503の前面に設けられた突条504により、洗浄水は回転体501の裏側空間507に向けて飛散する。このため、鉢面11の洗浄と同時に回転体501も洗浄され、尿が乾燥して付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0075】
また、図示はしないが、回転体501の裏側空間506に脱臭カートリッジを嵌め込むことができる。このようにすれば、臭いの発生を防止することができる。また、裏側空間506に網部材を嵌め込むこともできる。このようにすれば、尿の飛散を網部材で少なくすることができる。
【0076】
また、小便器用放尿目標体500が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1等と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【実施例6】
【0077】
図12に示すように、実施例6の小便器用放尿目標体600は、基板603の前面に直交する回転軸605を軸として回転可能な回転体601を有する。羽根606の形態が相違する点以外は実施例5と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0078】
また、図示はしないが、羽根606に開孔を多数設けたり、羽根606を網状の部材で形成したりすることができる。このようにすれば、尿の跳ね返りをさらに少なくすることができる。また、回転体601の形状は図12に示すものに限らず、ターボファン、シロッコファン等で用いられる各種形状の回転体を採用することができる。
【実施例7】
【0079】
図13に示すように、実施例7の小便器用放尿目標体700は、基板703と、基板703の前面に直交して突出する揺動軸705と、揺動軸705を軸として揺動可能は揺動体701とからなる。揺動体701は、左右方向の中心が揺動軸705で軸支された半円筒体と、半円筒体の左右端部を閉じ、通水孔710を有する半円板とを有する。
【0080】
小便器用放尿目標体700は、取付けプレート220を介して小便器本体10の鉢面11に取り付けられる。取付けプレート220は、実施例2と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0081】
このような構成である実施例7の小便器用放尿目標体700において、用便者1から放出される尿は、揺動体701の先端部702で受けられて分割される。分割された尿は、先端部で跳ね返されることなく、揺動体701の半円筒体の内部に飛散する。また、用便者1から放出される尿は、半円筒体の内部に直接当たると、揺動体701の揺動駆動力を生じ、揺動体701を揺動させるため、尿の跳ね返りが少なくなる。このため、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0082】
また、揺動体701が尿を受けて揺動するため、用便者1の興味を引き、用便者1は積極的に揺動体701に向けて放尿する。このため、用便者1は、小便器用放尿目標体700が取り付けられていない部分に放尿することがなくなり、尿が鉢面11に直接衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体700に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0083】
また、小便器用放尿目標体700が鉢面11の洗浄と同時に洗浄される点、及び小便器用放尿目標体700が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1等と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【0084】
また、図示はしないが、揺動体701の開口部704を分割するように格子部材を取り付けることができる。このようにすれば、用便者1から揺動体701に向けて放尿された尿を格子部材で受けて分割し、拡散するため、尿の跳ねが少なくなる。このため、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【実施例8】
【0085】
図14に示すように、実施例8の小便器用放尿目標体800は、基板803と、基板803の前面から突出し、前方で下方に屈曲した回転軸805と、回転軸805を軸として水平回転可能な回転体801とからなる。回転体801は、回転軸805を中心にした円盤形状である。回転体801の上面には、断面三角形状の凸条を複数本ずつ並列配置した凸部804が間隔を空けて放射状に形成されている。
【0086】
小便器用放尿目標体800は、実施例2で説明した取付けプレート202を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。
【0087】
このような構成である実施例8の小便器用放尿目標体800において、用便者1から放出される尿は、斜め上方から凸部804の先端部802で受けられて分割される。また、尿は、斜め上方から凸部804の凸条に当たると、回転体801の回転駆動力を生じ、回転体801を回転させるため、尿の跳ね返りが少なくなる。このため、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0088】
また、回転体801が回転するため、用便者1の興味を引き、小便器本体10の周りの床が汚れることを防止する点、小便器用放尿目標体800が鉢面11の洗浄と同時に洗浄される点、及び小便器用放尿目標体800が小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる点は、実施例1等と同様である。このため、詳細な説明は省略する。
【実施例9】
【0089】
図15〜17に示すように、実施例9の小便器用放尿目標体900は、回転軸905と、回転軸905を軸として回転可能な3個の回転体901と、回転体901の前方に配置され、3個の開口911を有する窓部910とからなる。回転体901は回転軸905から放射状に複数の羽根906を有し、羽根906の外周部には1〜7の数字が付され羽根906より幅の狭い帯状体907が固定されている。
【0090】
小便器用放尿目標体900は、取付け枠920を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に配置される。取付け枠920は、両端に折り返し部921を有し、中間に回転軸905が鉢面11と平行かつ水平に配置されるように接続されている。また、回転軸905より上部に洗浄水を回転体901に導水するための庇部922が設けられている。折り返し部921は小便器本体10の目皿14の下端部15に係止され、庇部922は鉢面11に接して配置される。
【0091】
このような構成である実施例9の小便器用放尿目標体900において、用便者1から放出される尿は、窓部910の後方で露出した回転体901の羽根906の先端部902で受けられて分割される。また、放出される尿は、羽根906に直接当たると、回転体901の回転駆動力を生じ、回転体901を回転させるため、尿の跳ね返りが少なくなる。また、回転体901の前方に配置された窓部910が回転により回転体901から尿が前方に飛散することを防止している。このため、尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0092】
また、窓部910の開口911には、回転体901の回転に従って任意の数字が示されるため、用便者1の興味を引く。つまり、3個の回転体901の回転が別個独立して回転するため、用便者1は、例えば、窓部910の開口911に示される数字を揃えるように夫々の回転体901の羽根906に向けて放尿する。このため、用便者1は、鉢面11に直接、放尿することがなくなり、尿が鉢面11に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、尿を小便器用放尿目標体900に当てようとして小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0093】
また、洗浄水供給装置12から小便器本体10の鉢面11に洗浄水が供給されると、鉢面11に沿って上方から流下する洗浄水は、回転体901が洗浄されるように庇部922で手前方向に向けて流下する。このため、鉢面11の洗浄と同時に回転体901も洗浄され、尿が乾燥して付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0094】
また、取付け枠920は、折り返し部921を目皿14の下端部15に係止し、庇部922を鉢面11に接して取り付けられているため、小便器本体10から目皿14を取り外し、折り返し部921を目皿14の下端部15から外せば、取付け枠920と共に小便器用放尿目標体900を小便器本体10から取り外すことができる。このため、小便器用放尿目標体900と取付け枠920とを取り外して洗浄したり、新しいものに交換したりすることが容易になる。
【0095】
また、図示はしないが、回転体901を円柱形状の部材の表面に凹凸を設けて回転可能にしたものにすることができる。このようにすれば、回転体901の部品数を減らせて容易に製造することができる。
【0096】
また、小便器用放尿目標体900が用便者1から放出される尿によって取付け位置が変動したり、振動したりすることがないように、取付け枠920を板状にして強度を高めることができる。このようにすれば、適切な位置に小便器用放尿目標体が配置されるので、尿の飛散を少なくすることができる。
【実施例10】
【0097】
図18〜25に示すように、実施例10の小便器用放尿目標体950は、網製の容器951〜957を有する。網製の容器951〜957の形状は、星形状、花形状、動物形状、植物形状、マイク形状、ラケット形状等が考えられる。容器951〜957の内部には、芳香剤や尿石除去剤等の薬剤970を収納することができる。また、容器952は、無数の孔が設けられた金属製の板材により容器を形成したものである。
【0098】
小便器用放尿目標体950は、目皿14に針金960を介して取り付けられる。針金960は目皿14に埋め込まれて固定されるか、接着固定される。小便器用放尿目標体950に対する針金960の差込み深さを調整することにより、小便器用放尿目標体950の取付け高さを調整することができる。また、図22に示すように、目皿14の上部開口16に差込み固定される。この場合、小便器用放尿目標体950が安定するように、下部に錘961を設けると良い。さらに、図24に示すように、開口16から臭気が漏れ出さないように、ゴム製等の取付け部材962で取り付けても良い。図示はしないが、小便器用放尿目標体950は、目皿14に接着固定されて目皿14と一体化されても良い。
【0099】
このような構成である実施例10の小便器用放尿目標体950において、用便者1から放出される尿は、容器951〜957で受けられて分割される。分割された尿は跳ね返されることなく、容器951〜957の内部に飛散し、勢いが減速する。このため、尿の跳ね返りを少なくすることができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0100】
また、容器951〜957の内部に芳香剤や尿石除去剤等の薬剤970が収納されている場合には、さわやかな香り漂わせることができ、尿石発生を防ぐこともできる。
【0101】
また、目皿14と共に容易に小便器用放尿目標体950を取り外すことができるので、取り外して洗浄したり、新しいものに容易に交換したりすることができ、汚れや臭いの発生を防止することができる。さらに、既存の小便器本体10の目皿14にも容易に取り付けることができる。
【0102】
さらに、容器の形状が違うものを複数用意しておけば、目皿14の交換とともに容易に他の容器に交換できる。これにより、用便者1は飽きることなく小便器用放尿目標体950に向けて放尿することができ、継続的に尿の跳ね返りを少なくし、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止できる。さらに、用便者1は小便器用放尿目標体950に尿が届くように小便器本体10に近づいて放尿するため、小便器本体10の周りの床に直接、尿が垂れることも防止することができる。
【実施例11】
【0103】
図26〜28に示すように、実施例11の小便器用放尿目標体980は、容器982の開口上面を網体981で覆い、容器982内部に球体990を有するものである。容器982の下端には開口983を有する。また、容器982は、取付けプレート220の挿入部221に挿入可能な係止部995、996を後部に有する。
【0104】
小便器用放尿目標体980は、実施例2で説明した取付けプレート220を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられる。
【0105】
このような構成である実施例11の小便器用放尿目標体980において、用便者1から放出される尿は、容器982の開口上面の網体981で受けられて分割される。分割された尿は、網体981で跳ね返されることなく、容器982内に飛散する。このため、尿の跳ね返りをなくすことができ、跳ね返った尿により小便器本体10の周りの床が汚れることを防止することができる。
【0106】
また、図26、27に示すように、容器982の下端の開口983を絞り、尿が排水される量を少なくすれば、用便者1が放尿している間、容器982内に尿が徐々に溜まり、内部の球体990が徐々に浮上していくため、用便者1の興味を引き、用便者1は積極的に容器982の開口上面に向けて放尿する。このため、用便者1は、鉢面11に直接放尿することがなくなり、尿が鉢面11に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、容器982の開口上面に向けて放尿しようとして小便器本体10に近づくため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。開口983は小便器本体10の鉢面11に向けて開口しているので、容器982に溜まった尿は鉢面11に向かって排出される。
【0107】
さらに、図28に示すように、容器982内をピンボールを模した形状にすれば、用便者1は球体990をピンボールのボールに見立てて尿を当て、球体990は容器内を移動する。このため、用便者1は、鉢面11に直接放尿することがなくなり、尿が鉢面11に衝突して跳ね返ることがなくなる。さらに、用便者1は、容器982内の球体990に向けて放尿しようとして小便器本体10に近づくため、小便器本体10の周りの床に直接尿が垂れることもなくなる。
【0108】
また、小便器用放尿目標体980は、取付けプレート202を介して小便器本体10の鉢面11に着脱自在に取り付けられているため、小便器用放尿目標体980を取り外して洗浄したり、新しいものに容易に交換したりすることができる。このため、汚れや臭いの発生を防止することができる。
【0109】
また、図示はしないが、容器982内に洗浄水を導水する洗浄水導水部を容器982の開口上面より上部に有する取付けプレート202を採用して容器982を小便器本体10の鉢面11に取り付けることができる。このようにすれば、鉢面11の洗浄と同時に容器982の内外部も洗浄され、尿が乾燥して付着することによる汚れや臭いの発生を防止することができる。また、容器982の下端部を針金等を介して目皿に取り付けることもできる。このようにすれば、容器982からの尿や洗浄水は針金を伝って落ちるようになるため、尿や洗浄水の雫が容器982から直接鉢面11下部へ落下することがなくなる。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は小便器用放尿目標体及び小便器に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【図1】実施例1の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の一部切り欠き断面図である。
【図2】実施例1の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の正面図である。
【図3】実施例1の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大正面図である。
【図4】実施例1の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大側面断面図である。
【図5】実施例2の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大正面図である。
【図6】実施例2の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大側面断面図である。
【図7】実施例2の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大斜視図である。
【図8】実施例3の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図9】実施例4の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図10】実施例5の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大正面図である。
【図11】実施例5の小便器用放尿目標体が取り付けられた状態を示す拡大側面断面図である。
【図12】実施例6の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図13】実施例7の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図14】実施例8の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図15】実施例9の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の一部側面断面図である。
【図16】実施例9の小便器用放尿目標体と取付け枠を示す拡大斜視図である。
【図17】実施例9の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の平面端面図である。
【図18】実施例10の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図19】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図20】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図21】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図22】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図23】実施例10の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の一部側面断面図である。
【図24】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図25】実施例10の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【図26】実施例11の小便器用放尿目標体と取付けプレートを示す拡大斜視図である。
【図27】実施例11の小便器用放尿目標体が取り付けられた小便器の一部側面断面図である。
【図28】実施例11の他の形態の小便器用放尿目標体を示す拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0112】
1…用便者
10…小便器本体
11…鉢面
12…洗浄水供給装置
14…目皿
100、200、300、400、500、600、700、800、900、950、980…小便器用放尿目標体
101…棒状体
201、301…箱体
210、211、212、310…通水孔
401…板体
501、601、801、901…回転体
505、605、805、905…回転軸
701…揺動体
705…揺動軸
951、952、953、954、955、956、957…網製の容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
小便器の鉢内部に設置され、用便者が放尿の目標にする小便器用放尿目標体であって、
放出される尿を先端で受けて分割する突出部を備えていることを特徴とする小便器用放尿目標体。
【請求項2】
前記突出部は、複数の棒状体からなる請求項1記載の小便器用放尿目標体。
【請求項3】
前記突出部は、前面に複数の開口をもつ箱体からなる請求項1記載の小便器用放尿目標体。
【請求項4】
前記小便器は洗浄水により鉢面を洗浄する水洗式小便器であって、
前記箱体は、内部に該洗浄水を通水する通水孔を有している請求項3記載の小便器用放尿目標体。
【請求項5】
前記突出部は、複数の板体からなる請求項1記載の小便器用放尿目標体。
【請求項6】
前記突出部は、尿を受けることにより駆動されるように構成されている請求項1記載の小便器用放尿目標体。
【請求項7】
前記突出部は、鉢面と直交する回転軸回りに回転可能である請求項6記載の小便器用放尿目標体。
【請求項8】
前記突出部は、鉢面と直交する揺動軸回りに揺動可能である請求項6記載の小便器用放尿目標体。
【請求項9】
前記突出部は、鉢面と平行かつ垂直な回転軸回りに回転可能である請求項6記載の小便器用放尿目標体。
【請求項10】
前記突出部は、鉢面と平行かつ水平な回転軸回りに回転可能である請求項6記載の小便器用放尿目標体。
【請求項11】
前記突出部は、網製の容器を有する請求項1記載の小便器用放尿目標体。
【請求項12】
前記容器内には、尿を受けることにより駆動する駆動体が収納されている請求項11記載の小便器用放尿目標体。
【請求項13】
前記小便器は洗浄水により鉢面を洗浄する水洗式小便器であって、
前記突出部の上方には、該突出部に該洗浄水を導水する洗浄水導水部を備えている請求項1乃至12のいずれか1項記載の小便器用放尿目標体。
【請求項14】
請求項1乃至13いずれか1項記載の小便器用放尿目標体が鉢面に着脱自在に取り付けられていることを特徴とする小便器。
【請求項15】
請求項1乃至13いずれか1項記載の小便器用放尿目標体が目皿を介して着脱自在に取り付けられていることを特徴とする小便器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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