説明

小型ハンドリングポールロック構体

【課題】ポール部分及び/又はツールのゆるみ及び/又は分離を防止するために、相互結合を非常に堅固にする。
【解決手段】種々の実施形態において、システムは、第1のポール部分14の管状雌端部26と、雌端部に挿入可能である第2のポール部分18の雄端部30とを含む。更に、システムは、本体部分及びネック部分を含むロックナット34を含み、ロックナット34は雄端部30と螺合する。更に、システムは、ロックナット34のネック部分に嵌合するように内部空洞を有するロックスリーブと、ロックナット及びロックスリーブに逆方向の力を加えるために、ロックスリーブの内部空洞の中に配置された偏向装置とを含む偏向ロックスリーブ構体を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、2つのポール部分が使用中に離脱しないように、2つのポール部分を堅固に結合又は連接するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本章の説明は、本発明に関連する背景情報を提供するにすぎず、従来技術を構成しなくてもよい。
【0003】
種々の業界において、動作、製造、編成、検査及び保守に関わる種々の作業を実行するために、長いポールが使用される。利便性及び融通性を考慮して、ポールは、ある特定の長さのポールを形成するために種々の長さのポール部分を一体に結合することにより構成又は組み立てられることが多い。更に、多くの場合、所望の作業を実行するために、組み立て終了後のポールの一端部にツール、あるいは他の何らかの計器又は装置が結合される。多くの場合、ポール部分の相互結合及びツールとそれぞれのポール部分との相互結合は、使用中に相当に大きな応力、振動、揺動及び/又は回転トルクを発生する可能性がある。従って、使用中のポール部分及び/又はツールのゆるみ及び/又は分離を防止するために、相互結合を非常に堅固にすることが重要である。
【0004】
例えば、原子炉容器の中で種々の保守作業、検査作業及び修理作業を実行するために利用されるツールを操作するために、原子炉保守技術者は、高トルク分割ハンドリングポールを使用する場合が多い。原子炉容器の内部におけるポール及びツールの操作中、特に技術者がポールに回転トルクを加えた場合、ポール部分及びツールを一体に結合するために使用される1つ以上の結合構体がゆるみ、分離する事態は頻繁に起こる。ポール部分及び/又はツールのそのような分離が起こると、ポール部分又はツールが回収されるまで、活動を中断しなければならない。
【発明の概要】
【0005】
種々の実施形態において、第1のポール部分を第2のポール部分に連接するシステムが提供される。システムは、第1のポール部分の管状雌端部と、雌端部に挿入可能である第2のポール部分の雄端部とを含む。更に、システムは、本体部分と、本体部分から延出するネック部分とを含むロックナットを含む。ロックナットは、雄端部と螺合しロックナットを長手方向に変位して雌端部と接触させるように回転自在である。更に、システムは、第2のポール部分のロック構体部分に摺動自在且つ回転自在に装着された偏向ロックスリーブ構体を含む。ロックスリーブ構体は、ロックナットのネック部分に嵌合するようにロックナットのネック部分の外径とほぼ等しい内径を有する内部空洞を含むロックスリーブと、ロックナット及びロックスリーブに逆方向の力を加えるために、ロックスリーブの内部空洞の中に配置された偏向装置とを含む。
【0006】
種々の他の実施形態において、第1のポール部分を第2のポール部分に連接するシステムが提供される。システムは、第1のポール部分の管状雌端部を含んでもよい。管状雌端部は、1対の対向するほぼJ字形の結合溝穴を含み、各結合溝穴は、雌端部の先端部において開いたバックボーン部分を有する。システムは、結合ピンが貫通する第2のポール部分の雄端部を更に含んでもよい。結合ピンの両端部が結合溝穴のバックボーン部分に挿入され且つそれぞれ対応する結合溝穴のフック部分まで半径方向に変位自在であるように、雄端部は雌端部に挿入可能である。システムは、雄端部の基端部において雄端部と螺合するロックナットを更に含んでもよい。ロックナットは、本体部分と、本体部分から延出し且つ本体部分より小さい外径を有するネック部分とを含んでもよい。雄端部を雌端部と固定連接するため、結合ピンの端部が結合溝穴のフック部分の中まで移動するようにロックナットの本体部分を長手方向に変位して雌端部と接触させるために、ロックナットは回転自在である。
【0007】
システムは、ロックナットと第2のポール部分のロックスリーブ構体部分の基端部との間でロックスリーブ構体部分を貫通するロックスリーブ保持ピンと、偏向ロックスリーブ構体とを更に含んでもよい。ロックスリーブ構体は、ロックナットとロックスリーブ保持ピンとの間でロックスリーブ構体部分に摺動自在且つ回転自在に装着される。種々の実現例において、ロックスリーブ構体は、ロックスリーブ及び偏向装置を含んでもよい。種々の形態において、ロックスリーブは、第2のポール部分のロック構体部分の外径とほぼ等しい内径を有する内側つばと、ロックスリーブがロックナットのネック部分に嵌合するように、ロックナットのネック部分の外径とほぼ等しい内径を有する内部空洞とを含んでもよい。偏向装置は、ロックナット及びロックスリーブに逆方向の力を加えるために、ロックスリーブの内部空洞の中に配置される。
【0008】
種々の他の実施形態において、第1のポール部分を第2のポール部分に連接する方法が提供される。方法は、第2のポール部分の雄端部を貫通する結合ピンの両端部が第1のポール部分の管状雌端部に形成された対向するJ字形結合溝穴のバックボーン部分に挿入されるように、雌端部を雄端部に嵌合することを含む。方法は、結合ピンの端部をそれぞれ対応する結合溝穴のフック部分まで半径方向に変位するために、雄端部及び雌端部のうち少なくとも一方を互いに対して回転することを更に含んでもよい。更に、方法は、雄端部を雌端部と固定連接するために、雄端部の基端部において雄端部と螺合するロックナットの本体部分を長手方向に変位して雌端部と接触させ、それにより、結合ピンの端部をフック部分の中まで移動するように、ロックナットを回転することを含んでもよい。
【0009】
更に、方法は、ロックナットのネック部分に嵌合し且つネック部分と固定係合する偏向ロックスリーブをロックナットのネック部分から離脱するために、ロックスリーブを回転することを含んでもよい。更に、方法は、ロックスリーブをロック位置に配置するために、ロックスリーブの内部空洞の中に配置された偏向装置を利用して、ロックスリーブに力を加え且つロックナットのネック部分に沿ってロックスリーブを長手方向に変位することを含んでもよい。ロック位置において、雄端部と雌端部との離脱を防止するために、雄端部に関するロックスリーブ及びロックナットの回転は阻止されるか又は相当に抑止される。
【0010】
本発明の更なる適用可能範囲は、本明細書において提供される説明から明らかになるであろう。説明及び特定の例は、例示を目的とするにすぎず、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本明細書において説明される図面は、例示を目的とするにすぎず、本発明の範囲をなんら限定することを意図しない。
【図1】図1は、本発明の種々の実施形態に係る結合システムを利用して一体に連接される隣接するポール部分を含む分割ハンドリングポールの一部を示した図である。
【図1A】図1Aは、本発明の種々の実施形態に係る隣接するポール部分が分離された図1に示されるハンドリングポールを示した図である。
【図2】図2は、本発明の種々の実施形態に係る図1に示されるハンドリングポールを示した展開図である。
【図3A】図3Aは、本発明の種々の実施形態に係る図1に示される分割ハンドリングポールに含まれるロックスリーブ構体を示した断面図である。
【図3B】図3Bは、本発明の種々の実施形態に係る図3Aに示されるロックスリーブ構体のロックスリーブを示した等角投影図である。
【図3C】図3Cは、本発明の種々の実施形態に係る図1に示される結合システムのロックナットを示した等角投影図である。
【図4A】図4Aは、本発明の種々の実施形態に係る「ロック」位置にある図3に示されるロックスリーブ構体を示し、図1に示される分割ハンドリングポールの一部を示した断面図である。
【図4B】図4Bは、本発明の種々の実施形態に係る「ロック解除」位置にある図3に示されるロックスリーブ構体を示し、図1に示される分割ハンドリングポールの一部を示した断面図である。
【図5】図5は、本発明の種々の実施形態に係る図1に示される結合システムを利用してツールが結合されている図1に示される分割ハンドリングポールの一部を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の説明は単なる例であり、本発明の教示、適用又は使用をなんら限定することを意図しない。本明細書を通して、同じ図中符号は、同じ要素を参照するために使用される。
【0013】
図1及び図1Aを参照すると、分割ハンドリングポール10の例示的な一実施形態が示される。動作、製造、編成、検査及び保守に関わる種々の作業を実行すべき機器、システム、器械、装置、構成要素などにごく近接する場所にいる作業員がそれらの作業を実行するのが不便であるか又は不可能である場合に、それらの作業を実行するためにハンドリングポール10を実現できる。例えば、種々の実施形態において、原子炉容器の内側で種々の保守作業、検査作業及び修理作業を実行するために使用されるツールを原子炉保守技術者が操作するために、分割ハンドリングポール10を利用できる。
【0014】
一般に、ハンドリングポール10は、結合システム22を利用して第2のポール部分18と一体に結合された第1のポール部分14を含む。一般に、第1のポール部分14及び第2のポール部分18は、各々が以下に説明されるように同一の部品、構成要素及び構造を具備するという点で同一である。しかし、第1のポール部分14及び第2のポール部分18は、ハンドリングポール10を構成するために、すなわち組み立てるために一体に結合できる複数のほぼ同様のポール部分のうち2つを例示的に示しているにすぎない。すなわち、第1のポール部分14及び第2のポール部分18の長さは同一であっても異なっていてもよいこと、及びハンドリングポール10は、例示的に示される第1のポール部分14及び第2のポール部分18より多くのポール部分を具備してもよいことが理解されるべきである。従って、本明細書において説明されるように、結合システム22を使用して所望の長さの2つ以上のポール部分、例えば第1のポール部分14及び第2のポール部分18を結合することにより、任意の所望の長さとなるようにハンドリングポール10を構成すること、すなわち組み立てることができる。
【0015】
次に図1、図1A及び図2を参照すると、種々の実施形態において、結合システム22は、第1のポール部分14の管状雌端部26と、第2のポール部分18の雄端部30とを含む。管状雌端部26の内径の大きさは、雄端部30の外径とほぼ等しくなるように規定される。従って、雄端部30の外径と雌端部の内径との間に遊び、隙間、間隙又は空間がごくわずかしか存在しない状態で、雄端部30を雌端部26に挿入できる。そのため、雄端部30は、雌端部26にぴったりと嵌合するので、第1のポール部分14及び第2のポール部分18は、互いにほぼぐらつきのない、すなわち安定した延長部分を形成する。
【0016】
更に、種々の形態において、結合システム22は、雄端部30に形成されたねじ38と螺合するロックナット34を含む。雄端部30の軸Aに沿ってX方向及びX方向にロックナット34を長手方向に変位するために、雄端部30に関してロックナット34を回転できる。例えば、雄端部30が雌端部26に挿入された後、雄端部30を雌端部26と固定結合するために、ロックナット34をX方向に長手方向に変位して雌端部26と接触させる(図4Aに示されるように)ように、ロックナット34を回転できる。
【0017】
特に、種々の実施形態において、雄端部30は、ねじ38と雄端部30の先端部46との間で雄端部30を横方向に貫通する結合ピン42を含む。更に、雌端部26は、1対の対向するほぼJ字形の結合溝穴50を含む。図1Aに最もよく示されるように、各J字形結合溝穴50は、雌端部26の先端部58において開いたバックボーン部分54と、フック部分62と、バックボーン部分54をフック部分62と結合する底部分66とを含む。そのような実施形態において、雄端部30が雌端部26に挿入された場合、両端部42A及び42Bは、それぞれ対応するJ字形結合溝穴50のバックボーン部分54に挿入される。そこで、結合ピンの端部42A及び42Bをバックボーン部分54から底部分66を経てフック部分62まで変位するために、第1のポール部分14及び/又は第2のポール部分18を互いに対して回転できる。
【0018】
次に、ロックナット34をX方向に長手方向に変位又は移動して雌端部26の先端部58と接触させるために、ねじ38に関してロックナット34を回転できる。ロックナット34を更に回転すると、雌端部26はX方向に移動し、ロックピンの端部42A及び42Bがフック部分62の先端部70に堅固に隙間なく引き込まれるまで、ロックピンの端部42A及び42Bをフック部分62の中へ引き込む。ロックピンの端部42A及び42Bがフック部分62の先端部70の中へ堅固に隙間なく引き込まれた場合、雌端部26及び雄端部30、特に第1のポール部分14及び第2のポール部分18は、互いに固定結合又は固定連接される。
【0019】
次に図2及び図3Cを参照すると、種々の実施形態において、ロックナット34は、本体部分71と、本体部分71から延出するネック部分72とを含む。ネック部分72は、本体部分71の外径より小さい外径を有するように形成される。先に説明したように、結合ピン42がJ字形結合溝穴50に挿入された後、ロックナット34をX方向に長手方向に変位して雌端部26と接触させるために、ねじ38に関してロックナット34を回転可能である。特に、ロックナット34をX方向に移動するためにロックナット34がねじ38に関して回転される間、ロックナット34の本体部分71は、雌端部の先端部58と接触して、雌端部26をX方向に移動する。従って、結合ピンの端部42A及び42Bは、結合溝穴50のフック部分62の中まで移動され、それにより、雄端部30を雌端部26と固定連接する。
【0020】
図2、図3A及び図3Bを参照すると、種々の実施形態において、結合システム22は、偏向ロックスリーブ構体74を更に含む。ロックスリーブ構体74は、第2のポール部分18のロック構体部分78に摺動自在且つ回転自在に装着される。種々の実現例において、ロックスリーブ構体74は、ロックスリーブ82と、ロックスリーブ82の内部空洞88の中に配置された偏向装置86とを含む。種々の実施形態において、ロックスリーブ82は、ロックスリーブ82の先端部92に形成された内側つば90を更に含む。内側つば90は、第2のポール部分18のロック構体部分78の外径とほぼ等しい内径を有するように形成される。更に、ロックスリーブ82がロックナットのネック部分72に嵌合するように、内部空洞88は、ロックナットのネック部分72の外径とほぼ等しい内径を有するように形成される。偏向装置86は、ばねとして示されているが、偏向装置86は、ロックスリーブ82がロックナット34のネック部分72を覆うように位置決めされた場合に、ロックスリーブの内側つば90にX方向の力を加えるのに適するばね、弾性ブシュ又は他の任意の装置などの任意の偏向装置であってもよい。
【0021】
次に図2、図3A、図3B、図3C、図4A及び図4Bを参照すると、以下に詳細に説明されるように、ロックスリーブ82は、ロックスリーブ82の先端部92においてロックスリーブつば90の上縁部に沿って形成された複数のロック凹部94を含む。ロック凹部94は、ロックスリーブ82とロックスリーブ構体部分78の基端部114との間でロックスリーブ構体部分78を貫通するロックスリーブ保持ピン110と係合するように形成されるか又はそのような構造を有する。特に、ロックスリーブ構体74を「ロック」位置(図4A)に配置するためにロックスリーブ保持ピン110の両端部110A及び110Bが対向する1対のロック凹部94と係合し且つロックスリーブ構体74が「ロック解除」位置(図4B)に配置された場合には両端部110A及び110Bがロック凹部94から離脱するように、ロックスリーブ構体74は動作可能である。
【0022】
図3Aに最もよく示される通り、ロックスリーブ保持ピン110の端部110A及び110Bを受け入れるように、ロック凹部94の大きさは規定される。また、ロック凹部94は、ロックスリーブ保持ピンの端部110A及び110Bを堅固に保持するのに十分な長さLを有する。特に、ロックスリーブ構体74が「ロック」位置に配置された場合、X方向にロックスリーブつば90に加えられる偏向装置86の偏向力は、ロックスリーブ保持ピン110とロック凹部94との係合をほぼ維持し、それにより、第2のポール部分18のロック構体部分78に関するロックスリーブ82の回転を阻止又は相当に抑止するのに十分な強さである。種々の実現例において、ロックスリーブ構体74が「ロック」位置にある場合にロックスリーブつば90に加えられる偏向装置86の偏向力は、約2lbs/in〜10lbs/in、例えば4lbs/inである。
【0023】
種々の実施形態において、ロックナットのネック部分72は、ネック部分72の長さに沿って延出する1対の両側の平坦な外面98を含み、ロックスリーブ82は、ロックスリーブ82の基端部102に沿って半径方向内側へ延出する1対の平坦な縁部100を含む。平坦な縁部100は、ロックナットのネック部分72の平坦な外面98と整列可能且つ協働可能である。従って、平坦な縁部100と平坦な外面98との協働により、ロックスリーブ82は、ロックスリーブ82の内部におけるロックナット34の回転を阻止するのと同時に、ロックナットのネック部分72に沿って長手方向に変位できる。特に、ロック構体74が「ロック」位置にある場合、平坦な縁部100と平坦な外面98との協働及びロック凹部94とロックピン110との係合は、ねじ38に関するロックナット34の回転を阻止するか又は相当に抑止し、それにより、雄端部30と雌端部26との分離を阻止するか又は相当に抑止する。
【0024】
図3Cに最もよく示されるように、種々の実施形態において、ロックナットのネック部分72は、ネック部分72の基部106に1対の下部切欠き104を更に含む。下部切欠き104の大きさは、ロックスリーブの平坦な内側縁部100を受け入れ且つロックナットのネック部分72に関するロックスリーブ82の部分的な回転を可能にするように規定される。従って、平坦な縁部100が平坦な外面98と整列され且つ協働している場合、ロックスリーブ82は、ロックナットのネック部分72に沿ってX方向に変位し、それにより、偏向装置86を圧縮できる。平坦な縁部100が下部切欠き104と整列する場合、ロックスリーブ82は、ロックナットのネック部分72に関して部分的に回転でき、それにより、ロックスリーブ82をロックナット34と係合するか又はロックスリーブ82をロックナット34にロックし、図4Bに示されるように、ロックスリーブを「ロック解除」位置に配置できる。「ロック解除」位置にある場合、雄端部30と雌端部26とを離脱させるために、すなわち第1のポール部分14と第2のポール部分18とを分離するために、ロックナット34及びロックスリーブ82が雄端部30に関して、すなわちねじ38に関して回転できるように、ロック凹部94は、ロックスリーブ保持ピン110と係合しない状態に維持される。
【0025】
次に図2、図3A、図3B、図3C、図4A及び図4Bを参照すると、ロックスリーブ82を「ロック」位置に配置するために、先に説明したように、平坦な縁部100と下部切欠き104との係合によってロックスリーブ82と係合されたロックナット34は、ねじ38に関して回転される。それにより、ロックナット34及びロックスリーブ82は、X方向に変位し、先に説明したように、第1のポール部分14と第2のポール部分18とを堅固に結合する。次に、ロックスリーブの平坦な縁部100を下部切欠き104から離脱させ、それにより、平坦な縁部100をロックナットのネック部分72の平坦な外面98と整列するために、ロックスリーブ82は、ロックナットのネック部分72に関して回転される。平坦な縁部100が平坦な外面98と整列され且つ協働する状態になると、偏向装置は、ロックスリーブをロックナットのネック部分72に沿ってX方向に変位させるので、1対の対向するロック凹部94は、ロックピンの端部110A及び110Bと係合する。
【0026】
偏向装置によりロックスリーブ82に加えられる力は、ロックスリーブ82が第2のポール部分18のロックスリーブ構体部分78に関して回転するのを阻止するか又は相当に抑止するようにロックピンの端部110A及び110Bをロック凹部94の中にほぼ維持する。更に、ロックスリーブ82が第2のポール部分18のロックスリーブ構体部分78に関して回転するのが阻止されるか又は相当に抑止される場合、平坦な縁部100と平坦な外面98との協働関係は、ねじ38に関するロックナットの回転を阻止するか又は相当に抑止する。従って、雄端部30と雌端部26との分離、すなわち第1のポール部分14と第2のポール部分18との分離は阻止されるか又は相当に抑止される。
【0027】
ロックスリーブ構体74を「ロック解除」位置に配置するために、偏向装置86によりロックスリーブ82に加えられる偏向力に勝り且つ圧縮するのに十分な力が、ロックスリーブ82にX方向に加えられる。次に、ロックスリーブの平坦な縁部100がロックナットのネック部分の下部切欠き104と整列するまで、ロックスリーブ82は、X方向に変位される。その後、平坦な縁部100を下部切欠き104と係合し、それにより、「ロック解除」位置においてロックスリーブ82をロックナット34と係合する状態に維持するために、ロックナットのネック部分72に関して、ロックスリーブ82を部分的に回転できる。ロックスリーブ82及びロックナット34が「ロック解除」位置にある場合、結合ピン42をJ字形結合溝穴50から取外せるように、係合しているロックナット34及びロックスリーブ82をX方向に長手方向に変位するために、ねじ38に関してロックナットを回転できる。これにより、雄端部30及び雌端部26、すなわち第1のポール部分14及び第2のポール部分18を分離できる。
【0028】
次に図5を参照する。本明細書中、結合システム22は、2つ以上のポール部分、例えば第1のポール部分14及び第2のポール部分18を結合するように構成され且つ動作可能であるものとして説明されたが、ツール142を任意のポール部分に結合するように結合システム22が更に実現されてもよいことが理解されるべきである。特に、上述した管状雌端部26と形態、構造及び機能に関して同一である管状雌端部26Aにツール142を結合できる。従って、第1のポール部分14及び第2のポール部分18に関して先に説明したように、結合システム22を利用して、任意のポール部分の雄端部30にツール142を結合できる。ツール142は、本明細書において説明された結合システム22を利用して一体に結合されたポール部分及び/又はポール部分に結合されたツールを有するハンドリングポール10を利用して所望の作業を実行する任意のツール、計器又は装置であってもよい。
【0029】
本明細書において、種々の要素、構成要素及び/又は部分を説明するために、第1、第2、第3などの用語が使用されるが、それらの要素、構成要素及び/又は部分がそれらの用語により限定されるべきでないことが理解される。それらの用語は、ある要素、構成要素又は部分を別の要素、構成要素又は部分と区別するために使用されるにすぎない。従って、以下に説明される第1の要素、構成要素又は部分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、構成要素又は部分と呼ばれてもよい。
【0030】
本明細書において使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的とし、限定することを意図しない。本明細書において使用される場合、単数形は、特に指示のない限り、複数形を含むことを意図してもよい。本明細書において使用される場合の用語「具備する」は、記載される特徴、数字、ステップ、動作、要素及び/又は構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、数字、ステップ、動作、要素、構成要素及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。
【0031】
本明細書中の説明は、単なる例であり、従って、説明の趣旨から逸脱しない変形例は、本発明の範囲内に含まれることを意図する。そのような変形例は、本発明の趣旨の範囲からの逸脱としてみなされるべきではない。
【符号の説明】
【0032】
10 分割ハンドリングポール
14 第1のポール部分
18 第2のポール部分
22 結合システム
26 管状雌端部
30 雄端部
34 ロックナット
42 結合ピン
50 J字形結合溝穴
71 ロックナットの本体部分
72 ロックナットのネック部分
74 偏向ロックスリーブ構体
78 第1のポール部分のロックスリーブ構体部分
82 ロックスリーブ
86 偏向装置
88 ロックスリーブの内部空洞
90 ロックスリーブつば
94 ロック凹部
98 ロックナットのネック部分の平坦な側面
100 ロックスリーブの平坦な縁部
104 ロックナットのネック部分の下部切欠き
110 ロックスリーブ保持ピン
142 ツール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1のポール部分(14)を第2のポール部分(18)に結合するシステムにおいて、
前記第1のポール部分(14)の管状雌端部(26)及び前記雌端部(26)に挿入可能である前記第2のポール部分(18)の雄端部(30)と;
本体部分及び前記本体部分から延出し且つ前記本体部分より小さい外径を有するネック部分を含み、前記雄端部(30)と螺合し、前記雄端部(30)を前記雌端部(26)と固定結合するために、長手方向に変位して前記雌端部(26)と接触するように回転自在であるロックナット(34)と;
前記第2のポール部分のロック構体部分(78)に摺動自在且つ回転自在に装着された偏向ロックスリーブ構体(74)とを具備し、前記ロックスリーブ構体(74)が、
前記ロックナットの前記ネック部分に嵌合するように、前記ロックナットの前記ネック部分の外径とほぼ等しい内径を有する内部空洞(88)を含むロックスリーブ(82)と;
前記ロックナット(34)及び前記ロックスリーブ(82)に逆方向の力を加えるために、前記ロックスリーブ(82)の前記内部空洞(88)の中に配置された偏向装置(86)とを含むシステム。
【請求項2】
前記ロックナットの前記ネック部分は、1対の両側の平坦な外面(98)を具備する請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記ロックスリーブ(82)は、前記ロックナットの前記ネック部分の前記平坦な外面(98)と整列可能且つ協働可能である1対の平坦な内側縁部(100)を具備する請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記ロックスリーブ(82)は、前記ロックスリーブ(82)の先端部(92)に沿って複数のロック凹部(94)を具備し、前記ロック凹部(94)は、前記ロックスリーブ(82)をロック位置に配置するために、前記ロック構体部分(78)を貫通するロックスリーブ保持ピン(110)と係合可能である請求項3記載のシステム。
【請求項5】
前記ロックナットの前記ネック部分は、前記ネック部分の基部(106)に1対の下部切欠き(104)を更に具備し、前記ロックスリーブ(82)を前記ロックナット(34)と係合し且つ前記ロックスリーブ(82)をロック解除位置に配置するために、前記下部切欠き(104)の大きさは、前記ロックスリーブの前記ネック部分に関する前記ロックスリーブ(82)の部分回転を可能にするために前記ロックスリーブの前記平坦な内側縁部(100)を受け入れるように規定される請求項4記載のシステム。

【図1】
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【図1A】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【公開番号】特開2009−236913(P2009−236913A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−67172(P2009−67172)
【出願日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【出願人】(508177046)ジーイー−ヒタチ・ニュークリア・エナージー・アメリカズ・エルエルシー (101)
【氏名又は名称原語表記】GE−HITACHI NUCLEAR ENERGY AMERICAS, LLC