説明

小型決済端末

【課題】テンキーが大きくて見易く操作し易い操作性にすぐれた小型決済端末を提供する。
【解決手段】タッチパネル式表示部4の表示領域に情報表示エリアおよび情報入力エリアを設定し、その情報入力エリアにテンキー画像パターン23aを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、商品販売の決済などに使用される小型決済端末に関する。
【背景技術】
【0002】
商品販売処理装置たとえばPOSターミナルやレジスタなどに付属される端末として、カード決済用の端末がある。この端末は、表示部、操作部、カードリーダなどを有し、商品の販売に関わる情報を表示部で表示する。
【0003】
店舗の係員は、販売代金を操作部のテンキーで入力し、顧客から提示されるデビットカードやクレジットカードを端末のカードリーダに挿入することにより、決済を完了することができる。
【0004】
このような端末の例として、表示する文字のサイズを大小に切換え可能なものがある(例えば特許文献1)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のように、表示する文字のサイズを大小に切換え可能な端末の場合、文字のサイズを大きくすることで表示内容が把握し易いという利点があるが、操作部のテンキーについてはハードキー釦が比較的に小さめであるため、迅速な操作が困難だったり、誤操作が起こり易いという問題がある。
【0006】
この発明は、上記の事情を考慮したもので、テンキーが大きくて見易く操作し易い操作性にすぐれた小型決済端末を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に係る発明の小型決済端末は、タッチパネル式表示部と、少なくとも当該小型決済端末の機能に関わる機能情報を表示するための第1情報表示エリア、決済に関する金額情報を表示するための第2情報表示エリア、決済に関する金額情報を入力するための情報入力エリア、および操作を確定するための確定キーを表示する確定キー表示エリアを前記タッチパネル式表示部の表示領域の幅方向と直交する方向に順に設定し、金額情報入力用の複数の数値キーの画像パターンからなるテンキー画像パターンを前記情報入力エリアに表示するとともに、そのテンキー画像パターンへのタッチにより入力される金額情報を前記第2情報表示エリアに表示する表示制御手段と、前記情報入力エリアに表示されているテンキー画像パターンにおける各数値キーのいずれかがタッチされると、そのタッチされた数値キーの表示を、非タッチ状態を表わす数値キーの画像パターンの表示から、タッチ状態を表す数値キーの画像パターンの表示に切替える表示形態切替手段と、前記確定キー表示エリアがタッチされると、前記情報表示エリアに表示している金額情報を確定し、確定した金額情報をPOSターミナルへ転送する転送手段と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
この発明の小型決済端末によれば、テンキーが大きくて見易く操作し易く、操作性が大幅に向上する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】一実施形態の本体の外観を示す斜視図。
【図2】一実施形態の制御回路のブロック図。
【図3】一実施形態のタッチパネル式表示部の表示内容を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、この発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1において、1は小型決済端末の本体で、店舗のレジカウンタ等にPOSターミナル(図示しない)やレジスタ(図示しない)とともに設置され、側面部に電源スイッチ2を有し、上面部に上ユニット3を有する。上ユニット3は、一側部が本体1に開閉自在に枢支され、上面部に矩形状のタッチパネル式表示部4、枢支側の側部にカードリーダ5、下縁部にプリンタ6の排紙口、上面部におけるタッチパネル式表示部4の隣位置にリセット釦7を有する。
【0011】
上記カードリーダ5は、顧客から提示される決済用のカードたとえばクレジットカードやデビットカード等が挿入されてスライドされることにより、そのカードに記録されているデータを読取る。プリンタ6は、タッチパネル式表示部4へのタッチ操作およびカードリーダ5の読取り情報に基づく決済情報を本体1に収容されているレシート発行用のロール紙にプリントするもので、上ユニット3内に収容され、プリントしたレシートを上記排紙口から排出する。リセット釦7は、タッチパネル式表示部4での入力情報およびカードリーダ5の読取り情報をそれぞれクリアする場合に押圧操作される。
【0012】
本体1および上ユニット3の制御回路を図2に示す。
まず、タッチパネル式表示部4は、カラーの画像表示が可能なLCD表示モジュール4a、およびこのLCD表示モジュール4a上に設けられたフルタッチパネル4bを有し、グラフィカルユーザインタフェース(Graphical User Interface;GUI)として機能する。
【0013】
また、主制御部として機能するマイクロコンピュータのCPU10に、上記電源スイッチ2、カードリーダ5、プリンタ6、リセット釦7、表示コントローラ11、メモリ12が接続される。
【0014】
表示コントローラ11は、CPU10により生成される種々の操作画面をLCD表示モジュール4aで表示するとともに、フルタッチパネル4bがタッチされたときにそのタッチ位置に対応するLCD表示モジュール4aの表示内容を入力情報としてCPU10に供給する。
【0015】
メモリ12には、CPU10の制御に必要な制御プログラムが記憶されるとともに、タッチパネル式表示部4のLCD表示モジュール4aで表示する種々の操作画面を生成するための各種画像パターン情報、およびこれら画像パターン情報の表示位置をLCD表示モジュール4a上で指定するための座標情報が記憶されている。
【0016】
そして、CPU10は、主要な機能として次の(1)〜(6)の手段を有する。
(1)図3に示すように、LCD表示モジュール4aの表示領域の幅方向と直行する方向に情報表示エリア21,22、情報入力エリア23、確定キー表示エリア24を順に設定し、中央部の情報入力エリア23に複数の数値キー“0”“00”“1”“2”…“9”の画像パターンからなるテンキー画像パターン23aを表示するとともに、上部の情報表示エリア21に紙送りキー画像パターン21a,ヘルプキー画像パターン21b,および機能情報21cを表示し、上から2番目の情報表示エリア22にセキュリティコード,商品コード,金額などの数値情報22aを表示し、下部の確定キー表示エリア24にセットキー画像パターン24aおよび訂正キー画像パターン24bを表示する表示制御手段。
【0017】
(2)タッチパネル式表示部4で表示されているテンキー画像パターン23aにおける各数値キーのいずれかがタッチされると、そのタッチされた数値キーの表示形態を切替える表示形態切替手段。具体的には、タッチされた数値キーの表示を、非タッチ状態を表わす数値キーの画像パターンの表示から、タッチ状態を表す数値キーの画像パターンの表示に切替える。
【0018】
(3)タッチパネル式表示部4で表示中のテンキー画像パターン23aへのタッチが離れたとき、それまでタッチされていた数値キーの数値情報を入力とし、その入力に基づく金額情報を情報表示エリア22で表示する入力・表示制御手段。
【0019】
(4)タッチパネル式表示部4で表示中のテンキー画像パターン23aへのタッチが離れたとき、それまでタッチされていた数値キーの表示形態を元に戻す表示形態復帰手段。具体的には、タッチが離れた数値キーの表示を、タッチ状態を表わす数値キーの画像パターンの表示から、非タッチ状態を表す数値キーの画像パターンの表示に戻す。
【0020】
(5)タッチパネル式表示部4で表示中のセットキー画像パターン24aがタッチされると、情報表示エリア22で表示している金額情報を確定し、確定した金額情報をカードリーダ5の読取り情報と共に、上位のPOSターミナル(図示しない)へ転送する転送手段。
【0021】
(6)転送した金額情報および読取り情報に基づいてPOSターミナルで実行される決済の情報を同POSターミナルから受信し、受信した情報をプリンタ6でプリント出力する出力手段。
【0022】
つぎに、作用について説明する。
電源スイッチ2がオンされると、商品販売の決済に必要な操作画面として図3のテンキー操作画面がメモリ12内の画像パターン情報および座標情報に基づき生成され、それがタッチパネル式表示部4のLCD表示モジュール4aで表示される。
【0023】
店舗の係員は、顧客が購入しようとする商品がレジカウンタに持込まれると、タッチパネル式表示部4で表示されているテンキー画像パターン23aの各数値キーを手指でタッチして販売金額を入力し、顧客から提示されるクレジットカードやデビットカードをカードリーダ5に挿入して読取る。この金額情報の入力およびカード情報の読取りに伴い、POSターミナル側で商品販売の決済が完了し、その決済の内容をプリントしたレシートが上ユニット3から排出される。
【0024】
テンキー画像パターン23aへのタッチに際しては、そのテンキー画像パターン23aがタッチパネル式表示部4の表示領域の中央部に大きく表示されているので、店舗の係員にとっては数値キー“0”“00”“1”“2”…“9”の1つ1つが大きくて見易く、操作し易い。
【0025】
また、テンキー画像パターン23aの各数値キーのうち、タッチされた数値キーの表示が、非タッチ状態を表わす色の数値キーの画像パターンの表示から、タッチ状態を表わす別の色の数値キーの画像パターンの表示へと切替わる。数値キーへのタッチが離れると、その数値キーの表示が、タッチ状態を表わす色の数値キーの画像パターンの表示から、非タッチ状態を表わす色の数値キーの画像パターンの表示へと戻る。この色変化により、どの数値キーにタッチしたか、どの数値キーからタッチを離したかを、各数値キーの1つ1つが大きくて見易いことと併せて、的確に把握することができる。
【0026】
このように、大きなテンキー画像パターン23aを表示することにより、小型の決済端末でありながら、容易かつ間違いのない入力操作が可能となり、操作性が大幅に向上する。この操作性の向上は、店舗内で忙しく動き回る係員いわゆるキャッシャーにとって、業務効率の向上が図れるという点で、有用性がきわめて高い。
【0027】
なお、上記実施形態では、テンキー画像パターン23aがタッチパネル式表示部4の表示領域の中央部に位置する場合を例に説明したが、そのテンキー画像パターン23aの位置については、情報表示エリア21,22および確定キー表示エリア24の大きさや使用状況などを考慮しながら、適宜に選定可能である。
その他、この発明は上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変えない範囲で種々変形実施可能である。
【符号の説明】
【0028】
1…本体、2…電源スイッチ、3…上ユニット、4…タッチパネル式表示部、4a…LCD表示モジュール、4b…フルタッチパネル、5…カードリーダ、6…プリンタ、7…リセット釦、11…表示コントローラ、12…メモリ、21,22…情報表示エリア、23…情報入力エリア、24…確定キーエリア、23a…テンキー画像パターン
【先行技術文献】
【特許文献】
【0029】
【特許文献1】特開2005―157436号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式表示部と、
少なくとも当該小型決済端末の機能に関わる機能情報を表示するための第1情報表示エリア、決済に関する金額情報を表示するための第2情報表示エリア、決済に関する金額情報を入力するための情報入力エリア、および操作を確定するための確定キーを表示する確定キー表示エリアを前記タッチパネル式表示部の表示領域の幅方向と直交する方向に順に設定し、金額情報入力用の複数の数値キーの画像パターンからなるテンキー画像パターンを前記情報入力エリアに表示するとともに、そのテンキー画像パターンへのタッチにより入力される金額情報を前記第2情報表示エリアに表示する表示制御手段と、
前記情報入力エリアに表示されているテンキー画像パターンにおける各数値キーのいずれかがタッチされると、そのタッチされた数値キーの表示を、非タッチ状態を表わす数値キーの画像パターンの表示から、タッチ状態を表す数値キーの画像パターンの表示に切替える表示形態切替手段と、
前記確定キー表示エリアがタッチされると、前記情報表示エリアに表示している金額情報を確定し、確定した金額情報をPOSターミナルへ転送する転送手段と、
を備えることを特徴とする小型決済端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−252729(P2012−252729A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−215049(P2012−215049)
【出願日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【分割の表示】特願2009−194680(P2009−194680)の分割
【原出願日】平成21年8月25日(2009.8.25)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】