少なくとも一つの被覆を含む歯科製品
【課題】 付与のための準備がされた個別化された歯科製品(2)を提供する。
【解決手段】 この歯科製品(2)は、セラミック材料のものであり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆(2)を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満である。本発明はさらに、歯(3)の美観を改善する方法に関し、この方法は、歯科製品(2)を歯表面の上に配置することを含む。
【解決手段】 この歯科製品(2)は、セラミック材料のものであり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆(2)を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満である。本発明はさらに、歯(3)の美観を改善する方法に関し、この方法は、歯科製品(2)を歯表面の上に配置することを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの被覆(veneer)を含む歯科製品に関する。歯科医術では、被覆は、歯の美感を改善するために、歯の表面の上に置かれた修復材料の薄い層である。従って、本発明はまた、歯の美感を改善するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
US2007/0298381A1は、歯の着色及び歯の覆いのための歯科製品を記載する。この歯科製品は、歯頸、隣接及び切開縁を持つ固体歯被覆を含む。この歯科被覆は、永久被覆または歯冠のような他の修復歯科医術を受けた歯への一時的付着のために使用される。被覆は、歯の外観を下にある歯と異なる色、寸法または形状で表示することにより変えるために、望ましくない外観を持つ歯の上に置かれる。歯被覆は、無毒で水不溶性であるポリマー材料から、好ましくはシアノ酢酸エチル系ポリマーから作られる。一時的被覆は使用者の歯の上に好ましくは7日迄残るが、一日未満または一時間未満の場合であっても使用されることができる。被覆は、非永久的接着剤タイプの材料により取り付けられ、個々の歯から歯覆いを単に取ることにより除去されることができる。先に実行された修復歯科医術は別として、歯は、このポリマー歯被覆を付与及び除去することにより物理的または化学的に変えられない。
【0003】
US2009/0004629A1は、耐久性のある射出成形されたプラスチックのようなプラスチックまたはプラスチックの被覆形から作られることができる歯列弓ラミネートの形の歯被覆を記載する。これらの歯列弓ラミネートは、人の歯に快適なかつ再使用可能な付与のための形状をしている。歯列弓ラミネートは、結合剤、セメントまたは他の半永久接着剤ではない無毒性粘着接着剤を用いて固定及び付着される。むしろ、無毒性粘着接着剤は、人がこの無毒性粘着接着剤を例えば日々の使用のために容易に再付与することができるように、一時的でありかつ再使用可能である。
【0004】
上で述べた二つの既知の被覆のそれぞれはポリマーから作られている。これは、被覆に約0.1mmから0.9mmまでの厚さを持たせることを可能にする。
【0005】
US2005/0227204A1は、口中の温水すすぎの使用により及び被覆を歯から取ることにより除去されることができる一時的使用のための再使用可能な被覆を記載する。これらの一時的被覆は磁器、プラスチック、他の半硬質複合材料、またはそれらの組み合わせから作られることができる。これらの被覆は0.2mm〜約1mmの厚さで作られることができる。
【0006】
上述の被覆のどれも、切断、研削、及び歯から材料を永久的に除去する他の形を含む歯の準備及び予備成形を必要としない。従って、これらの被覆は、準備されていない歯に付与されることができることが理解される。これは、不可逆的な変更が人に対して不快な経験であることが多くかつ処置の前に鎮痛皮下注射が使用されることを必要とするかもしれないので一般的に有利と考えられる。これはまた、被覆の付与の費用を増加する。
【0007】
明らかに、被覆の非侵襲性または最小限の侵襲性の付与は、歯材料の永久的除去を必要とする被覆の付与に対して大きな心理的利点を持つ。
【0008】
一時的被覆は確かに非常に有用であるけれども、多くの人は、被覆を付与し、除去しかつ再付与する必要性が不便で時間消費的であることをなお見出しており、彼らは、被覆を付与するために必要な材料を付与すること及び/または手元に持つことを忘れる危険を嫌う。また、一時的被覆は比較的劣った美感を与える。従って、選択された歯のどのような不快な侵襲性の準備も必要としない永久的被覆を提供するための要求がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、全体的にセラミック材料からなり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満である個別化された歯科製品を提供する。表現「個別化された」は、歯科製品が個人の歯の特性に関連した特性を持つことを意味すると理解される。被覆に対しては、これは、その一方の側が、それが覆うことを意図される歯の表面に適合するように設計されることを意味することが多い。適合されると、歯から材料を除去する必要がなくなるだろう。また、歯被覆の板の厚さが与えられると、歯から材料を除去する必要がない。従って、この被覆は、「準備なし」被覆と呼ばれることができる。選択された歯の上への被覆の配置は、一組の歯及びそれぞれの人の口内の空間的配置に不快に影響しない。歯被覆をセラミック材料から作ることは、歯材料が人の口内環境に人の寿命を通して耐えさせることができるので、歯被覆の永久的使用を可能にする。
【0010】
歯被覆の特注製造にもかかわらず、取り扱い及び正しい付与、すなわち歯被覆の歯への固定は、歯科熟練者の技術を必要とするかもしれない。
【0011】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの歯被覆のそれぞれは、被覆により覆われる予め決められた歯の一部と適合するように設計される。有利には、被覆により覆われた歯の形状の実際の外観は、被覆により覆われる前の歯の形状と比べて異ならないであろう。被覆は単にその歯の色の外観の改善を提供する。
【0012】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの被覆のそれぞれは、被覆により覆われる準備なしの歯の一部に対応するように個別に設計される。有利には、各被覆が一組の歯の中のその特別に意図された位置に対して最適化されることを確実にすることに大きな注意が払われることができる。
【0013】
本発明による歯科製品の一実施態様では、セラミック材料は半透明である。これは、被覆を選択された歯の上に付与する歯科医またはいずれかの他の熟練者が歯被覆を歯に付着するための結合材料に好適な着色剤を添加することにより歯の色に関する外観を改善する可能性を提供する。これは、処置の最終段階で歯の最適色を得ることを可能にする。被覆の好適色を得るための歯科技術者の関与は必要でなく、関与する人のための費用及び時間を抑制する。
【0014】
本発明による歯科製品の一実施態様では、製品は一組の歯に対して複数の歯被覆を含む。複数の歯被覆は、上方の六個の前歯を覆うために適していることが多い。有利には、歯被覆(単数または複数)の付与は一回で行われることができ、従って個々の歯の色の望ましくない差が避けられることができる。もしそう望むなら、歯被覆により覆われていない歯の隣に付与された歯被覆が、覆われていない歯の色に対して強いコントラストを示さないように一組の歯に沿って色の自然なグレード設定を達成することも可能であるだろう。
【0015】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの歯被覆は、歯への付与前に硬化された少なくとも部分的に硬化された結合材料のような予備処理された結合材料を含む。そのとき、さらに、結合材料が少なくとも一つの着色材料を含むこと、及び少なくとも一つの歯被覆が少なくとも部分的に透明または半透明であることが可能である。本発明はまた、歯の美感を改善する方法を提供し、この方法は上述された歯科製品を歯表面の上に配置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、図面を参照してさらに説明されるであろう。
【0017】
【図1】図1は、一組の歯、及び本発明による被覆の一実施態様を示す。
【0018】
【図2】図2は、単独歯、及び本発明による被覆の一実施態様を示す。
【0019】
【図3】図3は、図2に示された歯及び被覆を示し、そこでは被覆は歯の上に置かれている。
【0020】
【図4】図4は、歯の三次元表示、及び本発明による歯科製品の一実施態様を作るための工程を示す。
【0021】
【図5】図5は、本発明による歯科製品の一実施態様の製造工程の中間製品の三次元表示を概略的に示す。
【0022】
【図6】図6は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程で使用される支持体を示す。
【0023】
【図7】図7は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程の中間結果を示す。
【0024】
【図8】図8は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程の中間結果を示す。
【0025】
【図9】図9は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体を示す。
【0026】
【図10】図10は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体の第一部分を示す。
【0027】
【図11】図11は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体の使用を示す。
【0028】
【図12】図12は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体を概略的にかつ断面で示す。
【0029】
【図13】図13は、図12に示された組立て体の容器蓋なしの場合の矢印A1の方向に見たときの上面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の特別の実施態様が今や添付図面に関して説明されるであろう。しかし、この発明は、多くの異なる形で実現されることができ、ここに記載された実施態様に限定されるものとして解釈されるべきでなく、むしろこれらの実施態様はこの開示が完璧かつ完全であるように、かつ本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付図面に示された実施態様の詳細な説明に使用される用語は、本発明を限定することを意図していない。図面において、同様の数字は同様の要素を示す。
【0031】
図1は、一組の歯1並びに歯科製品2(この例では一つの歯被覆2である)を示す。かかる被覆はまた、ラミネートと呼ばれることができる。以下においては、被覆に対してのみ参照がなされるが、それは限定として解釈されるべきでない。ラミネートはまた、用語被覆によって包含される。矢印Aは、歯被覆2が一組の歯1内に配置されることを意図されている場所を示す。被覆2は、被覆2のさらなる再成形が行われる必要がないという意味で付与の準備がされている。被覆2は個別化された歯科製品に関する。被覆2は、人の歯の特性に関連している特性を持つ。被覆の一方の側(背面)は、それが覆うことを意図される歯3に適合するように設計される。被覆2は、個人(すなわち被覆2が設計される人)の特徴に相当する特徴をそれ自体持つ。その適合を仮定すれば、歯3から材料を除去する必要がないであろう。
【0032】
本発明のある実施態様に対しては、歯から材料を除去する必要がないことが述べられる。他の実施態様では、歯の小部分が、例えば研摩により準備されることができる。これは、例えば歯の表面の欠点を除去するためになされることができる。しかし、歯の前面のような全表面が研摩により準備されることは意図されていない。なぜなら例えば被覆は被覆2を付ける人に対し不快を起こさせないのに十分なほど薄いからである。
【0033】
被覆2は、それが覆うことを意図される歯3の少なくとも一部に相当するように個々に設計されることができる。被覆2により覆われたときの歯3は、その厚さを、被覆2の層により、及び被覆2を歯3に結合するための被覆2と歯3の間に置かれる結合材料4の非常に薄い層により増加するであろう。
【0034】
図2は、被覆2により覆われるべき歯3の断面図を示す。被覆2を歯3に付与するために、被覆2とその付与で互いに面する歯3の表面はそれぞれ清浄な表面を提供するために腐食されることができる。これは、慣例的に歯科熟練者により実行される通常の標準的慣行である。腐食の後、シラン処理層を各表面に付与することができる。また、これは、歯科熟練者により慣例的に実行される標準慣行に関する。シラン処理層は腐食表面に封止を提供する。この後、結合材料4の薄い層がこれらの表面のそれぞれに、すなわち被覆2と歯3に付与されることができる。この結合材料4は着色剤(図示せず)を与えられることができる。被覆2は次いで歯3に付与され、最後に図3に示される被覆2及び結合材料4により覆われた歯3となる。実質的に、歯材料が歯3から除去されていないことは注目されるべきである。従って、被覆2はいわゆる「準備なし」歯に付与される。被覆2は、被覆2により覆われる準備なし歯3の一部に対応するように個別的に設計される。結合はさらに、従来周知のように光硬化により促進されることができる。
【0035】
ある実施態様では、歯被覆2は、人の歯の上への付与前に、さらにはおそらく歯被覆4を付与する歯科熟練者への配送前に結合材料で予備処理される。通常の被覆を使用して、結合材料は典型的には被覆が付与される歯3に付与され、被覆は次いでその歯の上に置かれ、結合材料は例えば光硬化によって硬化される。本発明の実施態様によれば、結合材料は少なくとも部分的に、例えば歯被覆2を結合するために使用される全結合材料の25〜75%で歯被覆2に付与される。予備処理は、歯被覆2の製造設備でまたは歯科技術者により実行されることができる。歯3に面する背面側のような、歯被覆の少なくとも一方の側の予備処理は、次の工程の少なくとも一つを含むことができる:歯被覆の清浄化;化学的及び/または機械的連結表面を準備するための腐食ゲルの付与;輸送保護としてシランによる封止のために準備された腐食表面を提供する;シラン処理表面を得るためにシラン処理工程を付与する;シラン処理された表面の上に結合材料4の少なくとも一層の付与;前もって結合材料の上部に、または結合材料に混合して、歯頸及び/または切開着色のためのような着色材料の付与;歯被覆2に結合材料を付与する;及び歯科熟練者への配送のために結合材料4を光硬化する。
【0036】
実施態様はまた、歯被覆2を受けるための歯の熟練者による予備処理を含むことができる。熟練者による予備処理は、次の工程の少なくとも一つを含むことができる:例えばイソプロパノールによって歯3の準備されていない表面(すなわち実質的に非研摩の前面)を清浄化する;腐食ゲル、例えば、フッ化物腐食ゲル、フッ化水素腐食ゲル等によるような歯表面の腐食;腐食された歯表面のシラン処理;及び歯の表面上への25〜75%の結合材料4の残り(25〜75%が歯被覆に適用されるなら25〜75%)の付与、最後には必要な結合材料の合計100%となる。歯表面に付与された結合材料は、透明または白色のような無彩色を持つことができ、それにより被覆2に添加された着色剤により与えられた外観は実質的に影響されない。
【0037】
本発明の実施態様はまた、被覆処理のための次の工程の少なくとも一つを含むことができる:硬化された結合材料を予備処理された被覆2に与える;歯被覆を、結合材料4を含む歯表面上に付与する;被覆2を調整する;及び結合材料4を持つ表面間の連結を例えば光硬化によって硬化する。
【0038】
予備処理工程の実施態様を使用すると、被覆2は予備処理された結合材料を含むことができる。予備処理された結合材料4は、光硬化可能な歯科結合剤のような少なくとも部分的に硬化した結合材料4を含むことができる。予備処理された結合材料は、被覆2を着色するために少なくとも一つの着色材料を含むことができる。従って、被覆2のその半透明と組み合わせたその薄さのため、結合材料4の色は目に見えるであろう。従って、別個の着色層の付与は必要ない。
【0039】
図2及び3に容易に見ることができるように、被覆2は板状である。被覆2は少なくとも約0.08mmの板厚「d」を持つ。厚さ「d」は0.2mm未満であるだろう。被覆の厚さ「d」が0.14mm未満であることがより好ましい。理想的には、板厚「d」は0.1mm未満である。板厚「d」は平均厚さである。種々の部分で、被覆2はより薄くまたはより厚くすることができる。例えば、被覆2は、溝またはしわのようなより自然に見える種々の構造を含むことができる。追加的または代替的に、歯被覆は、被覆2のより自然な見え方のためにまたは例えば摩滅のために人の歯牙の失われた特徴を造り直すために前面に表面組織を含むことができる。それはまた、被覆2の境界でより薄い。厚さの好適な範囲は歯材料を除去することなく被覆2を付ける人に不快を起こさないようにかつ歯被覆の十分な強度を提供するのに十分な薄さであることが有利であることを示している。
【0040】
さらに、本発明の実施態様では、被覆2またはラミネートは下部構造のない歯科製品であり、すなわち被覆またはラミネートはラミネートまたは被覆を強化するためのいかなる中間下部構造もなしに歯表面の上に直接配置される。歯冠またはブリッジのような他の歯科補綴物、または幾つかのセラミック被覆は、コーピングまたはブリッジ下部構造のような下部構造の上に被覆層を含むことができ、そこでは被覆層は下部構造またはコーピングの上の幾つかの層内に付与され、続いて焼結される。しかし、下部構造の上のかかる被覆2は、強度問題を被らず、取り扱うために特にこわれやすくない。
【0041】
被覆2は、好ましくは半透明であるセラミック材料のものである。歯3の希望の色を得ることは、結合材料4に色剤を添加し、次いで半透明セラミック被覆2を付与することによってより容易に「配置位置」で得られることができ、従って色剤は歯3の外観にその色に関して寄与することができる。
【0042】
セラミック材料はLi−二ケイ酸塩ガラスセラミックのようなガラスセラミック材料であることができる。Li−二ケイ酸塩ガラスセラミックは高い強度を持ち、それはこわれやすい製品を取り扱うための改善された可能性を提供する。かかるガラスセラミックは例えばIvoclar Vicadent、リヒテンシュタインからの商品名IPS e.maxの下に入手可能である。これに代えて、セラミック材料はマイクロ波焼結酸化アルミニウムセラミックを含むことができる。かかる材料は、本発明の実施態様の範囲内の厚さを持つ被覆との組み合わせで特に有用である。
【0043】
ある実施態様では、全被覆2は、均一組成を持つガラスセラミックのようなセラミックの単一層を含む。従って、被覆2は、着色及び/または釉掛けのような美感層を持つ本体からなる。任意選択的に、非セラミック着色及び/または釉掛け層が被覆2の少なくとも一方の側に付加されることができる。
【0044】
セラミック被覆2のような付与の準備のできた個別化された歯科製品2は次のように製造されることができる。
【0045】
被覆2を設計するために、被覆2が設計される予め決められた歯を表わすコンピュータ読み取り可能な歯データが使用されることができる。これらのデータは、従来周知で広く利用可能な標準システムを使用して標準的な方法により得られることができる。例えば、かかる方法は、コンピュータ読み取り可能なデータを得るために印象またはこの印象に基づいた鋳造模型の走査を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な歯データに基づいて、表示器上に、被覆2が設計される予め決められた歯3の三次元表示22を作ることができる。歯科CADプログラム内の標準ツールは、異なる角度から、回転後に、ズームインしたときの、ズームアウトしたときの、完全に透明なとき等に見たときの三次元表示22を可視化することができる。理想的には完全な予め決められた歯3が示されるけれども、予め決められた歯3の一部のみが示されることも可能である。
【0046】
三次元表示22に基づいて、コンピュータ読み取り可能な被覆データは、被覆の幾何学的形状を決定するために提供される。図4は、どのようにこれがなされることができるかを概略的に示す。三次元表示22では、選択された歯部5が規定される。選択された歯部5は被覆2により覆われるべきである。選択された歯部5は、例えば、被覆2が設計される予め決められた歯3の三次元表示内にフィニッシュラインのような線をカーソルで提供することにより規定されることができる。標準的な方法では、本質的に閉じられたその線が選択された歯部5を実際に規定することはコンピュータに確認されることができる。選択された歯部5に基づいて、被覆2の背面6が規定される。選択された歯部5に基づいて、被覆2の前面7が規定される。背面を規定することは、選択された歯部5を複写することを含むことができる。前面7を規定することはまた、選択された歯部5を複写すること(直接または間接に)を含むことができる。被覆2の背面6を規定することは、三次元表示22で可視化された選択された歯部の、おそらく例えば結合材料4のための空間を提供するために片寄り(A)を持っての再現に、基づくことができる。同様に、被覆2の前面7を規定することは、三次元表示22で可視化された、片寄り(A+B,B)を持っての、選択された歯部5の再現、または背面6の再現、に基づくことができる。ここでBは、被覆2の選択された歯部5に及び/または背面6に関する厚さを示す。規定された背面6及び前面7を持つと、背面6の縁と前面7の縁の間の連結を予め決められたプログラムに従って規定することができる。いずれにしろ、この方法により、被覆2の幾何学的形状を規定するコンピュータ読み取り可能な被覆データを得ることができる。さらに、被覆データに加えて、一つまたは幾つかの湯口のためのコンピュータ読み取り可能な湯口データを規定することができる。
【0047】
図5は、被覆2、及び鋳造または射出成形法により被覆2を製造するために使用可能な(または使用される)三つの湯口8を示す。もちろん唯一の湯口8または二つの湯口8が被覆2を製造するために使用されることができる。規定された被覆データ及び可能な湯口データを持つと、いかなる設計された湯口を持つ被覆のマスター10も三次元で提供することができる。CAM(計算機援用製造)の一例では、マスター10を提供するために採用されることができる技術は「ラピッドプロトタイピング」と呼ばれることが多く、それはステレオリソグラフィ、選択的レーザー焼結、またはインクジェット印刷を含むことができる。これに代えて、マスター10を提供するためにCAM技術としてフライス削りが採用される。かかる三次元製造法は、Solidscape,米国、3Dシステム,米国、Objet,イスラエル、またはEnvisiontech,ドイツのように、従来周知である。
【0048】
図6は、印刷支持体9を示し、その上に個別化された歯被覆の形状または製造されるマスター10及びいずれかの湯口8が設けられることができる。印刷支持体は、マスター10の表面、従って被覆2に相当する表面を持つことができる。印刷支持体9は、歯被覆のための計画されたデータに基づいてかつマスター10を製造するための上で述べたいずれかの技術により個別に製造されることができる。図7はかかる製造工程の結果を示す。個別化された歯被覆2及びそれに連結された一つの湯口8が各印刷支持体9の上に載る。
【0049】
被覆2はまた、WO2005/046502に記載された方法のいずれかによるように、フライス削りにより提供されることができ、この文献は、歯科補綴物を提供するためのいずれかの目的のために参考までに本明細書に組み込まれる。
【0050】
図8は、印刷支持体9から除去されたときの個別化された歯被覆2及び湯口8のマスター10の形状を示す。
【0051】
マスター10は、被覆2を鋳造または成形するために使用されることができる。要するに、個別化された被覆のマスター10は、任意選択的に一つ以上の湯口8(一般的に「型」とも呼ばれる)を備えるので、いわゆるキュベット内に置かれることができる。キュベット内に置かれたとき、型10は埋設材料により取り囲まれる。この方法では、型、すなわちいずれかの湯口を持つマスター10は、キュベットから完全に燃焼され、従って被覆2が作られるセラミック材料により一つ以上の湯口8、及び被覆2を形成するための空洞が形成される。材料がこの空洞に供給され、減圧下にかつ高温度で空間中に押圧される。これらの工程は全て従来周知であり、圧力、温度及び時間のような工程または焼結パラメータは使用される材料に依存する。被覆2及び湯口8が希望の形状で形成されたら、例えば埋設材料をブラストすることにより、脱型が行われる。湯口8は、研磨またはフライス削りのような標準的な方法により除去されることができる。
【0052】
製造された歯被覆2は、それが輸送される前に上で述べたように予備処理されることができる。
【0053】
いったん被覆2が製造されたら、それは一時的に保持され、おそらく輸送され、最後に被覆2が設計された歯3に付与されることが必要である。その目的のため、歯科製品2は、歯被覆2のそれぞれを間にはさむために第一及び第二部分11,12と組み合わされる。図9は、かかる第一及び第二部分11,12の一例を示す。第一部分11は、板状歯被覆の一方の側にぴったりと適合するための形状を与えられている。図9の例に示されたように、第一部分は一組の歯の模型を含むことができる。第二部分12は、板状歯被覆2の別の側をその第二部分12に対して解放可能に結合するために配置される。第二部分12は箔を含み、それはまた、テープであることができる。図9に示されるように、第一及び第二部分が歯被覆2をはさむとき、第一及び第二部分11,12は、この例ではテープを模型に対して粘着することにより、互いに解放可能に固定可能である。第二部分12は、例えば被覆2の予め決められた歯3に対しての配置時に、第二部分12を手動で保持するためのつかみ保持器13を備えることができる。
【0054】
解放可能な結合は、例えば減圧結合、静電結合、及び/または接着剤結合フィルムにより与えられることができる。減圧結合は熱成形ユニットにより与えられることができ、そこでは変形可能な素材が予熱され、間に被覆4を持つ第一部分の上に配置され、減圧ポンプの起動により変形され、それにより素材は第一部分11により支持されている被覆2に解放可能に結合する。次いで、変形された素材は希望の形状に削られることができる。かかる減圧成形装置は、例えばDreve,ドイツから商品名Vacformat U,Vacformat 200及びDruformat Scanの下で入手可能である。静電箔またはフィルムのような結合フィルム、樹脂系及び光硬化系の両方の接着剤を持つフィルム等が例えば3M,米国から入手可能である。
【0055】
図10に示すように、歯科製品は、多数の個別化された被覆2(全てが一組の歯のためのもの)を含むことができる。図11に示すように、第二部分12を第一部分11から分離する際、第二部分12に結合されている歯被覆のそれぞれは、被覆2が付与されなければならない前歯に手動で移されることが可能であるだろう。そのとき、一時に一つの予め決められた歯または対応する歯被覆2にのみ結合材料4を付与することにより、または同時に歯被覆2のそれぞれに結合材料4を付与することにより被覆2のそれぞれを個々に付着することができ、それにより「いす時間」を減らし、被覆2が互いに対する相対位置を妨げずに付与される見込みを改善する。
【0056】
図12及び13は、模型が模型を支持するための支持体14と組み合わされている実施態様の二つの断面を概略的に示す。図13は、図12の矢印Aの方向に見たときの図12に示された実施態様(容器蓋なし)の上面図を示す。図12は、図13の矢印Bの方向に見た断面を示す。支持体14と模型は互いに対して位置的に固定されている。示された実施態様では、第一部分11は単一片部品に関し、すなわち支持体14と模型は互いに一体的に連結されている。しかし、支持体14と模型が、互いに固定されるかまたは固定可能である二つの別個の部品であることもまた可能である。図12及び13に概略的に示された組立て体はさらに容器15を含む。支持体14は、模型を容器15内に安定に保持するための寸法を持つ。容器15は、その目的のために例えば肩16を内部に備えることができ、この肩の下に支持体14の縁が留められることができる。容器15の材料は、容器の部分のわずかな曲げを可能にする熱可塑性のものであることができる。これは、支持体14を図12に示されるように配置すること、及び留め機構またはスナップ嵌め、または閉じられた容器15を提供するための従来既知のいずれかの他の機構によって、容器14を容器蓋17により閉じることを可能にするであろう。
【0057】
予め決められた歯3の上に付着される一つ以上の歯被覆2を含む上述された歯科製品2は、これらの歯3の美感を改善する。上述のように、かつ取り扱い及び配置道具としての第二部分12、すなわちつかみ保持器13を持つ箔の使用により、付与が行われることができることは全く可能であるけれども、歯科熟練者がかかる薄い被覆を取り扱うための吸引カップ及び/または減圧ピンセットを持つ道具を使用することもむしろ可能である。歯の美感を改善する方法は、上述のような歯科製品を配置することを含むことができ、さらに着色剤が添加された結合材料4の使用を含むことができる。
【0058】
本発明は、上で述べた実施態様に限定されない。多くの修正及び異なる実施態様が可能である。これらのそれぞれは、添付請求項によって規定されたように本発明の枠内に入ると理解される。
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも一つの被覆(veneer)を含む歯科製品に関する。歯科医術では、被覆は、歯の美感を改善するために、歯の表面の上に置かれた修復材料の薄い層である。従って、本発明はまた、歯の美感を改善するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
US2007/0298381A1は、歯の着色及び歯の覆いのための歯科製品を記載する。この歯科製品は、歯頸、隣接及び切開縁を持つ固体歯被覆を含む。この歯科被覆は、永久被覆または歯冠のような他の修復歯科医術を受けた歯への一時的付着のために使用される。被覆は、歯の外観を下にある歯と異なる色、寸法または形状で表示することにより変えるために、望ましくない外観を持つ歯の上に置かれる。歯被覆は、無毒で水不溶性であるポリマー材料から、好ましくはシアノ酢酸エチル系ポリマーから作られる。一時的被覆は使用者の歯の上に好ましくは7日迄残るが、一日未満または一時間未満の場合であっても使用されることができる。被覆は、非永久的接着剤タイプの材料により取り付けられ、個々の歯から歯覆いを単に取ることにより除去されることができる。先に実行された修復歯科医術は別として、歯は、このポリマー歯被覆を付与及び除去することにより物理的または化学的に変えられない。
【0003】
US2009/0004629A1は、耐久性のある射出成形されたプラスチックのようなプラスチックまたはプラスチックの被覆形から作られることができる歯列弓ラミネートの形の歯被覆を記載する。これらの歯列弓ラミネートは、人の歯に快適なかつ再使用可能な付与のための形状をしている。歯列弓ラミネートは、結合剤、セメントまたは他の半永久接着剤ではない無毒性粘着接着剤を用いて固定及び付着される。むしろ、無毒性粘着接着剤は、人がこの無毒性粘着接着剤を例えば日々の使用のために容易に再付与することができるように、一時的でありかつ再使用可能である。
【0004】
上で述べた二つの既知の被覆のそれぞれはポリマーから作られている。これは、被覆に約0.1mmから0.9mmまでの厚さを持たせることを可能にする。
【0005】
US2005/0227204A1は、口中の温水すすぎの使用により及び被覆を歯から取ることにより除去されることができる一時的使用のための再使用可能な被覆を記載する。これらの一時的被覆は磁器、プラスチック、他の半硬質複合材料、またはそれらの組み合わせから作られることができる。これらの被覆は0.2mm〜約1mmの厚さで作られることができる。
【0006】
上述の被覆のどれも、切断、研削、及び歯から材料を永久的に除去する他の形を含む歯の準備及び予備成形を必要としない。従って、これらの被覆は、準備されていない歯に付与されることができることが理解される。これは、不可逆的な変更が人に対して不快な経験であることが多くかつ処置の前に鎮痛皮下注射が使用されることを必要とするかもしれないので一般的に有利と考えられる。これはまた、被覆の付与の費用を増加する。
【0007】
明らかに、被覆の非侵襲性または最小限の侵襲性の付与は、歯材料の永久的除去を必要とする被覆の付与に対して大きな心理的利点を持つ。
【0008】
一時的被覆は確かに非常に有用であるけれども、多くの人は、被覆を付与し、除去しかつ再付与する必要性が不便で時間消費的であることをなお見出しており、彼らは、被覆を付与するために必要な材料を付与すること及び/または手元に持つことを忘れる危険を嫌う。また、一時的被覆は比較的劣った美感を与える。従って、選択された歯のどのような不快な侵襲性の準備も必要としない永久的被覆を提供するための要求がある。
【発明の概要】
【0009】
本発明は、全体的にセラミック材料からなり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満である個別化された歯科製品を提供する。表現「個別化された」は、歯科製品が個人の歯の特性に関連した特性を持つことを意味すると理解される。被覆に対しては、これは、その一方の側が、それが覆うことを意図される歯の表面に適合するように設計されることを意味することが多い。適合されると、歯から材料を除去する必要がなくなるだろう。また、歯被覆の板の厚さが与えられると、歯から材料を除去する必要がない。従って、この被覆は、「準備なし」被覆と呼ばれることができる。選択された歯の上への被覆の配置は、一組の歯及びそれぞれの人の口内の空間的配置に不快に影響しない。歯被覆をセラミック材料から作ることは、歯材料が人の口内環境に人の寿命を通して耐えさせることができるので、歯被覆の永久的使用を可能にする。
【0010】
歯被覆の特注製造にもかかわらず、取り扱い及び正しい付与、すなわち歯被覆の歯への固定は、歯科熟練者の技術を必要とするかもしれない。
【0011】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの歯被覆のそれぞれは、被覆により覆われる予め決められた歯の一部と適合するように設計される。有利には、被覆により覆われた歯の形状の実際の外観は、被覆により覆われる前の歯の形状と比べて異ならないであろう。被覆は単にその歯の色の外観の改善を提供する。
【0012】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの被覆のそれぞれは、被覆により覆われる準備なしの歯の一部に対応するように個別に設計される。有利には、各被覆が一組の歯の中のその特別に意図された位置に対して最適化されることを確実にすることに大きな注意が払われることができる。
【0013】
本発明による歯科製品の一実施態様では、セラミック材料は半透明である。これは、被覆を選択された歯の上に付与する歯科医またはいずれかの他の熟練者が歯被覆を歯に付着するための結合材料に好適な着色剤を添加することにより歯の色に関する外観を改善する可能性を提供する。これは、処置の最終段階で歯の最適色を得ることを可能にする。被覆の好適色を得るための歯科技術者の関与は必要でなく、関与する人のための費用及び時間を抑制する。
【0014】
本発明による歯科製品の一実施態様では、製品は一組の歯に対して複数の歯被覆を含む。複数の歯被覆は、上方の六個の前歯を覆うために適していることが多い。有利には、歯被覆(単数または複数)の付与は一回で行われることができ、従って個々の歯の色の望ましくない差が避けられることができる。もしそう望むなら、歯被覆により覆われていない歯の隣に付与された歯被覆が、覆われていない歯の色に対して強いコントラストを示さないように一組の歯に沿って色の自然なグレード設定を達成することも可能であるだろう。
【0015】
本発明による歯科製品の一実施態様では、少なくとも一つの歯被覆は、歯への付与前に硬化された少なくとも部分的に硬化された結合材料のような予備処理された結合材料を含む。そのとき、さらに、結合材料が少なくとも一つの着色材料を含むこと、及び少なくとも一つの歯被覆が少なくとも部分的に透明または半透明であることが可能である。本発明はまた、歯の美感を改善する方法を提供し、この方法は上述された歯科製品を歯表面の上に配置することを含む。
【図面の簡単な説明】
【0016】
本発明は、図面を参照してさらに説明されるであろう。
【0017】
【図1】図1は、一組の歯、及び本発明による被覆の一実施態様を示す。
【0018】
【図2】図2は、単独歯、及び本発明による被覆の一実施態様を示す。
【0019】
【図3】図3は、図2に示された歯及び被覆を示し、そこでは被覆は歯の上に置かれている。
【0020】
【図4】図4は、歯の三次元表示、及び本発明による歯科製品の一実施態様を作るための工程を示す。
【0021】
【図5】図5は、本発明による歯科製品の一実施態様の製造工程の中間製品の三次元表示を概略的に示す。
【0022】
【図6】図6は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程で使用される支持体を示す。
【0023】
【図7】図7は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程の中間結果を示す。
【0024】
【図8】図8は、本発明による歯科製品の一実施態様を製造するための製造工程の中間結果を示す。
【0025】
【図9】図9は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体を示す。
【0026】
【図10】図10は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体の第一部分を示す。
【0027】
【図11】図11は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体の使用を示す。
【0028】
【図12】図12は、本発明による歯科製品の一実施態様を一時的に保持するための組立て体を概略的にかつ断面で示す。
【0029】
【図13】図13は、図12に示された組立て体の容器蓋なしの場合の矢印A1の方向に見たときの上面図を概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の特別の実施態様が今や添付図面に関して説明されるであろう。しかし、この発明は、多くの異なる形で実現されることができ、ここに記載された実施態様に限定されるものとして解釈されるべきでなく、むしろこれらの実施態様はこの開示が完璧かつ完全であるように、かつ本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。添付図面に示された実施態様の詳細な説明に使用される用語は、本発明を限定することを意図していない。図面において、同様の数字は同様の要素を示す。
【0031】
図1は、一組の歯1並びに歯科製品2(この例では一つの歯被覆2である)を示す。かかる被覆はまた、ラミネートと呼ばれることができる。以下においては、被覆に対してのみ参照がなされるが、それは限定として解釈されるべきでない。ラミネートはまた、用語被覆によって包含される。矢印Aは、歯被覆2が一組の歯1内に配置されることを意図されている場所を示す。被覆2は、被覆2のさらなる再成形が行われる必要がないという意味で付与の準備がされている。被覆2は個別化された歯科製品に関する。被覆2は、人の歯の特性に関連している特性を持つ。被覆の一方の側(背面)は、それが覆うことを意図される歯3に適合するように設計される。被覆2は、個人(すなわち被覆2が設計される人)の特徴に相当する特徴をそれ自体持つ。その適合を仮定すれば、歯3から材料を除去する必要がないであろう。
【0032】
本発明のある実施態様に対しては、歯から材料を除去する必要がないことが述べられる。他の実施態様では、歯の小部分が、例えば研摩により準備されることができる。これは、例えば歯の表面の欠点を除去するためになされることができる。しかし、歯の前面のような全表面が研摩により準備されることは意図されていない。なぜなら例えば被覆は被覆2を付ける人に対し不快を起こさせないのに十分なほど薄いからである。
【0033】
被覆2は、それが覆うことを意図される歯3の少なくとも一部に相当するように個々に設計されることができる。被覆2により覆われたときの歯3は、その厚さを、被覆2の層により、及び被覆2を歯3に結合するための被覆2と歯3の間に置かれる結合材料4の非常に薄い層により増加するであろう。
【0034】
図2は、被覆2により覆われるべき歯3の断面図を示す。被覆2を歯3に付与するために、被覆2とその付与で互いに面する歯3の表面はそれぞれ清浄な表面を提供するために腐食されることができる。これは、慣例的に歯科熟練者により実行される通常の標準的慣行である。腐食の後、シラン処理層を各表面に付与することができる。また、これは、歯科熟練者により慣例的に実行される標準慣行に関する。シラン処理層は腐食表面に封止を提供する。この後、結合材料4の薄い層がこれらの表面のそれぞれに、すなわち被覆2と歯3に付与されることができる。この結合材料4は着色剤(図示せず)を与えられることができる。被覆2は次いで歯3に付与され、最後に図3に示される被覆2及び結合材料4により覆われた歯3となる。実質的に、歯材料が歯3から除去されていないことは注目されるべきである。従って、被覆2はいわゆる「準備なし」歯に付与される。被覆2は、被覆2により覆われる準備なし歯3の一部に対応するように個別的に設計される。結合はさらに、従来周知のように光硬化により促進されることができる。
【0035】
ある実施態様では、歯被覆2は、人の歯の上への付与前に、さらにはおそらく歯被覆4を付与する歯科熟練者への配送前に結合材料で予備処理される。通常の被覆を使用して、結合材料は典型的には被覆が付与される歯3に付与され、被覆は次いでその歯の上に置かれ、結合材料は例えば光硬化によって硬化される。本発明の実施態様によれば、結合材料は少なくとも部分的に、例えば歯被覆2を結合するために使用される全結合材料の25〜75%で歯被覆2に付与される。予備処理は、歯被覆2の製造設備でまたは歯科技術者により実行されることができる。歯3に面する背面側のような、歯被覆の少なくとも一方の側の予備処理は、次の工程の少なくとも一つを含むことができる:歯被覆の清浄化;化学的及び/または機械的連結表面を準備するための腐食ゲルの付与;輸送保護としてシランによる封止のために準備された腐食表面を提供する;シラン処理表面を得るためにシラン処理工程を付与する;シラン処理された表面の上に結合材料4の少なくとも一層の付与;前もって結合材料の上部に、または結合材料に混合して、歯頸及び/または切開着色のためのような着色材料の付与;歯被覆2に結合材料を付与する;及び歯科熟練者への配送のために結合材料4を光硬化する。
【0036】
実施態様はまた、歯被覆2を受けるための歯の熟練者による予備処理を含むことができる。熟練者による予備処理は、次の工程の少なくとも一つを含むことができる:例えばイソプロパノールによって歯3の準備されていない表面(すなわち実質的に非研摩の前面)を清浄化する;腐食ゲル、例えば、フッ化物腐食ゲル、フッ化水素腐食ゲル等によるような歯表面の腐食;腐食された歯表面のシラン処理;及び歯の表面上への25〜75%の結合材料4の残り(25〜75%が歯被覆に適用されるなら25〜75%)の付与、最後には必要な結合材料の合計100%となる。歯表面に付与された結合材料は、透明または白色のような無彩色を持つことができ、それにより被覆2に添加された着色剤により与えられた外観は実質的に影響されない。
【0037】
本発明の実施態様はまた、被覆処理のための次の工程の少なくとも一つを含むことができる:硬化された結合材料を予備処理された被覆2に与える;歯被覆を、結合材料4を含む歯表面上に付与する;被覆2を調整する;及び結合材料4を持つ表面間の連結を例えば光硬化によって硬化する。
【0038】
予備処理工程の実施態様を使用すると、被覆2は予備処理された結合材料を含むことができる。予備処理された結合材料4は、光硬化可能な歯科結合剤のような少なくとも部分的に硬化した結合材料4を含むことができる。予備処理された結合材料は、被覆2を着色するために少なくとも一つの着色材料を含むことができる。従って、被覆2のその半透明と組み合わせたその薄さのため、結合材料4の色は目に見えるであろう。従って、別個の着色層の付与は必要ない。
【0039】
図2及び3に容易に見ることができるように、被覆2は板状である。被覆2は少なくとも約0.08mmの板厚「d」を持つ。厚さ「d」は0.2mm未満であるだろう。被覆の厚さ「d」が0.14mm未満であることがより好ましい。理想的には、板厚「d」は0.1mm未満である。板厚「d」は平均厚さである。種々の部分で、被覆2はより薄くまたはより厚くすることができる。例えば、被覆2は、溝またはしわのようなより自然に見える種々の構造を含むことができる。追加的または代替的に、歯被覆は、被覆2のより自然な見え方のためにまたは例えば摩滅のために人の歯牙の失われた特徴を造り直すために前面に表面組織を含むことができる。それはまた、被覆2の境界でより薄い。厚さの好適な範囲は歯材料を除去することなく被覆2を付ける人に不快を起こさないようにかつ歯被覆の十分な強度を提供するのに十分な薄さであることが有利であることを示している。
【0040】
さらに、本発明の実施態様では、被覆2またはラミネートは下部構造のない歯科製品であり、すなわち被覆またはラミネートはラミネートまたは被覆を強化するためのいかなる中間下部構造もなしに歯表面の上に直接配置される。歯冠またはブリッジのような他の歯科補綴物、または幾つかのセラミック被覆は、コーピングまたはブリッジ下部構造のような下部構造の上に被覆層を含むことができ、そこでは被覆層は下部構造またはコーピングの上の幾つかの層内に付与され、続いて焼結される。しかし、下部構造の上のかかる被覆2は、強度問題を被らず、取り扱うために特にこわれやすくない。
【0041】
被覆2は、好ましくは半透明であるセラミック材料のものである。歯3の希望の色を得ることは、結合材料4に色剤を添加し、次いで半透明セラミック被覆2を付与することによってより容易に「配置位置」で得られることができ、従って色剤は歯3の外観にその色に関して寄与することができる。
【0042】
セラミック材料はLi−二ケイ酸塩ガラスセラミックのようなガラスセラミック材料であることができる。Li−二ケイ酸塩ガラスセラミックは高い強度を持ち、それはこわれやすい製品を取り扱うための改善された可能性を提供する。かかるガラスセラミックは例えばIvoclar Vicadent、リヒテンシュタインからの商品名IPS e.maxの下に入手可能である。これに代えて、セラミック材料はマイクロ波焼結酸化アルミニウムセラミックを含むことができる。かかる材料は、本発明の実施態様の範囲内の厚さを持つ被覆との組み合わせで特に有用である。
【0043】
ある実施態様では、全被覆2は、均一組成を持つガラスセラミックのようなセラミックの単一層を含む。従って、被覆2は、着色及び/または釉掛けのような美感層を持つ本体からなる。任意選択的に、非セラミック着色及び/または釉掛け層が被覆2の少なくとも一方の側に付加されることができる。
【0044】
セラミック被覆2のような付与の準備のできた個別化された歯科製品2は次のように製造されることができる。
【0045】
被覆2を設計するために、被覆2が設計される予め決められた歯を表わすコンピュータ読み取り可能な歯データが使用されることができる。これらのデータは、従来周知で広く利用可能な標準システムを使用して標準的な方法により得られることができる。例えば、かかる方法は、コンピュータ読み取り可能なデータを得るために印象またはこの印象に基づいた鋳造模型の走査を含むことができる。コンピュータ読み取り可能な歯データに基づいて、表示器上に、被覆2が設計される予め決められた歯3の三次元表示22を作ることができる。歯科CADプログラム内の標準ツールは、異なる角度から、回転後に、ズームインしたときの、ズームアウトしたときの、完全に透明なとき等に見たときの三次元表示22を可視化することができる。理想的には完全な予め決められた歯3が示されるけれども、予め決められた歯3の一部のみが示されることも可能である。
【0046】
三次元表示22に基づいて、コンピュータ読み取り可能な被覆データは、被覆の幾何学的形状を決定するために提供される。図4は、どのようにこれがなされることができるかを概略的に示す。三次元表示22では、選択された歯部5が規定される。選択された歯部5は被覆2により覆われるべきである。選択された歯部5は、例えば、被覆2が設計される予め決められた歯3の三次元表示内にフィニッシュラインのような線をカーソルで提供することにより規定されることができる。標準的な方法では、本質的に閉じられたその線が選択された歯部5を実際に規定することはコンピュータに確認されることができる。選択された歯部5に基づいて、被覆2の背面6が規定される。選択された歯部5に基づいて、被覆2の前面7が規定される。背面を規定することは、選択された歯部5を複写することを含むことができる。前面7を規定することはまた、選択された歯部5を複写すること(直接または間接に)を含むことができる。被覆2の背面6を規定することは、三次元表示22で可視化された選択された歯部の、おそらく例えば結合材料4のための空間を提供するために片寄り(A)を持っての再現に、基づくことができる。同様に、被覆2の前面7を規定することは、三次元表示22で可視化された、片寄り(A+B,B)を持っての、選択された歯部5の再現、または背面6の再現、に基づくことができる。ここでBは、被覆2の選択された歯部5に及び/または背面6に関する厚さを示す。規定された背面6及び前面7を持つと、背面6の縁と前面7の縁の間の連結を予め決められたプログラムに従って規定することができる。いずれにしろ、この方法により、被覆2の幾何学的形状を規定するコンピュータ読み取り可能な被覆データを得ることができる。さらに、被覆データに加えて、一つまたは幾つかの湯口のためのコンピュータ読み取り可能な湯口データを規定することができる。
【0047】
図5は、被覆2、及び鋳造または射出成形法により被覆2を製造するために使用可能な(または使用される)三つの湯口8を示す。もちろん唯一の湯口8または二つの湯口8が被覆2を製造するために使用されることができる。規定された被覆データ及び可能な湯口データを持つと、いかなる設計された湯口を持つ被覆のマスター10も三次元で提供することができる。CAM(計算機援用製造)の一例では、マスター10を提供するために採用されることができる技術は「ラピッドプロトタイピング」と呼ばれることが多く、それはステレオリソグラフィ、選択的レーザー焼結、またはインクジェット印刷を含むことができる。これに代えて、マスター10を提供するためにCAM技術としてフライス削りが採用される。かかる三次元製造法は、Solidscape,米国、3Dシステム,米国、Objet,イスラエル、またはEnvisiontech,ドイツのように、従来周知である。
【0048】
図6は、印刷支持体9を示し、その上に個別化された歯被覆の形状または製造されるマスター10及びいずれかの湯口8が設けられることができる。印刷支持体は、マスター10の表面、従って被覆2に相当する表面を持つことができる。印刷支持体9は、歯被覆のための計画されたデータに基づいてかつマスター10を製造するための上で述べたいずれかの技術により個別に製造されることができる。図7はかかる製造工程の結果を示す。個別化された歯被覆2及びそれに連結された一つの湯口8が各印刷支持体9の上に載る。
【0049】
被覆2はまた、WO2005/046502に記載された方法のいずれかによるように、フライス削りにより提供されることができ、この文献は、歯科補綴物を提供するためのいずれかの目的のために参考までに本明細書に組み込まれる。
【0050】
図8は、印刷支持体9から除去されたときの個別化された歯被覆2及び湯口8のマスター10の形状を示す。
【0051】
マスター10は、被覆2を鋳造または成形するために使用されることができる。要するに、個別化された被覆のマスター10は、任意選択的に一つ以上の湯口8(一般的に「型」とも呼ばれる)を備えるので、いわゆるキュベット内に置かれることができる。キュベット内に置かれたとき、型10は埋設材料により取り囲まれる。この方法では、型、すなわちいずれかの湯口を持つマスター10は、キュベットから完全に燃焼され、従って被覆2が作られるセラミック材料により一つ以上の湯口8、及び被覆2を形成するための空洞が形成される。材料がこの空洞に供給され、減圧下にかつ高温度で空間中に押圧される。これらの工程は全て従来周知であり、圧力、温度及び時間のような工程または焼結パラメータは使用される材料に依存する。被覆2及び湯口8が希望の形状で形成されたら、例えば埋設材料をブラストすることにより、脱型が行われる。湯口8は、研磨またはフライス削りのような標準的な方法により除去されることができる。
【0052】
製造された歯被覆2は、それが輸送される前に上で述べたように予備処理されることができる。
【0053】
いったん被覆2が製造されたら、それは一時的に保持され、おそらく輸送され、最後に被覆2が設計された歯3に付与されることが必要である。その目的のため、歯科製品2は、歯被覆2のそれぞれを間にはさむために第一及び第二部分11,12と組み合わされる。図9は、かかる第一及び第二部分11,12の一例を示す。第一部分11は、板状歯被覆の一方の側にぴったりと適合するための形状を与えられている。図9の例に示されたように、第一部分は一組の歯の模型を含むことができる。第二部分12は、板状歯被覆2の別の側をその第二部分12に対して解放可能に結合するために配置される。第二部分12は箔を含み、それはまた、テープであることができる。図9に示されるように、第一及び第二部分が歯被覆2をはさむとき、第一及び第二部分11,12は、この例ではテープを模型に対して粘着することにより、互いに解放可能に固定可能である。第二部分12は、例えば被覆2の予め決められた歯3に対しての配置時に、第二部分12を手動で保持するためのつかみ保持器13を備えることができる。
【0054】
解放可能な結合は、例えば減圧結合、静電結合、及び/または接着剤結合フィルムにより与えられることができる。減圧結合は熱成形ユニットにより与えられることができ、そこでは変形可能な素材が予熱され、間に被覆4を持つ第一部分の上に配置され、減圧ポンプの起動により変形され、それにより素材は第一部分11により支持されている被覆2に解放可能に結合する。次いで、変形された素材は希望の形状に削られることができる。かかる減圧成形装置は、例えばDreve,ドイツから商品名Vacformat U,Vacformat 200及びDruformat Scanの下で入手可能である。静電箔またはフィルムのような結合フィルム、樹脂系及び光硬化系の両方の接着剤を持つフィルム等が例えば3M,米国から入手可能である。
【0055】
図10に示すように、歯科製品は、多数の個別化された被覆2(全てが一組の歯のためのもの)を含むことができる。図11に示すように、第二部分12を第一部分11から分離する際、第二部分12に結合されている歯被覆のそれぞれは、被覆2が付与されなければならない前歯に手動で移されることが可能であるだろう。そのとき、一時に一つの予め決められた歯または対応する歯被覆2にのみ結合材料4を付与することにより、または同時に歯被覆2のそれぞれに結合材料4を付与することにより被覆2のそれぞれを個々に付着することができ、それにより「いす時間」を減らし、被覆2が互いに対する相対位置を妨げずに付与される見込みを改善する。
【0056】
図12及び13は、模型が模型を支持するための支持体14と組み合わされている実施態様の二つの断面を概略的に示す。図13は、図12の矢印Aの方向に見たときの図12に示された実施態様(容器蓋なし)の上面図を示す。図12は、図13の矢印Bの方向に見た断面を示す。支持体14と模型は互いに対して位置的に固定されている。示された実施態様では、第一部分11は単一片部品に関し、すなわち支持体14と模型は互いに一体的に連結されている。しかし、支持体14と模型が、互いに固定されるかまたは固定可能である二つの別個の部品であることもまた可能である。図12及び13に概略的に示された組立て体はさらに容器15を含む。支持体14は、模型を容器15内に安定に保持するための寸法を持つ。容器15は、その目的のために例えば肩16を内部に備えることができ、この肩の下に支持体14の縁が留められることができる。容器15の材料は、容器の部分のわずかな曲げを可能にする熱可塑性のものであることができる。これは、支持体14を図12に示されるように配置すること、及び留め機構またはスナップ嵌め、または閉じられた容器15を提供するための従来既知のいずれかの他の機構によって、容器14を容器蓋17により閉じることを可能にするであろう。
【0057】
予め決められた歯3の上に付着される一つ以上の歯被覆2を含む上述された歯科製品2は、これらの歯3の美感を改善する。上述のように、かつ取り扱い及び配置道具としての第二部分12、すなわちつかみ保持器13を持つ箔の使用により、付与が行われることができることは全く可能であるけれども、歯科熟練者がかかる薄い被覆を取り扱うための吸引カップ及び/または減圧ピンセットを持つ道具を使用することもむしろ可能である。歯の美感を改善する方法は、上述のような歯科製品を配置することを含むことができ、さらに着色剤が添加された結合材料4の使用を含むことができる。
【0058】
本発明は、上で述べた実施態様に限定されない。多くの修正及び異なる実施態様が可能である。これらのそれぞれは、添付請求項によって規定されたように本発明の枠内に入ると理解される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
付与するための準備がされた個別化された歯科製品(2)であって、
セラミック材料のものであり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満であることを特徴とする歯科製品(2)。
【請求項2】
少なくとも一つの歯被覆(2)のそれぞれが、その被覆(2)により覆われる予め決められた歯(3)の一部と適合するように個々に設計されていることを特徴とする請求項1に記載の歯科製品(2)。
【請求項3】
少なくとも一つの歯被覆(2)のそれぞれが、その被覆(2)により覆われる準備がされていない歯の一部に対応するように個別に設計されていることを特徴とする請求項1または2に記載の歯科製品(2)。
【請求項4】
原文になし
【請求項5】
セラミック材料が半透明であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項6】
製品が複数の歯被覆を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項7】
少なくとも一つの歯被覆(2)の一つを間にはさむための第一及び第二部分(11,12)と組み合わされた請求項1〜6のいずれか一つに記載の歯科製品であって、第一部分(11)が、少なくとも一つの板状歯被覆(2)の一つの一方の側とぴったり適合するための形状を与えられており、第二部分(12)が、少なくとも一つの板状歯被覆(2)の別の側を解放可能に第二部分(2)に対して結合するために配置され、かつ任意選択的に少なくとも一つのつかみ保持器(13)を含むことを特徴とする歯科製品(2)。
【請求項8】
第一部分(11)及び第二部分(12)が、第一部分(11)及び第二部分(12)が少なくとも一つの歯被覆(2)をはさむときに互いに対して解放可能に固定可能であることを特徴とする請求項7に記載の歯科製品(2)。
【請求項9】
第一部分(11)が人の一組の歯の少なくとも一部の模型を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の歯科製品(2)。
【請求項10】
セラミック材料がLi−二ケイ酸塩ガラスセラミックのようなガラスセラミック材料、またはマイクロ波焼結酸化アルミニウムセラミックであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項11】
第二部分(12)が箔を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項12】
模型が、模型を支持するための支持体(14)と組み合わされており、支持体(14)と模型が互いに対して位置的に固定されるかまたは固定可能であり、かつ任意選択的に一体的に連結されており、さらに支持体(14)が容器(15)と組み合わされ、支持体(14)が、模型を容器(15)内に安定に保持するための寸法を持つことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項13】
少なくとも一つの歯被覆(2)が、予備処理された結合材料(4)、例えば歯(3)に付与する前に硬化された少なくとも部分的に硬化された結合材料を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項14】
結合材料(4)が少なくとも一つの着色材料を含み、少なくとも一つの歯被覆(2)が少なくとも部分的に透明または半透明であることを特徴とする請求項13に記載の歯科製品(2)。
【請求項15】
歯(3)の美感を改善する方法であって、請求項1〜6,10または13〜14のいずれか一つに記載の歯科製品(2)を歯表面の上に配置することを含むことを特徴とする方法。
【請求項1】
付与するための準備がされた個別化された歯科製品(2)であって、
セラミック材料のものであり、板状であり、かつ少なくとも約0.08mmの板厚を持つ少なくとも一つの歯被覆を含み、さらに厚さが0.2mm未満、0.14mm未満、または0.1mm未満であることを特徴とする歯科製品(2)。
【請求項2】
少なくとも一つの歯被覆(2)のそれぞれが、その被覆(2)により覆われる予め決められた歯(3)の一部と適合するように個々に設計されていることを特徴とする請求項1に記載の歯科製品(2)。
【請求項3】
少なくとも一つの歯被覆(2)のそれぞれが、その被覆(2)により覆われる準備がされていない歯の一部に対応するように個別に設計されていることを特徴とする請求項1または2に記載の歯科製品(2)。
【請求項4】
原文になし
【請求項5】
セラミック材料が半透明であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項6】
製品が複数の歯被覆を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項7】
少なくとも一つの歯被覆(2)の一つを間にはさむための第一及び第二部分(11,12)と組み合わされた請求項1〜6のいずれか一つに記載の歯科製品であって、第一部分(11)が、少なくとも一つの板状歯被覆(2)の一つの一方の側とぴったり適合するための形状を与えられており、第二部分(12)が、少なくとも一つの板状歯被覆(2)の別の側を解放可能に第二部分(2)に対して結合するために配置され、かつ任意選択的に少なくとも一つのつかみ保持器(13)を含むことを特徴とする歯科製品(2)。
【請求項8】
第一部分(11)及び第二部分(12)が、第一部分(11)及び第二部分(12)が少なくとも一つの歯被覆(2)をはさむときに互いに対して解放可能に固定可能であることを特徴とする請求項7に記載の歯科製品(2)。
【請求項9】
第一部分(11)が人の一組の歯の少なくとも一部の模型を含むことを特徴とする請求項7または8に記載の歯科製品(2)。
【請求項10】
セラミック材料がLi−二ケイ酸塩ガラスセラミックのようなガラスセラミック材料、またはマイクロ波焼結酸化アルミニウムセラミックであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項11】
第二部分(12)が箔を含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項12】
模型が、模型を支持するための支持体(14)と組み合わされており、支持体(14)と模型が互いに対して位置的に固定されるかまたは固定可能であり、かつ任意選択的に一体的に連結されており、さらに支持体(14)が容器(15)と組み合わされ、支持体(14)が、模型を容器(15)内に安定に保持するための寸法を持つことを特徴とする請求項9〜11のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項13】
少なくとも一つの歯被覆(2)が、予備処理された結合材料(4)、例えば歯(3)に付与する前に硬化された少なくとも部分的に硬化された結合材料を含むことを特徴とする請求項1〜12のいずれか一つに記載の歯科製品(2)。
【請求項14】
結合材料(4)が少なくとも一つの着色材料を含み、少なくとも一つの歯被覆(2)が少なくとも部分的に透明または半透明であることを特徴とする請求項13に記載の歯科製品(2)。
【請求項15】
歯(3)の美感を改善する方法であって、請求項1〜6,10または13〜14のいずれか一つに記載の歯科製品(2)を歯表面の上に配置することを含むことを特徴とする方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図9】
【図11】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図10】
【図12】
【図9】
【図11】
【図13】
【公表番号】特表2012−531988(P2012−531988A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518825(P2012−518825)
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004170
【国際公開番号】WO2011/003611
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(506260386)ノベル バイオケア サーヴィシィズ アーゲー (42)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際出願番号】PCT/EP2010/004170
【国際公開番号】WO2011/003611
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(506260386)ノベル バイオケア サーヴィシィズ アーゲー (42)
【Fターム(参考)】
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