説明

屈曲ゾーン付き流体充填チャンバを有する履物

【課題】改良された素足感覚の運動靴が望まれていた。
【解決手段】この発明の運動靴は、アッパー20とソール30とを有する。そして、ソール30は、ミッドソール32および流体充填チャンバ60を有する。ミッドソール32およびチャンバ60には、共に屈曲ゾーンが形成されている。ミッドソール32は屈曲ゾーンによって隔てられた第1のミッドソール部と第2のミッドソール部とに画成され、前者は屈曲ゾーンにおいて後者に対して回転可能である。チャンバ60の屈曲ゾーンは、例えばチャンバ60における引張要素が存在しない領域であるか、またはチャンバ60の対向面が互いに接合されている領域に存在する。そして、チャンバ60の屈曲ゾーンはミッドソール32の屈曲ゾーンと整列している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
従来の運動靴は、アッパー(甲皮部)およびソール(底構造)という2つの主要要素を含んでいる。アッパーは足を確実に受け入れ、ソールに対して足を位置づける。また、アッパーは足を保護して通気性を与え、それによって足を冷却して汗を逃がす構成を有している。ソールはアッパーの下面に固着されて足と地面との間に位置し、地面の反力を軽減する。また、ソールは静止摩擦を与えて、過度の回内運動等の足の動きを抑制してもよい。よって、アッパーとソールとは協動して、ウォーキングやランニング等の多様な歩行活動に適した快適な構造を提供する。
【背景技術】
【0002】
運動靴のソールは一般に、履き心地を高めるインソール(中底)と、ポリマー発泡体から形成される弾性のミッドソール(間底)と、耐摩耗性および静止摩擦の両方を付与し、地面と接触するアウトソール(外底)とを含む層構造を呈する。ミッドソールに適したポリマー発泡体材料には、負荷がかかると弾性圧縮して地面の反力を軽減するエチルビニルアセテートやポリウレタンがある。従来のポリマー発泡体材料は、一つには気体によって実質的に置換された内部容積を画成する複数の開放型セルまたは閉鎖型セルを含んでいることもあって、弾性的に圧縮可能である。すなわち、ポリマー発泡体は気体を内包する複数の気泡を含んでいる。しかし、繰返し圧縮すると、セル構造は劣化する可能性があり、その結果、発泡体の圧縮性は低下する。このため、ミッドソールの反力軽減特性は運動靴の使用年数とともに低下する可能性がある。
【0003】
ポリマー発泡体製ミッドソールを軽量化し、反復圧縮後の劣化の影響を低減する方法の1つが、下記特許文献1に開示されている。特許文献1の方法では、エラストマー材料から形成される流体充填チャンバによってクッション性が付与されている。チャンバはソールの長さ方向に沿って縦に延びる複数の管状チャンバを含んでいる。チャンバは互いに流体連通し、靴の幅全体に一体的に延びている。
【0004】
また、下記特許文献2に開示されているように、チャンバはポリマー発泡体材料内に封止されていてもよい。チャンバとポリマー発泡体材料との組み合わせが、ミッドソールとしての機能を果たす。したがって、アッパーはポリマー発泡体材料の上面に装着され、アウトソールは下面に貼着される。
この種のチャンバは一般にエラストマー材料で形成され、1つ以上のチャンバをその間に密閉する上部および下部を有する構成となっている。チャンバは、流体加圧源に接続したノズルまたは針をチャンバに形成された注入口に差し込むことによって、大気圧を上回る圧力にまで加圧される。チャンバを加圧した後、注入口を密封し、ノズルを取り外す。
【0005】
靴に適した流体充填チャンバは、2枚の別々のエラストマーフィルムをチャンバの全周形状を呈するように形成する二重膜技術により製造してもよい。次いで、シートを各々の周縁沿いを貼り合わせて密閉構造を形成し、またシートを所定の内部領域においても接合してチャンバを所望の構成とする。つまり、内部接合により、チャンバに所定の形状およびサイズを与える。このようなチャンバは、溶融または別の方法により軟化させた管状のエラストマー材料をチャンバの全体形状および構成を有する金型に入れ、吹込成形技術によっても製造されている。金型は加圧した空気を供給するための開口部を1箇所に有する。加圧空気によって、液状化したエラストマー材料は金型の内面形状と共形になる。エラストマー材料はその後冷却して、所望の形状および構成を有するチャンバを形成する。
【特許文献1】米国特許第4,183,156号明細書
【特許文献2】米国特許第4,219,945号明細書
【特許文献3】米国特許第5,713,141号明細書
【特許文献4】米国特許第5,952,065号明細書
【特許文献5】米国特許第6,082,025号明細書
【特許文献6】米国特許第6,127,026号明細書
【特許文献7】米国特許第4,936,029号明細書
【特許文献8】米国特許第5,042,176号明細書
【特許文献9】米国特許第6,013,340号明細書
【特許文献10】米国特許第6,203,868号明細書
【特許文献11】米国特許第6,321,465号明細書
【特許文献12】米国特許第4,340,626号明細書
【特許文献13】米国特許第6,837,951号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、ある局面から見ると、アッパー(甲皮部)と、アッパーに固着されたソール(底構造)とを有する履物であり、前記ソールはミッドソール要素と、流体充填チャンバとを備えている。前記ミッドソール要素はミッドソール屈曲ゾーンによって隔てられた第1のミッドソール部と第2のミッドソール部とを画成し、前記第1のミッドソール部は前記ミッドソール屈曲ゾーンにおいて前記第2のミッドソール部に対して回転可能である。前記チャンバはチャンバ屈曲ゾーンによって隔てられた第1のチャンバ部と第2のチャンバ部とを有し、前記第1のチャンバ部は前記チャンバ屈曲ゾーンにおいて前記第2のチャンバ部に対して回転可能である。前記第1のチャンバ部は前記第1のミッドソール部に結合されており、前記第2のチャンバ部は前記第2のミッドソール部に結合されており、また前記チャンバ屈曲ゾーンは前記ミッドソール屈曲ゾーンと整列している。
【0007】
本発明は、他の局面から見ると、アッパーと、アッパーに固着されたソールとを有する履物であり、アッパーは外側バリアと、引張部材とを有するチャンバを含んでいる。前記外側バリアは、前記チャンバの周縁沿いに互いに接合され、周縁接合を画成して前記チャンバ内に流体を封止する第1の面、および反対側の第2の面を有している。前記引張部材は前記外側バリア内に位置して前記第1の面と前記第2の面とに接着され、前記流体の圧力に起因する前記第1の面および前記第2の面の外向きの動きを抑制する。前記引張部材は屈曲ゾーンによって隔てられた第1の部分と第2の部分とを有し、前記引張部材の少なくとも一部が前記屈曲部には存在しない。前記第1の面と前記第2の面とは、前記屈曲ゾーン内および前記引張部材の前記第1の部分と第2の部分との間において少なくとも一部が互いに接合されている。
【0008】
本発明の多様な局面を特徴付ける新規な利点および特徴は、添付の特許請求の範囲において詳細に指摘する。ただし、これらの新規な利点および特徴の理解をさらに深めるためには、発明の局面に関する様々な実施形態および概念を説明し、例示する以下の説明事項および添付図面を参照するとよい。
上記の概要および下記の詳細な説明は、添付図面と併せて読めばよりよく理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下の説明および添付の図面は、本発明の各側面による履物10を開示する。履物10は運動、特にランニングに適した構成を有するものとして図示し、以下に説明する。ただし、履物10に関して開示される概念は、例えばバスケットボール、野球、フットボール、サッカー、ウォーキング、およびハイキングを含む、他の広範囲な運動活動用に特に設計された履物に適用してもよく、また様々な非運動活動に適用してもよい。したがって、本明細書で開示する概念は広範囲の履物に適用されてもよく、以下に説明し、図示する特定の実施形態に限定されないことが当業者には理解されるであろう。
【0010】
図1〜図5に示される履物10は、アッパー(甲皮部)20とソール(底構造物)30とを含んでいる。アッパー20は縫合または接着結合されて足を快適に受け入れ、ソール30に対して足をしっかりと位置づける内部空間を形成する様々な材料要素から成る。ソール30はアッパー20の下部に固着されて、履物10が地面に当たるときに反力を軽減し、エネルギーを吸収する(すなわちクッション性を付与する)ための耐久性・耐摩耗性のある構成要素を供する。
【0011】
参照のため、履物10を図1および図2において画成されている3つの一般的な領域、すなわち足前領域11、足中領域12、およびかかと領域13に区分してもよい。また、履物10は内側部14と、反対側の外側部15とを含む。領域11〜13および側部14〜15は、履物10の厳密な領域区分を設定するようには意図されていない。領域11〜13および側部14〜15は、以下の説明中で参照の枠組みを提供する履物10の一般的な領域を表すように意図されている。領域11〜13および側部14〜15は一般的に履物10に適用されるが、特に領域11〜13および側部14〜15はアッパー20、ソール30、またはアッパー20もしくはソール30内の個々の構成要素または部分にも適用される。
【0012】
アッパー20に適した種々の材料には、従来の履物のアッパーに利用されている材料も含まれる。したがって、アッパー20は例えば、皮革、合成皮革、天然または合成繊維材料、ポリマーシート、ポリマー発泡体、メッシュ生地、フェルト生地、不繊ポリマー材料、またはゴム材料の組み合わせから形成されてもよい。アッパー20の露出部は、縫合または接着結合された2つの同延材料層から成る。例えば図1、図2、および図4Aに示されるように、これらの層には外部層21と、隣接する内部層22とが含まれる。外部層21はアッパー20の外部側に配置され、内部層22はアッパー20の内部側に配置されてアッパー20の内部空間の表面を構成する。
【0013】
外部層21は内部層22の下地部を露出する複数の切り目23を含んでいる。内部層22を露出することにより、アッパー20の伸張性を選択的に変更する。切り目23の存在する領域において、層21および22はいずれもアッパー20に耐伸張性を付与する。しかし、切り目23が存在する領域では、切り目23によって外部層21はより大きく伸張することができる。したがって、切り目23はアッパー20に形成されて、アッパー20の特定の部分における伸張度を選択的に変化させる。また、切り目23を利用して、アッパー20の空気透過性、可撓性、および全体的美観(例えば色)を変化させてもよい。
【0014】
ソール30はインソール(中底)31と、ミッドソール(間底)32と、アウトソール(外底)33とを含んでいる。インソール30はアッパー20内に配置されて、足底(下)面と接触し、履物10の履き心地を高めるように配置されている。ミッドソール32はアッパー20の下部に固着されて、使用時に足の下で延びるように配置されている。ミッドソール32には、例えばウォーキングまたはランニング時に地面の反力を軽減する目的もある。ミッドソール32に適した材料には、エチルビニルアセテートおよびポリウレタン発泡体等、履物のミッドソールに用いられる任意の従来のポリマー発泡体がある。ミッドソール32は、バイエル社(Bayer AG)がバイフレックス(BAYFLEX)の商標名で製造しているような、約0.22の比重を有する比較的軽量のポリウレタン発泡体から形成してもよい。アウトソール33はミッドソール32の下面に固着されて耐磨耗性を付与する。アウトソール33はミッドソール32内に埋め込まれていてもよい。アウトソール33はミッドソール32の下面全体にわたって延びていてもよいが、図示された特定の実施形態ではかかと部13内に位置している。アウトソール33に適した材料には、カーボンブラックゴムコンパウンド等、履物に用いられる任意の従来のゴム材料がある。
【0015】
従来の履物のミッドソールは、足の全長にわたって延びる一体のポリマー発泡体構造であり、足の自然な動きを抑える剛性と非可撓性を有していると言えよう。しかし、この実施例は、従来の履物のミッドソールとは異なり、ミッドソール32は比較的高い可撓性および分節性を付与する分節構造を有している。ミッドソール32の(アッパー20の構造と組み合わせられた)可撓構造はランニングや他の活動中に足の自然な動きを補完するよう構成され、裸足でランニングしているような感じまたは感覚を与えることもある。しかし、裸足のランニングとは異なり、ミッドソール32は地面の反力を軽減して足にかかる全般的な圧力を低減する。
【0016】
ミッドソール32は接続部40とサイプ(細溝)形成部50とを含んでいる。接続部40は上面41と、反対側の下面42とを形成する。上面41はアッパー20に隣接配置され、アッパー20に直接固着されて足の支えとなってもよい。したがって、上面41には、足の自然で解剖学的な形状と共形の輪郭を付けてもよい。このため、上面41におけるかかと領域31に配置された部分は、足前領域11にある上面41部分よりも高さが高くなっていてもよい。また、上面41は足中領域12においてアーチを支える領域を形成していてもよく、上面41の周縁領域を全般的に隆起させて足を受け止め、着座させるための窪みを設けてもよい。さらなる実施形態では、上面41が輪郭のない構成を有していてもよい。
【0017】
サイプ形成部50は、複数のサイプ52〜52lによって隔てられ、個々に分離した複数のソール要素51を形成している。ソール要素51は、接続部40から下方に延びたミッドソール30の個別に分かれた部分である。また、ソール要素51は接続部40に固着されており、接続部40を有する単一の(すなわち一体型の)構造から形成されていてもよい。各ソール要素51の形状は種々のサイプ52a〜52lの位置によって決まる。図6に示すように、サイプ52aおよび52bはソール30に沿って縦方向に延びており、サイプ52c〜52lは略横方向に延びている。このようにサイプ52a〜52lを配置すると、ソール要素51の大半が略正方形、長方形、または台形の形状となる。最後方の各ソール要素51は、かかと領域13におけるソール30の湾曲のために、四半円形状を有している。
【0018】
前述したように、各ソール要素51の形状は種々のサイプ52a〜52lの位置によって決まるが、サイプ52a〜52lはミッドソール32内へ上方に延び、ソール要素51の間を延びる切り目、つまり空間である。一般に、サイプ52a〜52lは、ソール要素51の下面と上面41との間の距離の少なくとも2分の1にわたって延びていてもよい。つまり、サイプ52a〜52lは、ミッドソール32の厚さの少なくとも2分の1にわたって延びる、ミッドソール32内の窪部または切り目であってもよい。ただし、実施形態によっては、サイプ52a〜52lがミッドソール32の厚さの2分の1未満で延びていてもよい。
【0019】
図7A〜図7Gに示されるように、サイプ52a〜52lは、ミッドソール32に分節構造を形成することによってソール30の可撓性を高める。従来の履物のミッドソールがポリマー発泡体の単一要素であるのに対し、サイプ52a〜52lはソール30に屈曲ラインを形成するため、ミッドソール32の屈曲方向に影響を及ぼす。サイプ52a〜52lを設けた結果、ソール30が屈曲または分節しようとする様子が図5に図示されている。
【0020】
ソール30の横方向の可撓性(すなわち、外側部と内側部との間に延びる方向における可撓性)はサイプ52aおよび52bによって付与される。サイプ52aは3つの領域11〜13全てを縦方向に貫通している。サイプ52aは直線または線形の形状を有していてもよいが、サイプ52aは略湾曲形状またはS字形状を有するように図示されている。足前領域11および足中領域12において、サイプ52aはソール30の外側部から内方へ間隔を置いて配置されており、またかかと領域13では中央に位置している。足前領域11と足中領域12の一部にのみ位置するサイプ52bは、中央に位置してサイプ52aと略平行な方向に延びている。一般に、サイプ52aおよび52bの深さは、サイプ52および52bが足前領域11からかかと領域13に延びるにつれて深くなる。
【0021】
ソール30の縦方向の可撓性(すなわち、領域11および13間に延びる方向における可撓性)はサイプ52c〜52lによって付与される。サイプ52c〜52fは足前領域11に配置され、サイプ52gは足前領域11と足中領域12との間の境界面にほぼ沿って延びている。サイプ52hおよび52iは足中領域12に配置され、サイプ52jは足中領域12とかかと領域13との間の境界面にほぼ沿って延びている。サイプ52kおよび52lはかかと領域13に配置されている。図6を参照すると、サイプ52i〜52lは略平行で、内側部から外側部に至る方向に延びている。サイプ52c〜52hもまた略平行な形状を有しており、内側部から外側部に至る方向に延びているが、サイプ52c〜52hは、サイプ52i〜52lに対して幾分角度付けされている。
【0022】
サイプ52a〜52lの位置および向きはランニングサイクル中の足の自然な動きを補完するよう選択される。一般に、ランニング中の足の動きは以下のように進行する。まず、かかとから着地し、次いで足の丸くふくらんだ部分が着地する。かかとが地面から離れると、足は前方に丸まって、つま先が接触する。最後に、足全体が地面から離れて別のサイクルを始める。足が地面と接触している間、足は、通常、外部つまり外側部から内部つまり内側部に丸まり、この過程は回内運動と呼ばれる。つまり通常、かかとの外部側からまず着地し、足の内部側のつま先が最後に地面から離れる。サイプ52c〜52lは、足が中立着地位にあることを確実にし、足が地面と接触している時の、足の中立位での前方への丸まりを補完する。サイプ52aおよび52bは、ランニングサイクル中に足が自然に回内運動できるよう横方向の可撓性を付与する。同様に、前述した通り、サイプ52c〜52hの角度付けられた構成は、足の自然な動きをさらに高める付加的な可撓性を付与する。
【0023】
足前領域11における逆方向の屈曲を可能にするため、サイプ52eは他のサイプ52a〜52dおよびサイプ52f〜53lよりも広い幅を有している。図5に示すように、サイプ52a〜52lは一般にソール30の上方への屈曲を可能にする。ランニングサイクルの終りに(すなわち、つま先が地面を離れる前に)さらなる静止摩擦を付与するため、人によってはつま先を足底側へ屈曲させるか、またはつま先を地中に押し付ける可能性がある。サイプ52eのより広い側面により、足底の屈曲が容易になり、その結果ランニング中の足の自然な動きが助長される。つまり、サイプ52eはミッドソール32に逆方向の屈曲用の溝を形成する。実施形態によっては、サイプ52c〜52gのうち2つ以上が逆方向の屈曲を容易にするより広い側面を呈してもよい。
【0024】
アウトソール33は、選択された各ソール要素51の下面に固着された複数のアウトソール要素を含んでおり、選択された各ソール要素51の下面には窪部が形成されてアウトソール要素を受容する。図に示されるように、アウトソール33はかかと領域31に限定されている。ただし、実施形態によっては、各ソール要素51がそれぞれアウトソール要素に付随するか、またはアウトソール33がミッドソール32の下面全体にわたって延びていてもよい。
【0025】
複数の製造方法がミッドソール32の形成に適している。例えば、ミッドソール32を単一の要素として形成した後、サイプ52a〜52lを切り込み工程によって形成してもよい。また、ミッドソール32を成形し、その成形中にサイプ52a〜52lを形成してもよい。ミッドソール32に適した成形方法には、例えば射出成形、鋳込成形、または圧縮成形がある。各成形方法において、吹き出されたポリマー樹脂が、ミッドソール32と略同形で同構成の金型の中に注入される。金型はサイプ52a〜52lの位置に対応するブレードを含んでいる。ポリマー樹脂は金型の中に注入されて、各ブレードの周囲に位置する。硬化時に、ミッドソール32は、成形工程中に形成されたサイプ52a〜52lとともに金型から外される。サイプ52a〜52lの幅は、金型内のブレードの厚みを変更することにより調整してもよい。したがって、例えばサイプ52eの逆方向の屈曲性を、サイプ52eを形成するブレードの厚さを介して調整してもよく、他のサイプ52a〜52dおよび52f〜52lが逆方向に屈曲する度合いを、対応するブレードの厚さを介して調整してもよい。サイプ52a〜52dおよび52f〜52lを形成するブレードの適切な幅の範囲は0.2〜0.3mmであり、これによって比較的小さな逆方向の屈曲が付与される。同様に、サイプ52eを形成する金型部分の適切な幅の範囲は、例えば3〜5mmであり、これによってより大きな逆方向の屈曲が付与される。
【0026】
アッパー20とソール30とは、協動的に屈曲するか、伸張するか、または動いて、人に対して自然で、裸足でランニングしているような感覚を与える構造を有している。つまり、アッパー20とソール30とは、ランニングまたは他の活動中に足の自然な動きを補うよう構成されている。上述のように、外部層14はアッパー20の伸張性を特定の領域および特定の方向において高める複数の切り目23を含んでいる。サイプ52a〜52lの位置、向き、および深さは、特定の領域および特定の方向において特定の可撓度を付与するよう選択される。つまり、サイプ52a〜52lは、人に対して自然で、裸足でランニングしているような感覚を与えるために利用されてもよい。しかし、裸足のランニングとは異なり、ソール30は地面の反力を軽減して、足にかかる全般的な圧迫を低減する。
【0027】
前述したように、従来のソールは、足の自然な動きを抑制する比較的剛性または非可撓性の構成を有していると言えよう。例えば、ランニングサイクルの段階中に、かかとが地面を離れるとき、足が屈曲しようとすることがある。非可撓性のミッドソール構造と、従来のヒールカウンターとの組み合わせが、足の屈曲に抗うように作用する。これに対して、履物10は足とともに屈曲し、従来のヒールカウンターを組み込まない構成を有していてもよい。
【0028】
ソール30の他の構成が図8〜図11Dに示されている。前述した構成とは異なり、図8〜図11Dは、ミッドソール32がソール30の地面の反力軽減特性を高める流体充填チャンバ60を含むことを示している。ミッドソール32のポリマー発泡体材料は、チャンバ60を受容する上面41の窪部を画成するように図示されている。あるいは、チャンバ60を中底31と置き換えても、チャンバ60を上面41上に載置しても、またはポリマー発泡体材料がチャンバ60を封止してもよい。よって、チャンバ60をソール30に組み込むために様々な技術を用いてもよい。
【0029】
チャンバ60の主要な要素は、外側バリア70および引張部材80である。バリア70はポリマー材料から形成されてもよく、チャンバ60によって収容された加圧流体に対して実質的に不浸透性の第1のバリア層71および第2のバリア層72を含んでいる。第1のバリア71および第2のバリア72は、それぞれの周縁沿いが互いに接合された周縁接合73を形成し、内部に引張部材80を配置した密封要素を協同で形成する。第1のバリア層71はチャンバ60の上面を形成し、第2のバリア層72はチャンバ60の下面を形成する。バリア層71および72はいずれもチャンバ60の側壁面の一部を構成する。この構成により、周縁接合73は、チャンバ60の上面と下面との間の位置に配置される。よって、周縁接合73は、第1のバリア層71および第2のバリア層72が両方とも側壁面の一部を形成するように、側壁面を貫通してもよい。あるいは、周縁接合73は上面または下面の一方と隣接配置されて、側壁面越しの可視性を高めてもよい。したがって、バリア70の具体的な構成は大幅に変化する可能性がある。周縁接合73に加えて、バリア70は周縁接合73よりも内方に位置する複数の屈曲接合74を画成している。
【0030】
引張部材80は、第1の壁81、第2の壁82、ならびに第1の壁81および第2の壁82のいずれにも固定された複数の接続部材83を含む。繊維構造を有する複数の個別の要素として構成されてもよい。第1の壁81は第2の壁とは間隔をおいて配置され、接続部材83は第1の壁81と第2の壁との間に延びて、第1の壁81と第2の壁との間にほぼ一定の間隔を保っている。以下により詳細に述べるように、第1の壁81は第1のバリア層71に接着されており、第2の壁82は第2のバリア層72に接着されている。この構成において、チャンバ60内の加圧流体はバリア層71および72に外向きの力を加えて、バリア層71および72を引き離すように動かそうとする。しかし、加圧流体によって加えられた外向きの力は、接続部材83を伸長させて引張状態にするため、バリア層71および72がさらに外向きに動くことを抑制する。よって、引張部材80はチャンバ60の内面に接着されて、チャンバ60の加圧時にバリア層71および72が互いから離れるように動くおそれを制限する。
【0031】
引張部材80を第1のバリア層71および第2のバリア層72それぞれに接着するのに、様々な技術を用いてもよい。例えば、熱活性化融剤の層を1のバリア層71および第2のバリア層72に塗布してもよい。融剤は、熱可塑性ポリウレタン等の熱可塑性材料のシートであって、引張部材80をバリア層71および72の間に配置する前に加熱して、バリア層71および72に押圧接触させてもよい。次いで、融剤がバリア層71および72に接着するようにチャンバ60の種々の要素を加熱圧縮し、それによって引張部材80をバリア70に接着する。あるいは、複数の溶融フィラメントを第1の壁81および第2の壁82と一体化させてもよい。溶融フィラメントは、チャンバ60の種々の構成要素をともに加熱圧縮する際に、溶融してバリア層71および72に接着、または固着されるような材料から成る。したがって、溶融フィラメントに適した材料には、熱可塑性ポリウレタンまたはバリア層71および72に適した材料として以下に述べる材料のうちのいずれかが含まれる。引張部材80の製造工程中に、溶融フィラメントを織物化するか、または機械的処理を施して壁81および82に組み込んでもよく、または溶融フィラメントを後で壁81および82に組み込んでもよい。
【0032】
引張部材80は、ミッドソール32のソール51と位置的に対応している複数の個別の要素を含んでいる。より具体的には、引張部材80の個別の要素は、ソール要素51と大略的に対応するよう成形され、ソール要素51の上側に位置している。屈曲接合74は引張部材80の個別の要素間に延び、種々のサイプ51a〜52lと位置的に対応している。屈曲接合74の利点の1つは、チャンバ60が屈曲接合74によって画成された多様なラインに沿って屈曲または湾曲しやすいことである。つまり、屈曲接合74は、チャンバ60の他の領域よりもより可撓性の高い領域をチャンバ60に形成している。したがって、屈曲時に、引張部材80の種々の個別の要素を含むチャンバ60における部分は、屈曲接合74によって画成されたラインに沿って相互に屈曲する。チャンバ60の構成によっては、引張部材80の個別の要素が異なる厚さを呈して、異なる領域でチャンバ60の厚さを変えてもよい。例えば、足のアーチに対応するチャンバ60の領域は、他の領域より厚くてもよい。
【0033】
サイプ52a〜52lはソール30において種々の屈曲領域またはゾーンを画成している。前述したように、サイプ52a〜52lの位置、方向、および深さは、選択された領域および方向において特定の可撓度を付与するために選択されて、サイプ52a〜52lを、人に対して自然で、裸足でランニングしているような感覚を与えるために利用してもよい。屈曲接合74は、サイプ52a〜52lに対応する領域においてチャンバ60の可撓性を高めることにより、この効果を助長する。さらに、サイプ52aおよび52bは互いに対して実質的に平行であり、サイプ52aおよび52bに対応する屈曲接合74もまた、互いに対して実質的に平行となる。同様に、サイプ52c〜52lは実質的に互いに対して平行であり、サイプ52c〜52lに対応する屈曲接合74もまた、実質的に互いに対して平行となる。
【0034】
チャンバ60における引張部材80を含む部分は、7つの材料層、すなわち第1のバリア層71、第1のバリア層71に隣接する融剤、第1の壁81、接続部材83、第2の壁82、第2のバリア層72に隣接する融剤、および第2のバリア層72から効果的に構成されている。チャンバ60の加圧または膨張時にこれらの部分を屈曲させるためには、7つの材料層(接続層83を潜在的に除いて)はいずれも屈曲力に対応して伸張または圧縮しなければならない。これに対して、チャンバ60における屈曲接合74に対応する部分は、2つの材料層、すなわち第1のバリア層71および第2のバリア層72から効果的に構成されている。この部分を屈曲させるために屈曲力に対応して伸張または圧縮しなければならないのはバリア層71および72のみである。そのため、チャンバ60における屈曲接合74に対応する部分は、屈曲接合74の材料数が少ないため、より高い可撓性を示すことになる。
【0035】
屈曲接合74は、チャンバ60内の流体がチャンバ60全体にわたって循環することを可能にする種々の間隙を含んでいてもよい。つまり、チャンバ60における引張部材80の個別の要素を含む各領域はそれぞれ、流体連通していてもよい。この構成における流体の圧力は、チャンバ60の各領域において実質的に等しくなる。あるいは、屈曲接合74はチャンバ60の種々の領域間の流体連通を妨げてもよい。例えば、屈曲接合74は引張部材80の個別の要素にそれぞれ対応する種々のサブチャンバを構成するか、または領域11〜13に対応するチャンバ60の各領域を分離してもよい。チャンバ60の種々の領域間の流体連通を妨げる利点の1つは、各領域の初期圧力がそれぞれ異なっていてもよいことである。例えば、足前領域11およびかかと領域13にあるチャンバ60の各部分は、足中領域12にある部分よりも高い流体圧力を有していてもよい。
【0036】
バリア70を形成する材料は、熱可塑性エラストマー等のポリマー材料であってもよい。より具体的には、バリア70に適した材料は、上記特許文献3および4にそれぞれ開示されているような、熱可塑性ポリウレタンとエチレンビニルアルコール共重合体とを交互に積層して形成するフィルムである。この材料の変形例の1つとして、中心層をエチレンビニルアルコール共重合体で形成し、中央層に隣接する2つの層を熱可塑性ポリウレタンで形成し、各外層を熱可塑性ポリウレタンとエチレンビニルアルコール共重合体とのリグラインド材料で形成したものを利用してもよい。バリア70に適した他の材料は、上記特許文献5および6にそれぞれ開示されているような、気体バリア材料およびエラストマー材料の層を交互に含み可撓性ミクロ層膜である。さらに他の適切な熱可塑性エラストマー材料またはフィルムには、鋳型成型または押出成型したエステル系のポリウレタンフィルムなどの、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエステルポリウレタン、およびポリエーテルポリウレタンがある。さらに他の適切な材料が、上記特許文献1および2にそれぞれ開示されている。さらに、いずれもエステル系またはエーテル系である、ダウ・ケミカルカンパニー(Dow Chemical Company)の製品であるペレセン(PELLETHANE)、BASF社(BASF Corporation)の製品であるエラストラン(ELASTOLLAN)、およびB.F.グッドリッチ社(B.F.Goodrich Company)の製品であるエステーン(ESTANE)など、数多くの熱可塑性ウレタンを利用してもよい。さらに、ポリエステル系、ポリエーテル系、ポリカプロラクトン系、およびポリカーボネートマクロゲル系の、他の熱可塑性ウレタンを利用してもよく、各種窒素遮断材を利用してもよい。さらに適した材料には、上記特許文献7および8にそれぞれ開示されている結晶性材料を含有する熱可塑性フィルムや、上記特許文献9、10および11にそれぞれ開示されているポリエステルポリオールを含有するポリウレタンがある。チャンバ60に収容される流体は、例えば、ヘキサフルオロエタンや六フッ化硫黄など、上記特許文献12に開示されている気体のうちのいずれであってもよい。また、流体は加圧オクタフルオロプロパン、窒素、および空気を含んでいてもよい。流体の圧力は、例えば、ゼロゲージ圧から1平方インチあたり40ポンドまでの範囲で変動してもよい。
【0037】
引張部材80には、二重針棒ラッセル編み工程など、様々な製造方法を用いてもよい。第1の壁81、第2の壁82、および接続部材83のそれぞれを、例えばナイロン6,6とナイロン6との組合せを有する仮撚り紡織糸など、エアバルキーヤーンたは別の方法で紡織した糸で形成してもよい。引張部材80の厚さは、接続部材83が第1の壁の81と第2の壁82との間で引張状態にあるときに測定すると、本発明の範囲内で大幅に変動する可能性があるが、履物用途に適した厚さは2〜15mmの範囲で変動してもよい。前述の通り、引張部材80の個別の要素は異なった厚さを呈してチャンバ60の厚さを異なる領域で変化させる。
【0038】
接続部材83はフィラメントあたりのデニールが約1〜20でよく、適正する範囲の1つは2〜5の間である。接続部材83を具備する個々の引張フィラメントは、デニールあたり約2〜10gの引張強度を示してもよく、また糸1本あたりの引張フィラメントの数は約1〜100の範囲で変動してもよく、適正範囲の1つは40〜60の間である。一般的に、1タフトまたは1ストランドあたりの糸の数は約1〜8本であり、引張部材60は布地1平方インチあたり約200〜1000タフトまたはストランドで編み、適正範囲の1つは1平方インチあたりのストランドが400〜500の間である。そのため、布地の嵩密度は、1平方インチ・デニールあたりの繊維が約20,000〜300,000の範囲である。
【0039】
接続部材83は、空隙によって互いに隔てられた列状に並べてもよい。空隙を使用すると、連続した接続糸を利用した二重壁の布で引張部材を形成する場合と比べて、引張部材80の圧縮性が高まる。空隙は、二重針棒のラッセル編み工程中に、ある所定の針の接続糸を縦糸の方向に落として形成してもよい。3針入れて3針出して編むと、接続部材83の列が空隙によって隔てられた適切な布地が製造される。2針入れて2針出すか、4針入れて2針出すか、2針入れて4針出すか、またはそれらを任意に組合せるなど、針の出し入れの異なる編み様式を使用してもよい。また空隙は、縦糸方向に針を落とすか、連続過程で選択的に編んだり編まなかったりすることによって、縦横両方向に形成してもよい。
【0040】
チャンバ60を製造するために、様々な製造方法を使用してもよい。例えば、引張部材80の種々の要素を第1のバリア層71上に並べて接着する場合に、二重膜技術を利用してもよい。次いで、第2のバリア層72を引張部材80の種々の要素の反対側の面に接着する。引張部材80をバリア70に接着した後、周縁接合73と屈曲接合74とが形成される。その後、チャンバ60を加圧してもよい。あるいは、上記特許文献13に開示されている工程と同様の熱成形工程を利用してもよい。あるいはさらに、引張部材80を第1のバリア層71および第2のバリア層72の上に並べて接着し、周縁接合73を形成し、チャンバ60を加圧し、その後各屈曲接合74を形成する。
【0041】
ソール30の他の構成が図12〜図14に示されている。図12〜図14において、引張部材80の種々の要素は複数の連結部84によって連結されている。前述したように、引張部材80の種々の要素は、チャンバ60における互いに流体連通している領域を構成してもよい。連結部84はチャンバ80の各領域間で様々な流体の通路を画成している。引張部材80の各要素をそれぞれ連結部84によって連結してもよいが、図12〜図14は、領域11〜13における引張部材80の各要素が連結部によって連結されていない構成を示している。この構成により、例えば流体圧力を領域11〜13間でそれぞれ変えることが可能となる。
【0042】
連結部84の長所の1つは、製造効率に関する。図8〜図11Dに示すように、引張部材80が複数の個別の要素から構成される場合、個々の要素をバリア層71および72に対して適切に配置しなければならない。連結部84は引張部材80の要素を効果的に相互連結して、複数の小型の要素よりも配置が容易な大型の要素を構成する。
前述し、図示したチャンバ60の具体的な構造は大幅に変化してもよい。例えば、繊維引張部材80を含むチャンバ60が開示されている。実施形態によっては、引張部材80を発泡体材料から形成するか、または引張部材80がなくてもよい。バリア層71および72間に接合を形成することは、チャンバ60に屈曲ゾーンを形成するのに有効な方法ではあるが、実施形態によっては屈曲接合74がなくてもよい場合もある。言い換えると、チャンバ60の屈曲ゾーンは、層71および72の未接合の部分によって構成されてもよい。よって、チャンバ60は本発明の側面の範囲内であれば、上記で開示した構造から逸脱してもよい。
【0043】
上述したように、チャンバ60は履物10の実質的に縦方向全長にわたって延びている。しかし、実施形態によってはチャンバ60を、例えば領域11〜13のうちの1つ、または側部14および15のうちの一方に限定してもよい。図15を参照すると、チャンバ60は、足前領域11、およびミッドソール領域12のいくつかの部分に主として配置されるような構成を有しているように図示されている。
【0044】
図16に、アッパー20’およびソール30’を有する、他の履物10’が示されている。アッパー20’はソール30’に固着されて、任意の従来型または非従来型の構成を有していてもよい。ソール30’は、ミッドソール32’、アウトソール33’、およびチャンバ60’を含んでいる。ミッドソール32’は少なくとも一部が、ポリウレタンまたはエチルビニルアセテートなどのポリマー発泡体から形成され、少なくとも一部がチャンバ60’を含んでいる。図17に示すように、ミッドソール32’は、屈曲ライン36’によって隔てられた1対の領域35a’および35b’を含んでいる。領域35a’はミッドソール32’の大部分を形成して、ミッドソール32’の実質的全長にわたって延びている。領域35b’は例えば、ミッドソール32’の外側部後ろの隅部に位置して、ランニング中にミッドソール32’の残りの部分に先行して接地するよう配置されている。領域35a’を構成するポリマー発泡体材料よりも、領域35b’の発泡体材料の密度は低くてもよい。屈曲ライン36’は領域35a’および35b’を隔て、領域35b’が領域35a’に対して回転するか、または屈曲することを可能にするゾーンを形成する。
【0045】
図18〜図20Bに示されるチャンバ60’は、少なくとも一部がミッドソール32’内に位置して、外側バリア70’および引張部材80’を含んでいる。バリア70’は、チャンバ60’に収容された加圧流体に対して実質的に不浸透性のポリマー材料から形成されてもよい。引張部材80’は1対の要素85a’および85b’から形成されて、引張部材80と同様の繊維構造を有していてもよい。要素85a’および85b’は互いに分離されており、屈曲接合76’が要素85a’および85b’間に延びている。屈曲接合76’はチャンバ60’において屈曲領域を画成し、バリア70’の対向面の間の接合として形成されている。
【0046】
チャンバ60’は、要素85a’が領域35a’に配置され、また要素85b’が領域35b’に配置されるようミッドソール32’に配置されている。上記したように、屈曲ライン36’は領域35a’および35b’を隔て、領域35b’が領域35a’に対して回転するか、または屈曲することを可能にするゾーンを形成する。同様に、屈曲接合76’はチャンバ60’の各領域を隔て、これらの領域が互いに対して屈曲することを可能にする。このため、屈曲接合76’は屈曲ライン36’と整列し、ソール30’の屈曲を容易にする。
【0047】
前述し、図示したチャンバ60およびチャンバ60’はそれぞれバリア70およびバリア70’を含んでいるが、いずれもポリマー材料製の2枚のシートから形成してもよい。実施形態によっては、チャンバのバリアは3つ以上の層から構成されてもよい。図21〜図22Bを参照すると、それぞれ同延のバリア層71’’、72’’および73’’から形成されたチャンバ60’’が示されている。バリア層71’’および72’’はさまざまな位置で互いに接合されて、サイプ52a〜52lと略同構成の屈曲接合74’’を画成している。つまり、例えばミッドソール32に組み込まれると、種々の屈曲接合74’’がサイプ52a〜52lと位置的に対応することになる。図22Aおよび22Bの断面図に示されるように、バリア層72’’および73’’はさまざまな位置で接合されて、屈曲接合74’’から偏位した接合75’’を画成する。また、バリア層71’’〜73’’はいずれもチャンバ60’’の周縁沿いに接合されて、周縁接合76’’を形成する。
【0048】
チャンバ60の屈曲接合74は、チャンバ60の厚さ全体が外側バリア70の対向面の間の接合領域となる領域を画成している。したがって、屈曲接合74は、地面の反力を軽減する効果が薄い領域を画成しているおそれがある。しかしながら、チャンバ60’’におけるバリア層72’’および73’’間の領域により、流体は屈曲接合74’’に付随する領域に収容される。 つまり、屈曲接合74’’に付随するチャンバ60’’の各領域もまた、バリア層72’’および73’’の間の流体充填領域により、地面の反力を軽減する効果を付与する。構成によっては、3つのバリア層71’’〜73’’を全てサイプ52a〜52lに対応する位置で接合させて、より高い可撓性を付与してもよく、また他の接合を偏位させて地面の反力を軽減する効果を高めてもよい。
【0049】
チャンバ60’’は、バリア層71’’および72’’間に屈曲接合74’’を形成しているように図示されている。実施形態によっては、接合75’’ がサイプ52a〜52lと位置的に対応するか、屈曲接合74’’および75’’の組み合わせがサイプ52a〜52lと位置的に対応してもよい。つまり、チャンバ60’’はソールにおける屈曲ゾーンと対応する屈曲を付与する多様な構成を有していてもよい。
【0050】
図23〜図24Bに、チャンバのバリアが3つ以上の層から構成されている他の実施形態がチャンバ60’’’として示され、3つのそれぞれ同延のバリア層71’’’、72’’’および73’’’から構成されている。バリア層71’’’および72’’’は、さまざまな位置で互いに接合されて、縦方向に延びる複数の接合77’’’を画成している。同様に、バリア層72’’’および73’’’は、さまざまな位置で互いに接合されて、接合77’’’から偏位した、縦方向に延びる複数の接合78’’’を画成している。サイプ52a〜52lと略同じ構成を有するさまざまな位置では、3つのバリア層71’’’、72’’’および73’’’が全て互いに接合されて、複数の屈曲接合74’’’を画成している。つまり、例えばミッドソール32に組み込まれると、種々の屈曲接合74’’’がサイプ52a〜52lと位置的に対応することになる。
【0051】
上記の説明に基づき、流体充填チャンバは、チャンバの湾曲または屈曲を容易にする種々の屈曲ゾーンを画成してもよい。また、ソールに屈曲ゾーンを組み込んでもよく、チャンバの屈曲ゾーンをソールの屈曲ゾーンに対応するよう配置して、ソール全体の可撓性を高めてもよい。チャンバの屈曲ゾーンを対向面の間の接合として、または引張部材もしくは他の要素が存在しない領域として形成してもよい。
【0052】
本発明を様々な実施形態を参照しながら、上記および添付図面において開示してきた。しかしながら本開示が果たす目的は、本発明の各局面に関わる様々な特徴および概念の一例を示すことであり、本発明の各局面の範囲を限定することではない。当業者であれば、添付の特許請求の範囲で定義される本発明の範囲を逸脱することなく、前述の実施形態に多くの変形や変更を行ってもよいことが認識されよう。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】発明の各側面による第1のソールを有する履物の外側立面図である。
【図2】前記履物の内側立面図である。
【図3】前記履物の平面図である。
【図4A】図3における切断線4A−4Aによって規定された前記履物の断面図である。
【図4B】図3における切断線4B−4Bによって規定された前記履物の断面図である。
【図5】屈曲形態にある前記履物の部分外側立面図である。
【図6】前記第1のソールの底面図である。
【図7A】図6における切断線7A−7Aによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7B】図6における切断線7B−7Bによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7C】図6における切断線7C−7Cによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7D】図6における切断線7D−7Dによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7E】図6における切断線7E−7Eによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7F】図6における切断線7F−7Fによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図7G】図6における切断線7G−7Gによって規定された前記第1のソールの断面図である。
【図8】第2のソールの斜視図である。
【図9】前記第2のソールの分解斜視図である。
【図10】第2のソールの平面図である。
【図11A】図10における切断線11A−11Aによって規定された前記第2のソールの断面図である。
【図11B】図10における切断線11B−11Bによって規定された前記第2のソールの断面図である。
【図11C】図10における切断線11C−11Cによって規定された前記第2のソールの断面図である。
【図11D】図10における切断線11D−11Dによって規定された前記第2のソールの断面図である。
【図12】第3のソールの斜視図である。
【図13】前記第3のソールの分解斜視図である。
【図14】第3のソールの平面図である。
【図15】他のチャンバ構成の平面図である。
【図16】第4のソールを有する履物の外側立面図である。
【図17】前記第4のソールの模式底面図である。
【図18】前記第4のソールの流体充填チャンバの斜視図である。
【図19】前記チャンバの平面図である。
【図20A】図19における切断線20A−20Aによって規定された前記チャンバの断面図である。
【図20B】図19における切断線20B−20Bによって規定された前記チャンバの断面図である。
【図21】さらに他のチャンバ構成の平面図である。
【図22A】図21における切断線22A−22Aによって規定された前記チャンバの断面図である。
【図22B】図21における切断線22B−22Bによって規定された前記チャンバの断面図である。
【図23】他のチャンバ構成の平面図である。
【図24A】図23における切断線24A−24Aによって規定された前記チャンバの断面図である。
【図24B】図23における切断線24B−24Bによって規定された前記チャンバの断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アッパー(甲皮部)と、前記アッパーに固着されたソール(底構造)とを有する履物であって、
前記ソールは、ミッドソールと、流体充填チャンバとを備え、
前記ミッドソールは、ソール屈曲ゾーンによって隔てられた第1のミッドソール部と第2のミッドソール部とを画成し、前記第1のミッドソール部は前記ソール屈曲ゾーンにおいて前記第2のミッドソール部に対して回転可能であり、前記ソール屈曲ゾーンは前記ミッドソールの上面および下面間の距離の少なくとも2分の1にわたって延びている刻み目であって、
前記流体充填チャンバは、チャンバ屈曲ゾーンによって隔てられた第1のチャンバ部と第2のチャンバ部とを有し、前記第1のチャンバ部は前記チャンバ屈曲ゾーンにおいて前記第2のチャンバ部に対して回転可能であり、
前記第1のチャンバ部は前記第1のミッドソール部に結合されており、前記第2のチャンバ部は前記第2のミッドソール部に結合されており、また前記チャンバ屈曲ゾーンは前記ソール屈曲ゾーンと整列していることを特徴とする履物。
【請求項2】
前記ソール屈曲ゾーンは、前記第1のミッドソール部と前記第2のミッドソール部との間を上方に延びるサイプ(細溝)であることを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項3】
前記第1のチャンバ部および前記第2のチャンバ部にはいずれも、引張部材が配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項4】
前記引張部材は、少なくとも部分的に前記チャンバ屈曲ゾーンには存在しないことを特徴とする、請求項3に記載の履物。
【請求項5】
前記第1のチャンバ部および前記第2のチャンバ部の対向面が、前記チャンバ屈曲ゾーンにおいて互いに接合されていることを特徴とする、請求項3に記載の履物。
【請求項6】
前記引張部材は繊維材料であることを特徴とする、請求項3に記載の履物。
【請求項7】
前記引張部材の個別の要素が、前記第1のチャンバ部および前記第2のチャンバ部のいずれにも配置されていることを特徴とする、請求項3に記載の履物。
【請求項8】
連結部が前記個別の要素間に延びていることを特徴とする、請求項7に記載の履物。
【請求項9】
前記チャンバ屈曲ゾーンおよび前記ミッドソール屈曲ゾーンは、前記履物の縦方向か、前記履物の内側部および外側部の間の方向かのいずれか一方に延びていることを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項10】
前記チャンバ屈曲ゾーンの第1の部分は前記履物の縦方向に延びており、前記チャンバ屈曲ゾーンの第2の部分は、前記履物の内側部および外側部の間の方向に延びていることを特徴とする、請求項1に記載の履物。
【請求項11】
アッパーと、前記アッパーに固着されたソールとを有する履物であって、
前記ソールは、外側バリアと、引張部材とを備えたチャンバを含み、
前記外側バリアは前記チャンバの周縁沿いに互いに接合され、周縁接合を画成して前記チャンバ内に流体を封止する第1の面および反対側の第2の面を有し、
前記引張部材は、前記外側バリア内に位置して前記第1の面および前記第2の面に接着され、前記流体の圧力に起因する前記第1の面および前記第2の面の外向きの動きを抑制し、前記引張部材は少なくとも3つの実質的に平行な屈曲ゾーンによって隔てられた少なくとも4つの部分を有し、前記引張部材の少なくとも一部が前記屈曲ゾーンには存在せず、
前記第1の面と前記第2の面とは前記屈曲ゾーンにおいて少なくとも一部が互いに接合されていることを特徴とする履物。
【請求項12】
前記引張部材の前記4つの部分は互いに分離していることを特徴とする、請求項11に記載の履物。
【請求項13】
前記引張部材の前記4つの部分のうち、少なくとも2つの部分の間には、連結部が延びていることを特徴とする、請求項11に記載の履物。
【請求項14】
前記引張部材は少なくとも一部が前記屈曲ゾーンには存在しないことを特徴とする、請求項11に記載の履物。
【請求項15】
前記引張部材は繊維材料であることを特徴とする、請求項11に記載の履物。
【請求項16】
前記ソールは、ミッドソール屈曲ゾーンによって隔てられた第1のミッドソール部および第2のミッドソール部を画成するミッドソール要素を含んでいることを特徴とする、請求項11に記載の履物。
【請求項17】
前記チャンバは、少なくとも一部が前記第1のミッドソール部および前記第2のミッドソール部のそれぞれに位置していることを特徴とする、請求項16に記載の履物。
【請求項18】
前記チャンバの前記屈曲ゾーンは前記ミッドソール屈曲ゾーンと整列していることを特徴とする、請求項17に記載の履物。
【請求項19】
前記ミッドソール屈曲ゾーンは、前記ミッドソール要素内へ上方に延び、前記第1のミッドソール部と前記第2のミッドソール部との間に延びるサイプ(細溝)であることを特徴とする、請求項16に記載の履物。
【請求項20】
前記チャンバの前記屈曲ゾーンおよび前記サイプは、前記履物の縦方向か、前記履物の内側部および外側部の間の方向かのいずれか一方に延びていることを特徴とする、請求項19に記載の履物。
【請求項21】
アッパーと、アッパーに固着されたソールとを有する履物であって、
前記ソールは、ミッドソール要素と、流体充填チャンバとを備え、
前記ミッドソール要素は少なくとも一部がポリマー発泡体材料から形成され、前記ポリマー発泡体材料内へ上方に延びて前記ミッドソール要素にミッドソール屈曲ラインを形成する複数のサイプ(細溝)を含み、前記サイプは、前記サイプによって隔てられた複数の個別に分かれたソール要素を画成し、
前記流体充填チャンバは、前記チャンバの周縁沿いに互いに接合され、周縁接合を画成して前記チャンバ内に流体を封止する第1の面と、反対側の第2の面とを有する外側バリアを有し、前記チャンバは前記第1の面が第2の面に接合された複数の内部接合を含み、前記内部接合のうち少なくとも一部は前記サイプの少なくとも一部と位置的に対応していることを特徴とする履物。
【請求項22】
前記サイプは、
前記履物の縦方向を向き、前記ソールの長さの少なくとも一部にわたって延びている第1のサイプと、
前記ソールの内側部から外側部へ横方向に延びている第2のサイプとを含んでいることを特徴とする、請求項21に記載の履物。
【請求項23】
前記内部接合は、
前記縦方向を向き、前記第1のサイプの上側に配置された第1の接合と、
横方向に延び、前記第2のサイプの上側に配置された第2の接合とを含んでいることを特徴とする、請求項22に記載の履物。
【請求項24】
前記チャンバは、前記ミッドソール要素の上面の窪部内に配置されていることを特徴とする、請求項21に記載の履物。
【請求項25】
前記チャンバは、前記ソールの上側に配置された複数の引張部材要素を含んでいることを特徴とする、請求項21に記載の履物。
【請求項26】
前記引張部材要素は、少なくとも一部が前記チャンバにおける前記内部接合を含む領域には存在しないことを特徴とする、請求項25に記載の履物。
【請求項27】
前記引張部材要素の間に連結部が延びていることを特徴とする、請求項25に記載の履物。
【請求項28】
前記引張部材要素は繊維材料から形成されていることを特徴とする、請求項25に記載の履物。
【請求項29】
前記内部接合のうち少なくとも1つは、前記流体が前記チャンバの第1の領域と前記チャンバの第2の領域との間を通過することを抑制することを特徴とする、請求項21に記載の履物。
【請求項30】
前記内部接合のうち少なくとも1つは、前記チャンバの第1の領域を前記チャンバの第2の領域と流体連通させることを特徴とする、請求項21に記載の履物。
【請求項31】
アッパーと、前記アッパーに固着されたソールとを有する履物であって、
前記ソールは、ミッドソール要素と、封止された流体充填チャンバとを備え、
前記ミッドソール要素は、複数のソール要素と接続部とを有し、前記ソール要素は前記接続部から下方に延びて、前記ソール内へ上方に延びる複数のサイプによって隔てられ、
前記複数のサイプは、
前記履物に対して縦方向を向き、前記ソールの長さの少なくとも一部にわたって延びている第1のサイプと、
前記ソールの内側部から外側部まで横方向に延びている第2のサイプとを含み、
前記封止された流体充填チャンバは、第1の面と、反対側の第2の面とを有する外側バリアを有し、
前記縦方向を向き、前記第1のサイプの上側に配置された第1の接合と、
横方向に延びて、前記複数の第2のサイプの上側に配置されている、複数の第2の接合とを含んでいることを特徴とする履物。
【請求項32】
前記チャンバは、前記ミッドソール要素の上面の窪部内に配置されていることを特徴とする、請求項31に記載の履物。
【請求項33】
前記チャンバは、前記ミッドソール要素の上側に位置する複数の引張部材要素を含んでいることを特徴とする、請求項31に記載の履物。
【請求項34】
前記引張部材要素の間に連結部が延びていることを特徴とする、請求項33に記載の履物。
【請求項35】
前記引張部材要素は繊維材料から形成されていることを特徴とする、請求項33に記載の履物。
【請求項36】
前記接合のうち少なくとも1つは前記流体が前記チャンバの第1の領域と前記チャンバの第2の領域との間を通過することを抑制することを特徴とする、請求項31に記載の履物。
【請求項37】
前記接合のうち少なくとも1つは前記チャンバの第1の領域を前記チャンバの第2の領域と流体連通させることを特徴とする、請求項31に記載の履物。
【請求項38】
アッパーと、前記アッパーに固着されたソールとを有する履物であって、
前記ソールは、ミッドソール要素と、流体充填チャンバとを備え、
前記ミッドソール要素は、ミッドソール屈曲ゾーンによって隔てられた第1のミッドソール部と第2のミッドソール部とを画成し、
前記流体充填チャンバは、少なくとも3つのバリア材料層を含み、前記層のうち少なくとも2つが互いに接合されて、チャンバ屈曲ゾーンによって隔てられた第1のチャンバ部と第2のチャンバ部とを画成し、
前記第1のチャンバ部は前記第1のミッドソール部と結合しており、前記第2のチャンバ部は前記第2のミッドソール部と結合しており、前記チャンバ屈曲ゾーンは前記ミッドソール屈曲ゾーンと整列していることを特徴とする履物。
【請求項39】
前記ミッドソール屈曲ゾーンは、前記ミッドソール要素内へ上方に延び、前記第1のミッドソール部と前記第2のミッドソール部との間を延びるサイプ(細溝)であることを特徴とする、請求項38に記載の履物。
【請求項40】
前記サイプは、前記ミッドソール要素の下面および上面との間の距離の少なくとも2分の1にわたって延びていることを特徴とする、請求項39に記載の履物。
【請求項41】
前記チャンバ屈曲ゾーンと前記ミッドソール屈曲ゾーンは、前記履物の縦方向か、前記履物の内側部および外側部の間の方向かのいずれか一方に延びていることを特徴とする、請求項38に記載の履物。
【請求項42】
前記チャンバ屈曲ゾーンの第1の部分は前記履物の縦方向に延びており、また前記チャンバ屈曲ゾーンの第2の部分は前記履物の内側部および外側部の間の方向に延びていることを特徴とする、請求項38に記載の履物。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11A】
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【図11B】
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【図11C】
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【図11D】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20A】
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【図20B】
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【図21】
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【図22A】
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【図22B】
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【図23】
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【図24A】
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【図24B】
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【公表番号】特表2009−524451(P2009−524451A)
【公表日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−551543(P2008−551543)
【出願日】平成19年1月19日(2007.1.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/060757
【国際公開番号】WO2007/087495
【国際公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【出願人】(592228398)ナイキ・インコーポレーテッド (43)
【氏名又は名称原語表記】Nike Inc
【Fターム(参考)】