説明

屋外型AED収納ボックス装置

【課題】AEDを収納するボックス内部の温度が過度に上昇することを防止し、屋外設置に適する屋外型AED収納ボックス装置を提供する。
【解決手段】AEDを内部に収納する本体200と、遮熱フィルムを貼付した窓部321を有し前記本体200の各外側面に設けた外側パネル300と、前記本体200と前記外側パネル300との間に設けた空気対流層360と、前記本体200の一方の面側の空気対流層360から空気を前記本体200の内部へ吸気して前記本体200内部の空気を前記空気対流層360へ排気する吸排気手段と、前記AEDへ外気を直接吹き付ける送風手段とを有して、空気対流により温度上昇を防止する構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動体外式除細動器(Automated External Defibrillator:以下、「AED」と称する。)を収納する屋外型AED収納ボックス装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、より多くの人命を救助するために、AEDの操作が一般人でも認められるようになり、操作を簡略化したAEDが、駅構内や公共施設のロビー等に設置されるようになった。AEDは、通常、収納ボックス装置に収納されて設置されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案登録第3149313号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
AED収納ボックス装置は急速に普及しており、屋内だけでなく、屋外での設置も望まれるようになってきた。しかし、特許文献1記載のAED収納ボックス装置等、従来のAED収納ボックス装置では、一重の密閉されたボックスの中にAEDが置かれているため、太陽光に曝されると放射熱やAED窓からの直射日光によってボックス内部の温度が上昇し、内部に収納されているAEDの品質劣化を生ずる恐れが高く、屋外での設置に適さないという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、AEDを収納するボックス内部の温度が過度に上昇することを防止し、屋外設置に適する屋外型AED収納ボックス装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様は、AEDを内部に収納する本体と、遮熱フィルムを貼付した窓部を有し前記本体の各外側面に設けた外側パネルと、前記本体と前記外側パネルとの間に設けた空気対流層と、前記本体の一方の面側の空気対流層から空気を前記本体の内部へ吸気して前記本体の内部の空気を前記一方の面と反対の面側の空気対流層へ排気する吸排気手段と、前記AEDへ外気を直接吹き付ける送風手段とを有することを特徴とする屋外型AED収納ボックス装置を提供する。前記吸排気手段及び送風手段として、例えばファンなどが挙げられる。
【0007】
前記送風手段が、前記本体の背面側の空気対流層から前記AEDの下方へ空気を導入し、導入した空気を前記AEDの正面側表面に吹き付けて、前記AEDの上方から前記本体の背面側の空気対流層へ空気を排気する手段を含み、前記吸排気手段が前記本体の下方において前記本体の背面側の空気対流層から前記本体の内部へ吸気して前記本体の内部の空気を前記本体の前面側の空気対流層の下方から上方に向けて排気する手段を含むことが好ましい。排気を空気対流層の下方から上方に向けて行うことで対流を促すことができる。
【0008】
さらに、前記本体と前記外側パネルとの間から前記本体の内部に入った水を前記本体の外部へ排水する排水手段を有することが好ましい。また、前記本体が、内側へ折り返した開口部周縁を有し、前記開口部周縁にパッキンが貼り廻らしてあることが好ましい。さらに、前記AEDの下面に保温手段を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0009】
本発明の屋外型AED収納ボックス装置によれば、AEDを収納するボックス内部の温度が過度に上昇することを防止し、屋外設置に適する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の正面図である。
【図2】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の上面図である。
【図3】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の右側面図である。
【図4】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の背面図である。
【図5】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の扉部を取り外した状態の正面図である。
【図6】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のCC´線断面図である。
【図7】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のBB´線断面図である。
【図8】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のAA´線断面図である。
【図9】本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のCC´線断面におけるダクト部分拡大図である。
【図10】温度測定部位を示す概略図である。
【図11】本発明の実施例と比較例の各部における温度測定結果を示す図である。
【図12】本発明の実施例と比較例のAED正面部分の温度測定結果を示す図である。
【図13】本発明の実施例と比較例の屋外型AED収納ボックス装置外側の温度測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の屋外型AED収納ボックス装置の一実施形態について、実施例を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0012】
{構成}
図1は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の正面図である。本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置100は、内部にAEDを設置した本体200を有し、本体200の胴体部・上部の周囲を外側パネル300で取り囲んである。外側パネル300により、屋外に設置した際に本体200が直射日光で直接熱せられるのを防止する。外側パネル300の正面側は、開閉自在である扉部外側パネル320であり、扉部外側パネル320の上には、表示用の窓を有する表示部外側パネル310を有する。本体200は、最下部に本体を支える台座部270を有し、上部に全体を覆う天板280を有する。天板280は、内部の詳細な構造の図示は省略しているが、本体上面の上に空気層を挟んで上面外側パネルを設ける2重構造となっている。上面外側パネルは、外側パネル300の一部を形成する。扉部外側パネル320には、AEDを設置してある高さに外側窓部321を設けてあり、本体内部のAEDが外から見える。赤色灯は天板280の上に配置されるが図示を省略してある。実施例1は、赤色灯を含まないで約175cm程度の高さであるが、大きさは限定されない。図2は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の上面図である。天板280の上には、赤色灯を設置するための穴が設けられている。
【0013】
図3は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の右側面図である。本体200の正面側には、扉部外側パネル320と連動して開閉自在である内側扉部220を有する。内側扉部220の下には、内側下部カバー部222を有するが、扉部外側パネル320には接続されず、本体に取り付けてある。扉部外側パネル320と、内側扉部220及び内側下部カバー部222との間には、空気を対流させる一定の空間である空気対流層360が設けてある。表示部外側パネル310の内側には、空気対流層360を挟んで表示部210を有する。表示部210は、内側扉部220の上に位置し、AEDの作動方法等を、LEDなどを用いた表示部に表示し、表示部外側パネル310の窓部から表示が見えるようにしてある。外側パネル300の背面側は、背面部外側パネル350であり、背面部外側パネル350と本体背面部250との間には空気対流層360が設けてある。外側パネル300の右側面側は、右側面部外側パネル330である。右側面部外側パネル330は、上部と下部にそれぞれ通気口740を有する。
【0014】
図4は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の背面図である。背面部外側パネル350の上部、中央部、下部には、通気口740を有する。外側パネル300の左側面側は、左側面部外側パネル340である。図示しないが、左側面部外側パネル340も、右側面部外側パネル330と同様に上部と下部に通気口740を有する。表示部外側パネル310と扉部外側パネル320と右側面部外側パネル330と左側面部外側パネル340と背面部外側パネル350と上面外側パネル(図示省略)とからなる外側パネル300は、本体200の各側面部・上部に接続されているが、各側面とも、本体の外側に空気対流層360を間に挟んで設けてある。外側パネル300と台座部270との間、及び外側パネルの各面の左右には、それぞれ空気対流用の隙間があり、かかる隙間や、扉側を除く外側パネル各面に設けた通気口740を通って、外部の空気を空気対流層360中に取り入れ、空気対流層360中の空気を外部に排出し、対流層中の空気を対流させる。
【0015】
図5は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置の扉部を取り外した状態の正面図である。図5において、内部構造の説明のために、内側扉部220と、内側扉部220に接続された扉部外側パネル320は取り外してある。右側面部外側パネル330の内側に本体右側面部230、左側面部外側パネル340の内側に、空気対流層360を挟み本体左側面部240があり、本体正面側は、本体前面開口部260を有し、内部のAED保持具410からAEDを出し入れできる。AED保持具410の下方には、空気を背面側から取り入れてAEDの正面側から吹き付けるためのダクト700を有する。内側下部カバー部222には、本体下部の空気を排出するとともに空気対流層360中の対流を促すための通気口740が設けられている。
【0016】
図6は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のCC´線断面図である。矢印は風の流れを示す。外側窓部321には、AEDの有無が確認できるとともに、AED保持具410に懸架するAEDが太陽光による温度上昇することを抑制するために、遮熱フィルムが貼ってある。AEDの有無が確認できるように、内側扉部220にも内側窓部221が設けてある。本体背面部250の内側には、AED保持具410の背部に当たる部分に、表示部の表示内容を制御するコントロールボードが設けてある。吸排気手段として、本体200の下部にはダクト700が、送風手段として、本体200の中央部にはダクト700そして上部には通気口740が、それぞれ設けてある。中央部のダクト700は、背面側の空気対流層360から外気を本体内部へ送風するために、本体背面側に、通気口740と通気口740に設けられ外気を本体内部へ強制吸気するファン710と、ファン710に付属し外部下方から内部上方へと風を導くグリル(図示省略)とファン710に付属するフィルタ730が、左右並べて2組設けてあり、AED側に風の吹出口750を有する。中央部のダクト700は、風を背面側からAED側に導くために、ファン710からAED側の送出口までをファン用ダクトカバー720で囲われてなる。上部の通気口740は、内部上方から外部下方へと風を導くグリル(図示省略)が付属され、内気を本体外部へ自然排気する。下部のダクト700は、正面側に、通気口740と通気口740に設けられ内気を本体外部へ強制排気するファン710と、ファン710に付属し内部下方から外部上方へと風を導くグリル(図示省略)とファン710に付属するフィルタ730が設けられ、背面側に、外部下方から内部上方へ風を導くグリル(図示省略)を設けて外気を本体内部に自然吸気する通気口740が設けてあり、上部は、仕切板500で本体中央部と仕切られており、下部には、正面側から背面側へ下がる傾斜が付けられ水を外へ流出させる排水用板600が設けられている。屋外で使用する際に雨水が入り込んでも、排水用板600により外部へ排出されるので、水が溜まらない。また、本実施例では、図示していないが、本体前面開口部260の部分において、内側へ折り返した開口部周縁を有し、開口部周縁に弾力性のあるゴム製パッキンが貼り廻らしてあり、扉を閉めると内部は密閉され気密性が保たれる。したがって、降雨時でも本体内部に水が浸入することを防止でき、防水効果がある。下部のダクト700内に背面側から取り入れられた空気は、内側下部カバー部222の通気口740へと強制的に導かれる。また、本体背面部250の上部には、通気口740が設けてあり、吹出口750からAED正面に向けて送出された風をAEDの下方から上方へ導くとともに本体内部の空気を背面側から排出する。本実施例によれば、AED表面は、風により冷却されるので、太陽熱による温度上昇が抑制される。本実施例では、本体背面部250の上部は通気口740であるが、通気口740の代わりにファン710とフィルタ730を設けて、積極的に排気することは、より好ましい。
【0017】
図7は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のBB´線断面図である。本体背面部250上部に通気口740があり、中央部にフィルタ730付きファン710が2つ設けられている。中央部のフィルタはファン用ダクトカバー720に囲まれた中に位置する。本実施例においてダクトカバー720の幅は290mmで、高さは150mmであるが、これに限定されない。図8は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のAA´線断面図である。図8は、中央部のダクト700の上面が見える位置でカットした断面図である。開閉可能な内側扉部220で閉じた本体前面開口部260と本体右側面部230と本体左側面部240と本体背面部250とを有する本体200は、扉側外側パネル320と右側面部外側パネル330と左側面部外側パネル340と背面部外側パネル350とを有する外側パネル300で囲まれるが、本体200の各面と外側パネル300の各面との間には、空気対流層360があり、外側パネルの各面の間には、空気を対流させるための隙間を有する。空気対流層360の厚さは、実施例1では、左側及び右側が20mm、正面側及び背面側が30mmである。図9は、本発明の実施例1の屋外型AED収納ボックス装置のCC´線断面におけるダクト部分拡大図である。ダクト700に取り込まれた空気は、正面上方側へと導かれ、AED保持具410に設置されるAEDの表面を通って上方背面側へ流れる。したがって、屋外で屋外型AED収納ボックス装置が太陽に曝された際、AED表面の温度上昇を抑制する。なお、本実施例においては、図示していないが、AEDの下面に保温手段として、温度センサーを有するシリコンラバーヒーターが設けてあり、AED下面の温度が10℃以下になったらスイッチが入りAEDが加温されるしくみになっている。寒冷地の屋外であっても、シリコンラバーヒーターによるヒートアップによってAEDが極度に冷えることを防止できる。
【0018】
本実施例の屋外型AED収納ボックス装置100は、左側面右側面及び正面背面の空気対流、下部背面から下部正面への空気対流、及び、中央部背面からAED正面側を通って上部背面への空気対流によって、屋外に設置した際に、太陽による放射熱や窓からの直射日光等で内部温度が上昇することを抑制し、AEDの劣化を防止する。実施例1の屋外型AED収納ボックス装置100は屋外設置に適する。
【0019】
{実験結果}
上記した本発明の実施例1以外に比較例1を制作し、遮熱効果について測定した。比較例1は、実施例1と同じ大きさで、外側パネルもダクトもファンも通気口もなく、一重の本体壁のみで扉部も1枚扉である密閉されたボックスの中にAEDが収納された屋外型AED収納ボックス装置である。比較例の本体にはAEDが見える窓があるが、窓に遮熱フィルムは貼付されていない。実施例1と比較例1を室温40℃の実験室内に設置し、ともに同じ条件で疑似太陽光を照射し、各部の温度変化を測定した。
【0020】
図10は、温度測定部位を示す概略図である。図10においては、前面以外の外側パネル等は省略している。また、図11は、本発明の実施例と比較例の各部における温度測定結果を示す図である。図10中で、丸で囲んだ1、すなわち1番と示した個所で測定した結果は、図11〜図13において、AED上、と表記してあり、同様に、2番ではAED正面、3番では扉外、4番では遮光板、8番では室温、と表記してある。実施例1の屋外型AED収納ボックス装置で測定した結果は、図11〜図13において、屋外型、比較例1の結果は屋内型、と表記してある。図11〜図13において、横軸は疑似太陽光照射時間を、縦軸は測定箇所の温度を示す。各空気対流の効果を明確に示すため、便宜上、実施例1において、照射開始後0分〜45分は全てのファンを停止して測定し、45分〜78分は下部のファンを稼働させて測定し、78分〜111分は下部と中央部のファンを稼働させて測定した。図11において、照射開始後45分過ぎ及び78分過ぎに、実施例1のデータで急激な変化がある部分は、条件変更の作業のためである。
【0021】
図12は、本発明の実施例と比較例のAED正面部分の温度測定結果を示す図である。二重構造になっておらずファンもない比較例1(屋内型)は、AED正面の温度は、照射開始後上昇し、60℃を超える高温となる。そのため、AEDが高温状態になり、故障や劣化を引き起こすおそれが高くなり、いざ使用しようとした際に正しく作動せず、正しく作動すれば救えた患者の命が救えなくなる危険性がある。それに対し、実施例1(屋外型)では、温度上昇は緩やかで、比較例1において60℃を超えた時点でも42℃程度であった。照射開始後0分〜45分のデータから、比較例1に対し実施例1は、2重構造による空気対流のため温度上昇が緩和されることが分かる。比較例1ではその後も緩やかながら温度上昇し続け、65℃を超える。しかし、照射開始後45分〜78分のデータ及び78分〜111分のデータから、比較例1に対し実施例1は、ファンによる空気対流のため、温度上昇は抑制され、下部のファンだけでも45℃以下とすることができ、飛躍的に温度上昇抑制効果があることが分かった。さらに実施例1では、中央部のファンも稼働するので、さらに温度が1、2℃下がり、実施例1では、温度上昇が効率よく抑制されていることが分かった。1重構造でファンも遮熱フィルムもない比較例1では太陽光に曝されると内部の温度上昇が激しく、AEDに大きな悪影響を与えるおそれがあるが、実施例1では、2重構造による空気対流に下部及び中央部のファンによる空気対流を組み合わせ、また外側パネルの窓部に遮熱フィルムを貼付することで、太陽光に曝される屋外においても、屋外型AED収納ボックス装置内のAED正面の温度を、周囲の温度とほぼ変わらないレベルに保つことができることが分かった。図13は、本発明の実施例と比較例の屋外型AED収納ボックス装置外側の温度測定結果を示す図である。図13において、比較例1では1重構造であるので、扉外のデータが装置全体の外側温度であり、実施例1では、遮光板のデータが、外側パネルの外側、すなわち装置全体の外側温度である。1重構造でも2重構造でも装置全体の外側温度は60℃まで上昇するが、実施例1では、ファンによる空気対流により、装置全体の外側温度も5℃程度下がっていることが分かった。なお、図11の、実施例1の2重構造の内側部分のデータ、すなわち、屋外型の扉外データから、実施例1においては、本体外側温度は、2重構造であることにより、46℃程度に温度上昇が抑制され、さらにファンがあることにより、温度上昇は、室温と2℃程度の差に抑えられていることが分かった。
【0022】
本発明の実施例1によれば、外側パネルで遮光及び遮熱をすることによって太陽光による放射熱が直接本体に伝わることを防止し、また、本体に設けた1又は複数の排気手段によって本体内部の熱を逃がし、2重構造の間にある空気対流層によって熱気の対流を起こして本体内部の温度上昇を抑制することができる。これらの相乗効果により、AEDを収納するボックス内部の温度が過度に上昇することを防止し、屋外設置に適する屋外型AED収納ボックス装置を実現することができる。本発明の実施例1によれば、外側パネルと本体にはAEDを外部から視認できる窓部を設けつつ、そこから入り込む放射熱や太陽の直射日光を外側パネルの窓部に設けた遮熱フィルムで遮断することによって、AEDの視認性を損なわずにAEDの温度上昇を防止できる。なお、本実施例によれば、外側パネルと本体との間に隙間があるために本体の正面側下方にあるダクトの開口部より本体内部に入り込むおそれがある雨水や雪は、排水手段により排出されるため、風雨や雪に曝されても本体内部に水がたまることがなく、屋外設置に適する。
【0023】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されず、その発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々と変形実施が可能である。また、上記各実施の形態の構成要素を発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に組み合わせることができる。例えば、上述した本実施例においては、直方体の屋外型AED収納ボックス装置であるが、二重壁構造であれば、筒状でもよく、形状を問わない。
【符号の説明】
【0024】
100 屋外型AED収納ボックス装置
200 本体
210 表示部
211 コントロールボード
220 内側扉部
221 内側窓部
222 内側下部カバー部
230 本体右側面部
240 本体左側面部
250 本体背面部
260 本体前面開口部
270 台座部
280 天板
300 外側パネル
310 表示部外側パネル
320 扉部外側パネル
321 外側窓部
330 右側面部外側パネル
340 左側面部外側パネル
350 背面部外側パネル
360 空気対流層
410 AED保持具
500 仕切板
600 排水用板
700 ダクト
710 ファン
720 ファン用ダクトカバー
730 フィルタ
740 通気口
750 吹出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
AEDを内部に収納する本体と、遮熱フィルムを貼付した窓部を有し前記本体の各外側面に設けた外側パネルと、前記本体と前記外側パネルとの間に設けた空気対流層と、前記本体の一方の面側の空気対流層から空気を前記本体の内部へ吸気して前記本体の内部の空気を前記一方の面と反対の面側の空気対流層へ排気する吸排気手段と、前記AEDへ外気を直接吹き付ける送風手段とを有することを特徴とする屋外型AED収納ボックス装置。
【請求項2】
前記送風手段が、前記本体の背面側の空気対流層から前記AEDの下方へ空気を導入し、導入した空気を前記AEDの正面側表面に吹き付けて、前記AEDの上方から前記本体の背面側の空気対流層へ空気を排気する手段を含み、前記吸排気手段が前記本体の下方において前記本体の背面側の空気対流層から前記本体の内部へ吸気して前記本体の内部の空気を前記本体の前面側の空気対流層の下方から上方に向けて排気する手段を含むことを特徴とする請求項1記載の屋外型AED収納ボックス装置。
【請求項3】
さらに、前記本体と前記外側パネルとの間から前記本体の内部に入った水を前記本体の外部へ排水する排水手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2記載の屋外型AED収納ボックス装置。
【請求項4】
前記本体が、内側へ折り返した開口部周縁を有し、前記開口部周縁にパッキンが貼り廻らしてあることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の屋外型AED収納ボックス装置。
【請求項5】
さらに、前記AEDの下面に保温手段を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載の屋外型AED収納ボックス装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図9】
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【図10】
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【図8】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−5661(P2012−5661A)
【公開日】平成24年1月12日(2012.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−144334(P2010−144334)
【出願日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(507274663)
【Fターム(参考)】