説明

屋根下葺シート材

【課題】 屋根下葺シート材の固定に使われているつづら針やハンマータッカー等の打ち込み器具を変更せず、優れた透湿性および防水性、特につづら針部分の防水性を示し、そして施工の効率を低下させない又は向上させる屋根下葺シート材を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる屋根下葺シート材は、下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層と、この上記第1のシート層上の全面に亘って接着層を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層を有する屋根下葺シート材において、この屋根下葺シート材の長手方向の少なくとも一方の側縁側近傍の上記第1のシート層と第2のシート層との間を非接着部としてなるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は木造家屋等の建築物の屋根構造において、漏水防止等を図るための、屋根の下地材上に貼り付けられる屋根下葺シート材に関する。
【背景技術】
【0002】
木造家屋等の屋根構造100は、一般に図9に示すように、棟木と敷桁間に多数本の垂木101が互いに所定の間隔を以って架け渡し状態で支持されるとともに、これら垂木101上に構造用合板等を用いた野地板を張って下地板102を構成する。屋根構造100は、下地板102の表面上に下葺シート材103を全面に亘って張り付けるとともに、この下葺シート材103上からリング釘105を打ち付けて桟木104を所定の間隔を以って固定する。屋根構造100は、瓦106をそれぞれ引っ掛け爪を桟木104に掛け合わせるようにして下方から順に葺くことにより構成する。
【0003】
屋根構造100においては、下葺シート材103として、原紙にストレートアスファルトを浸透させて両面をコーティングしたアスファルト系シートや、合成樹脂系シート或いは樹皮等の天然素材系シートが従来一般に用いられている。下葺シート材103は、もっぱら瓦106の隙間や亀裂等から浸入する雨水等の屋内への漏れを防止する二次防水材として上述したように下地板102上に張り付けられることから、確実な防水性が要求される。
【0004】
ところで、木造家屋等においては、防音・断熱特性及び防水性を有して外部から浸入する雨水等を遮断する外壁材として透湿性を有するものも提供され、かかる外装材を用いることにより密閉性の向上が図られた屋内に生じる湿気を外部へと効率的に排出してかびや結露等の発生が抑制されるようになる。木造家屋等においては、かかる外装材を用いて外装を構成しても、上述した防水性を主体としたアスファルト系シートや合成樹脂系シートの下葺シート材103を用いた屋根構造100により、屋内に生じた湿気がもっぱら天井裏等に籠もって結露によるかびの発生や構成部材のくさり等を確実に解消することができなかった。
【0005】
したがって、下葺シート材としては、雨水等を遮断する防水性や水密性とともに、屋内に生じた湿気を外部へと放出する透湿性を有することも要求されるようになっている。
【0006】
また、下葺シート材は、野地板上に張り付けた後に釘打ちにより固定されるために釘孔の防水性も要求されるとともに、瓦葺き作業等に際して作業員の足の滑りを抑制して安全性が確保されるように防滑性も要求される。下葺ート材としては、上述した問題を解決するものとして、例えば特許文献1に示す多層の下葺シート材や特許文献2に示す下葺シート材の施工方法が提案されている。
【0007】
【特許文献1】特開2008−190217号公報
【特許文献2】特開2002−294941号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1における下地材への下葺シート材の貼り付けにおいては、この下葺シート材の下地材への貼り付けに用いられるつづら針の水密シール性は、つづら針が理想的な状態で打ち込まれているときにのみ、発現しており、実際の施工場所では、一般的にはハンマータッカーと呼ばれるつづら針打ち込み器具で傾斜面で下葺き材を固定すると、充分な水密シール性が発現しておらず、更に下葺き材の固定時や上葺き材の施工時に、下葺き材表面を作業者が歩行した際に、つづら針の穴が大きくなり、水密シール性を低下させていることが問題にされている。
【0009】
そのため、つづら針を使用せず固定するため、下葺シート材の裏面に粘着層を設けたタイプや下葺シート材を接着剤などで固定する方法が提案されているが、従来のつづら針の固定と比較すると、作業効率が著しく低下してしまい、一般的になっていない。また、透湿性を有した下葺シート材にとっては、粘着や接着層で透湿性が低下してしまい、この改善方法を使用することが難しいのが、現状である。
【0010】
また、特許文献2に示すようにつづら針による接合面を覆うように重ねて下葺シート材を敷設する施工方法も提案されているが、下葺シート材を重ねて敷設することは、下葺シート材により下地材を覆うことのできる面積を減少せしめ不経済でありコストアップにつながるものである。
【0011】
そこで、本発明は、下葺シート材の固定に使われているつづら針やハンマータッカー等の打ち込み器具を変更せず、優れた透湿性および防水性、特につづら針部分の水密シール性を示し、そして施工の効率を低下させない又は向上させる、屋根下葺シート材を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層と、この上記第1のシート層上の全面に亘って接着層を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層を有し、この屋根下葺シート材の長手方向の少なくとも一方の側縁側近傍の上記第1のシート層と第2のシート層との間を非接着部としてなる屋根下葺シート材である。
【0013】
なお、上記防水シート材からなる第2のシート層の長手方向中央部に切り込み部を設け、この切り込み部近傍の第1のシート層との対向面に非接着部を設けても良い。
【0014】
また、上記第2のシート層の非接着部と対向する位置に低粘着剤を塗布して、非接着部における防水シート材が不織布シート材に対し繰り返し仮接合されるようにしても良い。
【0015】
本発明は、下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層と、この上記第1のシート層上の全面に亘って低粘着剤からなる低粘着層を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層を有する屋根下葺シート材となし、不織布シート材と防水シート材の接合が全面に亘り仮接合によるものとしても良い。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る屋根下葺シート材によれば、下地板への貼り付けにおいて、この屋根下葺シート材を野地板等の下地板上に敷設した後、防水シート材の非接着部を折り曲げ、不織布シート材の表面を臨ませ、この不織布シート材の表面上から、ハンマータッカー等でつづら針を打ち込み下地板との接合を行う。
【0017】
その後、防水シート材を元に戻し、つづら針表面をこの防水シート材で覆う。
【0018】
このようにつづら針表面が防水シート材に覆われることにより、つづら針により生じた孔を塞ぐことができるので、例えつづら針の打ちそんじや施工時の負荷によりつづら針により生じた孔ができたとしても、下葺シート材としての水密シール性を完全に担保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に係る屋根下葺シート材を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る屋根下葺シート材の要部拡大断面図である。
【図3】上記屋根下葺シート材をつづら針等で下地材に固定した状態を示す要部拡大断面図である。
【図4】本発明に係る屋根下葺シート材の第1の変形例を示す斜視図である。
【図5】本発明に係る屋根下葺シート材の第2の変形例を示す斜視図である。
【図6】本発明に係る屋根下葺シート材の第3の変形例を示す要部拡大断面図である。
【図7】本発明に係る屋根下葺シート材の第4の変形例を示す要部拡大断面図である。
【図8】本発明に係る屋根下葺シート材の第4の変形例を示す斜視図である。
【図9】屋根下葺シート材を敷き込んだ屋根の構造を示す側面図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0021】
ここで実施の形態として示す屋根下葺シート材(以下、下葺シート材と略称する)1も、詳細を省略するが所定の間隔を以った垂木101上に野地板を張って構成した下地板102上に軒先側から全面に亘って順次張り付けられるものである。
【0022】
下葺シート材1は、後述する構造に形成されることにより、瓦106等の隙間から浸入してこの下葺シート材1を固定するために打ち込んだ釘の釘孔から染み込む雨水等を確実に遮断する良好な防水性機能を奏するとともに、屋内に生じた湿気を屋根から外部へと放出する高透湿性機能を奏する。また、下葺シート材1は、瓦葺き作業等に際して作業員の足の滑りを抑制して安全性が確保されるようにする。
【0023】
本発明に係る下葺シート材1は、図1及び図2に示すように、下地板102上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層2と、この上記第1のシート層2上の全面に亘って接着層3を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層4を有する少なくとも3層構造のシート体として構成される。
【0024】
そして、この下葺シート材1の長手方向の少なくとも一方の側縁側近傍の上記第1のシート層2と第2のシート層4との間は、接着層3を介在させることなく非接着部5としてなる。
【0025】
この下葺シート材1は、所定幅を有する長尺のシート体であり、ロール状にして提供される。
【0026】
下葺シート材1は、各層が後述する素材により形成されることから、現場対応にて下地板102上に貼り付けられてカッター等により余剰部分等を容易に切断することが可能である。
【0027】
下葺シート材1を構成する第1のシート層2は、例えばポリプロビレン繊維、ポリエステル繊維、PET(ポリエチレン−テレフタレート)繊維或いは天然繊維等を素材とした通気性を有する不織布シート材が用いられて形成されている。
【0028】
第1のシート層2は、かかる不織布シート材を素材とすることにより、下葺シート材1を比較的大きな勾配の下地板上に貼り付ける場合でも、途中での滑り落ちを低減して作業効率が保持されるようにするとともに、下地板の表面に対してなじんで変形することにより密着状態を保持して貼り付けが行われる。
【0029】
第1のシート層2は、上述した不織布シート材を素材として形成されることにより、屋内で生じて下地板102を透過した湿気等を外部へと放出する良好な透湿特性を有する。
【0030】
なお、第1のシート層2は、上述した不織布シート材を用いることに限定されないことは勿論である。第1のシート層2は、不織布シート材として所定の機械的強度を有する範囲で薄厚のものを用いたり、下葺シート材1のコストを大幅にアップさせたり取り扱い性を低下させない範囲で厚みが大きなものを用いてもよい。
【0031】
また、本実施例においては、上記第1のシート層2は、単層構造のものとして説明するが、上記従来の特許文献1に示すように複数層の構造のものであっても良い。
【0032】
このような複数層の構造の第1のシート層2にすることにより、この第1のシート層2自体に予め良好な防水性と透湿性を持たせることとしても良い。
【0033】
さらに、図示しないが、上記第1のシート層2の下面となる屋根下地板102との対抗面に仮止め用の粘着層を設けるようにしても良い。
【0034】
次に、下葺シート材1は、第2のシート層4を構成する防水シート材は、例えば、上述した防水性を主体としたアスファルト系シートやその他の合成樹脂系シート等を用いて形成される。また、防水紙等の防水加工された紙でも良い。
合成樹脂系シートとしては、上記第1のシート層2を構成する不織布シート材と同等の例えばポリプロピレン繊維、ポリエステル繊維或いはPET繊維等を素材とするものでも良い
【0035】
また、この第2のシート層4も上述の第1のシート層2と同様に複数層構造のものとなし、第2のシート層4自体に予め良好な防水性を持たせることとしても良い。
【0036】
下葺シート材1は、第1のシート層2と第2のシート層4を接合する接着層3が、一般にもっぱら対象物間を接合する接着剤や粘着剤或いは封止剤として用いられるホットメルト剤が用いられて、第1のシート層2上において、長手方向の一方の側縁近傍を除き、全面に亘って所定の厚みを有して積層形成される。
【0037】
このホットメルト剤は、周知のようにポリオレフィン系等の熱可塑性樹脂を主成分として合成樹脂を混合した常温で固体相の接着剤であり、加熱することにより熱可塑性樹脂成分を溶融した状態で対象物間に塗布した後に、圧着しながら冷却して熱可塑性樹脂成分を硬化させることにより対象物間を強固に接合或いは封止する。ホットメルト剤は、その材料特性からある程度の厚みを以って形成することにより、良好な防水機能を奏する。
【0038】
接着層3は、所定量のホットメルト剤が第1のシート層2上に供給され、その後、第2のシート層4が積層された後、加熱・圧着・冷却処理が施されて硬化することにより、第1のシート層2上に積層された第2のシート層4を接着する。接着層3は、ホットメルト剤の一部が第1のシート層2や第2のシート層4を構成する不織布シート材の内部に浸潤して繊維に絡み合って硬化される。
【0039】
接着層3は、上述した特性を有するホットメルト剤が第1のシート層2をコーティングして防水性を付与するとともに、第1のシート層2内において不織布シート材の繊維と絡み合って透湿性を有する。接着層3は、第2のシート層4をコーティングして防水性を付与するとともに、第2のシート層4内においてもシート材の繊維と絡み合って透湿性を有する。なお、接着層3は第1のシート層2と第2のシート層4に一体化され、全体として下葺きシート材1の機械的強度を向上させる。
【0040】
本発明は、上述の如き3層からなる下葺シート材1において、この下葺シート材1の長手方向Aの少なくとも一方の側縁側近傍の上記第1のシート層2と第2のシート層4との間を非接着部5としてなる。
【0041】
この非接着部5は、この下葺シート材1の幅方向の長さ1mに対し、約5cmから15cmの幅を有して、側縁に沿って形成される。
【0042】
従って、下葺シート材1の第2のシート層4は、一方の側縁において第1のシート層2と接着されておらず側縁から約5cmから15cmの幅において折り返し、第1のシート層2の表面を臨ませることができる。
【0043】
なお、下葺シート材1の上面となる上記第2のシート層4の上面において、非接着部5の位置を表示するため、非接着部5に対応する部分の上面を着色したり、非接着部5と接着層3との境界線と対応する位置に、折り曲げ線7(図1では点線で示す。)の線引き表示を行っても良い。
【0044】
以上のように構成される下葺シート材1において、屋根下地板102への貼り付けは、次の手順により行われる。
【0045】
先ず、下地板102の軒先側から棟側対し横手方向に、下葺シート材1を敷設していく。このとき、下葺シート材1の非接着部5側が棟側に位置するようになす。
【0046】
そして、第2のシート層4の非接着部5を端部側から折り曲げ線7に沿って折り曲げ、第1のシート層2の上面2aを臨ませる。
【0047】
この第1のシート層2の上面2aから、ハンマータッカー等でつづら針6を打ち込み、下葺シート材1と下地板102との接合を行う。
【0048】
このとき、第1のシート層2の上面2aに、つづら針6の打ち込み位置を表示する表示部8を予め所定間隔で記載しておき、この表示に従って、つづら針6を打ち込むようにしても良い。
【0049】
ここで使用するつづら針6としては、一般的な工業用ステープルやステープラつづら針等が使用でき、特にその形状や材質について限定されるものではない。
【0050】
また、つづら針6を用いた固定に使われる打ち込み器具としては、それぞれのつづら針6に対応するハンマータッカーやガンタッカー、さらに圧縮空気で打ち込むエアタッカー等が使用できる。
【0051】
その後、第2のシート層4を元に戻し、図3に示すように、つづら針6表面をこの第2のシート層4で覆う。
【0052】
このようにつづら針6の表面が第2のシート層4で覆われることにより、つづら針6が隠され、例え、第1のシート層2においてつづら針6と間に孔が生ずることがあるとしても、上記第2のシート層4により当該孔を塞ぐことができ、水密シール性を完全に担保することができる。
【0053】
次に、図4に本発明に係る屋根下葺シート材の第1の変形例を示す。この図4に示される下葺シート材10は、この下葺シート材10の長手方向の側縁両側に上記非接着部11、12を設けたものである。
【0054】
この非接着部11、12は、この下葺シート材10の幅方向の長さ1mに対し、それぞれ約5cmから15cmの幅を有して、側縁に沿って形成される。
【0055】
さらに、図5は、本発明に係る屋根下葺シート材の第2の変形例を示すものである。この図5に示される下葺シート材20は、この下葺シート材20の長手方向の側縁両側に上記非接着部21、22を設け、さらに、この下葺シート材20の長手方向中央部に長手方向Aに沿って、この下葺シート20の表面側を構成する第2のシート層4に切り込み部23を設け、この切込み部23の両側にも第1のシート層2と第2のシート層4との間に非接着部24を設けたものである。
【0056】
このように、下葺シート材20の中央部にもつづら針6による野地板との接合部を設けることにより、より強固に下葺シート材20を野地板に接合することができる。
【0057】
なお、この切込み部23から非接着部24に雨水等が入らないようにするには、切込み部23において第2のシート層4の両側の片を延在して重ね合わせ部25を設け、棟側の片23aを上側とし、軒側の片23bを下側となすようにすれば良い。
【0058】
この第1の変形例及び第2の変形例に示すように、非接着部11、12、21、22及び24を複数となすことにより、つづら針6による打ち込み位置を増やすことができるとともに、いずれのつづら針打ち込み位置においても、つづら針6を防水性を有する第2のシート層4により覆い、つづら針6により第1のシート層2に生じた孔を塞ぐことができ、水密シール性を担保することができる。
【0059】
図6は、本発明に係る屋根下葺シート材の第3の変形例を示す要部拡大断面図である。この図6に示される下葺シート材30は、第2のシート層32において、第1のシート層31との間で接着層33で接着されていない非接着部と対向する位置に、低粘着剤34を塗布してなるものである。
【0060】
ここで用いられる低粘着剤34としては、例えばシリコン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤等を用いることができる。
【0061】
このように、上記第2のシート層32の非接着部と対向する位置に低粘着剤34を塗布して、非接着部における第2のシート層32を構成する防水シート材が第1のシート層31を構成する不織布シート材に対し繰り返し仮接合されるようにすることにより、この非接着部における水密シール性をさらに高めることができる。
【0062】
なお、非接着部を低粘着剤を用いて仮接合により開閉可能とすることは、上記実施の態様及び各変形例で説明した下葺シート材1、10、20に用いても良いことはいうまでもない。
【0063】
さらに、図7及び図8は、本発明に係る屋根下葺シート材の第4の変形例を示すものである。
【0064】
この図7及び図8に示す下葺シート材40は、下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層41と、この上記第1のシート層41上の全面に亘って低粘着剤からなる低粘着層42を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層43を有するものである。
【0065】
ここで上記第1のシート層41又は第2のシート層43はいずれも防水加工を施してなるものである。
【0066】
このように、第1のシート層41と第2のシート層43を低粘着剤からなる低粘着層42により仮接合することとすれば、適宜必要範囲において、第2のシート層43を第1のシート層41から引き剥がし、第1のシート層41の上面を露出させて、つづら針6を打ち込んだ後、第2のシート層42を元に戻すことにより、つづら針6の上面を第2のシート層42で覆うことができる。
【0067】
よって、この第4の変形例にかかる下葺シート材40においても、その下地板への敷設施工時において、つづら針6を第2のシート層42によってこの下葺シート材表面から隠すことができ、つづら針6の打ち込みにより第1のシート層41に生じる孔を確実に閉塞することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 下葺シート材、2 第1のシート層、3 接着層、4 第2のシート層、5 非接着部、6 つづら針、34 低粘着剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層と、
この上記第1のシート層上の全面に亘って接着層を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層を有し、
この屋根下葺シート材の長手方向の少なくとも一方の側縁側近傍の上記第1のシート層と第2のシート層との間を非接着部としてなる屋根下葺シート材。
【請求項2】
上記防水シート材からなる第2のシート層の長手方向中央部に切り込み部を設け、この切り込み部近傍の第1のシート層との対向面に非接着部を設けてなる請求項1記載の屋根下葺シート材。
【請求項3】
上記第2のシート層の非接着部と対向する位置に低粘着剤を塗布してなる請求項1又は請求項2記載の屋根下葺シート材。
【請求項4】
下地板上に対する貼り付け層を構成する不織布シート材からなる第1のシート層と、
この上記第1のシート層上の全面に亘って低粘着剤からなる低粘着層を介して積層される防水シート材からなる第2のシート層を有する屋根下葺シート材。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−64304(P2013−64304A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204936(P2011−204936)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(511228702)