説明

履物洗濯ネット

【課題】 履物の布地を傷めたり形崩れすることなく綺麗に洗浄できる履物洗濯ネットを提供する。
【解決手段】 一端を開閉自在とした袋状のネット1の表側と裏側を一部繋ぎ止めて履物7が個々に収まる収容部2a、2bを形成した。ネットの一方の側の内側に起毛を設けると、優れた洗浄効果が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、洗濯機を利用してスリッパや運動靴等の履物を洗浄する際に用いる履物洗濯ネットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、スリッパや運動靴等の汚れはブラシを使用して手洗いしていたが、手洗いは手間がかかり、且つ、汚れを綺麗に洗浄できないことから、最近では、これら履物類を袋状の扁平ネットに収容して洗濯機で洗浄することが行われている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平9−271597号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、履物類を大きなネット袋に無造作に収容して洗濯機に投入して洗濯すると、洗濯槽の攪拌作用によりネット袋内において履物が無造作に動き、相互に絡み合い擦られることにより、履物の布地を傷めたり形崩れしたりするという不都合があった。
【0004】
本発明は、このような不都合に鑑み成されたもので、履物の布地を傷めたり形崩れすることなく綺麗に洗浄できる履物洗濯ネットを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
すなわち、請求項1に記載の本発明は、一端を開閉自在とした袋状のネットの表側と裏側を一部繋ぎ留めて履物が個々に収まる複数の収容部を形成したことを特徴としている。
【0006】
また、請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の履物洗濯ネットにおいて、前記ネットの一方の側の内側に起毛を設けたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、袋状のネットに履物が個々に収まる収容部を設けたので、洗濯中、履物はこの収納部内に無造作に動くことなく常にきちんと収容されているので、布地を傷めたり形崩れする不都合が回避できる。
また、請求項2に記載の発明によれば、ネットの内側に起毛を設けたので、この起毛によるブラッシング作用により、履物の汚れを掻き落とす十分な洗浄効果が得られると共に、起毛の柔軟性により、布地の傷みが防止される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面に基づいて本発明に係る履物洗濯ネットの実施形態を説明する。
図1は本実施形態の洗濯ネットの外観斜視図、図2は洗濯ネットの内部を示す斜視図、図3は洗濯ネットの裏面図、図4は洗濯ネットの使用状態を示す斜視図である。
【0009】
図1、図2に示すように、履物洗濯ネット1(洗濯ネット1)は、生地の異なる2枚の布体を重ね合わせて扁平袋状に縫製したものであって、開口部にファスナー6を設けて開閉自在としている。
【0010】
この洗濯ネット1は、表側1aに通気性、通水性に優れる、例えば、ナイロン繊維やポリエステル繊維等などで成る粗い網目状の布地を用い、この布地の内側全面に網目状の基布4から内側に向けてループ状の起毛5(パイルが)形成されている。他方、裏側1bもナイロン繊維やポリエステル繊維等などで成る比較的目の細かい網目状の布地を用いている。
【0011】
本実施形態では、図3に示すように、この洗濯ネット1の表側1aと裏側1bの布地の中央部を縦方向(開口部から底部に向けて)に一部縫合し、この縫合部3により、扁平ネットを2つに区画することで、履物7(本実施形態ではスリッパ7)が個々に収まる左右2つの収容部2a、2bを形成している。尚、縫合は直線状の他、渦巻状、折り返し状、ジクザグ状等としても良い。
また、表側1aと裏側1bの繋ぎ留めとして、上述の縫合による方法の他、リベットや面ファスナー(図示せず)等を用いることも可能である。
【0012】
このような構造の洗濯ネット1を用いて、2組のスリッパ7を洗浄する場合は、先ず、図4に示すように、2組のスリッパ7、7をそれぞれ一対ずつ重ね合わせ、ネット開口部より各収納部2a、2bに収容する。この時、スリッパ7の表側が内側に起毛5を設けた洗濯ネット1の表側1aに向くようにセットする。この状態でファスナー6を閉じることにより、各々スリッパ7、7は各収納部2a、2bにそれそれ縦方向に密な状態できちんと収容できる。
【0013】
次ぎに、スリッパ7を収容した洗濯ネット1を洗濯機に入れて通常の洗濯動作を行う。この際、スリッパ7の底部が上を向くように入れると良い。
スリッパ7は各収納部2a、2bに密な状態で収容されているため、洗濯槽の攪拌作用による水流でスリッパ7がネット内で無造作に動いて相互に擦り合うことはなくなり、よって、スリッパ7の形崩れや布地の傷付きを大いに防止できるものである。
また、洗濯水が回転、反転を繰り返すことにより、その水流でスリッパ7の表面がネット内面の起毛5に接触して擦られ、そのブラッシング作用によりスリッパ7の表面に付着した汚れを掻き落とす。起毛5はループ状に形成されているから、ブラッシング作用は効果的に行われ、優れた洗浄効果が得られる。加えて、起毛5の奏する柔軟性は布地の傷付きを保護するように作用する。
【0014】
以上、本実施形態の洗濯ネットは、スリッパの洗浄の他、運動靴等の洗浄に用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明に係る洗濯ネットの外観斜視図。
【図2】同、洗濯ネットの内部を示す斜視図。
【図3】同、洗濯ネットの裏面を示す図
【図4】同、洗濯ネットの使用状態を示す斜視図。
【符号の説明】
【0016】
1 履物洗濯ネット
2a、2b 収容部
5 起毛
7 履物(スリッパ、運動靴)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端を開閉自在とした袋状のネットの表側と裏側を一部繋ぎ留めて履物が個々に収まる複数の収容部を形成したことを特徴とする履物洗濯ネット。
【請求項2】
前記ネットの一方の側の内側に起毛を設けたことを特徴とする請求項1に記載の履物洗濯ネット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−340775(P2006−340775A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−166788(P2005−166788)
【出願日】平成17年6月7日(2005.6.7)
【出願人】(000115968)レック株式会社 (49)
【Fターム(参考)】